第二百九十六条の二 市町村並びに特別市及び特別区は、条例で、財産区に財産区管理会を置くことができる。但し、市町村並びに特別市及び特別区の廃置分合又は境界変更の場合において、この法律又はこれに基く政令の定める財産処分に関する協議により財産区を設けるときは、その協議により当該財産区に財産区管理会を置くことができる。
財産区管理会は、財産区管理委員七人以内を以てこれを組織する。
財産区管理委員は、非常勤とし、その任期は、四年とする。
第二百九十五条の規定により財産区の議会又は総会を設ける場合においては、財産区管理会を置くことができない。
第二百九十六条の三 市町村長並びに特別市の市長及び特別区の区長は、財産区の財産又は営造物の管理及び処分で条例又は前条第一項但書に規定する協議で定める重要なものについては、財産区管理会の同意を得なければならない。
市町村長並びに特別市の市長及び特別区の区長は、財産区の財産又は営造物の管理に関する事務の全部又は一部を財産区管理会の同意を得て、財産区管理会又は財産区管理委員に委任することができる。
財産区管理会は、当該財産区の事務の処理について監査することができる。
第二百九十六条の四 前二条に定めるものを除く外、財産区管理委員の選任、財産区管理会の運営その他財産区管理会に関し必要な事項は、条例でこれを定める。但し、第二百九十六条の二第一項但書の規定により財産区管理会を置く場合においては、同項但書に規定する協議によりこれを定めることができる。
市町村長並びに特別市の市長及び特別区の区長は、財産区管理会の同意を得て、条例で第二百九十六条の二第一項但書に規定する協議の内容を変更することができる。
第二百九十六条の五 財産区は、その財産又は営造物の管理及び処分については、その住民の福祉を増進するとともに、財産区のある市町村又は特別市若しくは特別区の一体性をそこなわないように努めなければならない。
財産区は、その財産又は営造物の全部又は一部を財産区のある市町村又は特別市若しくは特別区の財産又は営造物とするために処分する場合を除く外、その財産又は営造物の全部又は一部の処分であつて、当該財産区の設置の趣旨を逸脱する虞のあるものとして政令で定める基準に反するものについては、予め都道府県知事の認可を受けなければこれをすることができない。
財産区のある市町村又は特別市若しくは特別区は、財産区と協議して、当該財産区の財産又は営造物から生ずる収入の全部又は一部を市町村又は特別市若しくは特別区の事務に要する経費の一部に充てることができる。この場合においては、当該市町村又は特別市若しくは特別区は、その充当した金額の限度において、財産区の住民に対して不均一の課税をし、又は使用料その他の徴収金について不均一の賦課をすることができる。
前項前段の協議をしようとするときは、財産区は、予めその議会若しくは総会の議決を経、又は財産区管理会の同意を得なければならない。
第三項後段の規定による不均一の課税又は賦課については、当該市町村又は特別市若しくは特別区は、予め都道府県知事の許可を受けなければならない。
第二百九十六条の六 都道府県知事は、必要があると認めるときは、財産区の事務の処理について、当該財産区のある市町村の市町村長、特別市の市長若しくは特別区の区長に報告をさせ、若しくは資料の提出を求め、又は監査することができる。
財産区の事務に関し、市町村、特別市若しくは特別区の長若しくは議会、財産区の議会若しくは総会又は財産区管理会の相互の間に紛争があるときは、都道府県知事は、当事者の申請に基き又は職権により、これを裁定することができる。
前項に規定するものを除く外、同項の裁定に関し必要な事項は、政令で定める。