水防法及び河川法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三十五号
公布年月日: 平成25年6月12日
法令の形式: 法律
水防法及び河川法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十五年六月十二日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第三十五号
水防法及び河川法の一部を改正する法律
(水防法の一部改正)
第一条 水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第五項中「応援」の下に「、水防のための活動に必要な河川管理者(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第七条(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)に規定する河川管理者をいう。第七条第三項において同じ。)及び同法第九条第二項又は第五項の規定により都道府県知事又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市の長が河川法第九条第二項に規定する指定区間内の一級河川(同法第四条第一項に規定する一級河川をいう。以下同じ。)の管理の一部を行う場合における当該都道府県知事又は当該指定都市の長の協力」を加える。
第七条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 都道府県知事は、当該都道府県の水防計画に河川管理者(河川法第九条第二項又は第五項の規定により都道府県知事又は地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市の長が河川法第九条第二項に規定する指定区間内の一級河川の管理の一部を行う場合にあつては、当該都道府県知事又は当該指定都市の長。以下この項において同じ。)による河川に関する情報の提供、水防訓練への河川管理者の参加その他の水防管理団体が行う水防のための活動に河川管理者の協力が必要な事項を記載しようとするときは、当該事項について、あらかじめ、河川管理者に協議し、その同意を得なければならない。
第十三条第一項中「(昭和三十九年法律第百六十七号)」及び「(同法第四条第一項に規定する一級河川をいう。次項において同じ。)」を削り、同条の次に次の一条を加える。
(関係市町村長への通知)
第十三条の二 第十条第二項若しくは前条第一項の規定により通知をした国土交通大臣又は第十一条第一項若しくは前条第二項の規定により通知をした都道府県知事は、災害対策基本法第六十条第一項の規定による避難のための立退きの勧告又は指示の判断に資するため、関係市町村の長にその通知に係る事項を通知しなければならない。
第十四条第一項中「前条第一項」を「第十三条第一項」に、「前条第二項」を「第十三条第二項」に改め、「確保し」の下に「、又は浸水を防止することにより」を加え、「はん濫した」を「氾濫した」に改める。
第十五条の見出し中「を確保する」を「の確保及び浸水の防止の」に改め、同条第一項に次のただし書を加える。
ただし、第三号ハに掲げる施設について同号に掲げる事項を定めるのは、当該施設の所有者又は管理者からの申出があつた場合に限る。
第十五条第一項第三号を次のように改める。
三 浸水想定区域内に次に掲げる施設がある場合にあつては、これらの施設の名称及び所在地
イ 地下街等(地下街その他地下に設けられた不特定かつ多数の者が利用する施設をいう。次条において同じ。)でその利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び洪水時の浸水の防止を図る必要があると認められるもの
ロ 要配慮者利用施設(主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に防災上の配慮を要する者が利用する施設をいう。第十五条の三において同じ。)でその利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図る必要があると認められるもの
ハ 大規模な工場その他の施設(イ又はロに掲げるものを除く。)であつて国土交通省令で定める基準を参酌して市町村の条例で定める用途及び規模に該当するもの(第十五条の四において「大規模工場等」という。)でその洪水時の浸水の防止を図る必要があると認められるもの
第十五条第二項を次のように改める。
2 市町村防災会議は、前項の規定により市町村地域防災計画において同項第三号に掲げる事項を定めるときは、当該市町村地域防災計画において、次の各号に掲げる施設の区分に応じ、当該各号に定める者への洪水予報等の伝達方法を定めるものとする。
一 前項第三号イに掲げる施設 当該施設の所有者又は管理者及び次条第七項に規定する自衛水防組織の構成員
二 前項第三号ロに掲げる施設 当該施設の所有者又は管理者(第十五条の三第一項の規定により自衛水防組織が置かれたときは、当該施設の所有者又は管理者及び当該自衛水防組織の構成員)
