精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第47号
公布年月日: 平成25年6月19日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

精神障害者の入院患者約30万人のうち1年以上の長期入院患者が約20万人に上る一方で、精神障害者の保護者である家族一人が法律上の義務を負う現行制度では、家族の高齢化に伴い保護者の負担が増大している。このような状況を踏まえ、精神障害者の地域生活への移行を促進するため、精神障害者に対する医療の見直しを図る必要があることから、本法案を提出するものである。

参照した発言:
第183回国会 参議院 厚生労働委員会 第8号

審議経過

第183回国会

参議院
(平成25年5月23日)
(平成25年5月28日)
(平成25年5月30日)
衆議院
(平成25年6月5日)
参議院
(平成25年6月5日)
衆議院
(平成25年6月7日)
(平成25年6月11日)
(平成25年6月12日)
(平成25年6月13日)
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十五年六月十九日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 麻生太郎
法律第四十七号
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
目次中
第一節
保護者(第二十条―第二十二条の二)
第二節
任意入院(第二十二条の三・第二十二条の四)
第三節
指定医の診察及び措置入院(第二十三条―第三十二条)
第四節
医療保護入院等(第三十三条―第三十五条)
第一節
任意入院(第二十条・第二十一条)
第二節
指定医の診察及び措置入院(第二十二条―第三十二条)
第三節
医療保護入院等(第三十三条―第三十五条)
に、「第五節」を「第四節」に、「第六節」を「第五節」に改める。
第六条第二項第五号中「市町村」の下に「(特別区を含む。第四十七条第三項及び第四項を除き、以下同じ。)」を加える。
第十三条第一項中「限る。)、」の下に「精神障害者の保健又は福祉に関し学識経験を有する者及び」を加え、「及びその他の学識経験を有する者」を削る。
第十四条第二項中第三号を削り、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 精神障害者の保健又は福祉に関し学識経験を有する者 一
第十九条の四第一項中「第二十二条の四第三項」を「第二十一条第三項」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に、「第二十二条の三」を「第二十条」に改める。
第十九条の五中「、第二項」を「、第三項」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に改める。
第十九条の十一第一項中「家族等」を「第三十三条第二項に規定する家族等その他の関係者」に改める。
第五章第一節を削る。
第二十二条の三の前の見出しを削り、第五章第二節中同条を第二十条とする。
第二十二条の四第五項中「第二十二条の四第四項」を「第二十一条第四項」に改め、同条を第二十一条とする。
第五章中第二節を第一節とする。
第二十三条第二項中「左の」を「次の」に、「もより」を「最寄り」に改め、同項第四号中「当つて」を「当たつて」に改め、第五章第三節中同条を第二十二条とする。
第二十四条中「もより」を「最寄り」に改め、同条を第二十三条とする。
第二十五条第二項中「第二条第三項」を「第二条第二項」に改め、同条を第二十四条とする。
第二十五条の二中「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条を第二十五条とする。
第二十六条の三中「第二条第六項」を「第二条第五項」に、「同条第五項」を「同条第四項」に改める。
第二十七条第一項及び第二項中「第二十三条」を「第二十二条」に改める。
第五章中第三節を第二節とする。
第三十三条第一項中「保護者」を「その家族等のうちいずれかの者」に改め、同項第一号中「第二十二条の三」を「第二十条」に改め、同条第二項及び第三項を次のように改める。
2 前項の「家族等」とは、当該精神障害者の配偶者、親権を行う者、扶養義務者及び後見人又は保佐人をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者を除く。
一 行方の知れない者
二 当該精神障害者に対して訴訟をしている者、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
三 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
四 成年被後見人又は被保佐人
五 未成年者
3 精神科病院の管理者は、第一項第一号に掲げる者について、その家族等(前項に規定する家族等をいう。以下同じ。)がない場合又はその家族等の全員がその意思を表示することができない場合において、その者の居住地(居住地がないか、又は明らかでないときは、その者の現在地。第四十五条第一項を除き、以下同じ。)を管轄する市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)の同意があるときは、本人の同意がなくてもその者を入院させることができる。第三十四条第二項の規定により移送された者について、その者の居住地を管轄する市町村長の同意があるときも、同様とする。
第三十三条第四項中「第二項」を「前項」に、「第二十二条の三」を「第二十条」に改め、同条第五項中「第二十二条の四第四項」を「第二十一条第四項」に改め、同条第七項中「第二項」を「第三項」に改める。
第三十三条の二中「前条第一項」の下に「又は第三項」を加える。
第三十三条の三中「第二項」を「第三項」に改め、「。この場合において、精神科病院の管理者は、遅滞なく、厚生労働省令で定める事項を診療録に記載しなければならない」を削り、同条に次の一項を加える。
2 精神科病院の管理者は、前項ただし書の規定により同項本文に規定する事項を書面で知らせなかつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める事項を診療録に記載しなければならない。
第三十三条の五を第三十三条の八とする。
第三十三条の四の前の見出しを削り、同条第一項中「保護者(第三十三条第二項に規定する場合にあつては、その者の扶養義務者)」を「その家族等」に改め、同項第一号及び同条第二項中「第二十二条の三」を「第二十条」に改め、同条第三項中「第二十二条の四第四項」を「第二十一条第四項」に、「第三十三条の四第二項」を「第三十三条の七第二項」に改め、同条を第三十三条の七とし、同条の前に見出しとして「(応急入院)」を付する。
