預金保険法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
国事行為臨時代行名
平成十二年五月三十一日
内閣総理大臣 森喜朗
法律第九十三号
預金保険法等の一部を改正する法律
(預金保険法の一部改正)
第一条 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項に次の三号を加える。
六 信用金庫連合会
七 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会(以下「信用協同組合連合会」という。)
八 労働金庫連合会
第三十五条第一項中「金融機関等(金融機関並びに信用金庫連合会、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会及び労働金庫連合会をいう。以下同じ。)」を「金融機関」に改め、同条第二項及び第三項中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第三十七条第一項中「行なう」を「行う」に改め、同条第三項中「取締役(破綻金融機関が信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「取締役(破綻金融機関が信用金庫若しくは信用金庫連合会、信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会(以下「信用金庫等」という。)」に、「監査役(破綻金融機関が信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「監査役(破綻金融機関が信用金庫等」に、「破綻金融機関が信用協同組合又は労働金庫」を「破綻金融機関が信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会」に改め、同条第四項中「行なう」を「行う」に改める。
第四十三条第二号中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第四十九条第二項第二号中「又は労働金庫」を「若しくは信用金庫連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会」に改め、「信用協同組合」の下に「又は信用協同組合連合会」を加え、「とする」を削る。
第五十条第一項中「信用金庫、信用協同組合又は労働金庫(以下「信用金庫等」という。)」を「信用金庫等」に改める。
第五十六条第四項及び第五十九条第五項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加え、「とする。」を削る。
第六十条第一項中「金融機関等」を「金融機関」に改め、同条第二項中「金融機関等」を「金融機関」に改め、「とする。」を削る。
第六十一条第四項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第六十二条第三項中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第六十四条第三項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加え、「とする。」を削り、同条第四項中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第六十五条中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加え、「第六十八条」を「次条第一項、第六十七条第二項、第六十八条」に改め、「第七十四条第四項」の下に「及び第十一項」を加える。
第六十六条第一項中「(労働金庫にあっては、金融再生委員会及び労働大臣とする。第七十四条第十一項において同じ。)」を削る。
第六十七条中「一年以内」を「二年以内」に改め、同条に次の一項を加える。
2 適格性の認定等を受けた救済金融機関は、前項に規定する契約に関する業務の利用者の利便等に照らし特別の事情がある場合において、期間を定めて当該業務を整理することを内容とする計画を作成し、当該計画につき金融再生委員会の承認を受けたときは、営業の全部又は一部の譲受けの日における当該契約の総額を超えない範囲内において、かつ、当該計画に従い、同項の期限が満了した契約を更新して、又は同項の期間を超えて、当該業務を継続することができる。
第六十九条第一項中「信用金庫」の下に「若しくは信用金庫連合会、信用協同組合連合会又は労働金庫連合会」を加える。
第七十五条の見出し中「労働金庫」を「労働金庫等」に改め、同条中「信用金庫」の下に「若しくは信用金庫連合会」を、「労働金庫」の下に「若しくは労働金庫連合会」を加える。
第七十九条第二項中「信用金庫」の下に「若しくは信用金庫連合会、信用協同組合連合会」を、「労働金庫」の下に「若しくは労働金庫連合会」を加える。
第八十一条の三第三項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第九十条中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
附則第六条の二中「次条」の下に「から附則第七条まで」を加え、同条の次に次の二条を加える。
(特例資産譲受人等の資産の買取り)
第六条の三 機構は、第六十四条第一項の規定による資金援助の決定(預金保険法の一部を改正する法律(平成八年法律第九十六号)の施行の日前にされたものに限る。)に係る営業譲渡等を行った破綻金融機関の資産を譲り受けた者(当該営業譲渡等に係る救済金融機関を除く。以下この条において「特定譲受人」という。)、当該営業譲渡等に係る救済金融機関の資産(当該救済金融機関が当該営業譲渡等により当該破綻金融機関から譲り受けたものに限る。以下この項において「特別資産」という。)を譲り受けた者(以下この条において「特別譲受人」という。)又は特定譲受人若しくは特別譲受人に対して当該破綻金融機関の資産若しくは特別資産(以下この項において「特例資産」という。)の譲受けに必要な資金の貸付けを行った者であって当該貸付けに係る債務の弁済に代えて当該特例資産を譲り受けた者(以下この項及び第五項において「特例資産譲受人」という。)から、平成十三年三月三十一日までに当該特定譲受人が譲り受けた当該破綻金融機関の資産、当該特別譲受人が譲り受けた当該特別資産又は当該特例資産譲受人が当該債務の弁済に代えて譲り受けた当該特例資産の買取りの申込みを受けたときは、これらの資産を買い取ることができる。
2 機構は、前項の規定による申込みがあったときは、遅滞なく、委員会の議決を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。
3 機構は、前項の規定により資産の買取りを行う旨の決定をしようとするときは、あらかじめ、金融再生委員会及び大蔵大臣の承認を受けなければならない。
4 金融再生委員会及び大蔵大臣は、特定譲受人又は特別譲受人による破綻金融機関又は救済金融機関からの資産の譲受けが、当該破綻金融機関の円滑な営業譲渡等を図る観点又は当該救済金融機関の業務の健全かつ適切な運営を図る観点から必要であったと認める場合に限り、前項の承認をするものとする。
5 機構は、第二項の規定による資産の買取りを行う旨の決定をしたときは、当該資産の買取りの申込みに係る特定譲受人、特別譲受人又は特例資産譲受人(以下「特例資産譲受人等」という。)との間で当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。
(特例資産譲受人等に対する損失の補てん)
第六条の四 機構は、前条第一項の規定により資産の買取りを行う場合(附則第十条第一項の規定により協定銀行が機構の委託を受けて資産の買取りを行う場合を含む。)において、特例資産譲受人等(金融機関に限る。以下この項において同じ。)から、当該資産の売却により生じた損失の補てんの申込みを受けたときは、委員会の議決を経て、当該特例資産譲受人等に対し、当該損失の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内において、当該損失の補てんを行うことができる。
2 機構は、前項の規定により損失の補てんを行おうとするときは、あらかじめ、金融再生委員会及び大蔵大臣の承認を受けなければならない。
3 金融再生委員会及び大蔵大臣は、第一項の規定による損失の補てんが行われなければ、信用秩序の維持に重大な支障が生ずるおそれがあると認める場合に限り、前項の承認をするものとする。
附則第七条第一項中「並びに破綻金融機関」の下に「又は特例資産譲受人等」を加え、同項第五号中「破綻金融機関」の下に「若しくは特例資産譲受人等」を加える。
附則第八条第一項第二号中「破綻金融機関の資産」の下に「又は特例資産譲受人等の資産」を加える。
附則第十条第一項中「場合」の下に「又は附則第六条の三第二項の規定により特例資産譲受人等の資産の買取りを行う旨の決定をする場合」を加え、同条第四項中「締結したとき」の下に「(第六十四条第一項の規定により破綻金融機関の資産の買取りを含む資金援助を行う旨の決定をする場合に限る。)」を加え、同条に次の一項を加える。
5 機構が協定銀行との間で第三項の委託に関する契約を締結したとき(附則第六条の三第一項の規定による特例資産譲受人等の資産の買取りを行う場合に限る。)は、第一項の決定に係る特例資産譲受人等の資産の買取りに関する契約は、同条第五項の規定にかかわらず、協定銀行が当該特例資産譲受人等との間で締結するものとする。
附則第十一条第一項中「資産」の下に「若しくは特例資産譲受人等の資産」を加える。
附則第十八条第一項第二号の次に次の一号を加える。
二の二 附則第六条の三第一項及び第六条の四第一項に規定する業務
附則第十九条の二中「附則第十九条の四第二項」の下に「又は第三項」を加える。
附則第十九条の三第一項中「から第三号まで」の下に「(第二号の二を除く。)」を加え、「同号」を「同項第三号」に改め、同条第二項中「及び第二号」を「から第二号の二まで」に、「、破綻金融機関」を「破綻金融機関」に、「ものがあるときは、」を「ものがあるときの」に改め、「定める金額」の下に「、機構が同日までに行つた附則第六条の三第一項の規定による資産の買取り(附則第十条第一項の規定により協定銀行が機構の委託を受けて資産の買取りを行う場合を含む。)に係る機構の費用として政令で定める金額及び機構が同日までに行つた附則第六条の四第一項の規定による損失の補てんに要した金額として政令で定める金額の合計額」を加える。
附則第十九条の四中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 前項の規定により交付するものとされている国債の額に相当する金額のほか、政府は、第一項の規定により、六兆円を限り、国債を発行し、これを機構に交付するものとする。
附則第十九条の五第一項中「前条第二項」の下に「又は第三項」を加える。
附則第二十条の二第一項中「附則第十九条の四第二項」の下に「又は第三項」を加える。
附則第二十一条第二項中「買取り」の下に「若しくは特例資産譲受人等からの資産の買取り」を加える。
附則第二十二条第一項中「資産」の下に「若しくは特例資産譲受人等の資産」を加える。
附則第二十三条第一項第三号中「附則第七条第一項」を「附則第六条の三第一項、第六条の四第一項、第七条第一項」に改め、同条第三項を同条第五項とし、同条第二項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。
2 附則第六条の三第一項に規定する機構の業務が行われる場合には、次に定めるところによる。
一 第十五条の規定の適用については、同条中「次章及び第四章」とあるのは、「次章、第四章、附則第六条の三、第八条、第九条、第十条及び第十一条」とする。
二 第九十一条の規定の適用については、同条第一号中「認可」とあるのは「認可又は承認」と、同条第三号中「第三十四条」とあるのは「第三十四条及び附則第六条の三第一項」とする。
3 附則第六条の四第一項に規定する機構の業務が行われる場合には、次に定めるところによる。
一 第十五条の規定の適用については、同条中「次章及び第四章」とあるのは、「次章、第四章及び附則第六条の四」とする。
二 第九十一条の規定の適用については、同条第一号中「認可」とあるのは「認可又は承認」と、同条第三号中「第三十四条」とあるのは「第三十四条及び附則第六条の四第一項」とする。
(協同組織金融機関の優先出資に関する法律の一部改正)
第二条 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第三号中「全国を地区とする」を「信用協同組合及び」に改め、同項第四号中「全国を地区とする」を「信用金庫及び」に改め、同項第五号中「全国を地区とする」を「労働金庫及び」に改め、同項に次の二号を加える。
六 農業協同組合(農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第十九条第一項第三号及び第四十五条第一項において同じ。)及び農業協同組合連合会(同法第十条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第四十五条第一項において同じ。)
七 漁業協同組合及び水産加工業協同組合(水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第二号又は第九十三条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第十九条第一項第三号及び第四十五条第一項において同じ。)並びに漁業協同組合連合会及び水産加工業協同組合連合会(同法第八十七条第一項第二号又は第九十七条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第四十五条第一項において同じ。)
第二条第二項中「連合会」を「連合会等」に、「第五号」を「第七号」に改め、同条第三項に次の二号を加える。
七 農業協同組合法
八 水産業協同組合法
第二条第四項中「連合会」を「連合会等」に改め、「会員」の下に「又は組合員」を加え、同条第七項中「連合会」を「連合会等」に改める。
第五条第一項、第六条第二項、第十四条、第十五条第二項及び第十六条第二項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第十九条第一項第三号中「最低額」の下に「(農業協同組合又は漁業協同組合若しくは水産加工業協同組合にあっては、その額に農業協同組合法第五十一条第四項(剰余金の繰越し)又は水産業協同組合法第五十五条第四項(剰余金の繰越し)(同法第九十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定に基づいて当該事業年度において翌事業年度に繰り越さなければならない繰越金の最低額を加えた額)」を加え、同条第九項及び第十項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第二十一条第三項及び第三十一条第二号中「連合会」を「連合会等」に改める。
第三十四条第三項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第三十六条第二項中「連合会」を「連合会等」に改める。
第三十七条第四項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第三十八条第二項第三号中「(出資の金額)」の下に「及び第五条の六第一号(剰余金の配当)」を加え、同項第五号中「及び第六十条第一項(法定準備金)」を「、第六十条第一項(法定準備金)及び第六十一条第一項第一号(剰余金の配当)」に改め、同項に次の二号を加える。
六 農業協同組合法第五十一条第二項(準備金)及び第五十二条第一項第一号(剰余金の配当) 出資総額
七 水産業協同組合法第十一条の二第一項(出資の総額の最低限度)(同法第九十二条第一項、第九十六条第一項及び第百条第一項において準用する場合を含む。)、第五十五条第二項(準備金及び繰越金)(同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。)及び第五十六条第一項第一号(剰余金の配当)(同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。) 出資の総額及び出資総額
第三十八条第三項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 協同組合による金融事業に関する法律第五条の六(剰余金の配当) 同条第二号及び第四号
第三十八条第三項に次の三号を加える。
五 労働金庫法第六十一条第一項(剰余金の配当) 同項第二号及び第四号
六 農業協同組合法第五十二条第一項(剰余金の配当) 同項第二号及び第五号
七 水産業協同組合法第五十六条第一項(剰余金の配当)(同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。) 同法第五十六条第一項第二号及び第五号(これらの規定を同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。)
第四十二条及び第四十三条中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第四十五条を次のように改める。
(主管行政庁)
第四十五条 この法律中「行政庁」とあるのは、一の都道府県の区域を超えない区域を地区とする農業協同組合、漁業協同組合若しくは水産加工業協同組合又は一の都道府県の区域の一部をその地区の全部とする農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会若しくは水産加工業協同組合連合会については都道府県知事、その他の協同組織金融機関については主務大臣とする。
2 この法律における主務大臣は、優先出資を発行する協同組織金融機関の根拠法に基づく主務大臣とする。
第四十五条の二の見出しを「(権限の委任等)」に改め、同条に次の四項を加える。
2 金融再生委員会は、政令で定めるところにより、この法律による権限(前項の規定により金融監督庁長官に委任されたものを除く。)の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
3 第一項の規定により金融監督庁長官に委任された権限及びこの法律による農林水産大臣の権限の一部は、政令で定めるところにより、これを地方支分部局の長(金融監督庁長官に委任された権限にあっては、財務局長又は財務支局長)に委任することができる。
4 前項の規定により財務局長又は財務支局長に委任された権限に係る事務に関しては、金融監督庁長官が財務局長又は財務支局長を指揮監督する。
5 この法律による農林水産大臣又は労働大臣の権限及び第一項の規定により金融監督庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
第四十五条の二の次に次の二条を加える。
(書類の経由)
第四十五条の三 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により金融再生委員会又は金融監督庁長官及び労働大臣に提出する認可に関する申請書その他の書類で政令で定めるものの提出は、政令で定めるところにより、都道府県知事を経由して行わなければならない。
(事務の区分)
第四十五条の四 この法律(第四十五条の二第五項を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第五十四条第一項第三号中「主務大臣」を「行政庁又は主務大臣」に改める。
第三条 協同組織金融機関の優先出資に関する法律の一部を次のように改正する。
第三十八条第二項第六号中「農業協同組合法」の下に「第十条の二(出資の総額の最低限度)、」を加え、「出資総額」を「出資の総額及び出資総額」に改める。
(金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第四条 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第六条第一項及び第八条第一項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第十一条第一項中「、信用協同組合又は労働金庫」を「若しくは信用金庫連合会、信用協同組合若しくは中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会(第十六条第一項において「信用協同組合連合会」という。)又は労働金庫若しくは労働金庫連合会(以下「信用金庫等」という。)」に改め、同条第五項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第十六条第一項中「信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「信用金庫等」に、「被管理金融機関が信用協同組合又は労働金庫」を「被管理金融機関が信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会」に改める。
第二十二条第二項中「信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「信用金庫等」に改める。
第五十三条第一項第一号ニ中「、信用金庫連合会、中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会、労働金庫連合会」を削り、同条第三項中「並びに破綻金融機関」の下に「又は特例資産譲受人等」を加える。
第七十一条中「、同法第三十五条第一項中「以下同じ」とあるのは「第三十七条第一項を除き、以下同じ」と」を削る。
(金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第五条 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百四十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第一号中「並びに信用金庫連合会、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会及び労働金庫連合会」を削り、同項第三号中「農業協同組合連合会」の下に「(以下「農業協同組合連合会」という。)」を加え、同項第四号中「漁業協同組合連合会」の下に「(以下「漁業協同組合連合会」という。)」を加え、同条に次の一項を加える。
9 この法律において「特定協同組織金融機関」とは、次に掲げるものをいう。
一 信用金庫
二 信用協同組合
三 労働金庫
四 信用金庫連合会(全国を地区とするものを除く。)
五 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会(全国を地区とするものを除く。)
六 労働金庫連合会(全国を地区とするものを除く。)
第四条第二項中「平成十三年三月三十一日まで」の下に「(第七条の二及び第八条の二の規定による承認に係る株式等の引受け等に係る申込みについては、平成十四年三月三十一日までとする。)」を加え、「、第七条並びに第八条」を「並びに第七条から第八条の二まで」に改める。
第五条第一項中「銀行持株会社等」の下に「、第八条の二第一項に規定する救済特定協同組織金融機関並びに同条第二項に規定する救済連合会」を加える。
第七条第一項中「銀行持株会社等」を「農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会、銀行持株会社等及び特定協同組織金融機関」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第七条の二 金融再生委員会は、第四条第二項の規定による特定協同組織金融機関又は農業協同組合連合会若しくは漁業協同組合連合会(以下この条において「特定協同組織金融機関等」という。)からの申請が株式等の引受け等に係るものであるときは、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、当該申請に係る第四条第三項の承認をすることができる。
一 協定銀行による株式等の引受け等により当該特定協同組織金融機関等の資本の増強が図られなければ、当該特定協同組織金融機関等が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
二 当該特定協同組織金融機関等がその財産をもって債務を完済することができない状況にあること等その存続が極めて困難であると認められる場合でなく、かつ、当該株式等の引受け等に係る取得株式等又は取得貸付債権の処分をすることが著しく困難であると認められる場合でないこと。
三 第五条第一項に規定する経営の健全化のための計画の確実な履行等を通じて、特定協同組織金融機関等の自己資本の充実の状況に係る区分その他の要素を勘案して金融再生委員会が定めて公表する次に掲げる方策に関する基準に従ったこれらの方策の実行が見込まれること。
イ 経営の合理化のための方策
ロ 経営責任の明確化のための方策
ハ 資金の貸付けその他信用供与の円滑化のための方策
四 当該特定協同組織金融機関等が特に著しい過少資本の状況にある旨の区分に該当するときは、当該特定協同組織金融機関等の存続が地域経済にとって必要不可欠である場合その他特に必要と認められる場合であること。
五 当該特定協同組織金融機関等が健全な自己資本の状況にある旨の区分に該当するときは、次に掲げるいずれかの場合であること。
イ 当該特定協同組織金融機関等が、経営の状況が悪化している金融機関等との合併、経営の状況が悪化している金融機関等からの営業若しくは事業の譲受け又は経営の状況が悪化している金融機関等の株式の取得(当該金融機関等を子会社とするものに限る。)を行うものであって、当該合併、営業若しくは事業の譲受け又は株式の取得の円滑な実施のため、協定銀行による株式等の引受け等が不可欠である場合
ロ 急激かつ大幅な信用供与の収縮が相次いで生じており、又は相次いで生ずるおそれがある状況であり、かつ、これらの状況を改善し、又は回避するために協定銀行による株式等の引受け等が不可欠である場合その他特にやむを得ない事由がある場合
2 前条第二項(同項第二号ニ及び第三号ニを除く。)の規定は、前項第三号に規定する基準について準用する。この場合において、同条第二項第一号から第三号までの規定中「発行金融機関等」とあるのは「特定協同組織金融機関等」と、同項第一号ロ中「利益」とあるのは「剰余金」と、同項第三号イ中「支店等の削減、海外営業拠点の廃止等」とあるのは「従たる事務所の削減等」と読み替えるものとする。
第八条第四号中「前条第一項第三号イ」を「第七条第一項第三号イ」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第八条の二 金融再生委員会は、合併等(預金保険法第五十九条第一項に規定する資金援助に係る同項の合併等(破綻金融機関が特定協同組織金融機関である場合に限る。)若しくは特に著しい過少資本の状況にある旨の区分に該当する特定協同組織金融機関との合併(当該特定協同組織金融機関が存続するものを除く。)又はこれらに準ずるものとして金融再生委員会規則で定める特定協同組織金融機関との合併、特定協同組織金融機関からの事業の譲受け若しくは特定協同組織金融機関の資産の譲受けをいう。以下この項において同じ。)を行う特定協同組織金融機関(以下「救済特定協同組織金融機関」という。)からの第四条第二項の規定による株式等の引受け等に係る申請については、前条の規定にかかわらず、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、当該申請に係る第四条第三項の承認をすることができる。
一 当該合併等により当該救済特定協同組織金融機関の自己資本の充実の状況が悪化したこと。
二 協定銀行による株式等の引受け等により当該救済特定協同組織金融機関の資本の増強が図られなければ、当該救済特定協同組織金融機関が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
三 協定銀行による株式等の引受け等が、当該救済特定協同組織金融機関の自己資本の充実の状況等財務内容等に照らし合併等の円滑な実施のために必要な範囲を超えないものとして金融再生委員会が定めて公表する基準に適合するものであること。
四 合併等(預金保険法第五十九条第一項に規定する資金援助に係る同項の合併等を除く。以下この号において同じ。)を行う救済特定協同組織金融機関については、合併等に係る他の特定協同組織金融機関において第七条第一項第三号イ及びロに掲げる方策が実行されていること又はその実行が見込まれること。
2 金融再生委員会は、合併等(経営困難組合連合会に係る合併等若しくは特に著しい過少資本の状況にある旨の区分に該当する農業協同組合連合会若しくは漁業協同組合連合会(以下この条において「連合会」という。)との合併(当該連合会が存続するものを除く。)又はこれらに準ずるものとして金融再生委員会規則で定める連合会との合併、連合会からの事業の譲受け若しくは連合会の資産の譲受けをいう。以下この項において同じ。)を行う連合会(以下この項において「救済連合会」という。)からの第四条第二項の規定による株式等の引受け等に係る申請については、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、当該申請に係る同条第三項の承認をすることができる。
一 当該合併等により当該救済連合会の自己資本の充実の状況が悪化したこと。
二 協定銀行による株式等の引受け等により当該救済連合会の資本の増強が図られなければ、当該救済連合会が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
三 協定銀行による株式等の引受け等が、当該救済連合会の自己資本の充実の状況等財務内容等に照らし合併等の円滑な実施のために必要な範囲を超えないものとして金融再生委員会が定めて公表する基準に適合するものであること。
四 合併等を行う救済連合会については、合併等に係る他の連合会において第七条第一項第三号イ及びロに掲げる方策が実行されていること又はその実行が見込まれること。
3 前項に規定する「経営困難組合連合会に係る合併等」とは、次に掲げるものをいう。
一 業務若しくは財産の状況に照らし貯金等(農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)第二条第二項に規定する貯金等をいう。以下この号において同じ。)の払戻しを停止するおそれがあるか、又は貯金等の払戻しを停止した連合会(以下この項において「経営困難組合連合会」という。)と合併する連合会が存続する合併
二 経営困難組合連合会と他の連合会が合併して連合会を設立する合併
三 経営困難組合連合会から他の連合会に対する事業の全部又は一部の譲渡
第十条第二項第三号中「株式」を「株式等」に改め、「株主」の下に「又は出資者」を加える。
第十九条中「、同法第三十五条第一項中「以下同じ」とあるのは「第三十七条第一項を除き、以下同じ」と」を削る。
(預金保険法の一部改正)
第六条 預金保険法の一部を次のように改正する。
目次中
第三節
保険金等の支払(第五十三条―第五十八条)
第四節
資金援助
第一款
資金援助(第五十九条―第六十七条の二)
第二款
緊急手続(第六十八条―第八十一条)
第四章
預金等債権の買取り(第八十一条の二―第八十一条の五)
第五章
雑則(第八十二条・第八十三条)
第六章
罰則(第八十四条―第九十二条)
第三節
保険金等の支払(第五十三条―第五十八条の二)
第四節
資金援助(第五十九条―第六十九条)
第四章
預金等債権の買取り(第七十条―第七十三条)
第五章
金融整理管財人による管理(第七十四条―第九十条)
第六章
破綻した金融機関の業務承継(第九十一条―第百一条)
第七章
金融危機への対応(第百二条―第百二十六条)
第八章
雑則(第百二十七条―第百四十条)
第九章
罰則(第百四十一条―第百五十二条)
