官庁営繕法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第71号
公布年月日: 昭和31年4月14日
法令の形式: 法律

改正対象法令

審議経過

第24回国会

参議院
(昭和31年3月27日)
衆議院
(昭和31年3月28日)
参議院
(昭和31年3月29日)
衆議院
(昭和31年3月30日)
(昭和31年3月30日)
参議院
(昭和31年4月4日)
(昭和31年4月6日)
衆議院
(昭和31年6月3日)
参議院
(昭和31年6月3日)
官庁営繕法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年四月十四日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第七十一号
官庁営繕法の一部を改正する法律
官庁営繕法(昭和二十六年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
官公庁施設の建設等に関する法律
第一条中「営繕計画等」を「営繕及び保全並びに一団地の官公庁施設等」に改める。
第二条を次のように改める。
(用語の定義)
第二条 この法律において「建築物」とは、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物及び当該建築物に係る建築設備をいう。
2 この法律において「営繕」とは、建築物の建築、修繕又は模様替をいう。
3 この法律において「庁舎」とは、国家機関がその事務を処理するために使用する建築物をいい、学校、病院及び工場、刑務所その他の収容施設並びに自衛隊の部隊及び機関が使用する建築物を除くものとする。
4 この法律において「合同庁舎」とは、二以上の各省各庁の長が使用する庁舎をいう。
5 この法律において「一団地の官公庁施設」とは、都市計画法(大正八年法律第三十六号)の規定による都市計画として決定された一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設(以下「附帯施設」という。)をいう。
6 この法律において「各省各庁の長」とは、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、会計検査院長並びに内閣総理大臣及び各省大臣をいう。
7 この法律において「建築設備」、「主要構造部」、「耐火構造」、「防火構造」、「不燃材料」、「建築」及び「特定行政庁」の意義は、それぞれ建築基準法第二条に定めるところによる。
第五条の次に次の二条を加える。
(一団地の官公庁施設)
第五条の二 一団地の官公庁施設に属する国家機関又は地方公共団体の建築物(建築設備を除く。以下この条及び次の条において同じ。)の建築及びこれらの附帯施設の建設は、当該一団地の官公庁施設に係る都市計画に基いて行わなければならない。
2 前項に規定する建築物を建築するときは、第七条第一項の規定の適用がある場合のほか、当該建築物の主要構造部を耐火構造とするように努めなければならない。
(一団地の官公庁施設の境域内の建築制限等)
第五条の三 一団地の官公庁施設の境域内において、当該一団地の官公庁施設以外の建築物を新築し、改築し、又は増築しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、当該都道府県の規則で許可を要しないと規定したときは、この限りでない。
2 都道府県知事は、前項の規定による許可の申請があつた場合において、当該申請に係る建築物が次の各号に掲げる要件を具備すると認めるときは、これを許可しなければならない。
一 容易に移転し、又は除却することができる構造のものであること。
二 階数が二以下で、かつ、地階を有しないこと。
3 都道府県知事は、第一項の規定によつてする許可に、当該一団地の官公庁施設に係る都市計画上必要な条件を附することができる。
4 都道府県知事は、第一項の規定に違反し、又は前項の規定により附した条件に違反した者がある場合においては、その者又はその者から違反に係る建築物についての権利を承継した者に対し、あらかじめ聴聞を行つた上、相当の期限を定めて、当該建築物の移転又は除却を命ずることができる。
第六条の見出しを「(庁舎の合同建築)」に改める。
第九条第一項中「営繕計画書」を「営繕及びその附帯施設の建設に関する計画書(以下「営繕計画書」という。)」に改め、同条第二項中「建築物」の下に「及びその附帯施設」を加え、「建築設備、」を削る。
第九条の次に次の二条を加える。
(建設大臣の行う営繕等)
第九条の二 国費の支弁に属する次の各号に掲げる営繕及び建設並びに土地又は借地権の取得は、建設大臣が行うものとする。
一 一団地の官公庁施設に属する国家機関の建築物の営繕及びその附帯施設の建設(第三号イ、ロ及びへに掲げるものを除く。)
二 合同庁舎の営繕及びその附帯施設の建設(第三号イ、ロ及びヘに掲げるものを除く。)
三 前二号に掲げるもの並びに建設大臣の所管に属する建築物の営繕及びその附帯施設の建設のほか、次に掲げるもの以外の建築物の営繕又は附帯施設の建設
イ 衆議院議長又は参議院議長の所管に属する議事堂の営繕及びその附帯施設の建設
ロ 特別会計に係る建築物の営繕及びその附帯施設の建設
