(目的)
第二十條 公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄與することを目的とする。
(公民館の設置者)
2 前項の場合を除く外、公民館は、公民館設置の目的をもつて民法第三十四條の規定により設立する法人(この章中以下「法人」という。)でなければ設置することができない。
(公民館の事業)
第二十二條 公民館は、第二十條の目的達成のために、おおむね、左の事業を行う。但し、この法律及び他の法令によつて禁じられたものは、この限りでない。
二 討論会、講習会、講演会、実習会、展示会等を開催すること。
三 図書、記録、模型、資料等を備え、その利用を図ること。
四 体育、レクリエーション等に関する集会を開催すること。
六 その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。
(公民館の運営方針)
第二十三條 公民館は、次の行爲を行つてはならない。
一 もつぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事務に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。
二 特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。
2 市町村の設置する公民館は、特定の宗教を支持し、又は特定の教派、宗派若しくは教團を支援してはならない。
(公民館の設置)
第二十四條 市町村が公民館を設置しようとするときは、條例で、公民館の設置及び管理に関する事項を定めなければならない。
2 前項の條例については、第十八條第二項の規定を準用する。
第二十五條 市町村が公民館を設置、又は廃止したときは、その旨を都道府縣の教育委員会に報告しなければならない。
2 前項の報告に必要な事項は、都道府縣の教育委員会規則で定める。
第二十六條 法人の設置する公民館の設置及び廃止並びに設置者の変更は、あらかじめ、都道府縣の教育委員会に届け出なければならない。
2 前項の届出に必要な事項は、都道府縣の教育委員会規則で定める。
(公民館の職員)
第二十七條 公民館に館長を置き、その他必要な職員を置くことができる。
2 館長は、公民館の行う各種の事業の企画実施その他必要な事務を行い、所属職員を監督する。
第二十八條 市町村の設置する公民館の館長その他必要な職員は、教育長の推薦により、当該市町村の教育委員会が任命する。
2 前項の規定による館長の任命に関しては、市町村の教育委員会は、あらかじめ、第二十九條に規定する公民館運営審議会の意見を聞かなければならない。
(公民館運営審議会)
2 公民館運営審議会は、館長の諮問に應じ、公民館における各種の事業の企画実施につき調査審議するものとする。
第三十條 市町村の設置する公民館にあつては、公民館運営審議会の委員は、左の各号に掲げる者のうちから、市町村の教育委員会が委嘱する。
二 当該市町村の区域内に事務所を有する教育、学術、文化、産業、労働、社会事業等に関する團体又は機関で、第二十條の目的達成に協力するものを代表する者
2 前項第二号に掲げる委員の委嘱は、それぞれの團体又は機関において選挙その他の方法により推薦された者について行うものとする。
3 第一項第三号に掲げる委員には、市町村の長若しくはその補助機関たる職員又は市町村議会の議員を委嘱することができる。
4 第一項の公民館運営審議会の委員の定数、任期その他必要な事項は、市町村の條例で定める。
5 前項の條例については、第十八條第二項の規定を準用する。
第三十一條 法人の設置する公民館にあつては、公民館運営審議会の委員は、その役員をもつて充てるものとする。
第三十二條 第十九條の規定は、市町村の設置する公民館の公民館運営審議会の委員に準用する。
(特別基本財産)
第三十三條 公民館を設置する市町村にあつては、公民館の維持運営のために、特別の基本財産又は積立金を設けることができる。
(特別会計)
第三十四條 公民館を設置する市町村にあつては、公民館の維持運営のために、特別会計を設けることができる。
2 前項の規定による特別会計の設置に関する議案については、第十八條第二項の規定を準用する。
(公民館の補助その他の援助)
第三十五條 國庫は、公民館を設置する市町村に対し、予算の定めるところに從い、その運営に要する経費の補助その他必要な援助を行う。
第三十六條 前條の規定により國庫が補助する場合の補助金の交付は、公民館を設置する市町村の左の各号の経費の前年度における精算額を基準として行うものとする。
三 公民館に備え付ける図書その他の教養設備に要する経費
2 前項各号の経費の範囲その他補助金の交付に関し必要な事項は、政令で定める。
第三十七條 都道府縣が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十一條の規定により、公民館の運営に要する経費を補助する場合において、文部大臣は、政令の定めるところにより、その補助金の額、補助の比率、補助の方法その他必要な事項につき報告を求めることができる。
第三十八條 國庫の補助を受けた市町村は、左に掲げる場合においては、その受けた補助金を國庫に返還しなければならない。
一 公民館がこの法律若しくはこの法律に基く命令又はこれらに基いてした処分に違反したとき。
二 公民館がその事業の全部若しくは一部を廃止し、又は第二十條に掲げる目的以外の用途に利用されるようになつたとき。
(公民館の指導)
第三十九條 文部大臣及び都道府縣の教育委員会は、公民館の運営その他に関し、その求めに應じて、必要な指導及び助言を與えることができる。
(公民館の事業又は行爲の停止)
第四十條 公民館が第二十三條の規定に違反する行爲を行つたときは、都道府縣の教育委員会は、その事業又は行爲の停止を命ずることができる。
(罰則)
第四十一條 前條の規定による公民館の事業又は行爲の停止命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは禁こ又は三万円以下の罰金に処する。
(公民館類似施設)
第四十二條 公民館に類似する施設は、何人もこれを設置することができる。
2 前項の施設の運営その他に関しては、第三十九條の規定を準用する。