自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第四十七号
公布年月日: 平成21年6月3日
法令の形式: 法律
自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十一年六月三日
内閣総理大臣 麻生太郎
法律第四十七号
自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律
(自然公園法の一部改正)
第一条 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。
目次中
第二節
公園計画及び公園事業(第七条―第十二条)
第三節
保護及び利用(第十三条―第三十条)
第四節
風景地保護協定(第三十一条―第三十六条)
第五節
公園管理団体(第三十七条―第四十二条)
第六節
費用(第四十三条―第四十九条)
第七節
雑則(第五十条―第五十八条)
第二節
公園計画(第七条・第八条)
第三節
公園事業(第九条―第十九条)
第四節
保護及び利用(第二十条―第三十七条)
第五節
生態系維持回復事業(第三十八条―第四十二条)
第六節
風景地保護協定(第四十三条―第四十八条)
第七節
公園管理団体(第四十九条―第五十四条)
第八節
費用(第五十五条―第六十一条)
第九節
雑則(第六十二条―第七十一条)
に、「第五十九条―第六十八条」を「第七十二条―第八十一条」に、「第六十九条―第七十六条」を「第八十二条―第九十条」に改める。
第一条中「図り、もつて」を「図ることにより、」に改め、「資する」の下に「とともに、生物の多様性の確保に寄与する」を加える。
第二条第二号中「海中」を「海域」に、「第二章第四節及び第六十一条」を「次章第六節及び第七十四条」に改め、同条第四号中「第五十九条」を「第七十二条」に改め、同条第五号中「施設」を「事業」に改め、同条に次の一号を加える。
七 生態系維持回復事業 公園計画に基づいて行う事業であつて、国立公園又は国定公園における生態系の維持又は回復を図るものをいう。
「第二節 公園計画及び公園事業」を「第二節 公園計画」に改める。
第七条の見出し中「及び公園事業」を削り、同条第二項を削り、同条第三項を同条第二項とし、同条第四項を削り、同条第五項中「又は公園事業」を削り、「公示しなければ」を「官報で公示し、かつ、その公園計画を一般の閲覧に供しなければ」に改め、同項を同条第三項とし、同条第六項を削る。
第八条の見出し中「及び公園事業」を削り、同条第二項を削り、同条第三項を同条第二項とし、同条第四項中「前条第五項の規定は」を「前条第三項の規定は、」に改め、「又は公園事業」及び「、同条第六項の規定は都道府県知事が公園事業を廃止し、又は変更したときについて」を削り、同項を同条第三項とする。
第七十六条中「第六十条、第六十二条又は第六十三条」を「第七十三条、第七十五条又は第七十六条」に、「前各条」を「第八十二条から第八十七条まで及び前条」に改め、「刑」の下に「又は過料」を加え、同条を第九十条とする。
第七十五条中「第十六条第六項」を「第二十四条第六項(同条第八項において準用する場合を含む。)」に改め、同条を第八十九条とする。
第七十四条中「第六十九条、第七十条、第七十二条」を「第八十二条、第八十三条、第八十五条」に改め、同条を第八十七条とし、同条の次に次の一条を加える。
第八十八条 第十条第九項、第十三条又は第十四条第二項(これらの規定を第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者(第十条第三項又は第十六条第三項の認可を受けた者に限る。)は、二十万円以下の過料に処する。
第七十三条第十号中「第五十条第五項」を「第六十二条第五項」に改め、同号を同条第十一号とし、同条第九号中「海中公園地区」を「海域公園地区」に、「第三十条第二項」を「第三十七条第二項」に改め、同号を同条第十号とし、同条第八号中「海中公園地区」を「海域公園地区」に、「第三十条第一項第一号」を「第三十七条第一項第一号」に改め、同号を同条第九号とし、同条第七号中「第二十八条第二項」を「第三十五条第二項」に改め、同号を同条第八号とし、同条第六号中「第二十八条第一項」を「第三十五条第一項」に改め、同号を同条第七号とし、同条第五号中「第二十六条第五項」を「第三十三条第五項」に改め、同号を同条第六号とし、同条第四号中「第二十六条第一項の規定による」を「第三十三条第一項の規定に違反して、」に改め、同号を同条第五号とし、同条第三号中「第二十二条第一項に規定する」を「第三十条第一項の規定による」に改め、同号を同条第四号とし、同条第二号中「第十九条第四項」を「第二十七条第四項」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号中「第十六条第五項」を「第二十四条第五項(同条第八項において準用する場合を含む。)」に改め、同号を同条第二号とし、同号の前に次の一号を加える。
一 第十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第七十三条を第八十六条とする。
第七十二条中「第二十六条第二項又は第四十条」を「第十一条(第十六条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条第二項又は第五十二条」に改め、同条を第八十五条とする。
第七十一条中「第二十条第一項」を「第二十八条第一項」に改め、同条を第八十四条とする。
第七十条第三号中「第二十五条」を「第三十二条」に、「付せられた」を「付された」に改め、同号を同条第五号とし、同条第二号中「第十六条第一項」を「第二十四条第一項又は第七項」に改め、同号を同条第四号とし、同条第一号中「第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項又は第二十四条第三項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項又は第二十三条第三項」に改め、同号を同条第三号とし、同号の前に次の二号を加える。
一 第十条第六項(第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、第十条第四項各号(第十六条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を変更した者(第十条第三項又は第十六条第三項の認可を受けた者に限る。)
二 第十条第十項(第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定により認可に付された条件に違反した者
第七十条を第八十三条とする。
第六十九条中「第二十七条第一項」を「第十五条第一項(第十六条第四項において準用する場合を含む。)又は第三十四条第一項」に改め、同条を第八十二条とする。
第三章中第六十八条を第八十一条とし、第六十七条を第八十条とする。
第六十六条第二項中「第六十条第一項」を「第七十三条第一項」に、「第五十六条」を「第六十八条」に改め、同条を第七十九条とする。
第六十五条中「第六十条第一項」を「第七十三条第一項」に、「第五十一条第一項後段」を「第六十三条第一項後段」に改め、同条を第七十八条とする。
第六十四条中「第六十条第一項」を「第七十三条第一項」に改め、同条を第七十七条とする。
第六十三条中「第五十条」を「第六十二条」に改め、同条を第七十六条とする。
第六十二条中「前章第五節」を「前章第七節」に改め、同条を第七十五条とする。
第六十一条中「前章第四節」を「前章第六節」に改め、同条を第七十四条とする。
第六十条第一項中「前章第三節」を「前章第四節」に改め、同条第二項中「第十七条から第二十三条まで」を「第二十五条から第三十一条まで」に改め、同条第三項中「第三十条」を「第三十七条」に改め、同条を第七十三条とし、第五十九条を第七十二条とする。
