不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律
法令番号: 法律第七十一号
公布年月日: 平成26年6月13日
法令の形式: 法律
不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十六年六月十三日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第七十一号
不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律
(不当景品類及び不当表示防止法の一部改正)
第一条 不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。
第七条及び第八条を次のように改める。
(事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置)
第七条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、景品類の提供又は表示により不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害することのないよう、景品類の価額の最高額、総額その他の景品類の提供に関する事項及び商品又は役務の品質、規格その他の内容に係る表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定に基づき事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において単に「指針」という。)を定めるものとする。
3 内閣総理大臣は、指針を定めようとするときは、あらかじめ、事業者の事業を所管する大臣及び公正取引委員会に協議するとともに、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
4 内閣総理大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
5 前二項の規定は、指針の変更について準用する。
(指導及び助言)
第八条 内閣総理大臣は、前条第一項の規定に基づき事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは、当該事業者に対し、その措置について必要な指導及び助言をすることができる。
第八条の次に次の一条を加える。
(勧告及び公表)
第八条の二 内閣総理大臣は、事業者が正当な理由がなくて第七条第一項の規定に基づき事業者が講ずべき措置を講じていないと認めるときは、当該事業者に対し、景品類の提供又は表示の管理上必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による勧告を行つた場合において当該事業者がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
第九条第一項中「命令」の下に「又は前条第一項の規定による勧告」を加え、同条第二項を削り、同条第三項中「前二項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項中「又は第二項」を削り、同項を同条第三項とする。
第十条の見出し中「差止請求権」を「差止請求権等」に改め、同条中「適格消費者団体」の下に「(以下この条及び第二十一条において単に「適格消費者団体」という。)」を加え、同条に次の二項を加える。
2 消費者安全法(平成二十一年法律第五十号)第十一条の七第一項に規定する消費生活協力団体及び消費生活協力員は、事業者が不特定かつ多数の一般消費者に対して前項各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがある旨の情報を得たときは、適格消費者団体が同項の規定による請求をする権利を適切に行使するために必要な限度において、当該適格消費者団体に対し、当該情報を提供することができる。
3 前項の規定により情報の提供を受けた適格消費者団体は、当該情報を第一項の規定による請求をする権利の適切な行使の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
第十二条の見出し中「委任」を「委任等」に改め、同条第三項中「公正取引委員会」の下に「、事業者の事業を所管する大臣又は金融庁長官」を加え、「前項」を「前二項」に、「速やかに」を「政令で定めるところにより」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 消費者庁長官は、緊急かつ重点的に不当な景品類及び表示に対処する必要があることその他の政令で定める事情があるため、事業者に対し、第六条の規定による命令又は第八条の二第一項の規定による勧告を効果的に行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、第一項の規定により委任された権限(第九条第一項の規定による権限に限る。)を当該事業者の事業を所管する大臣又は金融庁長官に委任することができる。
第十二条に次の七項を加える。
5 事業者の事業を所管する大臣は、政令で定めるところにより、第三項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限について、その全部又は一部を地方支分部局の長に委任することができる。
6 金融庁長官は、政令で定めるところにより、第三項の規定により委任された権限及び第四項の規定による権限(次項において「金融庁長官権限」と総称する。)について、その一部を証券取引等監視委員会に委任することができる。
7 金融庁長官は、政令で定めるところにより、金融庁長官権限(前項の規定により証券取引等監視委員会に委任されたものを除く。)の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
8 証券取引等監視委員会は、政令で定めるところにより、第六項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
9 前項の規定により財務局長又は財務支局長に委任された権限に係る事務に関しては、証券取引等監視委員会が財務局長又は財務支局長を指揮監督する。
10 第六項の場合において、証券取引等監視委員会が行う報告又は物件の提出の命令(第八項の規定により財務局長又は財務支局長が行う場合を含む。)についての行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立ては、証券取引等監視委員会に対してのみ行うことができる。
11 第一項の規定により消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
