郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律
法令番号: 法律第280号
公布年月日: 昭和27年7月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

電気通信に関する行政事務を郵政省に統合するため、電波監理委員会を廃止し、郵政省の内部部局として電波監理局を、地方支分部局として地方電波監理局を、附属機関として電波監理審議会等を設置する。また、電気通信省の日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社への移行に伴い、大臣官房に電気通信監理官を置く。これらの改正に伴い、電波監理委員会設置法の廃止、電波法の改正、その他放送法等の関係法令の整理が必要となる。

参照した発言:
第13回国会 衆議院 内閣委員会 第19号

審議経過

第13回国会

衆議院
(昭和27年5月12日)
参議院
(昭和27年5月12日)
衆議院
(昭和27年5月17日)
(昭和27年5月19日)
参議院
衆議院
(昭和27年5月20日)
(昭和27年5月28日)
(昭和27年5月29日)
(昭和27年5月29日)
参議院
(昭和27年6月18日)
(昭和27年7月22日)
(昭和27年7月23日)
衆議院
(昭和27年7月31日)
(昭和27年7月31日)
郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百八十号
郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律
(電波監理委員会設置法の廃止)
第一條 電波監理委員会設置法(昭和二十五年法律第百三十三号)は、廃止する。
(電波法の一部改正)
第二條 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
目次中
第七章
聴聞及び訴訟(第八十三條―第九十九條)
第七章
異議の申立及び訴訟(第八十三條―第九十九條)
第七章
異議の申立及び訴訟(第八十三條―第九十九條)
に改める。
「電波監理委員会規則」を「郵政省令」に改める。
第七章を除き、「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改める。
第七章の章名中「聴聞」を「異議の申立」に改める。
第八十三條を削り、第八十四條及び第八十五條中「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改め、第八十四條を第八十三條とし、第八十五條を第八十四條とし、同條の次に次の一條を加える。
(電波監理審議会への付議)
第八十五條 第八十三條の規定による異議の申立があつたときは、郵政大臣は、前條の規定により申立を却下する場合を除き、遅滞なく、これを電波監理審議会の議に付さなければならない。
第八十六條を次のように改める。
(聴聞の開始)
第八十六條 電波監理審議会は、前條の規定により議に付された事案につき、異議の申立が受理された日から三十日以内に聴聞を開始しなければならない。
第八十七條中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改める。
第八十八條第一項中「利害関係者(異議の申立に係る聴聞の場合は利害関係者及び異議の申立をした者。以下同じ。)」を「異議の申立をした者その他の利害関係者」に改める。
第九十二條中「若しくはその代理人又は電波監理委員会」を「又はその代理人」に改め、「若しくは電波監理委員会」を削る。
第九十三條中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改め、同條第三項中「意見書」の下に「の謄本」を加え、同條の次に次の一條を加える。
(議決)
第九十三條の二 電波監理審議会は、前條の調書及び意見書に基き、事案についての決定案を議決しなければならない。
第九十四條第一項を次のように改める。
郵政大臣は、前條の議決があつたときは、その議決の日から七日以内に、その議決により異議の申立についての決定を行う。
第九十四條第三項中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改める。
第九十六條の見出しを「(省令委任事項)」に改め、同條の次に次の一條を加える。
(訴の提起)
第九十六條の二 第八十三條第一項の規定により異議の申立をすることができる事項に関する訴は、第八十四條第一項の規定による却下の処分又は第九十四條第一項の規定による決定に対してのみ提起することができる。
第九十七條中「この法律又はこの法律に基く命令の規定に基く電波監理委員会の処分に対する訴」を「前條の訴」に改める。
第九十八條中「前條の訴」を「第九十六條の二の訴」に、「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改める。
第九十九條中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改め、同條の次に次の一章を加える。
第七章の二 電波監理審議会
(組織)
第九十九條の二 電波監理審議会は、委員五人をもつて組織する。
2 審議会に会長を置き、委員の互選により選任する。
