公職選挙法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三十号
公布年月日: 昭和44年5月16日
法令の形式: 法律
公職選挙法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十四年五月十六日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第三十号
公職選挙法の一部を改正する法律
公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
目次中
第二十一条 (登録の申出)
第二十二条 (登録すべき者の決定)
第二十一条 (被登録資格等)
第二十二条 (登録)
に、
第二十六条 (登録)
第二十七条 (抹消及び訂正等)
第二十八条 (通報及び閲覧等)
第二十九条 (船員の選挙人名簿の調製)
第二十六条 (補正登録)
第二十七条 (表示及び訂正等)
第二十八条 (登録の抹消)
第二十九条 (通報及び閲覧等)
に、
第二百七十条 (入院加療中の者と住所要件との関係)
第二百七十条の二 (選挙に関する届出等の時間)
を「第二百七十条(選挙に関する届出等の時間)」に改める。
第十九条第一項中「、この法律に特別の定めがある場合を除くほか」を削り、同条第二項中「三月、六月、九月及び十二月(以下「登録月」という。)」を「九月及び選挙を行なう場合」に改める。
第二十一条及び第二十二条を次のように改める。
(被登録資格等)
第二十一条 選挙人名簿の登録は、当該市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民(第十一条第一項及び第二項((選挙権及び被選挙権を有しない者))の規定により選挙権を有しない者を除く。)で、その者に係る当該市町村の住民票が作成された日(他の市町村から当該市町村の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条((転入届))の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日)から引き続き三箇月以上当該市町村の住民基本台帳に記録されている者について行なう。
2 前項の住民基本台帳に記録されている期間は、市町村の廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。
3 市町村の選挙管理委員会は、政令で定めるところにより、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を調査し、その者を選挙人名簿に登録するための整理をしておかなければならない。
(登録)
第二十二条 市町村の選挙管理委員会は、毎年九月一日現在により、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を同月十日に選挙人名簿に登録しなければならない。ただし、市町村の選挙管理委員会は、九月一日から同月十五日までの間に選挙の期日がある選挙を行なう場合その他特別の事情がある場合には、政令で定めるところにより、登録の日を変更することができる。
2 市町村の選挙管理委員会は、選挙(当該選挙の期日が九月十一日から十月十日までの間にあるものを除く。)を行なう場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院全国選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定めるところにより、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を選挙人名簿に登録しなければならない。ただし、当該選挙の期日前一箇月以内に、当該選挙が行なわれる区域の全部を含む区域にわたつてこの項の規定による登録が行なわれた場合は、この限りでない。
第二十三条第一項中「登録月の八日から十四日までの間」を「前条第一項の規定による登録については九月十一日から同月十五日までの間(同項ただし書に規定する場合には、政令で定める期間)、同条第二項の規定による登録については当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院全国選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定める期間」に、「その」を「当該市町村の選挙管理委員会が」に、「登録すべき者として決定した者」を「登録した者」に、「及び住所」を「、住所及び生年月日」に改める。
第二十四条第一項中「選挙人名簿に登録すべき者の決定」を「選挙人名簿の登録」に改め、同条第二項中「直ちに選挙人名簿に登録すべき者の決定を修正し」を「その異議の申出に係る者を直ちに選挙人名簿に登録し、又は選挙人名簿から抹消し」に改める。
第二十五条第四項中「選挙人名簿に登録すべき者の決定又は選挙人名簿から抹消すべき者の決定」を「選挙人名簿への登録又は選挙人名簿からの抹消」に改める。
第二十六条及び第二十七条を次のように改める。
(補正登録)
第二十六条 市町村の選挙管理委員会は、第二十二条((登録))の規定により選挙人名簿の登録をした日後、当該登録の際に選挙人名簿に登録される資格を有し、かつ、引き続きその資格を有する者が選挙人名簿に登録されていないことを知つた場合には、その者を直ちに選挙人名簿に登録し、その旨を告示しなければならない。
(表示及び訂正等)
第二十七条 市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登録されている者が第十一条第一項及び第二項((選挙権及び被選挙権を有しない者))の規定により選挙権を有しなくなつたこと又は当該市町村の区域内に住所を有しなくなつたことを知つた場合には、直ちに選挙人名簿にその旨の表示をしなければならない。
2 市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登録されている者の記載内容に変更があつたこと又は誤りがあることを知つた場合には、直ちにその記載の修正又は訂正をしなければならない。