に改める。
第一条中「行うほか」の下に「、金融機関の破綻の処理に関し」を加え、「対し適切な資金援助を行う」を「対する適切な資金援助、金融整理管財人による管理、破綻金融機関の業務承継及び金融危機に対応するための措置」に改める。
第二条第一項第一号中「銀行」の下に「(以下「銀行」という。)」を加え、同項第二号中「長期信用銀行」の下に「(以下「長期信用銀行」という。)」を加え、同条第二項に次の一号を加える。
五 長期信用銀行法第八条、金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和四十三年法律第八十六号)第十七条の二第一項(同法第二十四条第一項第七号において準用する場合を含む。)、金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(平成十年法律第百七号)附則第百六十九条の規定によりなおその効力を有するものとされる同法附則第百六十八条の規定による改正前の金融機関の合併及び転換に関する法律第十七条の二第一項及び信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十四条の二第一項の規定による債券(その権利者を確知することができるものとして政令で定めるものに限る。)の発行により払込みを受けた金銭
第二条第四項中「照らし預金等の払戻し」の下に「(預金等に係る債務の弁済をいう。以下同じ。)」を加え、同条第五項に次の一号を加える。
五 前各号に掲げる会社以外の会社(銀行及び長期信用銀行を除く。)で銀行又は長期信用銀行(以下「銀行等」という。)を子会社(会社がその発行済株式の総数の百分の五十を超える数の株式を所有する他の会社をいう。以下この号において同じ。)とするもの又は子会社としようとするもの
第二条に次の八項を加える。
6 この法律において「優先株式等」とは、優先株式(その発行の時において議決権のない株式であつて、利益の配当及び残余財産の分配について優先的内容を有するものをいう。以下同じ。)、劣後特約付社債(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された社債であつて、銀行等又は銀行持株会社等の自己資本の充実に資するものとして政令で定める社債に該当するものをいう。以下同じ。)その他これらに準ずるものとして政令で定めるものをいう。
7 この法律において「株式等」とは、優先株式以外の株式及び優先株式等をいう。
8 この法律において「優先株式等の引受け等」とは、優先株式等の引受け又は劣後特約付金銭消費貸借(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された金銭の消費貸借であつて、金融機関又は銀行持株会社等の自己資本の充実に資するものとして政令で定める金銭の消費貸借に該当するものをいう。)による貸付けをいう。
9 この法律において「株式等の引受け等」とは、優先株式以外の株式の引受け又は優先株式等の引受け等をいう。
10 この法律において「損害担保」とは、貸付けに係る債務の全部又は一部の弁済がなされないこととなつた場合において、あらかじめ締結する契約に基づきその債権者に対してその弁済がなされないこととなつた額の一部を補てんすることをいう。
11 この法律において「付保預金移転」とは、破綻金融機関の預金等に係る債務の他の金融機関による引受けであつて、当該債務に第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に対応する預金等に係る債務を含むもの(営業(第一項第三号から第八号までに掲げる金融機関にあつては、事業。以下同じ。)の譲渡又は譲受け(以下「営業譲渡等」という。)に伴うものを除く。)をいう。
12 この法律において「被管理金融機関」とは、第七十四条第一項若しくは第二項又は第百十条第一項の規定により、第七十四条第一項に規定する管理を命ずる処分を受けた金融機関をいう。
13 この法律において「承継銀行」とは、営業の譲受け、付保預金移転又は合併(以下「営業の譲受け等」という。)により被管理金融機関の業務を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ業務を暫定的に維持継続することを主たる目的とする銀行であつて、預金保険機構の子会社(預金保険機構がその発行済株式の総数の百分の五十を超える数の株式を所有する会社をいう。以下同じ。)として設立されたものをいう。
第十五条中「及び第四章」を「、第四章及び第六章から第八章まで」に改める。
第三十四条第三号中「及び損失の補てん」を「その他同節の規定による業務」に改め、同条第六号を同条第十号とし、同条第五号中「及び第五章」を「から第五章まで」に改め、同号を同条第九号とし、同条第四号の次に次の四号を加える。
五 第七十八条第二項の規定による金融整理管財人又は金融整理管財人代理の業務
六 第六章の規定による承継銀行の経営管理その他同章の規定による業務
七 第七章の規定による株式等の引受け等その他同章の規定による業務
八 第百二十七条又は第百二十八条の規定による資金の貸付け及び第百二十九条の規定による資産の買取り
第四十条第三項中「受けた財務諸表並びに前項の事業報告書及び決算報告書をその事務所に備えて置かなければ」を「受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、各事務所に備えて置き、内閣府令・財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければ」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(区分経理)
第四十条の二 機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第三十四条各号に掲げる業務(次号に掲げるものを除く。)
二 第百七条第一項の規定による株式等の引受け等に係る業務、第百二十二条第一項の規定による負担金の収納及びこれらの業務に附帯する業務
第四十一条中「機構は」の下に「、一般勘定(前条第一号に掲げる業務に係る勘定をいう。以下同じ。)について」を加える。
第四十二条第一項中「第三十四条第二号から第五号まで」を「第四十条の二第一号」に改め、「、政令で定める金額の範囲内において」を削り、「日本銀行から資金の借入れ」を「金融機関その他の者(日本銀行を除く。)から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は預金保険機構債券(以下「債券」という。)の発行(債券の借換えのための発行を含む。)」に改め、同条第八項中「第三項」を「第一項及び第五項」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項中「銀行」を「銀行等」に改め、同項を同条第八項とし、同条第六項中「銀行」を「銀行等」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項を削り、同条第二項中「前項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。
2 機構は、前項に規定する業務を行う場合における一時的な資金繰りのために必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、日本銀行から資金の借入れ(借換えを含む。)をすることができる。
3 第一項の規定による借入金の現在額、同項の規定により発行する債券の元本に係る債務の現在額及び前項の規定による借入金の現在額の合計額は、政令で定める金額を超えることとなつてはならない。
第四十二条の二中「第三項」を「第二項」に改め、「又は」の下に「同条第一項の」を加える。
第四十九条第二項中「預金等の額」を「預金等に係る債権の額」に改める。
第五十条第二項に次の三号を加える。
三 第七十四条第一項に規定する管理を命ずる処分があつたとき。 当該管理を命ずる処分に係る被管理金融機関
四 承継銀行が設立されたとき。 当該承継銀行
五 第百十一条第一項の規定による決定があつたとき。 当該決定に係る銀行等
第五十一条第一項中「末日」を「各日(銀行法第十五条第一項(長期信用銀行法第十七条、信用金庫法第八十九条第一項、協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条第一項及び労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十四条第一項において準用する場合を含む。)に規定する休日を除く。)」に改め、「合計額」の下に「を平均した額」を加え、同条第二項中「業務」の下に「(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」を、「取扱い」の下に「(金融機関の経営の健全性に応じてするものを除く。)」を加え、同条第三項中「第三項」を「第二項」に、「又は債券」を「又は同条第一項の債券」に改める。
第五十四条第一項中「第五十八条」を「以下この条、第五十八条及び第五十八条の二」に、「有するものに限る」を「有するもの(同条第四項の仮払金の支払又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。)に限る。次項において同じ」に、「その額」を「第二条第二項第五号に掲げる預金等にあつては、当該金銭の額。以下同じ。)及び利息等(当該元本以外の部分であつて利息その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)の額の合算額(その合算額」に改め、「で、同項の請求があつたもの」を削り、同条第二項を次のように改める。
2 前項の元本の額(その額が同一人について二以上あるときは、その合計額)が政令で定める金額(以下「保険基準額」という。)を超えるときは、保険基準額及び保険基準額に対応する元本に係る利息等の額を合算した額を保険金の額とする。この場合において、元本の額が同一人について二以上あるときは、保険基準額に対応する元本は、次の各号に定めるところにより保険基準額に達するまで当該各号に規定する元本の額を合計した場合の当該元本とする。
一 預金等に係る債権のうちに担保権の目的となつているものと担保権の目的となつていないものがあるときは、担保権の目的となつていないものに係る元本を先とする。
二 預金等に係る債権で担保権の目的となつていないものが同一人について二以上あるときは、その弁済期の早いものに係る元本を先とする。
三 前号の場合において、預金等に係る債権で弁済期の同じものが同一人について二以上あるときは、その金利(利率その他これに準ずるもので政令で定めるものをいう。次号において同じ。)の低いものに係る元本を先とする。
四 前号の場合において、預金等に係る債権で金利の同じものが同一人について二以上あるときは、機構が指定するものに係る元本を先とする。
五 預金等に係る債権で担保権の目的となつているものが同一人について二以上あるときは、機構が指定するものに係る元本を先とする。
第五十四条第三項中「場合」の下に「又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けている場合」を加え、「金額から」を「金額につき政令で定めるところにより」に改め、「当該仮払金の支払」の下に「及び同条第一項の貸付けに係る預金等の払戻し」を、「受けた額」の下に「(次項の規定により機構に払い戻されるべき額を除く。)」を加え、同条第四項中「保険事故について保険金の支払が行われる場合に、当該」を削り、「規定により支払われるべき保険金の額」を「規定による保険金の額のうち政令で定めるところにより計算した額」に改める。
第五十五条の次に次の一条を加える。
(預金等に係る債権の額の把握)
第五十五条の二 機構は、保険事故が発生したことを知つたときは、速やかに、当該保険事故が発生した金融機関の各預金者等がその発生した日において現に当該金融機関に対して有する預金等に係る債権の額を把握しなければならない。
2 機構は、前項に規定する預金等に係る債権の額を速やかに把握するため必要があると認めるときは、金融機関に対し、その旨を明示して、預金者等の氏名又は名称及び住所、預金等に係る債権の内容その他内閣府令・財務省令で定める事項について資料の提出を求めることができる。
3 前項の規定により資料の提出を求められた金融機関は、内閣府令・財務省令で定めるところにより、電子情報処理組織を使用して又は磁気テ―プ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)により、遅滞なく、これを提出しなければならない。
4 金融機関は、前項の規定による資料の提出に必要な預金等に関するデ―タベ―ス(預金等に係る情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。)及び電子情報処理組織の整備その他の措置を講じなければならない。
第五十六条第一項第一号中「前条第一項」を「第五十五条第一項」に改め、同項第三号中「営業(信用金庫等にあつては、事業。以下同じ。)の全部の譲渡若しくは営業の全部若しくは一部の譲受け(以下「営業譲渡等」という。)」を「営業譲渡等、付保預金移転」に改め、「決議」の下に「又は議決」を加え、「又は第七十四条第十一項」を削り、同項第四号中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「決議」の下に「又は議決」を加え、同条第三項第一号中「前条第一項」を「第五十五条第一項」に改め、同項第三号中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「決議」の下に「又は議決」を加え、「又は第七十四条第十一項」を削り、同項第四号中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「決議」の下に「又は議決」を加える。
第五十八条第一項中「応じ」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、「(利息、収益の分配その他これらに準ずるもので政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)」を削り、同条第二項を削り、同条第三項中「前二項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項を同条第三項とし、第三章第三節中同条の次に次の一条を加える。
(課税関係)
第五十八条の二 預金者等がその有する預金等(第二条第二項第五号に掲げるもののうち割引の方法により発行される債券に係るものを除く。)に係る債権(以下この項において「預金等債権」という。)について保険金の支払を受ける場合において、当該支払を受ける保険金の額に応じて機構が取得する預金等債権のうちに利息等があるときは、当該利息等の額に相当する金額は、当該預金等債権に係る預金等の次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定めるものの額とみなして、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
一 預金 当該預金の利子
二 定期積金 当該定期積金に係る契約に基づく給付補てん金(所得税法第百七十四条第三号に掲げる給付補てん金をいう。)
三 第二条第二項第三号に掲げる掛金 当該掛金に係る契約に基づく給付補てん金(所得税法第百七十四条第四号に掲げる給付補てん金をいう。)
四 第二条第二項第四号に掲げる金銭 当該金銭に係る同号に規定する金銭信託の収益の分配
五 第二条第二項第五号に掲げる金銭 同号に規定する債券(割引の方法により発行されるものを除く。)の利子
2 前項の規定の適用がある場合における租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四条の二及び第四条の三の規定の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章第四節第一款の款名を削る。
第五十九条第一項中「金銭の贈与、資金の貸付け若しくは預入れ、資産の買取り又は債務の保証若しくは引受け(」を「次に掲げる措置(第六号に掲げる措置にあつては、第二条第五項第五号に掲げる会社に対して行うものを除く。」に改め、同項に次の各号を加える。
一 金銭の贈与
二 資金の貸付け又は預入れ
三 資産の買取り
四 債務の保証
五 債務の引受け
六 優先株式等の引受け等
七 損害担保
第五十九条第二項第三号中「営業の全部(当該破綻金融機関の資産の一部を機構が買い取る場合にあつては、その買い取られる資産に係る部分を除く。)」を「営業」に改め、「譲渡するもの」の下に「(営業の一部を譲渡するものにあつては、破綻金融機関の預金等に係る債務の引受けであつて当該債務に第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に対応する預金等に係る債務を含むものが伴うものに限る。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。
三の二 付保預金移転
第五十九条第四項中「第一項に規定する」を「第一項第三号に掲げる」に改め、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「前項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
5 第一項第七号に掲げる損害担保は、前項各号に掲げる合併等の区分に応じ当該各号に定める資産である貸付債権について行うものとする。
第五十九条の次に次の一条を加える。
(資金援助の申込みの特例)
第五十九条の二 合併等(前条第二項第三号に掲げる営業譲渡等のうち破綻金融機関がその営業の一部を他の金融機関に譲渡するもの又は付保預金移転に限る。)を行う救済金融機関は、機構が、破綻金融機関の債権者間の衡平を図るため、当該破綻金融機関に対して資金援助(同条第一項第一号に掲げるものに限る。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
2 前項の規定による申込みは、当該合併等に係る破綻金融機関と連名で行うものとする。
3 前条第六項の規定は前二項の規定による申込みを行つた救済金融機関及び破綻金融機関について、同条第七項の規定は前二項の規定による申込みを受けた機構について、それぞれ準用する。
第六十条第一項中「金銭の贈与、資産の買取り及び債務の引受けを除く」を「第五十九条第一項第二号又は第四号に掲げるものに限る」に改める。
第六十一条第一項中「第五十九条第一項」の下に「、第五十九条の二第一項」を加え、同条第三項第一号中「、預金者等」を「預金者等その他の債権者」に改め、同条第八項中「、第一項の認定の申請は、第二項の規定にかかわらず、当該会社及び当該破綻金融機関の連名で行うことができる。ただし」を削る。
第六十二条第一項中「預金者等」の下に「その他の債権者」を加え、同条第二項中「第五十九条第一項」の下に「又は第五十九条の二第一項」を加え、同条に次の二項を加える。
5 内閣総理大臣は、第一項のあつせんを行うため必要があると認めるときは、その必要の限度において、破綻金融機関又は破綻金融機関となる蓋然性が高いと認められる金融機関につきその業務又は財産の状況に関する資料を他の金融機関又は銀行持株会社等に対して交付し、その他当該あつせんに必要な準備行為を行うことができる。
6 内閣総理大臣は、機構に対し、第一項のあつせん又は前項の準備行為の実施に関し、必要な協力を求めることができる。
第六十四条第一項中「第四項」の下に「、第五十九条の二第一項」を加え、同条に次の一項を加える。
5 前項の契約に係る資金援助のうちに損害担保が含まれているときは、当該契約に係る金融機関又は銀行持株会社等は、当該契約において、当該損害担保に係る貸付債権について利益が生じたときは当該利益の額の一部を機構に納付し、又は当該合併等により当該貸付債権を有することとなる者をして機構に納付させるための措置を講ずる旨を約するものとする。
第六十四条の次に次の一条を加える。
(優先株式等の引受け等に係る資金援助)
第六十四条の二 第五十九条第一項の規定による申込みが優先株式等の引受け等に係るものであるときは、当該申込みに係る救済金融機関又は救済銀行持株会社等(第二条第五項第五号に掲げる会社を除く。以下この条において同じ。)は、第五十九条第一項の規定による申込みと同時に、機構に対し、財務内容の健全性の確保等のための方策として政令で定める方策を定めた計画を提出しなければならない。
2 委員会は、前条第一項の規定により行う議決が優先株式等の引受け等の申込みに係るものであるときは、当該優先株式等の引受け等が当該申込みに係る救済金融機関又は救済銀行持株会社等の自己資本の充実の状況に照らし当該合併等の円滑な実施のために必要な範囲を超えないことその他の内閣総理大臣及び財務大臣並びに厚生労働大臣が定めて公表する基準に適合するものである場合に限り、当該優先株式等の引受け等を行う旨の決議をすることができる。
3 機構は、第五十九条第一項の規定による申込みが優先株式等の引受け等に係るものである場合において、当該資金援助を行う旨の決定をしようとするときは、前項の決議を経た後、あらかじめ、内閣総理大臣及び財務大臣(当該申込みをした者が労働金庫又は労働金庫連合会である場合には、内閣総理大臣及び財務大臣並びに厚生労働大臣)の承認を受けなければならない。
4 機構は、前条第一項の決定に基づいてした優先株式等の引受け等により取得した優先株式等(当該優先株式等が優先株式又は劣後特約付社債である場合の当該取得後においては、当該優先株式が他の種類の株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された他の種類の株式及び当該優先株式又は当該他の種類の株式について分割又は併合された株式並びに当該劣後特約付社債が株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された株式及びこれについて分割又は併合された株式を含む。以下この項において「取得優先株式等」という。)又は同条第一項の決定に基づいてした優先株式等の引受け等により取得した貸付債権(以下この項において「取得貸付債権」という。)の全部につきその処分をし、又は利益をもつてする消却、償還若しくは返済を受けるまでの間、当該取得優先株式等又は取得貸付債権に係る救済金融機関又は救済銀行持株会社等に対し、第一項の規定により提出を受けた計画の履行状況につき報告を求め、これを公表することができる。
第六十五条中「。次条第一項、第六十七条第二項、第六十八条、第六十九条第一項及び第六項、第七十条第一項、第七十三条第六項、第七十四条第四項及び第十一項並びに第七十九条第一項及び第三項において同じ。」を削り、「前条第四項」を「第六十四条第四項」に改める。
第六十六条第一項中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「株主総会等の決議」及び「株式移転についての決議」の下に「又は議決」を、「内閣総理大臣」の下に「(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣)」を加え、同条第二項中「第二条第一項第一号及び第二号に掲げる金融機関(以下「銀行等」という。)」を「銀行等」に改め、「(昭和四十三年法律第八十六号)」を削り、同条第三項を次のように改める。
3 第一項の適格性の認定等を受けた金融機関又は銀行持株会社等は、次に掲げる場合には、直ちに、内閣総理大臣(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣)にその旨を報告し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
一 第一項の適格性の認定等を受けた者が銀行等又は銀行持株会社等であつて、商法第四百十三条ノ三第一項(金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第二項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会の承認を得ないで合併を行おうとしたものである場合又は商法第三百五十八条第一項の規定により株主総会の承認を得ないで株式交換を行おうとしたものである場合において、当該銀行等又は銀行持株会社等が同法第四百十三条ノ三第八項(金融機関の合併及び転換に関する法律第十二条の二第一項において準用する場合を含む。)又は商法第三百五十八条第八項に規定する場合に該当することとなつたとき。
二 第一項の適格性の認定等を受けた金融機関が第八十七条又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第四十三条(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百七十八条の七において準用する場合を含む。)の規定により株主総会等(前項に規定する株主総会等をいう。)の決議又は議決に代わる裁判所の許可を得て営業譲渡等を行おうとしたものである場合において、当該金融機関が当該許可を得られなかつたとき。
第六十七条第一項中「営業の全部又は一部の譲受け」を「営業の譲受け又は付保預金移転」に改め、同条第二項中「内閣総理大臣」の下に「(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣)」を加え、「営業の全部又は一部の譲受け」を「営業の譲受け又は付保預金移転」に改める。
第三章第四節第二款を削る。
第六十七条の二を第六十八条とし、同条の次に次の一条を加える。
(追加的資金援助)
第六十九条 機構は、資金援助に係る合併等の後、当該資金援助に係る救済金融機関若しくは救済銀行持株会社等又は当該資金援助に係る合併により設立された金融機関から追加の資金援助の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、当該申込みを行つた金融機関又は銀行持株会社等に対する追加の資金援助(第四項において「追加的資金援助」という。)を行うことができる。
2 前項の規定による申込みに係る資産の買取りは、合併等(第五十九条第二項第三号に掲げる営業譲渡等のうち破綻金融機関がその営業の一部を他の金融機関に譲渡するもの又は付保預金移転に限る。)に係る破綻金融機関の資産又は次の各号に掲げる合併等の区分に応じ当該各号に定める資産について行うものとし、前項の規定による申込みに係る資金援助のうちに合併等(同条第二項第三号に掲げる営業譲渡等のうち破綻金融機関がその営業の一部を他の金融機関に譲渡するもの又は付保預金移転に限る。以下この項及び第四項において同じ。)に係る破綻金融機関の資産の買取りが含まれているときは、当該合併等に係る救済金融機関は、当該破綻金融機関と連名で、機構が当該資産の買取りを行うことを機構に申し込むものとする。
一 第五十九条第二項第一号に掲げる合併 当該合併により存続する金融機関の資産(当該合併前に破綻金融機関の資産であつたものに限る。)
二 第五十九条第二項第二号に掲げる合併 当該合併により設立された金融機関の資産(当該合併前に破綻金融機関の資産であつたものに限る。)
三 第五十九条第二項第三号に掲げる営業譲渡等 同号の他の金融機関の資産で当該営業譲渡等により譲り受けたもの
四 第五十九条第二項第四号に掲げる株式の取得 当該株式の取得をされた金融機関の資産
3 第一項の規定による申込みに係る損害担保は、前項各号に掲げる合併等の区分に応じ当該各号に定める資産である貸付債権について行うものとする。
4 第五十九条第六項及び第七項、第六十四条並びに第六十四条の二の規定は第一項又は第二項の規定による申込みについて、第五十九条の二の規定は資金援助に係る合併等を行つた救済金融機関について、第六十七条及び第六十八条の規定は追加的資金援助について、それぞれ準用する。この場合において、第六十四条第二項中「及び当該資金援助に係る破綻金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる」とあるのは「及び当該資金援助に係る破綻金融機関につき当該議決前に行われた委員会の議決に係る資金援助に要すると見込まれた費用並びに当該破綻金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれた」と、第六十八条中「その行おうとする適格性の認定等に係る合併等のために機構による資金援助」とあるのは「追加的資金援助」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第八十一条の二第一項中「場合」の下に「(第一種保険事故の発生した金融機関の預金者等の保護のため必要があると認める場合を含む。)」を加え、同条第二項中「第八十一条の四第一項」を「第七十二条第一項」に改め、第四章中同条を第七十条とする。
第八十一条の三を第七十一条とする。
第八十一条の四第四項中「第八十一条の二第二項ただし書」を「第七十条第二項ただし書」に改め、同条を第七十二条とする。
第八十一条の五第一項中「有する預金等債権」の下に「(第二条第二項第五号に掲げる預金等に係るもののうち割引の方法により発行される債券に係るものを除く。以下この条において同じ。)」を加え、「(昭和四十年法律第三十三号)」を削り、同項に次の一号を加える。
五 第二条第二項第五号に掲げる金銭 同号に規定する債券(割引の方法により発行されるものを除く。)の利子
第八十一条の五第二項中「第八十一条の二第二項ただし書」を「第七十条第二項ただし書」に改め、同条第三項中「(昭和三十二年法律第二十六号)」を削り、第四章中同条を第七十三条とする。
第六章中第九十二条を第百五十二条とする。
第九十一条第一号中「認可」の下に「又は承認」を加え、同条第四号を次のように改める。
四 第四十条第三項の規定に違反して、書類を備え置かず、又は閲覧に供しなかつたとき。
第九十一条第八号中「第五十九条第六項」を「第五十九条第七項(第五十九条の二第三項(第六十九条第四項において準用する場合を含む。)、第六十九条第四項、第百一条第五項及び第百十八条第二項において準用する場合を含む。)」に改め、「第六十二条第四項」の下に「(第百一条第七項及び第百十八条第四項において準用する場合を含む。)、第百一条第五項及び第百十八条第二項」を加え、「又は第七十四条第十二項」を「(第百一条第七項及び第百十八条第四項において準用する場合を含む。)又は第百二十条第三項」に改め、同条を第百五十一条とする。
第八十九条及び第九十条を削る。
第八十八条中「第三十七条第一項」の下に「又は第五十五条の二第二項」を加え、同条を第百四十八条とし、同条の次に次の二条を加える。
第百四十九条 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この条において「人格のない社団等」という。)を含む。以下この項において同じ。)の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第百四十三条 二億円以下の罰金刑
二 第百四十六条又は第百四十八条 各本条の罰金刑
2 人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合においては、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を適用する。
第百五十条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした金融機関又は銀行持株会社等の取締役又は理事は、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律に定める公告、報告、通知若しくは催告をすることを怠り、又は不正の公告、報告若しくは通知をしたとき。
二 第七十四条第五項の規定に違反して、申出をせず、又は虚偽の申出をしたとき。
三 第七十七条第二項の規定により選任された金融整理管財人に事務の引渡しをしないとき。
四 第百三十一条第七項の規定による弁済又は担保の提供若しくは財産の信託を怠つたとき。