3 会長は、会務を総理する。
4 電波監理審議会は、あらかじめ、委員のうちから、会長に事故がある場合に会長の職務を代行する者を定めて置かなければならない。
(委員の任命)
第九十九條の三 委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、郵政大臣が任命する。
2 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議院の同意を得ることができないときは、郵政大臣は、前項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで委員を任命することができる。この場合においては、任命後最初の国会において、両議院の同意を得なければならない。
3 左の各号の一に該当する者は、委員となることができない。
一 禁こ以上の刑に処せられた者
二 国家公務員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
三 放送事業者その他の電気通信事業者、無線設備の機器の製造業者若しくは販売業者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わずこれと同等以上の職権若しくは支配力を有する者を含む。以下この條中同じ。)若しくはその法人の議決権の十分の一以上を有する者(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(任命の日以前一年間においてこれに該当した者を含む。)
(服務)
第九十九條の四 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第九十六條、第九十八條から第百二條まで及び第百五條の規定は、委員に準用する。
(任期)
第九十九條の五 委員の任期は、三年とする。但し、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。
2 委員は、再任されることができる。
(退職)
第九十九條の六 委員は、第九十九條の三第二項後段の規定による両議院の同意が得られなかつたときは、当然退職するものとする。
(罷免)
第九十九條の七 郵政大臣は、委員が第九十九條の三第三項各号の一に該当するに至つたときは、これを罷免しなければならない。
第九十九條の八 郵政大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
(退職後の就職の制限)
第九十九條の九 委員であつた者は、その退職後一年間は、第九十九條の三第三項第三号及び第四号に掲げる職についてはならない。
(会議及び手続)
第九十九條の十 電波監理審議会は、会長を含む三人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2 電波監理審議会の議事は、出席者の過半数をもつて決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。
3 前二項に定めるものの外、電波監理審議会の会議の議事に関する手続は、郵政省令で定める。
(必要的諮問事項)
第九十九條の十一 郵政大臣は、左に掲げる場合には、電波監理審議会に諮問し、その議決を尊重して措置をしなければならない。
一 第四條第一項但書(免許を要しない無線局)、第七條第一項第四号(無線局の開設の根本的基準)、第九條第一項但書(許可を要しない工事設計変更)、第十三條第一項(無線局の免許の有効期間)、第十五條(再免許の手続)、第二十八條(第百條第三項において準用する場合を含む。)(電波の質)、第二十九條(受信設備の條件)、第三十條(第百條第三項において準用する場合を含む。)(安全施設)、第三十一條(周波数測定装置の備えつけ)、第三十二條(計器及び予備品の備えつけ)、第三十五條(補助装置の備えつけ)、第三十六條の二(義務航空機局の條件)、第三十七條(無線設備の機器の検定)、第三十八條(第百條第三項において準用する場合を含む。)(技術基準)、第三十九條(無線設備の操作)、第四十條(特殊無線技士の従事範囲)、第四十九條(国家試験の細目等)、第五十條第三項(無線従事者の資格別員数の指定)、第五十二條第六号(目的外使用)、第五十五條(運用許容時間外運用)、第六十一條(通信方法等)、第六十四條第二項(第二沈黙時間)、第六十五條第二項、第七十條の四(聴守義務)、第七十條の五(航空機局の通信連絡)及び第百條第一項第二号(高周波利用設備)の規定による郵政省令を制定し、変更し、又は廃止しようとするとき。
二 第七十六條第二項及び第三項の規定による無線局の免許の取消又は第七十九條第一項の規定による無線従事者の免許の取消の処分をしようとするとき。
三 第八條の規定による無線局の予備免許、第九條第一項の規定による工事設計変更の許可又は第七十一條第一項の規定による無線局の周波数等の指定の変更の処分をしようとするとき。
2 前項第三号に掲げる事項のうち、電波監理審議会が軽微なものと認めるものについては、郵政大臣は、電波監理審議会に諮問しないで措置をすることができる。
(聴聞)
第九十九條の十二 電波監理審議会は、前條第一項第一号及び第二号の規定により諮問を受けた場合には、聴聞を行わなければならない。
