地方自治法
法令番号: 法律第六十七号
公布年月日: 昭和22年4月17日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議会の協賛を経た地方自治法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月十六日
内閣総理大臣 吉田茂
内務大臣 植原悦二郎
法律第六十七号
地方自治法目次
第一編
総則
第二編
普通地方公共團体
第一章
通則
第二章
住民
第三章
條例及び規則
第四章
選挙
第一節
通則
第二節
選挙人名簿
第三節
投票
第四節
開票
第五節
選挙会
第六節
候補者及び当選人
第七節
特別選挙
第八節
爭訟
第九節
選挙運動及び罰則
第五章
直接請求
第一節
條例の制定及び監査の請求
第二節
解散及び解職の請求
第六章
議会
第一節
組織
第二節
権限
第三節
招集及び会期
第四節
議長及び副議長
第五節
委員会
第六節
会議
第七節
請願
第八節
議員の辞職及び資格の決定
第九節
紀律
第十節
懲罰
第十一節
書記長及び書記
第七章
執行機関
第一節
普通地方公共團体の長
第一款
地位
第二款
権限
第三款
補助機関
第四款
議会との関係
第二節
選挙管理委員会
第三節
監査委員
第八章
給與
第九章
財務
第一節
財產及び営造物
第二節
收入
第三節
支出
第四節
予算
第五節
出納及び決算
第六節
雜則
第十章
監督
第十一章
補則
第三編
特別地方公共團体及び地方公共團体に関する特例
第一章
特別地方公共團体
第一節
特別市
第二節
特別区
第三節
地方公共團体の組合
第四節
財產区
第二章
地方公共團体の協議会
附則
地方自治法
第一編 総則
第一條 地方公共團体は、普通地方公共團体及び特別地方公共團体とする。
普通地方公共團体は、都道府縣及び市町村とする。
特別地方公共團体は、特別市、特別区、地方公共團体の組合及び財產区とする。
第二條 地方公共團体は、法人とする。
普通地方公共團体は、その公共事務並びに從來法令により及び將來法律又は政令により普通地方公共團体に属する事務を処理する。
特別地方公共團体は、この法律の定めるところにより、その事務を処理する。
第三條 地方公共團体の名称は、從來の名称による。
都道府縣及び特別市の名称を変更しようとするときは、法律でこれを定める。
都道府縣及び特別市以外の地方公共團体の名称を変更しようとするときは、この法律に特別の定のあるものを除く外、條例でこれを定めなければならない。
第四條 地方公共團体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、條例でこれを定めなければならない。
第二編 普通地方公共團体
第一章 通則
第五條 普通地方公共團体の区域は、從來の区域による。
都道府縣は、市町村を包括する。
第六條 都道府縣の廃置分合又は境界変更をしようとするときは、法律でこれを定める。
都道府縣の境界にわたつて市町村の境界の変更があつたときは、都道府縣の境界も、また、自ら変更する。所属未定地を市町村の区域に編入したときも、また、同樣とする。
前二項の場合において財產処分を必要とするときは、関係地方公共團体が協議してこれを定める。その協議が調わないときは、関係地方公共團体の議会の意見を聽き、内務大臣がこれを定める。但し、法律に特別の定があるときは、この限りでない。
前項の協議については、関係地方公共團体の議会の議決を経なければならない。
第七條 市の廃置分合又はこれに伴う町村の廃置分合若しくは市町村の境界変更をしようとするときは、関係市町村の議会の議決を経て、内務大臣がこれを定める。
町村の廃置分合又は市町村の境界変更をしようとするときは、都道府縣知事は、関係市町村の議会の議決を経、内務大臣の許可を得てこれを定める。所属未定地を市町村の区域に編入しようとするときも、また、同樣とする。
都道府縣の境界にわたつて市町村の境界の変更をしようとするときは、関係普通地方公共團体の議会の議決を経て、内務大臣がこれを定める。
前三項の場合において財產処分を必要とするときは、関係市町村が協議してこれを定める。その協議が調わないときは、関係市町村の議会の意見を聽き、第一項及び第二項の場合においては都道府縣知事、前項の場合においては内務大臣がこれを定める。
前項の協議については、関係市町村の議会の議決を経なければならない。
第八條 市を設置し又は町村を市としようとするときは、その地方公共團体は、人口三万以上を有し、且つ、都市的形態を具えていなければならない。
町村を市とし又は市を町村としようとするときは、当該市町村の議会の議決を経て、内務大臣がこれを定める。
村を町とし又は町を村としようとするときは、町村は、その議会の議決を経て、都道府縣知事の許可を受けなければならない。
第九條 市町村の境界に関し爭論があるときは、関係市町村は、裁判所にその確定の訴を提起することができる。
市町村の境界が判明でない場合において、その境界に関し爭論がないときは、都道府縣知事は、裁判所に境界の決定を求めることができる。
前項の場合においては、政令で特別の定をするものを除く外、非訟事件手続法の例による。
第二章 住民
第十條 市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府縣の住民とする。
住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共團体の財產及び営造物を共用する権利を有し、その負担を分任する義務を負う。
第十一條 日本國民たる普通地方公共團体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共團体の選挙に参與する権利を有する。
第十二條 日本國民たる普通地方公共團体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共團体の條例の制定又は改廃を請求する権利を有する。
日本國民たる普通地方公共團体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共團体の事務の監査を請求する権利を有する。
第十三條 日本國民たる普通地方公共團体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共團体の議会の解散を請求する権利を有する。
日本國民たる普通地方公共團体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共團体の議会の議員、長、副知事若しくは助役、出納長若しくは收入役、選挙管理委員又は監査委員の解職を請求する権利を有する。
第三章 條例及び規則
第十四條 普通地方公共團体は、法律の範囲内において、その事務に関し、條例を制定することができる。
法律又は政令により都道府縣に属する國の事務に関する都道府縣の條例に違反した者に対しては、法律の定めるところにより、これに刑罰を科することがあるものとする。
第十五條 普通地方公共團体の長は、法律の範囲内において、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる。
前條第二項の規定は、前項の規則にこれを準用する。
第十六條 條例及び規則は、一定の公告式により、これを告示しなければならない。
第四章 選挙
第一節 通則
第十七條 普通地方公共團体の議会の議員及び長は、その被選挙権を有する者について、選挙人が投票によりこれを選挙する。
第十八條 日本國民たる年齢二十年以上の者で六箇月以來市町村の区域内に住所を有するものは、その属する普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙権を有する。
市町村は、市町村に対し特別の関係のある者の申請により、前項の規定による住所の要件にかかわらず、議会の議決を経て、これにその議会の議員及び長の選挙権を與えることができる。
前項の規定により選挙権を與えられた者は、当該市町村を包括する都道府縣の議会の議員及び長の選挙権を有する。
第二項の規定により住所を有する市町村以外の市町村において選挙権を與えられた者は、その住所を有する市町村においては、第一項の規定にかかわらず、普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙権を有しない。
第一項の六箇月の期間は、市町村の廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。
第十九條 普通地方公共團体の議会の議員の選挙権を有する者で年齢二十五年以上のものは、普通地方公共團体の議会の議員の被選挙権を有する。
日本國民で年齢三十年以上のものは、都道府縣知事の被選挙権を有する。
日本國民で年齢二十五年以上のものは、市町村長の被選挙権を有する。
前三項の年齢は、選挙の期日によりこれを算定する。
第二十條 禁治產者及び準禁治產者並びに懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を終り又はその執行を受けることがなくなるまでの者は、選挙権及び被選挙権を有しない。
第二十一條 選挙管理委員、選挙管理委員会の書記、投票管理者、開票管理者及び選挙長並びに選挙事務に関係のある官吏及び吏員は、その関係区域内においては、被選挙権を有しない。
在職の檢察官、警察官吏及び收税官吏は、被選挙権を有しない。
第二十二條 都道府縣の議会の議員は、各選挙区において、これを選挙する。
前項の選挙区は、郡市の区域による。
前項の区域の人口が著しく少いときは、條例で数区域を合せて一選挙区を設けることができる。
都道府縣の議会の議員の任期中あらたに第二項の区域の設定があつた場合において、從前その区域が属していた選挙区の配当議員数が同項の規定による関係選挙区の数に達しないときは、同項の規定の適用については、次の総選挙までの間、その区域は、なお設定されないものとみなす。
前二項の場合において必要な事項は、命令でこれを定める。
市町村は、その議会の議員の選挙につき、條例で選挙区を設けることができる。但し、第百五十五條第二項の市については、区の区域を以て選挙区とする。
市町村の議会の議員の選挙における選挙人の所属の選挙区は、その住所によりこれを定める。第十八條第二項の規定による選挙権を有する者で市町村の区域内に住所を有しないものについては、当該市町村の選挙管理委員会は、本人の申請により、その申請がないときは職権により、その所属の選挙区を定めなければならない。
各選挙区において選挙すべき普通地方公共團体の議会の議員の数は、人口に比例して、條例でこれを定めなければならない。
第二十三條 普通地方公共團体の選挙に関する事務は、当該普通地方公共團体の選挙管理委員会がこれを管理する。
第二十四條 普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙は、これを行うべき事由が生じたときは、速かに行わなければならない。
普通地方公共團体の議会の議員又は長の任期満了に因る選挙は、その任期満了の日前三十日前にはこれを行うことができない。
市町村の議会の議員又は長の選挙は、第二十五條第四項の規定による通知があるまでの間は、これを行うことができない。但し、同項の期間内に通知がないときは、この限りでない。
選挙の期日は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が選挙の期日前、都道府縣にあつては三十日、市町村にあつては二十日までにこれを告示しなければならない。
第二十五條第三項の規定により都道府縣の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、選挙の期日は、都道府縣の選挙管理委員会において、選挙の期日前三十日までにこれを告示しなければならない。
第二十五條 都道府縣の議会の議員の選挙と都道府縣知事の選挙又は市町村の議会の議員の選挙と市町村長の選挙は、これを同時に行うことができる。
市町村の選挙管理委員会は、市町村の議会の議員又は長の選挙を行う場合においては、任期満了に因る選挙については任期満了の日前六十日までに、任期満了以外の事由に因る選挙については第五十九條第二項又は第六十一條第三項の規定により報告する場合を除く外選挙を行うべき事由を生じた日から三日以内に、その旨を都道府縣の選挙管理委員会に届け出なければならない。市町村の議会の議員の選挙の当選人につき第六十二條第一項に掲げる事由を生じた場合又は市町村の議会の議員に欠員を生じた場合において、第五十六條又は第六十三條第二項の規定により不足の当選人又は欠員を補充することができないときも、また、同樣とする。
都道府縣の選挙管理委員会は、前項の規定による届出又は第五十九條第二項若しくは第六十一條第三項の規定による報告に基き、当該市町村の選挙を都道府縣の選挙と同時に行わせることができる。
都道府縣の選挙管理委員会は、第二項の規定による届出又は第五十九條第二項若しくは第六十一條第三項の規定による報告のあつた日から三日以内に、当該市町村の選挙を都道府縣の選挙と同時に行うかどうかを、当該市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合においては、この法律に特別の定があるものを除く外、投票及び開票に関する規定は、各選挙に通じてこれを適用する。第一項の規定により同時に選挙を行う場合において、選挙会の区域が同一であるときは、選挙会に関する規定についても、また、同樣とする。
前項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第二節 選挙人名簿
第二十六條 普通地方公共團体の選挙は、衆議院議員選挙人名簿及び補充選挙人名簿又はその抄本によりこれを行う。
市町村の選挙管理委員会は、毎年九月十五日の現在により補充選挙人名簿を調製し、十一月五日から十五日間その指定した場所においてこれを関係人の縱覽に供さなければならない。
補充選挙人名簿の縱覽の場所は、委員会において縱覽開始の日前三日までにこれを告示しなければならない。
補充選挙人名簿には、普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙権を有する者で、当該市町村における衆議院議員選挙人名簿に登載されることができないものを登載しなければならない。
補充選挙人名簿には、選挙人の氏名、住所、性別及び生年月日等を記載しなければならない。
選挙権を有する者の年齢は、選挙人名簿の確定の期日によりこれを算定する。
第二十七條 補充選挙人名簿に脱漏又は誤載があると認めるときは、関係人は、その名簿の縱覽期間内に当該市町村の選挙管理委員会に異議の申立をすることができる。
委員会は、前項の申立を受けたときは、その日から二十日以内にこれを決定しなければならない。その申立を正当であると決定したときは、直ちに補充選挙人名簿を修正し、その旨を申立人及び関係人に通知し、併せてこれを告示しなければならない。その申立を正当でないと決定したときは、直ちにその旨を申立人に通知しなければならない。
前項の規定による決定に不服がある者は、決定のあつた日から七日以内に地方裁判所に出訴することができる。その判決に不服がある者は、控訴することはできないが、最高裁判所に上告することができる。
補充選挙人名簿は、十二月二十日を以て確定する。
補充選挙人名簿は、翌年の十二月十九日までこれを据え置かなければならない。但し、確定判決により修正すべきものは、委員会において、直ちにこれを修正し、その旨を告示しなければならない。
天災事変等のため必要があるときは更に名簿を調製しなければならない。
前項の名簿に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第三節 投票
第二十八條 投票区は、衆議院議員の選挙の投票区による。
第二十九條 投票管理者は、選挙権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会の選任した者を以てこれに充てる。
投票管理者は、投票に関する事務を担任する。
投票管理者は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
第三十條 候補者は、各投票区における選挙人名簿に記載された者の中から、本人の承諾を得て、投票立会人となるべき者一人を定め、選挙の期日前三日までに、投票管理者に届け出ることができる。但し、同一人を届け出ることを妨げない。
前項の規定により届出のあつた者(候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、その届出に係る者を除く。以下これに同じ。)が十人を超えないときは、直ちにその者を以て投票立会人とし、十人を超えるときは、届出のあつた者において投票立会人十人を互選しなければならない。
前項の規定による互選は、投票によりこれを行い、得票の最多数の者を以て投票立会人とする。得票の数が同じであるときは、投票管理者がくじでこれを定める。
第二項の規定による互選は、選挙の期日の前日にこれを行ふ。
第二項の規定による互選を行うべき場所及び日時は、投票管理者において、予めこれを告示しなければならない。
候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、その届出に係る投票立会人は、その職を失う。
第二項の規定による投票立会人が三人に達しないとき若しくは三人に達しなくなつたとき又は投票立会人で参会する者が投票所を開くべき時刻になつても三人に達しないとき若しくはその後三人に達しなくなつたときは、投票管理者は、その投票区における選挙人名簿に記載された者の中から三人に達するまでの投票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知し、投票に立ち会わしめなければならない。
投票立会人は、正当の理由がなければ、その職を辞することができない。
第三十一條 投票用紙の樣式は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会がこれを定める。
第二十五條第三項の規定により都道府縣の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、投票用紙の樣式は、都道府縣の選挙管理委員会がこれを定める。
第二十五條第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合においては、投票用紙に各選挙における候補者の氏名を記載する欄を区分して設けなければならない。
第三十二條 選挙人は、投票所において、投票用紙に自ら候補者一人の氏名を記載してこれを投票箱に入れなければならない。
第二十五條第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合においては、選挙人は、投票所において、投票用紙の各選挙における候補者の氏名を記載する欄に、自ら候補者一人の氏名を記載してこれを投票箱に入れなければならない。
身体の故障に因り自ら候補者の氏名を記載することができない者の投票については、第三十七條、第四十一條及び前二項の規定にかかわらず、政令で特別の規定を設けることができる。
投票用紙には、選挙人の氏名を記載してはならない。
第三十三條 投票の拒否は、投票立会人の意見を聽き、投票管理者がこれを決定しなければならない。
前項の決定を受けた選挙人において不服があるときは、投票管理者は、仮に投票をさせなければならない。
前項の投票は、選挙人をしてこれを封筒に入れて封をし、表面に自らその氏名を記載して投票箱に入れさせなければならない。
投票立会人において異議のある選挙人についても、また、前二項と同樣とする。
第三十四條 選挙人でその從事する職務若しくは業務又は疾病その他政令の定める事由に因り選挙の当日自ら投票所に行き投票をすることができない旨を証明するものの投票については、第三十二條第一項、第二項、第三十七條及び前條の規定にかかわらず、命令で特別の規定を設けることができる。
第三十五條 島その他交通不便の地について、投票の当日に投票箱を送致することができない情況があると認めるときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、適宜にその投票の期日を定め、開票の期日までにその投票箱、投票録及び選挙人名簿又はその抄本を送致させることができる。
第二十五條第三項の規定により都道府縣の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、前項の規定による投票の期日は、同項の規定にかかわらず、都道府縣の選挙管理委員会がこれを定める。
第三十六條 天災その他避けることのできない事故に因り投票を行うことができないとき、又は更に投票を行う必要があるときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。但し、その期日は、委員会において少くとも五日前にこれを告示しなければならない。
第二十五條第三項の規定により都道府縣の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合において前項に規定する事由を生じたときは、都道府縣の選挙管理委員会は、同項の例により更に投票を行わせなければならない。
都道府縣の選挙について第一項に規定する事由を生じた場合及び前項の場合においては、市町村の選挙管理委員会は、都道府縣の選挙の選挙長を経て都道府縣の選挙管理委員会にその旨を届け出なければならない。
第三十七條 衆議院議員選挙法第二十一條乃至第二十三條、第二十五條、第二十六條、第二十八條乃至第三十條、第三十二條、第三十四條、第三十五條及び第三十九條乃至第四十三條の規定は、普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙の投票にこれを準用する。
第四節 開票
第三十八條 開票区は、衆議院議員の選挙の開票区による。但し、市町村の議会の議員の選挙については、当該市町村の選挙管理委員会は、別に開票区を設けることができる。
第三十九條 開票管理者は、選挙権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会が選任した者を以てこれに充てる。
開票管理者は、開票に関する事務を担任する。
開票管理者は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
第四十條 第三十條の規定は、開票立会人にこれを準用する。
第四十一條 第三十二條第一項の規定による投票で左に掲げるものは、これを無効とする。
一 成規の用紙を用いないもの
二 候補者の氏名の外他事を記載したもの 但し、職業、身分、住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。
三 候補者でない者の氏名を記載したもの
四 二人以上の候補者の氏名を記載したもの
五 被選挙権のない候補者の氏名を記載したもの
六 候補者の氏名を自書しないもの
七 候補者の何人を記載したかを確認し難いもの
第三十二條第二項の規定による投票で前項第一号及び第二号に該当するものは、これを無効とする。その投票中の各選挙における候補者の氏名を記載する欄の前項第三号乃至第七号の記載は、これを無効とする。
第四十二條 開票管理者は、開票立会人立会の上、投票箱を開き、まず第三十三條第二項及び第四項の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聽き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。
開票管理者は、開票立会人とともに、各投票所の投票を混同して、投票を点檢しなければならない。
投票の点檢が終つたときは、開票管理者は、直ちにその結果を選挙長に報告しなければならない。
第四十三條 第三十六條第一項本文、第二項及び第三項の規定は、開票にこれを準用する。
第四十四條 衆議院議員選挙法第四十五條、第四十六條、第四十八條、第五十條、第五十一條、第五十三條乃至第五十五條及び第五十七條の規定は、普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙の開票にこれを準用する。
第五節 選挙会
第四十五條 選挙長は、選挙権を有する者の中から当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の選任した者を以てこれに充てる。
選挙長は、選挙会に関する事務を担任する。
選挙長は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
第四十六條 選挙会は、選挙長の指定した場所でこれを開く。
第四十七條 第三十條の規定は、選挙立会人にこれを準用する。
第四十八條 選挙会の区域と開票区の区域が同一である選挙については、第三十九條、第四十條、第四十二條第三項、第四十三條及び第四十四條の規定にかかわらず、当該選挙の開票の事務は、選挙会場において選挙会の事務に合せてこれを行うことができる。
前項の規定により開票の事務を選挙会の事務に合せて行う場合においては、開票管理者又は開票立会人は、選挙長又は選挙立会人を以てこれに充て、開票に関する次第は、選挙録中にこれを併せて記載するものとする。
第四十九條 選挙長は、すべての開票管理者から第四十二條第三項の規定による報告を受けた日又はその翌日に選挙会を開き、選挙立会人立会の上、その報告を調査し、各候補者の得票総数を計算しなければならない。
前條第一項の場合においては、選挙長は、前項の規定にかかわらず、投票の点檢の結果により各候補者の得票総数を計算しなければならない。
選挙の一部が無効となり更に選挙を行つた場合において、第四十二條第三項の規定による報告を受けたときは、選挙長は、第一項の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査し、各候補者の得票総数を計算しなければならない。
第五十條 選挙長は、選挙録を作り、選挙会に関する次第を記載し、選挙立会人とともに、これに署名しなければならない。
選挙録は、第四十二條第三項の規定による報告に関する書類と併せて当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会において、普通地方公共團体の議会の議員又は長の任期間これを保存しなければならない。
第四十八條の場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、投票の有効無効を区別し、投票録及び選挙録と併せて当該普通地方公共團体の議会の議員又は長の任期間これを保存しなければならない。
第二十五條第三項の規定により都道府縣の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、前二項の規定にかかわらず、都道府縣の選挙管理委員会において関係書類を保存しなければならない。
第五十一條 第三十六條第一項本文、第二項及び第三項の規定は、選挙会にこれを準用する。
第五十二條 衆議院議員選挙法第六十條、第六十三條及び第六十六條の規定は、普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙の選挙会にこれを準用する。
第六節 候補者及び当選人
第五十三條 候補者となろうとする者は、選挙の期日の告示があつた日から選挙の期日前七日までに、その旨を選挙長に届け出なければならない。
選挙人名簿に記載された者が他人を候補者としようとするときは、本人の承諾を得て、前項の期間内に、その推薦の届出をすることができる。
前二項の期間内に届出のあつた候補者が、普通地方公共團体の議会の議員の選挙にあつてはその選挙における議員の定数を超える場合、普通地方公共團体の長の選挙にあつては二人以上ある場合において、その期間を経過した後候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、前二項の例により、選挙の期日前三日まで、候補者の届出又は推薦届出をすることができる。
普通地方公共團体の議会の議員の選挙において選挙区があるときは、一の選挙区において候補者となつた者は、他の選挙区においては、候補者の届出をし又はその推薦届出を承諾することができない。
候補者は、選挙長に届出をしなければ、候補者たることを辞することができない。
第一項乃至第三項及び前項の届出があつたとき、又は候補者が死亡したことを知つたときは、選挙長は、直ちにその旨を告示するとともに、これを当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。
第五十四條 都道府縣及び市の議会の議員又は長の選挙において候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、候補者一人につき、左の区分による金額又はこれに相当する額面の國債証書を供託しなければならない。
一 都道府縣知事の選挙 五千円
二 市長の選挙 三千円
三 都道府縣の議会の議員の選挙 二千円
四 市の議会の議員の選挙 千円
候補者の得票数が、都道府縣及び市の議会の議員の選挙にあつてはその選挙区内の議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)を以て有効投票の総数を除して得た数の十分の一、都道府縣知事及び市長の選挙にあつては有効投票の総数の十分の一に達しないときは、前項の供託物は、当該都道府縣又は市に帰属する。
前項の規定は、候補者が選挙の期日前十日以内に候補者たることを辞した場合にこれを準用する。但し、被選挙権を有しなくなつたため候補者たることを辞したときは、この限りでない。
町村長の選挙において候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、選挙人三十人以上の連署を以てこれをしなければならない。
第五十五條 有効投票の最多数を得た者を以て当選人とする。但し、普通地方公共團体の議会の議員の選挙にあつてはその選挙区内の議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)を以て有効投票の総数を除して得た数の四分の一、普通地方公共團体の長の選挙にあつては有効投票の総数の八分の三以上の得票がなければならない。
当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじでこれを定める。
第五十六條 第六十六條第一項、第二項又は第四項の規定による異議の申立、訴願又は訴訟の結果、更に選挙を行わないで当選人を定めることができる場合においては、選挙会を開きこれを定めなければならない。
当選人が当選を辞したとき、死亡者であるとき、又は第五十七條の規定により当選を失つたときは、直ちに選挙会を開き、前條第一項但書の得票者又は第六十五條第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものの中から当選人を定めなければならない。
第六十二條第一項第五号乃至第七号の事由が、第六十條第一項の期限前に生じた場合において前條第一項但書の得票者若しくは第六十五條第六項の規定の適用を受けた得票者があるとき、又はその期限経過後に生じた場合において前條第二項若しくは第六十五條第六項の規定の適用を受けた得票者があるときは、選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。
前三項の場合において、前條第一項但書の得票者又は前條第二項若しくは第六十五條第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものが選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、これを当選人と定めることができない。
第五十七條 当選人は、選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、当選を失う。
第五十八條 第五十三條第一項乃至第三項の規定による届出があつた候補者が、普通地方公共團体の議会の議員の選挙にあつてはその選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)を超えないとき、普通地方公共團体の長の選挙にあつては一人であるときは、投票は、これを行わない。
第二十五條第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合において、前項の場合を生じたときは、当該選挙に係る部分の投票は、これを行わない。
前二項の規定により投票を行わないこととなつたときは、選挙長は、都道府縣の選挙にあつては市町村の選挙管理委員会を経、市町村の選挙にあつては自ら、直ちにその旨を投票管理者に通知し、併せてこれを告示し、且つ、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。
投票管理者は、前項の通知を受けたときは、直ちにその旨を告示しなければならない。
第一項及び第二項の場合においては、選挙長は、選挙の期日から五日以内に選挙会を開き、候補者を以て当選人と定めなければならない。
前項の場合において、候補者の被選挙権の有無は、選挙立会人の意見を聽き、選挙長がこれを決定しなければならない。
第五十九條 当選人が定まつたときは、選挙長は、直ちに当選人に当選の旨を告知し、同時に当選人の住所氏名を告示し、且つ、当選人の氏名及び得票数、その選挙における各候補者の得票総数その他選挙の次第を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。市町村の選挙にあつては、併せて都道府縣の選挙管理委員会にもこれを報告しなければならない。
当選人がないとき、又は普通地方公共團体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しないときは、選挙長は、直ちにその旨を告示し、且つ、これを当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。市町村の選挙にあつては、併せて都道府縣の選挙管理委員会にもこれを報告しなければならない。
第六十條 当選人は、当選を辞しようとするときは、当選の告知を受けた日から十日以内にその旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出なければならない。
当選人が、前項の期間内に当選を辞する旨の届出をしないときは、当選を承諾したものとみなす。
当選人で、第九十二條若しくは第百四十一條に掲げる職に在る者又は当該普通地方公共團体に対し第百四十二條に規定する関係を有する者は、第一項の委員会に対し、第九十二條若しくは第百四十一條に掲げる職を辞し又は第百四十二條に規定する関係を有しなくなつた旨の届出をしなければならない。第一項の期間内にその届出をしないときは、当選を辞したものとみなす。
官吏で当選した者は、所属長官の許可を受けなければ、これを承諾することができない。
第一項の期間内に所属長官の許可を受けた旨の届出をしないときは、当選を辞したものとみなす。