2 金融整理管財人が、第七十五条の規定により管理を命ずる処分が取り消されたにもかかわらず、被管理金融機関の取締役若しくは理事又は清算人に事務の引渡しをしないときは、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
3 次の各号に掲げる金融機関の金融整理管財人は、当該各号に定める規定のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 銀行 商法第四百九十八条第一項各号又は銀行法第六十五条各号
二 長期信用銀行 商法第四百九十八条第一項各号又は長期信用銀行法第二十七条各号
三 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の規定により信託業務を営む金融機関 同法第十条各号
四 信用金庫又は信用金庫連合会 信用金庫法第九十一条第一項各号
五 信用協同組合又は信用協同組合連合会 協同組合による金融事業に関する法律第十二条第一項各号
六 労働金庫又は労働金庫連合会 労働金庫法第百一条第一項各号
4 信用協同組合又は信用協同組合連合会の金融整理管財人は、中小企業等協同組合法第百十五条各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
第八十七条第二号中「第八十一条の四第五項」を「第七十二条第五項」に、「又は第六十四条第三項」を「、第六十四条第三項(第六十九条第四項、第百一条第七項、第百十八条第四項、第百二十七条第二項及び第百二十八条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第三項、第九十六条第三項、第九十七条第二項、第九十八条第二項、第百七条第二項、第百九条第二項、第百二十条第四項、第百二十三条第一項又は第百二十九条第四項」に改め、同条を第百四十七条とする。
第八十五条及び第八十六条を削る。
第八十四条の二に次の一項を加える。
2 被管理金融機関の取締役若しくは理事、監査役若しくは監事若しくは支配人若しくは参事その他の使用人又はこれらの者であつた者が第八十一条第一項(第七十七条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第八十一条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときも、前項と同様とする。
第八十四条の二を第百四十五条とし、同条の次に次の一条を加える。
第百四十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第六十四条の二第四項(第六十九条第四項及び第百一条第七項において準用する場合を含む。)、第百条又は第百八条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第八十条又は第百十五条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
第八十四条中「含む。)」の下に「又は第八十二条」を加え、同条を第百四十四条とし、第六章中同条の前に次の三条を加える。
第百四十一条 金融整理管財人又は金融整理管財人代理がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 金融整理管財人又は金融整理管財人代理が法人であるときは、金融整理管財人又は金融整理管財人代理の職務に従事するその役員又は職員がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。金融整理管財人又は金融整理管財人代理が法人である場合において、その役員又は職員が金融整理管財人又は金融整理管財人代理の職務に関し金融整理管財人又は金融整理管財人代理に賄賂を収受させ、又はその供与を要求し、若しくは約束したときも、同様とする。
3 犯人又は法人たる金融整理管財人若しくは金融整理管財人代理の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第百四十二条 前条第一項若しくは第二項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第百四十三条 第百三十六条第一項又は第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
2 第百三十七条第一項、第二項又は第六項の規定による当該職員又は機構の職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者も、前項と同様とする。
第六章を第九章とする。
第五章中第八十三条を第百三十九条とし、同条の次に次の一条を加える。
(経過措置)
第百四十条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第五章中第八十二条を第百三十八条とし、同条の前に次の十一条を加える。
(預金等の払戻しのための資金の貸付け)
第百二十七条 機構は、次に掲げる金融機関から預金等の払戻し(第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に対応する預金等につき行うものに限る。)のために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、当該預金等に係る同条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額の合計額に達するまでを限り、当該申込みに係る貸付けを行う旨の決定をすることができる。
一 第七十四条第一項又は第二項の規定により管理を命ずる処分を受けた金融機関
二 更生手続開始の決定を受けた破綻金融機関
三 会社更生法第三十九条第一項又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第三十三条第一項の規定による保全管理人による管理を命ずる処分を受けた破綻金融機関
四 民事再生法第六十四条第一項の規定による管財人による管理を命ずる処分を受けた破綻金融機関
五 民事再生法第七十九条第一項の規定による保全管理人による管理を命ずる処分を受けた破綻金融機関
六 商法第三百八十六条第一項(信用金庫法第六十二条、協同組合による金融事業に関する法律第六条の二第四項及び労働金庫法第六十六条において準用する場合を含む。)の規定による商法第三百八十六条第一項第十一号の管理の命令を受けた破綻金融機関
2 第六十四条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による決定をしたときについて準用する。
3 第一項の規定により次の各号に掲げる金融機関に対してされた貸付けは、当該金融機関に係る破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続における機構以外の債権者との関係においては、当該各号に定める決定より前にされたものとみなす。
一 第一項第二号に掲げる破綻金融機関 当該更生手続開始の決定
二 再生手続開始の決定を受けた破綻金融機関 当該再生手続開始の決定
三 整理開始の命令を受けた破綻金融機関 当該整理開始の命令に係る決定
4 第一項の決定に基づく資金の貸付けに要すると見込まれる費用は、第六十四条第二項の適用については、同項の資金援助に要すると見込まれる費用とみなす。
(資産価値の減少防止のための資金の貸付け)
第百二十八条 機構は、前条第一項各号に掲げる金融機関(同項第一号に掲げる金融機関にあつては、更生手続開始若しくは再生手続開始の申立て又は整理開始の命令があつた後に限る。)からその保有する貸付債権その他の資産の価値の減少を防止するために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、その必要の限度において、当該申込みに係る資金の貸付けを行う旨の決定をすることができる。
2 第六十四条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による決定をしたときについて準用する。
(資産の買取り)
第百二十九条 機構は、第三章第四節の規定による場合のほか、協定承継銀行又は特別危機管理銀行が保有する資産の買取りを行うことができる。
2 機構は、前項の規定による資産の買取りを行う場合には、内閣総理大臣及び財務大臣があらかじめ定めて公表する基準に従わなければならない。
3 機構は、協定承継銀行又は特別危機管理銀行から第一項の資産の買取りに係る申込みがあつたときは、遅滞なく、委員会の議決を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。
4 機構は、前項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
5 機構は、第三項の規定による資産の買取りを行う旨の決定をしたときは、当該協定承継銀行又は特別危機管理銀行との間で当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。
(信用金庫等の総会等の招集手続の特例)
第百三十条 適格性の認定等を受けた信用金庫等が行う営業譲渡等及びその実施に必要な定款の変更について議決するための当該信用金庫等の総会は、総会員(労働金庫にあつては、労働金庫法第十三条第一項に規定する個人会員を除く。)又は総組合員の同意があるときは、信用金庫法第四十五条、中小企業等協同組合法第四十九条及び労働金庫法第四十九条の規定にかかわらず、招集の手続を経ることなく開催することができる。
2 前項の規定は、同項に規定する事項について議決するための総代会について準用する。この場合において、同項中「総会員(労働金庫にあつては、労働金庫法第十三条第一項に規定する個人会員を除く。)又は総組合員」とあるのは「総代の全員」と、「信用金庫法第四十五条、中小企業等協同組合法第四十九条及び労働金庫法第四十九条」とあるのは「信用金庫法第五十条第五項において準用する同法第四十五条、中小企業等協同組合法第五十五条第六項において準用する同法第四十九条及び労働金庫法第五十五条第五項において準用する同法第四十九条」と読み替えるものとする。
(営業譲渡等における債権者保護手続の特例)
第百三十一条 第五十九条第二項第三号に掲げる営業譲渡等又は付保預金移転を援助するための第六十四条第一項の規定による資金援助を行う旨の決定があつたときは、当該営業譲渡等又は付保預金移転に係る債務の引受けは、当該営業譲渡等又は付保預金移転により救済金融機関が引き受ける債務に係る債権者(第五項において「移転債権者」という。)の承諾を得ないでこれをすることができる。
2 銀行法第三十四条及び第三十五条(これらの規定を長期信用銀行法第十七条、信用金庫法第八十九条第一項、協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項及び労働金庫法第九十四条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、前項の決定があつた場合における当該決定に係る営業譲渡等については、適用しない。
3 第一項の決定があつた場合における当該決定に係る営業譲渡等又は付保預金移転がされたときは、当該破綻金融機関及び救済金融機関は、その日から二週間以内に、当該営業譲渡等又は付保預金移転の内容の要旨及びこれに対し異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、かつ、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
4 前項の期間は、一月を下つてはならない。
5 移転債権者が第三項に規定する期間内に異議を述べたときは、当該移転債権者に係る債務の引受けは当該債務の引受けの時にさかのぼつてその効力を失う。ただし、第三者の権利を害することができない。
6 破綻金融機関の債権者(第一項に規定する営業譲渡等又は付保預金移転により救済金融機関が引き受けた債務以外の破綻金融機関の債務に係る債権者に限る。)が第三項の期間内に異議を述べた場合において、当該債権者の債権につき第一項に規定する営業譲渡等又は付保預金移転により弁済を受けることができないこととなつた金額があるときは、当該債権者は、救済金融機関に対し、当該金額に相当する金銭の支払を請求することができる。
7 救済金融機関の債権者(第一項に規定する営業譲渡等又は付保預金移転により救済金融機関が引き受けた債務以外の救済金融機関の債務に係る債権者に限る。)が第三項の期間内に異議を述べたときは、当該救済金融機関は、弁済し、又は相当の担保を提供し、若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託業務を営む銀行若しくは信託会社に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該営業譲渡等又は付保預金移転が当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
(信託業務の承継における受託者更迭手続の特例)
第百三十二条 破綻金融機関であつて金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の規定により信託業務を営む者が同項の規定により信託業務を営む金融機関に対してする営業の譲渡を援助するための第六十四条第一項の規定による資金援助を行う旨の決定があつたときは、当該破綻金融機関は、その引き受けた信託につき、信託法(大正十一年法律第六十二号)第四十六条、第四十九条第一項及び第七十一条の規定にかかわらず、当該資金援助に係る救済金融機関(以下この条において「新受託者」という。)との間の営業の譲渡の契約をもつて受託者更迭をすることができる。
2 新受託者は、前項の規定による更迭が行われたときは、直ちに、当該更迭に係る信託の委託者(以下この条において「移転委託者」という。)又は受益者(以下この条において「移転受益者」という。)であつて当該更迭に異議のある者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、かつ、貸付信託その他の定型的信託契約に係る信託として政令で定めるもの(第四項において「定型的信託」という。)に係る移転委託者及び移転受益者以外の知れている移転委託者及び移転受益者には、各別にこれを催告しなければならない。
3 前項の期間は、一月を下つてはならない。
4 第二項の期間内に異議を述べた移転委託者(定型的信託であつて委託者が信託利益の全部を享受するものとして政令で定めるもの(次項及び第七項において「貸付信託等」という。)に係る移転委託者を除く。)は、当該異議を述べた日から起算して一月以内に限り、移転受益者の同意を得て、新受託者を解任することができる。
5 第二項の期間内に異議を述べた移転受益者(貸付信託等に係る移転受益者を除く。)は、当該異議を述べた日から起算して一月以内に限り、移転委託者の同意を得て、新受託者を解任することができる。
6 信託法第四十五条の規定は、前二項の規定により任務を終了した新受託者について準用する。
7 第二項の期間内に異議を述べた貸付信託等に係る移転受益者は、新受託者に対し、第一項の規定による更迭が行われなければ有したであろう公正な価格で自己の受益権を買い取ることを請求することができる。
8 新受託者は、前項の請求があつた場合には、当該請求に係る受益権をその固有財産をもつて買い取らなければならない。この場合においては、信託法第九条及び貸付信託法(昭和二十七年法律第百九十五号)第十一条の規定は適用しない。
9 商法第二百四十五条ノ三及び第二百四十五条ノ四並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項及び第百三十二条ノ六の規定は、第七項の規定による請求について準用する。この場合において、商法第二百四十五条ノ三第一項から第三項までの規定中「決議ノ日」とあるのは「異議ヲ述べタル日」と、同条第一項、第二項及び第五項中「株式」とあるのは「受益権」と、同条第二項及び第三項中「株主」とあるのは「移転受益者」と、同法第二百四十五条ノ四中「第二百四十五条ノ二」とあるのは「預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第百三十二条第七項」と、「株主」とあるのは「移転受益者」と、「第二百四十五条第一項ニ掲グル行為」とあるのは「営業又ハ事業ノ譲渡」と、非訟事件手続法第百三十二条ノ六第一項中「及ビ第四百十三条ノ三第七項」とあるのは「、第四百十三条ノ三第七項及ビ預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第百三十二条第九項」と、同条第二項中「株主」とあるのは「移転受益者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
10 第一項の規定による更迭が行われた場合においては、信託法第五十五条第一項の規定による事務の引継ぎ(次項において「事務引継」という。)に移転受益者又は信託管理人が立ち会うことを要しない。
11 第一項の規定による更迭が行われた場合における事務引継に移転受益者又は信託管理人が立ち会わなかつたときは、信託法第五十五条第二項の規定は適用しない。
(根抵当権の譲渡に係る特例)
第百三十三条 被管理金融機関が承継銀行その他の金融機関(以下この条において「承継金融機関」という。)に対する営業の譲渡により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとするときは、当該被管理金融機関及び当該承継金融機関は、次に掲げる事項について異議のある根抵当権設定者は当該被管理金融機関に対し一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、又はこれを催告することができる。
一 当該被管理金融機関から当該承継金融機関に当該根抵当権が譲渡されること及びその期日
二 当該根抵当権の譲渡の後においても当該根抵当権が当該債権を担保すべきものとすること。
2 前項の期間は、二週間を下つてはならない。
3 第一項の公告又は催告に係る根抵当権設定者が同項各号に掲げる事項について同項の期間内に異議を述べなかつたときは、同項第一号に掲げる事項について当該根抵当権設定者の承諾が、同項第二号に掲げる事項について当該根抵当権設定者と同項の公告又は催告に係る承継金融機関の合意が、それぞれあつたものとみなす。
4 根抵当権設定者が第一項各号に掲げる事項の一部について異議を述べたときは、同項各号に掲げる事項の全部について異議を述べたものとみなす。
5 前各項の規定は、承継銀行又は特別危機管理銀行が他の金融機関に対する営業の譲渡により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとする場合について準用する。
(根抵当権移転登記等の申請手続の特例)
第百三十四条 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の移転の登記の申請書には、公告又は催告をしたこと及び根抵当権設定者が同条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の期間内に異議を述べなかつたことを証する書面を添付しなければならない。
2 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の担保すべき債権の範囲に譲渡に係る債権を追加することを内容とする根抵当権の変更の登記は、申請書に前項に規定する書面を添付したときは、根抵当権者のみで申請することができる。
(課税の特例)
第百三十五条 第七十九条の規定による登記については、登録免許税を課さない。
2 承継銀行が第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定を受けて行う被管理金融機関の営業の譲受け等(次項において「決定に基づく譲受け等」という。)により不動産に関する権利(第九十三条第二項の規定により当該承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされたものに限る。)の取得をした場合には、当該不動産に関する権利の移転の登記については、財務省令で定めるところにより当該取得後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。
3 承継銀行が決定に基づく譲受け等により取得した土地又は土地の上に存する権利(第九十三条第二項の規定により当該承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされたものに限る。)の譲渡(租税特別措置法第六十二条の三第二項第一号イに規定する譲渡をいい、同号ニに掲げる行為を含む。)は、承継銀行(当該土地又は土地の上に存する権利の譲渡が同号ニに掲げる行為の場合にあつては、承継銀行と合併する被管理金融機関を含む。)に係る同条及び同法第六十三条の規定の適用については、同法第六十二条の三第二項第一号に規定する土地の譲渡等には該当しないものとする。
(報告又は資料の提出)
第百三十六条 内閣総理大臣(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。次項及び次条において同じ。)は、この法律の円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、金融機関(代理店を含む。)に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、この法律の円滑な実施を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該金融機関の子会社(当該金融機関が銀行である場合には銀行法第二条第八項に、長期信用銀行である場合には長期信用銀行法第十三条の二第二項に、信用金庫又は信用金庫連合会である場合には信用金庫法第三十二条第六項に、信用協同組合又は信用協同組合連合会である場合には協同組合による金融事業に関する法律第四条第一項に、労働金庫又は労働金庫連合会である場合には労働金庫法第三十四条第五項にそれぞれ規定する子会社(子会社とみなされる会社を含む。)をいう。次項及び次条において同じ。)又は当該金融機関から業務の委託を受けた者に対し、当該金融機関の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 金融機関の子会社又は金融機関から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第百三十七条 内閣総理大臣は、この法律の円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に金融機関(代理店を含む。)の営業所(信用金庫等にあつては、事務所)その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該金融機関の子会社又は当該金融機関から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該金融機関に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 前条第三項の規定は、第二項の規定による金融機関の子会社又は金融機関から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。
6 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、機構に、第一項又は第二項の規定による立入り、質問又は検査(次に掲げる事項を調査するために行うものに限る。)を行わせることができる。この場合において、機構は、その職員に当該立入り、質問又は検査を行わせるものとする。
一 第五十条第一項の規定による保険料の納付が適正に行われていること。
二 第五十五条の二第四項に規定する措置が講ぜられていること。
三 第七十一条第二項の預金等債権について弁済を受けることができると見込まれる額
7 第三項から第五項までの規定は、前項の規定による立入り、質問又は検査について準用する。
第五章を第八章とし、第四章の次に次の三章を加える。
第五章 金融整理管財人による管理
(業務及び財産の管理を命ずる処分)
第七十四条 内閣総理大臣(この項に規定する処分に係る金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。次項、第四項(次条第二項において準用する場合を含む。)及び第五項、同条第一項、第七十七条第二項から第四項まで、第七十九条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)、第八十条、第八十四条第一項並びに第九十条において同じ。)は、金融機関がその財産をもつて債務を完済することができないと認める場合又は金融機関がその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合若しくは金融機関が預金等の払戻しを停止した場合であつて、次に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、当該金融機関に対し、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分(以下「管理を命ずる処分」という。)をすることができる。
一 当該金融機関の業務の運営が著しく不適切であること。
二 当該金融機関について、合併等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、当該金融機関が業務を行つている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
2 内閣総理大臣は、金融機関からその財産をもつて債務を完済することができない事態が生ずるおそれがあると認める旨の申出があつた場合において、当該事態が生ずるおそれがあり、かつ、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、当該金融機関に対し、管理を命ずる処分をすることができる。
3 前二項の規定による管理を命ずる処分があつた場合におけるこの法律の適用については、当該処分を受けた金融機関(破綻金融機関を除く。)は、破綻金融機関とみなす。
4 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたときは、官報により、これを公告しなければならない。
5 金融機関は、その財産をもつて債務を完済することができないとき又はその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあるときは、その旨及びその理由を、文書をもつて、内閣総理大臣に申し出なければならない。
(管理を命ずる処分の取消し)
第七十五条 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分について、その必要がなくなつたと認めるときは、当該管理を命ずる処分を取り消さなければならない。
2 前条第四項の規定は、前項の場合について準用する。
(株主の名義書換の禁止)
第七十六条 被管理金融機関が銀行等である場合において、内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、株主の名義書換を禁止することができる。
(金融整理管財人の選任等)
第七十七条 管理を命ずる処分があつたときは、被管理金融機関を代表し、業務の執行並びに財産の管理及び処分を行う権利は、金融整理管財人に専属する。商法第二百四十七条(信用金庫法第四十九条、中小企業等協同組合法第五十四条及び労働金庫法第五十四条において準用する場合を含む。)、商法第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条及び第三百八十条(信用金庫法第五十二条第三項(同法第五十八条第五項において準用する場合を含む。)、中小企業等協同組合法第五十七条第三項(同法第五十七条の三第四項において準用する場合を含む。)及び労働金庫法第五十七条第三項(同法第六十二条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、商法第四百十五条(信用金庫法第六十一条、中小企業等協同組合法第六十六条及び労働金庫法第六十五条において準用する場合を含む。)並びに商法第四百二十八条(信用金庫法第二十八条、中小企業等協同組合法第三十二条及び労働金庫法第二十八条において準用する場合を含む。)の規定による取締役(被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては、理事。以下この章において同じ。)の権利についても、同様とする。
2 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分と同時に、一人又は数人の金融整理管財人を選任しなければならない。
3 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定により金融整理管財人を選任した後においても、更に金融整理管財人を選任し、又は金融整理管財人が被管理金融機関の業務及び財産の管理を適切に行つていないと認めるときは、金融整理管財人を解任することができる。
4 内閣総理大臣は、第二項若しくは前項の規定により金融整理管財人を選任したとき又は同項の規定により金融整理管財人を解任したときは、被管理金融機関にその旨を通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。
5 会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)第九十七条、第九十八条、第九十八条の四及び第二百八十五条の規定は金融整理管財人について、民法第四十四条第一項の規定は被管理金融機関について、それぞれ準用する。この場合において、会社更生法第九十七条第一項中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣(当該金融整理管財人の管理に係る金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。以下同じ。)の承認」と、同法第九十八条中「管財人代理」とあるのは「金融整理管財人代理」と、同条第二項中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣の承認」と、同法第二百八十五条第一項中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と、「管財人代理」とあるのは「金融整理管財人代理」と、民法第四十四条第一項中「理事其他ノ代理人」とあるのは「金融整理管財人」と読み替えるものとする。
第七十八条 法人は、金融整理管財人又は金融整理管財人代理となることができる。
2 機構は、金融整理管財人又は金融整理管財人代理となり、その業務を行うことができる。
(通知及び登記)
第七十九条 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたとき又は管理を命ずる処分を取り消したときは、直ちに、被管理金融機関の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所にその旨を通知し、かつ、嘱託書に当該命令書の謄本を添付して、被管理金融機関の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地の登記所に、その登記を嘱託しなければならない。
2 前項の登記には、金融整理管財人の氏名又は名称及び住所をも登記しなければならない。
3 第一項の規定は、前項に掲げる事項に変更が生じた場合について準用する。
(報告又は資料の提出)