2 電波監理審議会は、前項の場合の外、電波及び放送(有線放送を含む。)の規律に関し郵政大臣から諮問を受けた場合において必要があると認めるときは、聴聞を行うことができる。
3 第八十七條から第九十三條までの規定は、前二項の聴聞に準用する。
4 第一項又は第二項の規定により聴聞を行つた事案については、電波監理審議会は、前項において準用する第九十三條の調書及び意見書に基き答申を議決しなければならない。
(勧告)
第九十九條の十三 電波監理審議会は、第九十九條の十一に掲げる事項その他電波の規律に関し、郵政大臣に対して必要な勧告をすることができる。
2 郵政大臣は、前項の勧告を受けたときは、その内容を公表するとともに、これを尊重して必要な措置をしなければならない。
第百十條に次の一号を加える。
七 第九十九條の九の規定に違反した者
(放送法の一部改正)
第三條 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改める。
第四十八條を次のように改める。
(電波監理審議会への諮問)
第四十八條 郵政大臣は、左に掲げる場合には、電波監理審議会に諮問し、その議決を尊重して措置をしなければならない。
一 第九條第五項(修理業務を行う場所の指定)、第十一條第二項(定款変更の認可)、第三十二條第二項及び第三項(受信料免除の基準及び受信契約條項の認可)、第三十三條(国際放送実施の命令)、第三十四條第一項(放送に関する研究の実施命令)、第四十三條第一項(放送の廃止又は休止の認可)又は前條(放送設備の譲渡等の認可)の規定による処分をしようとするとき。
二 第三十七條第二項の規定により日本放送協会の収支予算、事業計画及び資金計画に対して意見を附けようとするとき。
2 前項各号に掲げる事項のうち、電波監理審議会が軽微なものと認めるものについては、郵政大臣は、電波監理審議会に諮問しないで措置をすることができる。
第四十九條を次のように改める。
(勧告)
第四十九條 電波監理審議会は、前條に掲げる事項その他放送の規律に関し、郵政大臣に対して必要な勧告をすることができる。
2 郵政大臣は、前項の勧告を受けたときは、その内容を公表するとともに、これを尊重して必要な措置をしなければならない。
(有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部改正)
第四條 有線放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二十六年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
「電波監理委員会」を「郵政大臣」に、「電波監理委員会規則」を「郵政省令」に改める。
第九條第二項を次のように改める。
2 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第七章(異議の申立及び訴訟)の規定は、前項の異議の申立に関し準用する。この場合においては、同法第八十五條中「第八十三條」とあるのは「有線放送業務の運用の規正に関する法律第九條第一項」と読み替えるものとする。
(地方自治法の一部改正)
第五條 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第百五十六條第五項中「電波監視局、」を削る。
(判事補の職権の特例等に関する法律の一部改正)
第六條 判事補の職権の特例等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。
第二條第三項、第三條の二及び第五條第一項中「電波監理委員会」の下に「若しくは郵政省」を加える。
(警察予備隊令の一部改正)
第七條 警察予備隊令(昭和二十五年政令第二百六十号)の一部を次のように改正する。
附則第八項及び第九項中「電波監理委員会」を「郵政大臣」に、附則第九項中「電波監理委員会規則」を「郵政省令」に改める。
(労働関係調整法等の一部を改正する法律の一部改正)
第八條 労働関係調整法等の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第二百八十八号)の一部を次のように改正する。
第二條(公共企業体労働関係法の一部改正)のうち第二條の改正規定中「日本放送協会から委託された業務、」の下に、「国民貯蓄債券の売りさばき、償還及び買上並びにその割増金の支払に関する義務、」を加える。
附 則
1 この法律は、郵政省設置法の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第二百七十九号)の施行の日から施行する。
2 従前の電波監理委員会の機関及び職員(委員長及び委員を除く。)は、郵政省の相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
3 この法律の施行の際現に効力を有する電波監理委員会規則は、この法律の施行後も郵政省令としての効力を有するものとする。
4 第二條の規定による改正後の電波法第九十九條の三の規定による電波監理審議会の委員の任命のために必要な行為は、第一項の規定にかかわらず、この法律の施行前においても行うことができる。
5 この法律施行の際国会が閉会中である場合においては、郵政大臣は、第二條の規定による改正後の電波法第九十九條の三の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで、電波監理審議会の最初の委員を任命することができる。