第二章第七節中第五十八条を第七十一条とする。
第五十七条中「第十三条第一項」を「第二十条第一項」に、「第十四条第一項」を「第二十一条第一項」に、「第二十四条第一項」を「第二十二条第一項」に、「第五十五条第二項」を「第六十七条第二項」に改め、同条を第七十条とし、第五十六条の二を第六十九条とする。
第五十六条第一項中「第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号又は第二十四条第三項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項又は第二十三条第三項第七号」に、「当該」を「、当該」に改め、同条第三項中「第十三条第六項から第八項まで、第十四条第六項若しくは第七項、第二十四条第六項若しくは第七項又は第二十六条第一項」を「第二十条第六項後段、第七項若しくは第八項、第二十一条第六項後段若しくは第七項、第二十二条第六項後段若しくは第七項又は第三十三条第一項」に改め、同条第四項中「第二十六条第一項」を「第三十三条第一項」に改め、同条を第六十八条とする。
第五十五条第一項中「利用調整地区若しくは海中公園地区」を「海域公園地区若しくは利用調整地区」に改め、同条第二項中「利用調整地区又は海中公園地区」を「海域公園地区又は利用調整地区」に改め、同条第三項中「第九条第一項」を「第十条第一項」に、「国立公園に関する公園事業」を「国立公園事業」に改め、同条第四項中「第十条第一項ただし書」を「第十六条第一項ただし書」に、「国定公園に関する公園事業」を「国定公園事業」に改め、同条を第六十七条とし、第五十四条を第六十六条とし、第五十三条を第六十五条とする。
第五十二条第一項中「第十三条第三項、第十四条第三項若しくは第二十四条第三項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項若しくは第二十二条第三項」に、「第二十五条」を「第三十二条」に、「付せられたため、又は第二十六条第二項」を「付されたため、又は第三十三条第二項」に改め、同条第四項及び第五項中「第五十条第一項」を「第六十二条第一項」に改め、同条を第六十四条とする。
第五十一条第一項中「第十三条第三項、第十四条第三項、第二十四条第三項又は第二十六条第二項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項又は第三十三条第二項」に改め、同条を第六十三条とする。
第五十条第四項中「関係者の請求があるときは、これを」を「関係者に」に改め、同条を第六十二条とする。
第二章第七節を同章第九節とする。
第二章第六節中第四十九条を第六十一条とし、第四十六条から第四十八条までを十二条ずつ繰り下げる。
第四十五条第一項中「国立公園に関する公園事業」を「国立公園事業」に、「当該公園事業」を「当該国立公園事業」に改め、同条第二項中「公園事業」を「国立公園事業」に改め、同条を第五十七条とし、第四十四条を第五十六条とし、第四十三条を第五十五条とする。
第二章第六節を同章第八節とする。
第二章第五節中第四十二条を第五十四条とし、第三十七条から第四十一条までを十二条ずつ繰り下げる。
第二章第五節を同章第七節とする。
第三十六条中「第三十四条」を「第四十六条」に改め、第二章第四節中同条を第四十八条とする。
第三十五条中「第三十一条第二項」を「第四十三条第二項」に改め、同条を第四十七条とし、第三十四条を第四十六条とする。
第三十三条中「第三十一条第五項」を「第四十三条第五項」に改め、同条第二号中「第三十一条第三項各号」を「第四十三条第三項各号」に改め、同条を第四十五条とし、第三十二条を第四十四条とする。
第三十一条第一項中「第三十七条第一項」を「第四十九条第一項」に、「第三十八条第一号」を「第五十条第一号」に、「海面」を「海域」に改め、同条を第四十三条とする。
第二章第四節を同章第六節とする。
第三十条第一項及び第二項中「海中公園地区」を「海域公園地区」に改め、同条第三項中「関係者の請求があるときは、これを」を「関係者に」に改め、第二章第三節中同条を第三十七条とし、第二十九条を第三十六条とする。
第二十八条の見出し中「報告の徴収」を「報告徴収」に改め、同条第一項中「第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号若しくは第二十四条第三項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項若しくは第二十三条第三項第七号」に、「第二十六条第二項」を「第三十三条第二項」に改め、同条第二項中「第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号、第二十四条第三項、第二十六条第二項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項、第二十三条第三項第七号、第三十三条第二項」に、「当該職員をして」を「その職員に」に、「立ち入らせ、又は第十三条第三項各号、第十四条第三項各号、第十五条第三項第六号、第二十四条第三項各号若しくは第二十六条第一項各号」を「立ち入り、第二十条第三項各号、第二十一条第三項各号、第二十二条第三項各号、第二十三条第三項第七号若しくは第三十三条第一項各号」に改め、同条第三項中「に規定する」を「の規定による立入検査又は立入調査をする」に、「関係者の請求があるときは、これを」を「関係者に」に改め、同条を第三十五条とする。
第二十七条第一項中「第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項若しくは第二十四条第三項の規定、第二十五条」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項若しくは第二十三条第三項の規定、第三十二条」に、「付せられた」を「付された」に改め、同条第二項中「以下」の下に「この条において」を加え、同条第三項中「関係者の請求があるときは、これを」を「関係者に」に改め、同条を第三十四条とする。
第二十六条第一項中「海中公園地区」を「海域公園地区」に、「海面」を「海域」に改め、同条第七項第五号を同項第六号とし、同項第四号中「海中公園地区」を「海域公園地区」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「第三十一条第一項」を「第四十三条第一項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 認定生態系維持回復事業等として行う行為
第二十六条を第三十三条とする。
第二十五条中「第十三条第三項、第十四条第三項、第十五条第三項第六号及び前条第三項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項及び第二十三条第三項第七号」に改め、同条を第三十二条とする。
第二十四条を削る。
第二十三条第一項中「第十六条第一項」を「第二十四条第一項若しくは第七項」に改め、「同条第五項」の下に「(同条第八項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第二項中「第十六条第一項」を「第二十四条第一項若しくは第七項」に改め、「同条第五項」の下に「(同条第八項において準用する場合を含む。)」を加え、「第十七条」を「第二十五条」に改め、同条を第三十一条とする。
第二十二条第一項中「第十六条から第二十三条まで」を「第二十四条から次条まで」に改め、同条を第三十条とする。
第二十一条第一項中「第十六条から第二十三条まで」を「第二十四条から第三十一条まで」に改め、同条第二項中「第十七条第三項各号」を「第二十五条第三項各号」に改め、同条第三項中「第十九条」を「第二十七条」に改め、同条第四項中「第十七条第五項」を「第二十五条第五項」に改め、同条を第二十九条とし、第二十条を第二十八条とする。