第十七条を削り、第十六条を第十七条とする。
第十五条の前の見出しを削り、同条を第十六条とし、同条の前に見出しとして「(罰則)」を付する。
第十四条の次に次の一条を加える。
(関係者相互の連携)
第十五条 内閣総理大臣、関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあつては、当該行政機関)、関係地方公共団体の長、独立行政法人国民生活センターの長その他の関係者は、不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止して一般消費者の利益を保護するため、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携の確保に努めるものとする。
第十八条第一項第一号中「第十五条第一項」を「第十六条第一項」に改め、同項第二号中「第十六条又は」を削り、「各本条」を「同条」に改め、同条第二項第一号中「第十五条第一項」を「第十六条第一項」に改め、同項第二号中「第十六条又は」を削り、「各本条」を「同条」に改める。
第十九条及び第二十条第一項中「第十五条第一項」を「第十六条第一項」に改める。
本則に次の一条を加える。
第二十一条 第十条第三項の規定に違反して、情報を同項に定める目的以外の目的のために利用し、又は提供した適格消費者団体は、三十万円以下の過料に処する。
(消費者安全法の一部改正)
第二条 消費者安全法(平成二十一年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
目次中「第八条・第九条」を「第八条―第九条」に、「第二節 消費生活センターの設置等(第十条・第十一条)」を
第二節
消費生活センターの設置等(第十条―第十一条)
第三節
地方公共団体の長に対する情報の提供(第十一条の二)
第四節
消費者安全の確保のための協議会等(第十一条の三―第十一条の八)
第五節
登録試験機関(第十一条の九―第十一条の二十六)
に、「第四十九条」を「第五十条」に、「第五十条―第五十五条」を「第五十一条―第五十七条」に改める。
第四条第二項中「知識及び」を「知識、技術又は」に改め、同条第五項中「第十条第三項」を「第十条の二第一項第一号」に改め、「病院」の下に「、教育機関、第十一条の七第一項の消費生活協力団体及び消費生活協力員」を加え、同条第六項中「啓発活動、」を「消費者教育を推進し、及び」に改め、「、消費生活に関する教育活動」を削り、「の活動」の下に「を行うこと」を加える。
第八条第一項第一号中「技術的援助」を「必要な助言、協力、情報の提供その他の援助」に改め、同項第四号中「前三号」を「前各号」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号の次に次の一号を加える。
四 消費者安全の確保に関し、関係機関との連絡調整を行うこと。
第八条第二項中第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 消費者安全の確保に関し、関係機関との連絡調整を行うこと。
第八条に次の二項を加える。
3 都道府県は、市町村が前項各号に掲げる事務を他の市町村と共同して処理しようとする場合又は他の市町村に委託しようとする場合は、関係市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。
4 第一項各号に掲げる事務に従事する都道府県の職員若しくはその職にあった者又は第二項各号に掲げる事務に従事する市町村の職員若しくはその職にあった者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第八条の次に次の一条を加える。
(消費生活相談等の事務の委託)
第八条の二 都道府県は、前条第一項第一号に掲げる事務(市町村相互間の連絡調整に係る部分を除く。)及び同項第二号から第五号までに掲げる事務の一部を、その事務を適切に実施することができるものとして内閣府令で定める基準に適合する者に委託することができる。
2 市町村は、前条第二項各号に掲げる事務の一部を、その事務を適切に実施することができるものとして内閣府令で定める基準に適合する者に委託することができる。
3 前二項の規定により事務の委託を受けた者若しくはその役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、当該委託に係る事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第九条中「前条第一項各号」を「第八条第一項各号」に改め、「提供」の下に「、当該事務に従事する人材に対する研修」を加える。
第十条第一項第一号を次のように改める。
一 消費生活相談員を第八条第一項第二号イ及びロに掲げる事務に従事させるものであること。
第十条第二項第一号を次のように改める。
一 消費生活相談員を第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるものであること。
第十条第三項を次のように改める。
3 前項の規定により同項の施設又は機関を設置する市町村以外の市町村は、第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるため、消費生活相談員を置くよう努めなければならない。
第十条の次に次の三条を加える。
(消費生活センターの組織及び運営等)
第十条の二 都道府県及び前条第二項の施設又は機関を設置する市町村は、次に掲げる事項について条例で定めるものとする。
一 消費生活センター(前条第一項又は第二項の施設又は機関をいう。次項及び第四十七条第二項において同じ。)の組織及び運営に関する事項
二 第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる事務の実施により得られた情報の安全管理に関する事項
三 その他内閣府令で定める事項
2 都道府県又は消費生活センターを設置する市町村が前項の規定により条例を定めるに当たっては、事業者に対する消費者からの苦情が適切かつ迅速に処理されるための基準として内閣府令で定める基準を参酌するものとする。
(消費生活相談員の要件等)
第十条の三 消費生活相談員は、内閣総理大臣若しくは内閣総理大臣の登録を受けた法人(以下「登録試験機関」という。)の行う消費生活相談員資格試験に合格した者又はこれと同等以上の専門的な知識及び技術を有すると都道府県知事若しくは市町村長が認める者でなければならない。
2 消費生活相談員は、消費生活を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、消費生活相談(第八条第一項第二号イ及びロ又は第二項第一号及び第二号の規定に基づき都道府県又は市町村が実施する事業者に対する消費者からの苦情に係る相談及びあっせんをいう。以下同じ。)に関する知識及び技術の向上に努めなければならない。