第八十条 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、金融整理管財人に対し、被管理金融機関の業務及び財産の状況等に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその経営に関する計画の作成及び提出その他必要な措置を命ずることができる。
(金融整理管財人の調査等)
第八十一条 金融整理管財人は、被管理金融機関の取締役、監査役(被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては、監事。以下この章において同じ。)及び支配人(被管理金融機関が信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会である場合にあつては、参事)その他の使用人並びにこれらの者であつた者に対し、被管理金融機関の業務及び財産の状況(これらの者であつた者については、その者が当該被管理金融機関の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被管理金融機関の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
2 金融整理管財人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
(金融整理管財人等の秘密保持義務)
第八十二条 金融整理管財人及び金融整理管財人代理(以下この条において「金融整理管財人等」という。)は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。金融整理管財人等がその職を退いた後も、同様とする。
2 金融整理管財人等が法人であるときは、金融整理管財人等の職務に従事するその役員及び職員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その役員又は職員が金融整理管財人等の職務に従事しなくなつた後においても、同様とする。
(被管理金融機関の経営者の破綻の責任を明確にするための措置)
第八十三条 金融整理管財人は、被管理金融機関の取締役若しくは監査役又はこれらの者であつた者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。
2 金融整理管財人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。
(金融整理管財人と被管理金融機関との取引)
第八十四条 金融整理管財人は、自己又は第三者のために被管理金融機関と取引をするときは、内閣総理大臣の承認を得なければならない。この場合においては、民法第百八条の規定は、適用しない。
2 前項の承認を得ないでした行為は、無効とする。ただし、善意の第三者に対抗することができない。
(会社整理に関する商法の規定の不適用)
第八十五条 商法第三百八十一条第一項、第三百八十六条第一項(第一号及び第六号から第九号までを除く。)及び第二項(同条第一項第一号及び第九号に掲げる処分であつて職権でするものに係る部分を除く。)、第三百八十七条第一項、第三百八十八条から第三百九十一条まで、第三百九十七条並びに第三百九十八条(これらの規定を信用金庫法第六十二条、協同組合による金融事業に関する法律第六条の二第四項及び労働金庫法第六十六条において準用する場合を含む。)の規定は、管理を命ずる処分があつた場合における当該管理を命ずる処分に係る被管理金融機関については、適用しない。
(株主総会等の特別決議等に関する特例)
第八十六条 被管理金融機関における商法第二百十四条第一項、第二百四十五条第一項、第二百八十条ノ二第二項、第三百四十六条若しくは第三百七十五条第一項の規定による決議、同法第三百四十三条、第三百四十五条第二項、第三百五十三条第四項(同法第三百六十五条第三項において準用する場合を含む。)、第四百五条若しくは第四百八条第三項に規定する決議、信用金庫法第四十八条、中小企業等協同組合法第五十三条若しくは労働金庫法第五十三条の規定による議決又は金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第三項(第一号において準用する商法第四百八条第三項に係る部分に限る。)若しくは金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第六項の規定による合併決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主又は会員、組合員若しくは代議員若しくは総代(第三項において「株主等」という。)の議決権の三分の二以上に当たる多数をもつて、仮にすることができる。
2 被管理金融機関における商法第三百四十八条第一項、第三百五十三条第五項、第三百六十五条第二項若しくは第四百八条第四項の規定による決議又は金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第三項(同項のうち、第一号において準用する商法第四百八条第四項に係る部分及び第二号に係る部分に限る。)の規定による合併決議若しくは金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第五項に規定する決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の過半数であつて出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもつて、仮にすることができる。
3 第一項の規定により仮にした決議、議決又は合併決議(以下この項及び次項において「仮決議等」という。)があつた場合においては、各株主等に対し、当該仮決議等の趣旨を通知し、当該仮決議等の日から一月以内に再度の株主総会等(第六十六条第二項に規定する株主総会等をいう。次項及び次条第六項において同じ。)を招集しなければならない。
4 前項の株主総会等において第一項に規定する多数をもつて仮決議等を承認した場合には、当該承認のあつた時に、当該仮決議等をした事項に係る決議、議決又は合併決議があつたものとみなす。
5 前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議又は合併決議があつた場合について準用する。この場合において、前項中「第一項に規定する多数」とあるのは、「第二項に規定する多数」と読み替えるものとする。
(株主総会等の特別決議等に代わる許可)
第八十七条 銀行等である被管理金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない場合には、当該被管理金融機関は、商法第二百四十五条、第三百七十五条及び第四百五条の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。
一 営業の全部又は重要な一部の譲渡
二 資本の減少
三 解散
2 信用金庫等である被管理金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない場合には、当該被管理金融機関は、信用金庫法第四十八条及び第五十八条第一項、中小企業等協同組合法第五十三条及び第五十七条の三第一項並びに労働金庫法第五十三条及び第六十二条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。
一 解散
二 事業の譲渡
3 金融整理管財人は、商法第二百五十七条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)、信用金庫法第三十八条第一項、中小企業等協同組合法第四十一条第一項及び労働金庫法第四十一条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理金融機関の取締役又は監査役を解任することができる。
4 前項の規定により被管理金融機関の取締役又は監査役を解任しようとする場合において、解任により法律又は定款に定めた取締役又は監査役の員数を欠くこととなるときは、金融整理管財人は、商法第二百五十四条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)、信用金庫法第三十二条第三項、中小企業等協同組合法第三十五条第三項及び労働金庫法第三十四条第三項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理金融機関の取締役又は監査役を選任することができる。
5 前項の規定により選任された被管理金融機関の取締役及び監査役は、選任時の属する営業年度の終了後最初に招集される定時総会又は通常総会(総代会を設けている場合において、その総代会で役員の選任をすることができるときは、通常総代会)の終結の時に退任する。
6 第一項から第四項までに規定する許可(以下この条及び次条において「代替許可」という。)があつたときは、当該代替許可に係る事項について株主総会等の決議又は議決があつたものとみなす。
7 代替許可に係る事件は、当該被管理金融機関の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
8 裁判所は、代替許可の決定をしたときは、その決定書を被管理金融機関に送達するとともに、その決定の要旨を公告しなければならない。
9 前項の規定によつてする公告は、官報に掲載してする。
10 代替許可の決定は、第八項の規定による被管理金融機関に対する送達がされた時から、効力を生ずる。
11 代替許可の決定に対しては、株主、会員又は組合員は、第八項の公告のあつた日から一週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。この場合において、当該即時抗告が解散に係る代替許可の決定に対するものであるときは、執行停止の効力を有する。
12 第七項から前項までに規定するもののほか、代替許可に係る事件に関しては、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第一編(第二条から第四条まで、第十五条、第十六条、第十八条第一項及び第二項並びに第二十条を除く。)の規定を準用する。
(代替許可に係る登記の特例)
第八十八条 前条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項第一号に掲げる事項又は同条第三項若しくは第四項に定める事項に係る代替許可があつた場合においては、当該事項に係る登記の申請書には、当該代替許可の決定書の謄本又は抄本を添付しなければならない。
(債権者保護手続の特例)
第八十九条 銀行等である被管理金融機関が資本減少の決議をした場合においては、預金者その他政令で定める債権者に対する商法第三百七十六条第二項において準用する同法第百条の規定による催告は、することを要しない。
(管理の終了)
第九十条 金融整理管財人は、管理を命ずる処分の日から一年以内に、被管理金融機関の営業の譲渡その他の措置を講ずることにより、その管理を終えるものとする。ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該管理を終えることができない場合には、内閣総理大臣の承認を得て、一年を限り、この期限を延長することができる。
第六章 破綻した金融機関の業務承継
(承継銀行の設立の決定)
第九十一条 内閣総理大臣は、被管理金融機関の業務承継(承継銀行が営業の譲受け等により業務を引き継ぎ、かつ、その業務を暫定的に維持継続することをいう。以下この章において同じ。)のため承継銀行を活用する必要があると認めるときは、次に掲げる決定を行うことができる。
一 機構が被管理金融機関から業務を引き継ぐため営業の譲受け等を行う承継銀行を子会社として設立する旨の決定
二 承継銀行が被管理金融機関から業務を引き継ぐため営業の譲受け等を行うべき旨の決定
2 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、前項の決定を取り消し、又は変更する決定を行うことができる。
3 金融整理管財人は、必要があると認めるときは、内閣総理大臣に第一項又は前項の規定による決定を行うことを求めることができる。
(承継銀行の設立等)
第九十二条 機構は、前条第一項又は第二項の規定による同条第一項第一号に掲げる決定があつたときは、当該決定に係る出資の内容について委員会の議決を経て、承継銀行となる株式会社の設立の発起人となり、及び当該設立の発起人となつた株式会社を子会社として設立するための出資をしなければならない。
2 機構は、前項に規定する場合のほか、承継銀行に対する出資を行おうとするときは、委員会の議決を経なければならない。
3 機構は、前二項に規定する出資をしたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(承継資産の確認)
第九十三条 第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定があつたときは、当該被管理金融機関の金融整理管財人は、同項の業務承継により承継銀行が引き継ぐべき当該被管理金融機関の貸付債権その他の資産を選定し、内閣総理大臣に対し、これらが承継銀行の保有する資産として適当であることの確認を求めるものとする。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による求めがあつたときは、円滑な業務承継を図る観点及び承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を図る観点から、同項の確認を行うものとする。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の確認を行うための基準をあらかじめ定め、これを公表しなければならない。
4 前項の基準は、第二項の確認の対象となる債権に係る債務者の債務の履行状況に関する基準を含むものでなければならない。
(承継銀行の経営管理)
第九十四条 機構は、承継銀行が次に掲げる事項を適確に実施できるようその経営管理を行わなければならない。
一 第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定があつたときは、当該決定の対象とされた被管理金融機関から業務を引き継ぐため営業の譲受け等を行うこと。
二 前条第二項の規定により承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされた資産を引き継ぐこと。
三 預金等の受払事務、資金の貸付けその他の業務の実施に際しては、次項に規定する指針に従うこと。
2 機構は、承継銀行の預金等の受払事務、資金の貸付けその他の業務についての指針を次に定めるところにより作成し、内閣総理大臣の承認を受けた後、公表しなければならない。
一 当該指針は、預金等の受払事務、資金の貸付けその他の業務の暫定的な維持継続を図るという承継銀行の目的を踏まえ、前条第三項に規定する基準との整合性に配慮しつつ、承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保する観点に立つて作成されるものであること。
二 当該指針は、承継銀行が資金の貸付けその他の業務のうち機構の指定する取引について機構の承認を受けて行うことを内容として含むものであること。
3 機構は、承継銀行に対し、その経営に必要な指導及び助言を行うことができる。
(商法第二百四十六条の不適用)
第九十五条 商法第二百四十六条の規定は、機構が承継銀行の発行済株式の全部を所有する場合における第九十三条第二項の規定による確認がされた資産については、適用しない。
(経営管理の終了等)
第九十六条 機構は、承継銀行が最初に業務を引き継いだ被管理金融機関に対する管理を命ずる処分の日から二年以内に、次に掲げる措置を講ずることにより当該承継銀行の経営管理を終えるものとする。ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該経営管理を終えることができない場合には、一年を限り、この期限を延長することができる。
一 当該承継銀行の合併(当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)
二 当該承継銀行の営業の全部の譲渡
三 当該承継銀行の株式の譲渡(当該譲渡により当該承継銀行が機構の子会社でなくなるものに限る。)
四 株主総会の決議による当該承継銀行の解散
2 機構は、前項本文の規定による経営管理の終了又は同項ただし書の規定による期限の延長をしようとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
3 機構は、第一項の規定により承継銀行の経営管理を終了したとき又は承継銀行(承継銀行であつた銀行を含む。)の株式の譲渡その他の処分(同項第三号に掲げるものを除く。)を行つたときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(承継協定)
第九十七条 機構は、承継銀行と次に掲げる事項を含む協定(以下この章において「承継協定」という。)を締結するものとする。
一 承継協定を締結した承継銀行(以下「協定承継銀行」という。)は、第九十四条第一項各号に掲げる事項を実施すること。
二 協定承継銀行は、機構が当該協定承継銀行の資産の買取りを行うことを機構に申し込むことができること。
三 協定承継銀行は、次条第一項に規定する債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の締結をしようとするときは、当該締結をしようとする契約の内容について機構の承認を受けること。
2 機構は、承継協定を締結したときは、直ちに、その承継協定の内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(資金の貸付け及び債務の保証)
第九十八条 機構は、協定承継銀行から、協定承継銀行の業務の円滑な実施のために必要とする資金について、その資金の貸付け又は協定承継銀行によるその資金の借入れに係る債務の保証の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、当該貸付け又は債務の保証を行うことができる。
2 機構は、前項の規定により協定承継銀行との間で同項の貸付け又は債務の保証に係る契約を締結したときは、直ちに、その契約内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(損失の補てん)
第九十九条 機構は、承継協定の定めによる業務の実施により協定承継銀行に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議決を経て、当該金額の範囲内において、当該損失の補てんを行うことができる。
(報告の徴求)
第百条 機構は、この章の規定による業務を行うため必要があるときは、承継銀行に対し、承継協定の実施又は財務の状況に関し報告を求めることができる。
(再承継金融機関等に対する資金援助)
第百一条 再承継を行う金融機関で承継銀行でない者(以下この条において「再承継金融機関」という。)又は再承継を行う銀行持株会社等(以下この条において「再承継銀行持株会社等」という。)は、機構が、再承継を援助するため、資金援助(第五十九条第一項第三号、第六号又は第七号に掲げるものに限る。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
2 前項の「再承継」とは、次に掲げるものをいう。
一 承継銀行と合併する金融機関が存続する合併
二 承継銀行と他の金融機関が合併して金融機関を設立する合併
三 承継銀行がその営業の全部(当該承継銀行の資産の一部を機構が買い取る場合にあつては、その買い取られる資産に係る部分を除く。)を他の金融機関に譲渡するもの
四 承継銀行の株式の他の金融機関又は銀行持株会社等による取得で当該承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な事項として内閣総理大臣及び財務大臣が定めるものを実施するために行うもの
3 第一項の規定による資産の買取りは、次の各号に掲げる再承継の区分に応じ、当該各号に定める資産について行うものとする。
一 前項第一号に掲げる合併 当該合併により存続する金融機関の資産(当該合併前に承継銀行の資産であつたものに限る。)
二 前項第二号に掲げる合併 当該合併により設立される金融機関の資産(当該合併前に承継銀行の資産であつたものに限る。)
三 前項第三号に掲げる営業の譲渡 同号の他の金融機関の資産で当該営業の譲渡により譲り受けたもの
四 前項第四号に掲げる株式の取得 当該株式の取得をされた銀行の資産
4 第一項の規定による損害担保は、前項各号に掲げる再承継の区分に応じ、当該各号に定める資産である貸付債権について行うものとする。
5 第五十九条第三項、第六項及び第七項並びに第六十一条第一項の規定は第一項の規定による申込みについて、同条第二項から第四項まで及び第六項から第八項までの規定はこの項において準用する同条第一項の認定について、それぞれ準用する。この場合において、第五十九条第三項中「救済金融機関」とあるのは「再承継金融機関」と、第六十一条中「合併等」とあるのは「再承継」と、「破綻金融機関」とあるのは「承継銀行」と、「救済金融機関」とあるのは「再承継金融機関」と、「救済銀行持株会社等」とあるのは「再承継銀行持株会社等」と読み替えるものとする。
6 内閣総理大臣は、前項において準用する第六十一条第二項の申請が行われない場合においても、承継銀行が前項において準用する同条第三項第三号に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該承継銀行及び他の金融機関又は当該承継銀行及び銀行持株会社等に対し、書面により、再承継(第二項第二号に掲げる合併を除くものとし、当該再承継が行われることが預金者等その他の債権者の保護に資するものであり、、かつ、機構による資金援助が行われることが当該再承継を行うために不可欠であるものに限る。)のあつせんを行うことができる。
7 第六十二条第二項及び第四項から第六項までの規定は前項のあつせんについて、第六十四条(第二項を除く。)及び第六十四条の二の規定は第一項の規定による申込みについて、第六十五条及び第六十六条の規定は第五項において準用する第六十一条第一項の認定又は前項のあつせんを受けた金融機関又は銀行持株会社等について、第六十七条の規定は再承継金融機関について、第六十八条の規定は再承継のための機構による資金援助について、それぞれ準用する。この場合において、第六十二条第二項中「第五十九条第一項又は第五十九条の二第一項」とあるのは「第百一条第一項」と、同条第四項から第六項までの規定中「第一項」とあるのは「第百一条第六項」と、同条第四項中「第四項から第七項まで」とあるのは「第四項、第六項及び第七項」と、同条第五項中「破綻金融機関又は破綻金融機関となる蓋然性が高いと認められる金融機関」とあるのは「承継銀行」と、第六十四条第三項及び第五項中「合併等」とあるのは「再承継」と、第六十四条の二第一項、第二項及び第四項中「救済金融機関」とあるのは「再承継金融機関」と、「救済銀行持株会社等」とあるのは「再承継銀行持株会社等」と、同条第二項、第六十五条及び第六十八条中「合併等」とあるのは「再承継」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第七章 金融危機への対応
(金融危機に対応するための措置の必要性の認定)
第百二条 内閣総理大臣は、次の各号に掲げる金融機関について当該各号に定める措置が講ぜられなければ、我が国又は当該金融機関が業務を行つている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときは、金融危機対応会議(以下この章において「会議」という。)の議を経て、当該措置を講ずる必要がある旨の認定(以下この章において「認定」という。)を行うことができる。
一 金融機関(次号に掲げる金融機関を除く。) 当該金融機関の自己資本の充実のために行う機構による株式等の引受け等(以下この章において「第一号措置」という。)
二 破綻金融機関又はその財産をもつて債務を完済することができない金融機関 当該金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用の額を超えると見込まれる額の資金援助(以下この章において「第二号措置」という。)
三 破綻金融機関に該当する銀行等であつて、その財産をもつて債務を完済することができないもの 第百十一条から第百十九条までの規定に定める措置(以下この章において「第三号措置」という。)
2 内閣総理大臣は、労働金庫又は労働金庫連合会に対して認定を行おうとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣の意見を聴かなければならない。
3 第三号措置に係る認定は、第二号措置によつては第一項の支障を回避することができないと認める場合でなければ、行うことができない。
4 内閣総理大臣は、第一号措置に係る認定を行うときは、当該認定に係る金融機関が第百五条第一項の申込みを行うことができる期限を定めなければならない。
5 内閣総理大臣は、認定を行つたときは、その旨及び当該認定が第一号措置に係るものであるときは前項の規定により定めた期限を当該認定に係る金融機関及び機構に通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。
6 内閣総理大臣は、認定を行つたときは、当該認定の内容を国会に報告しなければならない。
(第一号措置に係る認定の取消し)
第百三条 内閣総理大臣は、第一号措置に係る認定を行つた後、第百五条第三項の決定がされるまでの間に、当該認定に係る金融機関が前条第一項第二号に掲げる金融機関に該当することとなつたときは、会議の議を経て、当該認定を取り消すものとする。
2 前条第二項、第五項及び第六項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。
(自己資本の充実のための措置を定めた計画の提出等)
第百四条 第一号措置に係る認定に係る金融機関は、次条第一項の申込みを行わないときは、内閣総理大臣に対し、第百二条第四項に規定する期限内に、第一号措置以外の方法による自己資本の充実のための措置を定めた計画を提出しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により同項の金融機関から提出を受けた計画を適当と認めるときは、会議の議を経て、当該金融機関に係る認定を取り消すものとする。
3 第百二条第二項、第五項及び第六項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。
4 内閣総理大臣は、第一号措置に係る認定に係る金融機関が第百二条第四項に規定する期限内に次条第一項の申込みを行わなかつた場合において、当該金融機関が当該期限内に第一項に規定する計画を提出しなかつたときは、当該認定を取り消すものとする。
5 内閣総理大臣は、第一項の規定により金融機関が提出した計画を適当と認めないときは、当該認定を取り消すものとする。
6 内閣総理大臣は、前二項の規定により第一号措置に係る認定を取り消すときは、あらかじめ、財務大臣の意見を聴かなければならない。
7 第百二条第二項、第五項及び第六項の規定は、第四項又は第五項の規定による第一号措置に係る認定の取消しについて準用する。
8 内閣総理大臣は、第四項又は第五項の規定により第一号措置に係る認定が取り消された場合において、当該取消しに係る金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない事態が生ずるおそれがあるときは、第百二条第一項の規定にかかわらず、会議の議を経て、当該金融機関に対し、第二号措置に係る認定を行うことができる。
9 第百二条第二項、第五項及び第六項の規定は、前項の規定による第二号措置に係る認定について準用する。
(株式等の引受け等の決定)
第百五条 機構は、第一号措置に係る認定が行われた場合において、当該認定に係る金融機関から第百二条第四項の規定により定められた期限内に第一号措置に係る申込みを受けたときは、内閣総理大臣(当該金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。次項、第三項、第六項及び第七項、第百七条第二項、第百八条、第百九条並びに第百十条第一項において同じ。)に対し、当該金融機関と連名で、当該申込みに係る第一号措置を行うかどうかの決定を求めなければならない。
2 前項の申込みを行つた金融機関は、内閣総理大臣に対し、経営の合理化のための方策その他の政令で定める方策を定めた経営の健全化のための計画を提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第一項の申込みに係る第一号措置を行うべき旨の決定をするものとする。
一 第一項の申込みに係る取得株式等又は取得貸付債権の処分をすることが著しく困難であると認められる場合でないこと。
二 前項に規定する経営の健全化のための計画の確実な履行等を通じて、当該金融機関の次に掲げる方策の実行が見込まれること。
イ 経営の合理化のための方策
ロ 経営責任の明確化のための方策
ハ 株主責任の明確化のための方策
4 前項第一号に規定する「取得株式等」とは、機構が第一号措置により取得した株式等(当該株式等が株式又は劣後特約付社債である場合の当該取得後においては、当該株式が他の種類の株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された他の種類の株式及び当該株式又は当該他の種類の株式について分割又は併合された株式並びに当該劣後特約付社債が株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された株式及びこれについて分割又は併合された株式を含む。)をいう。
5 第三項第一号に規定する「取得貸付債権」とは、機構が第一号措置により取得した貸付債権をいう。
6 内閣総理大臣は、第三項の決定を行うときは、財務大臣の同意を得なければならない。
7 内閣総理大臣は、第一項の決定を行つたときは、その旨を当該金融機関及び機構に通知しなければならない。
8 内閣総理大臣は、第一項の申込みに係る第一号措置を行わない旨の決定がされたときは、直ちに、当該申込みをした金融機関が受けた第一号措置に係る認定を取り消すものとする。
9 第百二条第二項、第五項及び第六項並びに前条第六項及び第八項の規定は前項の規定による第一号措置に係る認定の取消しについて、同条第九項の規定はこの項において準用する同条第八項の規定による第二号措置に係る認定について、それぞれ準用する。
(資本の減少を行う場合の特例)
第百六条 内閣総理大臣は、前条第一項の申込みが株式の引受けに係るものである場合において、必要があると認めるときは、当該申込みに係る同条第三項の決定において、資本の減少を当該株式の引受けの条件とすることができる。
2 第八十九条の規定は、前項の規定により資本の減少を当該株式の引受けの条件とする前条第三項の決定がされた場合における当該資本の減少について準用する。
3 第一項の規定により資本の減少を当該株式の引受けの条件とする前条第三項の決定がされた場合において、当該決定を受けた銀行等は、当該条件とされた資本の減少についての株主総会の決議を得たとき又は得られなかつたときは、直ちに、内閣総理大臣に、その旨を報告し、かつ、当該株主総会の議事録を提出し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項に規定する場合において、同項の条件とされた資本の減少についての株主総会の決議を得られなかつたときは、当該銀行等について第一号措置に係る認定及び前条第三項の決定を取り消すものとする。