第十九条第六項中「第二十一条第二項」を「第二十九条第二項」に改め、同条を第二十七条とし、第十八条を第二十六条とする。
第十七条第二項中「第二十一条」を「この条から第二十九条」に改め、同条第三項第四号中「第二十一条第二項」を「第二十九条第二項」に改め、同条第六項中「同条第一項」の下に「及び第七項」を、「第五項」及び「第四項」の下に「(これらの規定を同条第八項において準用する場合を含む。)」を加え、同条を第二十五条とする。
第十六条第一項に次のただし書を加える。
ただし、第七項の認定を受けて立ち入る場合は、この限りでない。
第十六条に次の二項を加える。
7 国立公園又は国定公園の利用者であつて環境省令で定める要件に適合する者は、その監督の下に、他の利用者を利用調整地区の区域内へ前条第三項に規定する期間内に立ち入らせようとするときは、その者及びその者の監督の下に立ち入る者の立入りが第一項各号のいずれにも適合していることについて、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認定を受けることができる。
8 第二項から第六項までの規定は、前項の認定について準用する。この場合において、第五項中「亡失し」とあるのは「その者若しくはその者の監督の下に立ち入る者が亡失し」と、第六項中「受けた者」とあるのは「受けた者及びその者の監督の下に立ち入る者」と読み替えるものとする。
第十六条を第二十四条とする。
第十五条第一項中「特別地域」の下に「又は海域公園地区」を加え、同条第三項中「次条第一項」の下に「又は第七項」を加え、同項第一号中「第十三条第三項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項」に、「第五十六条第一項後段」を「第六十八条第一項後段」に、「第十三条第六項」を「第二十条第六項後段」に、「若しくは前条第六項」を「、第二十一条第六項後段若しくは前条第六項後段」に、「第五十六条第三項」を「第六十八条第三項」に改め、同項第六号を同項第七号とし、同項第五号を同項第六号とし、同項第四号中「第三十一条第一項」を「第四十三条第一項」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号の次に次の一号を加える。
四 認定生態系維持回復事業等を行うために立ち入る場合
第十五条を第二十三条とする。
第十四条第三項ただし書中「当該特別保護地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為(前条第三項第五号に掲げる行為を除く。)若しくは同号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為又は」を削り、同項第一号中「から第六号まで、第八号、第九号、第十二号及び第十三号」を「、第二号、第四号から第七号まで、第九号、第十号、第十五号及び第十六号」に改め、同項第四号を次のように改める。
四 動物を放つこと(家畜の放牧を含む。)。
第十四条第三項中第十号を第十一号とし、第九号を第十号とし、第八号を第九号とし、第七号の次に次の一号を加える。
八 木竹以外の植物を植栽し、又は植物の種子をまくこと。
第十四条第六項中「特別保護地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際当該特別保護地区内において第三項各号に掲げる行為(前条第三項第五号に掲げる行為を除く。)又は同条第三項第五号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際同号に規定する区域内において同号に掲げる」を「第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該」に、「その指定又は区域の拡張の」を「同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。この場合において、その者は、その規制されることとなつた」に改め、同条第八項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「第三十一条第一項」を「第四十三条第一項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 認定生態系維持回復事業等として行う行為
第十四条を第二十一条とし、同条の次に次の一条を加える。
(海域公園地区)
第二十二条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の海域の景観を維持するため、公園計画に基づいて、その区域の海域内に、海域公園地区を指定することができる。
2 第五条第三項及び第四項の規定は、海域公園地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。この場合において、同条第三項中「環境大臣」とあるのは「環境大臣又は都道府県知事」と、「官報」とあるのは「それぞれ官報又は都道府県の公報」と読み替えるものとする。
3 海域公園地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為又は第一号、第四号、第五号及び第七号に掲げる行為で漁具の設置その他漁業を行うために必要とされるものは、この限りでない。
一 第二十条第三項第一号、第四号及び第七号に掲げる行為
二 環境大臣が指定する区域内において、熱帯魚、さんご、海藻その他の動植物で、当該区域ごとに環境大臣が農林水産大臣の同意を得て指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は採取し、若しくは損傷すること。
三 海面を埋め立て、又は干拓すること。
四 海底の形状を変更すること。
五 物を係留すること。
六 汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
七 環境大臣が指定する区域内において当該区域ごとに指定する期間内に動力船を使用すること。
八 前各号に掲げるもののほか、海域公園地区における景観の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
4 環境大臣又は都道府県知事は、前項各号に掲げる行為で環境省令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
5 都道府県知事は、国定公園について第三項の許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が当該国定公園の海域の景観に及ぼす影響その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議し、その同意を得なければならない。
6 第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該行為に着手している者は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。この場合において、その者は、その規制されることとなつた日から起算して三月以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
7 海域公園地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
8 次に掲げる行為については、第三項及び前二項の規定は、適用しない。
一 公園事業の執行として行う行為
二 認定生態系維持回復事業等として行う行為