3 第一項の消費生活相談員資格試験(以下単に「試験」という。)は、消費生活相談を行うために必要な知識及び技術を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
二 消費者行政に関する法令に関する科目
三 消費生活相談の実務に関する科目
四 その他内閣府令で定める科目
4 試験(登録試験機関の行うものを除く。)を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、手数料を国に納付しなければならない。
5 前二項に定めるもののほか、試験の受験手続その他の実施細目は、内閣府令で定める。
(指定消費生活相談員)
第十条の四 都道府県知事は、市町村による消費生活相談の事務の実施に関し援助を行うため、試験に合格し、かつ、内閣府令で定める消費生活相談員としての実務の経験を有する都道府県の消費生活相談員の中から、市町村が行う第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務の実施に関し、同条第一項第一号に規定する助言、協力、情報の提供その他の援助を行う者を指定消費生活相談員として指定するよう努めなければならない。
第十一条の見出し中「消費生活センター」を「消費生活相談等」に改め、同条中「消費生活センターを設置する」を削り、「消費生活センターに配置された相談員(前条第一項第一号又は第二項第一号に規定する者をいう。以下この条において同じ。)」を「消費生活相談員」に、「相談員その他の消費生活センターの」を「消費生活相談員その他の第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる」に改める。
第三章中第二節の次に次の三節を加える。
第三節 地方公共団体の長に対する情報の提供
第十一条の二 内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、地方公共団体の長からの求めに応じ、消費者安全の確保のために必要な限度において、当該地方公共団体の長に対し、消費生活上特に配慮を要する購入者に関する情報その他の内閣府令で定める情報で、当該地方公共団体の住民に関するものを提供することができる。
2 地方公共団体の長は、内閣府令で定めるところにより、他の地方公共団体の長からの求めに応じ、消費者安全の確保のために必要な限度において、当該他の地方公共団体の長に対し、消費生活相談の事務の実施により得られた情報で、当該他の地方公共団体の住民に関するものを提供することができる。
3 国民生活センターの長は、内閣府令で定めるところにより、地方公共団体の長からの求めに応じ、消費者安全の確保のために必要な限度において、当該地方公共団体の長に対し、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあっせん及び当該苦情に係る相談の業務の実施により得られた情報で、当該地方公共団体の住民に関するものを提供することができる。
第四節 消費者安全の確保のための協議会等
(消費者安全確保地域協議会)
第十一条の三 国及び地方公共団体の機関であって、消費者の利益の擁護及び増進に関連する分野の事務に従事するもの(以下この条において「関係機関」という。)は、当該地方公共団体の区域における消費者安全の確保のための取組を効果的かつ円滑に行うため、関係機関により構成される消費者安全確保地域協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
2 前項の規定により協議会を組織する関係機関は、必要があると認めるときは、病院、教育機関、第十一条の七第一項の消費生活協力団体又は消費生活協力員その他の関係者を構成員として加えることができる。
(協議会の事務等)
第十一条の四 協議会は、前条の目的を達成するため、必要な情報を交換するとともに、消費者安全の確保のための取組に関する協議を行うものとする。
2 協議会の構成員(次項において単に「構成員」という。)は、前項の協議の結果に基づき、消費者安全の確保のため、消費生活上特に配慮を要する消費者と適当な接触を保ち、その状況を見守ることその他の必要な取組を行うものとする。
3 協議会は、第一項に規定する情報の交換及び協議を行うため必要があると認めるとき、又は構成員が行う消費者安全の確保のための取組に関し他の構成員から要請があった場合その他の内閣府令で定める場合において必要があると認めるときは、構成員に対し、消費生活上特に配慮を要する消費者に関する情報の提供、意見の表明その他の必要な協力を求めることができる。
4 協議会の庶務は、協議会を構成する地方公共団体において処理する。
(秘密保持義務)
第十一条の五 協議会の事務に従事する者又は協議会の事務に従事していた者は、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(協議会の定める事項)
第十一条の六 前三条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
(消費生活協力団体及び消費生活協力員)
第十一条の七 地方公共団体の長は、消費者の利益の擁護又は増進を図るための活動を行う民間の団体又は個人のうちから、消費生活協力団体又は消費生活協力員を委嘱することができる。
2 消費生活協力団体及び消費生活協力員は、次に掲げる活動を行う。
一 消費者安全の確保に関し住民の理解を深めること。
二 消費者安全の確保のための活動を行う住民に対し、当該活動に関する情報の提供その他の協力をすること。
三 消費者安全の確保のために必要な情報を地方公共団体に提供することその他国又は地方公共団体が行う施策に必要な協力をすること。
四 前三号に掲げるもののほか、地域における消費者安全の確保のための活動であって、内閣府令で定めるものを行うこと。
3 地方公共団体の長は、消費生活協力団体及び消費生活協力員に対し、前項各号に掲げる活動に資するよう、研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(秘密保持義務)
第十一条の八 消費生活協力団体の役員若しくは職員若しくは消費生活協力員又はこれらの者であった者は、前条第二項各号に掲げる活動に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第五節 登録試験機関
(登録試験機関の登録)
第十一条の九 第十条の三第一項の登録試験機関に係る登録(以下単に「登録」という。)は、試験の実施に関する業務(以下「試験業務」という。)を行おうとする者の申請により行う。
(欠格条項)