第六十一條 前條第一項の期間を経過したとき又は当選人が当選を承諾したときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、直ちにこれに当選証書を付與し、その住所氏名を告示しなければならない。
当選人がなくなつたとき、又は普通地方公共團体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しなくなつたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示しなければならない。
前二項の場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、左の区分により、直ちにその旨を報告しなければならない。
一 都道府縣知事の選挙にあつては内務大臣
二 都道府縣の議会の議員の選挙にあつては都道府縣知事
三 市町村長の選挙にあつては都道府縣知事及び都道府縣の選挙管理委員会
四 市町村の議会の議員の選挙にあつては都道府縣知事、都道府縣の選挙管理委員会及び市町村長
第七節 特別選挙
第六十二條 左に掲げる事由の一が生じた場合において、普通地方公共團体の議会の議員の選挙にあつては更に選挙を行わないで当選人を定めることができず又は更に選挙を行わないで当選人を定めてもなお当選人の不足数が第六十三條第一項にいう議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を超えるに至つたとき、普通地方公共團体の長の選挙にあつては更に選挙を行わないで当選人を定めることができないときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し、更に選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関し左に掲げるその他の事由により、又は第六十三條第一項の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
一 当選人がないとき、又は普通地方公共團体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しないとき
二 当選人が当選を辞したとき、又は死亡者であるとき
三 当選人が第五十七條の規定により当選を失つたとき
四 第六十六條第一項、第二項又は第四項の規定による異議の申立、訴願又は訴訟の結果、当選人がなくなり、又は普通地方公共團体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しなくなつたとき
五 第六十八條第一項の規定による訴訟の結果、当選人の当選が無効となつたとき
六 選挙運動を総括主宰した者が選挙に関する犯罪に因り刑に処せられ当選人の当選が無効となつたとき
七 当選人が選挙に関する犯罪に因り刑に処せられ当選が無効となつたとき
第六十六條第一項、第二項又は第四項の規定による異議の申立期間、異議の決定若しくは訴願の裁決が確定しない間又は訴訟が裁判所にかかつている間は、前項の選挙は、これを行うことができない。
第一項各号の一に該当する事由が普通地方公共團体の議会の議員の任期の終る前六箇月以内に生じたときは、同項の選挙は、これを行わない。但し、議員の数がその定数の三分の二に達しなくなつたときは、この限りでない。
当選人の不足数が第六十三條第一項にいう普通地方公共團体の議会の議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を超えなくても、その区域において普通地方公共團体の他の選挙が行われるときは、その選挙と同時に更に選挙を行うことができる。
第六十三條 普通地方公共團体の議会の議員に欠員を生じた場合において選挙を行わないで当選人を定めることができず若しくは選挙を行わないで当選人を定めてもなおその欠員の数が前條第一項にいう当選人の不足数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を超えるに至つたとき、又は普通地方公共團体の長が欠けるに至つたとき若しくはその退職の申立があつたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関し前條第一項の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
第六十條第一項の期限前に普通地方公共團体の議会の議員に欠員を生じた場合又は普通地方公共團体の長が欠け若しくはその退職の申立があつた場合において第五十五條第一項但書の得票者若しくは第六十五條第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつた者があるとき、又はその期限経過後にこれらの事由を生じた場合において第五十五條第二項若しくは第六十五條第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつた者があるときは、直ちに選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。この場合においては、第五十六條第四項の規定を準用する。
前條第二項の規定は第一項の選挙に、同條第三項及び第四項の規定は第一項の普通地方公共團体の議会の議員の選挙にこれを準用する。
第六十四條 普通地方公共團体の議会の議員又はその選挙における当選人について、第六十二條第一項又は前條第一項に掲げる事由が生じた場合において、議員又は当選人がすべてないとき又はすべてなくなつたときは、これらの規定にかかわらず、総選挙を行う。但し、これらの事由に関し第六十二條第一項若しくは前條第一項の規定による選挙の告示又は第五十六條第一項乃至第三項若しくは前條第二項の規定による選挙会の告示をしたときは、この限りでない。
第六十二條第二項の規定は、前項の総選挙にこれを準用する。
一の普通地方公共團体の議会の議員に関する第六十二條第一項又は前條第一項の選挙を同時に行う場合においては、一の選挙を以て合併してこれを行う。
第六十五條 普通地方公共團体の長の選挙において第五十五條第一項但書の得票者がないときは、第二十四條第一項、第四項及び第五項並びに第六十二條第一項の規定にかかわらず、第五十九條第二項の規定による告示の日から都道府縣知事の選挙にあつては十五日以内、市町村長の選挙にあつては十日以内に更に選挙を行わなければならない。この場合においては、第五十三條第一項乃至第三項及び第五十四條第一項第一号若しくは第二号又は第四項の規定にかかわらず、その選挙において有効投票の最多数を得た者二人を以て候補者とする。
第二十五條第三項の規定により都道府縣知事の選挙と市町村長の選挙を同時に行つた場合において、その選挙がともに前項の場合に該当するときは、都道府縣知事の選挙に関する第五十九條第二項の規定による告示の日から十五日以内において都道府縣の選挙管理委員会の定める期日に、その選挙を同時に行わなければならない。
前二項の場合においては、選挙管理委員会は、選挙の期日前五日までに選挙の期日を告示しなければならない。
第一項の場合において二人の候補者を定めるに当り得票数が同数であるため得票数によつては二人を定めることができないときは、選挙管理委員会がくじでこれを定める。
第一項の選挙にあつては、第五十五條第一項但書の規定にかかわらず、有効投票の過半数を得た者を以て当選人とする。
第一項の選挙における候補者の得票数が同じであるときは、前項の規定にかかわらず、選挙長がくじで当選人を定めなければならない。
第一項の選挙において候補者が死亡し又は候補者たることを辞したため候補者が一人となつたときは、投票は、これを行わない。この場合においては、第五十八條第二項乃至第六項の規定を準用する。
第一項の選挙における第三十條第七項又はこれを準用する第四十條若しくは第四十七條の規定の適用については、これらの規定中三人とあるのは、二人とする。
第八節 爭訟
第六十六條 選挙人又は候補者は、選挙又は当選の効力に関し異議があるときは、選挙に関しては選挙の日、当選に関しては第五十九條第一項又は第二項の告示の日から十四日以内に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に対しこれを申し立てることができる。
前項の規定による市町村の選挙管理委員会の決定に不服がある者は、都道府縣の選挙管理委員会に訴願することができる。
第一項の規定による決定及び前項の規定による裁決は、文書を以てこれをし、理由を附けてこれを申立人に交付するとともに、その要旨を告示しなければならない。
第一項の規定による都道府縣の選挙管理委員会の決定又は第二項の規定による裁決に不服がある者は、その決定書若しくは、裁決書の交付を受けた日又は前項の規定による告示の日から三十日以内に、高等裁判所に出訴することができる。
普通地方公共團体の長の選挙について前條第一項の選挙を行つた場合においては、第一項の期間は、前條第一項の選挙の日又はその選挙に関する第五十九條第一項若しくは第二項の告示の日からこれを起算する。
衆議院議員選挙法第百四十一條及び第百四十一條ノ三の規定は、第四項の規定による訴訟にこれを準用する。
第一項の規定による市町村の選挙管理委員会の決定に対しては、第二項の規定による裁決を受けた後でなければ裁判所に出訴することができない。
第六十七條 選挙の規定に違反することがあるときは、選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合に限り、選挙管理委員会又は裁判所は、その選挙の全部又は一部の無効を決定し、裁決し又は判決しなければならない。
第六十八條 衆議院議員選挙法第百十條の規定の準用により当選を無効であると認める選挙人又は候補者は、当選人を被告として、第五十九條第一項の規定による告示の日から三十日以内に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の属する普通地方公共團体の区域を管轄する高等裁判所に出訴することができる。
檢察官は、衆議院議員選挙法第百十二條乃至第百十三條の規定の準用による罪にあたる事件の被告人が選挙運動を総括主宰した者であるため同法第百三十六條の規定の準用により当選が無効であると認めるときは、公訴に附帶し、当選人を被告として、訴訟を提起しなければならない。
衆議院議員選挙法第百四十一條及び第百四十一條ノ三の規定は、第一項の規定による訴訟に、同法第百四十一條ノ二及び第百四十一條ノ三の規定は、前項の訴訟にこれを準用する。
第六十九條 裁判所は、第六十六條第四項又は前條第一項の訴訟を裁判するに当り、檢察官をして口頭弁論に立ち会わしめることができる。
第七十條 第六十六條第四項の規定による訴訟が提起されたとき、裁判所にかからなくなつたとき若しくはその訴訟につき判決があつたとき、又は第六十八條第二項の規定による訴訟につき判決があつたとき、若しくは第六十八條第二項の規定による訴訟につき判決が確定し効力を生じたときは、裁判所は、関係のある普通地方公共團体の長を経て当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に通知しなければならない。
第七十一條 第六十八條第一項の規定による訴訟を提起しようとする者は、保証金として三百円又はこれに相当する額面の國債証書を供託しなければならない。
原告が敗訴した場合において、裁判が確定した日から七日以内に裁判費用を完納しないときは、保証金を以てこれに充て、なお足りないときは、これを追徴する。
第九節 選挙運動及び罰則
第七十二條 衆議院議員選挙法第十章及び第十一章並びに第百四十條第二項の規定は、普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙の選挙運動に、同法第百四十條第三項乃至第五項の規定は、都道府縣知事の選挙の選挙運動にこれを準用する。但し、政令で特別の定をすることができる。
第七十三條 衆議院議員選挙法第十二章並びに第百四十二條、第百四十三條及び第百四十七條の規定は、普通地方公共團体の議会の議員及び長の選挙にこれを準用する。但し、政令で特別の定をすることができる。
第五章 直接請求
第一節 條例の制定及び監査の請求
第七十四條 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共團体の長に対し、條例の制定又は改廃の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、当該普通地方公共團体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
普通地方公共團体の長は、第一項の請求を受理した日から二十日以内に議会を招集し、意見を附けてこれを議会に付議し、その結果を同項の代表者に通知するとともに、これを公表しなければならない。
第一項の選挙権を有する者とは、選挙人名簿確定の日においてこれに記載された者とし、その総数の五十分の一の数は、当該普通地方公共團体の選挙管理委員会において、選挙人名簿確定後直ちにこれを告示しなければならない。
第七十五條 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共團体の監査委員に対し、当該普通地方公共團体の経営に係る事業の管理、出納その他の当該普通地方公共團体の事務及び当該普通地方公共團体の長の権限に属する事務の執行に関し、監査の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、監査委員は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
監査委員は、第一項の請求に係る事項につき監査し、その結果を同項の代表者に通知し、且つ、これを公表するとともに、当該普通地方公共團体の議会及び長に報告しなければならない。
監査委員を置かない市町村においては、第一項の請求は、市町村長に対してこれをし、前二項の規定による監査委員の職務は、当該普通地方公共團体の長に対する報告に関するものを除く外、市町村長がこれを行う。
前條第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の五十分の一の数にこれを準用する。
第二節 解散及び解職の請求
第七十六條 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共團体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共團体の議会の解散の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、委員会は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
第一項の請求があつたとき、委員会は、これを選挙人の投票に付さなければならない。
第七十四條第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数にこれを準用する。
第七十七條 解散の投票の結果が判明したときは、選挙管理委員会は、直ちにこれを前條第一項の代表者及び当該普通地方公共團体の議会の議長に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府縣にあつては都道府縣知事及び内務大臣、市町村にあつては市町村長及び都道府縣知事に報告しなければならない。
第七十八條 普通地方公共團体の議会は、第七十六條第三項の規定による解散の投票において過半数の同意があつたときは、前條の公表の日において解散するものとする。
第七十九條 第七十六條第一項の規定による普通地方公共團体の議会の解散の請求は、その議会の議員の総選挙のあつた日から一年間及び同條第三項の規定による解散の投票のあつた日から一年間は、これをすることができない。
第八十條 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、所属の選挙区におけるその総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共團体の選挙管理委員会に対し、当該選挙区に属する普通地方公共團体の議会の議員の解職の請求をすることができる。この場合において選挙区がないときは、選挙権を有する者の総数の三分の一以上の者の連署を以て、議員の解職の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、委員会は、直ちに請求の要旨を関係区域内に公表しなければならない。
第一項の請求があつたときは、委員会は、これを当該選挙区の選挙人の投票に付さなければならない。この場合において選挙区がないときは、すべての選挙人の投票に付さなければならない。
第七十四條第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数にこれを準用する。
第八十一條 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共團体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共團体の長の解職の請求をすることができる。
第七十四條第四項の規定は、前項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数に、第七十六條第二項及び第三項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第八十二條 第八十條第三項の規定による解職の投票の結果が判明したときは、普通地方公共團体の選挙管理委員会は、直ちにこれを同條第一項の代表者並びに当該普通地方公共團体の議会の関係議員及び議長に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府縣にあつては都道府縣知事及び内務大臣、市町村にあつては市町村長及び都道府縣知事に報告しなければならない。
前條第二項の規定による解散の投票の結果が判明したときは、委員会は、直ちにこれを同條第一項の代表者並びに当該普通地方公共團体の長及び議会の議長に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府縣及び市にあつては内務大臣、町村にあつては都道府縣知事に報告しなければならない。
第八十三條 普通地方公共團体の議会の議員又は長は、第八十條第三項又は第八十一條第二項の規定による解職の投票において、過半数の同意があつたときは、その職を失う。
第八十四條 第八十條第一項又は第八十一條第一項の規定による普通地方公共團体の議会の議員又は長の解職の請求は、その就職の日から一年間及び第八十條第三項又は第八十一條第二項の規定による解職の投票の日から一年間は、これをすることができない。
第八十五條 政令で特別の定をするものを除く外、第四章の規定は、第七十六條第三項の規定による解散の投票並びに第八十條第三項及び第八十一條第二項の規定による解職の投票にこれを準用する。
前項の投票は、政令の定めるところにより、普通地方公共團体の選挙と同時にこれを行うことができる。
第八十六條 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共團体の長に対し、副知事若しくは助役、出納長若しくは收入役、選挙管理委員又は監査委員の解職の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、当該普通地方公共團体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
第一項の請求があつたときは、当該普通地方公共團体の長は、これを議会に付議し、その結果を同項の代表者及び関係者に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府縣にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府縣知事に報告しなければならない。
第七十四條第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数にこれを準用する。
第八十七條 前條第一項に掲げる職に在る者は、同條第三項の場合において、当該普通地方公共團体の議会の議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意があつたときは、その職を失う。
第八十八條 第八十六條第一項の規定による副知事若しくは助役又は出納長若しくは收入役の解職の請求は、その就職の日から一年間及び同條第三項の規定による議会の議決の日から一年間は、これをすることができない。
第八十六條第一項の規定による選挙管理委員又は監査委員の解職の請求は、その就職の日から六箇月間及び同條第三項の規定による議会の議決の日から六箇月間は、これをすることができない。
第六章 議会
第一節 組織
第八十九條 普通地方公共團体に議会を置く。
第九十條 都道府縣の議会の議員の定数は、人口七十万未満の都道府縣にあつては四十人とし、人口七十万以上百万未満の都道府縣にあつては人口五万、人口百万以上の都道府縣にあつては人口七万を加えることに各ゝ議員一人を増し、百二十人を以て定限とする。
前項の議員の定数は、総選挙を行う場合でなければ、これを増減することができない。
第九十一條 市町村の議会の議員の定数は、左の通りとし、人口三十万以上五十万未満の市にあつては人口十万、人口五十万以上の市にあつては人口二十万を加えるごとに各ゝ議員四人を増し、百人を以て定限とする。
一 人口二千未満の町村 十二人
二 人口二千以上五千未満の町村 十六人
三 人口五千以上一万未満の町村 二十二人
四 人口一万以上二万未満の町村 二十六人
五 人口五万未満の市及び人口二万以上の町村 三十人
六 人口五万以上十五万未満の市 三十六人
七 人口十五万以上二十万未満の市 四十人
八 人口二十万以上三十万未満の市 四十四人
九 人口三十万以上の市 四十八人
議員の定数は、條例で特にこれを増減することができる。但し、前項の定限を超えることができない。
第一項の議員の定数は、総選挙を行う場合でなければ、これを増減することができない。但し、著しく人口の増加があつた場合において同項の定数以内の数を増加することは、この限りでない。
第九十二條 普通地方公共團体の議会の議員は、衆議院議員又は参議院議員と兼ねることができない。
普通地方公共團体の議会の議員は、当該普通地方公共團体の有給の職員と兼ねることができない。
第九十三條 普通地方公共團体の議会の議員の任期は、四年とする。
前項の任期は、総選挙の日からこれを起算する。但し、普通地方公共團体の議会の議員の任期満了の日前に総選挙を行つた場合においては、前任者の任期満了の日の翌日から、これを起算する。
補欠議員は、前任者の残任期間在任する。
議員の定数に異動を生じたためあらたに選挙された議員は、総選挙により選挙された議員の任期満了の日まで在任する。
第九十四條 町村は、條例で、第八十九條の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる。
第九十五條 前條の規定による町村総会に関しては、町村の議会に関する規定を準用する。
第二節 権限
第九十六條 普通地方公共團体の議会は、左に掲げる事件を議決しなければならない。
一 條例を設け又は改廃すること。
二 歳入歳出予算を定めること。
三 決算報告を認定すること。
四 法律又は政令に規定するものを除く外、使用料、手数料、地方税、分担金、加入金又は夫役現品の賦課徴收に関すること。
五 基本財產及び積立金穀等の設置及び処分に関すること。
六 歳入歳出予算を以て定めるものを除く外、あらたに義務の負担をし、及び権利を放棄すること。
七 異議の申立、訴願、訴訟及び和解に関すること。
八 普通地方公共團体の区域内の團体等の活動の綜合調整に関すること。
九 その他法令により議会の権限に属する事項。
前項に定めるものを除く外、普通地方公共團体は、條例で普通地方公共團体に関する事件につき議会の議決すべきものを定めることができる。
第九十七條 普通地方公共團体の議会は、法律又は政令によりその権限に属する選挙を行わなければならない。
第九十八條 普通地方公共團体の議会は、当該普通地方公共團体の事務に関する書類及び計算書を檢閲し、当該普通地方公共團体の長の報告を請求して事務の管理、議決の執行及び出納を檢査することができる。
議会は、監査委員に対し、当該普通地方公共團体の事務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。
第九十九條 普通地方公共團体の議会は、当該普通地方公共團体の長に委任された國、他の地方公共團体その他公共團体の事務に関し、当該普通地方公共團体の長の説明を求め、又はこれに対し意見を述べることができる。
議会は、当該普通地方公共團体の公益に関する事件につき意見書を関係行政廳に提出することができる。
第百條 普通地方公共團体の議会は、当該普通地方公共團体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。
議会が前項の規定による調査を行うため当該普通地方公共團体の区域内の團体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該團体等は、その求めに應じなければならない。
第三節 招集及び会期
第百一條 普通地方公共團体の議会は、普通地方公共團体の長がこれを招集する。議員定数の四分の一以上の者から会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集の請求があるときは、当該普通地方公共團体の長は、これを招集しなければならない。
招集は、開会の日前、都道府縣及び市にあつては七日、町村にあつては三日までにこれを告示しなければならない。但し、急施を要する場合は、この限りでない。
第百二條 普通地方公共團体の議会は、定例会及び臨時会とする。
定例会は、毎年六回以上これを招集しなければならない。
臨時会は、必要がある場合において、その事件に限りこれを招集する。
臨時会に付議すべき事件は、普通地方公共團体の長が予めこれを告示しなければならない。
臨時会の開会中に急施を要する事件があるときは、前二項の規定にかかわらず、直ちにこれを会議に付議することができる。
普通地方公共團体の議会の会期及びその延長並びにその開閉に関する事件は、議会がこれを定める。
第四節 議長及び副議長
第百三條 普通地方公共團体の議会は、議員の中から議長及び副議長一人を選挙しなければならない。
議長及び副議長の任期は、議員の任期による。
第百四條 普通地方公共團体の議会の議長は、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会を代表する。
第百五條 普通地方公共團体の議会の議長は、委員会に出席し、発言することができる。
第百六條 普通地方公共團体の議会の議長に故障があるとき、又は議長が欠けたときは、副議長が議長の職務を行う。
議長及び副議長にともに故障があるときは、仮議長を選挙し、議長の職務を行わせる。
議会は、仮議長の選任を議長に委任することができる。
第百七條 第百三條第一項及び前條第二項の規定による選挙を行う場合において、議長の職務を行う者がないときは、年長の議員が臨時に議長の職務を行う。
第百八條 普通地方公共團体の議会の議長及び副議長は、議会の許可を得て辞職することができる。但し、副議長は、議会の閉会中においては、議長の許可を得て辞職することができる。
第五節 委員会
第百九條 普通地方公共團体の議会は、條例で常任委員会を置くことができる。
常任委員は、会期の始めに議会において選任し、議員の任期中在任する。
常任委員会は、普通地方公共團体の事務に関する部門ごとにこれを設けることができる。
常任委員会は、その部門に属する当該普通地方公共團体の事務に関する調査を行い、議案、陳情等を審査する。
常任委員会は、予算その他重要な議案、陳情等について公聽会を開き、眞に利害関係を有する者又は学識経驗を有する者等から意見を聽くことができる。
常任委員会は、議会の議決により特に付議された事件については、閉会中も、なお、これを審査することができる。
第百十條 普通地方公共團体の議会は、條例で特別委員会を置くことができる。
特別委員は、議会において選任し、委員会に付議された事件が議会において審議されている間在任する。
特別委員会は、会期中に限り、議会の議決により付議された事件を審査する。
第百十一條 前二條に定めるものを除く外、常任委員会及び特別委員会に関し必要な事項は、條例でこれを定める。
第六節 会議
第百十二條 普通地方公共團体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる。但し、歳入歳出予算については、この限りでない。
前項の規定による議案の提出は、文書を以てこれをしなければならない。
第百十三條 普通地方公共團体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、議事を開き議決することができない。但し、第百十七條の規定による除斥のため半数に達しないとき、同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は招集に應じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。
第百十四條 普通地方公共團体の議会の議員の定数の半数以上の者から請求があるときは、議長は、その日の会議を開かなければならない。この場合において議長がなお会議を開かないときは、第百六條第一項又は第二項の例による。
前項の規定により会議を開いたとき、又は議員中に異議があるときは、議長は、会議の議決によらない限り、その日の会議を閉じ又は中止することができない。
第百十五條 普通地方公共團体の議会の会議は、これを公開する。但し、議長又は議員三人以上の発議により、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、祕密会を開くことができる。
前項但書の議長又は議員の発議は、討論を行わないでその可否を決しなければならない。
第百十六條 この法律に特別の定がある場合を除く外、普通地方公共團体の議会の議事は、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
前項の場合においては、議長は、議員として議決に加わる権利を有しない。
第百十七條 普通地方公共團体の議会の議長及び議員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件については、その議事に参與することができない。但し、議会の同意があつたときは、会議に出席し、発言することができる。
第百十八條 法律又は政令により普通地方公共團体の議会において行う選挙については、第三十二條、第四十一條及び第五十五條(普通地方公共團体の長の選挙に関する部分を除く。)の規定を準用する。その投票の効力に関し異議があるときは、議会がこれを決定する。
議会は、議員中に異議がないときは、前項の選挙につき指名推選の方法を用いることができる。
指名推選の方法を用いる場合においては、被指名人を以て当選人と定めるべきかどうかを会議に諮り、議員の全員の同意があつた者を以て当選人とする。
一の選挙を以て二人以上を選挙する場合においては、被指名人を区分して前項の規定を適用してはならない。
第一項の規定による決定に不服がある者は、議会を被告として裁判所に出訴することができる。
第一項の規定による決定は、文書を以てし、その理由を附けてこれを本人に交付しなければならない。
第百十九條 会期中に議決に至らなかつた事件は、後会に継続しない。
第百二十條 普通地方公共團体の議会は、会議規則を設けなければならない。
第百二十一條 普通地方公共團体の長、選挙管理委員会の委員長及び監査委員並びにその委任又は嘱託を受けた者は、説明のため議長から出席を求められたときは、議場に出席しなければならない。
第百二十二條 普通地方公共團体の長は、議会に、予算に関する説明書その他当該普通地方公共團体の事務に関する説明書を提出することができる。
第百二十三條 議長は、書記長(書記長を置かない市町村においては書記)をして会議録を調製し、会議の次第及び出席議員の氏名を記載させなければならない。
会議録には、議長及び議会において定めた二人以上の議員が署名しなければならない。
議長は、会議録の写を添えて会議の結果を普通地方公共團体の長及び都道府縣にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府縣知事に報告しなければならない。
第七節 請願
第百二十四條 普通地方公共團体の議会に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない。
第百二十五條 普通地方公共團体の議会は、その採択した請願で当該普通地方公共團体の長、選挙管理委員会又は監査委員において措置することが適当と認めるものは、これらの者にこれを送付し、且つ、その請願の処理の経過及び結果の報告を請求することができる。
第八節 議員の辞職及び資格の決定
第百二十六條 普通地方公共團体の議会の議員は、議会の許可を得て辞職することができる。但し、閉会中においては、議長の許可を得て辞職することができる。
第百二十七條 普通地方公共團体の議会の議員が被選挙権を有しない者であるときは、その職を失う。その被選挙権の有無は、議員が左の各号の一に該当するため被選挙権を有しない場合を除く外、議会がこれを決定する。この場合においては、出席議員の三分の二以上の多数によりこれを決定しなければならない。
一 禁治產者又は準禁治產者となつたとき
二 禁錮以上の刑に処せられたとき
三 選挙に関する犯罪に因り罰金の刑に処せられたとき
都道府縣の議会の議員は、住所を移したため被選挙権を失つても、その住所が同一都道府縣の区域内に在るときは、そのためにその職を失うことはない。
第一項の場合においては、議員は、第百十七條の規定にかかわらず、その会議に出席して自己の資格に関し弁明することはできるが決定に加わることができない。
第百十八條第五項及び第六項の規定は、第一項の場合にこれを準用する。
第百二十八條 普通地方公共團体の議会の議員は、第六十六條第一項、第二項若しくは第四項、第六十八條第一項若しくは第二項又は前條の規定による決定若しくは裁決又は判決が確定するまでは、その職を失わない。
第九節 紀律
第百二十九條 普通地方公共團体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に從わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。
議長は、議場が騷然として整理することが困難であると認めるときは、その日の会議を閉じ、又は中止することができる。
第百三十條 傍聽人が公然と可否を表明し、又は騷ぎ立てる等会議を妨害するときは、普通地方公共團体の議会の議長は、これを制止し、その命令に從わないときは、これを退場させ、必要がある場合においては、これを警察官吏に引き渡すことができる。