6 前項の場合においては、任命後最初に召集される国会において、当該委員の任命について、両議院の事後の承認を求めなければならない。両議院の事後の承認が得られなかつたときは、当該委員は、当然退職するものとする。
7 この法律の施行後最初に任命される電波監理審議会の委員の任期は、第二條の規定による改正後の電波法第九十九條の五の規定にかかわらず、郵政大臣の定めるところにより、一人は八箇月、二人は一年八箇月、他の二人は二年八箇月とする。
内閣総理大臣 吉田茂
郵政大臣 佐藤栄作
郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百八十号
郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律
(電波監理委員会設置法の廃止)
第一条 電波監理委員会設置法(昭和二十五年法律第百三十三号)は、廃止する。
(電波法の一部改正)
第二条 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
目次中
第七章
聴聞及び訴訟(第八十三条―第九十九条)
第七章
異議の申立及び訴訟(第八十三条―第九十九条)
第七章
異議の申立及び訴訟(第八十三条―第九十九条)
に改める。
「電波監理委員会規則」を「郵政省令」に改める。
第七章を除き、「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改める。
第七章の章名中「聴聞」を「異議の申立」に改める。
第八十三条を削り、第八十四条及び第八十五条中「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改め、第八十四条を第八十三条とし、第八十五条を第八十四条とし、同条の次に次の一条を加える。
(電波監理審議会への付議)
第八十五条 第八十三条の規定による異議の申立があつたときは、郵政大臣は、前条の規定により申立を却下する場合を除き、遅滞なく、これを電波監理審議会の議に付さなければならない。
第八十六条を次のように改める。
(聴聞の開始)
第八十六条 電波監理審議会は、前条の規定により議に付された事案につき、異議の申立が受理された日から三十日以内に聴聞を開始しなければならない。
第八十七条中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改める。
第八十八条第一項中「利害関係者(異議の申立に係る聴聞の場合は利害関係者及び異議の申立をした者。以下同じ。)」を「異議の申立をした者その他の利害関係者」に改める。
第九十二条中「若しくはその代理人又は電波監理委員会」を「又はその代理人」に改め、「若しくは電波監理委員会」を削る。
第九十三条中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改め、同条第三項中「意見書」の下に「の謄本」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(議決)
第九十三条の二 電波監理審議会は、前条の調書及び意見書に基き、事案についての決定案を議決しなければならない。
第九十四条第一項を次のように改める。
郵政大臣は、前条の議決があつたときは、その議決の日から七日以内に、その議決により異議の申立についての決定を行う。
第九十四条第三項中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改める。
第九十六条の見出しを「(省令委任事項)」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(訴の提起)
第九十六条の二 第八十三条第一項の規定により異議の申立をすることができる事項に関する訴は、第八十四条第一項の規定による却下の処分又は第九十四条第一項の規定による決定に対してのみ提起することができる。
第九十七条中「この法律又はこの法律に基く命令の規定に基く電波監理委員会の処分に対する訴」を「前条の訴」に改める。
第九十八条中「前条の訴」を「第九十六条の二の訴」に、「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改める。
第九十九条中「電波監理委員会」を「電波監理審議会」に改め、同条の次に次の一章を加える。
第七章の二 電波監理審議会
(組織)
第九十九条の二 電波監理審議会は、委員五人をもつて組織する。
2 審議会に会長を置き、委員の互選により選任する。
3 会長は、会務を総理する。
4 電波監理審議会は、あらかじめ、委員のうちから、会長に事故がある場合に会長の職務を代行する者を定めて置かなければならない。
(委員の任命)
第九十九条の三 委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、郵政大臣が任命する。
2 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議院の同意を得ることができないときは、郵政大臣は、前項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで委員を任命することができる。この場合においては、任命後最初の国会において、両議院の同意を得なければならない。