三 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、環境省令で定めるもの
第十三条第一項中「海面」を「海域」に改め、同条第三項ただし書中「当該特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為(第五号に掲げる行為を除く。)若しくは同号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為若しくは第七号に規定する物が指定された際既に着手していた同号に掲げる行為又は」を削り、「行う行為」の下に「又は第三号に掲げる行為で森林の整備及び保全を図るために行うもの」を加え、同項第十五号を同項第十八号とし、同項第十二号から第十四号までを三号ずつ繰り下げ、同項第十一号中「(以下この号において「指定動物」という。)」を削り、「指定動物の」を「当該動物の」に改め、同号を同項第十三号とし、同号の次に次の一号を加える。
十四 環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生息地でない動物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを放つこと(当該指定する動物が家畜である場合における当該家畜である動物の放牧を含む。)。
第十三条第三項第十号を同項第十一号とし、同号の次に次の一号を加える。
十二 環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生育地でない植物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを植栽し、又は当該植物の種子をまくこと。
第十三条第三項中第九号を第十号とし、第三号から第八号までを一号ずつ繰り下げ、第二号の次に次の一号を加える。
三 環境大臣が指定する区域内において木竹を損傷すること。
第十三条第六項中「特別地域が指定され、若しくはその区域が拡張された際当該特別地域内において第三項各号に掲げる行為(同項第五号に掲げる行為を除く。)又は同項第五号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際同号に規定する区域内において同号に掲げる行為若しくは同項第七号に規定する物が指定された際同号に掲げる」を「第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該」に、「その指定又は区域の拡張の」を「同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。この場合において、その者は、その規制されることとなつた」に改め、同条第八項中「木竹を植栽し、又は家畜を放牧しようと」を「木竹の植栽又は家畜の放牧(第三項第十二号又は第十四号に掲げる行為に該当するものを除く。)をしようと」に改め、同条第九項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「第三十一条第一項」を「第四十三条第一項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 認定生態系維持回復事業等(第三十九条第一項又は第四十一条第一項の規定により行われる生態系維持回復事業及び第三十九条第二項若しくは第四十一条第二項の確認又は第三十九条第三項若しくは第四十一条第三項の認定を受けた生態系維持回復事業をいう。以下同じ。)として行う行為
第十三条を第二十条とする。
第二章第三節を同章第四節とし、同節の次に次の一節を加える。
第五節 生態系維持回復事業
(生態系維持回復事業計画)
第三十八条 環境大臣及び生態系維持回復事業を行おうとする国の機関の長(以下この条において「環境大臣等」という。)は、国立公園における生態系維持回復事業の適正かつ効果的な実施に資するため、公園計画に基づき、審議会の意見を聴いて、国立公園における生態系維持回復事業に関する計画(以下「生態系維持回復事業計画」という。)を定めるものとする。
2 都道府県知事は、国定公園における生態系維持回復事業の適正かつ効果的な実施に資するため、公園計画に基づき、国定公園における生態系維持回復事業計画を定めることができる。
3 生態系維持回復事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 生態系維持回復事業の目標
二 生態系維持回復事業を行う区域
三 生態系維持回復事業の内容
四 前三号に掲げるもののほか、生態系維持回復事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項
4 環境大臣等又は都道府県知事は、生態系維持回復事業計画を定めたときは、その概要を公示しなければならない。
5 環境大臣等は、生態系維持回復事業計画を廃止し、又は変更しようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。
6 第四項の規定は、環境大臣等又は都道府県知事が生態系維持回復事業計画を廃止し、又は変更したときについて準用する。
(国立公園における生態系維持回復事業)
第三十九条 国は、国立公園内の自然の風景地の保護のため生態系の維持又は回復を図る必要があると認めるときは、国立公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行うものとする。
2 地方公共団体は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について国立公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
3 国及び地方公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について、その者がその生態系維持回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその生態系維持回復事業が国立公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の認定を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
4 第二項の確認又は前項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 生態系維持回復事業を行う区域
三 生態系維持回復事業の内容
四 前三号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項
5 前項の申請書には、生態系維持回復事業を行う区域を示す図面その他の環境省令で定める書類を添付しなければならない。
6 第二項の確認又は第三項の認定を受けた者は、第四項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、地方公共団体にあつては環境大臣の確認を、国及び地方公共団体以外の者にあつては環境大臣の認定を受けなければならない。ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
7 前項の確認又は同項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
8 第五項の規定は、前項の申請書について準用する。
9 第二項の確認又は第三項の認定を受けた者は、第六項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
(認定の取消し)
第四十条 環境大臣は、前条第三項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の認定を取り消すことができる。