三 前項第三号ハに掲げる施設 当該施設の所有者又は管理者(第十五条の四第一項の規定により自衛水防組織が置かれたときは、当該施設の所有者又は管理者及び当該自衛水防組織の構成員)
第十五条中第三項を削り、第四項を第三項とし、第五項を削り、同条の次に次の四条を加える。
(地下街等の利用者の避難の確保及び浸水の防止のための措置に関する計画の作成等)
第十五条の二 前条第一項の規定により市町村地域防災計画にその名称及び所在地を定められた地下街等の所有者又は管理者は、単独で又は共同して、国土交通省令で定めるところにより、当該地下街等の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び洪水時の浸水の防止を図るために必要な訓練その他の措置に関する計画を作成しなければならない。
2 前項の地下街等の所有者又は管理者は、同項に規定する計画を作成したときは、遅滞なく、これを市町村長に報告するとともに、公表しなければならない。当該計画を変更したときも、同様とする。
3 市町村長は、第一項の地下街等の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び洪水時の浸水の防止を図るため必要があると認めるときは、前条第一項の規定により市町村地域防災計画にその名称及び所在地を定められた連続する二以上の地下街等の所有者又は管理者に対し、第一項に規定する計画を共同して作成するよう勧告をすることができる。
4 市町村長は、第一項の地下街等の所有者又は管理者が同項に規定する計画を作成していない場合において、当該地下街等の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び洪水時の浸水の防止を図るため必要があると認めるときは、当該地下街等の所有者又は管理者に対し、必要な指示をすることができる。
5 市町村長は、前項の規定による指示を受けた第一項の地下街等の所有者又は管理者が、正当な理由がなく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
6 第一項の地下街等の所有者又は管理者は、同項に規定する計画で定めるところにより、同項の地下街等の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び洪水時の浸水の防止のための訓練を行わなければならない。
7 第一項の地下街等の所有者又は管理者は、国土交通省令で定めるところにより、同項の地下街等の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び洪水時の浸水の防止を行う自衛水防組織を置かなければならない。
8 第一項の地下街等の所有者又は管理者は、前項の規定により自衛水防組織を置いたときは、遅滞なく、当該自衛水防組織の構成員その他の国土交通省令で定める事項を市町村長に報告しなければならない。当該事項を変更したときも、同様とする。
(要配慮者利用施設の利用者の避難の確保のための措置に関する計画の作成等)
第十五条の三 第十五条第一項の規定により市町村地域防災計画にその名称及び所在地を定められた要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、国土交通省令で定めるところにより、当該要配慮者利用施設の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な訓練その他の措置に関する計画を作成するとともに、当該計画で定めるところにより当該要配慮者利用施設の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保のための訓練を実施するほか、当該要配慮者利用施設の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を行う自衛水防組織を置くよう努めなければならない。
2 前項の要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、同項の規定による計画を作成し、又は自衛水防組織を置いたときは、遅滞なく、当該計画又は当該自衛水防組織の構成員その他の国土交通省令で定める事項を市町村長に報告しなければならない。当該計画又は当該事項を変更したときも、同様とする。
(大規模工場等における浸水の防止のための措置に関する計画の作成等)
第十五条の四 第十五条第一項の規定により市町村地域防災計画にその名称及び所在地を定められた大規模工場等の所有者又は管理者は、国土交通省令で定めるところにより、当該大規模工場等の洪水時の浸水の防止を図るために必要な訓練その他の措置に関する計画を作成するとともに、当該計画で定めるところにより当該大規模工場等の洪水時の浸水の防止のための訓練を実施するほか、当該大規模工場等の洪水時の浸水の防止を行う自衛水防組織を置くよう努めなければならない。
2 前項の大規模工場等の所有者又は管理者は、同項の規定による計画を作成し、又は自衛水防組織を置いたときは、遅滞なく、当該計画又は当該自衛水防組織の構成員その他の国土交通省令で定める事項を市町村長に報告しなければならない。当該計画又は当該事項を変更したときも、同様とする。