5 第百二条第五項及び第六項並びに第百四条第六項及び第八項の規定は前項の規定による第一号措置に係る認定の取消しについて、同条第九項(第百二条第二項に係る部分を除く。)の規定はこの項において準用する第百四条第八項の規定による第二号措置に係る認定について、前条第七項の規定は前項の規定により同条第三項の決定を取り消したときについて、それぞれ準用する。
(機構による株式等の引受け等)
第百七条 機構は、第百五条第三項の規定による決定がされたときは、当該決定に従い、株式等の引受け等を行うものとする。
2 機構は、前項の規定に基づき株式等の引受け等を行つたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(計画の公表等)
第百八条 内閣総理大臣は、第百五条第三項の規定による決定をしたときは、同条第二項の規定により提出を受けた計画を公表するものとする。ただし、信用秩序を損なうおそれのある事項、当該計画を提出した金融機関の預金者等その他の取引者の秘密を害するおそれのある事項及び当該金融機関の業務の遂行に不当な不利益を与えるおそれのある事項については、この限りでない。
2 内閣総理大臣は、機構が取得株式等(第百五条第四項に規定する取得株式等をいう。以下この章において同じ。)又は取得貸付債権(同条第五項に規定する取得貸付債権をいう。以下この章において同じ。)の全部につきその処分をし、又は利益をもつてする消却、償還若しくは返済を受けるまでの間、当該取得株式等又は取得貸付債権に係る金融機関に対し、同条第二項の規定により提出を受けた計画の履行状況につき報告を求め、これを公表することができる。
(取得株式等又は取得貸付債権の処分)
第百九条 機構は、取得株式等若しくは取得貸付債権について譲渡その他の処分を行おうとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の処分を行つたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(管理を命ずる処分及び資金援助の特例)
第百十条 内閣総理大臣は、第百二条第一項又は第百四条第八項(第百五条第九項及び第百六条第五項において準用する場合を含む。)の規定による第二号措置に係る認定が行われた場合には、第七十四条第一項及び第二項の規定にかかわらず、直ちに、当該認定に係る金融機関に対し、管理を命ずる処分をするものとする。
2 前項の規定による管理を命ずる処分があつた場合におけるこの法律の適用については、当該処分を受けた金融機関(破綻金融機関を除く。)は、破綻金融機関とみなす。
3 第六十四条第二項の規定は、第一項の規定により管理を命ずる処分を受けた金融機関を破綻金融機関として行う合併等に係る資金援助について同条第一項の委員会の議決を行う場合には、適用しない。この場合において、委員会は、当該資金援助が当該金融機関の財務の状況に照らし当該資金援助に係る合併等が行われるために必要な範囲を超えていないと認めるときは、当該資金援助を行う旨の決議をすることができる。
(特別危機管理銀行の株式の取得の決定)
第百十一条 内閣総理大臣は、第三号措置に係る認定と同時に、機構が当該認定に係る銀行等の株式を取得することの決定(次項において「特別危機管理開始決定」という。)をするものとする。
2 内閣総理大臣は、特別危機管理開始決定をしたときは、その旨を機構及び当該特別危機管理開始決定を受けた銀行等(以下「特別危機管理銀行」という。)に通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。
(株式の取得等)
第百十二条 前条第二項の規定による公告があつた場合には、特別危機管理銀行の株式は、当該公告があつた時(以下この章において「公告時」という。)に、機構が取得する。
2 前項の規定により機構が取得した株式に係る株券(端株券を含む。)は、公告時において無効とする。
3 第一項の規定による株式の取得については、商法第二百五条第一項及び第二百六条第一項の規定は、適用しない。
4 第一項の規定により機構が取得した株式を目的とする質権その他の担保権は、公告時において消滅する。
(特別危機管理銀行の財務の公表)
第百十三条 内閣総理大臣は、第百十一条第二項の公告をしたときは、内閣府令・財務省令で定めるところにより、公告時における特別危機管理銀行の資産及び負債の状況を公表するものとする。
(特別危機管理銀行の役員の選任及び解任の特例)
第百十四条 機構は、商法第二百五十四条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、内閣総理大臣の指名に基づき、特別危機管理銀行の取締役及び監査役を選任することができる。この場合において、特別危機管理銀行の取締役又は監査役の変更の登記の申請書には、指名及び選任を証する書面を添付しなければならない。
2 機構は、商法第二百五十七条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、内閣総理大臣の承認を得て、特別危機管理銀行の取締役又は監査役を解任することができる。
(報告又は資料の提出等)
第百十五条 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、特別危機管理銀行に対し、その業務及び財産の状況等に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその経営に関する計画の作成及び提出その他必要な措置を命ずることができる。
(特別危機管理銀行の経営者の破綻の責任を明確にするための措置)
第百十六条 特別危機管理銀行は、その取締役若しくは監査役又はこれらの者であつた者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。
2 特別危機管理銀行の取締役及び監査役は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。
(債権者保護手続の特例)
第百十七条 第八十九条の規定は、特別危機管理銀行が資本減少の決議をした場合について準用する。
(特別危機管理銀行に係る資金援助の特例)
第百十八条 特別危機管理銀行を破綻金融機関とする合併等(第五十九条第二項第一号、第二号及び第四号に掲げるものに限る。第五項において同じ。)を行う救済金融機関又は救済銀行持株会社等は、同条第一項の規定にかかわらず、当該特別危機管理銀行と連名で、機構が当該特別危機管理銀行に対して資金援助(同項第一号に掲げるものに限る。第三項から第五項までにおいて同じ。)を行うことを機構に申し込むことができる。
2 第五十九条第六項及び第七項並びに第六十一条第一項の規定は前項の規定による申込みについて、同条第二項、第三項及び第六項から第八項までの規定はこの項において準用する同条第一項の認定について、それぞれ準用する。この場合において、同条第一項から第三項まで及び第八項中「破綻金融機関」とあるのは、「特別危機管理銀行」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 内閣総理大臣は、前項において準用する第六十一条第二項の申請が行われない場合においても、特別危機管理銀行が前項において準用する同条第三項第三号に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該特別危機管理銀行及び他の金融機関又は当該特別危機管理銀行及び銀行持株会社等に対し、書面により、合併等(第五十九条第二項第一号及び第四号に掲げるものに限るものとし、当該合併等が行われることが預金者等その他の債権者の保護に資するものであり、かつ、機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うために不可欠であるものに限る。)のあつせんを行うことができる。
4 第六十二条第二項及び第四項から第六項までの規定は前項のあつせんについて、第六十四条(第二項及び第五項を除く。)の規定は第一項の規定による申込みについて、第六十五条及び第六十六条の規定は第二項において準用する第六十一条第一項の認定又は前項のあつせんを受けた金融機関又は銀行持株会社等について、第六十八条の規定は第一項の資金援助について、それぞれ準用する。この場合において、第六十二条第二項中「第五十九条第一項又は第五十九条の二第一項」とあるのは「第百十八条第一項」と、同条第四項から第六項までの規定中「第一項」とあるのは「第百十八条第三項」と、同条第四項中「第四項から第七項まで」とあるのは「第六項及び第七項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 委員会は、第一項に規定する申込みに係る資金援助について前項において準用する第六十四条第一項の議決を行う場合において、当該資金援助が特別危機管理銀行の財務の状況に照らし当該資金援助に係る合併等が行われるために必要な範囲を超えていないと認めるときは、当該資金援助を行う旨の決議をすることができる。
第百十九条 第百十条第三項の規定は、第五十九条第一項の規定による申込みに係る特別危機管理銀行を破綻金融機関として行う合併等に係る資金援助について準用する。
(第三号措置の終了)
第百二十条 内閣総理大臣は、できる限り早期に、機構又は特別危機管理銀行に次に掲げる措置を講じさせることにより、第三号措置を終えるものとする。
一 当該特別危機管理銀行と合併する金融機関が存続する合併(当該合併後に存続する法人が機構の子会社でないものに限る。)
二 当該特別危機管理銀行と他の金融機関が合併して金融機関を設立する合併(当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)
三 当該特別危機管理銀行の営業の譲渡
四 当該特別危機管理銀行の株式の譲渡(当該譲渡により当該特別危機管理銀行が機構の子会社でなくなるものに限る。)
2 特別危機管理銀行は、前項第一号から第三号までに掲げる措置を講ずるときは、内閣総理大臣にその旨を報告し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
3 機構は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに、その旨を財務大臣に報告しなければならない。
4 機構は、第一項第四号に掲げる措置を講じたときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(危機対応勘定)
第百二十一条 機構は、第百十条第三項(第百十九条において準用する場合を含む。)又は第百十八条第五項の規定による決議に係る資金援助を行うときは、第四十条の二第二号に掲げる業務(以下「危機対応業務」という。)に係る勘定(以下「危機対応勘定」という。)から、当該資金援助に要すると見込まれる費用から当該資金援助に係る金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用を控除した残額に相当する金額を、一般勘定に繰り入れるものとする。
2 前項の規定による危機対応勘定から一般勘定への繰入れは、危機対応業務とみなす。
(負担金の納付等)
第百二十二条 金融機関は、次条第四項(第百二十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による公告がされたときは、当該公告において定められた期間、機構の危機対応業務の実施に要した費用に充てるため、機構に対し、負担金を納付しなければならない。
2 前項の公告がされたときは、金融機関は、当該公告において定められた期間に含まれる各営業年度の末日までに、機構に対し、内閣府令・財務省令で定める書類を提出して、負担金を納付するものとする。
3 第一項の負担金の額は、各金融機関につき、当該負担金を納付すべき日を含む営業年度の直前の営業年度の末日における負債(内閣府令・財務省令で定めるものを除く。)の額の合計額を十二で除し、これに当該負担金を納付すべき日を含む営業年度の月数を乗じて計算した金額に、次条第二項の規定により定められた負担率を乗じて計算した金額とする。
4 第五十条第二項及び第五十二条の規定は、第一項の負担金について準用する。
(負担金に係る決定)
第百二十三条 機構は、毎事業年度、当該事業年度における危機対応勘定の収支につき、次に掲げる事項を、当該事業年度の終了後三月以内に、内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
一 第百二十一条第一項の規定により危機対応勘定から一般勘定に繰り入れた金額
二 取得株式等又は取得貸付債権につきその取得価額を下回る金額で譲渡したことその他の事由により生じた損失の金額
三 取得株式等又は取得貸付債権につきその取得価額を上回る金額で譲渡したことその他の事由により生じた利益の金額
四 収納した負担金の金額
五 その他政令で定める事項
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の報告を受けた場合において、必要があると認めるときは、当該報告を受けた時(以下この項において「報告時」という。)の属する事業年度以後の各事業年度において前条第一項の規定により金融機関が納付すべき負担金(以下「負担金」という。)に係る負担率及び納付期間を定めなければならない。ただし、当該報告時の属する事業年度前の事業年度において、当該報告時の属する事業年度以後の各事業年度における負担金に係る負担率及び納付期間が定められているときは、当該負担率及び納付期間を変更する方法により当該報告時の属する事業年度以後の各事業年度における負担金に係る負担率及び納付期間を定めるものとする。
3 負担率及び納付期間は、次に掲げる事項を勘案し、危機対応勘定の欠損金が負担金で賄われるように、かつ、特定の金融機関に対し差別的取扱いをしないように定めなければならない。
一 第一項の報告に係る事業年度における同項各号に掲げる事項
二 金融機関の財務の状況
4 内閣総理大臣及び財務大臣は、第二項の規定により負担率及び納付期間を定めたときは、官報により、これを公告しなければならない。
5 内閣総理大臣及び財務大臣は、第二項の規定により負担率及び納付期間を定めるため必要があると認めるときは、機構に対し、意見の陳述、報告又は資料の提出を求めることができる。
(負担率等の変更)
第百二十四条 機構は、その借入金の金利の変動、次条第一項の規定による政府の補助その他の事由(前条第一項各号に掲げる事項に係るものを除く。)により、負担金に過不足が生ずることが明らかとなつた場合には、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の報告に係る負担金の過不足を調整するために必要な限度で、前条第二項の規定により定められた負担率及び納付期間を変更することができる。
3 前条第四項及び第五項の規定は、前項の規定により内閣総理大臣及び財務大臣が負担率及び納付期間を変更する場合について準用する。
(政府の補助)
第百二十五条 政府は、負担金のみで危機対応業務に係る費用を賄うとしたならば、金融機関の財務の状況を著しく悪化させ、我が国の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認められるときに限り、予算で定める金額の範囲内において、機構に対し、当該業務に要する費用の一部を補助することができる。
2 機構は、負担金が納付されない事業年度(前項の規定により政府の補助を受けた日を含む事業年度の後の事業年度に限る。)において、危機対応勘定に損益計算上の利益金として内閣府令・財務省令で定めるところにより計算した金額があるときは、当該金額を、前項の規定により既に政府の補助を受けた金額の合計額からこの項の規定により既に国庫に納付した金額を控除した金額までを限り、国庫に納付しなければならない。
3 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。
(借入金及び債券等)
第百二十六条 機構は、危機対応業務を行うため必要があると認めるときは、政令で定める金額の範囲内において、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、日本銀行、金融機関その他の者から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は債券の発行(債券の借換えのための発行を含む。)をすることができる。
2 第四十二条第四項及び第四十二条の二の規定は、前項の規定により機構が資金の借入れ又は債券の発行をする場合について準用する。
3 第一項の規定により発行される債券については、これを第四十二条第一項の規定により発行される債券とみなして、同条第五項から第九項までの規定を適用する。
附則第六条の二を附則第六条の二の三とし、附則第六条の次に次の二条を加える。
(保険金の額の特例)
第六条の二 平成十三年四月一日から平成十五年三月三十一日までに発生した保険事故(附則第十六条第五項に規定する特別資金援助を行う旨の決定又は附則第十七条第四項に規定する預金等債権の特別買取りをする旨の決定があつた場合における当該決定に係る保険事故を除く。)に限り、保険金の額は、第五十四条の規定にかかわらず、当該保険事故が発生した金融機関の各預金者等につき、次の各号に掲げる預金等の区分ごとに、その発生した日において現にその者が当該金融機関に対して有する預金等(外貨預金その他の政令で定める預金等を除く。以下この条において同じ。)に係る債権(その者が第五十三条第一項の請求をした時において現に有するもの(同条第四項の仮払金の支払又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。)に限る。以下この項において同じ。)のうち当該各号に定める合算額に相当する金額とする。
一 預金等のうち為替取引に用いられるものとして政令で定める預金(以下この項において「特定預金」という。) 当該特定預金に係る債権のうち元本の額及び利息等の額の合算額(その合算額が同一人について二以上ある場合には、その合計額)
二 特定預金以外の預金等(以下この条において「その他預金等」という。) 当該その他預金等に係る債権のうち元本の額及び利息等の額の合算額(その合算額が同一人について二以上ある場合には、その合計額)
2 前項第二号に規定する元本の額(その額が同一人について二以上あるときは、その合計額)が保険基準額を超えるときは、保険基準額及び保険基準額に対応する元本に係る利息等の額を合算した額を保険金の額とする。この場合において、元本の額が同一人について二以上あるときは、保険基準額に対応する元本は、その他預金等につき、第五十四条第二項各号に定めるところにより保険基準額に達するまで当該各号に規定する元本の額を合計した場合の当該元本とする。
3 保険事故に係る預金者等が当該保険事故について第五十三条第四項の仮払金の支払を受けている場合又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けている場合におけるその者の保険金の額は、前二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる預金等の区分ごとに、前二項の規定による金額につき政令で定めるところにより当該仮払金の支払及び同条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けた額を控除した金額に相当する金額とする。
(保険料の額の特例)
第六条の二の二 平成十三年四月一日に開始する営業年度に納付する保険料の額は、第五十一条第一項の規定にかかわらず、各金融機関につき、当該営業年度の直前の営業年度の末日における預金等(外貨預金その他の政令で定める預金等を除く。以下この条において同じ。)のうち為替取引に用いられるものとして政令で定める預金(以下この条において「特定預金」という。)の額の合計額及び特定預金以外の預金等(以下この条において「その他預金等」という。)の額の合計額をそれぞれ十二で除し、これに平成十三年四月一日に開始する営業年度の月数を乗じて計算した金額に、機構が委員会の議決を経て、特定預金及びその他預金等の別に定める率をそれぞれ乗じて計算した額を合計した額とする。
2 平成十四年四月一日に開始する営業年度に納付する保険料の額は、第五十一条第一項の規定にかかわらず、各金融機関につき、当該営業年度の直前の営業年度の各日(銀行法第十五条第一項(長期信用銀行法第十七条、信用金庫法第八十九条第一項、協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項及び労働金庫法第九十四条第一項において準用する場合を含む。)に規定する休日を除く。)における特定預金の額の合計額を平均した額及びその他預金等の額の合計額を平均した額をそれぞれ十二で除し、これに平成十四年四月一日に開始する営業年度の月数を乗じて計算した金額に、機構が委員会の議決を経て、特定預金及びその他預金等の別に定める率をそれぞれ乗じて計算した額を合計した額とする。
附則第七条第一項中「、破綻金融機関」を「、破綻金融機関等(破綻金融機関、承継銀行又は特別危機管理銀行をいう。以下同じ。)」に、「又は破綻金融機関」を「若しくは破綻金融機関等」に改め、「営業」の下に「又は引き受けた預金等に係る債務」を加え、「並びに破綻金融機関又は特例資産譲受人等から」を「並びに附則第十条第一項の規定による委託を受けて」に改め、「(第二条第一項第一号に掲げる銀行をいう。以下この条及び次条において同じ。)」を削り、同項第五号中「破綻金融機関若しくは特例資産譲受人等から」を削る。
附則第八条第一項第一号中「協定の締結の日から平成十三年三月三十一日までの間に破綻金融機関との合併又はその営業の全部若しくは一部の譲受け」を「営業の譲受け等」に改め、「第六十二条第一項」の下に「、第百一条第六項又は第百十八条第三項」を加え、「合併又は営業の全部若しくは一部の譲受け(以下「営業の譲受け等」という。)」を「営業の譲受け等」に、「又はその営業の全部若しくは一部を譲り受けて」を「その営業を譲り受け、又はその預金等に係る債務を引き受けて」に、「破綻金融機関の営業」を「破綻金融機関等の営業又は預金等に係る債務」に改め、同項第二号中「協定の締結の日から平成十三年三月三十一日までの間に」及び「破綻金融機関の資産又は特例資産譲受人等の」を削り、同項第二号の二を次のように改め、同項第八号の二を削る。
二の二 協定銀行は、毎事業年度、協定の定めによる業務により生じた利益の額として政令で定めるところにより計算した額があるときは、当該利益の額に相当する金額を機構に納付すること。
附則第八条の二第一項中「債権処理会社」を「特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(平成八年法律第九十三号)第三条第一項第二号に規定する債権処理会社(次項第一号において「債権処理会社」という。)」に改める。
附則第十条第一項を次のように改める。
機構は、次に掲げる場合には、協定銀行に対し、機構に代わって資産の買取りを行うことを委託することができる。
一 第六十四条第一項(第六十九条第四項及び第百一条第七項において準用する場合を含む。)の規定により資産の買取りを含む資金援助を行う旨の決定をする場合
二 第百二十九条第三項の規定により協定承継銀行又は特別危機管理銀行の資産の買取りを行う旨の決定をする場合
三 附則第六条の三第二項の規定により特例資産譲受人等の資産の買取りを行う旨の決定をする場合
附則第十条第四項を次のように改める。
4 機構が協定銀行との間で前項の委託(第一項第一号又は第二号に掲げる場合に係るものに限る。)に関する契約を締結したときは、第六十四条第四項(第六十九条第四項及び第百一条第七項において準用する場合を含む。)及び第百二十九条第五項の規定にかかわらず、資産の買取りに関する契約は、協定銀行が資産保有金融機関(破綻金融機関、合併等若しくは第百一条第二項に規定する再承継により破綻金融機関若しくは承継銀行の資産を取得した者、協定承継銀行又は特別危機管理銀行であつて、当該資産を保有している金融機関をいう。次項において同じ。)との間で締結するものとする。
附則第十条第五項中「委託」の下に「(第一項第三号に掲げる場合に係るものに限る。)」を加え、「(附則第六条の三第一項の規定による特例資産譲受人等の資産の買取りを行う場合に限る。)」を削り、「同条第五項」を「附則第六条の三第五項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
5 前項の規定により協定銀行が資産保有金融機関(破綻金融機関又は合併等若しくは第百一条第二項に規定する再承継により破綻金融機関若しくは承継銀行の資産を取得した者に限る。)との間で前項の契約を締結したときは、当該契約は、第六十四条第四項(第百一条第七項において準用する場合を含む。)の規定により機構が当該資産保有金融機関との間で締結したものとみなして、第六十五条(第百一条第七項において準用する場合を含む。)の規定を適用する。
附則第十条の二を次のように改める。
(損失の補てん)
第十条の二 機構は、協定銀行に対し、協定の定めによる業務の実施により協定銀行に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内において当該損失の補てんを行うことができる。
附則第十一条第一項中「破綻金融機関の資産若しくは特例資産譲受人等の」を削る。
附則第十五条第二項を削る。
附則第十六条第一項中「平成十三年三月三十一日」を「平成十四年三月三十一日」に改め、「支払」の下に「(第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に基づいてするものをいう。)」を加え、同条に次の一項を加える。
6 第百十条第三項(第百十九条において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による報告があつた場合における当該報告に係る資金援助については適用しない。
附則第十七条第一項中「平成十三年三月三十一日」を「平成十四年三月三十一日」に、「第八十一条の二第一項」を「第七十条第一項」に改め、同条第二項中「第八十一条の三第二項」を「第七十一条第二項」に改め、同条第三項中「第八十一条の三第三項」を「第七十一条第三項」に改め、同条第四項中「第八十一条の二第一項」を「第七十条第一項」に、「第八十一条の三第一項」を「第七十一条第一項」に改める。
附則第十八条第一項第三号中「業務」の下に「(平成十四年四月一日以後に開始するものとして政令で定めるものを除く。)」を加え、同条第二項中「(特例業務勘定及び政令で定める特別の勘定以外の勘定をいう。以下同じ。)」を削り、「支払」の下に「(第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に基づいてするものをいう。)」を加える。
附則第十九条第一項中「平成十二年度」を「平成十三年度」に改め、同条第四項中「第五十条第二項(」の下に「第百二十二条第四項及び」を加え、「同条第一項」を「第五十条第一項若しくは第百二十二条第一項」に改め、「協定銀行の保険料」の下に「、負担金」を加える。
附則第二十条第一項中「第三項」を「第二項」に改め、同条第二項中「第四十二条第二項」を「第四十二条第四項」に改め、同条第三項中「第四十二条第三項」を「第四十二条第一項」に、「同条第四項から第八項まで」を「同条第五項から第九項まで」に改める。
附則第二十一条第一項中「平成十三年度末」を「平成十四年度末」に改め、同条第二項中「金銭の収納」の下に「(附則第十八条第一項第三号に掲げる業務に係るものに限る。)」を加える。
附則第二十二条第一項中「破綻金融機関の営業」を「破綻金融機関等の営業」に改め、「破綻金融機関の資産若しくは特例資産譲受人等の」を削り、同条第二項中「破綻金融機関」を「破綻金融機関等」に、「同法第六十二条の三及び」を「同条及び同法」に改める。
附則第二十三条第一項第四号を削り、同項第三号中「業務並びに」を「業務(附則第七条第一項に規定する機構の業務にあつては、附則第十八条第一項第三号に掲げるものに限る。)並びに」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号中「第四十二条第一項の」を「第四十二条の」に、「同項」を「同条第一項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 第四十条の二の規定の適用については、特別資金援助及び預金等債権の特別買取りは同条第一号に掲げる業務に該当しないものとみなし、附則第十八条第二項の規定による一般勘定から特例業務勘定への繰入れは第四十条の二第一号に掲げる業務とみなす。
附則第二十三条第二項及び第三項中「及び第四章」を「、第四章及び第六章から第八章まで」に改め、「、第四章」の下に「、第六章から第八章まで」を加え、「第九十一条」を「第百五十一条」に改め、「、同条第一号中「認可」とあるのは「認可又は承認」と」を削り、「「第三十四条及び」を「、「第三十四条及び」に改め、同条第四項第一号中「及び第四章」を「、第四章及び第六章から第八章まで」に改め、「、第四章」の下に「、第六章から第八章まで」を加え、同項第二号中「第九十一条」を「第百五十一条」に改め、同号を同項第七号とし、同項第一号の次に次の五号を加える。
二 第四十一条の規定の適用については、同条中「一般勘定(前条第一号に掲げる業務に係る勘定をいう。以下同じ。)」とあるのは、「一般勘定(前条第一号に掲げる業務及び附則第七条第一項に規定する業務(平成十四年四月一日以後に開始するものとして政令で定めるものに限る。)に係る勘定をいう。以下同じ。)」とする。
三 第四十二条の規定の適用については、附則第七条第一項に規定する業務(平成十四年四月一日以後に開始するものとして政令で定めるものに限る。次号において同じ。)は、第四十二条第一項に規定する業務とみなす。
四 第五十一条第二項の規定の適用については、附則第七条第一項に規定する業務は、第五十一条第二項に規定する機構の業務とみなす。
五 協定銀行が承継銀行と合併する場合における第九十六条第一項の適用については、同項第一号中「当該承継銀行の合併(当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)」とあるのは、「当該承継銀行の合併」とする。
六 協定銀行が特別危機管理銀行と合併する場合における第百二十条第一項の適用については、同項第一号中「存続する合併(当該合併後に存続する法人が機構の子会社でないものに限る。)」とあるのは「存続する合併」と、同項第二号中「設立する合併(当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)」とあるのは「設立する合併」とする。
附則第二十三条第五項中「第九十一条」を「第百五十一条」に改め、同条に次の一項を加える。
6 次の各号に掲げる場合における当該各号に定める規定の適用については、当該規定中「第五十四条第一項から第三項まで」とあるのは、「附則第六条の二」とする。
一 附則第六条の二第一項の保険事故に係る破綻金融機関の預金等に係る債務を他の金融機関が引き受ける場合 第二条第十一項
二 附則第六条の二第一項の保険事故に係る第五十三条第一項に規定する保険金の支払の請求があつた場合 第五十八条第一項
三 附則第六条の二第一項の保険事故に係る破綻金融機関が営業の一部を他の金融機関に譲渡する場合 第五十九条第二項
四 機構が附則第六条の二第一項の保険事故に係る破綻金融機関(第百二十七条第一項各号に掲げる金融機関に限る。)から預金等の払戻しのために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合 第百二十七条第一項
(信託業法の一部改正)
第七条 信託業法(大正十一年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項の次に次の二項を加える。