第三十三条の三の次に次の見出し及び三条を加える。
(医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するための措置)
第三十三条の四 医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者は、精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、退院後生活環境相談員を選任し、その者に医療保護入院者の退院後の生活環境に関し、医療保護入院者及びその家族等からの相談に応じさせ、及びこれらの者を指導させなければならない。
第三十三条の五 医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者は、医療保護入院者又はその家族等から求めがあつた場合その他医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するために必要があると認められる場合には、これらの者に対して、厚生労働省令で定めるところにより、一般相談支援事業若しくは障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第十六項に規定する特定相談支援事業(第四十九条第一項において「特定相談支援事業」という。)を行う者、介護保険法第八条第二十三項に規定する居宅介護支援事業を行う者その他の地域の精神障害者の保健又は福祉に関する各般の問題につき精神障害者又はその家族等からの相談に応じ必要な情報の提供、助言その他の援助を行う事業を行うことができると認められる者として厚生労働省令で定めるもの(次条において「地域援助事業者」という。)を紹介するよう努めなければならない。
第三十三条の六 精神科病院の管理者は、前二条に規定する措置のほか、厚生労働省令で定めるところにより、必要に応じて地域援助事業者と連携を図りながら、医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するために必要な体制の整備その他の当該精神科病院における医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するための措置を講じなければならない。
第三十四条第一項中「第二十二条の三」を「第二十条」に、「保護者」を「その家族等のうちいずれかの者」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に改め、同条第二項中「者の保護者について第二十条第二項第四号の規定による家庭裁判所の選任を要し、かつ、当該選任がされていない」を「精神障害者の家族等がない場合又はその家族等の全員がその意思を表示することができない」に、「扶養義務者」を「居住地を管轄する市町村長」に、「第三十三条第二項」を「第三十三条第三項」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に改め、同条第三項中「保護者(前項に規定する場合にあつては、その者の扶養義務者)」を「その者の家族等」に、「第二十二条の三」を「第二十条」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に改める。
第五章中第四節を第三節とする。
第三十八条中「保護者等」を「家族等その他の関係者」に改める。
第三十八条の三第一項中「同条第一項」の下に「又は第三項」を加える。
第三十八条の四中「その保護者」を「その家族等(その家族等がない場合又はその家族等の全員がその意思を表示することができない場合にあつては、その者の居住地を管轄する市町村長)」に改める。
第三十八条の六第二項中「第二項」を「第三項」に改める。
第三十八条の七第二項中「第二十二条の四第三項」を「第二十一条第三項」に、「、第二項」を「、第三項」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に改め、同条第四項中「第二十二条の四第一項」を「第二十一条第一項」に、「、第二項」を「、第三項」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に改める。
第三十九条第一項第六号を次のように改める。
六 退去者の家族等又はこれに準ずる者の住所、氏名その他厚生労働省令で定める事項
第五章中第五節を第四節とする。
第四十一条及び第四十二条を次のように改める。
(指針)
第四十一条 厚生労働大臣は、精神障害者の障害の特性その他の心身の状態に応じた良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針(以下この条において「指針」という。)を定めなければならない。
2 指針に定める事項は、次のとおりとする。
一 精神病床(病院の病床のうち、精神疾患を有する者を入院させるためのものをいう。)の機能分化に関する事項
二 精神障害者の居宅等(居宅その他の厚生労働省令で定める場所をいう。)における保健医療サービス及び福祉サービスの提供に関する事項
三 精神障害者に対する医療の提供に当たつての医師、看護師その他の医療従事者と精神保健福祉士その他の精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識を有する者との連携に関する事項
四 その他良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供の確保に関する重要事項
3 厚生労働大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第四十二条 削除
第四十三条第二項中「第二十五条」を「第二十四条」に、「除く外」を「除くほか」に改める。
第四十四条第二項中「この章第二節から前節まで」を「前各節」に改める。
第五章中第六節を第五節とする。
第四十七条第一項中「家族等」の下に「その他の関係者」を加え、同条第三項中「及び特別区」を削り、「家族等」の下に「その他の関係者」を加え、同条第四項及び第五項中「家族等」の下に「その他の関係者」を加える。
第四十八条第一項中「家族等」の下に「その他の関係者」を加える。
第五十一条の十一の二の次に次の一条を加える。
(後見等を行う者の推薦等)
第五十一条の十一の三 市町村は、前条の規定による審判の請求の円滑な実施に資するよう、民法に規定する後見、保佐及び補助(以下この条において「後見等」という。)の業務を適正に行うことができる人材の活用を図るため、後見等の業務を適正に行うことができる者の家庭裁判所への推薦その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 都道府県は、市町村と協力して後見等の業務を適正に行うことができる人材の活用を図るため、前項に規定する措置の実施に関し助言その他の援助を行うように努めなければならない。