(市町村防災会議の協議会が設置されている場合の準用)
第十五条の五 第十五条から前条までの規定は、災害対策基本法第十七条第一項の規定により水災による被害の軽減を図るため市町村防災会議の協議会が設置されている場合について準用する。この場合において、第十五条第一項中「市町村防災会議(災害対策基本法第十六条第一項に規定する市町村防災会議をいい、これを設置しない市町村にあつては、当該市町村の長とする」とあるのは「市町村防災会議の協議会(災害対策基本法第十七条第一項に規定する市町村防災会議の協議会をいう」と、「市町村地域防災計画(同法第四十二条第一項に規定する市町村地域防災計画をいう」とあるのは「市町村相互間地域防災計画(同法第四十四条第一項に規定する市町村相互間地域防災計画をいう」と、同条第二項中「市町村防災会議」とあるのは「市町村防災会議の協議会」と、同項、同条第三項、第十五条の二第一項及び第三項、第十五条の三第一項並びに前条第一項中「市町村地域防災計画」とあるのは「市町村相互間地域防災計画」と読み替えるものとする。
第三十三条第四項中「第七条第二項」の下に「及び第三項」を加える。
第三十六条第一項中「、一般社団法人若しくは一般財団法人又は特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項の特定非営利活動法人であつて」を削り、「もの」を「法人その他これに準ずるものとして国土交通省令で定める団体」に改める。
第三十七条中第五号を第六号とし、第二号から第四号までを一号ずつ繰り下げ、第一号の次に次の一号を加える。
二 水防に必要な器具、資材又は設備を保管し、及び提供すること。
(河川法の一部改正)
第二条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十五条」を「第十五条の二」に、「第二十二条の二」を「第二十二条の三」に、「第三十七条」を「第三十七条の二」に、「第二章の二 河川立体区域(第五十八条の二―第五十八条の七)」を
第二章の二
河川立体区域(第五十八条の二―第五十八条の七)
第二章の三
河川協力団体(第五十八条の八―第五十八条の十二)
に改める。
第一条中「洪水」の下に「、津波」を加える。
第十三条第一項中「工作物」の下に「(以下「許可工作物」という。)」を加え、同条第二項中「第二十六条第一項の許可を受けて設置される工作物」を「許可工作物」に改める。
第十五条中「第二十三条」の下に「若しくは第二十四条」を加え、第二章第一節中同条の次に次の一条を加える。
(河川管理施設等の維持又は修繕)
第十五条の二 河川管理者又は許可工作物の管理者は、河川管理施設又は許可工作物を良好な状態に保つように維持し、修繕し、もつて公共の安全が保持されるように努めなければならない。
2 河川管理施設又は許可工作物の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、政令で定める。
3 前項の技術的基準は、河川管理施設又は許可工作物の修繕を効率的に行うための点検に関する基準を含むものでなければならない。
第二十二条第一項中「洪水」の下に「、津波」を加える。
第二十二条の二第六項中「前条第四項」を「第二十二条第四項」に改め、第二章第二節中同条を第二十二条の三とし、第二十二条の次に次の一条を加える。
(水防管理団体が行う水防への協力)
第二十二条の二 河川管理者は、水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)第七条第三項(同法第三十三条第四項において準用する場合を含む。)に規定する同意をした水防計画(同法第二条第五項に規定する水防計画をいう。以下この条において同じ。)に河川管理者の協力が必要な事項が定められたときは、当該水防計画に基づき水防管理団体(同法第二条第一項に規定する水防管理団体をいう。第三十七条の二において同じ。)が行う水防に協力するものとする。
第二十三条に次のただし書を加える。
ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用しようとする場合は、この限りでない。
第二十三条の次に次の三条を加える。
(流水の占用の登録)
第二十三条の二 前条の許可を受けた水利使用(流水の占用又は第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築若しくは改築をいう。以下同じ。)のために取水した流水その他これに類する流水として政令で定めるもののみを利用する発電のために河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の登録を受けなければならない。
(登録の実施)
第二十三条の三 河川管理者は、前条の登録の申請があつたときは、次条の規定により登録を拒否する場合を除き、政令で定める事項を第十二条第二項の水利台帳に登録しなければならない。
(登録の拒否)
第二十三条の四 河川管理者は、第二十三条の二の登録の申請が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
