漁港法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第106号
公布年月日: 昭和47年6月26日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

漁港は漁業生産の基盤であり水産物流通の拠点として、水産業の発達には不可欠である。近年、漁獲量の増大や漁船の大型化が進み、水産物流通の改善が求められており、漁港整備の促進が緊要となっている。また、漁港の水域・陸域・施設が有機的に結合して初めて十全の機能を発揮できることから、維持管理の適正化も求められている。これらの事情を踏まえ、特に公共性が高く事業規模の大きい特定第三種漁港の整備を促進するとともに、漁港の維持管理の一層の適正化を図るため、本法律案を提案するものである。

参照した発言:
第68回国会 衆議院 農林水産委員会 第3号

審議経過

第68回国会

参議院
(昭和47年3月10日)
衆議院
(昭和47年3月16日)
(昭和47年4月18日)
(昭和47年4月19日)
(昭和47年4月20日)
(昭和47年4月25日)
(昭和47年4月25日)
参議院
(昭和47年4月27日)
(昭和47年5月16日)
(昭和47年5月23日)
(昭和47年5月25日)
(昭和47年6月1日)
(昭和47年6月8日)
(昭和47年6月9日)
(昭和47年6月16日)
漁港法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十七年六月二十六日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百六号
漁港法の一部を改正する法律
漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三十九条」を「第三十九条の三」に改める。
第三条中「左に」を「次に」に改め、同条第一号イ中「外かく施設」を「外郭施設」に、「こう門」を「閘門」に改め、同号ロ中「けい留施設」を「係留施設」に、「けい船浮標、けい船くい、さん橋、浮さん橋」を「係船浮標、係船くい、桟橋、浮桟橋」に改め、同条第二号イ中「橋りよう」を「橋」に改める。
第六条中「左の通り」を「次のとおり」に、「辺すうの地」を「辺地」に改める。
第十九条の二第一項中「ものをいう」の下に「。以下同じ」を加え、「基いて」を「基づいて」に改める。
第二十条第二項中「左の」を「次の」に、「各々」を「それぞれ」に改め、「北海道にあつては百分の六十」の下に「(特定第三種漁港の外郭施設及び水域施設については、百分の七十)」を加え、「前条第一項の特定第三種漁港については、」を「特定第三種漁港の外郭施設及び水域施設については百分の七十、特定第三種漁港の係留施設については」に、「外かく施設」を「外郭施設」に、「けい留施設」を「係留施設」に改める。
第二十三条第三項中「基く」を「基づく」に、「基いて」を「基づいて」に、「しゆん功の見込」を「完了の見込み」に改める。
第二十四条の二中「しゆん功認定」を「事業完了の認定」に改める。
第三十九条第一項中「水域」の下に「又は公共空地」を、「建設」の下に「若しくは改良(水面又は土地の占用を伴うものを除く。)」を、「採取」の下に「、土地の掘削若しくは盛土」を、「又は水面」の下に「若しくは土地」を加え、「埋立」を「埋立て」に、「但し」を「ただし」に、「又は漁港管理規程によつてする場合には」を「若しくは漁港管理規程によつてする行為又は農林省令で定める軽易な行為については」に改め、同条第二項中「前項の建設、採取、放流、放棄又は占用」を「前項の許可の申請に係る行為」に改め、同条中第六項を削り、第五項を第八項とし、第四項を第七項とし、同条第三項中「同項の規定に違反して建設された工作物の除却その他」を「その行為の中止、その建設した工作物の改築、移転若しくは除却又は」に改め、同項を同条第六項とし、同条第二項の次に次の三項を加える。
3 農林大臣は、第一項の許可に漁港の保全上必要な条件を附することができる。
4 国の機関、日本専売公社、日本国有鉄道、日本電信電話公社又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)に規定する港務局を含む。)が、第一項の規定により許可を要する行為をしようとする場合には、あらかじめ農林大臣に協議することをもつて足りる。
5 農林大臣は、漁港の保全上必要があると認める場合には、次の各号の一に該当する者に対して、第一項の許可を取り消し、その効力を停止し、若しくはその条件を変更し、又はその行為の中止、すでに建設した工作物の改築、移転若しくは除却若しくは原状回復を命ずることができる。
一 第一項の規定による許可に附した条件に違反した者
二 偽りその他不正な手段により第一項の許可を受けた者
第三十九条に次の一項を加える。
9 第五項若しくは第六項の規定による改築、移転、除却若しくは原状回復又は前項の規定による施設に要する費用は、当該命令を受けた者の負担とする。
第五章中第三十九条の次に次の二条を加える。
(経過措置)
第三十九条の二 第五条第一項の規定による漁港の指定の際現に権原に基づき、前条第一項の規定により許可を要する行為を行なつている者は、従前と同様の条件により、当該行為について同項の規定により許可を受けたものとみなす。第五条第二項の規定による漁港の区域の変更の際現に権原に基づき、その変更に伴い新たに前条第一項の規定により許可を要することとなる行為を行なつている者についても、同様とする。
(土砂採取料及び占用料)
第三十九条の三 漁港管理者の長は、農林省令で定める基準に従い、漁港の区域内の水域(漁港管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地に係る水域を除く。)及び公共空地について第三十九条第一項の規定による採取又は占用の許可を受けた者から土砂採取料又は占用料を徴収することができる。ただし、同条第四項に規定する者については、この限りでない。
2 漁港管理者の長は、規則の定めるところにより、偽りその他不正の行為により前項の土砂採取料又は占用料の徴収を免れた者から、その徴収を免れた金額の五倍に相当する金額以下の過怠金を徴収することができる。
3 第一項の土砂採取料及び占用料並びに前項の過怠金は、当該漁港管理者の収入とする。
4 農林大臣は、第三十九条第一項の規定による採取又は占用の許可をしたときは、すみやかに、当該許可に係る事項を当該許可に係る漁港の漁港管理者の長に通知しなければならない。
第四十五条中「左の」を「次の」に改め、同条第四号中「建設、採取」を「建設、改良、採取、掘削、盛土」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行し、この法律による改正後の漁港法第二十条第二項の規定は、昭和四十七年度分の予算に係る国の負担金(昭和四十七年度に繰り越された昭和四十六年度の予算に係る国の負担金を除く。)から適用する。
(経過措置)
2 国以外の者が特定第三種漁港について施行する漁港修築事業に要する費用のうち外郭施設又は水域施設の修築に要するものに係る負担金で昭和四十六年度の予算に係るもの(昭和四十七年度以降に繰り越されたものを含む。)についての国の負担割合については、なお従前の例による。
3 この法律の施行の際現に権原に基づき、漁港の区域内の水域又は公共空地においてこの法律による改正後の漁港法第三十九条第一項の規定により新たに許可を要することとなる行為を行なつている者は、従前と同様の条件により、当該行為について同項の規定により許可を受けたものとみなす。
(地方自治法の一部改正)
4 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
附則第六条の五に次の一号を加える。
四 漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)第三十五条又は第三十九条の三の規定により徴収すべき漁港の利用の対価、土砂採取料、占用料及び過怠金
農林大臣 赤城宗徳
自治大臣 渡海元三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作