(借受けを希望する者の募集等)
第十七条 農地中間管理機構は、農林水産省令で定めるところにより、定期的に、農林水産省令で定める基準に従い農地中間管理機構が定める区域ごとに、当該区域に存する農用地等について借受けを希望する者を募集するものとする。
2 農地中間管理機構は、農林水産省令で定めるところにより、前項の規定による募集に応募した者及びその応募の内容に関する情報を整理し、これを公表するものとする。
(農用地利用配分計画)
第十八条 農地中間管理機構は、農地中間管理権を有する農用地等について賃借権又は使用貸借による権利の設定又は移転(以下この条及び第二十一条第一項において「賃借権の設定等」という。)を行おうとするときは、農林水産省令で定めるところにより、農用地利用配分計画を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 農用地利用配分計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 賃借権の設定等を受ける者の氏名又は名称及び住所
二 前号に規定する者が賃借権の設定等を受ける土地の所在、地番、地目及び面積
三 前号に規定する土地について現に農地中間管理機構から賃借権又は使用貸借による権利の設定を受けている者がある場合には、その者の氏名又は名称及び住所
四 第一号に規定する者が設定又は移転を受ける権利が賃借権又は使用貸借による権利のいずれであるかの別、当該権利の内容(土地の利用目的を含む。)、始期又は移転の時期、存続期間又は残存期間並びに当該権利が賃借権である場合にあっては借賃及びその支払の方法
五 第一号に規定する者が第二十一条第二項各号のいずれかに該当する場合に賃貸借又は使用貸借の解除をする旨の条件
3 都道府県知事は、第一項の認可の申請があったときは、農林水産省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該農用地利用配分計画を当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。この場合において、利害関係人は、当該縦覧期間満了の日までに、当該農用地利用配分計画について、都道府県知事に意見書を提出することができる。
4 都道府県知事は、第一項の認可の申請があった場合において、当該申請に係る農用地利用配分計画が次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。
一 農用地利用配分計画の内容が、基本方針及び農地中間管理事業規程に適合するものであること。
二 第二項第一号に規定する者が、前条第二項の規定により公表されている者であること。
三 第二項第一号に規定する者が、賃借権の設定等を受けた後において、次に掲げる要件の全て(農業生産法人(農地法第二条第三項に規定する農業生産法人をいう。次号において同じ。)及び次号に規定する者にあっては、イに掲げる要件)を備えることとなること。ただし、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十一条の三十一第一項第一号に掲げる場合において農業協同組合又は農業協同組合連合会が賃借権の設定等を受けるとき、その他政令で定める場合には、この限りでない。
イ 耕作又は養畜の事業に供すべき農用地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められること。
ロ 耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められること。
四 第二項第一号に規定する者が賃借権の設定等を受けた後において行う耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない者(農業生産法人、農業協同組合、農業協同組合連合会その他政令で定める者を除く。)である場合には、次に掲げる要件の全てを備えること。
イ その者が地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。
ロ その者が法人である場合には、その法人の役員のうち一人以上の者がその法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められること。
五 第二項第二号に規定する土地ごとに、同項第一号に規定する者(同項第三号に規定する者がある場合には、その者及び同項第一号に規定する者)の同意が得られていること。
5 都道府県知事は、第一項の認可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を、関係農業委員会に通知するとともに、公告しなければならない。
6 前項の規定による公告があったときは、その公告があった農用地利用配分計画の定めるところによって賃借権又は使用貸借による権利が設定され、又は移転する。
7 農地中間管理機構は、この節で定めるところにより農地中間管理権(第二条第五項第一号に係るものに限る。)を有する農用地等の貸付けを行う場合には、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百九十四条第二項又は第六百十二条第一項の規定にかかわらず、貸主又は賃貸人の承諾を得ることを要しない。
(計画案の提出等の協力)
第十九条 農地中間管理機構は、農用地利用配分計画を定める場合には、市町村に対し、農用地等の保有及び利用に関する情報の提供その他必要な協力を求めるものとする。
2 農地中間管理機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、市町村に対し、その区域に存する農用地等(農地中間管理機構が農地中間管理権を有するものに限る。)について、前条第一項及び第二項の規定の例により、同条第四項各号のいずれにも該当する農用地利用配分計画の案を作成し、農地中間管理機構に提出するよう求めることができる。
3 市町村は、前二項の規定による協力を行う場合において必要があると認めるときは、農業委員会の意見を聴くものとする。
(農地中間管理権の設定又は移転に係る契約等の解除)
第二十条 農地中間管理機構は、その有する農地中間管理権に係る農用地等が次の各号のいずれかに該当するときは、都道府県知事の承認を受けて、当該農地中間管理権の設定若しくは移転に係る契約又は農業経営基盤強化促進法第十九条の規定による公告があった農用地利用集積計画の定めるところによって設定若しくは移転された農地中間管理権に係る賃貸借若しくは使用貸借の解除をすることができる。
一 相当の期間を経過してもなお当該農用地等の貸付けを行うことができる見込みがないと認められるとき。
二 災害その他の事由により農用地等としての利用を継続することが著しく困難となったとき。
(農用地等の利用状況の報告等)
第二十一条 第十八条第五項の規定による公告があった農用地利用配分計画の定めるところにより賃借権の設定等を受けた者は、農林水産省令で定めるところにより、毎年、当該賃借権の設定等を受けた農用地等の利用の状況について、農地中間管理機構に報告しなければならない。
2 農地中間管理機構は、前項に規定する者が次の各号のいずれかに該当するときは、都道府県知事の承認を受けて、同項に規定する農用地等に係る賃貸借又は使用貸借の解除をすることができる。
一 当該農用地等を適正に利用していないと認めるとき。
二 正当な理由がなくて前項の規定による報告をしないとき。
(業務の委託)
第二十二条 農地中間管理機構は、農用地利用配分計画の決定その他農林水産省令で定める農地中間管理事業に係る業務を他の者に委託してはならない。
2 農地中間管理機構は、農地中間管理事業に係る業務(前項に規定する業務を除く。)の一部を他の者に委託しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事の承認を受けなければならない。
3 前二項の規定は、第十九条第一項又は第二項の規定による協力の求めには、適用しない。