3 左の各号の一に該当する者は、委員となることができない。
一 禁こ以上の刑に処せられた者
二 国家公務員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
三 放送事業者その他の電気通信事業者、無線設備の機器の製造業者若しくは販売業者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わずこれと同等以上の職権若しくは支配力を有する者を含む。以下この条中同じ。)若しくはその法人の議決権の十分の一以上を有する者(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(任命の日以前一年間においてこれに該当した者を含む。)
(服務)
第九十九条の四 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第九十六条、第九十八条から第百二条まで及び第百五条の規定は、委員に準用する。
(任期)
第九十九条の五 委員の任期は、三年とする。但し、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。
2 委員は、再任されることができる。
(退職)
第九十九条の六 委員は、第九十九条の三第二項後段の規定による両議院の同意が得られなかつたときは、当然退職するものとする。
(罷免)
第九十九条の七 郵政大臣は、委員が第九十九条の三第三項各号の一に該当するに至つたときは、これを罷免しなければならない。
第九十九条の八 郵政大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
(退職後の就職の制限)
第九十九条の九 委員であつた者は、その退職後一年間は、第九十九条の三第三項第三号及び第四号に掲げる職についてはならない。
(会議及び手続)
第九十九条の十 電波監理審議会は、会長を含む三人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2 電波監理審議会の議事は、出席者の過半数をもつて決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。
3 前二項に定めるものの外、電波監理審議会の会議の議事に関する手続は、郵政省令で定める。
(必要的諮問事項)
第九十九条の十一 郵政大臣は、左に掲げる場合には、電波監理審議会に諮問し、その議決を尊重して措置をしなければならない。
一 第四条第一項但書(免許を要しない無線局)、第七条第一項第四号(無線局の開設の根本的基準)、第九条第一項但書(許可を要しない工事設計変更)、第十三条第一項(無線局の免許の有効期間)、第十五条(再免許の手続)、第二十八条(第百条第三項において準用する場合を含む。)(電波の質)、第二十九条(受信設備の条件)、第三十条(第百条第三項において準用する場合を含む。)(安全施設)、第三十一条(周波数測定装置の備えつけ)、第三十二条(計器及び予備品の備えつけ)、第三十五条(補助装置の備えつけ)、第三十六条の二(義務航空機局の条件)、第三十七条(無線設備の機器の検定)、第三十八条(第百条第三項において準用する場合を含む。)(技術基準)、第三十九条(無線設備の操作)、第四十条(特殊無線技士の従事範囲)、第四十九条(国家試験の細目等)、第五十条第三項(無線従事者の資格別員数の指定)、第五十二条第六号(目的外使用)、第五十五条(運用許容時間外運用)、第六十一条(通信方法等)、第六十四条第二項(第二沈黙時間)、第六十五条第二項、第七十条の四(聴守義務)、第七十条の五(航空機局の通信連絡)及び第百条第一項第二号(高周波利用設備)の規定による郵政省令を制定し、変更し、又は廃止しようとするとき。
二 第七十六条第二項及び第三項の規定による無線局の免許の取消又は第七十九条第一項の規定による無線従事者の免許の取消の処分をしようとするとき。
三 第八条の規定による無線局の予備免許、第九条第一項の規定による工事設計変更の許可又は第七十一条第一項の規定による無線局の周波数等の指定の変更の処分をしようとするとき。
2 前項第三号に掲げる事項のうち、電波監理審議会が軽微なものと認めるものについては、郵政大臣は、電波監理審議会に諮問しないで措置をすることができる。
(聴聞)
第九十九条の十二 電波監理審議会は、前条第一項第一号及び第二号の規定により諮問を受けた場合には、聴聞を行わなければならない。
2 電波監理審議会は、前項の場合の外、電波及び放送(有線放送を含む。)の規律に関し郵政大臣から諮問を受けた場合において必要があると認めるときは、聴聞を行うことができる。
3 第八十七条から第九十三条までの規定は、前二項の聴聞に準用する。
4 第一項又は第二項の規定により聴聞を行つた事案については、電波監理審議会は、前項において準用する第九十三条の調書及び意見書に基き答申を議決しなければならない。
(勧告)
第九十九条の十三 電波監理審議会は、第九十九条の十一に掲げる事項その他電波の規律に関し、郵政大臣に対して必要な勧告をすることができる。
2 郵政大臣は、前項の勧告を受けたときは、その内容を公表するとともに、これを尊重して必要な措置をしなければならない。