傍聽席が騷がしいときは、議長は、すべての傍聽人を退場させることができる。
前二項に定めるものを除く外、議長は、傍聽人の取締に関し必要な規則を設けなければならない。
第百三十一條 議場の秩序を乱し又は会議を妨害するものがあるときは、議員は、議長の注意を換起することができる。
第百三十二條 普通地方公共團体の議会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。
第百三十三條 普通地方公共團体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる。
第十節 懲罰
第百三十四條 普通地方公共團体の議会は、この法律及び会議規則に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。
懲罰に関し必要な事項は、会議規則中にこれを定めなければならない。
第百三十五條 懲罰は、左の通りとする。
一 公開の議場における戒告
二 公開の議場における陳謝
三 一定期間の出席停止
四 除名
前項第四号の除名については、当該普通地方公共團体の議会の議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。
第百三十六條 普通地方公共團体の議会は、除名された議員で再び当選した議員を拒むことができない。
第百三十七條 普通地方公共團体の議会の議員が正当な理由がなくて招集に應じないため、又は正当な理由がなくて会議に欠席したため、議長が、特に招状を発しても、なお故なく出席しない者は、議長において、議会の議決を経て、これに懲罰を科することができる。
第十一節 書記長及び書記
第百三十八條 普通地方公共團体の議会に書記長及び書記を置く。但し、市町村においては、書記長を置かないことができる。
書記長及び書記は、議長がこれを選任する。
書記長は、議長の命を受け議会の庶務を整理する。
書記は、上司の指揮を受け議会の庶務に從事する。
第七章 執行機関
第一節 普通地方公共團体の長
第一款 地位
第百三十九條 都道府縣に知事を置く。
市町村に市町村長を置く。
第百四十條 普通地方公共團体の長の任期は、四年とする。
前項の任期は、選挙の日からこれを起算する。但し、普通地方公共團体の長の任期満了の日前に選挙を行つた場合においては、前任者の任期満了の日の翌日から、これを起算する。
第百四十一條 普通地方公共團体の長は、衆議院議員又は参議院議員と兼ねることができない。
普通地方公共團体の長は、当該普通地方公共團体の議会の議員及び地方公共團体の有給の職員と兼ねることができない。
第百四十二條 普通地方公共團体の長は、当該普通地方公共團体に対し請負をし、又は当該普通地方公共團体において経費を負担する事業につきその團体の長若しくはその團体の長の委任を受けた者に対し請負をする者及びその支配人、又は主として同一の行爲をする法人の無限責任社員、取締役若しくは監査役又はこれに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。
第百四十三條 普通地方公共團体の長が、被選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。その被選挙権の有無は、普通地方公共團体の長が第百二十七條第一項に掲げる事由の一に該当するため被選挙権を有しない場合を除く外、当該普通地方公共團体の選挙管理委員会がこれを決定しなければならない。
第百十八條第五項及び第六項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第百四十四條 普通地方公共團体の長は、第六十六條第一項、第二項若しくは第四項、第六十八條第一項若しくは第二項又は前條第二項の規定による決定若しくは裁決又は判決が確定するまでは、その職を失わない。
第百四十五條 普通地方公共團体の長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前、都道府縣知事にあつては三十日、市町村長にあつては二十日までに、当該普通地方公共團体の議会の議長に申し出なければならない。但し、議会の同意を得たときは、その期日前に退職することができる。
第百四十六條 内務大臣は、都道府縣知事が著しく不適任であると認めるときは、法律の定めるところにより、法律で定める彈劾裁判所にその罷免の訴追をすることができる。
都道府縣知事は、市町村長が著しく不適任であると認めるときは、法律の定めるところにより、前項の彈劾裁判所にその罷免の訴追をすることができる。
第二款 権限
第百四十七條 普通地方公共團体の長は、当該普通地方公共團体を統轄し、これを代表する。
第百四十八條 都道府縣知事は、当該都道府縣の事務及び部内の行政事務並びに從來法令により及び將來法律又は政令によりその権限に属する他の地方公共團体その他公共團体の事務を管理し及びこれを執行する。
市町村長は、当該市町村の事務並びに從來法令により及び將來法律又は政令によりその権限に属する國、他の地方公共團体その他公共團体の事務を管理し及びこれを執行する。
第百四十九條 普通地方公共團体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。
一 普通地方公共團体の経費を以て支弁すべき事件を執行すること。
二 普通地方公共團体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
三 財產及び営造物を管理すること。
四 收入及び支出を命令し並びに会計を監督すること。
五 証書及び公文書類を保管すること。
六 法律及び政令又は普通地方公共團体の議会の議決により使用料、手数料、地方税、分担金、加入金又は夫役現品を賦課徴收すること。
七 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共團体の事務を執行すること。
八 その他法令によりその権限に属する事項。
第百五十條 普通地方公共團体の長が國の機関として処理する行政事務については、普通地方公共團体の長は、都道府縣にあつては主務大臣、市町村にあつては都道府縣知事及び主務大臣の指揮監督を受ける。
第百五十一條 都道府縣知事は、その管理に属する行政廳又は市町村長の権限に属する國又は当該都道府縣の事務につき、その処分が成規に違反し、又は権限を犯すと認めるときは、その処分を取り消し、又は停止することができる。
市町村長は、前項の例により、その管理に属する行政廳の処分を取り消し、又は停止することができる。
第百五十二條 普通地方公共團体の長に故障があるときは、副知事又は助役がその職務を代理する。この場合において副知事又は助役が二人以上あるときは、予め当該普通地方公共團体の長が定めた順序により、その職務を代理する。
副知事若しくは助役にも故障があるとき又は助役を置かない町村において町村長に故障があるときは、当該普通地方公共團体の長の指定する吏員がその職務を代理する。
第百五十三條 普通地方公共團体の長は、その権限に属する事務の一部を当該普通地方公共團体の吏員に委任し、又はこれをして臨時に代理させることができる。
都道府縣知事は、その権限に属する事務の一部をその管理に属する行政廳又は市町村長に委任することができる。 都道府縣知事は、その権限に属する事務の一部を市町村の職員をして補助執行させることができる。
第百五十四條 普通地方公共團体の長は、その補助機関たる職員を指揮監督し、法律の定めるところにより、その任免、分限、給與、服務、懲戒等に関する事項を掌る。
第百五十五條 普通地方公共團体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、條例で、必要な地に、都道府縣にあつては支廳(道にあつては支廳出張所を含む。以下これに同じ。)及び地方事務所、市町村にあつては支所を設けることができる。
政令で指定する市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、條例でその区域を分けて区を設け、区の事務所を置くものとする。
法律又は政令で特別の定をするものを除く外、行政区に関する規定は、前項の区にこれを準用する。
支廳若しくは地方事務所又は支所若しくは区の事務所の位置、名称及び所管区域は、條例でこれを定めなければならない。
第百五十六條 普通地方公共團体の長は、前條第一項に定めるものを除く外、法律の定めるところにより、警察署その他の行政機関を設けるものとする。
前項の行政機関の位置、名称及び所管区域は、條例又は規則でこれを定める。
都道府縣知事は、部内の行政事務に関係のある事項につき、食糧事務所、木炭事務所、社会保險出張所その他の行政機関の長を指揮監督することができる。
第百五十七條 普通地方公共團体の長は、当該普通地方公共團体の区域内の公共的團体等の活動の綜合調整を図るため、これを指揮監督することができる。
前項の場合において必要があるときは、普通地方公共團体の長は、当該普通地方公共團体の区域内の公共的團体等をして事務の報告をさせ、書類及び帳簿を提出させ及び実地について事務を視察することができる。
普通地方公共團体の長は、当該普通地方公共團体の区域内の公共的團体等の監督上必要な処分をし又は当該公共的團体等の監督官廳の措置を申請することができる。
前項の監督官廳は、普通地方公共團体の長の処分を取り消すことができる。
第百五十八條 都道府縣知事は、その権限に属する事務を分掌させるため、左に掲げる局部を設けるものとする。但し、必要があるときは、條例で、局部を分合し又は事務の配分を変更することができる。
総務部
一 職員の進退及び身分に関する事項
二 議会及び都の行政一般に関する事項
三 市町村その他公共團体の行政一般の監督に関する事項
四 他の主管に属しない事項
会計部
一 会計に関する事項
民生局
一 社会福祉に関する事項
二 社会保險に関する事項
教育局
一 教育学藝に関する事項
経済局
一 農業、工業、商業、森林及び水產に関する事項
二 物資の配給及び物價の統制に関する事項
三 度量衡に関する事項
建設局
一 建設及び復興一般に関する事項
二 都市計画に関する事項
三 住宅及び建築に関する事項
四 土木に関する事項
交通局
一 交通に関する事項
水道局
一 水道及び下水道に関する事項
衞生局
一 保健衞生に関する事項
労働局
一 勤労に関する事項
道府縣
総務部
一 職員の進退及び身分に関する事項
二 議会及び道府縣の行政一般に関する事項
三 市町村その他公共團体の行政一般の監督に関する事項
四 他の主管に属しない事項
民生部
一 社会福祉に関する事項
二 社会保險に関する事項
三 保健衞生に関する事項
四 勤労に関する事項
教育部
一 教育学藝に関する事項
経済部
一 農業、工業、商業、森林及び水產に関する事項
二 物資の配給及び物價の統制に関する事項
三 度量衡に関する事項
土木部
一 土木に関する事項
二 都市計画に関する事項
三 住宅及び建築に関する事項
四 交通に関する事項
農地部
一 農地関係の調整に関する事項
二 開拓に関する事項
警察部
一 警察に関する事項
都道府縣知事は、その権限に属する事務を分掌させるため、局部の下に必要な分課を設けることができる。
市町村長は、その権限に属する事務を分掌させるため、條例で必要な部課を設けることができる。
第百五十九條 普通地方公共團体の長の事務引継に関する規定は、政令でこれを定める。
前項の政令には、正当の理由がなくて事務の引継を拒んだ者に対し、千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
第百六十條 非常災害のため必要があるときは、市町村長は、他人の土地を一時使用し又はその土石、竹木その他の物品を使用し若しくは收用することができる。この場合においては、市町村は、時價によりその損失の全額を補償しなければならない。
非常災害に因る危險防止のため必要があるときは、市町村長又は警察官吏は、市町村の区域内の住民をして防禦に從事させることができる。
第三款 補助機関
第百六十一條 都道府縣に副知事一人を置く。
副知事の定数は、條例で人口二百万以上の都道府縣にあつては二人、人口三百万以上の都道府縣にあつては三人までこれを増加することができる。
市町村に助役一人を置く。但し、町村は、條例でこれを置かないことができる。
助役の定数は、條例でこれを増加することができる。
第百六十二條 副知事及び助役は、普通地方公共團体の長が議会の同意を得てこれを選任する。
第百六十三條 副知事及び助役の任期は、四年とする。但し、普通地方公共團体の長は、任期中においてもこれを解職することができる。
第百六十四條 第二十條の規定に該当する者は、副知事又は助役となることができない。
副知事又は助役は、第二十條の規定に該当するに至つたときは、その職を失う。
第百六十五條 普通地方公共團体の長の職務を代理する副知事又は助役は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前二十日までに、当該普通地方公共團体の議会の議長に申し出なければならない。但し、議会の承認を得たときは、その期日前に退職することができる。
前項に規定する場合を除く外、副知事又は助役は、その退職しようとする日前二十日までに、当該普通地方公共團体の長に申し出なければならない。但し、当該普通地方公共團体の長の承認を得たときは、その期日前に退職することができる。
第百六十六條 副知事及び助役は、第二十一條第二項に掲げる職と兼ねることができない。
第百四十一條、第百四十二條及び第百五十九條の規定は、副知事及び助役にこれを準用する。
第百六十七條 副知事及び助役は、普通地方公共團体の長を補佐し、吏員の担任する事務を監督し、別に定めるところにより、普通地方公共團体の長の職務を代理する。
第百六十八條 都道府縣に出納長及び副出納長を置く。
市町村に收入役一人を置く。但し、町村は、條例で收入役を置かず町村長又は助役をしてその事務を兼掌させることができる。
市町村は、條例で副收入役を置くことができる。
副出納長及び副收入役の定数は、條例でこれを定める。
出納長及び副出納長並びに收入役及び副收入役は、第二十一條第二項に掲げる職と兼ねることができない。
第百四十一條、第百四十二條、第百五十九條、第百六十二條、第百六十三條本文及び第百六十四條の規定は、出納長及び副出納長並びに收入役及び副收入役にこれを準用する。
第百六十九條 普通地方公共團体の長、副知事若しくは助役又は監査委員と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、出納長若しくは副出納長又は收入役若しくは副收入役となることができない。
出納長若しくは副出納長又は收入役若しくは副收入役は、前項に規定する関係が生じたときは、その職を失う。
出納長又は收入役と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、副出納長又は副收入役となることができない。
副出納長又は副收入役は、前項に規定する関係が生じたときは、その職を失う。
第百七十條 出納長及び收入役は、当該普通地方公共團体の出納その他の会計事務並びに当該普通地方公共團体の長その他の吏員及び選挙管理委員会の権限に属する國、他の地方公共團体その他公共團体の事務に関する出納その他の会計事務を掌る。但し、法令に特別の規定があるものは、この限りでない。
副出納長又は副收入役は、出納長又は收入役の事務を補助し、出納長又は收入役に故障があるときは、その職務を代理する。副出納長又は副收入役が二人以上あるときは、予め当該普通地方公共團体の長が定めた順序により、その職務を代理する。
普通地方公共團体の長は、出納長又は收入役をしてその事務の一部を副出納長又は副收入役に委任させることができる。但し、当該普通地方公共團体の出納その他の会計事務については、予め議会の同意を得なければならない。
副收入役を置かない市町村にあつては、市町村長は、市町村の議会の同意を得て、收入役に故障があるときその職務を代理すべき吏員を定めて置かなければならない。
第百七十一條 普通地方公共團体は、出納員を置くことができる。
出納員は、事務吏員の中から、普通地方公共團体の長がこれを命ずる。
出納員は、出納長若しくは副出納長又は收入役若しくは副收入役の命を受けて出納事務を掌る。
前條第三項の規定は、出納員にこれを準用する。
第百七十二條 前十一條に定める者を除く外、普通地方公共團体に必要な吏員を置く。
前項の吏員は、普通地方公共團体の長がこれを任免する。
第一項の吏員の定数は、條例でこれを定める。
第百七十三條 前條第一項の吏員は、事務吏員、技術吏員、教育吏員及び警察吏員とする。
事務吏員は、上司の命を受け、事務を掌る。
技術吏員は、上司の命を受け、技術を掌る。
教育吏員は、上司の命を受け、教育を掌る。
警察吏員は、上司の命を受け、警察に関する事務を掌る。
第百七十四條 普通地方公共團体は、常設又は臨時の專門委員を置くことができる。
專門委員は、專門の学識経驗を有する者の中から、普通地方公共團体の長がこれを選任する。
專門委員は、普通地方公共團体の長の委託を受け、その権限に属する事務に関し必要な事項を調査する。
第百七十五條 都道府縣の支廳若しくは地方事務所又は市町村の支所若しくは第百五十五條第二項の市の区の事務所の長は、事務吏員を以てこれに充てる。
警察署の長は、警察吏員を以てこれに充てる。
前二項に規定する機関の長は、普通地方公共團体の長の定めるところにより、上司の指揮を受け、その主管の事務を掌理し部下の吏員を指揮監督する。
第四款 議会との関係
第百七十六條 普通地方公共團体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共團体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならない。
前項の規定による議会の議決又は選挙がなおその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、普通地方公共團体の長は、議会を被告として裁判所に出訴することができる。
第百七十七條 普通地方公共團体の議会の議決が、收入又は支出に関し執行することができないものがあると認めるときは、当該普通地方公共團体の長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない。
議会において左に掲げる経費を削除し又は減額する議決をしたときは、その経費及びこれに伴う收入についても、また、前項と同樣とする。
一 法令により負担する経費、法律の規定に基き当該行政廳の職権により命ずる経費その他の普通地方公共團体の義務に属する經費
二 非常の災害に因る應急若しくは復旧の施設のために必要な経費又は傳染病予防のために必要な経費
前項第一号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共團体の長は、その経費及びこれに伴う收入を予算に計上してその経費を支出することができる。
第二項第二号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共團体の長は、その議決を不信任の議決とみなすことができる。
第百七十八條 普通地方公共團体の議会において、当該普通地方公共團体の長の不信任の議決をしたときは、当該普通地方公共團体の長は、十日以内に議会を解散することができる。
議会において当該普通地方公共團体の長の不信任の議決をした場合において、前項の規定により議会を解散しないとき、又はその解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決をしたときは、当該普通地方公共團体の長は、退職しなければならない。
前二項の規定による不信任の議決については、議員数の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。
第百七十九條 普通地方公共團体の議会が成立しないとき、第百十三條但書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共團体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共團体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
前二項の規定による処置については、普通地方公共團体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
第百八十條 普通地方公共團体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共團体の長において、これを專決処分にすることができる。
前項の規定により專決処分をしたときは、普通地方公共團体の長は、これを議会に報告しなければならない。
第二節 選挙管理委員会
第百八十一條 普通地方公共團体に選挙管理委員会を置く。
選挙管理委員会は、都道府縣にあつては六人、市町村にあつては四人の選挙管理委員を以てこれを組織する。
第百八十二條 選挙管理委員は、普通地方公共團体の議会において、選挙権を有する者の中からこれを選挙する。
議会は、前項の規定による選挙を行う場合においては、同時に委員と同数の補充員を選挙しなければならない。補充員がすべてなくなつたときも、また、同樣とする。
委員中に欠員があるときは、選挙管理委員会の委員長は、補充員の中からこれを補欠する。その順序は、選挙の時が異なるときは選挙の前後により、選挙の時が同時であるときは得票数により、得票数が同じであるときはくじにより、これを定める。
同一の政党その他の團体に属する者は、都道府縣の委員会にあつては三人、市町村の委員会にあつては二人以上同一の委員会の委員又は補充員となることができない。
第一項又は第二項の規定による選挙において、同一の政党その他の團体に属する者が前項の制限を超えて選挙された場合及び第三項の規定により委員の補欠を行えば同一の政党その他の團体に属する委員の数が前項の制限を超える場合等に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第百八十三條 選挙管理委員の任期は、二年とする。但し、後任者が就任する時まで在任する。
補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。 補充員の任期は、委員の任期による。
委員及び補充員は、その選挙に関し第百七十六條第二項若しくは第三項の規定による処分又はこれに関する判決が確定するまでは、その職を失わない。
第百八十四條 選挙管理委員は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。その選挙権の有無は、選挙管理委員が第百二十七條第一項に掲げる事由の一に該当するため選挙権を有しない場合を除く外、選挙管理委員会がこれを決定する。
第百十八條第五項及び第六項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第百八十五條 選挙管理委員会の委員長が退職しようとするときは、当該選挙管理委員会の承認を得なければならない。
委員が退職しようとするときは、委員長の承認を得なければならない。
第百八十六條 選挙管理委員会は、法律又は政令の定めるところにより、当該普通地方公共團体又は國、他の地方公共團体その他公共團体の選挙に関する事務及びこれに関係のある事務を管理する。
都道府縣の選挙管理委員会は、市町村の選挙管理委員会を指揮監督する。この場合においては、第百五十一條第一項の規定を準用する。
第百八十七條 選挙管理委員会は、委員の中から委員長を選挙しなければならない。
委員長は、委員会に関する事務を処理し、委員会を代表する。
委員長に故障があるときは、委員長の指定する委員がその職務を代理する。
第百八十八條 選挙管理委員会は、委員長がこれを招集する。委員から委員会の招集の請求があるときは、委員長は、これを招集しなければならない。
第百八十九條 選挙管理委員会は、委員三人以上が出席しなければ、会議を開くことができない。
委員長及び委員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件については、その議事に参與することができない。但し、委員会の同意を得たときは、会議に出席し、発言することができる。
前項の規定により委員の数が減少して第一項の数に達しないときは、委員長は、補充員でその事件に関係のないものを以て第百八十二條第三項の順序により、臨時にこれに充てなければならない。委員の故障に因り委員の数が第一項の数に達しないときも、また、同樣とする。
第百九十條 選挙管理委員会の議事は、出席委員の過半数を以てこれを決する。可否同数のときは、委員長の決するところによる。
前項の場合においては、委員長は、委員として議決に加わる権利を有しない。
第百九十一條 選挙管理委員会に書記を置く。
書記の定数は、條例でこれを定める。
書記は、委員長の指揮を受け、委員会に関する事務に從事する。
第百九十二條 選挙管理委員の分限、服務及び懲戒に関しては、別に法律でこれを定める。
第百九十三條 第百二十七條第二項、第百四十一條第一項、第百四十二條及び第百六十六條第一項の規定は選挙管理委員に、第百五十條の規定は選挙管理委員会に、第百五十三條第一項、第百五十四條及び第百五十九條の規定は選挙管理委員会の委員長にこれを準用する。
第百九十四條 この法律及びこれに基く政令に規定するものを除く外、選挙管理委員会に関し必要な事項は、委員会がこれを定める。
第三節 監査委員
第百九十五條 都道府縣に監査委員を置く。
市町村は、條例で監査委員を置くことができる。
監査委員の定数は、都道府縣にあつては四人、市町村にあつては二人とする。
第百九十六條 監査委員は、普通地方公共團体の長が、議会の同意を得て、議員及び学識経驗を有する者の中から、各ゝ同数を選任しなければならない。
監査委員は、地方公共團体の有給の職員と兼ねることができない。
第百九十七條 監査委員の任期は、二年とする。
普通地方公共團体の議会の議員の中から選任された監査委員の任期は、前項の規定にかかわらず、議員の任期を超えることができない。但し、後任者が選任されるまでの間は、その職務を行うことを妨げない。
第百九十八條 監査委員は、退職しようとするときは、普通地方公共團体の長の承認を得なければならない。
第百九十九條 監査委員は、普通地方公共團体の経営に係る事業の管理及び普通地方公共團体の出納その他の事務の執行を監査する。
監査委員は、毎会計年度少くとも一回以上期日を定めて前項の規定による監査をしなければならない。
監査委員は、所轄行政廳又は普通地方公共團体の議会の要求があるときは、臨時に、その要求に係る事項について監査をしなければならない。
監査委員は、前二項に定める場合を除く外、必要があると認めるときは、何時でも監査をすることができる。
監査委員は、監査の結果を所轄行政廳又は普通地方公共團体の議会及び長に報告し、且つ、これを公表しなければならない。
第二百條 監査委員の事務を補助させるため書記を置くことができる。
書記の定数は、條例でこれを定める。
書記は、監査委員の指揮を受け、監査に関する事務に從事する。
第二百一條 第百四十二條、第百五十四條、第百五十九條、第百六十四條、第百六十六條第一項及び第百九十二條の規定は、監査委員にこれを準用する。
第二百二條 この法律及びこれに基く政令に規定するものを除く外、監査委員に関し必要な事項は、條例でこれを定める。
第八章 給與
第二百三條 普通地方公共團体は、その議会の議員、選挙管理委員、議会の議員の中から選任された監査委員、專門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人に対し、報酬を支給しなければならない。
前項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる。
報酬及び費用弁償の額並びにその支給方法は、條例でこれを定めなければならない。
第二百四條 普通地方公共團体は、法律の定めるところにより、普通地方公共團体の長及びその補助機関たる職員(專門委員を除く。)学識経驗を有する者の中から選任された監査委員、議会の書記長及び書記、選挙管理委員会の書記並びに監査委員の事務を補助する書記に対し、給料及び旅費を支給しなければならない。
給料及び旅費の額並びにその支給方法は、條例でこれを定めなければならない。
第二百五條 前條第一項の職員は、法律の定めるところにより、退隱料、退職給與金、死亡給與金又は遺族扶助料を受けることができる。
第二百六條 前三條の規定による給與に関し、異議のある関係人は、これを普通地方公共團体の長に申し立てることができる。
前項の規定による異議の申立があつたときは、普通地方公共團体の長は、議会に諮つてこれを決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
第二百七條 普通地方公共團体は、條例の定めるところにより、第百條第一項の規定により出頭した選挙人その他の関係人及び第百九條第五項の規定による公聽会に参加した者の要した実費を弁償しなければならない。
第九章 財產
第一節 財產及び営造物
第二百八條 普通地方公共團体は、收益のためにする財產を基本財產として維持することができる。
普通地方公共團体は、特定の目的のため特別の基本財產を設け又は金穀等を積み立てることができる。
第二百九條 旧來の慣行により市町村の住民中特に財產又は営造物を使用する権利を有する者があるときは、その旧慣による。その旧慣を変更し又は廃止しようとするときは、市町村の議会の議決を経なければならない。
前項の財產又は営造物をあらたに使用しようとする者があるときは、市町村は、議会の議決を経て、これを許可することができる。
第二百十條 普通地方公共團体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共團体との協議により営造物を設けることができる。
前項の協議については、関係普通地方公共團体の議会の議決を経なければならない。
第二百十一條 普通地方公共團体は、他の普通地方公共團体との協議により、他の普通地方公共團体の財產又は營造物を自己の住所の使用に供させることができる。
前項の協議については、関係普通地方公共團体の議会の議決を経なければならない。
第二百十二條 普通地方公共團体の財產又は営造物は、宗教上の組織若しくは團体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、その利用に供してはならない。
第二百十三條 普通地方公共團体は、法律又は政令に特別の定があるものを除く外、財產の取得、管理及び処分並びに営造物の設置及び管理に関する事項は、條例でこれを定めなければならない。
第二百十四條 普通地方公共團体は、財產又は営造物の使用に関し、條例で二千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
第二百十五條 財產又は営造物を使用する権利に関し異議がある者は、これを普通地方公共團体の長に申し立てることができる。
前項の規定による異議の申立があつたときは、普通地方公共團体の長は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
第二節 收入
第二百十六條 普通地方公共團体は、法律の定めるところにより、地方税を賦課徴收することができる。
第二百十七條 普通地方公共團体は、分担金を徴收することができる。
分担金は、政令の定めるところにより、数人若しくは普通地方公共團体の一部を利する財產若しくは営造物又は普通地方公共團体の一部に対し利益のある事件に関し、特に利益を受ける者からこれを徴收する。
第二百十八條 普通地方公共團体は、非常災害の復旧のため必要があるとき、その他特別の必要があるときは、夫役現品を賦課徴收することができる。但し、都道府縣にあつては、当該都道府縣内の一部の市町村その他公共團体に対してもこれを賦課徴收することができる。
夫役又は現品は、これを金額に算出して賦課しなければならない。但し、市町村においては、市町村民税を準率としなければならない。
学藝、美術及び手工に関する労務については、夫役を賦課することができない。
夫役を賦課された者は、本人自らこれに当り、又は適当な代人を出すことができる。
夫役又は現品は、金銭を以てこれに代えることができる。
第二項及び前項の規定は、急迫の場合その他特別の事情がある場合に賦課する夫役又は現品については、これを適用しない。
第二百十九條 数人若しくは普通地方公共團体の一部を利する財產若しくは営造物又は数人若しくは普通地方公共團体の一部に対し利益のある事件に関しては、普通地方公共團体は、夫役現品につき不均一の賦課をし、又は数人若しくは普通地方公共團体の一部に対してその賦課をすることができる。
第二百二十條 普通地方公共團体は、財產及び営造物の使用につき使用料を徴收することができる。
第二百二十一條 市町村は、第二百九條の規定による財產又は営造物の使用に関し、使用料若しくは一時の加入金を徴收し又はこれを併せて徴收することができる。
第二百二十二條 普通地方公共團体は、特定の個人のためにする事務につき、手数料を徴收することができる。
第二百二十三條 分担金、使用料及び手数料に関する事項については、條例でこれを規定しなければならない。
詐僞その他不正の行爲に因り、分担金、使用料又は手数料の徴收を免れた者については、條例でその徴收を免れた金額の五倍に相当する金額以下の過料を科する規定を設けることができる。
前項に定めるものを除く外、分担金、使用料及び手数料の徴收に関しては、條例で二千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
過料の処分を受けた者は、その処分に不服があるときは、訴願を提起することができる。
第二百二十四條 分担金、夫役現品、使用料、加入金及び手数料の賦課又は徴收を受けた者が、その賦課又は徴收につき違法又は錯誤があると認めるときは、その告知を受けた日から、三十日以内に、普通地方公共團体の長に異議の申立をすることができる。
第二百九條の規定による財產又は営造物を使用する権利に関し異議がある者は、これを市町村長に申し立てることができる。
前二項の規定による異議の申立があつたときは、普通地方公共團体の長は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から、二十日以内に意見を述べなければならない。
第三項の規定による異議の決定を受けた後でなければ、第一項及び第二項に規定する事項については、裁判所に出訴することができない。
第二百二十五條 分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共團体の收入を定期内に納めない者があるときは、普通地方公共團体の長は、期限を指定しこれを督促しなければならない。
夫役現品の賦課を受けた者が定期内にその履行をせず又は夫役現品に代える金銭を納めないときは、普通地方公共團体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。急迫の場合その他特別の事情がある場合に賦課した夫役又は現品については、更にこれを金額に算出し、期限を指定してその納付を命じなければならない。
前二項の場合においては、條例の定めるところにより、手数料を徴收することができる。
