第二百十六條 普通地方公共團体は、法律の定めるところにより、地方税を賦課徴收することができる。
第二百十七條 普通地方公共團体は、分担金を徴收することができる。
分担金は、政令の定めるところにより、数人若しくは普通地方公共團体の一部を利する財產若しくは営造物又は普通地方公共團体の一部に対し利益のある事件に関し、特に利益を受ける者からこれを徴收する。
第二百十八條 普通地方公共團体は、非常災害の復旧のため必要があるとき、その他特別の必要があるときは、夫役現品を賦課徴收することができる。但し、都道府縣にあつては、当該都道府縣内の一部の市町村その他公共團体に対してもこれを賦課徴收することができる。
夫役又は現品は、これを金額に算出して賦課しなければならない。但し、市町村においては、市町村民税を準率としなければならない。
学藝、美術及び手工に関する労務については、夫役を賦課することができない。
夫役を賦課された者は、本人自らこれに当り、又は適当な代人を出すことができる。
夫役又は現品は、金銭を以てこれに代えることができる。
第二項及び前項の規定は、急迫の場合その他特別の事情がある場合に賦課する夫役又は現品については、これを適用しない。
第二百十九條 数人若しくは普通地方公共團体の一部を利する財產若しくは営造物又は数人若しくは普通地方公共團体の一部に対し利益のある事件に関しては、普通地方公共團体は、夫役現品につき不均一の賦課をし、又は数人若しくは普通地方公共團体の一部に対してその賦課をすることができる。
第二百二十條 普通地方公共團体は、財產及び営造物の使用につき使用料を徴收することができる。
第二百二十一條 市町村は、第二百九條の規定による財產又は営造物の使用に関し、使用料若しくは一時の加入金を徴收し又はこれを併せて徴收することができる。
第二百二十二條 普通地方公共團体は、特定の個人のためにする事務につき、手数料を徴收することができる。
第二百二十三條 分担金、使用料及び手数料に関する事項については、條例でこれを規定しなければならない。
詐僞その他不正の行爲に因り、分担金、使用料又は手数料の徴收を免れた者については、條例でその徴收を免れた金額の五倍に相当する金額以下の過料を科する規定を設けることができる。
前項に定めるものを除く外、分担金、使用料及び手数料の徴收に関しては、條例で二千円以下の過料を科する規定を設けることができる。
過料の処分を受けた者は、その処分に不服があるときは、訴願を提起することができる。
第二百二十四條 分担金、夫役現品、使用料、加入金及び手数料の賦課又は徴收を受けた者が、その賦課又は徴收につき違法又は錯誤があると認めるときは、その告知を受けた日から、三十日以内に、普通地方公共團体の長に異議の申立をすることができる。
第二百九條の規定による財產又は営造物を使用する権利に関し異議がある者は、これを市町村長に申し立てることができる。
前二項の規定による異議の申立があつたときは、普通地方公共團体の長は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から、二十日以内に意見を述べなければならない。
第三項の規定による異議の決定を受けた後でなければ、第一項及び第二項に規定する事項については、裁判所に出訴することができない。
第二百二十五條 分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共團体の收入を定期内に納めない者があるときは、普通地方公共團体の長は、期限を指定しこれを督促しなければならない。
夫役現品の賦課を受けた者が定期内にその履行をせず又は夫役現品に代える金銭を納めないときは、普通地方公共團体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。急迫の場合その他特別の事情がある場合に賦課した夫役又は現品については、更にこれを金額に算出し、期限を指定してその納付を命じなければならない。
前二項の場合においては、條例の定めるところにより、手数料を徴收することができる。
滯納者が、第一項又は第二項の規定による督促又は命令を受け、その指定の期限内にこれを完納しないときは、國税滯納処分の例により、これを処分しなければならない。
第一項乃至第三項の規定による徴收金は、都道府縣にあつては國の徴收金に次いで先取特権を有し、市町村にあつては國及び都道府縣の徴收金に次いで先取特権を有し、その追徴、還付及び時効については、國税の例による。
都道府縣知事の委任を受けた吏員がした前三項の規定による処分に異議がある者は、これを都道府縣知事に申し立てることができる。
前項の規定による異議の申立があつたときは、都道府縣知事は、これを議会に諮つて決定しなければならない。
議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
第四項の規定による処分中差押物件の公賣は、その処分が確定するまで執行を停止する。
第四項の規定による処分は、当該普通地方公共團体の区域外においても、また、これをすることができる。
第二百二十六條 普通地方公共團体は、その負債を償還するため、普通地方公共團体の永久の利益となるべき支出をするため、又は天災等のため必要がある場合に限り、議会の議決を経て、地方債を起すことができる。
地方債を起すにつき、議会の議決を経るときは、併せて起債の方法、利息の定率及び償還の方法について議決を経なければならない。
第二百二十七條 普通地方公共團体の長は、予算内の支出をするため、議会の議決を経て、一時の借入をすることができる。
前項の規定による借入金は、その会計年度内の收入を以て償還しなければならない。