第十一条の十 内閣総理大臣は、前条の規定により登録の申請をした者(次条第一項において「登録申請者」という。)が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
一 この法律又はこの法律に基づく命令に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第十一条の二十二の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 その業務を行う役員のうちに第一号に該当する者があるもの
(登録の要件等)
第十一条の十一 内閣総理大臣は、登録申請者が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、内閣府令で定める。
一 第十条の三第三項各号に掲げる科目について試験を行うこと。
二 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する試験委員が問題の作成並びに受験者が消費生活相談員として必要な知識及び技術を有するかどうかの判定を行うこと。
イ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による大学において民事法学、行政法学若しくは経済学に関する科目を担当する教授若しくは准教授の職にあり、又はこれらの職にあった者
ロ 国又は地方公共団体の職員又は職員であった者で、第十条の三第三項各号に掲げる科目について専門的な知識を有する者
ハ 消費生活相談に五年以上従事した経験を有する者
ニ イからハまでに掲げる者と同等以上の知識及び経験を有する者
三 試験の信頼性の確保のための専任の管理者及び試験業務の管理を行う専任の部門が置かれていること。
四 債務超過の状態にないこと。
2 登録は、登録試験機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録を受けた者の名称及び住所並びに代表者の氏名
三 登録を受けた者が行う試験業務の内容
四 登録を受けた者が試験業務を行う事業所の所在地
五 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
(登録の更新)
第十一条の十二 登録は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
(信頼性の確保)
第十一条の十三 登録試験機関は、試験業務の管理(試験に関する秘密の保持及び試験の合格の基準に関することを含む。)に関する文書の作成その他の内閣府令で定める試験業務の信頼性の確保のための措置を講じなければならない。
2 登録試験機関は、第十条の三第五項の試験の実施細目に従い、公正に試験を実施しなければならない。
(登録事項の変更の届出)
第十一条の十四 登録試験機関は、第十一条の十一第二項第二号から第五号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(試験業務規程)
第十一条の十五 登録試験機関は、試験業務に関する規程(以下「試験業務規程」という。)を定め、試験業務の開始前に、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 試験業務規程には、試験業務の実施方法、試験の信頼性を確保するための措置、試験に関する料金その他の内閣府令で定める事項を定めておかなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の認可をした試験業務規程が試験の公正な実施上不適当となったと認めるときは、登録試験機関に対し、その試験業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(試験業務の休廃止)
第十一条の十六 登録試験機関は、内閣総理大臣の許可を受けなければ、試験業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第十一条の十七 登録試験機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第五十七条において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間、その事務所に備えて置かなければならない。
2 試験を受けようとする者その他の利害関係人は、登録試験機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録試験機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。第十二条第四項において同じ。)であって内閣府令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(試験委員)
第十一条の十八 登録試験機関は、試験委員を選任したときは、遅滞なく、内閣総理大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 内閣総理大臣は、試験委員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは試験業務規程に違反する行為をしたとき、又は試験業務の実施に関し著しく不適当な行為をしたときは、登録試験機関に対し、当該試験委員の解任を命ずることができる。
3 前項の規定による命令により試験委員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、試験委員となることができない。
(秘密保持義務等)
第十一条の十九 登録試験機関の役員若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあった者は、試験業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 試験業務に従事する登録試験機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(適合命令)
第十一条の二十 内閣総理大臣は、登録試験機関が第十一条の十一第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該登録試験機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第十一条の二十一 内閣総理大臣は、登録試験機関が第十一条の十三の規定に違反していると認めるときは、当該登録試験機関に対し、同条の規定に従って試験業務を行うべきこと又は試験の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第十一条の二十二 内閣総理大臣は、登録試験機関が第十一条の十第一号又は第三号に該当するに至ったときは、その登録を取り消さなければならない。