第五十一条の十三第一項中「第三十三条の五」を「第三十三条の八」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に、「並びに第六章」を「、第六章並びに第五十一条の十一の三第二項」に改め、同条第三項中「第二十一条」を「第三十三条第三項及び第三十四条第二項」に改める。
第五十三条第一項中「第二十二条の四第四項」を「第二十一条第四項」に、「第三十三条の四第二項」を「第三十三条の七第二項」に改める。
第五十四条第二号中「第二十三条第一項」を「第二十二条第一項」に改める。
第五十七条第一号中「第二十二条の四第五項」を「第二十一条第五項」に、「第三十三条の四第三項」を「第三十三条の七第三項」に改め、同条第五号中「第二十二条の四第七項」を「第二十一条第七項」に改め、同条第七号中「第三十三条の四第五項」を「第三十三条の七第五項」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十六年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第七条の規定 公布の日
二 附則第十六条の規定 刑法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第四十九号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
三 第十三条第一項及び第十四条第二項の改正規定 平成二十八年四月一日
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「旧法」という。)第三十三条第一項の規定により精神科病院に入院している者は、この法律による改正後の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「新法」という。)第三十三条第一項(この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日において旧法第二十条第二項各号の保護者がない場合又はこれらの保護者がその義務を行うことができない場合にあっては、新法第三十三条第三項)の規定により入院したものとみなす。
2 この法律の施行の際現に旧法第三十三条第二項の規定により精神科病院に入院している者は、新法第三十三条第一項の規定により入院したものとみなす。
第三条 この法律の施行の際現に旧法第三十三条の四第一項の規定により精神科病院に入院している者は、新法第三十三条の七第一項の規定により入院したものとみなす。
第四条 この法律の施行の際現に旧法第三十八条の四の規定により精神科病院に入院中の者の保護者によりされている請求は、新法第三十八条の四の規定により当該入院中の者の家族等のうち当該保護者であった者(当該請求が旧法第二十一条の規定により当該入院中の者の保護者となったその者の居住地(居住地がないか、又は明らかでないときは、その者の現在地)を管轄する市町村長(特別区の長を含む。以下この条において同じ。)によりされている場合にあっては、当該市町村長)によりされた請求とみなす。
第五条 施行日前に行われた旧法第四十二条の規定による精神障害者の医療及び保護に係る費用の負担については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条まで、第十一条、第十二条、第十四条及び第十五条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第八条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、新法の施行の状況並びに精神保健及び精神障害者の福祉を取り巻く環境の変化を勘案し、医療保護入院における移送及び入院の手続の在り方、医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するための措置の在り方並びに精神科病院に係る入院中の処遇、退院等に関する精神障害者の意思決定及び意思の表明についての支援の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(地方自治法の一部改正)
第九条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)の項第一号中「第三十三条の五」を「第三十三条の八」に、「第三十三条の四第一項」を「第三十三条の七第一項」に、「並びに第六章」を「、第六章並びに第五十一条の十一の三第二項」に改め、同項第三号中「第二十一条」を「第三十三条第三項及び第三十四条第二項」に改める。
(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の一部改正)
第十条 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四節 保護観察所(第十九条―第二十三条)」を
第四節
保護観察所(第十九条―第二十三条)
第五節
保護者(第二十三条の二・第二十三条の三)
に改める。
第二条中第一項を削り、第二項を第一項とし、第三項から第六項までを一項ずつ繰り上げる。
第十条中「第二条第三項」を「第二条第二項」に改める。
第一章に次の一節を加える。
第五節 保護者
第二十三条の二 対象者の後見人若しくは保佐人、配偶者、親権を行う者又は扶養義務者は、次項に定めるところにより、保護者となる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者を除く。
一 行方の知れない者
二 当該対象者に対して訴訟をしている者、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
三 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
四 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
五 成年被後見人又は被保佐人
六 未成年者
2 保護者となるべき者の順位は、次のとおりとし、先順位の者が保護者の権限を行うことができないときは、次順位の者が保護者となる。ただし、第一号に掲げる者がいない場合において、対象者の保護のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、利害関係人の申立てによりその順位を変更することができる。
一 後見人又は保佐人
二 配偶者
三 親権を行う者
四 前二号に掲げる者以外の扶養義務者のうちから家庭裁判所が選任した者