信託会社ガ信託財産トシテ所有スル登録社債等(社債等登録法第三条第一項ノ規定ニ依リ登録ヲ為シタル社債並同法第十四条ノ規定ニ於テ準用スル同法第三条第一項ノ規定ニ依リ登録ヲ為シタル地方債、債券、公債及社債ヲ謂フ以下本項ニ於テ同ジ)ニ付キ同法第五条ノ移転ノ登録ヲ内閣府令、法務省令ノ定ムル所ニ依リ信託財産タル旨ヲ明示シテ為シタルトキハ同条並信託法第三条第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ信託ノ登録ト看做ス此ノ場合ニ於テ信託会社ガ信託ノ本旨ニ反シテ当該登録社債等ヲ処分シタルトキハ受益者ハ同法第三十一条但書ノ規定ニ拘ラズ処分ノ相手方及転得者ニ於テ其ノ処分ガ信託ノ本旨ニ反スルコトヲ知リタルトキ又ハ重大ナル過失ニ因リテ之ヲ知ラザリシトキニ限リ同条ノ規定ニ依ル取消ヲ為スコトヲ得
信託会社ガ信託財産トシテ所有スル登録国債(国債ニ関スル法律第二条第二項ノ規定ニ依リ登録ヲ為シタル国債ヲ謂フ以下本項ニ於テ同ジ)ニ付キ同法第三条ノ移転ノ登録ヲ内閣府令、財務省令ノ定ムル所ニ依リ信託財産タル旨ヲ明示シテ為シタルトキハ信託法第三条第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ信託ノ登録ト看做ス此ノ場合ニ於テ信託会社ガ信託ノ本旨ニ反シテ当該登録国債ヲ処分シタルトキハ受益者ハ同法第三十一条但書ノ規定ニ拘ラズ処分ノ相手方及転得者ニ於テ其ノ処分ガ信託ノ本旨ニ反スルコトヲ知リタルトキ又ハ重大ナル過失ニ因リテ之ヲ知ラザリシトキニ限リ同条ノ規定ニ依ル取消ヲ為スコトヲ得
(協同組合による金融事業に関する法律の一部改正)
第八条 協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)の一部を次のように改正する。
第六条の二第四項中「第六条の二第四項」を「第六条の二第五項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 信用協同組合等の整理については、商法第三百八十一条から第三百八十五条まで(整理の開始、登記、破産手続等の中止及び失効、競売手続の中止並びに時効の停止)、第三百八十六条(第一項第二号を除く。)(整理実行のために裁判所のする処分)、第三百八十七条から第三百九十一条まで(処分に関する登記又は登録、検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)、第三百九十四条から第四百条まで(損害賠償請求権の査定、監督命令、管理命令、整理終結の決定、整理終結等に伴う登記又は登録)、第四百二条(破産手続の開始)及び第四百三条(破産法の規定の準用)の規定並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十五条ノ二十四から第百三十五条ノ三十八まで、第百三十五条ノ四十一、第百三十五条ノ四十二及び第百三十五条ノ四十七から第百三十五条ノ六十二までの規定(会社の整理に関する事件)を準用する。この場合において、商法第三百八十一条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」とあるのは「総組合員若ハ総会員ノ百分ノ三以上ノ組合員若ハ会員ニシテ六月前ヨリ引続キ組合員若ハ会員デアル者又ハ登記ヲ為シタル出資ノ総額ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」と、同法第三百八十九条第二号中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三又ハ第二百八十条ノ十三ノ二」とあるのは「中小企業等協同組合法第三十八条の二第一項(同法第四十二条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」と、同法第三百九十八条第二項中「第二百四十七条、第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条、第三百八十条、第四百十五条及第四百二十八条ノ規定」とあるのは「中小企業等協同組合法第五十四条ニ於テ準用スル第二百四十七条、同法第五十七条第三項(同法第五十七条ノ三第四項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ於テ準用スル第三百八十条、同法第六十六条ニ於テ準用スル第四百十五条及同法第三十二条ニ於テ準用スル第四百二十八条ノ規定」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第十二条第一項第五号中「第六条の二第四項」を「第六条の二第五項」に改め、同項第九号を次のように改める。
九 この法律において準用する商法又は準用商法特例法の規定に定める検査又は調査を妨げたとき。
第十二条第一項第十二号中「第四項」を「第五項」に改め、同項第十三号の次に次の二号を加える。
十三の二 第六条の二第四項において準用する商法第三百八十六条の規定による裁判所の財産保全の処分に違反したとき。
十三の三 第六条の二第四項において準用する商法第三百九十八条第一項の規定により裁判所が選任した管理人に事務の引渡しをしないとき。
(信用金庫法の一部改正)
第九条 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六十二条」を「第六十一条」に、「第八章 解散及び清算(第六十三条・第六十四条)」を「第八章 整理、解散及び清算(第六十二条―第六十四条)」に改める。
第八章の章名を削る。
第六十一条の次に次の章名を付する。
第八章 整理、解散及び清算
第六十二条を次のように改める。
(整理)
第六十二条 金庫の整理については、商法第三百八十一条から第三百八十五条まで(整理の開始、登記、破産手続等の中止及び失効、競売手続の中止並びに時効の停止)、第三百八十六条(第一項第二号を除く。)(整理実行のために裁判所のする処分)、第三百八十七条から第三百九十一条まで(処分に関する登記又は登録、検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)、第三百九十四条から第四百条まで(損害賠償請求権の査定、監督命令、管理命令、整理終結の決定、整理終結等に伴う登記又は登録)、第四百二条(破産手続の開始)及び第四百三条(破産法の規定の準用)の規定並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ二十四から第百三十五条ノ三十八まで、第百三十五条ノ四十一、第百三十五条ノ四十二及び第百三十五条ノ四十七から第百三十五条ノ六十二までの規定(会社の整理に関する事件)を準用する。この場合において、商法第三百八十一条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」とあるのは「総会員ノ百分ノ三以上ノ会員ニシテ六月前ヨリ引続キ会員デアル者又ハ登記ヲ為シタル出資ノ総額ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」と、同法第三百八十九条第二号中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三又ハ第二百八十条ノ十三ノ二」とあるのは「信用金庫法第三十五条第一項(同法第三十九条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」と、同法第三百九十八条第二項中「第二百四十七条、第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条、第三百八十条、第四百十五条及第四百二十八条ノ規定」とあるのは「信用金庫法第四十九条ニ於テ準用スル第二百四十七条、同法第五十二条第三項(同法第五十八条第五項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ於テ準用スル第三百八十条、同法第六十一条ニ於テ準用スル第四百十五条及同法第二十八条ニ於テ準用スル第四百二十八条ノ規定」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第九十一条第一項第十号の四を次のように改める。
十の四 この法律において準用する商法又は準用商法特例法の規定に定める検査又は調査を妨げたとき。
第九十一条第一項第二十号の次に次の二号を加える。
二十の二 第六十二条において準用する商法第三百八十六条の規定による裁判所の財産保全の処分に違反したとき。
二十の三 第六十二条において準用する商法第三百九十八条第一項の規定により裁判所が選任した管理人に事務の引渡しをしないとき。
(労働金庫法の一部改正)
第十条 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六十六条」を「第六十五条」に、「第八章 解散及び清算(第六十七条・第六十八条)」を「第八章 整理、解散及び清算(第六十六条―第六十八条)」に改める。
第八章の章名を削る。
第六十五条の次に次の章名を付する。
第八章 整理、解散及び清算
第六十六条を次のように改める。
(整理)
第六十六条 金庫の整理については、商法第三百八十一条から第三百八十五条まで(整理の開始、登記、破産手続等の中止及び失効、競売手続の中止並びに時効の停止)、第三百八十六条(第一項第二号を除く。)(整理実行のために裁判所のする処分)、第三百八十七条から第三百九十一条まで(処分に関する登記又は登録、検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)、第三百九十四条から第四百条まで(損害賠償請求権の査定、監督命令、管理命令、整理終結の決定、整理終結等に伴う登記又は登録)、第四百二条(破産手続の開始)及び第四百三条(破産法の規定の準用)の規定並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ二十四から第百三十五条ノ三十八まで、第百三十五条ノ四十一、第百三十五条ノ四十二及び第百三十五条ノ四十七から第百三十五条ノ六十二までの規定(会社の整理に関する事件)を準用する。この場合において、商法第三百八十一条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」とあるのは「総会員(個人会員ヲ除ク)ノ百分ノ三以上ノ会員ニシテ六月前ヨリ引続キ会員デアル者又ハ登記ヲ為シタル出資ノ総額ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」と、同法第三百八十九条第二号中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三又ハ第二百八十条ノ十三ノ二」とあるのは「労働金庫法第三十七条第一項(同法第四十二条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」と、同法第三百九十八条第二項中「第二百四十七条、第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条、第三百八十条、第四百十五条及第四百二十八条ノ規定」とあるのは「労働金庫法第五十四条ニ於テ準用スル第二百四十七条、同法第五十七条第三項(同法第六十二条第五項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ於テ準用スル第三百八十条、同法第六十五条ニ於テ準用スル第四百十五条及同法第二十八条ニ於テ準用スル第四百二十八条ノ規定」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第百一条第一項第十号の二を次のように改める。
十の二 この法律において準用する商法又は準用商法特例法の規定に定める検査又は調査を妨げたとき。
第百一条第一項第十九号の次に次の二号を加える。
十九の二 第六十六条において準用する商法第三百八十六条の規定による裁判所の財産保全の処分に違反したとき。
十九の三 第六十六条において準用する商法第三百九十八条第一項の規定により裁判所が選任した管理人に事務の引渡しをしないとき。
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正)
第十一条 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
目次中
第二節
預金保険機構の権限(第百六十五条―第百七十七条)
第三節
投資者保護基金の権限(第百七十七条の二―第百七十七条の十四)
第二節
預金保険機構の権限(第百六十五条―第百七十七条の二)
第三節
投資者保護基金の権限(第百七十七条の二の二―第百七十七条の十四)
第四章の二
金融機関等の再生手続の特例
第一節
監督庁による再生手続開始の申立て等(第百七十八条―第百七十八条の七)
第二節
預金保険機構の権限(第百七十八条の八―第百七十八条の二十四)
第三節
投資者保護基金の権限(第百七十八条の二十五―第百七十八条の四十)
に、「第百七十八条」を「第百七十八条の四十一」に改める。
第一条中「更生手続」の下に「、再生手続」を加える。
第二条第五項を次のように改める。
5 この法律において「預金等債権」とは、預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第二項に規定する預金等(政令で定めるものを除く。)に係る債権をいう。
第二十四条第一項中「(同条第四項を除く。)」を削り、「「更生手続開始の登記」とあるのは「更生計画認可の登記」と、「整理開始又は特別清算開始の登記」とあるのは「破産の登記又は再生手続開始の登記」と、同条第三項中「更生手続開始決定取消の登記」とあるのは「更生計画認可の取消しの登記」」を「「整理開始又は特別清算開始」とあるのは「整理開始」」に改める。
第二十六条中「(第四項を除く。)」を削る。
第二十七条中「「更生計画認可」」を「「更生手続開始によつて効力を失つた整理の手続におけるその手続開始の命令、更生計画認可」」に改める。
第三十一条中「「再生手続、整理手続、」を「「整理手続、」に、「「再生手続」」を「「整理手続」」に改め、「、再生手続」を削り、「又は再生手続」を「又は整理手続」に改める。
第四十五条中「中止し、」及び「は、その効力を失う」を削り、「中止する」を「整理手続」に改める。
第四十八条第一項第二号中「若しくは更生手続開始」を「、更生手続開始若しくは整理開始」に改め、同条第二項中「、更生手続開始」を削り、「若しくは更生手続開始」を「若しくは整理開始」に改める。
第四十九条第一項中「若しくは更生手続開始」を「、更生手続開始若しくは整理開始」に改める。
第八十三条中「、更生手続開始」を削り、「若しくは更生手続開始」を「若しくは整理開始」に改める。
第百六十一条第二項中「内閣総理大臣(労働金庫については、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。第百七十八条第二項において同じ。)」を「監督庁」に改める。
第百六十七条第五項中「(昭和四十六年法律第三十四号)」を削り、「第四項」を「第三項」に、「第八十一条の二」を「第七十条」に改める。
第四章第三節中第百七十七条の二を第百七十七条の二の二とし、同章第二節中第百七十七条の次に次の一条を加える。
(預金等の払戻しの許可)
第百七十七条の二 更生手続開始の決定があった金融機関に対し預金保険法第百二十七条第一項の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、会社更生法第百十二条(第五十七条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、裁判所は、管財人の申立てにより、預金保険法第百二十七条第一項の預金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間(当該期間の末日は、裁判所の定めた届出期間の末日より前の日でなければならないものとする。)を定めなければならない。
3 裁判所は、前項の規定により、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間を定めるときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
第百七十八条第二項中「内閣総理大臣」を「監督庁」に改め、同条を第百七十八条の四十一とする。
第四章の次に次の一章を加える。
第四章の二 金融機関等の再生手続の特例
第一節 監督庁による再生手続開始の申立て等
(再生手続開始の申立て等)
第百七十八条 監督庁は、金融機関に破産の原因たる事実の生ずるおそれがあるときは、裁判所に対し、再生手続開始の申立てをすることができる。
2 第百六十一条第二項の規定は、監督庁が前項の規定によりする金融機関の再生手続開始の申立てについて準用する。
3 第一項の規定により監督庁が再生手続開始の申立てをするときは、民事再生法第二十三条第一項の規定は、適用しない。
(監督庁への通知)
第百七十八条の二 金融機関について再生手続開始の申立てがあったとき(前条第一項の規定により監督庁が再生手続開始の申立てをしたときを除く。)は、裁判所は、監督庁にその旨を通知しなければならない。
(他の手続の中止命令等の申立て等)
第百七十八条の三 金融機関について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第二十六条第一項、第二十七条第一項、第三十条第一項(これらの規定を同法第三十六条第二項において準用する場合を含む。)及び第七十九条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)に規定する申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第九条前段の規定にかかわらず、同法第二十六条第一項の規定による中止の命令、同条第二項の規定による決定及び同条第三項の規定による取消しの命令、同法第二十七条第一項の規定による禁止の命令、同条第三項の規定による決定及び同条第四項の規定による取消しの命令、同法第二十九条第一項の申立てについての裁判、同法第三十条第一項の規定による保全処分及び同条第二項の規定による決定並びに同法第七十九条第一項の処分及び同条第四項の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(担保権の実行としての競売手続の中止命令の申立て)
第百七十八条の四 金融機関について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、再生手続開始の決定前に限り、民事再生法第三十一条第一項に規定する申立てをすることができる。
(管理命令の申立て等)
第百七十八条の五 金融機関について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第六十四条第一項に規定する申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第九条前段の規定にかかわらず、同法第六十四条第一項の処分及び同条第四項の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(再生手続開始申立棄却に対する抗告)
第百七十八条の六 監督庁は、民事再生法第九条前段の規定にかかわらず、第百七十八条第一項の規定による再生手続開始の申立てを棄却する裁判に対して、同法第三十六条第一項の即時抗告をすることができる。
(事業の譲渡に関する信用金庫法等の特例)
第百七十八条の七 民事再生法第四十三条の規定は、協同組織金融機関について準用する。この場合において、同条第一項中「株式会社」とあるのは「協同組織金融機関」と、「営業の全部又は重要な一部の譲渡」とあるのは「事業の全部又は一部の譲渡」と、「商法第二百四十五条第一項」とあるのは「信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第四十八条及び第五十八条第一項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第五十三条及び第五十七条の三第一項並びに労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第五十三条及び第六十二条第一項」と、「株主総会の決議」とあるのは「総会又は総代会の議決」と、同条第二項及び第六項中「株主」とあるのは「会員又は組合員」と、同条第四項中「株主」とあるのは「会員若しくは組合員」と、「株主名簿」とあるのは「会員名簿若しくは組合員名簿」と読み替えるものとする。
第二節 預金保険機構の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第百七十八条の八 裁判所は、金融機関について再生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、民事再生法第三十四条の規定により定める再生債権の届出をすべき期間について、機構の意見を聴かなければならない。
(送達の特例)
第百七十八条の九 金融機関について民事再生法第二十八条第一項(同法第三十六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、再生債権者である預金者等に対しては、同法第二十八条第一項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第二十八条第一項の決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
第百七十八条の十 金融機関について再生手続開始の決定をしたときは、再生債権者である預金者等に対しては、民事再生法第三十五条第二項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第三十五条第一項に規定する事項を記載した書面を送達しなければならない。
3 金融機関の再生手続において、第百七十八条の十二第一項の規定による預金者表の提出があるまでに、民事再生法第三十四条の規定により定めた期間に変更を生じた場合又は再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、再生債権者である預金者等であって同法第九十四条第一項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第三十五条第三項において準用する同条第二項又は同法第三十七条の規定による送達は、することを要しない。
4 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第三十四条により定めた期間について生じた変更の内容又は再生手続開始の決定を取り消す決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
(預金者表の作成及び縦覧等)
第百七十八条の十一 機構は、前条第二項の規定による送達を受けたときは、遅滞なく、知れている再生債権である預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)について、民事再生法第九十九条第二項に規定する事項を記載した預金者表を作成しなければならない。
2 機構は、預金者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日までの間、預金者表を預金者等の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による預金者表の縦覧の開始の日は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日の二週間以上前の日でなければならない。
4 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該預金者表に、当該預金等債権に係る第一項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該預金者表に記載されている預金等債権について当該預金等債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該預金者表に記載されている預金者等の承諾を得て、当該預金者等に係る預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該預金者表に記載されている預金者等に係る預金等債権を、預金保険法第五十八条第一項若しくは第三項の規定により取得し、又は同法第七十条の規定により買い取った場合において、当該預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該預金者等の承諾を要しない。
(預金者表の提出)
第百七十八条の十二 機構は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日に、前条の規定により作成した預金者表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第四項前段の規定は、機構が、預金者表を裁判所に提出した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるもの及び既に預金者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加は、再生計画案について決議をするための債権者集会を招集する旨の決定又は再生計画案を書面による決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 機構は、第一項の規定による預金者表の提出又は第二項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加をする場合においては、民事再生法第九十四条第一項に規定する事項(前条第一項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5 金融機関の再生手続についての民事再生法第十七条第一項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)」とする。
(預金者表提出の効果)
第百七十八条の十三 民事再生法の規定の適用については、前条第一項の規定により提出された預金者表に記載されている預金等債権(預金者等が当該提出があるまでに同法第九十四条第一項の規定により届け出たものを除く。)については裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間内に届出があったものと、前条第二項において準用する第百七十八条の十一第四項前段の規定による記載の追加に係る預金等債権については同法第九十五条第一項の規定による届出の追完があったものとみなす。
(預金者等の参加)
第百七十八条の十四 前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる預金等債権(機構が民事再生法第九十六条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら再生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、再生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを機構に通知しなければならない。
4 参加の届出をした預金者等は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該預金者等に係る預金等債権の全部をもって自ら再生手続に参加するものとする。
(預金保険機構の権限)
第百七十八条の十五 機構は、第百七十八条の十三の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる預金等債権に係る債権者(参加の届出をした預金者等を除く。以下この節において「機構代理預金者」という。)のために、当該機構代理預金者に係る預金等債権(以下この節において「機構代理債権」という。)をもって、再生手続に属する一切の行為(再生債権の調査期間内において、機構が異議を述べた機構代理債権に係る再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は機構代理債権に係る再生債権の確定に関する査定の申立てを取り下げ、若しくは機構代理債権に係る再生債権の確定に関する訴訟において、民事訴訟法第三十二条第二項第一号若しくは第二号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該機構代理債権に係る機構代理預金者の授権がなければならない。
(預金保険機構の義務)
第百七十八条の十六 機構は、機構代理預金者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 機構は、機構代理預金者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第百七十八条の十七 機構は、機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第百七十八条の十二第三項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第一項の規定による変更は、民事再生法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第九十五条第五項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第百七十八条の十八 機構代理債権に係る民事再生法第百三条第一項に規定する特別調査期間(以下この条において「特別調査期間」という。)に関する費用は、機構の負担とする。ただし、機構は、同法第百三十三条の規定により原状に復した預金等債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、機構代理預金者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第百七十八条の十九 再生債権の調査において、機構代理債権の内容について再生債務者等(民事再生法第二条第二号に規定する再生債務者等をいう。第百七十八条の二十四第一項において同じ。)が認めず、又は届出再生債権者(同法第百二条第一項に規定する届出再生債権者をいう。)が異議を述べた場合(機構が当該機構代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、機構は、遅滞なく、その旨を当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
2 再生債権の調査において、機構が機構代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所は、これを当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
(債権者集会)
第百七十八条の二十 裁判所は、金融機関の再生手続における債権者集会の期日には、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の満了前においても、機構を呼び出さなければならない。
(債権者委員会)
第百七十八条の二十一 機構が第百七十八条の十二第一項の規定による預金者表の提出をする前における民事再生法第百十八条第一項の規定の適用については、同項中「再生債権者をもって」とあるのは、「再生債権者(預金保険機構を含む。)をもって」とする。
2 第百七十八条の十六の規定は、機構が民事再生法第百十八条第二項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第百七十八条の十六中「機構代理預金者」とあるのは、「預金等債権に係る債権者」と読み替えるものとする。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第百七十八条の二十二 機構は、民事再生法第百七十一条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第二百一条第二項の債権者集会において機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、当該債権者集会の第一期日の二週間前までに、賛成しようとする再生計画の内容を機構代理預金者に通知するとともに公告しなければならない。
