(指導及び助言)
第十六条 都道府県知事は、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、事業者に対し、前条第一項に規定する判断の基準となるべき事項を勘案して、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制について必要な指導及び助言をすることができる。
(事業者による計画の作成)
第十七条 窒素酸化物排出自動車、粒子状物質排出自動車その他の窒素酸化物対策地域内又は粒子状物質対策地域内に使用の本拠の位置を有する自動車であって、政令で定めるもの(以下この条において「対象自動車」という。)を使用する事業者は、その対象自動車のうち、排出状況その他の事情を勘案して政令で定める台数以上のものが一の都道府県の区域内にその使用の本拠の位置を有するときは、主務省令で定めるところにより、第十五条第一項に規定する判断の基準となるべき事項において定められた事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な計画的に取り組むべき措置であって、その一の都道府県の区域内にその使用の本拠の位置を有する対象自動車(以下この条及び第十九条第一項において「特定自動車」という。)に係るものの実施に関する計画を作成し、当該特定自動車の使用の本拠の位置の属する都道府県の知事に提出しなければならない。
(定期の報告)
第十八条 前条の規定により同条の計画を作成すべき事業者(次条及び第二十条第一項において「特定事業者」という。)は、毎年、主務省令で定めるところにより、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置の実施の状況に関し、主務省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならない。
(勧告及び命令)
第十九条 都道府県知事は、特定事業者の事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出であって、特定自動車に係るものの抑制が第十五条第一項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該特定事業者に対し、その判断の根拠を示して、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出であって、特定自動車に係るものの抑制に関し必要な措置を執るべき旨の勧告をすることができる。
2 都道府県知事は、前項に規定する勧告を受けた特定事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
3 都道府県知事は、第一項に規定する勧告を受けた特定事業者が、前項の規定によりその勧告に従わなかった旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置を執らなかったときは、当該特定事業者に対し、その勧告に係る措置を執るべきことを命ずることができる。
(報告及び立入検査)
第二十条 都道府県知事は、前条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特定事業者に対し、その業務の状況に関し報告させ、又はその職員に、特定事業者の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(環境大臣への通知等)
第二十一条 都道府県知事は、第十七条の規定による同条の計画の提出又は第十八条の規定による報告があったときは、主務省令で定めるところにより、当該計画の提出及び報告に係る事項を環境大臣に通知するものとする。
2 環境大臣は、前項の規定による通知があったときは、当該通知に係る事項を事業所管大臣に通知するものとする。
(自動車運送事業者等に関する特例)
第二十二条 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)の規定による自動車運送事業者及び貨物運送取扱事業法(平成元年法律第八十二号)の規定による第二種利用運送事業を経営する者に対する第十六条から第十九条まで及び第二十条第一項の規定の適用については、第十六条、第十八条、第十九条及び第二十条第一項中「都道府県知事」とあり、並びに第十七条中「当該特定自動車の使用の本拠の位置の属する都道府県の知事」とあるのは「国土交通大臣」と、同条及び第十八条中「主務省令」とあるのは「環境省令、国土交通省令」とする。
2 国土交通大臣は、前項の規定により読み替えて適用される第十七条の規定による同条の計画の提出又は同項の規定により読み替えて適用される第十八条の規定による報告があったときは、遅滞なく、環境省令、国土交通省令で定めるところにより、その内容を環境大臣及び関係都道府県知事に通知するものとする。
3 環境大臣又は窒素酸化物対策地域若しくは粒子状物質対策地域をその区域の全部若しくは一部とする都道府県の知事は、窒素酸化物対策地域又は粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、第一項の規定により読み替えて適用される第十六条、第十九条又は第二十条第一項の規定による措置を執るべきことを要請することができる。
4 国土交通大臣は、前項の規定による要請があった場合において講じた措置を、環境大臣の要請を受けて講じたものにあっては環境大臣に、都道府県知事の要請を受けて講じたものにあっては当該都道府県知事に通知するものとする。
(国土交通大臣の権限の委任)
第二十三条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を地方運輸局長に委任することができる。
2 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、政令で定めるところにより、陸運支局長に委任することができる。