滯納者が、第一項又は第二項の規定による督促又は命令を受け、その指定の期限内にこれを完納しないときは、國税滯納処分の例により、これを処分しなければならない。
第一項乃至第三項の規定による徴收金は、都道府縣にあつては國の徴收金に次いで先取特権を有し、市町村にあつては國及び都道府縣の徴收金に次いで先取特権を有し、その追徴、還付及び時効については、國税の例による。
都道府縣知事の委任を受けた吏員がした前三項の規定による処分に異議がある者は、これを都道府縣知事に申し立てることができる。
前項の規定による異議の申立があつたときは、都道府縣知事は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
第四項の規定による処分中差押物件の公賣は、その処分が確定するまで執行を停止する。
第四項の規定による処分は、当該普通地方公共團体の区域外においても、また、これをすることができる。
第二百二十六條 普通地方公共團体は、その負債を償還するため、普通地方公共團体の永久の利益となるべき支出をするため、又は天災等のため必要がある場合に限り、議会の議決を経て、地方債を起すことができる。
地方債を起すにつき、議会の議決を経るときは、併せて起債の方法、利息の定率及び償還の方法について議決を経なければならない。
第二百二十七條 普通地方公共團体の長は、予算内の支出をするため、議会の議決を経て、一時の借入をすることができる。
前項の規定による借入金は、その会計年度内の收入を以て償還しなければならない。
第三節 支出
第二百二十八條 普通地方公共團体は、その必要な経費及び從來法令により又は將來法律若しくは政令により当該普通地方公共團体の負担に属する経費を支弁する義務を負う。
第二百二十九條 普通地方公共團体の長若しくはその補助機関たる職員又は選挙管理委員会が、國、他の地方公共團体その他公共團体の事務を執行するため要する経費は、法律又は政令に特別の定があるものを除く外、当該普通地方公共團体がこれを支出する義務を負う。
普通地方公共團体の長若しくはその補助機関たる職員又は選挙管理委員会をして國の事務を処理し、管理し、又は執行させる場合においては、そのために要する経費の財源につき必要な措置を講じなければならない。
第二百三十條 普通地方公共團体は、宗教上の組織若しくは團体の便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、公金を支出してはならない。
第二百三十一條 普通地方公共團体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。
第二百三十二條 普通地方公共團体の議会において予算を議決したときは、普通地方公共團体の長は、直ちにその写を出納長又は收入役に交付しなければならない。
出納長又は收入役は、普通地方公共團体の長の命令がなければ、支出をすることができない。命令を受けても支出の予算がなく、且つ、予備費支出、費目流用その他財務に関する規定により支出することができないときも、また、同樣とする。
第二百三十三條 普通地方公共團体の支拂金の時効については、政府の支拂金の時効による。
第四節 予算
第二百三十四條 普通地方公共團体の長は、毎会計年度歳入歳出予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。
普通地方公共團体の会計年度は、政府の会計年度による。
予算を議会に提出するときは、普通地方公共團体の長は、併せて財產表その他必要な書類を提出しなければならない。
第二百三十五條 普通地方公共團体の長は、議会の議決を経て既定予算の追加又は更正をすることができる。
普通地方公共團体の長は、必要に應じて、一会計年度の中の一定期間内にかかる暫定予算を調製し、これを議会に提出することができる。
前項の暫定予算は、当該会計年度の予算が成立したときは、その効力を失うものとし、その暫定予算に基く支出又は債務の負担があるときは、その支出又は債務の負担は、これを当該会計年度の予算に基く支出又は債務の負担とみなす。
第二百三十六條 普通地方公共團体の経費を以て支弁する事件で数年を期してその経費を支出すべきものは、議会の議決を経て、その年期間各年度の支出額を定め、継続費とすることができる。
第二百三十七條 普通地方公共團体は、予算外の支出又は予算超過の支出に充てるため、予備費を設けなければならない。
特別会計には、予備費を設けないことができる。
予備費は、議会の否決した費途に充てることができない。
第二百三十八條 予算は、普通地方公共團体の議会の議決を経た後、直ちに都道府縣にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府縣知事に報告し、且つ、その要領を告示しなければならない。
第二百三十九條 普通地方公共團体は、議会の議決を経て特別会計を設けることができる。
第五節 出納及び決算
第二百四十條 普通地方公共團体の出納は、毎月例日を定めてこれを檢査し、且つ、毎会計年度少くとも二回臨時檢査をしなければならない。
檢査は、監査委員がこれを行う。臨時檢査には、普通地方公共團体の議会の議員において互選した二人以上の議員の立会を必要とする。
監査委員は、檢査の結果を普通地方公共團体の議会及び長に報告しなければならない。
監査委員を置かない市町村においては、第二項の檢査及び前項の報告は、市町村長がこれを行う。
第二百四十一條 普通地方公共團体の出納は、翌年度の五月三十一日を以て閉鎖する。
第二百四十二條 決算は、証書類と併せて出納長又は收入役からこれを普通地方公共團体の長に提出しなければならない。この場合において、收入役は、出納閉鎖後一箇月以内にこれをしなければならない。
普通地方公共團体の長は、決算及び証書類を監査委員の審査に付し、その意見を附けて、都道府縣にあつては翌翌年度の通常予算を議する会議、市町村にあつては次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならない。
決算は、その認定に関する議会の議決とともに、都道府縣にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府縣知事に報告し、且つ、その要領を告示しなければならない。
監査委員を置かない市町村においては、第二項に規定する監査委員の職務は、市町村長が自らこれを行う。
第六節 雜則
第二百四十三條 普通地方公共團体は、法律又は政令に特別の定がある場合を除く外、財產の賣却及び貸與、工事の請負並びに物件、労力その他の供給は、競爭入札に付さなければならない。但し、臨時急施を要するとき、入札の價格が入札に要する経費に比較して得失相償わないとき、又は議会の同意を得たときは、この限りでない。
第二百四十四條 普通地方公共團体の長は、議会の指定した事業につきその経営状況を明らかにするため、定期に貸借対照表その他必要な書類を作成し、これを監査委員の審査に付し、その意見を附けて次の議会に提出しなければならない。
前項の規定中監査委員の審査に関する部分は、監査委員を置かない市町村については、これを適用しない。
第二百四十五條 予算及び決算の調製の樣式、予算費目の流用その他財務に関し必要な規定は、命令でこれを定める。
第十章 監督
第二百四十六條 所轄行政廳は、必要があるときは、普通地方公共團体につき事務の報告をさせ、書類帳簿を徴し又は実地について事務を視察し若しくは出納を檢閲することができる。
第二百四十七條 市町村長及び助役にともに故障があるとき、又は收入役及び副收入役(第百七十條第四項の規定による收入役職務代理者を含む。)にともに故障があるときは、上席の吏員又はその指定した吏員が、その職務を行う。
第二百四十八條 普通地方公共團体の選挙管理委員会が成立しない場合において、当該普通地方公共團体の議会もまた成立していないときは、所轄行政廳は、臨時選挙管理委員を選任し、選挙管理委員の職務を行わせることができる。
第二百四十九條 前條の臨時選挙管理委員に対する給與は、所轄行政廳が当該普通地方公共團体の議会の同意を得てこれを定める。
第二百五十條 普通地方公共團体は、第二百二十七條の借入金を除く外、地方債を起し、並びに起債の方法、利息の定率及び償還の方法を変更しようとするときは、政令の定めるところにより、所轄行政廳の許可を受けなければならない。
第二百五十一條 普通地方公共團体は、第三條第三項、第九十一條第二項、第百五十五條第一項及び第二項、第百五十八條第一項並びに第二百二十三條第一項乃至第三項の條例を設け又は改廃しようとするときは、所轄行政廳の許可を受けなければならない。
第二百五十二條 前條に掲げるものを除く外、普通地方公共團体は、條例を設け又は改廃したときは、政令の定めるところにより、所轄行政廳にこれを報告しなければならない。
第十一章 補則
第二百五十三條 都道府縣知事の権限に属する市町村に関する事件で数都道府縣にわたるものがあるときは、関係都道府縣知事の協議により、その事件を管理すべき都道府縣知事を定めることができる。
第二百五十四條 この法律における人口は、官報で公示された最近の人口による。
第二百五十五條 この法律に規定するものを除く外、第六條第一項及び第二項並びに第七條第一項乃至第三項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第二百五十六條 この法律に特別の定があるものを除く外、異議の申立又は訴願の提起は、処分又は決定があつた日から二十一日以内にこれをしなければならない。
決定書の交付を受けない者に関しては、前項の期間は、告示の日からこれを起算する。
異議の申立に関する期間の計算については、訴願の提起に関する期間の計算の例による。
異議の申立は、期限が経過した後においても容認すべき事由があると認めるときは、なお、これを受理することができる。
第二百五十七條 この法律に特別の定があるものを除く外、異議の決定は、その申立を受けた日から三十日以内にこれをしなければならない。
異議の決定をすべき期間内に異議の決定がないときは、この申立を斥ぞける旨の決定があつたものとみなすことができる。
異議の決定は、文書を以てこれをし、その理由を附けてこれを本人に交付しなければならない。
第二百五十八條 異議の申立があつても処分の執行は、これを停止しない。但し、行政廳は、職権により又は関係人の請求により必要と認めるときは、これを停止することができる。
第二百五十九條 郡の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は郡の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、関係都道府縣の議会の意見を徴して内務大臣がこれを定める。
郡の区域内において市の設置があつたとき、又は郡の区域の境界にわたつて市町村の境界の変更があつたときは、郡の区域も、また、自ら変更する。
郡の区域の境界にわたつて町村が設置されたときは、その町村の属すべき区域は、都道府縣知事が内務大臣の許可を得てこれを定める。
前三項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第二百六十條 政令で特別の定をする場合を除く外、市町村の区域内の町若しくは字の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、市町村長が議会の議決を経、都道府縣知事の許可を得てこれを定める。
前項の規定により許可をしたときは、都道府縣知事は、直ちにこれを告示するとともに、内務大臣に報告しなければならない。
第二百六十一條 一の普通地方公共團体のみに適用される特別法が國会において議決されたときは、衆議院議長は、内閣総理大臣を経由し、当該法律を添えてその旨を内務大臣に通知しなければならない。
前項の規定による通知があつたときは、内務大臣は、その日から五日以内に、関係普通地方公共團体の長にその旨を通知するとともに、当該法律その他関係書類を移送しなければならない。
前項の規定による通知があつたときは、関係普通地方公共團体の長は、その日から三十一日以後六十日以内に、選挙管理委員会をして当該法律について賛否の投票を行わしめなければならない。
前項の投票の結果が判明したときは、関係普通地方公共團体の長は、その日から五日以内に関係書類を添えてその結果を内務大臣に報告しなければならない。その投票の結果が確定したことを知つたときも、また、同樣とする。
前項の規定による報告があつたときは、内務大臣は、直ちに関係書類を添えて内閣総理大臣にその旨を報告しなければならない。
前項の規定により第三項の投票の結果が確定した旨の報告があつたときは、内閣総理大臣は、直ちにその旨を奏上するとともに衆議院議長に通知しなければならない。
第二百六十二條 政令で特別の定をするものを除く外、第四章の規定は、前條第三項の規定による投票にこれを準用する。
前條第三項の規定による投票は、政令の定めるところにより、普通地方公共團体の選挙又は第七十六條第三項の規定による解散の投票若しくは第八十條第三項及び第八十一條第二項の規定による解職の投票と同時にこれを行うことができる。
第二百六十三條 第二十二條第二項中郡とあるのは、都においては支廳長の所管区域を含み、道においては支廳長の所管区域とし、同項中市とあるのは、第百五十五條第二項の市においては、区とする。
都の選挙については、第四章中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。
都道府縣の選挙については、第四章中町村に関する規定は、全部事務組合又は役場事務組合にこれを適用する。
第三編 特別地方公共團体及び地方公共團体に関する特例
第一章 特別地方公共團体
第一節 特別市
第二百六十四條 特別市は、その公共事務及び法律又は政令により特別市に属する事務並びに政令で特別の定をするものを除く外從來法令により都道府縣及び市に属する事務を処理する。
第二百六十五條 特別市は、都道府縣の区域外とする。
特別市は、人口五十万以上の市につき、法律でこれを指定する。その指定を廃止する場合も、また、同樣とする。
特別市の廃置分合又は境界変更をしようとするときは、法律でこれを定める。但し、特別市の区域に市町村若しくは特別区の区域又は所属未定地を編入する場合においては、関係地方公共團体の議会の議決を経て内務大臣がこれを定める。
第二項の規定により特別市の指定があつたとき又は前項但書の規定により境界の変更があつたときは、都道府縣の境界は、自ら変更する。
前二項の場合において財產処分を必要とするときは、関係地方公共團体の協議によつてこれを定める。その協議が調わないときは、関係地方公共團体の議会の意見を聽き、内務大臣がこれを定める。
前項の協議については、関係地方公共團体の議会の議決を経なければならない。
第二百六十六條 第九條の規定は、特別市と市町村若しくは特別区との境界に関し爭論がある場合又はその境界が判明でない場合において爭論がない場合にこれを準用する。
第二百六十七條 特別市の区域内に住所を有する者は、当該特別市の住民とする。
第二百六十八條 特別市に市長及び助役を置く。
助役の定数は、條例でこれを定める。
特別市の市長は、当該特別市の事務及び部内の行政事務並びに法律又は政令によりその権限に属する他の地方公共團体その他公共團体の事務及び政令で特別の定をするものを除く外、從來法令により都道府縣知事及び市長の権限に属する他の地方公共團体その他公共團体の事務を管理し及び執行する。
第二百六十九條 特別市に收入役一人及び副收入役若干人を置く。
副收入役の定数は、條例でこれを定める。
第二百七十條 特別市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、條例で、その区域を分けて行政区を設け、その事務所を置くものとする。
特別市の市長は、区長の権限に属する事務を分掌させるため、條例で、必要な地に行政区の支所を設けることができる。
行政区の事務所又は支所の位置、名称及び所管区域は、條例でこれを定めなければならない。
第二百七十一條 行政区に区長及び区助役一人を置く。
区長は、その被選挙権を有する者について選挙人が投票によりこれを選挙する。
区助役は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
区長は、特別市の市長の定めるところにより、区内に関する特別市の事務及び特別市の市長の権限に属する國、他の地方公共團体その他公共團体の事務並びに法律又は政令によりその権限に属する國、他の地方公共團体その他公共團体の事務を掌理する。
区助役は、区長の事務を補佐し、区長に故障があるときその職務を代理する。
第二百七十二條 行政区に区收入役及び区副收入役各ゝ一人を置く。
区收入役及び区副收入役は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
特別市の市長、助役、收入役、副收入役若しくは監査委員又は区長若しくは区助役と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、区收入役又は区副收入役となることができない。
区收入役又は区副收入役は、前項に規定する関係を生じたときは、その職を失う。
第三項の規定は、区收入役及び区副收入役相互の間において区收入役又は区副收入役に、前項の規定は、区收入役及び区副收入役相互の間において区副收入役にこれを適用する。
第二百七十三條 区收入役は、特別市の收入役の命を受け、特別市の出納その他の会計事務並びに特別市の市長及び区長その他特別市の吏員並びに特別市及び行政区の選挙管理委員会の権限に属する國、他の地方公共團体その他公共團体の事務に関する出納その他の会計事務を掌る。
特別市の市長は、收入役の事務の一部を区收入役に委任させることができる。但し、特別市の出納その他の会計事務については、予め議会の同意を得なければならない。
区長は、特別市の市長の許可を得て、区收入役の事務の一部を区副收入役に委任させることができる。
前二項に定めるものを除く外、区收入役及び区副收入役の権限に関しては、市の收入役及び副收入役に関する規定を準用する。
第二百七十四條 行政区に区出納員を置くことができる。
区出納員は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
区出納員は、区收入役の命を受け、出納事務を掌る。
第二百七十五條 前四條に定める者を除く外、行政区に必要な吏員を置き、区長の申請により、特別市の市長がこれを任免する。
前項の吏員は、特別市の吏員とし、その定数は、條例でこれを定める。
第一項の吏員は、区長の命を受け、事務又は技術を掌る。
区長は、その権限に属する事務の一部を第一項の吏員に委任し又はこれをして臨時に代理させることができる。
第二百七十六條 行政区に選挙管理委員会を置く。
前項の選挙管理委員会に関しては、第二編第七章第二節中市の選挙管理委員会に関する規定を準用する。
第二百七十七條 第十三條、第十八條、第二十二條第七項、第八十六條第一項、第八十八條第一項、第九十一條、第百四十五條、第百五十二條、第百六十條、第百六十二條乃至第百六十七條、第百六十八條第五項及び第六項、第百六十九條乃至第百七十一條、第二百九條、第二百十八條、第二百二十一條、第二百二十四條、第二百三十二條、第二百四十二條第一項、及び第二百六十條中市に関する規定は、これを特別市に適用する。
第二百七十八條 この法律又はこれに基く政令に特別の定があるものを除く外、第二編中都道府縣に関する規定は、特別市にこれを適用する。
第二百七十九條 特別市の選挙について前條の規定により第二編第四章中都道府縣の選挙に関する規定を適用する場合においては、市に関する規定は、行政区にこれを適用する。
第二編第四章中選挙人名簿に関する規定についても、また、前項と同樣とする。
第二百八十條 この法律に規定するものを除く外、特別市に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第二節 特別区
第二百八十一條 都の区は、これを特別区という。
特別区は、その公共事務及び法律若しくは政令又は都の條例により特別区に属する事務並びに從來法令又は都の條例により都の区に属する事務を処理する。
第二百八十二條 都は、條例で特別区について必要な規定を設けることができる。
第二百八十三條 政令で特別の定をするものを除く外、第二編中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。
第三節 地方公共團体の組合
第二百八十四條 普通地方公共團体並びに特別市及び特別区は、第三項の場合を除く外、その事務の一部を共同処理するため、その協議により規約を定め、都道府縣及び特別市の加入するものにあつては内務大臣、その他のものにあつては都道府縣知事の許可を得て、地方公共團体の組合を設けることができる。(これを一部事務組合という。)この場合において、組合内の地方公共團体につきその執行機関の権限に属する事項がなくなつたときは、その執行機関は、組合の成立と同時に消滅する。
町村は、特別の必要がある場合においては、その事務の全部を共同処理するため、その協議により規約を定め、前項の例により、町村の組合を設けることができる。(これを全部事務組合といふ。)この場合においては、組合内の各町村の議会及び執行機関は、組合の成立と同時に消滅する。
町村は、特別の必要がある場合においては、役場事務を共同処理するため、第一項の例により、町村の組合を設けることができる。(これを役場事務組合という。)この場合において、組合内各町村の執行機関の権限に属する事項がなくなつたときは、その執行機関は、組合の成立と同時に消滅する。
公益上必要がある場合においては、都道府縣知事は、政令の定めるところにより、第一項の規定による市町村及び特別区の組合を設けることができる。
前項の市町村及び特別区の組合に関しては、この法律にかかわらず、政令で特別の規定を設けることができる。
第二百八十五條 前條第一項乃至第四項の規定による地方公共團体の組合は、法人とする。
第二百八十六條 地方公共團体の組合は、これを組織する地方公共團体の数を増減し若しくは共同処理する事務を変更し、又は組合の規約を変更しようとするときは、関係地方公共團体の協議により、都道府縣及び特別市の加入するものにあつては内務大臣、その他のものにあつては都道府縣知事の許可を受けなければならない。
全部事務組合は、前項の規定にかかわらず、その組合を組織する町村の数を減少し又は組合の規約を変更しようとするときは組合の議会の議決により、その組合を組織する町村の数を増加しようとするときは組合とあらたに加入しようとする町村との協議により、都道府縣知事の許可を受けなければならない。
第二百八十七條 一部事務組合の規約には、左に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
一 組合の名称
二 組合を組織する地方公共團体
三 組合の共同処理する事務
四 組合の事務所の位置
五 組合の議会の組織及び議員の選挙の方法
六 組合の執行機関の組織及び選任の方法
七 組合の経費の支弁の方法
全部事務組合の規約には前項第一号乃至第四号、役場事務組合の規約には同項第一号乃至第五号及び第七号につき規定を設けなければならない。
第二百八十八條 一部事務組合又は役場事務組合を解散しようとするときは、関係地方公共團体の協議により、第二百八十四條第一項の例により、内務大臣又は都道府縣知事に届出をしなければならない。
全部事務組合を解散しようとするときは、組合の議会の議決により、都道府縣知事の許可を受けなければならない。
第二百八十九條 第二百八十六條又は前條の場合において、財產処分を必要とするときは、関係地方公共團体の協議により若しくは関係地方公共團体と組合との協議により又は組合の議会の議決によりこれを定める。その協議が調わないときは、関係地方公共團体又は組合の議会の意見を聽き、都道府縣及び特別市の加入する組合にあつては内務大臣、その他の組合にあつては都道府縣知事がこれを定める。
第二百九十條 第二百八十四條第一項乃至第三項、第二百八十六條、第二百八十八條第一項及び前條の協議については、関係地方公共團体にあつてはその議会、組合にあつては組合の議会の議決を経なければならない。
第二百九十一條 地方公共團体の組合の経費の分賦に関し、違法又は錯誤があると認めるときは、地方公共團体は、その告知を受けた日から三十日以内に組合の管理者に異議の申立をすることができる。
前項の異議の申立があつたときは、組合の管理者は、組合の議会に諮つてこれを決定しなければならない。
組合の議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内にその意見を述べなければならない。
第二百九十二條 地方公共團体の組合については、法律又は政令に特別の定があるものを除く外、都道府縣及び特別市の加入するものにあつては都道府縣に関する規定、市及び特別区の加入するもので都道府縣及び特別市の加入しないものにあつては市に関する規定、その他のものにあつては町村に関する規定を準用する。
第二百九十三條 第二百五十三條の規定は、第二百八十四條第一項乃至第四項、第二百八十六條、第二百八十八條及び第二百八十九條の規定による処分にこれを準用する。
第四節 財產区
第二百九十四條 法律又は政令に特別の定があるものを除く外、市町村並びに特別市及び特別区の一部で財產を有し又は営造物を設けているもの(これを財產区という。)があるときは、その財產又は営造物の管理及び処分については、この法律中地方公共團体の財產又は営造物の管理及び処分に関する規定による。
前項の財產又は営造物に関し特に要する経費は、財產区の負担とする。
前二項の場合においては、地方公共團体は、財產区の收入及び支出については会計を分別しなければならない。
第二百九十五條 財產区の財產又は営造物に関し必要があると認めるときは、市町村及び特別区の財產区にあつては都道府縣知事、特別市の財產区にあつては特別市の市長は、議会の議決を経て市町村若しくは特別区又は特別市の條例を設定し、財產区の議会又は総会を設けて財產区に関し市町村若しくは特別区又は特別市の議会の議決すべき事項を議決させることができる。
第二百九十六條 財產区の議会の議員の定数、任期、選挙権、被選挙権及び選挙人名簿に関する事項は、前條の條例中にこれを規定しなければならない。財產区の総会の組織に関する事項についても、また、同樣とする。
前項に規定するものを除く外、財產区の議会の議員の選挙については、第二編中町村の議会の議員の選挙に関する規定を準用する。但し、被選挙権の有無は、市町村又は特別市若しくは特別区の議会がこれを決定する。
財產区の議会又は総会に関しては、第二編中町村の議会に関する規定を準用する。
第二百九十七條 この法律に規定するものを除く外、財產区の事務に関しては、政令でこれを定める。
第二章 地方公共團体の協議会
第二百九十八條 地方公共團体は、地方公共團体の事務又は地方公共團体の長の権限に属する國、他の地方公共團体その他公共團体の事務の連絡調整を図るため、その協議により、規約を定め、都道府縣及び特別市の加入するものにあつては内務大臣、その他のものにあつては都道府縣知事の許可を得て、地方公共團体の協議会を設けることができる。
公益上必要がある場合においては、内務大臣又は都道府縣知事は、政令の定めるところにより、地方公共團体の協議会を設けることができる。
第二百九十九條 地方公共團体の協議会は、地方公共團体の事務又は地方公共團体の長の権限に属する事務の連絡調整を図る外、法律又は政令によりその権限に属する國、地方公共團体その他公共團体の事務を処理する。
第三百條 地方公共團体の協議会に会長及び副会長一人を置き、関係地方公共團体の長の中からこれを互選する。
会長は、協議会に関する事務を総理し、協議会を代表する。
副会長は、会長を補佐し、会長に故障があるときはその職務を代理する。
第三百一條 地方公共團体の協議会は、必要があると認めるときは、その会議に関係官廳の長の参加を求めることができる。この場合において、関係官廳の長は、会議に出席し、議事に関係のある事項につき説明をしなければならない。
関係官廳の長は、必要があると認めるときは、地方公共團体の会議に出席し、発言することができる。
第三百二條 地方公共團体の協議会は、事務局を置くことができる。
事務局には局長及び書記を置き、会長がこれを選任する。
事務局長は、会長の命を受け、協議会に関する事務を整理する。
書記は、事務局長の命を受け、協議会に関する事務に從事する。
第三百三條 地方公共團体の協議会に要する経費は、関係地方公共團体がこれを負担しなければならない。
第三百四條 地方公共團体の協議会を廃止し、これに加入する地方公共團体の数を増減し又は協議会の規約を変更しようとするときは、第二百九十八條第一項の例により、内務大臣又は都道府縣知事の許可を受けなければならない。
附 則
第一條 この法律は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。但し、警察部、警察署及び警察吏員に関する規定の施行の期日は、法律でこれを定める。
第二條 東京都制、道府縣制、市制及び町村制は、これを廃止する。但し、東京都制第百八十九條乃至第百九十一條及び第百九十八條の規定は、なお、その効力を有する。
第三條 この法律施行の際現に東京都長官、北海道廳長官、府縣知事、市町村長及び市町村長に準ずる者若しくは東京都議会議員、道府縣会議員、市町村会議員及び市町村会議員に準ずる者又は都道府縣若しくは市町村及びこれに準ずるものの他の職に在る者は、この法律又は他の法律で別に定める者を除く外、この法律により選挙又は選任された都道府縣若しくは市町村及びこれに準ずるものの長若しくは議会の議員又は都道府縣若しくは市町村及びこれに準ずるものの他の相当する職に在る者とみなし、任期があるものについては、その任期は、從前の規定による選挙又は就任の日からこれを起算する。
都又は特別区の議会の議員の定数は、第九十條第一項又は第九十一條第一項の規定にかかわらず、次の総選挙までの間は、なお、從前の規定による。
第四條 この法律又は他の法律に特別の定があるものを除く外、都道府縣に関する職制に関しては、当分の間、なお、從前の都廳府縣(警視廳を除く。以下これに同じ。)に関する官制の規定を準用する。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
第五條 この法律又は他の法律に特別の定があるものを除く外、都道府縣の吏員に関しては、別に法律が定められるまで從前の都廳府縣の官吏又は待遇官吏に関する各相当規定を準用する。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
都道府縣の吏員は、政令の定めるところにより、分限委員会の承認を得なければ事務の都合により休職を命ぜられることはない。
前項の分限委員会の名称、組織、権限等は、政令でこれを定める。
第六條 この法律施行の際現に都廳府縣の地方事務官、地方技官又は待遇官吏たる者は、この法律若しくはこれに基く政令又は他の法律で別に定めるものを除く外、当該都道府縣の第百七十二條の事務吏員又は技術吏員に任用され、引き続き現に在る職に相当する職に補されたものとする。
第七條 都道府縣における警察については、この法律中警察部、警察署及び警察吏員に関する規定の施行までの間は、なお、從前の例による。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
第九十九條第一項、第百二十一條及び第二百三十二條第二項の規定の適用については、当分の間、警視総監も、また、これを普通地方公共團体の長とみなす。
第八條 政令で定める事務に從事する都道府縣の職員は、第百七十二條、第百七十三條及び第百七十五條の規定にかかわらず、当分の間、なお、これを官吏とする。この場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第九條 この法律に定めるものを除く外、地方公共團体の長の補助機関たる職員、選挙管理委員及び選挙管理委員会の書記並びに監査委員及び監査委員の事務を補助する書記の分限、給與、服務、懲戒等に関しては、別に法律が定められるまでの間は、從前の規定に準じて政令でこれを定める。
第十條 都道府縣及び特別市は、軍人軍属であつた者の身上の取扱に関する事務及びその家族等に対する俸給その他の給與に関する事務を処理しなければならない。
前項の事務の処理に関しては、政令で特例を設けることができる。
第一項の事務は、都にあつては民生局、道府縣にあつては民生部、特別市にあつては市長の定める局部においてこれを掌る。
第一項の事務を処理するために要する経費は、國庫の負担とする。
第十一條 從前の東京都制、道府縣制、市制若しくは町村制又はこれらの法律に基いて発する命令によつてした手続その他の行爲は、これをこの法律又はこれに基いて発する命令中の相当する規定によつてした手続その他の行爲とみなす。
第十二條 この法律施行前東京都制、道府縣制、市制若しくは町村制又はこれらの法律に基いて発する勅令により行つた選挙に関し、これらの法律において準用する衆議院議員の選挙に関する罰則を適用すべきであつた行爲については、なお、從前の例による。
第十三條 他の法令中地方長官、東京都長官、北海道廳長官又は都道府縣若しくは東京都の区の官吏に関する規定は、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、各ゝ都道府縣知事若しくは特別市の市長、都知事、道知事又は都道府縣若しくは特別区の相当する吏員に関する規定とみなす。
第十四條 他の法令中都道府縣参事会若しくは都道府縣参事会員又は市参事会若しくは市参事会員に関する規定は、この法律による都道府縣、特別市若しくは市の議会又はこれらの議会の議員に関する規定とみなす。
第十五條 他の法令中に東京都制、道府縣制、府縣制、市制又は町村制の規定を掲げている場合において、この法律中これらの規定に相当する規定があるときは、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、各ゝこの法律中のこれらの規定に相当する規定を指しているものとする。
第十六條 他の法令中都道府縣及び市に関する規定は、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、特別市にも、また、これを適用する。
他の法令中の從前の市制第六條の市又は市制第八十二條第一項若しくは市制第八十二條第三項の市に関する規定は、特別市及び第百五十五條第二項の市に関する規定とみなす。
第十七條 他の法令中市に関する規定は、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、特別区にも、また、これを適用する。
第十八條 他の法令中從前郡長の管轄した区域に関する規定は、郡に関する規定とみなす。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
第十九條 他の法令中都議会議員選挙管理委員会、道府縣会議員選挙管理委員会、市町村会議員選挙管理委員会若しくは市町村会議員選挙管理委員会に準ずる選挙管理委員会に関する規定は、都道府縣又は市町村若しくは市町村に準ずるものの選挙管理委員会に関する規定とみなす。
第二十條 戸籍法の適用を受けない者の選挙権及び被選挙権は、当分の間、これを停止する。