2 機構は、民事再生法第百七十二条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)の書面による決議において機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、同法第百七十二条第二項に規定する回答期間の末日の二週間前までに、同意しようとする再生計画案の内容を機構代理預金者に通知するとともに公告しなければならない。
3 機構は、機構代理預金者のために民事再生法第二百条第一項又は同法第二百六条第一項の再生計画案についての同意並びに再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについての同意をしようとするときは、その二週間前までに、当該再生計画案の内容を機構代理預金者に通知するとともに公告しなければならない。
(預金保険機構がする通知等)
第百七十八条の二十三 第百七十八条の十九第一項及び前条の規定による通知は、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。
2 前項の規定により書類を通常の取扱いによる郵便に付して発送した場合においては、その郵便物が通常到達すべきであった時に、通知があったものとみなす。
3 民事再生法第十条第一項及び第二項の規定は、第百七十八条の十一第二項及び前条の規定による公告について準用する。
(預金等の払戻しの許可)
第百七十八条の二十四 再生手続開始の決定があった金融機関に対し預金保険法第百二十七条第一項の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、民事再生法第八十五条第一項の規定にかかわらず、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、預金保険法第百二十七条第一項の預金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間(当該期間の末日は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日より前の日でなければならないものとする。)を定めなければならない。
3 裁判所は、前項の規定により、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間を定めるときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
第三節 投資者保護基金の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第百七十八条の二十五 裁判所は、証券会社について再生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、民事再生法第三十四条の規定により定める再生債権の届出をすべき期間について、基金の意見を聴かなければならない。
(送達の特例)
第百七十八条の二十六 証券会社について民事再生法第二十八条第一項(同法第三十六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、再生債権者である顧客に対しては、同法第二十八条第一項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第二十八条第一項の決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
第百七十八条の二十七 証券会社について再生手続開始の決定をしたときは、再生債権者である顧客に対しては、民事再生法第三十五条第二項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第三十五条第一項に規定する事項を記載した書面を送達しなければならない。
3 証券会社の再生手続において、第百七十八条の二十九第一項の規定による顧客表の提出があるまでに、民事再生法第三十四条の規定により定めた期間に変更を生じた場合又は再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、再生債権者である顧客であって同法第九十四条第一項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第三十五条第三項において準用する同条第二項又は同法第三十七条の規定による送達は、することを要しない。
4 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第三十四条により定めた期間について生じた変更の内容又は再生手続開始の決定を取り消す決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
(顧客表の作成及び縦覧等)
第百七十八条の二十八 基金は、前条第二項の規定による送達を受けたときは、遅滞なく、知れている再生債権である顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)について、民事再生法第九十九条第二項に規定する事項を記載した顧客表を作成しなければならない。
2 基金は、顧客表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日までの間、顧客表を顧客の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による顧客表の縦覧の開始の日は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日の二週間以上前の日でなければならない。
4 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該顧客表に、当該顧客債権に係る第一項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該顧客表に記載されている顧客債権について当該顧客債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後でも、当該顧客表に記載されている顧客の承諾を得て、当該顧客に係る顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該顧客表に記載されている顧客に係る顧客債権を、証券取引法第七十九条の五十七第四項の規定により取得した場合において、当該顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うときは、当該顧客の承諾を要しない。
(顧客表の提出)
第百七十八条の二十九 基金は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日に、前条の規定により作成した顧客表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第四項前段の規定は、基金が、顧客表を裁判所に提出した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるもの及び既に顧客が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加は、再生計画案について決議をするための債権者集会を招集する旨の決定又は再生計画案を書面による決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 基金は、第一項の規定による顧客表の提出又は第二項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加をする場合においては、民事再生法第九十四条第一項に規定する事項(前条第一項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5 証券会社の再生手続についての民事再生法第十七条第一項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)」とする。
(顧客表提出の効果)
第百七十八条の三十 民事再生法の規定の適用については、前条第一項の規定により提出された顧客表に記載されている顧客債権(顧客が当該提出があるまでに同法第九十四条第一項の規定により届け出たものを除く。)については裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間内に届出があったものと、前条第二項において準用する第百七十八条の二十八第四項前段の規定による記載の追加に係る顧客債権については同法第九十五条第一項の規定による届出の追完があったものとみなす。
(顧客の参加)
第百七十八条の三十一 前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる顧客債権(基金が民事再生法第九十六条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら再生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、再生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを基金に通知しなければならない。
4 参加の届出をした顧客は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該顧客に係る顧客債権の全部をもって自ら再生手続に参加するものとする。
(投資者保護基金の権限)
第百七十八条の三十二 基金は、第百七十八条の三十の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる顧客債権に係る債権者(参加の届出をした顧客を除く。以下この節において「基金代理顧客」という。)のために、当該基金代理顧客に係る顧客債権(以下この節において「基金代理債権」という。)をもって、再生手続に属する一切の行為(再生債権の調査期間内において、基金が異議を述べた基金代理債権に係る再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、基金代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の不利益となる変更を加えようとするとき、又は基金代理債権に係る再生債権の確定に関する査定の申立てを取り下げ、若しくは基金代理債権に係る再生債権の確定に関する訴訟において、民事訴訟法第三十二条第二項第一号若しくは第二号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該基金代理債権に係る基金代理顧客の授権がなければならない。
(投資者保護基金の義務)
第百七十八条の三十三 基金は、基金代理顧客のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 基金は、基金代理顧客に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第百七十八条の三十四 基金は、基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第百七十八条の二十九第三項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第一項の規定による変更は、民事再生法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第九十五条第五項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第百七十八条の三十五 基金代理債権に係る民事再生法第百三条第一項に規定する特別調査期間(以下この条において「特別調査期間」という。)に関する費用は、基金の負担とする。ただし、基金は、同法第百三十三条の規定により原状に復した顧客債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、基金代理顧客に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第百七十八条の三十六 再生債権の調査において、基金代理債権の内容について再生債務者等(民事再生法第二条第二号に規定する再生債務者等をいう。)が認めず、又は届出再生債権者(同法第百二条第一項に規定する届出再生債権者をいう。)が異議を述べた場合(基金が当該基金代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、基金は、遅滞なく、その旨を当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
2 再生債権の調査において、基金が基金代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所は、これを当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
(債権者集会)
第百七十八条の三十七 裁判所は、証券会社の再生手続における債権者集会の期日には、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の満了前においても、基金を呼び出さなければならない。
(債権者委員会)
第百七十八条の三十八 基金が第百七十八条の二十九第一項の規定による顧客表の提出をする前における民事再生法第百十八条第一項の規定の適用については、同項中「再生債権者をもって」とあるのは、「再生債権者(投資者保護基金を含む。)をもって」とする。
2 第百七十八条の三十三の規定は、基金が民事再生法第百十八条第二項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第百七十八条の三十三中「基金代理顧客」とあるのは、「顧客債権に係る債権者」と読み替えるものとする。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第百七十八条の三十九 基金は、民事再生法第百七十一条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第二百一条第二項の債権者集会において基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、当該債権者集会の第一期日の二週間前までに、賛成しようとする再生計画の内容を基金代理顧客に通知するとともに公告しなければならない。
2 基金は、民事再生法第百七十二条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)の書面による決議において基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、同法第百七十二条第二項に規定する回答期間の末日の二週間前までに、同意しようとする再生計画案の内容を基金代理顧客に通知するとともに公告しなければならない。
3 基金は、基金代理顧客のために民事再生法第二百条第一項又は同法第二百六条第一項の再生計画案についての同意並びに再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについての同意をしようとするときは、その二週間前までに、当該再生計画案の内容を基金代理顧客に通知するとともに公告しなければならない。
(投資者保護基金がする通知等)
第百七十八条の四十 第百七十八条の三十六第一項及び前条の規定による通知は、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。
2 前項の規定により書類を通常の取扱いによる郵便に付して発送した場合においては、その郵便物が通常到達すべきであった時に、通知があったものとみなす。
3 民事再生法第十条第一項及び第二項の規定は、第百七十八条の二十八第二項及び前条の規定による公告について準用する。
第百八十一条中「第百七十八条第一項」を「第百七十八条の四十一第一項」に改める。
第百八十四条第五項中「第四項」を「第三項」に、「第八十一条の二」を「第七十条」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第四条第一項の規定 公布の日
二 第一条、第二条、第四条及び第五条並びに附則第二条、第三条、第四条第二項、第十三条、第十八条、第十九条、第二十三条及び第二十四条の規定 公布の日から起算して、一月を超えない範囲内において政令で定める日
三 附則第二十二条の規定(中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)第五十三条の改正規定に限る。) 平成十二年七月一日
四 附則第十条第一項、第十四条及び第二十二条の規定(中央省庁等改革関係法施行法第五十三条の改正規定を除く。) 平成十三年一月六日
(経過措置)
第二条 前条第二号の政令で定める日(以下「政令で定める施行日」という。)前に第一条の規定による改正後の預金保険法(以下「新預金保険法」という。)第四十九条第二項に規定する保険事故が発生している連合会(新預金保険法第二条第一項第六号から第八号までに掲げる者をいう。以下この条及び次条において同じ。)その他これに準ずるものとして政令で定める連合会については、新預金保険法の規定は適用しない。
2 前項の連合会のうち、政令で定める施行日以後にその事業及び財産の状況が再び正常になったと認められるもので、金融再生委員会及び大蔵大臣(労働金庫連合会にあっては、金融再生委員会及び大蔵大臣並びに労働大臣)が指定するものについては、その指定をした日から、新預金保険法の規定を適用する。
第三条 連合会は、新預金保険法第五十条第一項の規定にかかわらず、政令で定める施行日から起算して一月以内に、政令で定める施行日を含む事業年度において納付すべき保険料を納付しなければならない。
2 前項の保険料の額については、新預金保険法第五十一条第一項中「当該保険料を納付すべき日」とあるのは「預金保険法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十三号)第一条の規定の施行の日」と、「月数」とあるのは「月数のうち同日を含む月以後の月数」とする。
第四条 預金保険機構(以下「機構」という。)は、政令で定める施行日前に、第一条の規定による改正前の預金保険法(以下「旧預金保険法」という。)附則第七条第一項に規定する協定銀行(次項において「協定銀行」という。)との間で新預金保険法附則第七条第一項の規定の例による協定(以下「新協定」という。)を、政令で定める施行日以後その効力が生ずるものとして締結するものとする。この場合において、旧預金保険法附則第七条第一項の規定により締結された協定(次項において「旧協定」という。)は、政令で定める施行日以後その効力を失うものとする。
2 前項の場合において、政令で定める施行日前に旧協定の定めにより協定銀行が行った旧預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託は、協定銀行と機構との間で新協定に基づき別途の取扱いをするものを除き、それぞれ、新協定の定めにより協定銀行が行った新預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託とみなす。
第五条 第六条の規定による改正後の預金保険法(次条並びに附則第七条、第九条及び第十条において「新々預金保険法」という。)第四十条第三項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に終了する事業年度に係る同項に規定する書類について適用し、施行日前に終了した事業年度に係る同項に規定する書類については、なお従前の例による。
第六条 新々預金保険法第五十四条及び新々預金保険法附則第六条の二の規定は、施行日以後に発生する新々預金保険法第四十九条第二項に規定する保険事故(以下この条及び附則第九条において「保険事故」という。)に係る保険金の計算について適用し、施行日前に発生した保険事故に係る保険金の計算については、なお従前の例による。
第七条 新々預金保険法第三章第四節の規定は、施行日以後に新々預金保険法第六十四条第一項の資金援助を行う旨の決定をする場合における当該決定に係る資金援助について適用し、施行日前に第六条の規定による改正前の預金保険法第六十四条第一項の資金援助を行う旨の決定をした場合における当該決定に係る資金援助については、なお従前の例による。
第八条 施行日前に第六条の規定による改正前の預金保険法第六十八条第一項に規定する緊急性の認定が行われた場合における当該認定に係る合併又は営業譲渡等については、なお従前の例による。
第九条 新々預金保険法第四章の規定及び新々預金保険法附則第十七条の規定は、施行日以後に発生した保険事故に係る預金等債権(新々預金保険法第七十条第一項に規定する預金等債権をいう。以下この条において同じ。)について適用し、施行日前に発生した保険事故に係る預金等債権については、なお従前の例による。
第十条 機構は、施行日前に、第六条の規定による改正前の預金保険法附則第七条第一項に規定する協定銀行(次項において「協定銀行」という。)との間で新々預金保険法附則第七条第一項の規定の例による協定(次項において「新々協定」という。)を、施行日以後その効力が生ずるものとして締結するものとする。この場合において、第六条の規定による改正前の預金保険法附則第七条第一項の規定により締結された協定は、施行日以後その効力を失うものとする。
2 前項の場合において、施行日前に第六条の規定による改正前の預金保険法附則第七条第一項の規定により締結された協定の定めにより協定銀行が行った第六条の規定による改正前の預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託は、協定銀行と機構との間で新々協定に基づき別途の取扱いをするものを除き、それぞれ、新々協定の定めにより協定銀行が行った新々預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託とみなす。
3 新々預金保険法附則第八条第一項第二号の二及び第十条の二の規定は、施行日以後に生じた新々預金保険法附則第八条第一項第二号の二に規定する利益及び新々預金保険法附則第十条の二に規定する損失について適用し、施行日前に生じた当該利益及び損失については、なお従前の例による。
第十一条 信託会社が第七条の規定の施行の際現に信託財産として所有する同条の規定による改正後の信託業法(以下この条において「新信託業法」という。)第十条第二項に規定する登録社債等(次に掲げる要件のいずれをも満たすものに限る。)については、施行日において当該信託会社が当該登録社債等につき信託の登録を受けたものとみなして、信託法(大正十一年法律第六十二号)第三条第一項の規定を適用する。この場合において、信託会社が信託の本旨に反して当該信託財産を処分したときは、受益者は、同法第三十一条ただし書の規定にかかわらず、処分の相手方及び転得者においてその処分が信託の本旨に反することを知っていたとき又は重大な過失によってこれを知らなかったときに限り同条の規定による取消しをすることができる。
一 当該登録社債等につき、施行日前に、当該信託会社が、社債等登録法(昭和十七年法律第十一号)第五条の移転の登録を、新信託業法第十条第二項に規定する内閣府令、法務省令の定めるところと同一の方法により信託財産である旨を明示して行っていたこと。
二 当該登録社債等につき、前号の移転の登録をした時から施行日の前日までの間に他の登録(社債等登録法第五条の担保権の登録その他の内閣府令、法務省令で定める登録を除く。)がなされていないこと。
三 この法律の施行の際、内閣府令、法務省令で定めるところにより当該登録社債等が信託財産であることが明示されていること。
2 信託会社が第七条の規定の施行の際現に信託財産として所有する新信託業法第十条第三項に規定する登録国債(次に掲げる要件のいずれをも満たすものに限る。)については、施行日において当該信託会社が当該登録国債につき信託の登録を受けたものとみなして、信託法第三条第一項の規定を適用する。この場合において、信託会社が信託の本旨に反して当該信託財産を処分したときは、受益者は、同法第三十一条ただし書の規定にかかわらず、処分の相手方及び転得者においてその処分が信託の本旨に反することを知っていたとき又は重大な過失によってこれを知らなかったときに限り同条の規定による取消しをすることができる。
一 当該登録国債につき、施行日前に、当該信託会社が、国債に関する法律(明治三十九年法律第三十四号)第三条の移転の登録を、新信託業法第十条第三項に規定する内閣府令、財務省令の定めるところと同一の方法により信託財産である旨を明示して行っていたこと。
二 当該登録国債につき、前号の移転の登録をした時から施行日の前日までの間に他の登録(国債に関する法律第三条の質権の登録その他の内閣府令、財務省令で定める登録を除く。)がなされていないこと。
三 この法律の施行の際、内閣府令、財務省令で定めるところにより当該登録国債が信託財産であることが明示されていること。
第十二条 第十一条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四章の二の規定は、施行日前に金融機関(同条の規定による改正前の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下この条において「旧更生特例法」という。)第二条第三項に規定する金融機関をいう。)又は証券会社(旧更生特例法第二条第四項に規定する証券会社をいう。)について再生手続の申立てがあった事件については、適用しない。
(地方自治法の一部改正)
第十三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律(平成四年法律第七十六号)の項の次に次のように加える。
協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)
この法律(第四十五条の二第五項を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務
第十四条 地方自治法の一部を次のように改正する。
別表第一協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)の項中「第四十五条の二第五項」を「第四十五条の二第三項」に改める。
(証券取引法の一部改正)
第十五条 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第七十九条の四十九第六号中「及び第五章」を「から第五章まで」に改める。
第七十九条の五十三第四項中「第百七十八条第一項」を「第百七十八条の四十一第一項」に改める。
(地方税法の一部改正)
第十六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十三条第一項第十四号イ及びト中「第八十一条の二第一項」を「第七十条第一項」に、「第八十一条の五第一項」を「第七十三条第一項」に、「第八十一条の二第二項ただし書」を「第七十条第二項ただし書」に、「第八十一条の五第二項」を「第七十三条第二項」に改める。
(特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部改正)
第十七条 特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(平成八年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第九条第三項中「第三十四条に規定する業務に係る勘定」を「第四十一条に規定する一般勘定」に、「同条第三号」を「同法第三十四条第三号」に改める。
第十二条第七号の二を削る。
第十二条の二第一項中「協定銀行」の下に「(預金保険法附則第七条第一項第一号に規定する協定銀行をいう。次項において同じ。)」を加える。
第三十一条中「第五十一条第二項中「業務」の下に「(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」を、「含むものとし、」の下に「第四十条の二第二号に掲げる業務及び」を加え、「第九十一条第一号」を「第百五十一条第一号」に改める。
(債権管理回収業に関する特別措置法の一部改正)
第十八条 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第一号ロからニまでを削り、同号ホを同号ロとし、同号ヘを同号ハとし、同号トを同号ニとし、同号チを同号ホとし、同号リを同号へとし、同号ヌを同号トとし、同号ルを同号チとし、同号ヲ中「イからルまで」を「イからチまで」に改め、同号ヲを同号リとする。
(金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律の一部改正)
第十九条 金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律(平成十年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「、信用金庫連合会、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会、労働金庫連合会」を削る。
(金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第二十条 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を次のように改正する。
第二十条中「第三百九十八条」の下に「(これらの規定を信用金庫法第六十二条、協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の二第四項及び労働金庫法第六十六条において準用する場合を含む。)」を加える。
第五十三条第三項中「破綻金融機関との」を「破綻金融機関等(破綻金融機関、承継銀行又は特別危機管理銀行をいう。以下同じ。)との」に、「又は破綻金融機関」を「若しくは破綻金融機関等」に改め、「営業」の下に「又は引き受けた預金等に係る債務」を加え、「並びに破綻金融機関又は特例資産譲受人等から」を「並びに附則第十条第一項の規定による委託を受けて」に改め、「(第二条第一項第一号に掲げる銀行をいう。以下この条及び次条において同じ。)」を削る。
第五十四条第二項中「、同項第八号の二中「前号」とあるのは「金融機能再生緊急措置法第五十四条第二項において準用する前号」と」を削る。
第五十八条中「附則第十五条第一項」を「附則第十五条」に改め、「、同条第二項中「附則第八条第一項第八号の二」とあるのは「金融機能再生緊急措置法第五十四条第二項において準用する附則第八条第一項第八号の二」と」を削る。
第六十五条第四項中「第四十二条第三項」を「第四十二条第一項」に、「同条第四項から第八項まで」を「同条第五項から第九項まで」に改める。
第七十一条中「「業務」」を「「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」」に改め、「業務(」の下に「第四十条の二第二号に掲げる業務及び」を加え、「第九十一条第一号」を「第百五十一条第一号」に改め、「、「認可を受けなければならない」とあるのは「認可を受け、又は承認を得なければならない」と、「認可を受けなかつた」とあるのは「認可を受けず、又は承認を得なかつた」と」を削る。
第七十二条第六項後段を削る。
(金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第二十一条 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を次のように改正する。