一 国立公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行つていないと認めるとき。
二 その生態系維持回復事業を適正かつ確実に行うことができなくなつたと認めるとき。
三 前条第六項又は第九項の規定に違反したとき。
四 第四十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
五 偽りその他の不正の手段により前条第三項又は第六項の認定を受けたとき。
(国定公園における生態系維持回復事業)
第四十一条 都道府県は、国定公園内の自然の風景地の保護のため生態系の維持又は回復を図る必要があると認めるときは、国定公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行うことができる。
2 国及び都道府県以外の地方公共団体は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について国定公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の都道府県知事の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
3 国及び地方公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について、その者がその生態系維持回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその生態系維持回復事業が国定公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の都道府県知事の認定を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
4 第三十九条第四項及び第五項の規定は第二項の確認及び前項の認定について、同条第六項から第九項までの規定は第二項の確認を受けた者について、同条第六項から第九項まで及び前条の規定は前項の認定を受けた者について準用する。この場合において、これらの規定中「環境大臣」とあるのは「都道府県知事」と、前条第一号中「国立公園」とあるのは「国定公園」と読み替えるものとする。
(報告徴収)
第四十二条 環境大臣は第三十九条第三項の認定を受けた者に対し、都道府県知事は前条第三項の認定を受けた者に対し、その生態系維持回復事業の実施状況その他必要な事項に関し報告を求めることができる。
第二章第二節中第十二条を第十九条とする。
第十一条を削る。
第十条の見出しを「(国定公園事業の執行)」に改め、同条第一項中「国定公園に関する公園事業」を「国定公園事業」に改め、同条第二項及び第三項中「都道府県知事」を「環境省令で定めるところにより、都道府県知事」に、「国定公園に関する公園事業」を「国定公園事業」に改め、同条に次の一項を加える。
4 第十条第四項及び第五項並びに第十四条第一項及び第二項の規定は第二項の同意及び前項の認可について、第十条第六項から第九項まで、第十二条第一項及び第十三条の規定は第二項の同意を得た者について、第十条第六項から第十項まで、第十一条から第十三条まで、第十四条第三項及び前条の規定は前項の認可を受けた者について準用する。この場合において、これらの規定中「環境大臣」とあるのは「都道府県知事」と、第十条第十項中「国立公園」とあるのは「国定公園」と、第十一条、第十四条第一項及び前条第一項中「国立公園事業」とあるのは「国定公園事業」と、第十二条第一項及び第二項中「その国立公園事業」とあるのは「その国定公園事業」と、同条第一項中「公共団体である」とあるのは「都道府県以外の公共団体である」と、第十三条中「国立公園事業の」とあるのは「国定公園事業の」と、前条第一項中「国立公園の」とあるのは「国定公園の」と読み替えるものとする。
第十条を第十六条とし、同条の次に次の二条を加える。
(報告徴収及び立入検査)
第十七条 環境大臣は第十条第三項の認可を受けた者に対し、都道府県知事は前条第三項の認可を受けた者に対し、この節の規定の施行に必要な限度において、その国立公園事業若しくは国定公園事業の執行状況その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、その国立公園事業若しくは国定公園事業に係る施設に立ち入り、設備、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(政令への委任)
第十八条 この節に定めるもののほか、公園事業の執行に関し必要な事項は、政令で定める。
第九条の見出しを「(国立公園事業の執行)」に改め、同条第一項中「国立公園に関する公園事業」を「国立公園事業」に改め、同条第二項及び第三項中「環境大臣」を「環境省令で定めるところにより、環境大臣」に、「国立公園に関する公園事業」を「国立公園事業」に改め、同条に次の七項を加える。
4 第二項の同意を得ようとする者又は前項の認可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 第二条第六号に規定する政令で定める施設(以下この条において「公園施設」という。)の種類
三 公園施設の位置
四 公園施設の規模
五 公園施設の管理又は経営の方法
六 前各号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項
5 前項の申請書には、公園施設の位置を示す図面その他の環境省令で定める書類を添付しなければならない。
6 第二項の同意を得た者又は第三項の認可を受けた者(以下「国立公園事業者」という。)は、第四項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、公共団体にあつては環境大臣に協議し、その同意を得なければならず、国及び公共団体以外の者にあつては環境大臣の認可を受けなければならない。ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
7 前項の同意を得ようとする者又は同項の認可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
8 第五項の規定は、前項の申請書について準用する。
9 国立公園事業者は、第六項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
10 第三項又は第六項の認可には、国立公園の保護又は利用のために必要な限度において、条件を付することができる。
第九条を第十条とし、同条の次に次の五条を加える。
(改善命令)
第十一条 環境大臣は、国立公園事業の適正な執行を確保するため必要があると認めるときは、前条第三項の認可を受けた者に対し、当該国立公園事業に係る施設の改善その他の当該国立公園事業の執行を改善するために必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
(承継)
第十二条 国立公園事業者である法人が合併(国立公園事業者である法人と国立公園事業者でない法人の合併であつて、国立公園事業者である法人が存続するものを除く。)又は分割(その国立公園事業の全部を承継させるものに限る。)をした場合において、合併後存続する法人若しくは合併により設立される法人又は分割によりその国立公園事業の全部を承継する法人(以下この項において「合併法人等」という。)が公共団体である場合にあつては環境大臣に協議し、その同意を得たとき、合併法人等が国及び公共団体以外の法人である場合にあつては環境大臣の承認を受けたときは、当該合併法人等は、当該国立公園事業者の地位を承継する。