第二十九条を削り、第二十八条第二項中「及び登録月の十五日から二十五日まで」を削り、「選挙人名簿又はその抄本」を「選挙人名簿の抄本」に改め、同条を第二十九条とし、同条の前に次の一条を加える。
(登録の抹消)
第二十八条 市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の選挙人名簿に登録されている者について次の場合に該当するに至つたときは、これらの者を直ちに選挙人名簿から抹消しなければならない。この場合において、第二号又は第三号の場合に該当するときは、その旨を告示しなければならない。
一 死亡したこと又は日本の国籍を失つたことを知つたとき。
二 前条第一項の表示をされた者が当該市町村の区域内に住所を有しなくなつた日後四箇月を経過するに至つたとき。
三 登録の際に登録されるべきでなかつたことを知つたとき。
第二百三十六条中第三項を削り、第二項を第三項とし、同項の前に次の一項を加える。
2 選挙人名簿に登録をさせる目的をもつて住民基本台帳法第二十二条((転入届))の規定による届出に関し虚偽の届出をすることによつて選挙人名簿に登録をさせた者も、前項と同様とする。
第二百六十九条ただし書を削り、同条に後段として次のように加える。
この場合において、第二十二条((登録))の規定の適用については、同条中「資格を有する者」とあるのは、「資格を有し、かつ、その日において当該区の区長が作成する住民基本台帳に記録されている者」とする。
第二百七十条を削り、第二百七十条の二中「規定によつて」の下に「自治大臣、」を加え、「第二十一条((登録の申出))の規定による登録の申出及び第二十八条第三項」を「第二十九条第三項」に改め、同条を第二百七十条とする。
附則第二十一項を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十四年七月二十日から施行する。
(住民基本台帳に記録されていない者に関する経過措置)
第二条 市町村の選挙管理委員会は、この法律の施行の際現に当該市町村の選挙人名簿に登録されている者で、当該市町村の住民基本台帳に記録されていないもの(当該市町村の区域内に住所を有しなくなつたことにより改正前の公職選挙法(附則第四条において「旧法」という。)第二十七条第一項の表示をされている者を除く。)がある場合には、その者を直ちに選挙人名簿から抹消し、その旨を告示しなければならない。
(選挙期日が公示されている選挙等に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際すでにその期日が公示され又は告示されている選挙が行なわれる場合には、改正後の公職選挙法(以下「新法」という。)第十九条第二項の規定にかかわらず、新法第二十二条第二項の規定による登録は、行なわない。
(表示をされている者に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際すでにその期日が公示され又は告示されている選挙が行なわれる市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の選挙人名簿に登録されている者で、当該市町村の区域内に住所を有しなくなつたことにより旧法第二十七条第一項の表示をされているものについては、当該選挙の期日までの間においては、新法第二十八条第二号の規定にかかわらず、表示後六箇月を経過するに至つたときに直ちに選挙人名簿から抹消し、その旨を告示しなければならない。
(船員の選挙人名簿に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に効力を有する船員の選挙人名簿については、昭和四十四年十二月四日までの間は、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(地方自治法の一部改正)
第七条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第七十四条第四項中「登録月(三月、六月、九月及び十二月をいう。)の二十日のうち同項の請求のあつた日の直前の日現在」を「公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第二十二条の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日」に、「登録が」を「その登録が」に改める。
第八十四条中「(昭和二十五年法律第百号)」を削る。
(地方自治法の一部改正に伴う経過措置)
第八条 新法第二十二条の規定に基づいて当該選挙管理委員会がこの法律の施行後最初に選挙人名簿の登録を行なう日の前日までに地方自治法第七十四条の規定によつてされた請求については、なお従前の例による。
(最高裁判所裁判官国民審査法の一部改正)
第九条 最高裁判所裁判官国民審査法(昭和二十二年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
第三十二条中「登録月(三月、六月、九月及び十二月をいう。)の二十日」を「公職選挙法第二十二条第一項又は第二項の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日」に改める。
(漁業法の一部改正)
第十条 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)の一部を次のように改正する。
第八十九条に次の四項を加える。
5 選挙人名簿は、十二月五日をもつて確定する。
6 選挙人名簿は、次年の十二月四日まで据えおかなければならない。ただし、市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登載されている者が死亡したときは直ちに修正するものとし、選挙人名簿に登載されている者が確定判決により修正すべきものとなつたときは直ちに修正するとともにその旨を告示しなければならない。
7 市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登載されている者が当該市町村の選挙人名簿に登載される資格を有せず、又は有しなくなつたことを知つた場合には、前項ただし書の規定に該当する場合を除くほか、直ちに選挙人名簿にその旨の表示をしなければならない。