一 申請者がこの法律の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であるとき。
二 申請者が第七十五条第一項の規定により許可、登録又は承認の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者であるとき。
三 申請者が法人又は団体であつて、その役員が前二号のいずれかに該当する者であるとき。
四 第二十三条の許可を受けた水利使用のために取水した流水を利用する発電のために河川の流水を占用しようとする場合において、申請者と当該許可を受けた者とが異なるときは、当該申請者が当該申請に係る流水の占用について当該許可を受けた者の同意を得ていないとき。
五 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める場合に該当するとき。
第二十六条第三項中「第九十五条」を「第三十七条の二、第五十八条の十二、第九十五条若しくは第九十九条第二項」に改める。
第二十七条第四項中「前条第一項の許可を受けて設置された工作物」及び「当該工作物」を「許可工作物」に、「第九十五条」を「第五十八条の十二、第九十五条若しくは第九十九条第二項」に改め、同条第六項中「第九十五条」を「第五十八条の十二、第九十五条若しくは第九十九条第二項」に改める。
第三十二条第一項中「から第二十五条までの許可」を「、第二十四条若しくは第二十五条の許可又は第二十三条の二の登録」に改め、同条第四項中「から第二十五条までの許可」を「、第二十四条若しくは第二十五条の許可又は第二十三条の二の登録」に改め、「当該許可」の下に「又は登録」を加える。
第三十三条の見出し中「許可」を「許可等」に改め、同条第一項中「の第二十三条」の下に「若しくは第二十四条」を、「第二十七条までの許可」の下に「又は第二十三条の二の登録」を加え、「から第二十五条までの許可」を「、第二十四条若しくは第二十五条の許可若しくは第二十三条の二の登録」に改め、「による許可」の下に「又は登録」を加える。
第三十四条第一項中「から第二十五条までの許可」を「、第二十四条若しくは第二十五条の許可又は第二十三条の二の登録」に改め、同条第二項中「許可」の下に「又は登録」を加え、同条に次の一項を加える。
3 第二十三条の三及び第二十三条の四の規定は、第一項に規定する登録に係る同項の承認について準用する。
第三十五条第一項中「(流水の占用又は第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築若しくは改築をいう。以下同じ。)」を削り、「第二十三条」の下に「の許可」を、「の許可」の下に「(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。)」を、「前条第一項」の下に「に規定する許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する第二十四条の許可を除く。)に係る同項」を加える。
第三十六条第一項中「第二十三条」の下に「の許可」を、「の許可」の下に「(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。)」を、「第三十四条第一項」の下に「に規定する許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する第二十四条の許可を除く。)に係る同項」を加え、同条第二項及び第四項中「第二十三条」の下に「の許可」を、「の許可」の下に「(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。)」を加える。
第二章第三節第一款中第三十七条の次に次の一条を加える。
(土地の占用等に関する水防管理団体等の特例)
第三十七条の二 水防管理団体又は水防協力団体(水防法第三十六条第一項の規定により指定された水防協力団体をいう。以下この条において同じ。)が行う水防に必要な器具、資材又は設備を保管するための倉庫その他これに類する施設として国土交通省令で定めるものの設置についての第二十四条、第二十六条第一項及び第三十四条第一項(第二十四条の許可に係る部分に限る。)の規定の適用については、水防管理団体又は水防協力団体と河川管理者との協議が成立することをもつて、これらの規定による許可又は承認があつたものとみなす。
第三十八条中「関し第二十三条」の下に「の許可」を、「の許可」の下に「(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。)」を、「を第二十三条」の下に「及び第二十四条」を加え、「及び政令」を「並びに政令」に改める。
第四十一条の見出し中「許可」を「許可等」に改め、同条中「又は」を「若しくは」に改め、「の許可」の下に「又は第二十三条の二の登録」を、「関する許可」の下に「又は登録」を加える。
第二章の二の次に次の一章を加える。
第二章の三 河川協力団体
(河川協力団体の指定)