2 国立公園事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意によりその国立公園事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)がその国立公園事業を引き続き行おうとするときは、その相続人は、被相続人の死亡後六十日以内に環境大臣に申請して、その承認を受けなければならない。
3 相続人が前項の承認の申請をした場合においては、被相続人の死亡の日からその承認を受ける日又は承認をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした第十条第三項の認可は、その相続人に対してしたものとみなす。
4 第二項の承認を受けた相続人は、被相続人に係る国立公園事業者の地位を承継する。
(国立公園事業の休廃止)
第十三条 国立公園事業者は、国立公園事業の全部若しくは一部を休止し、又は廃止しようとするときは、環境省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
(認可の失効及び取消し等)
第十四条 国立公園事業として行う事業が他の法令の規定により行政庁の許可、認可その他の処分を必要とするものである場合において、その処分が取り消されたとき、その他その効力が失われたときは、当該事業に係る第十条第二項の同意又は同条第三項の認可は、その効力を失う。
2 前項の規定により第十条第二項の同意又は同条第三項の認可が失効したときは、当該同意又は認可が失効した者は、その日から三十日以内に、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
3 環境大臣は、第十条第三項の認可を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の認可を取り消すことができる。
一 第十条第六項若しくは第九項又は前条の規定に違反したとき。
二 第十条第十項の規定により同条第三項又は第六項の認可に付された条件に違反したとき。
三 第十一条の規定による命令に違反したとき。
四 偽りその他不正の手段により第十条第三項又は第六項の認可を受けたとき。
(原状回復命令等)
第十五条 環境大臣は、第十条第三項の認可を受けた者がその国立公園事業を廃止した場合、同項の認可が失効した場合又は同項の認可を取り消した場合において、国立公園の保護のために必要があると認めるときは、当該廃止した者、当該認可が失効した者又は当該認可を取り消された者に対して、相当の期限を定めて、その保護のために必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
2 前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下この条において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、環境大臣は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、環境大臣又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。
3 前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第八条の次に次の節名及び一条を加える。
第三節 公園事業
(公園事業の決定)
第九条 国立公園に関する公園事業(以下「国立公園事業」という。)は、環境大臣が、審議会の意見を聴いて決定する。
2 国定公園に関する公園事業(以下「国定公園事業」という。)は、都道府県知事が決定する。
3 環境大臣は、国立公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。
4 都道府県知事は、国定公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。
5 第一項及び第三項の規定は環境大臣が行う国立公園事業の廃止又は変更について、前項の規定は都道府県知事が行う国定公園事業の廃止又は変更について準用する。
附則第十一項及び第十四項中「第四十四条」を「第五十六条」に改める。
(自然環境保全法の一部改正)
第二条 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三節 雑則(第三十一条―第三十五条)」を
第三節
生態系維持回復事業(第三十条の二―第三十条の五)
第四節
雑則(第三十一条―第三十五条)
に改める。
第一条中「区域等の」の下に「生物の多様性の確保その他の」を加える。
第十二条第二項第二号及び第三号中「係る」の下に「生物の多様性の確保その他の」を加える。
第十五条第二項中「公示しなければ」を「官報で公示し、かつ、その原生自然環境保全地域に関する保全計画を一般の閲覧に供しなければ」に改める。
第十七条第一項中第十四号を第十六号とし、第十三号を第十五号とし、第十二号を第十四号とし、第十一号を第十二号とし、同号の次に次の一号を加える。
十三 廃棄物を捨て、又は放置すること。
第十七条第一項第十号を削り、同項第九号を同項第十号とし、同号の次に次の一号を加える。
十一 動物を放つこと(家畜の放牧を含む。)。
第十七条第一項第八号の次に次の一号を加える。
九 木竹以外の植物を植栽し、又は植物の種子をまくこと。
第二十二条第一項第二号及び第四号中「すぐれた」を「優れた」に改め、同項第五号中「海そうその他これらに類する」を「海藻その他の」に、「すぐれた」を「優れた」に改める。
第二十三条第一項中「施設」を「事業」に改め、同条第二項第二号中「海中特別地区」を「海域特別地区」に改め、同項第四号中「施設」を「事業」に改める。
第二十五条第四項ただし書中「第三号」を「第六号」に、「又は第二号」を「、第二号」に改め、「行うもの」の下に「又は第三号に掲げる行為で森林の整備及び保全を図るために行うもの」を加え、同項第四号を同項第七号とし、同項第三号を同項第六号とし、同項第二号の次に次の三号を加える。
三 環境大臣が指定する区域内において木竹を損傷すること。
四 環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生育地でない植物で、当該区域における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを植栽し、又は当該植物の種子をまくこと。
五 環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生息地でない動物で、当該区域における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを放つこと(当該指定する動物が家畜である場合における当該家畜である動物の放牧を含む。)。
第二十五条第四項に次の一号を加える。
八 前各号に掲げるもののほか、特別地区における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
第二十五条第八項中「特別地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際当該特別地区内において第四項第一号若しくは第二号に掲げる行為に着手し、又は同項第三号に規定する湖沼若しくは湿原が指定された際同号に規定する区域内において同号に掲げる」を「第四項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該」に、「指定又は区域の拡張の」を「規制されることとなつた」に改め、同条第十項第一号中「行なう」を「行う」に改め、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「行なう」を「行う」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 認定生態系維持回復事業等(第三十条の三第一項の規定により行われる生態系維持回復事業及び同条第二項の確認又は同条第三項の認定を受けた生態系維持回復事業をいう。以下同じ。)として行う行為