8 市町村の選挙管理委員会は、当該市町村と同一の海区に沿う他の市町村の選挙人名簿に登載されている者を当該市町村の選挙人名簿に登載したときは、直ちにその旨を関係のある市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
第九十四条第一項中「、第二十六条第三項、第二十七条第一項、第二十九条第七項及び第八項」を削り、「第二百七十条の二」を「第二百七十条」に改め、同項の表の第二十三条第一項の項中「登録月の八日から十四日まで」を「前条第一項の規定による登録については九月十一日から同月十五日までの間(同項ただし書に規定する場合には、政令で定める期間)、同条第二項の規定による登録については当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院全国選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定める期間」に、「十一月三日まで」を「十一月三日までの間」に、「登録すべき者として決定した者」を「登録した者」に、「及び住所」を「、住所及び生年月日」に改め、同表の第二十四条第一項の項中「登録すべき者の決定」を「選挙人名簿の登録」に、「脱漏」を「選挙人名簿に脱漏」に改め、同表の第二十四条第二項の項中
選挙人名簿に登録すべき者の決定
選挙人名簿
その異議の申出に係る者を直ちに選挙人名簿に登録し、又は選挙人名簿から抹消し
直ちに選挙人名簿を修正し
に改め、同表の第二十五条第四項の項中「選挙人名簿に登録すべき者の決定又は選挙人名簿から抹消すべき者の決定」を「選挙人名簿への登録又は選挙人名簿からの抹消」に改め、同表の第二十六条第三項の項、第二十七条第一項の項、第二十九条第七項の項及び第二十九条第八項の項を削る。
(国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部改正)
第十一条 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律(昭和二十五年法律第百七十九号)の一部を次のように改正する。
第二十条中「登録月(三月、六月、九月及び十二月をいう。)の二十日」を「公職選挙法第二十二条第一項又は第二項の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日のうち国会議員の選挙等の期日の直前の日」に改め、同条ただし書を削る。
(農業委員会等に関する法律の一部改正)
第十二条 農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。
第十条に次の三項を加える。
5 選挙人名簿は、三月三十一日をもつて確定する。
6 選挙人名簿は、次年の三月三十日まで据えおかなければならない。ただし、市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登録されている者が死亡したときは直ちに修正するものとし、選挙人名簿に登録されている者が確定判決により修正すべきものとなつたときは直ちに修正するとともにその旨を告示しなければならない。
7 市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登録されている者が当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有せず、又は有しなくなつたことを知つた場合には、前項ただし書の規定に該当する場合を除き、直ちに選挙人名簿にその旨の表示をしなければならない。
第十一条中「、第二十七条第一項(表示)、第二十九条第七項及び第八項(選挙人名簿の確定等)」を削り、「第二百七十条の二」を「第二百七十条」に改め、同条の表の第二十三条第一項の項中「登録月の八日から十四日までの間」を「前条第一項の規定による登録については九月十一日から同月十五日までの間(同項ただし書に規定する場合には、政令で定める期間)、同条第二項の規定による登録については当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院全国選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定める期間」に、「登録すべき者として決定した者」を「登録した者」に、「及び住所」を「、住所及び生年月日」に改め、同表の第二十四条第一項の項中「登録すべき者の決定」を「選挙人名簿の登録」に、「脱漏」を「選挙人名簿に脱漏」に改め、同表の第二十四条第二項の項中
選挙人名簿に登録すべき者の決定
選挙人名簿
その異議の申出に係る者を直ちに選挙人名簿に登録し、又は選挙人名簿から抹消し
直ちに選挙人名簿を修正し
に改め、同表の第二十五条第四項の項中「選挙人名簿に登録すべき者の決定又は選挙人名簿から抹消すべき者の決定」を「選挙人名簿への登録又は選挙人名簿からの抹消」に改め、同表の第二十七条第一項の項、第二十九条第七項の項及び第二十九条第八項の項を削る。
(住民基本台帳法の一部改正)
第十三条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。
第二条中「第二十一条」を「次条第三項及び第二十一条」に改める。
第三条に次の一項を加える。
3 住民は、常に、住民としての地位の変更に関する届出を正確に行なうように努めなければならず、虚偽の届出その他住民基本台帳の正確性を阻害するような行為をしてはならない。
第十条中「第二十六条第一項若しくは第二項」を「第二十二条第一項若しくは第二項若しくは第二十六条」に、「第二十七条第三項において準用する同法第二十六条第一項の規定若しくは同法第二十七条第四項」を「第二十八条」に改める。
第十五条に次の一項を加える。
2 市町村長は、第八条の規定により住民票の記載等をしたときは、遅滞なく、当該記載等で選挙人名簿の登録に関係がある事項を当該市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
第四十四条第一項中「した者は」の下に「、他の法令の規定により刑を科すべき場合を除き」を加え、同項ただし書を削る。
法務大臣 西郷吉之助
農林大臣 長谷川四郎
自治大臣 野田武夫
内閣総理大臣 佐藤栄作