2 内閣総理大臣は、登録試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて試験業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十一条の十四、第十一条の十六、第十一条の十七第一項又は次条の規定に違反したとき。
二 第十一条の十五第一項の認可を受けた試験業務規程によらないで試験業務を行ったとき。
三 第十一条の十五第三項、第十一条の十八第二項又は前二条の規定による命令に違反したとき。
四 正当な理由がないのに第十一条の十七第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
五 不正の手段により登録を受けたとき。
(帳簿の記載)
第十一条の二十三 登録試験機関は、内閣府令で定めるところにより、帳簿を備え、試験業務に関し内閣府令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(報告、立入調査等)
第十一条の二十四 内閣総理大臣は、試験業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、登録試験機関に対し、試験業務の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該登録試験機関の事務所に立ち入り、試験業務の状況若しくは設備、帳簿、書類その他の物件に関し必要な調査若しくは質問をさせることができる。
2 前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(内閣総理大臣による試験業務の実施)
第十一条の二十五 内閣総理大臣は、登録をしたときは、試験業務を行わないものとする。
2 内閣総理大臣は、登録を受けた者がいないとき、第十一条の十六の規定による試験業務の全部又は一部の休止又は廃止の許可をしたとき、第十一条の二十二の規定により登録を取り消し、又は同条第二項の規定により登録試験機関に対し試験業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、登録試験機関が天災その他の事由により試験業務の全部又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、試験業務の全部又は一部を自ら行うことができる。
3 内閣総理大臣が前項の規定により試験業務の全部又は一部を自ら行う場合における試験業務の引継ぎその他の必要な事項については、内閣府令で定める。
(公示)
第十一条の二十六 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録をしたとき。
二 第十一条の十四の規定による届出があったとき。
三 第十一条の十六の規定による許可をしたとき。
四 第十一条の二十二の規定により登録を取り消し、又は同条第二項の規定により登録試験機関に対し試験業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
五 前条の規定により内閣総理大臣が試験業務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた試験業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
第十二条第四項中「代えて、」の下に「全国消費生活情報ネットワークシステム(行政機関の長、地方公共団体の機関、国民生活センターその他内閣府令で定める者の使用に係る電子計算機を相互に電気通信回線で接続した電子情報処理組織であって、消費生活に関する情報を蓄積し、及び利用するために、内閣府令で定めるところにより国民生活センターが設置し、及び管理するものをいう。)への入力その他」を加え、「(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)」を削り、同条に次の一項を加える。
5 国及び国民生活センターは、地方公共団体に対し、第一項及び第二項の規定による通知の円滑かつ確実な実施に関し、助言その他の必要な援助を行うものとする。
第二十五条第三項中「(明治四十年法律第四十五号)」を削る。
第四十五条第二項を次のように改める。
2 第十一条の二十四第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。
第四十五条第三項を削る。
第五十二条を削り、第五十一条を第五十二条とし、第五十条を第五十一条とする。
第七章中第四十九条を第五十条とし、第四十八条を第四十九条とし、第四十七条を第四十八条とする。
第四十六条中「前条第一項」を「第四十五条第一項」に改め、同条を第四十七条とし、第七章中同条の前に次の一条を加える。
(財政上の措置等)
第四十六条 国及び地方公共団体は、消費者安全の確保に関する施策を実施するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
第五十三条を次のように改める。
第五十三条 第八条第四項、第八条の二第三項、第十一条の五、第十一条の十九第一項又は第二十五条第二項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 第十一条の二十二第二項の規定による試験業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした登録試験機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十五条第一号中「第五十条及び第五十一条」を「第五十一条及び第五十二条」に改め、同条第二号中「前二条」を「第五十三条第二項及び前二条」に改め、同条を第五十六条とする。
第五十四条を第五十五条とし、第五十三条の次に次の一条を加える。
第五十四条 次の各号のいずれかに掲げる違反があった場合においては、その違反行為をした登録試験機関の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十一条の十六の許可を受けないで試験業務の全部を廃止したとき。
二 第十一条の二十三の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
三 第十一条の二十四第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入り若しくは調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
2 第四十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入り、調査若しくは集取を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