前項の者は、選挙人名簿にこれを登載することができない。
第二十一條 この法律の施行に関し必要な規定は、政令でこれを定める。
朕は、帝国議会の協賛を経た地方自治法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月十六日
内閣総理大臣 吉田茂
内務大臣 植原悦二郎
法律第六十七号
地方自治法目次
第一編
総則
第二編
普通地方公共団体
第一章
通則
第二章
住民
第三章
条例及び規則
第四章
選挙
第一節
通則
第二節
選挙人名簿
第三節
投票
第四節
開票
第五節
選挙会
第六節
候補者及び当選人
第七節
特別選挙
第八節
争訟
第九節
選挙運動及び罰則
第五章
直接請求
第一節
条例の制定及び監査の請求
第二節
解散及び解職の請求
第六章
議会
第一節
組織
第二節
権限
第三節
招集及び会期
第四節
議長及び副議長
第五節
委員会
第六節
会議
第七節
請願
第八節
議員の辞職及び資格の決定
第九節
紀律
第十節
懲罰
第十一節
書記長及び書記
第七章
執行機関
第一節
普通地方公共団体の長
第一款
地位
第二款
権限
第三款
補助機関
第四款
議会との関係
第二節
選挙管理委員会
第三節
監査委員
第八章
給与
第九章
財務
第一節
財産及び営造物
第二節
収入
第三節
支出
第四節
予算
第五節
出納及び決算
第六節
雑則
第十章
監督
第十一章
補則
第三編
特別地方公共団体及び地方公共団体に関する特例
第一章
特別地方公共団体
第一節
特別市
第二節
特別区
第三節
地方公共団体の組合
第四節
財産区
第二章
地方公共団体の協議会
附則
地方自治法
第一編 総則
第一条 地方公共団体は、普通地方公共団体及び特別地方公共団体とする。
普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする。
特別地方公共団体は、特別市、特別区、地方公共団体の組合及び財産区とする。
第二条 地方公共団体は、法人とする。
普通地方公共団体は、その公共事務並びに従来法令により及び将来法律又は政令により普通地方公共団体に属する事務を処理する。
特別地方公共団体は、この法律の定めるところにより、その事務を処理する。
第三条 地方公共団体の名称は、従来の名称による。
都道府県及び特別市の名称を変更しようとするときは、法律でこれを定める。
都道府県及び特別市以外の地方公共団体の名称を変更しようとするときは、この法律に特別の定のあるものを除く外、条例でこれを定めなければならない。
第四条 地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない。
第二編 普通地方公共団体
第一章 通則
第五条 普通地方公共団体の区域は、従来の区域による。
都道府県は、市町村を包括する。
第六条 都道府県の廃置分合又は境界変更をしようとするときは、法律でこれを定める。
都道府県の境界にわたつて市町村の境界の変更があつたときは、都道府県の境界も、また、自ら変更する。所属未定地を市町村の区域に編入したときも、また、同様とする。
前二項の場合において財産処分を必要とするときは、関係地方公共団体が協議してこれを定める。その協議が調わないときは、関係地方公共団体の議会の意見を聴き、内務大臣がこれを定める。但し、法律に特別の定があるときは、この限りでない。
前項の協議については、関係地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
第七条 市の廃置分合又はこれに伴う町村の廃置分合若しくは市町村の境界変更をしようとするときは、関係市町村の議会の議決を経て、内務大臣がこれを定める。
町村の廃置分合又は市町村の境界変更をしようとするときは、都道府県知事は、関係市町村の議会の議決を経、内務大臣の許可を得てこれを定める。所属未定地を市町村の区域に編入しようとするときも、また、同様とする。
都道府県の境界にわたつて市町村の境界の変更をしようとするときは、関係普通地方公共団体の議会の議決を経て、内務大臣がこれを定める。
前三項の場合において財産処分を必要とするときは、関係市町村が協議してこれを定める。その協議が調わないときは、関係市町村の議会の意見を聴き、第一項及び第二項の場合においては都道府県知事、前項の場合においては内務大臣がこれを定める。
前項の協議については、関係市町村の議会の議決を経なければならない。
第八条 市を設置し又は町村を市としようとするときは、その地方公共団体は、人口三万以上を有し、且つ、都市的形態を具えていなければならない。
町村を市とし又は市を町村としようとするときは、当該市町村の議会の議決を経て、内務大臣がこれを定める。
村を町とし又は町を村としようとするときは、町村は、その議会の議決を経て、都道府県知事の許可を受けなければならない。
第九条 市町村の境界に関し争論があるときは、関係市町村は、裁判所にその確定の訴を提起することができる。
市町村の境界が判明でない場合において、その境界に関し争論がないときは、都道府県知事は、裁判所に境界の決定を求めることができる。
前項の場合においては、政令で特別の定をするものを除く外、非訟事件手続法の例による。
第二章 住民
第十条 市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。
住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の財産及び営造物を共用する権利を有し、その負担を分任する義務を負う。
第十一条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。
第十二条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の条例の制定又は改廃を請求する権利を有する。
日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の事務の監査を請求する権利を有する。
第十三条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の議会の解散を請求する権利を有する。
日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の議会の議員、長、副知事若しくは助役、出納長若しくは収入役、選挙管理委員又は監査委員の解職を請求する権利を有する。
第三章 条例及び規則
第十四条 普通地方公共団体は、法律の範囲内において、その事務に関し、条例を制定することができる。
法律又は政令により都道府県に属する国の事務に関する都道府県の条例に違反した者に対しては、法律の定めるところにより、これに刑罰を科することがあるものとする。
第十五条 普通地方公共団体の長は、法律の範囲内において、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる。
前条第二項の規定は、前項の規則にこれを準用する。
第十六条 条例及び規則は、一定の公告式により、これを告示しなければならない。
第四章 選挙
第一節 通則
第十七条 普通地方公共団体の議会の議員及び長は、その被選挙権を有する者について、選挙人が投票によりこれを選挙する。
第十八条 日本国民たる年齢二十年以上の者で六箇月以来市町村の区域内に住所を有するものは、その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。
市町村は、市町村に対し特別の関係のある者の申請により、前項の規定による住所の要件にかかわらず、議会の議決を経て、これにその議会の議員及び長の選挙権を与えることができる。
前項の規定により選挙権を与えられた者は、当該市町村を包括する都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有する。
第二項の規定により住所を有する市町村以外の市町村において選挙権を与えられた者は、その住所を有する市町村においては、第一項の規定にかかわらず、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有しない。
第一項の六箇月の期間は、市町村の廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。
第十九条 普通地方公共団体の議会の議員の選挙権を有する者で年齢二十五年以上のものは、普通地方公共団体の議会の議員の被選挙権を有する。
日本国民で年齢三十年以上のものは、都道府県知事の被選挙権を有する。
日本国民で年齢二十五年以上のものは、市町村長の被選挙権を有する。
前三項の年齢は、選挙の期日によりこれを算定する。
第二十条 禁治産者及び準禁治産者並びに懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を終り又はその執行を受けることがなくなるまでの者は、選挙権及び被選挙権を有しない。
第二十一条 選挙管理委員、選挙管理委員会の書記、投票管理者、開票管理者及び選挙長並びに選挙事務に関係のある官吏及び吏員は、その関係区域内においては、被選挙権を有しない。
在職の検察官、警察官吏及び収税官吏は、被選挙権を有しない。
第二十二条 都道府県の議会の議員は、各選挙区において、これを選挙する。
前項の選挙区は、郡市の区域による。
前項の区域の人口が著しく少いときは、条例で数区域を合せて一選挙区を設けることができる。
都道府県の議会の議員の任期中あらたに第二項の区域の設定があつた場合において、従前その区域が属していた選挙区の配当議員数が同項の規定による関係選挙区の数に達しないときは、同項の規定の適用については、次の総選挙までの間、その区域は、なお設定されないものとみなす。
前二項の場合において必要な事項は、命令でこれを定める。
市町村は、その議会の議員の選挙につき、条例で選挙区を設けることができる。但し、第百五十五条第二項の市については、区の区域を以て選挙区とする。
市町村の議会の議員の選挙における選挙人の所属の選挙区は、その住所によりこれを定める。第十八条第二項の規定による選挙権を有する者で市町村の区域内に住所を有しないものについては、当該市町村の選挙管理委員会は、本人の申請により、その申請がないときは職権により、その所属の選挙区を定めなければならない。
各選挙区において選挙すべき普通地方公共団体の議会の議員の数は、人口に比例して、条例でこれを定めなければならない。
第二十三条 普通地方公共団体の選挙に関する事務は、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会がこれを管理する。
第二十四条 普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙は、これを行うべき事由が生じたときは、速かに行わなければならない。
普通地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了に因る選挙は、その任期満了の日前三十日前にはこれを行うことができない。
市町村の議会の議員又は長の選挙は、第二十五条第四項の規定による通知があるまでの間は、これを行うことができない。但し、同項の期間内に通知がないときは、この限りでない。
選挙の期日は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が選挙の期日前、都道府県にあつては三十日、市町村にあつては二十日までにこれを告示しなければならない。
第二十五条第三項の規定により都道府県の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、選挙の期日は、都道府県の選挙管理委員会において、選挙の期日前三十日までにこれを告示しなければならない。
第二十五条 都道府県の議会の議員の選挙と都道府県知事の選挙又は市町村の議会の議員の選挙と市町村長の選挙は、これを同時に行うことができる。
市町村の選挙管理委員会は、市町村の議会の議員又は長の選挙を行う場合においては、任期満了に因る選挙については任期満了の日前六十日までに、任期満了以外の事由に因る選挙については第五十九条第二項又は第六十一条第三項の規定により報告する場合を除く外選挙を行うべき事由を生じた日から三日以内に、その旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければならない。市町村の議会の議員の選挙の当選人につき第六十二条第一項に掲げる事由を生じた場合又は市町村の議会の議員に欠員を生じた場合において、第五十六条又は第六十三条第二項の規定により不足の当選人又は欠員を補充することができないときも、また、同様とする。
都道府県の選挙管理委員会は、前項の規定による届出又は第五十九条第二項若しくは第六十一条第三項の規定による報告に基き、当該市町村の選挙を都道府県の選挙と同時に行わせることができる。
都道府県の選挙管理委員会は、第二項の規定による届出又は第五十九条第二項若しくは第六十一条第三項の規定による報告のあつた日から三日以内に、当該市町村の選挙を都道府県の選挙と同時に行うかどうかを、当該市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合においては、この法律に特別の定があるものを除く外、投票及び開票に関する規定は、各選挙に通じてこれを適用する。第一項の規定により同時に選挙を行う場合において、選挙会の区域が同一であるときは、選挙会に関する規定についても、また、同様とする。
前項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第二節 選挙人名簿
第二十六条 普通地方公共団体の選挙は、衆議院議員選挙人名簿及び補充選挙人名簿又はその抄本によりこれを行う。
市町村の選挙管理委員会は、毎年九月十五日の現在により補充選挙人名簿を調製し、十一月五日から十五日間その指定した場所においてこれを関係人の縦覧に供さなければならない。
補充選挙人名簿の縦覧の場所は、委員会において縦覧開始の日前三日までにこれを告示しなければならない。
補充選挙人名簿には、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者で、当該市町村における衆議院議員選挙人名簿に登載されることができないものを登載しなければならない。
補充選挙人名簿には、選挙人の氏名、住所、性別及び生年月日等を記載しなければならない。
選挙権を有する者の年齢は、選挙人名簿の確定の期日によりこれを算定する。
第二十七条 補充選挙人名簿に脱漏又は誤載があると認めるときは、関係人は、その名簿の縦覧期間内に当該市町村の選挙管理委員会に異議の申立をすることができる。
委員会は、前項の申立を受けたときは、その日から二十日以内にこれを決定しなければならない。その申立を正当であると決定したときは、直ちに補充選挙人名簿を修正し、その旨を申立人及び関係人に通知し、併せてこれを告示しなければならない。その申立を正当でないと決定したときは、直ちにその旨を申立人に通知しなければならない。
前項の規定による決定に不服がある者は、決定のあつた日から七日以内に地方裁判所に出訴することができる。その判決に不服がある者は、控訴することはできないが、最高裁判所に上告することができる。
補充選挙人名簿は、十二月二十日を以て確定する。
補充選挙人名簿は、翌年の十二月十九日までこれを据え置かなければならない。但し、確定判決により修正すべきものは、委員会において、直ちにこれを修正し、その旨を告示しなければならない。
天災事変等のため必要があるときは更に名簿を調製しなければならない。
前項の名簿に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第三節 投票
第二十八条 投票区は、衆議院議員の選挙の投票区による。
第二十九条 投票管理者は、選挙権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会の選任した者を以てこれに充てる。
投票管理者は、投票に関する事務を担任する。
投票管理者は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
第三十条 候補者は、各投票区における選挙人名簿に記載された者の中から、本人の承諾を得て、投票立会人となるべき者一人を定め、選挙の期日前三日までに、投票管理者に届け出ることができる。但し、同一人を届け出ることを妨げない。
前項の規定により届出のあつた者(候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、その届出に係る者を除く。以下これに同じ。)が十人を超えないときは、直ちにその者を以て投票立会人とし、十人を超えるときは、届出のあつた者において投票立会人十人を互選しなければならない。
前項の規定による互選は、投票によりこれを行い、得票の最多数の者を以て投票立会人とする。得票の数が同じであるときは、投票管理者がくじでこれを定める。
第二項の規定による互選は、選挙の期日の前日にこれを行ふ。
第二項の規定による互選を行うべき場所及び日時は、投票管理者において、予めこれを告示しなければならない。
候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、その届出に係る投票立会人は、その職を失う。
第二項の規定による投票立会人が三人に達しないとき若しくは三人に達しなくなつたとき又は投票立会人で参会する者が投票所を開くべき時刻になつても三人に達しないとき若しくはその後三人に達しなくなつたときは、投票管理者は、その投票区における選挙人名簿に記載された者の中から三人に達するまでの投票立会人を選任し、直ちにこれを本人に通知し、投票に立ち会わしめなければならない。
投票立会人は、正当の理由がなければ、その職を辞することができない。
第三十一条 投票用紙の様式は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会がこれを定める。
第二十五条第三項の規定により都道府県の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、投票用紙の様式は、都道府県の選挙管理委員会がこれを定める。
第二十五条第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合においては、投票用紙に各選挙における候補者の氏名を記載する欄を区分して設けなければならない。
第三十二条 選挙人は、投票所において、投票用紙に自ら候補者一人の氏名を記載してこれを投票箱に入れなければならない。
第二十五条第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合においては、選挙人は、投票所において、投票用紙の各選挙における候補者の氏名を記載する欄に、自ら候補者一人の氏名を記載してこれを投票箱に入れなければならない。
身体の故障に因り自ら候補者の氏名を記載することができない者の投票については、第三十七条、第四十一条及び前二項の規定にかかわらず、政令で特別の規定を設けることができる。
投票用紙には、選挙人の氏名を記載してはならない。
第三十三条 投票の拒否は、投票立会人の意見を聴き、投票管理者がこれを決定しなければならない。
前項の決定を受けた選挙人において不服があるときは、投票管理者は、仮に投票をさせなければならない。
前項の投票は、選挙人をしてこれを封筒に入れて封をし、表面に自らその氏名を記載して投票箱に入れさせなければならない。
投票立会人において異議のある選挙人についても、また、前二項と同様とする。
第三十四条 選挙人でその従事する職務若しくは業務又は疾病その他政令の定める事由に因り選挙の当日自ら投票所に行き投票をすることができない旨を証明するものの投票については、第三十二条第一項、第二項、第三十七条及び前条の規定にかかわらず、命令で特別の規定を設けることができる。
第三十五条 島その他交通不便の地について、投票の当日に投票箱を送致することができない情況があると認めるときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、適宜にその投票の期日を定め、開票の期日までにその投票箱、投票録及び選挙人名簿又はその抄本を送致させることができる。
第二十五条第三項の規定により都道府県の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、前項の規定による投票の期日は、同項の規定にかかわらず、都道府県の選挙管理委員会がこれを定める。
第三十六条 天災その他避けることのできない事故に因り投票を行うことができないとき、又は更に投票を行う必要があるときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。但し、その期日は、委員会において少くとも五日前にこれを告示しなければならない。
第二十五条第三項の規定により都道府県の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合において前項に規定する事由を生じたときは、都道府県の選挙管理委員会は、同項の例により更に投票を行わせなければならない。
都道府県の選挙について第一項に規定する事由を生じた場合及び前項の場合においては、市町村の選挙管理委員会は、都道府県の選挙の選挙長を経て都道府県の選挙管理委員会にその旨を届け出なければならない。
第三十七条 衆議院議員選挙法第二十一条乃至第二十三条、第二十五条、第二十六条、第二十八条乃至第三十条、第三十二条、第三十四条、第三十五条及び第三十九条乃至第四十三条の規定は、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の投票にこれを準用する。
第四節 開票
第三十八条 開票区は、衆議院議員の選挙の開票区による。但し、市町村の議会の議員の選挙については、当該市町村の選挙管理委員会は、別に開票区を設けることができる。
第三十九条 開票管理者は、選挙権を有する者の中から市町村の選挙管理委員会が選任した者を以てこれに充てる。
開票管理者は、開票に関する事務を担任する。
開票管理者は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
第四十条 第三十条の規定は、開票立会人にこれを準用する。
第四十一条 第三十二条第一項の規定による投票で左に掲げるものは、これを無効とする。
一 成規の用紙を用いないもの
二 候補者の氏名の外他事を記載したもの 但し、職業、身分、住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。
三 候補者でない者の氏名を記載したもの
四 二人以上の候補者の氏名を記載したもの
五 被選挙権のない候補者の氏名を記載したもの
六 候補者の氏名を自書しないもの
七 候補者の何人を記載したかを確認し難いもの
第三十二条第二項の規定による投票で前項第一号及び第二号に該当するものは、これを無効とする。その投票中の各選挙における候補者の氏名を記載する欄の前項第三号乃至第七号の記載は、これを無効とする。
第四十二条 開票管理者は、開票立会人立会の上、投票箱を開き、まず第三十三条第二項及び第四項の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聴き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。
開票管理者は、開票立会人とともに、各投票所の投票を混同して、投票を点検しなければならない。
投票の点検が終つたときは、開票管理者は、直ちにその結果を選挙長に報告しなければならない。
第四十三条 第三十六条第一項本文、第二項及び第三項の規定は、開票にこれを準用する。
第四十四条 衆議院議員選挙法第四十五条、第四十六条、第四十八条、第五十条、第五十一条、第五十三条乃至第五十五条及び第五十七条の規定は、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の開票にこれを準用する。
第五節 選挙会
第四十五条 選挙長は、選挙権を有する者の中から当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の選任した者を以てこれに充てる。
選挙長は、選挙会に関する事務を担任する。
選挙長は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。
第四十六条 選挙会は、選挙長の指定した場所でこれを開く。
第四十七条 第三十条の規定は、選挙立会人にこれを準用する。
第四十八条 選挙会の区域と開票区の区域が同一である選挙については、第三十九条、第四十条、第四十二条第三項、第四十三条及び第四十四条の規定にかかわらず、当該選挙の開票の事務は、選挙会場において選挙会の事務に合せてこれを行うことができる。
前項の規定により開票の事務を選挙会の事務に合せて行う場合においては、開票管理者又は開票立会人は、選挙長又は選挙立会人を以てこれに充て、開票に関する次第は、選挙録中にこれを併せて記載するものとする。
第四十九条 選挙長は、すべての開票管理者から第四十二条第三項の規定による報告を受けた日又はその翌日に選挙会を開き、選挙立会人立会の上、その報告を調査し、各候補者の得票総数を計算しなければならない。
前条第一項の場合においては、選挙長は、前項の規定にかかわらず、投票の点検の結果により各候補者の得票総数を計算しなければならない。
選挙の一部が無効となり更に選挙を行つた場合において、第四十二条第三項の規定による報告を受けたときは、選挙長は、第一項の例により、他の部分の報告とともに、更にこれを調査し、各候補者の得票総数を計算しなければならない。
第五十条 選挙長は、選挙録を作り、選挙会に関する次第を記載し、選挙立会人とともに、これに署名しなければならない。
選挙録は、第四十二条第三項の規定による報告に関する書類と併せて当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会において、普通地方公共団体の議会の議員又は長の任期間これを保存しなければならない。
第四十八条の場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、投票の有効無効を区別し、投票録及び選挙録と併せて当該普通地方公共団体の議会の議員又は長の任期間これを保存しなければならない。
第二十五条第三項の規定により都道府県の選挙と市町村の選挙を同時に行う場合においては、前二項の規定にかかわらず、都道府県の選挙管理委員会において関係書類を保存しなければならない。
第五十一条 第三十六条第一項本文、第二項及び第三項の規定は、選挙会にこれを準用する。
第五十二条 衆議院議員選挙法第六十条、第六十三条及び第六十六条の規定は、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の選挙会にこれを準用する。
第六節 候補者及び当選人
第五十三条 候補者となろうとする者は、選挙の期日の告示があつた日から選挙の期日前七日までに、その旨を選挙長に届け出なければならない。
選挙人名簿に記載された者が他人を候補者としようとするときは、本人の承諾を得て、前項の期間内に、その推薦の届出をすることができる。
前二項の期間内に届出のあつた候補者が、普通地方公共団体の議会の議員の選挙にあつてはその選挙における議員の定数を超える場合、普通地方公共団体の長の選挙にあつては二人以上ある場合において、その期間を経過した後候補者が死亡し又は候補者たることを辞したときは、前二項の例により、選挙の期日前三日まで、候補者の届出又は推薦届出をすることができる。
普通地方公共団体の議会の議員の選挙において選挙区があるときは、一の選挙区において候補者となつた者は、他の選挙区においては、候補者の届出をし又はその推薦届出を承諾することができない。
候補者は、選挙長に届出をしなければ、候補者たることを辞することができない。
第一項乃至第三項及び前項の届出があつたとき、又は候補者が死亡したことを知つたときは、選挙長は、直ちにその旨を告示するとともに、これを当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。
第五十四条 都道府県及び市の議会の議員又は長の選挙において候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、候補者一人につき、左の区分による金額又はこれに相当する額面の国債証書を供託しなければならない。
一 都道府県知事の選挙 五千円
二 市長の選挙 三千円
三 都道府県の議会の議員の選挙 二千円
四 市の議会の議員の選挙 千円
候補者の得票数が、都道府県及び市の議会の議員の選挙にあつてはその選挙区内の議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)を以て有効投票の総数を除して得た数の十分の一、都道府県知事及び市長の選挙にあつては有効投票の総数の十分の一に達しないときは、前項の供託物は、当該都道府県又は市に帰属する。
前項の規定は、候補者が選挙の期日前十日以内に候補者たることを辞した場合にこれを準用する。但し、被選挙権を有しなくなつたため候補者たることを辞したときは、この限りでない。
町村長の選挙において候補者の届出又は推薦届出をしようとする者は、選挙人三十人以上の連署を以てこれをしなければならない。
第五十五条 有効投票の最多数を得た者を以て当選人とする。但し、普通地方公共団体の議会の議員の選挙にあつてはその選挙区内の議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)を以て有効投票の総数を除して得た数の四分の一、普通地方公共団体の長の選挙にあつては有効投票の総数の八分の三以上の得票がなければならない。
当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじでこれを定める。
第五十六条 第六十六条第一項、第二項又は第四項の規定による異議の申立、訴願又は訴訟の結果、更に選挙を行わないで当選人を定めることができる場合においては、選挙会を開きこれを定めなければならない。
当選人が当選を辞したとき、死亡者であるとき、又は第五十七条の規定により当選を失つたときは、直ちに選挙会を開き、前条第一項但書の得票者又は第六十五条第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものの中から当選人を定めなければならない。
第六十二条第一項第五号乃至第七号の事由が、第六十条第一項の期限前に生じた場合において前条第一項但書の得票者若しくは第六十五条第六項の規定の適用を受けた得票者があるとき、又はその期限経過後に生じた場合において前条第二項若しくは第六十五条第六項の規定の適用を受けた得票者があるときは、選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。
前三項の場合において、前条第一項但書の得票者又は前条第二項若しくは第六十五条第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものが選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、これを当選人と定めることができない。
第五十七条 当選人は、選挙の期日後において被選挙権を有しなくなつたときは、当選を失う。
第五十八条 第五十三条第一項乃至第三項の規定による届出があつた候補者が、普通地方公共団体の議会の議員の選挙にあつてはその選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)を超えないとき、普通地方公共団体の長の選挙にあつては一人であるときは、投票は、これを行わない。
第二十五条第一項又は第三項の規定により同時に選挙を行う場合において、前項の場合を生じたときは、当該選挙に係る部分の投票は、これを行わない。
前二項の規定により投票を行わないこととなつたときは、選挙長は、都道府県の選挙にあつては市町村の選挙管理委員会を経、市町村の選挙にあつては自ら、直ちにその旨を投票管理者に通知し、併せてこれを告示し、且つ、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。
投票管理者は、前項の通知を受けたときは、直ちにその旨を告示しなければならない。
第一項及び第二項の場合においては、選挙長は、選挙の期日から五日以内に選挙会を開き、候補者を以て当選人と定めなければならない。
前項の場合において、候補者の被選挙権の有無は、選挙立会人の意見を聴き、選挙長がこれを決定しなければならない。
第五十九条 当選人が定まつたときは、選挙長は、直ちに当選人に当選の旨を告知し、同時に当選人の住所氏名を告示し、且つ、当選人の氏名及び得票数、その選挙における各候補者の得票総数その他選挙の次第を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。市町村の選挙にあつては、併せて都道府県の選挙管理委員会にもこれを報告しなければならない。
当選人がないとき、又は普通地方公共団体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しないときは、選挙長は、直ちにその旨を告示し、且つ、これを当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に報告しなければならない。市町村の選挙にあつては、併せて都道府県の選挙管理委員会にもこれを報告しなければならない。
第六十条 当選人は、当選を辞しようとするときは、当選の告知を受けた日から十日以内にその旨を当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出なければならない。
当選人が、前項の期間内に当選を辞する旨の届出をしないときは、当選を承諾したものとみなす。
当選人で、第九十二条若しくは第百四十一条に掲げる職に在る者又は当該普通地方公共団体に対し第百四十二条に規定する関係を有する者は、第一項の委員会に対し、第九十二条若しくは第百四十一条に掲げる職を辞し又は第百四十二条に規定する関係を有しなくなつた旨の届出をしなければならない。第一項の期間内にその届出をしないときは、当選を辞したものとみなす。
官吏で当選した者は、所属長官の許可を受けなければ、これを承諾することができない。
第一項の期間内に所属長官の許可を受けた旨の届出をしないときは、当選を辞したものとみなす。
第六十一条 前条第一項の期間を経過したとき又は当選人が当選を承諾したときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、直ちにこれに当選証書を付与し、その住所氏名を告示しなければならない。
当選人がなくなつたとき、又は普通地方公共団体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しなくなつたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示しなければならない。