第二十六条第三項中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。
四 認定生態系維持回復事業等を行うためにする場合
第二十六条第四項中「前項第六号」を「前項第七号」に改める。
第二十七条の見出しを「(海域特別地区)」に改め、同条第一項及び第二項中「海中特別地区」を「海域特別地区」に改め、同条第三項中「海中特別地区内」を「海域特別地区内」に改め、同項ただし書中「及び第六号」を「、第六号及び第七号」に改め、同項第五号中「熱帯魚」を「環境大臣が指定する区域内において、熱帯魚」に、「海そうその他これらに類する」を「海藻その他の」に、「海中特別地区」を「当該区域」に改め、同項に次の二号を加える。
七 環境大臣が指定する区域内において当該区域ごとに指定する期間内に動力船を使用すること。
八 前各号に掲げるもののほか、海域特別地区における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
第二十七条第六項中「海中特別地区」を「海域特別地区」に改め、同条第七項中「海中特別地区が指定され、又はその区域が拡張された際当該海中特別地区内において第三項各号に掲げる」を「第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該」に、「指定又は区域の拡張の」を「規制されることとなつた」に改め、同条第九項第一号中「行なう」を「行う」に改め、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「行なう」を「行う」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 認定生態系維持回復事業等として行う行為
第二十八条第一項中「海中特別地区」を「海域特別地区」に改め、同項ただし書中「海面」を「海域」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第六項第一号及び第二号中「行なう」を「行う」に改め、同項第五号を同項第六号とし、同項第四号を同項第五号とし、同項第三号中「行なう」を「行う」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 認定生態系維持回復事業等として行う行為
第二十九条第一項中「第二十六条第三項第六号」を「第二十六条第三項第七号」に改める。
第三十条中「行なう」を「行う」に、「第二十六条第三項第六号」を「第二十六条第三項第七号」に改める。
第三十三条第一項中「第二十六条第三項第六号」を「第二十六条第三項第七号」に、「附せられた」を「付された」に改める。
第四章第三節を同章第四節とし、同章第二節の次に次の一節を加える。
第三節 生態系維持回復事業
(生態系維持回復事業計画)
第三十条の二 環境大臣及び生態系維持回復事業(自然環境保全地域に関する保全計画に基づいて行う事業であつて、当該地域における生態系の維持又は回復を図るものをいう。以下同じ。)を行おうとする国の機関の長(以下この条において「環境大臣等」という。)は、生態系維持回復事業の適正かつ効果的な実施に資するため、自然環境保全地域に関する保全計画に基づき、中央環境審議会の意見を聴いて、生態系維持回復事業に関する計画(以下「生態系維持回復事業計画」という。)を定めるものとする。
2 生態系維持回復事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 生態系維持回復事業の目標
二 生態系維持回復事業を行う区域
三 生態系維持回復事業の内容
四 前三号に掲げるもののほか、生態系維持回復事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項
3 環境大臣等は、生態系維持回復事業計画を定めたときは、その概要を公示しなければならない。
4 環境大臣等は、生態系維持回復事業計画を廃止し、又は変更しようとするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。
5 第三項の規定は、生態系維持回復事業計画の廃止及び変更について準用する。
(生態系維持回復事業の実施)
第三十条の三 国は、自然環境保全地域における自然環境の保全のため生態系の維持又は回復を図る必要があると認めるときは、生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行うものとする。
2 地方公共団体は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の確認を受けて、生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
3 国及び地方公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について、その者がその生態系維持回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその生態系維持回復事業が生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の認定を受けて、生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
4 第二項の確認又は前項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 生態系維持回復事業を行う区域
三 生態系維持回復事業の内容
四 前三号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項
5 前項の申請書には、生態系維持回復事業を行う区域を示す図面その他の環境省令で定める書類を添付しなければならない。
6 第二項の確認又は第三項の認定を受けた者は、第四項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、地方公共団体にあつては環境大臣の確認を、国及び地方公共団体以外の者にあつては環境大臣の認定を受けなければならない。ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
7 前項の確認又は同項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
8 第五項の規定は、前項の申請書について準用する。
9 第二項の確認又は第三項の認定を受けた者は、第六項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
(認定の取消し)
第三十条の四 環境大臣は、前条第三項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の認定を取り消すことができる。
一 生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行つていないと認めるとき。
二 その生態系維持回復事業を適正かつ確実に行うことができなくなつたと認めるとき。
三 前条第六項又は第九項の規定に違反したとき。
四 次条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
