(趣旨)
第一条 この法律は、公設試験研究機関において専門的な知識経験等を有する人材を積極的に受け入れ、研究者の相互の交流を推進することが公設試験研究機関における研究活動の活性化にとって重要であることにかんがみ、公設試験研究機関の研究業務に従事する職員について、任期を定めた採用及び任期を定めて採用された職員の裁量による勤務に関する事項について定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 公設試験研究機関 地方公共団体に置かれる試験所、研究所その他の機関(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二条第二項に規定する公立学校を除く。)であって、試験研究に関する業務を行うものをいう。
二 研究業務 公設試験研究機関の試験研究に関する業務をいう。
三 職員 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第四条第一項に規定する職員(公設試験研究機関の長その他の条例で定める職員及び非常勤職員を除く。)をいう。
(任期を定めた採用)
第三条 任命権者(地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者及びその委任を受けた者をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合には、条例で定めるところにより、職員を選考により任期を定めて採用することができる。
一 研究業績等により当該研究分野において特に優れた研究者と認められている者を招へいして、当該研究分野に係る高度の専門的な知識経験を必要とする研究業務に従事させる場合
二 独立して研究する能力があり、研究者として高い資質を有すると認められる者(この号の規定によりかつて当該地方公共団体の職員として任期を定めて採用されたことがある者を除く。)を、当該研究分野における先導的役割を担う有為な研究者となるために必要な能力のかん養に資する研究業務に従事させる場合
2 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、前項第一号の規定により任期を定めた採用を行う場合には、人事委員会の承認を得なければならない。
3 任命権者は、第一項第二号の規定により任期を定めた採用を行う場合には、その対象となる研究業務及び選考の手続を定めた採用計画に基づいて行わなければならない。
4 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、前項の採用計画を作成しようとするときは、人事委員会に協議しなければならない。
(任期)
第四条 前条第一項第一号に規定する場合における任期は、五年を超えない範囲内で任命権者が定める。ただし、特に五年を超える任期を定める必要があると認める場合には、七年(特別の計画に基づき期間を定めて実施される研究業務に従事させる場合にあっては、十年)を超えない範囲内で任期を定めることができる。
2 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、前項ただし書の規定により任期を定める場合には、人事委員会の承認を得なければならない。
3 前条第一項第二号に規定する場合における任期は、三年を超えない範囲内で任命権者が定める。ただし、研究業務の性質上特に必要がある場合(人事委員会を置く地方公共団体においては、人事委員会の承認を得たときに限る。)には、五年を超えない範囲内で任期を定めることができる。
4 任命権者は、第一項又は前項の規定により任期を定めて職員を採用する場合には、当該職員にその任期を明示しなければならない。
第五条 任命権者は、条例で定めるところにより、第三条第一項第一号の規定により任期を定めて採用された職員(次条において「第一号任期付研究員」という。)の任期が五年に満たない場合にあっては採用した日から五年、同項第二号の規定により任期を定めて採用された職員(以下この項において「第二号任期付研究員」という。)の任期が三年に満たない場合(前条第三項ただし書の規定により任期が定められた場合を除く。)にあっては採用した日から三年、第二号任期付研究員のうち前条第三項ただし書の規定により任期が定められ職員の任期が五年に満たない場合にあっては採用した日から五年を超えない範囲内において、その任期を更新することができる。
2 前条第四項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。
(第一号任期付研究員の裁量による勤務)
第六条 第一号任期付研究員については、地方公務員法第五十八条第三項の規定にかかわらず、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十八条の三第一項の規定及び同項の規定に基づく命令の規定を適用する。この場合において、同項中「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により」とあるのは「条例により」と、「協定で定める」とあるのは「条例で定める」とする。