第二十三条の三 前条の規定により定まる保護者がないときは、対象者の居住地を管轄する市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)が保護者となる。ただし、対象者の居住地がないとき、又は対象者の居住地が明らかでないときは、その対象者の現在地を管轄する市町村長が保護者となる。
第三十一条第六項中「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第二十一条」を「第二十三条の三」に改め、「(特別区の長を含む。以下同じ。)」を削る。
第三十三条第一項中「第二条第三項第二号」を「第二条第二項第二号」に改める。
第三十四条第二項及び第三十九条第三項中「第二条第三項」を「第二条第二項」に改める。
第四十条第一項及び第四十一条第一項中「第二条第三項第一号」を「第二条第二項第一号」に改める。
第四十六条第二項ただし書中「第二条第三項第二号」を「第二条第二項第二号」に改める。
第四十九条第一項中「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の下に「(昭和二十五年法律第百二十三号)」を加える。
(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 施行日前に、前条の規定による改正前の心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「旧医療観察法」という。)第三十条第一項の規定により旧医療観察法第二条第一項に規定する保護者がした付添人の選任で、この法律の施行の際現に効力を有するものは、前条の規定による改正後の心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「新医療観察法」という。)第三十条第一項の規定により新医療観察法第二十三条の二又は第二十三条の三の規定により保護者となる者がした選任とみなす。
第十二条 この法律の施行の際現に旧医療観察法第二条第一項に規定する保護者により旧医療観察法第五十条、第五十五条若しくは第七十三条第一項の規定によりされている申立て、旧医療観察法第六十四条第二項若しくは第七十条第一項の規定によりされている抗告又は旧医療観察法第七十二条第一項若しくは第九十五条の規定によりされている請求は、それぞれ新医療観察法第二十三条の二又は第二十三条の三の規定により保護者となる者によりされた申立て、抗告又は請求とみなす。
(家事事件手続法の一部改正)
第十三条 家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」を「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」に改める。
第百八十三条中「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第二十条第二項第四号」を「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)第二十三条の二第二項第四号」に、「精神障害者の」を「同法第二条第二項に規定する対象者の」に改める。
第二編第二章第二十五節の節名を次のように改める。
第二十五節 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に規定する審判事件
第二百四十一条第一項中「精神障害者」を「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第二条第二項に規定する対象者」に改め、同条第三項を次のように改める。
3 保護者の順位の変更又は保護者の選任の申立てをした者は、その申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。
別表第一の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の項中「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」を「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」に改め、同表の百三十の項中「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第二十条第二項ただし書」を「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第二十三条の二第二項ただし書」に改める。
(家事事件手続法の一部改正に伴う経過措置)
第十四条 旧法第二十条第二項ただし書又は同項第四号の規定による保護者の順位の変更又は保護者の選任の確定した審判(この法律の施行の際、旧法第五条に規定する精神障害者(以下この条及び次条において単に「精神障害者」という。)を旧医療観察法第二条第三項に規定する対象者(次条において単に「対象者」という。)とする旧医療観察法第三条第一項に規定する処遇事件(次条において単に「処遇事件」という。)が現に係属し、又は精神障害者に対する旧医療観察法による医療が終了していない場合における当該確定した審判に限る。)は、新医療観察法第二十三条の二第二項ただし書又は同項第四号の規定による保護者の順位の変更又は保護者の選任の確定した審判とみなす。
第十五条 旧法第二十条第二項ただし書又は同項第四号の規定による保護者の順位の変更又は保護者の選任の申立て(この法律の施行の際、精神障害者を対象者とする処遇事件が現に係属し、又は精神障害者に対する旧医療観察法による医療が終了していない場合における当該申立てに限り、この法律の施行前に当該申立てに係る審判が確定したものを除く。)は、新医療観察法第二十三条の二第二項ただし書又は同項第四号の規定による保護者の順位の変更又は保護者の選任の申立てとみなす。
(刑法等の一部を改正する法律の一部改正)
第十六条 刑法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。
附則第五条のうち精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第二十五条第一項の改正規定中「第二十五条第一項」を「第二十四条第一項」に改める。
附則第十五条のうち心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第二条第三項第二号の改正規定中「第二条第三項第二号」を「第二条第二項第二号」に改める。
総務大臣 新藤義孝
法務大臣 谷垣禎一
厚生労働大臣 田村憲久
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 麻生太郎