銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第47号
公布年月日: 昭和40年4月15日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

最近の暴力団等による銃砲刀剣類の不法所持・使用状況を踏まえ、拳銃等の輸入規制の新設や、許可・登録を受けた銃砲刀剣類の譲渡等に関する規制強化を行う。具体的には、拳銃等の輸入を原則禁止とし、許可を受けた銃砲所持者に対し譲渡・貸与時の確認義務を課す。また登録証を伴わない譲渡等を是正し、拳銃等・猟銃の不法所持に対する罰則を他の銃砲類と区別して加重する。さらに、建設用びょう打ち銃等については、所持許可者の監督下での使用を認めるなど規制を合理化し、古式銃砲の登録対象拡大等も行う。

参照した発言:
第48回国会 参議院 地方行政委員会 第2号

審議経過

第48回国会

参議院
(昭和40年2月2日)
(昭和40年2月4日)
(昭和40年2月9日)
(昭和40年2月11日)
(昭和40年2月18日)
(昭和40年2月23日)
(昭和40年2月25日)
(昭和40年2月26日)
衆議院
(昭和40年3月2日)
(昭和40年3月9日)
参議院
(昭和40年3月24日)
衆議院
(昭和40年4月6日)
(昭和40年4月8日)
(昭和40年4月9日)
(昭和40年4月13日)
銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十年四月十五日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第四十七号
銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律
銃砲刀剣類等所持取締法(昭和三十三年法律第六号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
銃砲刀剣類所持等取締法
目次中「第三条」を「第三条の二」に、「火なわ式銃砲」を「火なわ式銃砲等の古式銃砲」に、「第二十二条」を「第二十一条の二」に、「第三十六条」を「第三十七条」に改める。
第二条第一項中「「銃砲」とは、」の下に「けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他」を加える。
第三条第一項中「次条」を「第四条」に改め、同条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 第四条第一項第一号の規定により建設業の用途に供するため必要な銃砲の所持の許可を受けた者の監督の下に建設作業に従事する者(許可を受けた者があらかじめ住所地(法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者で、その法人の業務のための所持について同号の規定による許可を受けたものにあつては、当該事業場の所在地)を管轄する都道府県公安委員会に届け出たものに限る。以下「建設作業に従事する者」という。)は、前項の規定にかかわらず、許可に係る銃砲を許可を受けた者の指示に基づいて業務上使用するために所持することができる。
第一章中第三条の次に次の一条を加える。
(けん銃等の輸入の禁止)
第三条の二 何人も、次の各号の一に該当する場合を除いては、けん銃、小銃、機関銃又は砲(以下「けん銃等」という。)を輸入してはならない。
一 国又は地方公共団体が前条第一項第一号又は第二号の所持に供するため必要なけん銃等を輸入する場合
二 国又は地方公共団体から前号のけん銃等の輸入の委託を受けた者が委託に係るけん銃等を輸入する場合
三 次条第一項第二号又は第三号の規定によりけん銃等の所持の許可を受けた者が許可に係るけん銃等を輸入する場合
四 前号に規定する者から許可に係るけん銃等の輸入の委託を受けた者が委託に係るけん銃等を輸入する場合
五 第六条第一項の規定によりけん銃等の所持の許可を受けた者が許可に係るけん銃等を輸入する場合
第四条第二項中「住所地」の下に「又は法人の事業場の所在地」を加え、同条第五項中「住所地」を「法人の事業場の所在地」に改める。
第七条第二項中「以下同じ。)」の下に「又は法人の事業場の所在地」を加える。
第八条第二項中「住所地」の下に「又は法人の事業場の所在地」を加える。
第十一条第一項及び第二項中「許可を受けた銃砲又は刀剣類を所持する者」を「第四条又は第六条の規定による許可を受けた者」に改め、同条第八項中「第三項」を「第四項」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項を同条第八項とし、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「第三項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前項に掲げる」を「前二項の」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 建設作業に従事する者が当該許可を受けた者の指示に基づかないで当該銃砲を所持した場合には、都道府県公安委員会は、当該銃砲に係る許可を取り消すことができる。ただし、許可を受けた者が建設作業に従事する者のした当該行為を防止するために相当の注意を怠らなかつたことが証明された場合は、この限りでない。
第十二条中「前条第一項又は第二項」を「前条第一項から第三項まで」に、「当該銃砲又は刀剣類を所持する者」を「当該処分に係る者」に改める。
「第三章 火なわ式銃砲又は刀剣類の登録」を「第三章 火なわ式銃砲等の古式銃砲又は刀剣類の登録」に改める。
第十四条第一項中「火なわ式銃砲」を「火なわ式銃砲等の古式銃砲」に改める。
第十六条に次の一項を加える。
2 文化財保護委員会は、前項第一号又は第二号の規定により登録証の返納を受けた場合には、すみやかにその旨を登録証を返納した者の住所地を管轄する都道府県公安委員会に通知しなければならない。
第十七条第一項中「相続し」を「相続により取得し」に、「すみやかに」を「二十日以内に」に、「しなくなつた」を「した当該銃砲又は刀剣類の返還を受けた」に改める。