前二項の場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、左の区分により、直ちにその旨を報告しなければならない。
一 都道府県知事の選挙にあつては内務大臣
二 都道府県の議会の議員の選挙にあつては都道府県知事
三 市町村長の選挙にあつては都道府県知事及び都道府県の選挙管理委員会
四 市町村の議会の議員の選挙にあつては都道府県知事、都道府県の選挙管理委員会及び市町村長
第七節 特別選挙
第六十二条 左に掲げる事由の一が生じた場合において、普通地方公共団体の議会の議員の選挙にあつては更に選挙を行わないで当選人を定めることができず又は更に選挙を行わないで当選人を定めてもなお当選人の不足数が第六十三条第一項にいう議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を超えるに至つたとき、普通地方公共団体の長の選挙にあつては更に選挙を行わないで当選人を定めることができないときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し、更に選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関し左に掲げるその他の事由により、又は第六十三条第一項の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
一 当選人がないとき、又は普通地方公共団体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しないとき
二 当選人が当選を辞したとき、又は死亡者であるとき
三 当選人が第五十七条の規定により当選を失つたとき
四 第六十六条第一項、第二項又は第四項の規定による異議の申立、訴願又は訴訟の結果、当選人がなくなり、又は普通地方公共団体の議会の議員の選挙において当選人がその選挙における議員の定数に達しなくなつたとき
五 第六十八条第一項の規定による訴訟の結果、当選人の当選が無効となつたとき
六 選挙運動を総括主宰した者が選挙に関する犯罪に因り刑に処せられ当選人の当選が無効となつたとき
七 当選人が選挙に関する犯罪に因り刑に処せられ当選が無効となつたとき
第六十六条第一項、第二項又は第四項の規定による異議の申立期間、異議の決定若しくは訴願の裁決が確定しない間又は訴訟が裁判所にかかつている間は、前項の選挙は、これを行うことができない。
第一項各号の一に該当する事由が普通地方公共団体の議会の議員の任期の終る前六箇月以内に生じたときは、同項の選挙は、これを行わない。但し、議員の数がその定数の三分の二に達しなくなつたときは、この限りでない。
当選人の不足数が第六十三条第一項にいう普通地方公共団体の議会の議員の欠員の数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を超えなくても、その区域において普通地方公共団体の他の選挙が行われるときは、その選挙と同時に更に選挙を行うことができる。
第六十三条 普通地方公共団体の議会の議員に欠員を生じた場合において選挙を行わないで当選人を定めることができず若しくは選挙を行わないで当選人を定めてもなおその欠員の数が前条第一項にいう当選人の不足数と通じて当該選挙区における議員の定数(選挙区がないときは議員の定数)の六分の一を超えるに至つたとき、又は普通地方公共団体の長が欠けるに至つたとき若しくはその退職の申立があつたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関し前条第一項の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
第六十条第一項の期限前に普通地方公共団体の議会の議員に欠員を生じた場合又は普通地方公共団体の長が欠け若しくはその退職の申立があつた場合において第五十五条第一項但書の得票者若しくは第六十五条第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつた者があるとき、又はその期限経過後にこれらの事由を生じた場合において第五十五条第二項若しくは第六十五条第六項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつた者があるときは、直ちに選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。この場合においては、第五十六条第四項の規定を準用する。
前条第二項の規定は第一項の選挙に、同条第三項及び第四項の規定は第一項の普通地方公共団体の議会の議員の選挙にこれを準用する。
第六十四条 普通地方公共団体の議会の議員又はその選挙における当選人について、第六十二条第一項又は前条第一項に掲げる事由が生じた場合において、議員又は当選人がすべてないとき又はすべてなくなつたときは、これらの規定にかかわらず、総選挙を行う。但し、これらの事由に関し第六十二条第一項若しくは前条第一項の規定による選挙の告示又は第五十六条第一項乃至第三項若しくは前条第二項の規定による選挙会の告示をしたときは、この限りでない。
第六十二条第二項の規定は、前項の総選挙にこれを準用する。
一の普通地方公共団体の議会の議員に関する第六十二条第一項又は前条第一項の選挙を同時に行う場合においては、一の選挙を以て合併してこれを行う。
第六十五条 普通地方公共団体の長の選挙において第五十五条第一項但書の得票者がないときは、第二十四条第一項、第四項及び第五項並びに第六十二条第一項の規定にかかわらず、第五十九条第二項の規定による告示の日から都道府県知事の選挙にあつては十五日以内、市町村長の選挙にあつては十日以内に更に選挙を行わなければならない。この場合においては、第五十三条第一項乃至第三項及び第五十四条第一項第一号若しくは第二号又は第四項の規定にかかわらず、その選挙において有効投票の最多数を得た者二人を以て候補者とする。
第二十五条第三項の規定により都道府県知事の選挙と市町村長の選挙を同時に行つた場合において、その選挙がともに前項の場合に該当するときは、都道府県知事の選挙に関する第五十九条第二項の規定による告示の日から十五日以内において都道府県の選挙管理委員会の定める期日に、その選挙を同時に行わなければならない。
前二項の場合においては、選挙管理委員会は、選挙の期日前五日までに選挙の期日を告示しなければならない。
第一項の場合において二人の候補者を定めるに当り得票数が同数であるため得票数によつては二人を定めることができないときは、選挙管理委員会がくじでこれを定める。
第一項の選挙にあつては、第五十五条第一項但書の規定にかかわらず、有効投票の過半数を得た者を以て当選人とする。
第一項の選挙における候補者の得票数が同じであるときは、前項の規定にかかわらず、選挙長がくじで当選人を定めなければならない。
第一項の選挙において候補者が死亡し又は候補者たることを辞したため候補者が一人となつたときは、投票は、これを行わない。この場合においては、第五十八条第二項乃至第六項の規定を準用する。
第一項の選挙における第三十条第七項又はこれを準用する第四十条若しくは第四十七条の規定の適用については、これらの規定中三人とあるのは、二人とする。
第八節 争訟
第六十六条 選挙人又は候補者は、選挙又は当選の効力に関し異議があるときは、選挙に関しては選挙の日、当選に関しては第五十九条第一項又は第二項の告示の日から十四日以内に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に対しこれを申し立てることができる。
前項の規定による市町村の選挙管理委員会の決定に不服がある者は、都道府県の選挙管理委員会に訴願することができる。
第一項の規定による決定及び前項の規定による裁決は、文書を以てこれをし、理由を附けてこれを申立人に交付するとともに、その要旨を告示しなければならない。
第一項の規定による都道府県の選挙管理委員会の決定又は第二項の規定による裁決に不服がある者は、その決定書若しくは、裁決書の交付を受けた日又は前項の規定による告示の日から三十日以内に、高等裁判所に出訴することができる。
普通地方公共団体の長の選挙について前条第一項の選挙を行つた場合においては、第一項の期間は、前条第一項の選挙の日又はその選挙に関する第五十九条第一項若しくは第二項の告示の日からこれを起算する。
衆議院議員選挙法第百四十一条及び第百四十一条ノ三の規定は、第四項の規定による訴訟にこれを準用する。
第一項の規定による市町村の選挙管理委員会の決定に対しては、第二項の規定による裁決を受けた後でなければ裁判所に出訴することができない。
第六十七条 選挙の規定に違反することがあるときは、選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合に限り、選挙管理委員会又は裁判所は、その選挙の全部又は一部の無効を決定し、裁決し又は判決しなければならない。
第六十八条 衆議院議員選挙法第百十条の規定の準用により当選を無効であると認める選挙人又は候補者は、当選人を被告として、第五十九条第一項の規定による告示の日から三十日以内に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の属する普通地方公共団体の区域を管轄する高等裁判所に出訴することができる。
検察官は、衆議院議員選挙法第百十二条乃至第百十三条の規定の準用による罪にあたる事件の被告人が選挙運動を総括主宰した者であるため同法第百三十六条の規定の準用により当選が無効であると認めるときは、公訴に附帯し、当選人を被告として、訴訟を提起しなければならない。
衆議院議員選挙法第百四十一条及び第百四十一条ノ三の規定は、第一項の規定による訴訟に、同法第百四十一条ノ二及び第百四十一条ノ三の規定は、前項の訴訟にこれを準用する。
第六十九条 裁判所は、第六十六条第四項又は前条第一項の訴訟を裁判するに当り、検察官をして口頭弁論に立ち会わしめることができる。
第七十条 第六十六条第四項の規定による訴訟が提起されたとき、裁判所にかからなくなつたとき若しくはその訴訟につき判決があつたとき、又は第六十八条第二項の規定による訴訟につき判決があつたとき、若しくは第六十八条第二項の規定による訴訟につき判決が確定し効力を生じたときは、裁判所は、関係のある普通地方公共団体の長を経て当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に通知しなければならない。
第七十一条 第六十八条第一項の規定による訴訟を提起しようとする者は、保証金として三百円又はこれに相当する額面の国債証書を供託しなければならない。
原告が敗訴した場合において、裁判が確定した日から七日以内に裁判費用を完納しないときは、保証金を以てこれに充て、なお足りないときは、これを追徴する。
第九節 選挙運動及び罰則
第七十二条 衆議院議員選挙法第十章及び第十一章並びに第百四十条第二項の規定は、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の選挙運動に、同法第百四十条第三項乃至第五項の規定は、都道府県知事の選挙の選挙運動にこれを準用する。但し、政令で特別の定をすることができる。
第七十三条 衆議院議員選挙法第十二章並びに第百四十二条、第百四十三条及び第百四十七条の規定は、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙にこれを準用する。但し、政令で特別の定をすることができる。
第五章 直接請求
第一節 条例の制定及び監査の請求
第七十四条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例の制定又は改廃の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
普通地方公共団体の長は、第一項の請求を受理した日から二十日以内に議会を招集し、意見を附けてこれを議会に付議し、その結果を同項の代表者に通知するとともに、これを公表しなければならない。
第一項の選挙権を有する者とは、選挙人名簿確定の日においてこれに記載された者とし、その総数の五十分の一の数は、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会において、選挙人名簿確定後直ちにこれを告示しなければならない。
第七十五条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共団体の監査委員に対し、当該普通地方公共団体の経営に係る事業の管理、出納その他の当該普通地方公共団体の事務及び当該普通地方公共団体の長の権限に属する事務の執行に関し、監査の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、監査委員は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
監査委員は、第一項の請求に係る事項につき監査し、その結果を同項の代表者に通知し、且つ、これを公表するとともに、当該普通地方公共団体の議会及び長に報告しなければならない。
監査委員を置かない市町村においては、第一項の請求は、市町村長に対してこれをし、前二項の規定による監査委員の職務は、当該普通地方公共団体の長に対する報告に関するものを除く外、市町村長がこれを行う。
前条第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の五十分の一の数にこれを準用する。
第二節 解散及び解職の請求
第七十六条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共団体の議会の解散の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、委員会は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
第一項の請求があつたとき、委員会は、これを選挙人の投票に付さなければならない。
第七十四条第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数にこれを準用する。
第七十七条 解散の投票の結果が判明したときは、選挙管理委員会は、直ちにこれを前条第一項の代表者及び当該普通地方公共団体の議会の議長に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府県にあつては都道府県知事及び内務大臣、市町村にあつては市町村長及び都道府県知事に報告しなければならない。
第七十八条 普通地方公共団体の議会は、第七十六条第三項の規定による解散の投票において過半数の同意があつたときは、前条の公表の日において解散するものとする。
第七十九条 第七十六条第一項の規定による普通地方公共団体の議会の解散の請求は、その議会の議員の総選挙のあつた日から一年間及び同条第三項の規定による解散の投票のあつた日から一年間は、これをすることができない。
第八十条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、所属の選挙区におけるその総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該選挙区に属する普通地方公共団体の議会の議員の解職の請求をすることができる。この場合において選挙区がないときは、選挙権を有する者の総数の三分の一以上の者の連署を以て、議員の解職の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、委員会は、直ちに請求の要旨を関係区域内に公表しなければならない。
第一項の請求があつたときは、委員会は、これを当該選挙区の選挙人の投票に付さなければならない。この場合において選挙区がないときは、すべての選挙人の投票に付さなければならない。
第七十四条第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数にこれを準用する。
第八十一条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共団体の長の解職の請求をすることができる。
第七十四条第四項の規定は、前項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数に、第七十六条第二項及び第三項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第八十二条 第八十条第三項の規定による解職の投票の結果が判明したときは、普通地方公共団体の選挙管理委員会は、直ちにこれを同条第一項の代表者並びに当該普通地方公共団体の議会の関係議員及び議長に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府県にあつては都道府県知事及び内務大臣、市町村にあつては市町村長及び都道府県知事に報告しなければならない。
前条第二項の規定による解散の投票の結果が判明したときは、委員会は、直ちにこれを同条第一項の代表者並びに当該普通地方公共団体の長及び議会の議長に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府県及び市にあつては内務大臣、町村にあつては都道府県知事に報告しなければならない。
第八十三条 普通地方公共団体の議会の議員又は長は、第八十条第三項又は第八十一条第二項の規定による解職の投票において、過半数の同意があつたときは、その職を失う。
第八十四条 第八十条第一項又は第八十一条第一項の規定による普通地方公共団体の議会の議員又は長の解職の請求は、その就職の日から一年間及び第八十条第三項又は第八十一条第二項の規定による解職の投票の日から一年間は、これをすることができない。
第八十五条 政令で特別の定をするものを除く外、第四章の規定は、第七十六条第三項の規定による解散の投票並びに第八十条第三項及び第八十一条第二項の規定による解職の投票にこれを準用する。
前項の投票は、政令の定めるところにより、普通地方公共団体の選挙と同時にこれを行うことができる。
第八十六条 選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、副知事若しくは助役、出納長若しくは収入役、選挙管理委員又は監査委員の解職の請求をすることができる。
前項の請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
第一項の請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、これを議会に付議し、その結果を同項の代表者及び関係者に通知し、且つ、これを公表するとともに、都道府県にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府県知事に報告しなければならない。
第七十四条第四項の規定は、第一項の選挙権を有する者及びその総数の三分の一の数にこれを準用する。
第八十七条 前条第一項に掲げる職に在る者は、同条第三項の場合において、当該普通地方公共団体の議会の議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意があつたときは、その職を失う。
第八十八条 第八十六条第一項の規定による副知事若しくは助役又は出納長若しくは収入役の解職の請求は、その就職の日から一年間及び同条第三項の規定による議会の議決の日から一年間は、これをすることができない。
第八十六条第一項の規定による選挙管理委員又は監査委員の解職の請求は、その就職の日から六箇月間及び同条第三項の規定による議会の議決の日から六箇月間は、これをすることができない。
第六章 議会
第一節 組織
第八十九条 普通地方公共団体に議会を置く。
第九十条 都道府県の議会の議員の定数は、人口七十万未満の都道府県にあつては四十人とし、人口七十万以上百万未満の都道府県にあつては人口五万、人口百万以上の都道府県にあつては人口七万を加えることに各ゝ議員一人を増し、百二十人を以て定限とする。
前項の議員の定数は、総選挙を行う場合でなければ、これを増減することができない。
第九十一条 市町村の議会の議員の定数は、左の通りとし、人口三十万以上五十万未満の市にあつては人口十万、人口五十万以上の市にあつては人口二十万を加えるごとに各ゝ議員四人を増し、百人を以て定限とする。
一 人口二千未満の町村 十二人
二 人口二千以上五千未満の町村 十六人
三 人口五千以上一万未満の町村 二十二人
四 人口一万以上二万未満の町村 二十六人
五 人口五万未満の市及び人口二万以上の町村 三十人
六 人口五万以上十五万未満の市 三十六人
七 人口十五万以上二十万未満の市 四十人
八 人口二十万以上三十万未満の市 四十四人
九 人口三十万以上の市 四十八人
議員の定数は、条例で特にこれを増減することができる。但し、前項の定限を超えることができない。
第一項の議員の定数は、総選挙を行う場合でなければ、これを増減することができない。但し、著しく人口の増加があつた場合において同項の定数以内の数を増加することは、この限りでない。
第九十二条 普通地方公共団体の議会の議員は、衆議院議員又は参議院議員と兼ねることができない。
普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体の有給の職員と兼ねることができない。
第九十三条 普通地方公共団体の議会の議員の任期は、四年とする。
前項の任期は、総選挙の日からこれを起算する。但し、普通地方公共団体の議会の議員の任期満了の日前に総選挙を行つた場合においては、前任者の任期満了の日の翌日から、これを起算する。
補欠議員は、前任者の残任期間在任する。
議員の定数に異動を生じたためあらたに選挙された議員は、総選挙により選挙された議員の任期満了の日まで在任する。
第九十四条 町村は、条例で、第八十九条の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる。
第九十五条 前条の規定による町村総会に関しては、町村の議会に関する規定を準用する。
第二節 権限
第九十六条 普通地方公共団体の議会は、左に掲げる事件を議決しなければならない。
一 条例を設け又は改廃すること。
二 歳入歳出予算を定めること。
三 決算報告を認定すること。
四 法律又は政令に規定するものを除く外、使用料、手数料、地方税、分担金、加入金又は夫役現品の賦課徴収に関すること。
五 基本財産及び積立金穀等の設置及び処分に関すること。
六 歳入歳出予算を以て定めるものを除く外、あらたに義務の負担をし、及び権利を放棄すること。
七 異議の申立、訴願、訴訟及び和解に関すること。
八 普通地方公共団体の区域内の団体等の活動の綜合調整に関すること。
九 その他法令により議会の権限に属する事項。
前項に定めるものを除く外、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件につき議会の議決すべきものを定めることができる。
第九十七条 普通地方公共団体の議会は、法律又は政令によりその権限に属する選挙を行わなければならない。
第九十八条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する書類及び計算書を検閲し、当該普通地方公共団体の長の報告を請求して事務の管理、議決の執行及び出納を検査することができる。
議会は、監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。
第九十九条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の長に委任された国、他の地方公共団体その他公共団体の事務に関し、当該普通地方公共団体の長の説明を求め、又はこれに対し意見を述べることができる。
議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を関係行政庁に提出することができる。
第百条 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。
議会が前項の規定による調査を行うため当該普通地方公共団体の区域内の団体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない。
第三節 招集及び会期
第百一条 普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する。議員定数の四分の一以上の者から会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集の請求があるときは、当該普通地方公共団体の長は、これを招集しなければならない。
招集は、開会の日前、都道府県及び市にあつては七日、町村にあつては三日までにこれを告示しなければならない。但し、急施を要する場合は、この限りでない。
第百二条 普通地方公共団体の議会は、定例会及び臨時会とする。
定例会は、毎年六回以上これを招集しなければならない。
臨時会は、必要がある場合において、その事件に限りこれを招集する。
臨時会に付議すべき事件は、普通地方公共団体の長が予めこれを告示しなければならない。
臨時会の開会中に急施を要する事件があるときは、前二項の規定にかかわらず、直ちにこれを会議に付議することができる。
普通地方公共団体の議会の会期及びその延長並びにその開閉に関する事件は、議会がこれを定める。
第四節 議長及び副議長
第百三条 普通地方公共団体の議会は、議員の中から議長及び副議長一人を選挙しなければならない。
議長及び副議長の任期は、議員の任期による。
第百四条 普通地方公共団体の議会の議長は、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会を代表する。
第百五条 普通地方公共団体の議会の議長は、委員会に出席し、発言することができる。
第百六条 普通地方公共団体の議会の議長に故障があるとき、又は議長が欠けたときは、副議長が議長の職務を行う。
議長及び副議長にともに故障があるときは、仮議長を選挙し、議長の職務を行わせる。
議会は、仮議長の選任を議長に委任することができる。
第百七条 第百三条第一項及び前条第二項の規定による選挙を行う場合において、議長の職務を行う者がないときは、年長の議員が臨時に議長の職務を行う。
第百八条 普通地方公共団体の議会の議長及び副議長は、議会の許可を得て辞職することができる。但し、副議長は、議会の閉会中においては、議長の許可を得て辞職することができる。
第五節 委員会
第百九条 普通地方公共団体の議会は、条例で常任委員会を置くことができる。
常任委員は、会期の始めに議会において選任し、議員の任期中在任する。
常任委員会は、普通地方公共団体の事務に関する部門ごとにこれを設けることができる。
常任委員会は、その部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、議案、陳情等を審査する。
常任委員会は、予算その他重要な議案、陳情等について公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験を有する者等から意見を聴くことができる。
常任委員会は、議会の議決により特に付議された事件については、閉会中も、なお、これを審査することができる。
第百十条 普通地方公共団体の議会は、条例で特別委員会を置くことができる。
特別委員は、議会において選任し、委員会に付議された事件が議会において審議されている間在任する。
特別委員会は、会期中に限り、議会の議決により付議された事件を審査する。
第百十一条 前二条に定めるものを除く外、常任委員会及び特別委員会に関し必要な事項は、条例でこれを定める。
第六節 会議
第百十二条 普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる。但し、歳入歳出予算については、この限りでない。
前項の規定による議案の提出は、文書を以てこれをしなければならない。
第百十三条 普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、議事を開き議決することができない。但し、第百十七条の規定による除斥のため半数に達しないとき、同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は招集に応じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。
第百十四条 普通地方公共団体の議会の議員の定数の半数以上の者から請求があるときは、議長は、その日の会議を開かなければならない。この場合において議長がなお会議を開かないときは、第百六条第一項又は第二項の例による。
前項の規定により会議を開いたとき、又は議員中に異議があるときは、議長は、会議の議決によらない限り、その日の会議を閉じ又は中止することができない。
第百十五条 普通地方公共団体の議会の会議は、これを公開する。但し、議長又は議員三人以上の発議により、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
前項但書の議長又は議員の発議は、討論を行わないでその可否を決しなければならない。
第百十六条 この法律に特別の定がある場合を除く外、普通地方公共団体の議会の議事は、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
前項の場合においては、議長は、議員として議決に加わる権利を有しない。
第百十七条 普通地方公共団体の議会の議長及び議員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件については、その議事に参与することができない。但し、議会の同意があつたときは、会議に出席し、発言することができる。
第百十八条 法律又は政令により普通地方公共団体の議会において行う選挙については、第三十二条、第四十一条及び第五十五条(普通地方公共団体の長の選挙に関する部分を除く。)の規定を準用する。その投票の効力に関し異議があるときは、議会がこれを決定する。
議会は、議員中に異議がないときは、前項の選挙につき指名推選の方法を用いることができる。
指名推選の方法を用いる場合においては、被指名人を以て当選人と定めるべきかどうかを会議に諮り、議員の全員の同意があつた者を以て当選人とする。
一の選挙を以て二人以上を選挙する場合においては、被指名人を区分して前項の規定を適用してはならない。
第一項の規定による決定に不服がある者は、議会を被告として裁判所に出訴することができる。
第一項の規定による決定は、文書を以てし、その理由を附けてこれを本人に交付しなければならない。
第百十九条 会期中に議決に至らなかつた事件は、後会に継続しない。
第百二十条 普通地方公共団体の議会は、会議規則を設けなければならない。
第百二十一条 普通地方公共団体の長、選挙管理委員会の委員長及び監査委員並びにその委任又は嘱託を受けた者は、説明のため議長から出席を求められたときは、議場に出席しなければならない。
第百二十二条 普通地方公共団体の長は、議会に、予算に関する説明書その他当該普通地方公共団体の事務に関する説明書を提出することができる。
第百二十三条 議長は、書記長(書記長を置かない市町村においては書記)をして会議録を調製し、会議の次第及び出席議員の氏名を記載させなければならない。
会議録には、議長及び議会において定めた二人以上の議員が署名しなければならない。
議長は、会議録の写を添えて会議の結果を普通地方公共団体の長及び都道府県にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府県知事に報告しなければならない。
第七節 請願
第百二十四条 普通地方公共団体の議会に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない。
第百二十五条 普通地方公共団体の議会は、その採択した請願で当該普通地方公共団体の長、選挙管理委員会又は監査委員において措置することが適当と認めるものは、これらの者にこれを送付し、且つ、その請願の処理の経過及び結果の報告を請求することができる。
第八節 議員の辞職及び資格の決定
第百二十六条 普通地方公共団体の議会の議員は、議会の許可を得て辞職することができる。但し、閉会中においては、議長の許可を得て辞職することができる。
第百二十七条 普通地方公共団体の議会の議員が被選挙権を有しない者であるときは、その職を失う。その被選挙権の有無は、議員が左の各号の一に該当するため被選挙権を有しない場合を除く外、議会がこれを決定する。この場合においては、出席議員の三分の二以上の多数によりこれを決定しなければならない。
一 禁治産者又は準禁治産者となつたとき
二 禁錮以上の刑に処せられたとき
三 選挙に関する犯罪に因り罰金の刑に処せられたとき
都道府県の議会の議員は、住所を移したため被選挙権を失つても、その住所が同一都道府県の区域内に在るときは、そのためにその職を失うことはない。
第一項の場合においては、議員は、第百十七条の規定にかかわらず、その会議に出席して自己の資格に関し弁明することはできるが決定に加わることができない。
第百十八条第五項及び第六項の規定は、第一項の場合にこれを準用する。
第百二十八条 普通地方公共団体の議会の議員は、第六十六条第一項、第二項若しくは第四項、第六十八条第一項若しくは第二項又は前条の規定による決定若しくは裁決又は判決が確定するまでは、その職を失わない。
第九節 紀律
第百二十九条 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。
議長は、議場が騒然として整理することが困難であると認めるときは、その日の会議を閉じ、又は中止することができる。
第百三十条 傍聴人が公然と可否を表明し、又は騒ぎ立てる等会議を妨害するときは、普通地方公共団体の議会の議長は、これを制止し、その命令に従わないときは、これを退場させ、必要がある場合においては、これを警察官吏に引き渡すことができる。
傍聴席が騒がしいときは、議長は、すべての傍聴人を退場させることができる。
前二項に定めるものを除く外、議長は、傍聴人の取締に関し必要な規則を設けなければならない。
第百三十一条 議場の秩序を乱し又は会議を妨害するものがあるときは、議員は、議長の注意を換起することができる。
第百三十二条 普通地方公共団体の議会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。
第百三十三条 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる。
第十節 懲罰
第百三十四条 普通地方公共団体の議会は、この法律及び会議規則に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。
懲罰に関し必要な事項は、会議規則中にこれを定めなければならない。