ハ 受刑者を使用して実施する刑務所その他の収容施設の営繕及びその附帯施設の建設
ニ 復旧整備のための学校の営繕及びその附帯施設の建設
ホ 防衛庁の特殊な建築物の営繕及びその附帯施設の建設
ヘ 建築物の営繕及びその附帯施設の建設で、一件につき総額二百万円をこえないもの
四 第一号又は第二号に掲げる建築物の営繕及びその附帯施設の建設並びに建設大臣の所管に属する建築物の営繕及びその附帯施設の建設に必要な土地又は借地権の取得
2 前項の規定にかかわらず、特別の事情により建設大臣以外の各省各庁の長が行うことを適当とする建築物の営繕若しくは附帯施設の建設又は土地若しくは借地権の取得については、当該各省各庁の長が建設大臣と協議してこれを行うことができる。
(国家機関の建築物等の保全)
第九条の三 各省各庁の長は、その所管に属する建築物及びその附帯施設を、政令で定める技術的基準に従い、適正に保全しなければならない。
第十条の見出し中「官庁営繕審議会」を「官公庁施設審議会」に改め、同条第三項及び第四項を削り、同条中「官庁営繕」を「この法律の施行」に、「官庁営繕審議会」を「官公庁施設審議会」に改める。
第十一条第二項中「関係国家機関」の下に「及び地方公共団体」を加え、「及び」を「並びに」に改める。
第十二条を次のように改める。
(国家機関の建築物に関する勧告等)
第十二条 建設大臣は、国家機関の建築物及びその附帯施設の位置、規模及び構造について基準を定め、その実施に関し関係国家機関に対して、勧告することができる。
2 建設大臣は、関係国家機関に対して、この法律の施行に関して必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
3 建設大臣は、国家機関の建築物及びその附帯施設の保全の適正を図るため、必要があると認めるときは、部下の職員をして、実地について指導させることができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(経過規定)
2 昭和三十一年度以前の予算に係る国家機関の建築物の営繕又はその附帯施設の建設で、この法律の施行の際現に各省各庁の長がこれらの工事を行つているものについては、第九条の二第一項の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
(建設省設置法の一部改正)
3 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十六号を次のように改める。
二十六 官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)の施行に関する事務を行うこと。
第三条第二十七号を次のように改める。
二十七 削除
第四条第七項中「及び第二十七号」を削り、「並びに」を「及び」に改める。
第十条第一項の表中官庁営繕審議会の項を次のように改める。
官公庁施設審議会
建設大臣の諮問に応じて官公庁施設の建設等に関する法律の施行に関する重要事項を調査審議し、当該事項について関係国家機関に意見を述べること。
第十二条第一号の次に次の一号を加える。
一の二 国費の支弁に属する建築物の営繕及びその附帯施設の建設並びにこれらに必要な土地又は借地権の取得を行うこと、関係国家機関に対して官公庁施設の建設等に関する法律の施行に関して必要な報告又は資料の提出を求めること並びに国家機関の建築物及びその附帯施設の保全に関する実地についての指導に関すること。
第十二条第二号中「国費の支弁に属する建物の営繕並びに」を削る。
(北海道開発法の一部改正)
4 北海道開発法(昭和二十五年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第十二条第一項第二号を次のように改める。
一の二 国費の支弁に係る建築物の営繕及びその附帯施設の建設並びにこれらに必要な土地又は借地権の取得で建設省の所掌するものを行うこと、関係国家機関に対して官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)の施行に関して必要な報告又は資料の提出を求めること並びに国家機関の建築物及びその附帯施設の保全に関する実地についての指導に関すること。
二 公共団体、住宅金融公庫、日本住宅公団、日本国有鉄道、日本専売公社又は日本電信電話公社の委託に基く建設工事、建設工事の設計及び建設工事の工事管理並びに建設工事用機械の修理及び運転を行うこと。
(地方自治法の一部改正)
5 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第三第一号(百二十三)の次に次のように加える。
(百二十三の二) 官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)の定めるところにより、一団地の官公庁施設の境域内における建築物の新築、改築又は増築の許可に関する事務を行い、及び違反建築物に対してその移転又は除却を命ずること。
内閣総理大臣 鳩山一郎
法務大臣 牧野良三
外務大臣 重光葵
大蔵大臣 一万田尚登
文部大臣 清瀬一郎
厚生大臣 小林英三
農林大臣 河野一郎
通商産業大臣 石橋湛山
運輸大臣 吉野信次
郵政大臣 村上勇
労働大臣 倉石忠雄
建設大臣 馬場元治