第百十条に次の一号を加える。
七 第九十九条の九の規定に違反した者
(放送法の一部改正)
第三条 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
「電波監理委員会」を「郵政大臣」に改める。
第四十八条を次のように改める。
(電波監理審議会への諮問)
第四十八条 郵政大臣は、左に掲げる場合には、電波監理審議会に諮問し、その議決を尊重して措置をしなければならない。
一 第九条第五項(修理業務を行う場所の指定)、第十一条第二項(定款変更の認可)、第三十二条第二項及び第三項(受信料免除の基準及び受信契約条項の認可)、第三十三条(国際放送実施の命令)、第三十四条第一項(放送に関する研究の実施命令)、第四十三条第一項(放送の廃止又は休止の認可)又は前条(放送設備の譲渡等の認可)の規定による処分をしようとするとき。
二 第三十七条第二項の規定により日本放送協会の収支予算、事業計画及び資金計画に対して意見を附けようとするとき。
2 前項各号に掲げる事項のうち、電波監理審議会が軽微なものと認めるものについては、郵政大臣は、電波監理審議会に諮問しないで措置をすることができる。
第四十九条を次のように改める。
(勧告)
第四十九条 電波監理審議会は、前条に掲げる事項その他放送の規律に関し、郵政大臣に対して必要な勧告をすることができる。
2 郵政大臣は、前項の勧告を受けたときは、その内容を公表するとともに、これを尊重して必要な措置をしなければならない。
(有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部改正)
第四条 有線放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二十六年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
「電波監理委員会」を「郵政大臣」に、「電波監理委員会規則」を「郵政省令」に改める。
第九条第二項を次のように改める。
2 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第七章(異議の申立及び訴訟)の規定は、前項の異議の申立に関し準用する。この場合においては、同法第八十五条中「第八十三条」とあるのは「有線放送業務の運用の規正に関する法律第九条第一項」と読み替えるものとする。
(地方自治法の一部改正)
第五条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第百五十六条第五項中「電波監視局、」を削る。
(判事補の職権の特例等に関する法律の一部改正)
第六条 判事補の職権の特例等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項、第三条の二及び第五条第一項中「電波監理委員会」の下に「若しくは郵政省」を加える。
(警察予備隊令の一部改正)
第七条 警察予備隊令(昭和二十五年政令第二百六十号)の一部を次のように改正する。
附則第八項及び第九項中「電波監理委員会」を「郵政大臣」に、附則第九項中「電波監理委員会規則」を「郵政省令」に改める。
(労働関係調整法等の一部を改正する法律の一部改正)
第八条 労働関係調整法等の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第二百八十八号)の一部を次のように改正する。
第二条(公共企業体労働関係法の一部改正)のうち第二条の改正規定中「日本放送協会から委託された業務、」の下に、「国民貯蓄債券の売りさばき、償還及び買上並びにその割増金の支払に関する義務、」を加える。
附 則
1 この法律は、郵政省設置法の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第二百七十九号)の施行の日から施行する。
2 従前の電波監理委員会の機関及び職員(委員長及び委員を除く。)は、郵政省の相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
3 この法律の施行の際現に効力を有する電波監理委員会規則は、この法律の施行後も郵政省令としての効力を有するものとする。
4 第二条の規定による改正後の電波法第九十九条の三の規定による電波監理審議会の委員の任命のために必要な行為は、第一項の規定にかかわらず、この法律の施行前においても行うことができる。
5 この法律施行の際国会が閉会中である場合においては、郵政大臣は、第二条の規定による改正後の電波法第九十九条の三の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで、電波監理審議会の最初の委員を任命することができる。
6 前項の場合においては、任命後最初に召集される国会において、当該委員の任命について、両議院の事後の承認を求めなければならない。両議院の事後の承認が得られなかつたときは、当該委員は、当然退職するものとする。
7 この法律の施行後最初に任命される電波監理審議会の委員の任期は、第二条の規定による改正後の電波法第九十九条の五の規定にかかわらず、郵政大臣の定めるところにより、一人は八箇月、二人は一年八箇月、他の二人は二年八箇月とする。
内閣総理大臣 吉田茂
郵政大臣 佐藤栄作