五 偽りその他の不正の手段により前条第三項又は第六項の認定を受けたとき。
(報告徴収)
第三十条の五 環境大臣は、第三十条の三第三項の認定を受けた者に対し、その生態系維持回復事業の実施状況その他必要な事項に関し報告を求めることができる。
第四十三条第一項中「海中特別地区」を「海域特別地区」に改める。
第五十三条中「一に」を「いずれかに」に、「五十万円」を「百万円」に改める。
第五十四条中「一に」を「いずれかに」に、「三十万円」を「五十万円」に改め、同条第一号中「付せられた」を「付された」に改める。
第五十五条中「三十万円」を「五十万円」に改める。
第五十六条中「一に」を「いずれかに」に、「二十万円」を「三十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第八条の規定 公布の日
二 附則第十五条の規定 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十一年法律第▼▼▼号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
(自然公園法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第一条の規定による改正後の自然公園法(以下「新自然公園法」という。)第十五条(新自然公園法第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の日以後に新自然公園法第十条第三項又は第十六条第三項の認可に係る国立公園事業又は国定公園事業を廃止した者、当該認可が失効した者及び当該認可を取り消された者について適用する。
第三条 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の自然公園法(次条において「旧自然公園法」という。)第二十四条第一項の規定により指定されている海中公園地区は、新自然公園法第二十二条第一項の規定により指定された海域公園地区とみなす。
第四条 この法律の施行の際現に旧自然公園法第二十四条第六項又は第七項に規定する者に該当している者であって、同条第六項又は第七項の規定による届出をしていない者についての行為に着手している旨又は行為をした旨の届出については、なお従前の例による。
2 この法律の施行前に旧自然公園法第二十四条第三項の規定によりされた許可若しくは許可の申請又は同条第六項若しくは第七項の規定によりされた届出(この法律の施行後に前項の規定によりなお従前の例によりされた届出を含む。)は、新自然公園法第二十二条第三項の規定によりされた許可若しくは許可の申請又は同条第六項後段若しくは第七項の規定によりされた届出とみなす。
(自然環境保全法の一部改正に伴う経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の自然環境保全法(次条において「旧自然環境保全法」という。)第二十七条第一項の規定により指定されている海中特別地区は、第二条の規定による改正後の自然環境保全法(以下「新自然環境保全法」という。)第二十七条第一項の規定により指定された海域特別地区とみなす。
第六条 この法律の施行の際現に旧自然環境保全法第二十七条第六項又は第七項に規定する者に該当している者であって、同条第六項又は第八項の規定による届出をしていない者についての行為をした旨又は着手している行為の届出については、なお従前の例による。
2 この法律の施行前に旧自然環境保全法第二十七条第三項の規定によりされた許可若しくは許可の申請又は同条第六項若しくは第八項の規定によりされた届出(この法律の施行後に前項の規定によりなお従前の例によりされた届出を含む。)は、新自然環境保全法第二十七条第三項の規定によりされた許可若しくは許可の申請又は同条第六項若しくは第八項の規定によりされた届出とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第七条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第八条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第九条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新自然公園法及び新自然環境保全法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新自然公園法及び新自然環境保全法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(地方自治法の一部改正)
第十条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)の項中「第十三条第一項」を「第二十条第一項」に、「第十四条第一項」を「第二十一条第一項」に、「第二十四条第一項」を「第二十二条第一項」に、「第五十五条第二項」を「第六十七条第二項」に改める。
(鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律の一部改正)
第十一条 鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律(昭和二十五年法律第二百九十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第二号ヘ中「第五十一条第一項又は第六十五条」を「第六十三条第一項又は第七十八条」に改める。
第四十五条第三項中「第二十五条」を「第三十二条」に、「付せられた」を「付された」に改める。
(自衛隊法の一部改正)
第十二条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第百十五条の十五第一項中「第十三条第三項、第十四条第三項、第二十四条第三項又は第二十六条第一項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項又は第三十三条第一項」に、「第十五条第三項ただし書又は第五十六条」を「第二十三条第三項ただし書又は第六十八条」に、「第十五条第三項第一号」を「第二十三条第三項第一号」に、「第五十六条第一項後段」を「第六十八条第一項後段」に、「第五十六条第一項中」を「第六十八条第一項中」に改め、同条第二項中「第五十六条第一項」を「第六十八条第一項」に改め、同条第三項中「第六十条第一項」を「第七十三条第一項」に改める。
(地価税法の一部改正)
第十三条 地価税法(平成三年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号イ中「第十三条第一項」を「第二十条第一項」に、「第六十条第一項」を「第七十三条第一項」に改める。
(景観法の一部改正)
第十四条 景観法(平成十六年法律第百十号)の一部を次のように改正する。
第八条第二項第五号ロ中「第九条第二項」を「第十条第二項」に改め、同号ホ中「第十三条第三項、第十四条第三項又は第二十四条第三項」を「第二十条第三項、第二十一条第三項又は第二十二条第三項」に改める。
第六十条中「第十三条第四項、第十四条第四項及び第二十四条第四項」を「第二十条第四項、第二十一条第四項及び第二十二条第四項」に改める。
(行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
第十五条 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部を次のように改正する。
第三百十四条のうち自然公園法第五十一条第一項の改正規定中「第五十一条第一項」を「第六十三条第一項」に改める。
環境大臣 斉藤鉄夫
内閣総理大臣 麻生太郎