第十八条に次の二項を加える。
2 登録を受けた銃砲又は刀剣類を譲り受け、借り受け、又はこれらの保管の委託を受ける者は、当該銃砲又は刀剣類の登録証とともにしなければならない。
3 何人も、当該銃砲又は刀剣類とともにする場合を除いては、登録証を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
第二十条中「第十六条」を「第十六条第一項」に改める。
第二十一条の二に次の一項を加える。
2 第四条又は第六条の規定による許可を受けた者は、譲受人若しくは借受人が第三条第一項第一号、第二号、第六号若しくは第九号に該当することを確認した場合又は譲受人若しくは借受人が第七条第一項の許可証を提示した場合でなければ、当該銃砲又は刀剣類を譲り渡し、又は貸し付けてはならない。
第二十四条の二第八項及び第二十七条第三項中「第十一条第六項及び第七項」を「第十一条第七項及び第八項」に、「同条第六項」を「同条七項」に改める。
第二十八条第一項中「火なわ式銃砲」を「火なわ式銃砲等の古式銃砲」に改める。
第二十九条中「二百円」を「五百円」に改める。
第三十一条を次のように改める。
第三十一条 第三条の二の規定に違反した者は、五年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 営利の目的で前項の違反行為をした者は、七年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
第三十一条の次に次の三条を加える。
第三十一条の二 次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項の規定に違反してけん銃等又は猟銃を所持した者
二 偽りの方法によりけん銃等又は猟銃の所持について第四条又は第六条の規定による許可を受けた者
第三十一条の三 次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項の規定に違反して銃砲(けん銃等及び猟銃を除く。次号において同じ。)又は刀剣類を所持した者
二 偽りの方法により銃砲又は刀剣類の所持について第四条又は第六条の規定による許可を受けた者
三 偽りの方法により第十四条の規定による登録を受けた者
第三十一条の四 第十条第一項又は第二項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第三十二条第二号を同条第三号とし、同条第一号中「第十条第一項若しくは第二項(第二十一条において準用する場合を含む。)又は」を削り、同号を同条第二号とし、同条に第一号として次の一号を加える。
一 第十七条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第三十三条第一号を次のように改める。
一 第十八条第一項又は第二項の規定に違反した者
第三十五条第一号中「第十六条、第十八条」を「第十六条第一項、第十八条第三項」に改め、同条第四号中「第十一条第三項」を「第十一条第四項」に改める。
第三十六条中「第三十三条第一号」を「第三十二条第一号」に改める。
第三十七条中「第三十一条、第三十二条第二号」を「第三十一条から第三十一条の三まで、第三十二条第一号若しくは第三号」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。
(経過規定)
2 法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者で、その法人の業務のための所持についてこの法律の施行の際現に改正前の銃砲刀剣類等所持取締法(以下「旧法」という。)第四条の規定による許可を受けているものは、この法律の施行の日から三十日以内に、当該事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会にその所在地を届け出なければならない。
3 前項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、一万円以下の罰金に処する。
4 法人の代表者又は代理人、使用人その他の従業者で、その法人の業務のための所持についてこの法律の施行の際現に旧法第四条の規定による許可を受けているもののこの法律の施行後における住所地の変更については、改正後の銃砲刀剣類所持等取締法第七条第二項の規定は、適用しない。
5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(関係法令の一部改正)
6 武器等製造法(昭和二十八年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。
第三十一条に後段として次のように加える。
この場合において、第一号又は第四号の規定に該当する者が銃砲又は猟銃の製造をした者であるときは、五年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
7 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第三第二号(十二)中「銃砲刀剣類等所持取締法」を「銃砲刀剣類所持等取締法」に、「火なわ式火器」を「火なわ式銃砲等の古式銃砲」に改め、同表第四号(七)中「銃砲刀剣類等所持取締法」を「銃砲刀剣類所持等取締法」に改める。
8 出入国管理令(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項第八号中「銃砲刀剣類等所持取締法」を「銃砲刀剣類所持等取締法」に改める。
9 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第七十四条及び第九十七条第二項中「銃砲刀剣類等所持取締法」を「銃砲刀剣類所持等取締法」に改める。
10 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第百十五条(見出しを含む。)中「銃砲刀剣類等所持取締法」を「銃砲刀剣類所持等取締法」に改める。
内閣総理大臣 佐藤栄作
法務大臣 高橋等
大蔵大臣 田中角栄
文部大臣 愛知揆一
通商産業大臣 桜内義雄
自治大臣 吉武恵市