第百三十五条 懲罰は、左の通りとする。
一 公開の議場における戒告
二 公開の議場における陳謝
三 一定期間の出席停止
四 除名
前項第四号の除名については、当該普通地方公共団体の議会の議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。
第百三十六条 普通地方公共団体の議会は、除名された議員で再び当選した議員を拒むことができない。
第百三十七条 普通地方公共団体の議会の議員が正当な理由がなくて招集に応じないため、又は正当な理由がなくて会議に欠席したため、議長が、特に招状を発しても、なお故なく出席しない者は、議長において、議会の議決を経て、これに懲罰を科することができる。
第十一節 書記長及び書記
第百三十八条 普通地方公共団体の議会に書記長及び書記を置く。但し、市町村においては、書記長を置かないことができる。
書記長及び書記は、議長がこれを選任する。
書記長は、議長の命を受け議会の庶務を整理する。
書記は、上司の指揮を受け議会の庶務に従事する。
第七章 執行機関
第一節 普通地方公共団体の長
第一款 地位
第百三十九条 都道府県に知事を置く。
市町村に市町村長を置く。
第百四十条 普通地方公共団体の長の任期は、四年とする。
前項の任期は、選挙の日からこれを起算する。但し、普通地方公共団体の長の任期満了の日前に選挙を行つた場合においては、前任者の任期満了の日の翌日から、これを起算する。
第百四十一条 普通地方公共団体の長は、衆議院議員又は参議院議員と兼ねることができない。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の議会の議員及び地方公共団体の有給の職員と兼ねることができない。
第百四十二条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し請負をし、又は当該普通地方公共団体において経費を負担する事業につきその団体の長若しくはその団体の長の委任を受けた者に対し請負をする者及びその支配人、又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役若しくは監査役又はこれに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。
第百四十三条 普通地方公共団体の長が、被選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。その被選挙権の有無は、普通地方公共団体の長が第百二十七条第一項に掲げる事由の一に該当するため被選挙権を有しない場合を除く外、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会がこれを決定しなければならない。
第百十八条第五項及び第六項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第百四十四条 普通地方公共団体の長は、第六十六条第一項、第二項若しくは第四項、第六十八条第一項若しくは第二項又は前条第二項の規定による決定若しくは裁決又は判決が確定するまでは、その職を失わない。
第百四十五条 普通地方公共団体の長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前、都道府県知事にあつては三十日、市町村長にあつては二十日までに、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければならない。但し、議会の同意を得たときは、その期日前に退職することができる。
第百四十六条 内務大臣は、都道府県知事が著しく不適任であると認めるときは、法律の定めるところにより、法律で定める弾劾裁判所にその罷免の訴追をすることができる。
都道府県知事は、市町村長が著しく不適任であると認めるときは、法律の定めるところにより、前項の弾劾裁判所にその罷免の訴追をすることができる。
第二款 権限
第百四十七条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。
第百四十八条 都道府県知事は、当該都道府県の事務及び部内の行政事務並びに従来法令により及び将来法律又は政令によりその権限に属する他の地方公共団体その他公共団体の事務を管理し及びこれを執行する。
市町村長は、当該市町村の事務並びに従来法令により及び将来法律又は政令によりその権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務を管理し及びこれを執行する。
第百四十九条 普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。
一 普通地方公共団体の経費を以て支弁すべき事件を執行すること。
二 普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
三 財産及び営造物を管理すること。
四 収入及び支出を命令し並びに会計を監督すること。
五 証書及び公文書類を保管すること。
六 法律及び政令又は普通地方公共団体の議会の議決により使用料、手数料、地方税、分担金、加入金又は夫役現品を賦課徴収すること。
七 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。
八 その他法令によりその権限に属する事項。
第百五十条 普通地方公共団体の長が国の機関として処理する行政事務については、普通地方公共団体の長は、都道府県にあつては主務大臣、市町村にあつては都道府県知事及び主務大臣の指揮監督を受ける。
第百五十一条 都道府県知事は、その管理に属する行政庁又は市町村長の権限に属する国又は当該都道府県の事務につき、その処分が成規に違反し、又は権限を犯すと認めるときは、その処分を取り消し、又は停止することができる。
市町村長は、前項の例により、その管理に属する行政庁の処分を取り消し、又は停止することができる。
第百五十二条 普通地方公共団体の長に故障があるときは、副知事又は助役がその職務を代理する。この場合において副知事又は助役が二人以上あるときは、予め当該普通地方公共団体の長が定めた順序により、その職務を代理する。
副知事若しくは助役にも故障があるとき又は助役を置かない町村において町村長に故障があるときは、当該普通地方公共団体の長の指定する吏員がその職務を代理する。
第百五十三条 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を当該普通地方公共団体の吏員に委任し、又はこれをして臨時に代理させることができる。
都道府県知事は、その権限に属する事務の一部をその管理に属する行政庁又は市町村長に委任することができる。 都道府県知事は、その権限に属する事務の一部を市町村の職員をして補助執行させることができる。
第百五十四条 普通地方公共団体の長は、その補助機関たる職員を指揮監督し、法律の定めるところにより、その任免、分限、給与、服務、懲戒等に関する事項を掌る。
第百五十五条 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、条例で、必要な地に、都道府県にあつては支庁(道にあつては支庁出張所を含む。以下これに同じ。)及び地方事務所、市町村にあつては支所を設けることができる。
政令で指定する市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例でその区域を分けて区を設け、区の事務所を置くものとする。
法律又は政令で特別の定をするものを除く外、行政区に関する規定は、前項の区にこれを準用する。
支庁若しくは地方事務所又は支所若しくは区の事務所の位置、名称及び所管区域は、条例でこれを定めなければならない。
第百五十六条 普通地方公共団体の長は、前条第一項に定めるものを除く外、法律の定めるところにより、警察署その他の行政機関を設けるものとする。
前項の行政機関の位置、名称及び所管区域は、条例又は規則でこれを定める。
都道府県知事は、部内の行政事務に関係のある事項につき、食糧事務所、木炭事務所、社会保険出張所その他の行政機関の長を指揮監督することができる。
第百五十七条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の綜合調整を図るため、これを指揮監督することができる。
前項の場合において必要があるときは、普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等をして事務の報告をさせ、書類及び帳簿を提出させ及び実地について事務を視察することができる。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の監督上必要な処分をし又は当該公共的団体等の監督官庁の措置を申請することができる。
前項の監督官庁は、普通地方公共団体の長の処分を取り消すことができる。
第百五十八条 都道府県知事は、その権限に属する事務を分掌させるため、左に掲げる局部を設けるものとする。但し、必要があるときは、条例で、局部を分合し又は事務の配分を変更することができる。
総務部
一 職員の進退及び身分に関する事項
二 議会及び都の行政一般に関する事項
三 市町村その他公共団体の行政一般の監督に関する事項
四 他の主管に属しない事項
会計部
一 会計に関する事項
民生局
一 社会福祉に関する事項
二 社会保険に関する事項
教育局
一 教育学芸に関する事項
経済局
一 農業、工業、商業、森林及び水産に関する事項
二 物資の配給及び物価の統制に関する事項
三 度量衡に関する事項
建設局
一 建設及び復興一般に関する事項
二 都市計画に関する事項
三 住宅及び建築に関する事項
四 土木に関する事項
交通局
一 交通に関する事項
水道局
一 水道及び下水道に関する事項
衛生局
一 保健衛生に関する事項
労働局
一 勤労に関する事項
道府県
総務部
一 職員の進退及び身分に関する事項
二 議会及び道府県の行政一般に関する事項
三 市町村その他公共団体の行政一般の監督に関する事項
四 他の主管に属しない事項
民生部
一 社会福祉に関する事項
二 社会保険に関する事項
三 保健衛生に関する事項
四 勤労に関する事項
教育部
一 教育学芸に関する事項
経済部
一 農業、工業、商業、森林及び水産に関する事項
二 物資の配給及び物価の統制に関する事項
三 度量衡に関する事項
土木部
一 土木に関する事項
二 都市計画に関する事項
三 住宅及び建築に関する事項
四 交通に関する事項
農地部
一 農地関係の調整に関する事項
二 開拓に関する事項
警察部
一 警察に関する事項
都道府県知事は、その権限に属する事務を分掌させるため、局部の下に必要な分課を設けることができる。
市町村長は、その権限に属する事務を分掌させるため、条例で必要な部課を設けることができる。
第百五十九条 普通地方公共団体の長の事務引継に関する規定は、政令でこれを定める。
前項の政令には、正当の理由がなくて事務の引継を拒んだ者に対し、千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
第百六十条 非常災害のため必要があるときは、市町村長は、他人の土地を一時使用し又はその土石、竹木その他の物品を使用し若しくは収用することができる。この場合においては、市町村は、時価によりその損失の全額を補償しなければならない。
非常災害に因る危険防止のため必要があるときは、市町村長又は警察官吏は、市町村の区域内の住民をして防禦に従事させることができる。
第三款 補助機関
第百六十一条 都道府県に副知事一人を置く。
副知事の定数は、条例で人口二百万以上の都道府県にあつては二人、人口三百万以上の都道府県にあつては三人までこれを増加することができる。
市町村に助役一人を置く。但し、町村は、条例でこれを置かないことができる。
助役の定数は、条例でこれを増加することができる。
第百六十二条 副知事及び助役は、普通地方公共団体の長が議会の同意を得てこれを選任する。
第百六十三条 副知事及び助役の任期は、四年とする。但し、普通地方公共団体の長は、任期中においてもこれを解職することができる。
第百六十四条 第二十条の規定に該当する者は、副知事又は助役となることができない。
副知事又は助役は、第二十条の規定に該当するに至つたときは、その職を失う。
第百六十五条 普通地方公共団体の長の職務を代理する副知事又は助役は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前二十日までに、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければならない。但し、議会の承認を得たときは、その期日前に退職することができる。
前項に規定する場合を除く外、副知事又は助役は、その退職しようとする日前二十日までに、当該普通地方公共団体の長に申し出なければならない。但し、当該普通地方公共団体の長の承認を得たときは、その期日前に退職することができる。
第百六十六条 副知事及び助役は、第二十一条第二項に掲げる職と兼ねることができない。
第百四十一条、第百四十二条及び第百五十九条の規定は、副知事及び助役にこれを準用する。
第百六十七条 副知事及び助役は、普通地方公共団体の長を補佐し、吏員の担任する事務を監督し、別に定めるところにより、普通地方公共団体の長の職務を代理する。
第百六十八条 都道府県に出納長及び副出納長を置く。
市町村に収入役一人を置く。但し、町村は、条例で収入役を置かず町村長又は助役をしてその事務を兼掌させることができる。
市町村は、条例で副収入役を置くことができる。
副出納長及び副収入役の定数は、条例でこれを定める。
出納長及び副出納長並びに収入役及び副収入役は、第二十一条第二項に掲げる職と兼ねることができない。
第百四十一条、第百四十二条、第百五十九条、第百六十二条、第百六十三条本文及び第百六十四条の規定は、出納長及び副出納長並びに収入役及び副収入役にこれを準用する。
第百六十九条 普通地方公共団体の長、副知事若しくは助役又は監査委員と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、出納長若しくは副出納長又は収入役若しくは副収入役となることができない。
出納長若しくは副出納長又は収入役若しくは副収入役は、前項に規定する関係が生じたときは、その職を失う。
出納長又は収入役と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、副出納長又は副収入役となることができない。
副出納長又は副収入役は、前項に規定する関係が生じたときは、その職を失う。
第百七十条 出納長及び収入役は、当該普通地方公共団体の出納その他の会計事務並びに当該普通地方公共団体の長その他の吏員及び選挙管理委員会の権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務に関する出納その他の会計事務を掌る。但し、法令に特別の規定があるものは、この限りでない。
副出納長又は副収入役は、出納長又は収入役の事務を補助し、出納長又は収入役に故障があるときは、その職務を代理する。副出納長又は副収入役が二人以上あるときは、予め当該普通地方公共団体の長が定めた順序により、その職務を代理する。
普通地方公共団体の長は、出納長又は収入役をしてその事務の一部を副出納長又は副収入役に委任させることができる。但し、当該普通地方公共団体の出納その他の会計事務については、予め議会の同意を得なければならない。
副収入役を置かない市町村にあつては、市町村長は、市町村の議会の同意を得て、収入役に故障があるときその職務を代理すべき吏員を定めて置かなければならない。
第百七十一条 普通地方公共団体は、出納員を置くことができる。
出納員は、事務吏員の中から、普通地方公共団体の長がこれを命ずる。
出納員は、出納長若しくは副出納長又は収入役若しくは副収入役の命を受けて出納事務を掌る。
前条第三項の規定は、出納員にこれを準用する。
第百七十二条 前十一条に定める者を除く外、普通地方公共団体に必要な吏員を置く。
前項の吏員は、普通地方公共団体の長がこれを任免する。
第一項の吏員の定数は、条例でこれを定める。
第百七十三条 前条第一項の吏員は、事務吏員、技術吏員、教育吏員及び警察吏員とする。
事務吏員は、上司の命を受け、事務を掌る。
技術吏員は、上司の命を受け、技術を掌る。
教育吏員は、上司の命を受け、教育を掌る。
警察吏員は、上司の命を受け、警察に関する事務を掌る。
第百七十四条 普通地方公共団体は、常設又は臨時の専門委員を置くことができる。
専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から、普通地方公共団体の長がこれを選任する。
専門委員は、普通地方公共団体の長の委託を受け、その権限に属する事務に関し必要な事項を調査する。
第百七十五条 都道府県の支庁若しくは地方事務所又は市町村の支所若しくは第百五十五条第二項の市の区の事務所の長は、事務吏員を以てこれに充てる。
警察署の長は、警察吏員を以てこれに充てる。
前二項に規定する機関の長は、普通地方公共団体の長の定めるところにより、上司の指揮を受け、その主管の事務を掌理し部下の吏員を指揮監督する。
第四款 議会との関係
第百七十六条 普通地方公共団体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならない。
前項の規定による議会の議決又は選挙がなおその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、普通地方公共団体の長は、議会を被告として裁判所に出訴することができる。
第百七十七条 普通地方公共団体の議会の議決が、収入又は支出に関し執行することができないものがあると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない。
議会において左に掲げる経費を削除し又は減額する議決をしたときは、その経費及びこれに伴う収入についても、また、前項と同様とする。
一 法令により負担する経費、法律の規定に基き当該行政庁の職権により命ずる経費その他の普通地方公共団体の義務に属する経費
二 非常の災害に因る応急若しくは復旧の施設のために必要な経費又は伝染病予防のために必要な経費
前項第一号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その経費及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができる。
第二項第二号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決を不信任の議決とみなすことができる。
第百七十八条 普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、当該普通地方公共団体の長は、十日以内に議会を解散することができる。
議会において当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をした場合において、前項の規定により議会を解散しないとき、又はその解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決をしたときは、当該普通地方公共団体の長は、退職しなければならない。
前二項の規定による不信任の議決については、議員数の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。
第百七十九条 普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条但書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
第百八十条 普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。
前項の規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない。
第二節 選挙管理委員会
第百八十一条 普通地方公共団体に選挙管理委員会を置く。
選挙管理委員会は、都道府県にあつては六人、市町村にあつては四人の選挙管理委員を以てこれを組織する。
第百八十二条 選挙管理委員は、普通地方公共団体の議会において、選挙権を有する者の中からこれを選挙する。
議会は、前項の規定による選挙を行う場合においては、同時に委員と同数の補充員を選挙しなければならない。補充員がすべてなくなつたときも、また、同様とする。
委員中に欠員があるときは、選挙管理委員会の委員長は、補充員の中からこれを補欠する。その順序は、選挙の時が異なるときは選挙の前後により、選挙の時が同時であるときは得票数により、得票数が同じであるときはくじにより、これを定める。
同一の政党その他の団体に属する者は、都道府県の委員会にあつては三人、市町村の委員会にあつては二人以上同一の委員会の委員又は補充員となることができない。
第一項又は第二項の規定による選挙において、同一の政党その他の団体に属する者が前項の制限を超えて選挙された場合及び第三項の規定により委員の補欠を行えば同一の政党その他の団体に属する委員の数が前項の制限を超える場合等に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第百八十三条 選挙管理委員の任期は、二年とする。但し、後任者が就任する時まで在任する。
補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。 補充員の任期は、委員の任期による。
委員及び補充員は、その選挙に関し第百七十六条第二項若しくは第三項の規定による処分又はこれに関する判決が確定するまでは、その職を失わない。
第百八十四条 選挙管理委員は、選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。その選挙権の有無は、選挙管理委員が第百二十七条第一項に掲げる事由の一に該当するため選挙権を有しない場合を除く外、選挙管理委員会がこれを決定する。
第百十八条第五項及び第六項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第百八十五条 選挙管理委員会の委員長が退職しようとするときは、当該選挙管理委員会の承認を得なければならない。
委員が退職しようとするときは、委員長の承認を得なければならない。
第百八十六条 選挙管理委員会は、法律又は政令の定めるところにより、当該普通地方公共団体又は国、他の地方公共団体その他公共団体の選挙に関する事務及びこれに関係のある事務を管理する。
都道府県の選挙管理委員会は、市町村の選挙管理委員会を指揮監督する。この場合においては、第百五十一条第一項の規定を準用する。
第百八十七条 選挙管理委員会は、委員の中から委員長を選挙しなければならない。
委員長は、委員会に関する事務を処理し、委員会を代表する。
委員長に故障があるときは、委員長の指定する委員がその職務を代理する。
第百八十八条 選挙管理委員会は、委員長がこれを招集する。委員から委員会の招集の請求があるときは、委員長は、これを招集しなければならない。
第百八十九条 選挙管理委員会は、委員三人以上が出席しなければ、会議を開くことができない。
委員長及び委員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件については、その議事に参与することができない。但し、委員会の同意を得たときは、会議に出席し、発言することができる。
前項の規定により委員の数が減少して第一項の数に達しないときは、委員長は、補充員でその事件に関係のないものを以て第百八十二条第三項の順序により、臨時にこれに充てなければならない。委員の故障に因り委員の数が第一項の数に達しないときも、また、同様とする。
第百九十条 選挙管理委員会の議事は、出席委員の過半数を以てこれを決する。可否同数のときは、委員長の決するところによる。
前項の場合においては、委員長は、委員として議決に加わる権利を有しない。
第百九十一条 選挙管理委員会に書記を置く。
書記の定数は、条例でこれを定める。
書記は、委員長の指揮を受け、委員会に関する事務に従事する。
第百九十二条 選挙管理委員の分限、服務及び懲戒に関しては、別に法律でこれを定める。
第百九十三条 第百二十七条第二項、第百四十一条第一項、第百四十二条及び第百六十六条第一項の規定は選挙管理委員に、第百五十条の規定は選挙管理委員会に、第百五十三条第一項、第百五十四条及び第百五十九条の規定は選挙管理委員会の委員長にこれを準用する。
第百九十四条 この法律及びこれに基く政令に規定するものを除く外、選挙管理委員会に関し必要な事項は、委員会がこれを定める。
第三節 監査委員
第百九十五条 都道府県に監査委員を置く。
市町村は、条例で監査委員を置くことができる。
監査委員の定数は、都道府県にあつては四人、市町村にあつては二人とする。
第百九十六条 監査委員は、普通地方公共団体の長が、議会の同意を得て、議員及び学識経験を有する者の中から、各ゝ同数を選任しなければならない。
監査委員は、地方公共団体の有給の職員と兼ねることができない。
第百九十七条 監査委員の任期は、二年とする。
普通地方公共団体の議会の議員の中から選任された監査委員の任期は、前項の規定にかかわらず、議員の任期を超えることができない。但し、後任者が選任されるまでの間は、その職務を行うことを妨げない。
第百九十八条 監査委員は、退職しようとするときは、普通地方公共団体の長の承認を得なければならない。
第百九十九条 監査委員は、普通地方公共団体の経営に係る事業の管理及び普通地方公共団体の出納その他の事務の執行を監査する。
監査委員は、毎会計年度少くとも一回以上期日を定めて前項の規定による監査をしなければならない。
監査委員は、所轄行政庁又は普通地方公共団体の議会の要求があるときは、臨時に、その要求に係る事項について監査をしなければならない。
監査委員は、前二項に定める場合を除く外、必要があると認めるときは、何時でも監査をすることができる。
監査委員は、監査の結果を所轄行政庁又は普通地方公共団体の議会及び長に報告し、且つ、これを公表しなければならない。
第二百条 監査委員の事務を補助させるため書記を置くことができる。
書記の定数は、条例でこれを定める。
書記は、監査委員の指揮を受け、監査に関する事務に従事する。
第二百一条 第百四十二条、第百五十四条、第百五十九条、第百六十四条、第百六十六条第一項及び第百九十二条の規定は、監査委員にこれを準用する。
第二百二条 この法律及びこれに基く政令に規定するものを除く外、監査委員に関し必要な事項は、条例でこれを定める。
第八章 給与
第二百三条 普通地方公共団体は、その議会の議員、選挙管理委員、議会の議員の中から選任された監査委員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人に対し、報酬を支給しなければならない。
前項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる。
報酬及び費用弁償の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。
第二百四条 普通地方公共団体は、法律の定めるところにより、普通地方公共団体の長及びその補助機関たる職員(専門委員を除く。)学識経験を有する者の中から選任された監査委員、議会の書記長及び書記、選挙管理委員会の書記並びに監査委員の事務を補助する書記に対し、給料及び旅費を支給しなければならない。
給料及び旅費の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。
第二百五条 前条第一項の職員は、法律の定めるところにより、退隠料、退職給与金、死亡給与金又は遺族扶助料を受けることができる。
第二百六条 前三条の規定による給与に関し、異議のある関係人は、これを普通地方公共団体の長に申し立てることができる。
前項の規定による異議の申立があつたときは、普通地方公共団体の長は、議会に諮つてこれを決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
第二百七条 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、第百条第一項の規定により出頭した選挙人その他の関係人及び第百九条第五項の規定による公聴会に参加した者の要した実費を弁償しなければならない。
第九章 財産
第一節 財産及び営造物
第二百八条 普通地方公共団体は、収益のためにする財産を基本財産として維持することができる。
普通地方公共団体は、特定の目的のため特別の基本財産を設け又は金穀等を積み立てることができる。
第二百九条 旧来の慣行により市町村の住民中特に財産又は営造物を使用する権利を有する者があるときは、その旧慣による。その旧慣を変更し又は廃止しようとするときは、市町村の議会の議決を経なければならない。
前項の財産又は営造物をあらたに使用しようとする者があるときは、市町村は、議会の議決を経て、これを許可することができる。
第二百十条 普通地方公共団体は、その区域外においても、また、関係普通地方公共団体との協議により営造物を設けることができる。
前項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
第二百十一条 普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体との協議により、他の普通地方公共団体の財産又は営造物を自己の住所の使用に供させることができる。
前項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
第二百十二条 普通地方公共団体の財産又は営造物は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、その利用に供してはならない。
第二百十三条 普通地方公共団体は、法律又は政令に特別の定があるものを除く外、財産の取得、管理及び処分並びに営造物の設置及び管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
第二百十四条 普通地方公共団体は、財産又は営造物の使用に関し、条例で二千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
第二百十五条 財産又は営造物を使用する権利に関し異議がある者は、これを普通地方公共団体の長に申し立てることができる。
前項の規定による異議の申立があつたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
第二節 収入
第二百十六条 普通地方公共団体は、法律の定めるところにより、地方税を賦課徴収することができる。
第二百十七条 普通地方公共団体は、分担金を徴収することができる。
分担金は、政令の定めるところにより、数人若しくは普通地方公共団体の一部を利する財産若しくは営造物又は普通地方公共団体の一部に対し利益のある事件に関し、特に利益を受ける者からこれを徴収する。
第二百十八条 普通地方公共団体は、非常災害の復旧のため必要があるとき、その他特別の必要があるときは、夫役現品を賦課徴収することができる。但し、都道府県にあつては、当該都道府県内の一部の市町村その他公共団体に対してもこれを賦課徴収することができる。
夫役又は現品は、これを金額に算出して賦課しなければならない。但し、市町村においては、市町村民税を準率としなければならない。
学芸、美術及び手工に関する労務については、夫役を賦課することができない。
夫役を賦課された者は、本人自らこれに当り、又は適当な代人を出すことができる。
夫役又は現品は、金銭を以てこれに代えることができる。
第二項及び前項の規定は、急迫の場合その他特別の事情がある場合に賦課する夫役又は現品については、これを適用しない。
第二百十九条 数人若しくは普通地方公共団体の一部を利する財産若しくは営造物又は数人若しくは普通地方公共団体の一部に対し利益のある事件に関しては、普通地方公共団体は、夫役現品につき不均一の賦課をし、又は数人若しくは普通地方公共団体の一部に対してその賦課をすることができる。
第二百二十条 普通地方公共団体は、財産及び営造物の使用につき使用料を徴収することができる。
第二百二十一条 市町村は、第二百九条の規定による財産又は営造物の使用に関し、使用料若しくは一時の加入金を徴収し又はこれを併せて徴収することができる。
第二百二十二条 普通地方公共団体は、特定の個人のためにする事務につき、手数料を徴収することができる。
第二百二十三条 分担金、使用料及び手数料に関する事項については、条例でこれを規定しなければならない。
詐偽その他不正の行為に因り、分担金、使用料又は手数料の徴収を免れた者については、条例でその徴収を免れた金額の五倍に相当する金額以下の過料を科する規定を設けることができる。
前項に定めるものを除く外、分担金、使用料及び手数料の徴収に関しては、条例で二千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
過料の処分を受けた者は、その処分に不服があるときは、訴願を提起することができる。
第二百二十四条 分担金、夫役現品、使用料、加入金及び手数料の賦課又は徴収を受けた者が、その賦課又は徴収につき違法又は錯誤があると認めるときは、その告知を受けた日から、三十日以内に、普通地方公共団体の長に異議の申立をすることができる。
第二百九条の規定による財産又は営造物を使用する権利に関し異議がある者は、これを市町村長に申し立てることができる。
前二項の規定による異議の申立があつたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から、二十日以内に意見を述べなければならない。
第三項の規定による異議の決定を受けた後でなければ、第一項及び第二項に規定する事項については、裁判所に出訴することができない。
第二百二十五条 分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体の収入を定期内に納めない者があるときは、普通地方公共団体の長は、期限を指定しこれを督促しなければならない。
夫役現品の賦課を受けた者が定期内にその履行をせず又は夫役現品に代える金銭を納めないときは、普通地方公共団体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。急迫の場合その他特別の事情がある場合に賦課した夫役又は現品については、更にこれを金額に算出し、期限を指定してその納付を命じなければならない。
前二項の場合においては、条例の定めるところにより、手数料を徴収することができる。
滞納者が、第一項又は第二項の規定による督促又は命令を受け、その指定の期限内にこれを完納しないときは、国税滞納処分の例により、これを処分しなければならない。
第一項乃至第三項の規定による徴収金は、都道府県にあつては国の徴収金に次いで先取特権を有し、市町村にあつては国及び都道府県の徴収金に次いで先取特権を有し、その追徴、還付及び時効については、国税の例による。