第五十八条の八 河川管理者は、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められる法人その他これに準ずるものとして国土交通省令で定める団体を、その申請により、河川協力団体として指定することができる。
2 河川管理者は、前項の規定による指定をしたときは、当該河川協力団体の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 河川協力団体は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を河川管理者に届け出なければならない。
4 河川管理者は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(河川協力団体の業務)
第五十八条の九 河川協力団体は、当該河川協力団体を指定した河川管理者が管理する河川について、次に掲げる業務を行うものとする。
一 河川管理者に協力して、河川工事又は河川の維持を行うこと。
二 河川の管理に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
三 河川の管理に関する調査研究を行うこと。
四 河川の管理に関する知識の普及及び啓発を行うこと。
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(監督等)
第五十八条の十 河川管理者は、前条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、河川協力団体に対し、その業務に関し報告をさせることができる。
2 河川管理者は、河川協力団体が前条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、河川協力団体に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
3 河川管理者は、河川協力団体が前項の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
4 河川管理者は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
(情報の提供等)
第五十八条の十一 国土交通大臣又は河川管理者は、河川協力団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導若しくは助言をするものとする。
(河川協力団体に対する河川管理者の許可等の特例)
第五十八条の十二 河川協力団体が第五十八条の九各号に掲げる業務として行う国土交通省令で定める行為についての第二十条、第二十四条、第二十五条後段、第二十六条第一項、第二十七条第一項及び第三十四条第一項(第二十四条及び第二十五条後段の許可に係る部分に限る。)の規定の適用については、河川協力団体と河川管理者との協議が成立することをもつて、これらの規定による許可又は承認があつたものとみなす。
第六十八条第一項中「及び第九十五条」を「並びに第三十七条の二、第五十八条の十二、第九十五条及び第九十九条第二項」に改める。
第七十五条第一項中「許可若しくは」を「許可、登録若しくは」に改め、同項第二号及び第三号中「許可」の下に「、登録」を加え、同条第二項中「による許可」の下に「、登録」を加え、同項第一号及び第二号中「又は承認」を「、登録若しくは承認」に改め、同項第三号中「洪水」の下に「、津波」を、「許可」の下に「、登録」を加える。
第七十六条第一項ただし書中「又は第二十六条第一項の許可」を「若しくは第二十六条第一項の許可又は第二十三条の二の登録」に改める。
第七十七条第一項中「第二十三条」の下に「、第二十三条の二、第二十四条」を加える。
第七十八条第一項中「許可」の下に「、登録」を加える。
第七十九条第二項第四号中「、第二十四条、第二十六条第一項」を削り、「による処分」の下に「若しくは第二十四条若しくは第二十六条第一項の規定による処分(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する処分を除く。)」を加える。
第七十九条の二中「洪水」の下に「、津波」を加える。
第八十七条中「により許可」の下に「若しくは登録」を、「による許可」の下に「又は登録」を加える。
第八十八条の見出し中「許可」を「許可等」に改め、同条中「第二十三条」の下に「若しくは第二十四条」を、「許可」の下に「又は第二十三条の二の登録」を加える。
第九十条中「許可」の下に「、登録」を加える。
第九十五条中「第二十三条」の下に「、第二十三条の二、第二十四条」を、「許可」の下に「、登録」を加える。
第九十九条の見出し中「地方公共団体」を「地方公共団体等」に改め、同条中「関係地方公共団体」の下に「又は当該事項を適正かつ確実に実施することができると認められる者として国土交通省令で定める要件に該当するもの(次項において「地方公共団体等」という。)」を加え、同条に次の一項を加える。
2 前項の規定により委託を受けた地方公共団体等が当該委託を受けた事項についての第二十条、第二十四条、第二十五条後段、第二十六条第一項、第二十七条第一項及び第三十四条第一項(第二十四条及び第二十五条後段の許可に係る部分に限る。)の規定の適用については、当該地方公共団体等と河川管理者との協議が成立することをもつて、これらの規定による許可又は承認があつたものとみなす。