本則に次の一条を加える。
第五十七条 第十一条の十七第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者は、二十万円以下の過料に処する。
(独立行政法人国民生活センター法の一部改正)
第三条 独立行政法人国民生活センター法(平成十四年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
第九条の見出し中「地位」を「服務等」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
センターの役員及び職員は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。これらの者がその職を退いた後も、同様とする。
第四十七条中「第十五条第一項」を「第九条第一項又は第十五条第一項」に改める。
(政府の措置)
第四条 第一条の規定により講じられる措置のほか、政府は、この法律の施行後一年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 次条及び附則第五条の規定 公布の日
二 第一条中不当景品類及び不当表示防止法第十条の改正規定及び同法本則に一条を加える改正規定、第二条の規定(次号に掲げる改正規定を除く。)並びに附則第三条及び第七条から第十一条までの規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
三 第二条中消費者安全法第十条の次に三条を加える改正規定(第十条の四に係る部分に限る。) 公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日
(不当景品類及び不当表示防止法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 内閣総理大臣は、この法律の施行前においても、第一条の規定による改正後の不当景品類及び不当表示防止法第七条の規定の例により、事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上必要な措置に関する指針を定めることができる。
2 前項の規定により定められた指針は、この法律の施行の日において第一条の規定による改正後の不当景品類及び不当表示防止法第七条第二項の規定により定められたものとみなす。
(消費者安全法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 第二条の規定(附則第一条第三号に掲げる改正規定を除く。以下この条において同じ。)の施行の際現に第二条の規定による改正前の消費者安全法第八条第一項第二号イ及びロ又は第二項第一号及び第二号に掲げる事務その他これに準ずるものとして内閣府令で定める事務に従事した経験を有する者(事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に適切に応じることができるものとして内閣府令で定める基準に適合する者に限る。)は、第二条の規定による改正後の消費者安全法第十条の三第一項の消費生活相談員資格試験(次項において単に「試験」という。)に合格した者とみなす。
2 前項に規定する場合のほか、内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣の指定する者が実施する講習会の課程を修了した者(事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に適切に応じることができるものとして内閣府令で定める基準に適合する者に限る。)は、第二条の規定の施行後五年内に限り、試験に合格した者とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第六条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(地方自治法の一部改正)
第七条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一消費者安全法(平成二十一年法律第五十号)の項中「第四十六条第二項」を「第四十七条第二項」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第八条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第五十号の二の次に次のように加える。
五十の三 消費生活相談員に係る登録試験機関の登録
 消費者安全法(平成二十一年法律第五十号)第十条の三第一項(登録試験機関の登録)の登録(更新の登録を除く。)
登録件数
一件につき十五万円
(登録免許税法の一部改正に伴う調整規定)
第九条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日が消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(平成二十五年法律第九十六号)の施行の日前である場合には、前条中「別表第一第五十号の二」とあるのは「別表第一第五十号」と、「五十の三」とあるのは「五十の二」とする。
2 前項の場合において、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律附則第八条中「別表第一第五十号」とあるのは「別表第一第五十号の二」と、「五十の二」とあるのは「五十の三」とする。
(消費者契約法の一部改正)
第十条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第十二条の二第一項中「第十条」を「第十条第一項」に改める。
第四十三条第二項第二号中「第十条」を「第十条第一項」に、「同条」を「同項」に改める。
(消費者教育の推進に関する法律の一部改正)
第十一条 消費者教育の推進に関する法律(平成二十四年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第五条中「第十条第三項」を「第十条の二第一項第一号」に改める。
第十六条第一項中「第十一条に規定する相談員」を「に定める消費生活相談員」に改める。
(金融庁設置法の一部改正)
第十二条 金融庁設置法(平成十年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
第八条中「(昭和二十六年法律第百九十八号)」の下に「、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)」を加える。
内閣総理大臣 安倍晋三
総務大臣 新藤義孝
財務大臣 麻生太郎
文部科学大臣 下村博文