都道府県知事の委任を受けた吏員がした前三項の規定による処分に異議がある者は、これを都道府県知事に申し立てることができる。
前項の規定による異議の申立があつたときは、都道府県知事は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
第四項の規定による処分中差押物件の公売は、その処分が確定するまで執行を停止する。
第四項の規定による処分は、当該普通地方公共団体の区域外においても、また、これをすることができる。
第二百二十六条 普通地方公共団体は、その負債を償還するため、普通地方公共団体の永久の利益となるべき支出をするため、又は天災等のため必要がある場合に限り、議会の議決を経て、地方債を起すことができる。
地方債を起すにつき、議会の議決を経るときは、併せて起債の方法、利息の定率及び償還の方法について議決を経なければならない。
第二百二十七条 普通地方公共団体の長は、予算内の支出をするため、議会の議決を経て、一時の借入をすることができる。
前項の規定による借入金は、その会計年度内の収入を以て償還しなければならない。
第三節 支出
第二百二十八条 普通地方公共団体は、その必要な経費及び従来法令により又は将来法律若しくは政令により当該普通地方公共団体の負担に属する経費を支弁する義務を負う。
第二百二十九条 普通地方公共団体の長若しくはその補助機関たる職員又は選挙管理委員会が、国、他の地方公共団体その他公共団体の事務を執行するため要する経費は、法律又は政令に特別の定があるものを除く外、当該普通地方公共団体がこれを支出する義務を負う。
普通地方公共団体の長若しくはその補助機関たる職員又は選挙管理委員会をして国の事務を処理し、管理し、又は執行させる場合においては、そのために要する経費の財源につき必要な措置を講じなければならない。
第二百三十条 普通地方公共団体は、宗教上の組織若しくは団体の便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、公金を支出してはならない。
第二百三十一条 普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。
第二百三十二条 普通地方公共団体の議会において予算を議決したときは、普通地方公共団体の長は、直ちにその写を出納長又は収入役に交付しなければならない。
出納長又は収入役は、普通地方公共団体の長の命令がなければ、支出をすることができない。命令を受けても支出の予算がなく、且つ、予備費支出、費目流用その他財務に関する規定により支出することができないときも、また、同様とする。
第二百三十三条 普通地方公共団体の支払金の時効については、政府の支払金の時効による。
第四節 予算
第二百三十四条 普通地方公共団体の長は、毎会計年度歳入歳出予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。
普通地方公共団体の会計年度は、政府の会計年度による。
予算を議会に提出するときは、普通地方公共団体の長は、併せて財産表その他必要な書類を提出しなければならない。
第二百三十五条 普通地方公共団体の長は、議会の議決を経て既定予算の追加又は更正をすることができる。
普通地方公共団体の長は、必要に応じて、一会計年度の中の一定期間内にかかる暫定予算を調製し、これを議会に提出することができる。
前項の暫定予算は、当該会計年度の予算が成立したときは、その効力を失うものとし、その暫定予算に基く支出又は債務の負担があるときは、その支出又は債務の負担は、これを当該会計年度の予算に基く支出又は債務の負担とみなす。
第二百三十六条 普通地方公共団体の経費を以て支弁する事件で数年を期してその経費を支出すべきものは、議会の議決を経て、その年期間各年度の支出額を定め、継続費とすることができる。
第二百三十七条 普通地方公共団体は、予算外の支出又は予算超過の支出に充てるため、予備費を設けなければならない。
特別会計には、予備費を設けないことができる。
予備費は、議会の否決した費途に充てることができない。
第二百三十八条 予算は、普通地方公共団体の議会の議決を経た後、直ちに都道府県にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府県知事に報告し、且つ、その要領を告示しなければならない。
第二百三十九条 普通地方公共団体は、議会の議決を経て特別会計を設けることができる。
第五節 出納及び決算
第二百四十条 普通地方公共団体の出納は、毎月例日を定めてこれを検査し、且つ、毎会計年度少くとも二回臨時検査をしなければならない。
検査は、監査委員がこれを行う。臨時検査には、普通地方公共団体の議会の議員において互選した二人以上の議員の立会を必要とする。
監査委員は、検査の結果を普通地方公共団体の議会及び長に報告しなければならない。
監査委員を置かない市町村においては、第二項の検査及び前項の報告は、市町村長がこれを行う。
第二百四十一条 普通地方公共団体の出納は、翌年度の五月三十一日を以て閉鎖する。
第二百四十二条 決算は、証書類と併せて出納長又は収入役からこれを普通地方公共団体の長に提出しなければならない。この場合において、収入役は、出納閉鎖後一箇月以内にこれをしなければならない。
普通地方公共団体の長は、決算及び証書類を監査委員の審査に付し、その意見を附けて、都道府県にあつては翌翌年度の通常予算を議する会議、市町村にあつては次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならない。
決算は、その認定に関する議会の議決とともに、都道府県にあつては内務大臣、市町村にあつては都道府県知事に報告し、且つ、その要領を告示しなければならない。
監査委員を置かない市町村においては、第二項に規定する監査委員の職務は、市町村長が自らこれを行う。
第六節 雑則
第二百四十三条 普通地方公共団体は、法律又は政令に特別の定がある場合を除く外、財産の売却及び貸与、工事の請負並びに物件、労力その他の供給は、競争入札に付さなければならない。但し、臨時急施を要するとき、入札の価格が入札に要する経費に比較して得失相償わないとき、又は議会の同意を得たときは、この限りでない。
第二百四十四条 普通地方公共団体の長は、議会の指定した事業につきその経営状況を明らかにするため、定期に貸借対照表その他必要な書類を作成し、これを監査委員の審査に付し、その意見を附けて次の議会に提出しなければならない。
前項の規定中監査委員の審査に関する部分は、監査委員を置かない市町村については、これを適用しない。
第二百四十五条 予算及び決算の調製の様式、予算費目の流用その他財務に関し必要な規定は、命令でこれを定める。
第十章 監督
第二百四十六条 所轄行政庁は、必要があるときは、普通地方公共団体につき事務の報告をさせ、書類帳簿を徴し又は実地について事務を視察し若しくは出納を検閲することができる。
第二百四十七条 市町村長及び助役にともに故障があるとき、又は収入役及び副収入役(第百七十条第四項の規定による収入役職務代理者を含む。)にともに故障があるときは、上席の吏員又はその指定した吏員が、その職務を行う。
第二百四十八条 普通地方公共団体の選挙管理委員会が成立しない場合において、当該普通地方公共団体の議会もまた成立していないときは、所轄行政庁は、臨時選挙管理委員を選任し、選挙管理委員の職務を行わせることができる。
第二百四十九条 前条の臨時選挙管理委員に対する給与は、所轄行政庁が当該普通地方公共団体の議会の同意を得てこれを定める。
第二百五十条 普通地方公共団体は、第二百二十七条の借入金を除く外、地方債を起し、並びに起債の方法、利息の定率及び償還の方法を変更しようとするときは、政令の定めるところにより、所轄行政庁の許可を受けなければならない。
第二百五十一条 普通地方公共団体は、第三条第三項、第九十一条第二項、第百五十五条第一項及び第二項、第百五十八条第一項並びに第二百二十三条第一項乃至第三項の条例を設け又は改廃しようとするときは、所轄行政庁の許可を受けなければならない。
第二百五十二条 前条に掲げるものを除く外、普通地方公共団体は、条例を設け又は改廃したときは、政令の定めるところにより、所轄行政庁にこれを報告しなければならない。
第十一章 補則
第二百五十三条 都道府県知事の権限に属する市町村に関する事件で数都道府県にわたるものがあるときは、関係都道府県知事の協議により、その事件を管理すべき都道府県知事を定めることができる。
第二百五十四条 この法律における人口は、官報で公示された最近の人口による。
第二百五十五条 この法律に規定するものを除く外、第六条第一項及び第二項並びに第七条第一項乃至第三項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第二百五十六条 この法律に特別の定があるものを除く外、異議の申立又は訴願の提起は、処分又は決定があつた日から二十一日以内にこれをしなければならない。
決定書の交付を受けない者に関しては、前項の期間は、告示の日からこれを起算する。
異議の申立に関する期間の計算については、訴願の提起に関する期間の計算の例による。
異議の申立は、期限が経過した後においても容認すべき事由があると認めるときは、なお、これを受理することができる。
第二百五十七条 この法律に特別の定があるものを除く外、異議の決定は、その申立を受けた日から三十日以内にこれをしなければならない。
異議の決定をすべき期間内に異議の決定がないときは、この申立を斥ぞける旨の決定があつたものとみなすことができる。
異議の決定は、文書を以てこれをし、その理由を附けてこれを本人に交付しなければならない。
第二百五十八条 異議の申立があつても処分の執行は、これを停止しない。但し、行政庁は、職権により又は関係人の請求により必要と認めるときは、これを停止することができる。
第二百五十九条 郡の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は郡の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、関係都道府県の議会の意見を徴して内務大臣がこれを定める。
郡の区域内において市の設置があつたとき、又は郡の区域の境界にわたつて市町村の境界の変更があつたときは、郡の区域も、また、自ら変更する。
郡の区域の境界にわたつて町村が設置されたときは、その町村の属すべき区域は、都道府県知事が内務大臣の許可を得てこれを定める。
前三項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第二百六十条 政令で特別の定をする場合を除く外、市町村の区域内の町若しくは字の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、市町村長が議会の議決を経、都道府県知事の許可を得てこれを定める。
前項の規定により許可をしたときは、都道府県知事は、直ちにこれを告示するとともに、内務大臣に報告しなければならない。
第二百六十一条 一の普通地方公共団体のみに適用される特別法が国会において議決されたときは、衆議院議長は、内閣総理大臣を経由し、当該法律を添えてその旨を内務大臣に通知しなければならない。
前項の規定による通知があつたときは、内務大臣は、その日から五日以内に、関係普通地方公共団体の長にその旨を通知するとともに、当該法律その他関係書類を移送しなければならない。
前項の規定による通知があつたときは、関係普通地方公共団体の長は、その日から三十一日以後六十日以内に、選挙管理委員会をして当該法律について賛否の投票を行わしめなければならない。
前項の投票の結果が判明したときは、関係普通地方公共団体の長は、その日から五日以内に関係書類を添えてその結果を内務大臣に報告しなければならない。その投票の結果が確定したことを知つたときも、また、同様とする。
前項の規定による報告があつたときは、内務大臣は、直ちに関係書類を添えて内閣総理大臣にその旨を報告しなければならない。
前項の規定により第三項の投票の結果が確定した旨の報告があつたときは、内閣総理大臣は、直ちにその旨を奏上するとともに衆議院議長に通知しなければならない。
第二百六十二条 政令で特別の定をするものを除く外、第四章の規定は、前条第三項の規定による投票にこれを準用する。
前条第三項の規定による投票は、政令の定めるところにより、普通地方公共団体の選挙又は第七十六条第三項の規定による解散の投票若しくは第八十条第三項及び第八十一条第二項の規定による解職の投票と同時にこれを行うことができる。
第二百六十三条 第二十二条第二項中郡とあるのは、都においては支庁長の所管区域を含み、道においては支庁長の所管区域とし、同項中市とあるのは、第百五十五条第二項の市においては、区とする。
都の選挙については、第四章中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。
都道府県の選挙については、第四章中町村に関する規定は、全部事務組合又は役場事務組合にこれを適用する。
第三編 特別地方公共団体及び地方公共団体に関する特例
第一章 特別地方公共団体
第一節 特別市
第二百六十四条 特別市は、その公共事務及び法律又は政令により特別市に属する事務並びに政令で特別の定をするものを除く外従来法令により都道府県及び市に属する事務を処理する。
第二百六十五条 特別市は、都道府県の区域外とする。
特別市は、人口五十万以上の市につき、法律でこれを指定する。その指定を廃止する場合も、また、同様とする。
特別市の廃置分合又は境界変更をしようとするときは、法律でこれを定める。但し、特別市の区域に市町村若しくは特別区の区域又は所属未定地を編入する場合においては、関係地方公共団体の議会の議決を経て内務大臣がこれを定める。
第二項の規定により特別市の指定があつたとき又は前項但書の規定により境界の変更があつたときは、都道府県の境界は、自ら変更する。
前二項の場合において財産処分を必要とするときは、関係地方公共団体の協議によつてこれを定める。その協議が調わないときは、関係地方公共団体の議会の意見を聴き、内務大臣がこれを定める。
前項の協議については、関係地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
第二百六十六条 第九条の規定は、特別市と市町村若しくは特別区との境界に関し争論がある場合又はその境界が判明でない場合において争論がない場合にこれを準用する。
第二百六十七条 特別市の区域内に住所を有する者は、当該特別市の住民とする。
第二百六十八条 特別市に市長及び助役を置く。
助役の定数は、条例でこれを定める。
特別市の市長は、当該特別市の事務及び部内の行政事務並びに法律又は政令によりその権限に属する他の地方公共団体その他公共団体の事務及び政令で特別の定をするものを除く外、従来法令により都道府県知事及び市長の権限に属する他の地方公共団体その他公共団体の事務を管理し及び執行する。
第二百六十九条 特別市に収入役一人及び副収入役若干人を置く。
副収入役の定数は、条例でこれを定める。
第二百七十条 特別市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて行政区を設け、その事務所を置くものとする。
特別市の市長は、区長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、必要な地に行政区の支所を設けることができる。
行政区の事務所又は支所の位置、名称及び所管区域は、条例でこれを定めなければならない。
第二百七十一条 行政区に区長及び区助役一人を置く。
区長は、その被選挙権を有する者について選挙人が投票によりこれを選挙する。
区助役は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
区長は、特別市の市長の定めるところにより、区内に関する特別市の事務及び特別市の市長の権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務並びに法律又は政令によりその権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務を掌理する。
区助役は、区長の事務を補佐し、区長に故障があるときその職務を代理する。
第二百七十二条 行政区に区収入役及び区副収入役各ゝ一人を置く。
区収入役及び区副収入役は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
特別市の市長、助役、収入役、副収入役若しくは監査委員又は区長若しくは区助役と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、区収入役又は区副収入役となることができない。
区収入役又は区副収入役は、前項に規定する関係を生じたときは、その職を失う。
第三項の規定は、区収入役及び区副収入役相互の間において区収入役又は区副収入役に、前項の規定は、区収入役及び区副収入役相互の間において区副収入役にこれを適用する。
第二百七十三条 区収入役は、特別市の収入役の命を受け、特別市の出納その他の会計事務並びに特別市の市長及び区長その他特別市の吏員並びに特別市及び行政区の選挙管理委員会の権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務に関する出納その他の会計事務を掌る。
特別市の市長は、収入役の事務の一部を区収入役に委任させることができる。但し、特別市の出納その他の会計事務については、予め議会の同意を得なければならない。
区長は、特別市の市長の許可を得て、区収入役の事務の一部を区副収入役に委任させることができる。
前二項に定めるものを除く外、区収入役及び区副収入役の権限に関しては、市の収入役及び副収入役に関する規定を準用する。
第二百七十四条 行政区に区出納員を置くことができる。
区出納員は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
区出納員は、区収入役の命を受け、出納事務を掌る。
第二百七十五条 前四条に定める者を除く外、行政区に必要な吏員を置き、区長の申請により、特別市の市長がこれを任免する。
前項の吏員は、特別市の吏員とし、その定数は、条例でこれを定める。
第一項の吏員は、区長の命を受け、事務又は技術を掌る。
区長は、その権限に属する事務の一部を第一項の吏員に委任し又はこれをして臨時に代理させることができる。
第二百七十六条 行政区に選挙管理委員会を置く。
前項の選挙管理委員会に関しては、第二編第七章第二節中市の選挙管理委員会に関する規定を準用する。
第二百七十七条 第十三条、第十八条、第二十二条第七項、第八十六条第一項、第八十八条第一項、第九十一条、第百四十五条、第百五十二条、第百六十条、第百六十二条乃至第百六十七条、第百六十八条第五項及び第六項、第百六十九条乃至第百七十一条、第二百九条、第二百十八条、第二百二十一条、第二百二十四条、第二百三十二条、第二百四十二条第一項、及び第二百六十条中市に関する規定は、これを特別市に適用する。
第二百七十八条 この法律又はこれに基く政令に特別の定があるものを除く外、第二編中都道府県に関する規定は、特別市にこれを適用する。
第二百七十九条 特別市の選挙について前条の規定により第二編第四章中都道府県の選挙に関する規定を適用する場合においては、市に関する規定は、行政区にこれを適用する。
第二編第四章中選挙人名簿に関する規定についても、また、前項と同様とする。
第二百八十条 この法律に規定するものを除く外、特別市に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第二節 特別区
第二百八十一条 都の区は、これを特別区という。
特別区は、その公共事務及び法律若しくは政令又は都の条例により特別区に属する事務並びに従来法令又は都の条例により都の区に属する事務を処理する。
第二百八十二条 都は、条例で特別区について必要な規定を設けることができる。
第二百八十三条 政令で特別の定をするものを除く外、第二編中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。
第三節 地方公共団体の組合
第二百八十四条 普通地方公共団体並びに特別市及び特別区は、第三項の場合を除く外、その事務の一部を共同処理するため、その協議により規約を定め、都道府県及び特別市の加入するものにあつては内務大臣、その他のものにあつては都道府県知事の許可を得て、地方公共団体の組合を設けることができる。(これを一部事務組合という。)この場合において、組合内の地方公共団体につきその執行機関の権限に属する事項がなくなつたときは、その執行機関は、組合の成立と同時に消滅する。
町村は、特別の必要がある場合においては、その事務の全部を共同処理するため、その協議により規約を定め、前項の例により、町村の組合を設けることができる。(これを全部事務組合といふ。)この場合においては、組合内の各町村の議会及び執行機関は、組合の成立と同時に消滅する。
町村は、特別の必要がある場合においては、役場事務を共同処理するため、第一項の例により、町村の組合を設けることができる。(これを役場事務組合という。)この場合において、組合内各町村の執行機関の権限に属する事項がなくなつたときは、その執行機関は、組合の成立と同時に消滅する。
公益上必要がある場合においては、都道府県知事は、政令の定めるところにより、第一項の規定による市町村及び特別区の組合を設けることができる。
前項の市町村及び特別区の組合に関しては、この法律にかかわらず、政令で特別の規定を設けることができる。
第二百八十五条 前条第一項乃至第四項の規定による地方公共団体の組合は、法人とする。
第二百八十六条 地方公共団体の組合は、これを組織する地方公共団体の数を増減し若しくは共同処理する事務を変更し、又は組合の規約を変更しようとするときは、関係地方公共団体の協議により、都道府県及び特別市の加入するものにあつては内務大臣、その他のものにあつては都道府県知事の許可を受けなければならない。
全部事務組合は、前項の規定にかかわらず、その組合を組織する町村の数を減少し又は組合の規約を変更しようとするときは組合の議会の議決により、その組合を組織する町村の数を増加しようとするときは組合とあらたに加入しようとする町村との協議により、都道府県知事の許可を受けなければならない。
第二百八十七条 一部事務組合の規約には、左に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
一 組合の名称
二 組合を組織する地方公共団体
三 組合の共同処理する事務
四 組合の事務所の位置
五 組合の議会の組織及び議員の選挙の方法
六 組合の執行機関の組織及び選任の方法
七 組合の経費の支弁の方法
全部事務組合の規約には前項第一号乃至第四号、役場事務組合の規約には同項第一号乃至第五号及び第七号につき規定を設けなければならない。
第二百八十八条 一部事務組合又は役場事務組合を解散しようとするときは、関係地方公共団体の協議により、第二百八十四条第一項の例により、内務大臣又は都道府県知事に届出をしなければならない。
全部事務組合を解散しようとするときは、組合の議会の議決により、都道府県知事の許可を受けなければならない。
第二百八十九条 第二百八十六条又は前条の場合において、財産処分を必要とするときは、関係地方公共団体の協議により若しくは関係地方公共団体と組合との協議により又は組合の議会の議決によりこれを定める。その協議が調わないときは、関係地方公共団体又は組合の議会の意見を聴き、都道府県及び特別市の加入する組合にあつては内務大臣、その他の組合にあつては都道府県知事がこれを定める。
第二百九十条 第二百八十四条第一項乃至第三項、第二百八十六条、第二百八十八条第一項及び前条の協議については、関係地方公共団体にあつてはその議会、組合にあつては組合の議会の議決を経なければならない。
第二百九十一条 地方公共団体の組合の経費の分賦に関し、違法又は錯誤があると認めるときは、地方公共団体は、その告知を受けた日から三十日以内に組合の管理者に異議の申立をすることができる。
前項の異議の申立があつたときは、組合の管理者は、組合の議会に諮つてこれを決定しなければならない。
組合の議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内にその意見を述べなければならない。
第二百九十二条 地方公共団体の組合については、法律又は政令に特別の定があるものを除く外、都道府県及び特別市の加入するものにあつては都道府県に関する規定、市及び特別区の加入するもので都道府県及び特別市の加入しないものにあつては市に関する規定、その他のものにあつては町村に関する規定を準用する。
第二百九十三条 第二百五十三条の規定は、第二百八十四条第一項乃至第四項、第二百八十六条、第二百八十八条及び第二百八十九条の規定による処分にこれを準用する。
第四節 財産区
第二百九十四条 法律又は政令に特別の定があるものを除く外、市町村並びに特別市及び特別区の一部で財産を有し又は営造物を設けているもの(これを財産区という。)があるときは、その財産又は営造物の管理及び処分については、この法律中地方公共団体の財産又は営造物の管理及び処分に関する規定による。
前項の財産又は営造物に関し特に要する経費は、財産区の負担とする。
前二項の場合においては、地方公共団体は、財産区の収入及び支出については会計を分別しなければならない。
第二百九十五条 財産区の財産又は営造物に関し必要があると認めるときは、市町村及び特別区の財産区にあつては都道府県知事、特別市の財産区にあつては特別市の市長は、議会の議決を経て市町村若しくは特別区又は特別市の条例を設定し、財産区の議会又は総会を設けて財産区に関し市町村若しくは特別区又は特別市の議会の議決すべき事項を議決させることができる。
第二百九十六条 財産区の議会の議員の定数、任期、選挙権、被選挙権及び選挙人名簿に関する事項は、前条の条例中にこれを規定しなければならない。財産区の総会の組織に関する事項についても、また、同様とする。
前項に規定するものを除く外、財産区の議会の議員の選挙については、第二編中町村の議会の議員の選挙に関する規定を準用する。但し、被選挙権の有無は、市町村又は特別市若しくは特別区の議会がこれを決定する。
財産区の議会又は総会に関しては、第二編中町村の議会に関する規定を準用する。
第二百九十七条 この法律に規定するものを除く外、財産区の事務に関しては、政令でこれを定める。
第二章 地方公共団体の協議会
第二百九十八条 地方公共団体は、地方公共団体の事務又は地方公共団体の長の権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務の連絡調整を図るため、その協議により、規約を定め、都道府県及び特別市の加入するものにあつては内務大臣、その他のものにあつては都道府県知事の許可を得て、地方公共団体の協議会を設けることができる。
公益上必要がある場合においては、内務大臣又は都道府県知事は、政令の定めるところにより、地方公共団体の協議会を設けることができる。
第二百九十九条 地方公共団体の協議会は、地方公共団体の事務又は地方公共団体の長の権限に属する事務の連絡調整を図る外、法律又は政令によりその権限に属する国、地方公共団体その他公共団体の事務を処理する。
第三百条 地方公共団体の協議会に会長及び副会長一人を置き、関係地方公共団体の長の中からこれを互選する。
会長は、協議会に関する事務を総理し、協議会を代表する。
副会長は、会長を補佐し、会長に故障があるときはその職務を代理する。
第三百一条 地方公共団体の協議会は、必要があると認めるときは、その会議に関係官庁の長の参加を求めることができる。この場合において、関係官庁の長は、会議に出席し、議事に関係のある事項につき説明をしなければならない。
関係官庁の長は、必要があると認めるときは、地方公共団体の会議に出席し、発言することができる。
第三百二条 地方公共団体の協議会は、事務局を置くことができる。
事務局には局長及び書記を置き、会長がこれを選任する。
事務局長は、会長の命を受け、協議会に関する事務を整理する。
書記は、事務局長の命を受け、協議会に関する事務に従事する。
第三百三条 地方公共団体の協議会に要する経費は、関係地方公共団体がこれを負担しなければならない。
第三百四条 地方公共団体の協議会を廃止し、これに加入する地方公共団体の数を増減し又は協議会の規約を変更しようとするときは、第二百九十八条第一項の例により、内務大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならない。
附 則
第一条 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。但し、警察部、警察署及び警察吏員に関する規定の施行の期日は、法律でこれを定める。
第二条 東京都制、道府県制、市制及び町村制は、これを廃止する。但し、東京都制第百八十九条乃至第百九十一条及び第百九十八条の規定は、なお、その効力を有する。
第三条 この法律施行の際現に東京都長官、北海道庁長官、府県知事、市町村長及び市町村長に準ずる者若しくは東京都議会議員、道府県会議員、市町村会議員及び市町村会議員に準ずる者又は都道府県若しくは市町村及びこれに準ずるものの他の職に在る者は、この法律又は他の法律で別に定める者を除く外、この法律により選挙又は選任された都道府県若しくは市町村及びこれに準ずるものの長若しくは議会の議員又は都道府県若しくは市町村及びこれに準ずるものの他の相当する職に在る者とみなし、任期があるものについては、その任期は、従前の規定による選挙又は就任の日からこれを起算する。
都又は特別区の議会の議員の定数は、第九十条第一項又は第九十一条第一項の規定にかかわらず、次の総選挙までの間は、なお、従前の規定による。
第四条 この法律又は他の法律に特別の定があるものを除く外、都道府県に関する職制に関しては、当分の間、なお、従前の都庁府県(警視庁を除く。以下これに同じ。)に関する官制の規定を準用する。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
第五条 この法律又は他の法律に特別の定があるものを除く外、都道府県の吏員に関しては、別に法律が定められるまで従前の都庁府県の官吏又は待遇官吏に関する各相当規定を準用する。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
都道府県の吏員は、政令の定めるところにより、分限委員会の承認を得なければ事務の都合により休職を命ぜられることはない。
前項の分限委員会の名称、組織、権限等は、政令でこれを定める。
第六条 この法律施行の際現に都庁府県の地方事務官、地方技官又は待遇官吏たる者は、この法律若しくはこれに基く政令又は他の法律で別に定めるものを除く外、当該都道府県の第百七十二条の事務吏員又は技術吏員に任用され、引き続き現に在る職に相当する職に補されたものとする。
第七条 都道府県における警察については、この法律中警察部、警察署及び警察吏員に関する規定の施行までの間は、なお、従前の例による。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
第九十九条第一項、第百二十一条及び第二百三十二条第二項の規定の適用については、当分の間、警視総監も、また、これを普通地方公共団体の長とみなす。
第八条 政令で定める事務に従事する都道府県の職員は、第百七十二条、第百七十三条及び第百七十五条の規定にかかわらず、当分の間、なお、これを官吏とする。この場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第九条 この法律に定めるものを除く外、地方公共団体の長の補助機関たる職員、選挙管理委員及び選挙管理委員会の書記並びに監査委員及び監査委員の事務を補助する書記の分限、給与、服務、懲戒等に関しては、別に法律が定められるまでの間は、従前の規定に準じて政令でこれを定める。
第十条 都道府県及び特別市は、軍人軍属であつた者の身上の取扱に関する事務及びその家族等に対する俸給その他の給与に関する事務を処理しなければならない。
前項の事務の処理に関しては、政令で特例を設けることができる。
第一項の事務は、都にあつては民生局、道府県にあつては民生部、特別市にあつては市長の定める局部においてこれを掌る。
第一項の事務を処理するために要する経費は、国庫の負担とする。
第十一条 従前の東京都制、道府県制、市制若しくは町村制又はこれらの法律に基いて発する命令によつてした手続その他の行為は、これをこの法律又はこれに基いて発する命令中の相当する規定によつてした手続その他の行為とみなす。
第十二条 この法律施行前東京都制、道府県制、市制若しくは町村制又はこれらの法律に基いて発する勅令により行つた選挙に関し、これらの法律において準用する衆議院議員の選挙に関する罰則を適用すべきであつた行為については、なお、従前の例による。
第十三条 他の法令中地方長官、東京都長官、北海道庁長官又は都道府県若しくは東京都の区の官吏に関する規定は、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、各ゝ都道府県知事若しくは特別市の市長、都知事、道知事又は都道府県若しくは特別区の相当する吏員に関する規定とみなす。
第十四条 他の法令中都道府県参事会若しくは都道府県参事会員又は市参事会若しくは市参事会員に関する規定は、この法律による都道府県、特別市若しくは市の議会又はこれらの議会の議員に関する規定とみなす。
第十五条 他の法令中に東京都制、道府県制、府県制、市制又は町村制の規定を掲げている場合において、この法律中これらの規定に相当する規定があるときは、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、各ゝこの法律中のこれらの規定に相当する規定を指しているものとする。
第十六条 他の法令中都道府県及び市に関する規定は、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、特別市にも、また、これを適用する。
他の法令中の従前の市制第六条の市又は市制第八十二条第一項若しくは市制第八十二条第三項の市に関する規定は、特別市及び第百五十五条第二項の市に関する規定とみなす。
第十七条 他の法令中市に関する規定は、政令で特別の規定を設ける場合を除く外、特別区にも、また、これを適用する。
第十八条 他の法令中従前郡長の管轄した区域に関する規定は、郡に関する規定とみなす。但し、政令で特別の規定を設けることができる。
第十九条 他の法令中都議会議員選挙管理委員会、道府県会議員選挙管理委員会、市町村会議員選挙管理委員会若しくは市町村会議員選挙管理委員会に準ずる選挙管理委員会に関する規定は、都道府県又は市町村若しくは市町村に準ずるものの選挙管理委員会に関する規定とみなす。
第二十条 戸籍法の適用を受けない者の選挙権及び被選挙権は、当分の間、これを停止する。
前項の者は、選挙人名簿にこれを登載することができない。
第二十一条 この法律の施行に関し必要な規定は、政令でこれを定める。