第百条の三第一項第一号中「第十五条」の下に「、第十五条の二第一項」を加え、「第二十二条の二第六項」を「第二十二条の三第六項」に、「第二十二条の二第一項」を「第二十二条の二、第二十二条の三第一項」に、「第二十五条まで」を「第二十三条の三まで、第二十四条、第二十五条」に、「、第三十八条」を「から第三十八条まで」に改め、「第五十八条の六第一項及び第二項」の下に「、第五十八条の八第一項、第二項及び第四項、第五十八条の十から第五十八条の十二まで」を加え、「並びに第九十五条」を「、第九十五条並びに第九十九条第二項」に改める。
第百二条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第一号中「第二十三条」の下に「又は第二十三条の二」を加える。
第百三条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第一号中「第二十二条の二第四項」を「第二十二条の三第四項」に改める。
第百五条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第四号中「又は」を「若しくは」に改め、「許可」の下に「又は第二十三条の二の登録」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二条(河川法目次の改正規定(「第十五条」を「第十五条の二」に改める部分に限る。)、同法第十五条の改正規定、同法第二章第一節中同条の次に一条を加える改正規定、同法第二十三条の改正規定、同条の次に三条を加える改正規定、同法第三十二条の改正規定、同法第三十三条(見出しを含む。)の改正規定、同法第三十四条から第三十六条まで及び第三十八条の改正規定、同法第四十一条(見出しを含む。)の改正規定、同法第七十五条の改正規定(同条第二項第三号中「洪水」の下に「、津波」を加える部分を除く。)、同法第七十六条から第七十九条まで及び第八十七条の改正規定、同法第八十八条(見出しを含む。)の改正規定、同法第九十条及び第九十五条の改正規定、同法第百条の三第一項第一号の改正規定(「第十五条」の下に「、第十五条の二第一項」を加える部分及び「第二十五条まで」を「第二十三条の三まで、第二十四条、第二十五条」に改める部分に限る。)並びに同法第百二条及び第百五条の改正規定に限る。)並びに附則第三条、第七条(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)別表第一河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)の項第一号イの改正規定中「第十五条」の下に「、第十五条の二第一項」を加える部分及び「第二十五条まで」を「第二十三条の三まで、第二十四条、第二十五条」に改める部分に限る。)、第八条、第九条及び第十一条から第十五条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(水防法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の水防法第三十六条第一項の規定により指定されている水防協力団体は、第一条の規定による改正後の水防法(附則第六条において「新水防法」という。)第三十六条第一項の規定により指定された水防協力団体とみなす。
(河川法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 附則第一条ただし書に規定する規定の施行の際現に第二条の規定による改正前の河川法(次項において「旧河川法」という。)第二十三条の規定による許可であって、第二条の規定による改正後の河川法(以下この条及び附則第六条において「新河川法」という。)第二十三条の二の規定が適用される流水の占用に係るものは、同条の規定によりした登録とみなす。この場合において、新河川法第二十三条の三の規定は、適用しない。
2 附則第一条ただし書に規定する規定の施行の際現にされている旧河川法第二十三条の規定による許可の申請であって、新河川法第二十三条の二の規定が適用される流水の占用に係るものは、同条の規定によりした登録の申請とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第六条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新水防法及び新河川法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(地方自治法の一部改正)
第七条 地方自治法の一部を次のように改正する。
別表第一河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)の項第一号イ中「第十五条」の下に「、第十五条の二第一項」を加え、「第二十二条の二第六項」を「第二十二条の三第六項」に、「第二十二条の二第一項」を「第二十二条の二、第二十二条の三第一項」に、「第二十五条まで」を「第二十三条の三まで、第二十四条、第二十五条」に、「、第三十八条」を「から第三十八条まで」に改め、「第五十八条の六第一項及び第二項」の下に「、第五十八条の八第一項、第二項及び第四項、第五十八条の十から第五十八条の十二まで」を加え、「並びに第九十五条」を「、第九十五条並びに第九十九条第二項」に改める。
(自衛隊法の一部改正)
第八条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第百十五条の十七第一項中「から第二十五条まで」を「、第二十四条、第二十五条」に改め、「による許可」の下に「、登録」を加える。
(特定多目的ダム法の一部改正)
第九条 特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第三条中「許可」の下に「又は同法第二十三条の二の規定による流水の占用の登録」を加える。
第二十四条の前の見出し中「取消」を「取消し」に改め、同条中「許可」の下に「又は同法第二十三条の二の規定による登録」を加え、「取消」を「取消し」に改める。
第二十五条第一項中「許可」の下に「又は同法第二十三条の二の規定による登録」を加え、同条第二項中「許可」の下に「又は同法第二十三条の二の規定による登録」を加え、「見込」を「見込み」に、「取消」を「取消し」に改める。
(災害対策基本法の一部改正)
第十条 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)の一部を次のように改正する。
第四十一条第一号中「第四項」を「第五項」に改める。
(電気事業法の一部改正)
第十一条 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)の一部を次のように改正する。
第百三条第一項中「、第二十四条、第二十六条第一項又は第二十九条第二項の許可」を「若しくは第二十九条第二項の許可又は同法第二十四条若しくは第二十六条第一項の許可(同法第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用(同条に規定する水利使用をいう。第三項において同じ。)に関する許可を除く。)」に改め、同条第三項中「、第二十四条、第二十六条第一項又は第二十九条第二項の許可」を「若しくは第二十九条第二項の許可又は同法第二十四条若しくは第二十六条第一項の許可(同法第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。)」に改める。
(湖沼水質保全特別措置法の一部改正)
第十二条 湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第三十条第九項第四号中「から第二十五条まで」を「、第二十四条、第二十五条」に、「又は」を「若しくは」に改め、「許可」の下に「又は同法第二十三条の二(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の規定による登録」を加える。
(構造改革特別区域法の一部改正)
第十三条 構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「及び第二十八条から第三十三条まで」を「、第二十八条から第三十条まで、第三十二条及び第三十三条」に改める。
第三十一条を次のように改める。
第三十一条 削除
別表第二十一号中「協議会を活用した特定水力発電事業」を「削除」に改める。
(総合特別区域法の一部改正)
第十四条 総合特別区域法(平成二十三年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第四項中「第五十二条」を「第四十八条」に改める。
第四十九条から第五十二条までを次のように改める。
第四十九条から第五十二条まで 削除
別表第二の七の項中「特定水力発電事業」を「削除」に改める。
(東日本大震災復興特別区域法の一部改正)
第十五条 東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
第二条第四項中「第三十四条まで」を「第二十八条まで、第三十三条及び第三十四条」に、「及び政令」を「並びに政令」に改める。
第二十九条から第三十二条までを次のように改める。
第二十九条から第三十二条まで 削除
第四十八条第三項第十一号中「河川管理者」を「同法第七条(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)に規定する河川管理者(同法第九条第二項又は第五項の規定により都道県知事又は指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下この号及び第八十五条において同じ。)の長が河川法第九条第二項に規定する指定区間内の一級河川の管理の一部を行う場合にあっては、当該都道県知事又は当該指定都市の長)」に改める。
別表の十の項中「特定水力発電事業」を「削除」に改める。
内閣総理大臣 安倍晋三
総務大臣 新藤義孝
経済産業大臣 茂木敏充
国土交通大臣 太田昭宏
環境大臣 石原伸晃
防衛大臣 小野寺五典