第四条第二項中「承認に係る株式等の引受け等」の下に「(預金保険法第五十九条第一項に規定する資金援助に係る同項の合併等に係るものを除く。)」を加える。
第十六条第四項中「第四十二条第三項」を「第四十二条第一項」に、「同条第四項から第八項まで」を「同条第五項から第九項まで」に改める。
第十九条中「「業務」」を「「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」」に改め、「業務(」の下に「第四十条の二第二号に掲げる業務及び」を加え、「第九十一条第一号」を「第百五十一条第一号」に改め、「、「認可を受けなければならない」とあるのは「認可を受け、又はその承認を得なければならない」と、「認可を受けなかつた」とあるのは「認可を受けず、又はその承認を得なかつた」と」を削る。
(中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)
第二十二条 中央省庁等改革関係法施行法の一部を次のように改正する。
第五十三条のうち協同組織金融機関の優先出資に関する法律の改正規定中「第四十五条の二(見出しを含む。)中「金融監督庁長官」を「金融庁長官」に改める」を「第四十五条の二及び第四十五条の三中「金融監督庁長官」を「金融庁長官」に改める」に改める。
第百四十九条のうち預金保険法の改正規定中「附則第八条、第九条から第十一条まで、第十六条及び第十七条中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に改める」を「附則第六条の三、第六条の四、第八条、第九条から第十一条まで、第十六条及び第十七条中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に改める」に、「附則第十九条の四第五項中「大蔵省令」を「財務省令」に改める」を「附則第十九条の四第六項中「大蔵省令」を「財務省令」に改める」に改め、同条の次に次の改正規定を加える。
(預金保険法等の一部を改正する法律の一部改正)
第百四十九条の二 預金保険法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第二項中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に改める。
第百五十八条のうち、協同組織金融機関の優先出資に関する法律の改正規定中「第四十五条の二中「金融再生委員会の」を「内閣総理大臣の」に、「金融再生委員会規則」を「政令」に改める」を「第四十五条の二第一項中「金融再生委員会の」を「内閣総理大臣の」に、「金融再生委員会規則」を「政令」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項を削り、同条第五項中「労働大臣」を「厚生労働大臣」に改め、同項を同条第三項とする」に改め、同法の改正規定に次のように加える。
第四十五条の三中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に改める。
第四十五条の四中「第四十五条の二第五項」を「第四十五条の二第三項」に改める。
第百六十八条のうち、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の改正規定中「本則(第二条第三項、第八条及び第二十一条を除く。)中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に、「総理府令・労働省令・農林水産省令」を「内閣府令・厚生労働省令・農林水産省令」に改める」を「本則(第二条第三項、第八条、第八条の二及び第二十一条を除く。)中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に、「総理府令・労働省令・農林水産省令」を「内閣府令・厚生労働省令・農林水産省令」に改める」に改め、同法第八条の改正規定の次に次のように加える。
第八条の二第一項各号列記以外の部分中「金融再生委員会は」を「内閣総理大臣は」に、「金融再生委員会規則」を「内閣府令」に改め、同項第三号中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改め、同条第二項各号列記以外の部分中「金融再生委員会は」を「内閣総理大臣は」に、「金融再生委員会規則」を「内閣府令」に改め、同項第三号中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。
(罰則の適用に関する経過措置)
第二十三条 この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第二十四条 附則第二条から第十二条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。
内閣総理大臣 森喜朗
法務大臣 臼井日出男
大蔵大臣 宮澤喜一
農林水産大臣 玉沢徳一郎
労働大臣 牧野隆守
自治大臣 保利耕輔
預金保険法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
国事行為臨時代行名
平成十二年五月三十一日
内閣総理大臣 森喜朗
法律第九十三号
預金保険法等の一部を改正する法律
(預金保険法の一部改正)
第一条 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項に次の三号を加える。
六 信用金庫連合会
七 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会(以下「信用協同組合連合会」という。)
八 労働金庫連合会
第三十五条第一項中「金融機関等(金融機関並びに信用金庫連合会、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会及び労働金庫連合会をいう。以下同じ。)」を「金融機関」に改め、同条第二項及び第三項中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第三十七条第一項中「行なう」を「行う」に改め、同条第三項中「取締役(破綻金融機関が信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「取締役(破綻金融機関が信用金庫若しくは信用金庫連合会、信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会(以下「信用金庫等」という。)」に、「監査役(破綻金融機関が信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「監査役(破綻金融機関が信用金庫等」に、「破綻金融機関が信用協同組合又は労働金庫」を「破綻金融機関が信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会」に改め、同条第四項中「行なう」を「行う」に改める。
第四十三条第二号中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第四十九条第二項第二号中「又は労働金庫」を「若しくは信用金庫連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会」に改め、「信用協同組合」の下に「又は信用協同組合連合会」を加え、「とする」を削る。
第五十条第一項中「信用金庫、信用協同組合又は労働金庫(以下「信用金庫等」という。)」を「信用金庫等」に改める。
第五十六条第四項及び第五十九条第五項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加え、「とする。」を削る。
第六十条第一項中「金融機関等」を「金融機関」に改め、同条第二項中「金融機関等」を「金融機関」に改め、「とする。」を削る。
第六十一条第四項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第六十二条第三項中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第六十四条第三項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加え、「とする。」を削り、同条第四項中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
第六十五条中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加え、「第六十八条」を「次条第一項、第六十七条第二項、第六十八条」に改め、「第七十四条第四項」の下に「及び第十一項」を加える。
第六十六条第一項中「(労働金庫にあっては、金融再生委員会及び労働大臣とする。第七十四条第十一項において同じ。)」を削る。
第六十七条中「一年以内」を「二年以内」に改め、同条に次の一項を加える。
2 適格性の認定等を受けた救済金融機関は、前項に規定する契約に関する業務の利用者の利便等に照らし特別の事情がある場合において、期間を定めて当該業務を整理することを内容とする計画を作成し、当該計画につき金融再生委員会の承認を受けたときは、営業の全部又は一部の譲受けの日における当該契約の総額を超えない範囲内において、かつ、当該計画に従い、同項の期限が満了した契約を更新して、又は同項の期間を超えて、当該業務を継続することができる。
第六十九条第一項中「信用金庫」の下に「若しくは信用金庫連合会、信用協同組合連合会又は労働金庫連合会」を加える。
第七十五条の見出し中「労働金庫」を「労働金庫等」に改め、同条中「信用金庫」の下に「若しくは信用金庫連合会」を、「労働金庫」の下に「若しくは労働金庫連合会」を加える。
第七十九条第二項中「信用金庫」の下に「若しくは信用金庫連合会、信用協同組合連合会」を、「労働金庫」の下に「若しくは労働金庫連合会」を加える。
第八十一条の三第三項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第九十条中「金融機関等」を「金融機関」に改める。
附則第六条の二中「次条」の下に「から附則第七条まで」を加え、同条の次に次の二条を加える。
(特例資産譲受人等の資産の買取り)
第六条の三 機構は、第六十四条第一項の規定による資金援助の決定(預金保険法の一部を改正する法律(平成八年法律第九十六号)の施行の日前にされたものに限る。)に係る営業譲渡等を行った破綻金融機関の資産を譲り受けた者(当該営業譲渡等に係る救済金融機関を除く。以下この条において「特定譲受人」という。)、当該営業譲渡等に係る救済金融機関の資産(当該救済金融機関が当該営業譲渡等により当該破綻金融機関から譲り受けたものに限る。以下この項において「特別資産」という。)を譲り受けた者(以下この条において「特別譲受人」という。)又は特定譲受人若しくは特別譲受人に対して当該破綻金融機関の資産若しくは特別資産(以下この項において「特例資産」という。)の譲受けに必要な資金の貸付けを行った者であって当該貸付けに係る債務の弁済に代えて当該特例資産を譲り受けた者(以下この項及び第五項において「特例資産譲受人」という。)から、平成十三年三月三十一日までに当該特定譲受人が譲り受けた当該破綻金融機関の資産、当該特別譲受人が譲り受けた当該特別資産又は当該特例資産譲受人が当該債務の弁済に代えて譲り受けた当該特例資産の買取りの申込みを受けたときは、これらの資産を買い取ることができる。
2 機構は、前項の規定による申込みがあったときは、遅滞なく、委員会の議決を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。
3 機構は、前項の規定により資産の買取りを行う旨の決定をしようとするときは、あらかじめ、金融再生委員会及び大蔵大臣の承認を受けなければならない。
4 金融再生委員会及び大蔵大臣は、特定譲受人又は特別譲受人による破綻金融機関又は救済金融機関からの資産の譲受けが、当該破綻金融機関の円滑な営業譲渡等を図る観点又は当該救済金融機関の業務の健全かつ適切な運営を図る観点から必要であったと認める場合に限り、前項の承認をするものとする。
5 機構は、第二項の規定による資産の買取りを行う旨の決定をしたときは、当該資産の買取りの申込みに係る特定譲受人、特別譲受人又は特例資産譲受人(以下「特例資産譲受人等」という。)との間で当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。
(特例資産譲受人等に対する損失の補てん)
第六条の四 機構は、前条第一項の規定により資産の買取りを行う場合(附則第十条第一項の規定により協定銀行が機構の委託を受けて資産の買取りを行う場合を含む。)において、特例資産譲受人等(金融機関に限る。以下この項において同じ。)から、当該資産の売却により生じた損失の補てんの申込みを受けたときは、委員会の議決を経て、当該特例資産譲受人等に対し、当該損失の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内において、当該損失の補てんを行うことができる。
2 機構は、前項の規定により損失の補てんを行おうとするときは、あらかじめ、金融再生委員会及び大蔵大臣の承認を受けなければならない。
3 金融再生委員会及び大蔵大臣は、第一項の規定による損失の補てんが行われなければ、信用秩序の維持に重大な支障が生ずるおそれがあると認める場合に限り、前項の承認をするものとする。
附則第七条第一項中「並びに破綻金融機関」の下に「又は特例資産譲受人等」を加え、同項第五号中「破綻金融機関」の下に「若しくは特例資産譲受人等」を加える。
附則第八条第一項第二号中「破綻金融機関の資産」の下に「又は特例資産譲受人等の資産」を加える。
附則第十条第一項中「場合」の下に「又は附則第六条の三第二項の規定により特例資産譲受人等の資産の買取りを行う旨の決定をする場合」を加え、同条第四項中「締結したとき」の下に「(第六十四条第一項の規定により破綻金融機関の資産の買取りを含む資金援助を行う旨の決定をする場合に限る。)」を加え、同条に次の一項を加える。
5 機構が協定銀行との間で第三項の委託に関する契約を締結したとき(附則第六条の三第一項の規定による特例資産譲受人等の資産の買取りを行う場合に限る。)は、第一項の決定に係る特例資産譲受人等の資産の買取りに関する契約は、同条第五項の規定にかかわらず、協定銀行が当該特例資産譲受人等との間で締結するものとする。
附則第十一条第一項中「資産」の下に「若しくは特例資産譲受人等の資産」を加える。
附則第十八条第一項第二号の次に次の一号を加える。
二の二 附則第六条の三第一項及び第六条の四第一項に規定する業務
附則第十九条の二中「附則第十九条の四第二項」の下に「又は第三項」を加える。
附則第十九条の三第一項中「から第三号まで」の下に「(第二号の二を除く。)」を加え、「同号」を「同項第三号」に改め、同条第二項中「及び第二号」を「から第二号の二まで」に、「、破綻金融機関」を「破綻金融機関」に、「ものがあるときは、」を「ものがあるときの」に改め、「定める金額」の下に「、機構が同日までに行つた附則第六条の三第一項の規定による資産の買取り(附則第十条第一項の規定により協定銀行が機構の委託を受けて資産の買取りを行う場合を含む。)に係る機構の費用として政令で定める金額及び機構が同日までに行つた附則第六条の四第一項の規定による損失の補てんに要した金額として政令で定める金額の合計額」を加える。
附則第十九条の四中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 前項の規定により交付するものとされている国債の額に相当する金額のほか、政府は、第一項の規定により、六兆円を限り、国債を発行し、これを機構に交付するものとする。
附則第十九条の五第一項中「前条第二項」の下に「又は第三項」を加える。
附則第二十条の二第一項中「附則第十九条の四第二項」の下に「又は第三項」を加える。
附則第二十一条第二項中「買取り」の下に「若しくは特例資産譲受人等からの資産の買取り」を加える。
附則第二十二条第一項中「資産」の下に「若しくは特例資産譲受人等の資産」を加える。
附則第二十三条第一項第三号中「附則第七条第一項」を「附則第六条の三第一項、第六条の四第一項、第七条第一項」に改め、同条第三項を同条第五項とし、同条第二項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。
2 附則第六条の三第一項に規定する機構の業務が行われる場合には、次に定めるところによる。
一 第十五条の規定の適用については、同条中「次章及び第四章」とあるのは、「次章、第四章、附則第六条の三、第八条、第九条、第十条及び第十一条」とする。
二 第九十一条の規定の適用については、同条第一号中「認可」とあるのは「認可又は承認」と、同条第三号中「第三十四条」とあるのは「第三十四条及び附則第六条の三第一項」とする。
3 附則第六条の四第一項に規定する機構の業務が行われる場合には、次に定めるところによる。
一 第十五条の規定の適用については、同条中「次章及び第四章」とあるのは、「次章、第四章及び附則第六条の四」とする。
二 第九十一条の規定の適用については、同条第一号中「認可」とあるのは「認可又は承認」と、同条第三号中「第三十四条」とあるのは「第三十四条及び附則第六条の四第一項」とする。
(協同組織金融機関の優先出資に関する法律の一部改正)
第二条 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第三号中「全国を地区とする」を「信用協同組合及び」に改め、同項第四号中「全国を地区とする」を「信用金庫及び」に改め、同項第五号中「全国を地区とする」を「労働金庫及び」に改め、同項に次の二号を加える。
六 農業協同組合(農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第十九条第一項第三号及び第四十五条第一項において同じ。)及び農業協同組合連合会(同法第十条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第四十五条第一項において同じ。)
七 漁業協同組合及び水産加工業協同組合(水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第二号又は第九十三条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第十九条第一項第三号及び第四十五条第一項において同じ。)並びに漁業協同組合連合会及び水産加工業協同組合連合会(同法第八十七条第一項第二号又は第九十七条第一項第二号(信用事業)の事業を行うものに限る。第四十五条第一項において同じ。)
第二条第二項中「連合会」を「連合会等」に、「第五号」を「第七号」に改め、同条第三項に次の二号を加える。
七 農業協同組合法
八 水産業協同組合法
第二条第四項中「連合会」を「連合会等」に改め、「会員」の下に「又は組合員」を加え、同条第七項中「連合会」を「連合会等」に改める。
第五条第一項、第六条第二項、第十四条、第十五条第二項及び第十六条第二項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第十九条第一項第三号中「最低額」の下に「(農業協同組合又は漁業協同組合若しくは水産加工業協同組合にあっては、その額に農業協同組合法第五十一条第四項(剰余金の繰越し)又は水産業協同組合法第五十五条第四項(剰余金の繰越し)(同法第九十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定に基づいて当該事業年度において翌事業年度に繰り越さなければならない繰越金の最低額を加えた額)」を加え、同条第九項及び第十項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第二十一条第三項及び第三十一条第二号中「連合会」を「連合会等」に改める。
第三十四条第三項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第三十六条第二項中「連合会」を「連合会等」に改める。
第三十七条第四項中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第三十八条第二項第三号中「(出資の金額)」の下に「及び第五条の六第一号(剰余金の配当)」を加え、同項第五号中「及び第六十条第一項(法定準備金)」を「、第六十条第一項(法定準備金)及び第六十一条第一項第一号(剰余金の配当)」に改め、同項に次の二号を加える。
六 農業協同組合法第五十一条第二項(準備金)及び第五十二条第一項第一号(剰余金の配当) 出資総額
七 水産業協同組合法第十一条の二第一項(出資の総額の最低限度)(同法第九十二条第一項、第九十六条第一項及び第百条第一項において準用する場合を含む。)、第五十五条第二項(準備金及び繰越金)(同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。)及び第五十六条第一項第一号(剰余金の配当)(同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。) 出資の総額及び出資総額
第三十八条第三項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 協同組合による金融事業に関する法律第五条の六(剰余金の配当) 同条第二号及び第四号
第三十八条第三項に次の三号を加える。
五 労働金庫法第六十一条第一項(剰余金の配当) 同項第二号及び第四号
六 農業協同組合法第五十二条第一項(剰余金の配当) 同項第二号及び第五号
七 水産業協同組合法第五十六条第一項(剰余金の配当)(同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。) 同法第五十六条第一項第二号及び第五号(これらの規定を同法第九十二条第三項、第九十六条第三項及び第百条第三項において準用する場合を含む。)
第四十二条及び第四十三条中「主務大臣」を「行政庁」に改める。
第四十五条を次のように改める。
(主管行政庁)
第四十五条 この法律中「行政庁」とあるのは、一の都道府県の区域を超えない区域を地区とする農業協同組合、漁業協同組合若しくは水産加工業協同組合又は一の都道府県の区域の一部をその地区の全部とする農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会若しくは水産加工業協同組合連合会については都道府県知事、その他の協同組織金融機関については主務大臣とする。
2 この法律における主務大臣は、優先出資を発行する協同組織金融機関の根拠法に基づく主務大臣とする。
第四十五条の二の見出しを「(権限の委任等)」に改め、同条に次の四項を加える。
2 金融再生委員会は、政令で定めるところにより、この法律による権限(前項の規定により金融監督庁長官に委任されたものを除く。)の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
3 第一項の規定により金融監督庁長官に委任された権限及びこの法律による農林水産大臣の権限の一部は、政令で定めるところにより、これを地方支分部局の長(金融監督庁長官に委任された権限にあっては、財務局長又は財務支局長)に委任することができる。
4 前項の規定により財務局長又は財務支局長に委任された権限に係る事務に関しては、金融監督庁長官が財務局長又は財務支局長を指揮監督する。
5 この法律による農林水産大臣又は労働大臣の権限及び第一項の規定により金融監督庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
第四十五条の二の次に次の二条を加える。
(書類の経由)
第四十五条の三 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により金融再生委員会又は金融監督庁長官及び労働大臣に提出する認可に関する申請書その他の書類で政令で定めるものの提出は、政令で定めるところにより、都道府県知事を経由して行わなければならない。
(事務の区分)
第四十五条の四 この法律(第四十五条の二第五項を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第五十四条第一項第三号中「主務大臣」を「行政庁又は主務大臣」に改める。
第三条 協同組織金融機関の優先出資に関する法律の一部を次のように改正する。
第三十八条第二項第六号中「農業協同組合法」の下に「第十条の二(出資の総額の最低限度)、」を加え、「出資総額」を「出資の総額及び出資総額」に改める。
(金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第四条 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第六条第一項及び第八条第一項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第十一条第一項中「、信用協同組合又は労働金庫」を「若しくは信用金庫連合会、信用協同組合若しくは中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会(第十六条第一項において「信用協同組合連合会」という。)又は労働金庫若しくは労働金庫連合会(以下「信用金庫等」という。)」に改め、同条第五項中「労働金庫」の下に「又は労働金庫連合会」を加える。
第十六条第一項中「信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「信用金庫等」に、「被管理金融機関が信用協同組合又は労働金庫」を「被管理金融機関が信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会」に改める。
第二十二条第二項中「信用金庫、信用協同組合又は労働金庫」を「信用金庫等」に改める。
第五十三条第一項第一号ニ中「、信用金庫連合会、中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会、労働金庫連合会」を削り、同条第三項中「並びに破綻金融機関」の下に「又は特例資産譲受人等」を加える。
第七十一条中「、同法第三十五条第一項中「以下同じ」とあるのは「第三十七条第一項を除き、以下同じ」と」を削る。
(金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第五条 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百四十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第一号中「並びに信用金庫連合会、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会及び労働金庫連合会」を削り、同項第三号中「農業協同組合連合会」の下に「(以下「農業協同組合連合会」という。)」を加え、同項第四号中「漁業協同組合連合会」の下に「(以下「漁業協同組合連合会」という。)」を加え、同条に次の一項を加える。
9 この法律において「特定協同組織金融機関」とは、次に掲げるものをいう。
一 信用金庫
二 信用協同組合
三 労働金庫
四 信用金庫連合会(全国を地区とするものを除く。)
五 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会(全国を地区とするものを除く。)
六 労働金庫連合会(全国を地区とするものを除く。)
第四条第二項中「平成十三年三月三十一日まで」の下に「(第七条の二及び第八条の二の規定による承認に係る株式等の引受け等に係る申込みについては、平成十四年三月三十一日までとする。)」を加え、「、第七条並びに第八条」を「並びに第七条から第八条の二まで」に改める。
第五条第一項中「銀行持株会社等」の下に「、第八条の二第一項に規定する救済特定協同組織金融機関並びに同条第二項に規定する救済連合会」を加える。
第七条第一項中「銀行持株会社等」を「農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会、銀行持株会社等及び特定協同組織金融機関」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第七条の二 金融再生委員会は、第四条第二項の規定による特定協同組織金融機関又は農業協同組合連合会若しくは漁業協同組合連合会(以下この条において「特定協同組織金融機関等」という。)からの申請が株式等の引受け等に係るものであるときは、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、当該申請に係る第四条第三項の承認をすることができる。
一 協定銀行による株式等の引受け等により当該特定協同組織金融機関等の資本の増強が図られなければ、当該特定協同組織金融機関等が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
二 当該特定協同組織金融機関等がその財産をもって債務を完済することができない状況にあること等その存続が極めて困難であると認められる場合でなく、かつ、当該株式等の引受け等に係る取得株式等又は取得貸付債権の処分をすることが著しく困難であると認められる場合でないこと。
三 第五条第一項に規定する経営の健全化のための計画の確実な履行等を通じて、特定協同組織金融機関等の自己資本の充実の状況に係る区分その他の要素を勘案して金融再生委員会が定めて公表する次に掲げる方策に関する基準に従ったこれらの方策の実行が見込まれること。
イ 経営の合理化のための方策
ロ 経営責任の明確化のための方策
ハ 資金の貸付けその他信用供与の円滑化のための方策
四 当該特定協同組織金融機関等が特に著しい過少資本の状況にある旨の区分に該当するときは、当該特定協同組織金融機関等の存続が地域経済にとって必要不可欠である場合その他特に必要と認められる場合であること。
五 当該特定協同組織金融機関等が健全な自己資本の状況にある旨の区分に該当するときは、次に掲げるいずれかの場合であること。
イ 当該特定協同組織金融機関等が、経営の状況が悪化している金融機関等との合併、経営の状況が悪化している金融機関等からの営業若しくは事業の譲受け又は経営の状況が悪化している金融機関等の株式の取得(当該金融機関等を子会社とするものに限る。)を行うものであって、当該合併、営業若しくは事業の譲受け又は株式の取得の円滑な実施のため、協定銀行による株式等の引受け等が不可欠である場合
ロ 急激かつ大幅な信用供与の収縮が相次いで生じており、又は相次いで生ずるおそれがある状況であり、かつ、これらの状況を改善し、又は回避するために協定銀行による株式等の引受け等が不可欠である場合その他特にやむを得ない事由がある場合
2 前条第二項(同項第二号ニ及び第三号ニを除く。)の規定は、前項第三号に規定する基準について準用する。この場合において、同条第二項第一号から第三号までの規定中「発行金融機関等」とあるのは「特定協同組織金融機関等」と、同項第一号ロ中「利益」とあるのは「剰余金」と、同項第三号イ中「支店等の削減、海外営業拠点の廃止等」とあるのは「従たる事務所の削減等」と読み替えるものとする。
第八条第四号中「前条第一項第三号イ」を「第七条第一項第三号イ」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第八条の二 金融再生委員会は、合併等(預金保険法第五十九条第一項に規定する資金援助に係る同項の合併等(破綻金融機関が特定協同組織金融機関である場合に限る。)若しくは特に著しい過少資本の状況にある旨の区分に該当する特定協同組織金融機関との合併(当該特定協同組織金融機関が存続するものを除く。)又はこれらに準ずるものとして金融再生委員会規則で定める特定協同組織金融機関との合併、特定協同組織金融機関からの事業の譲受け若しくは特定協同組織金融機関の資産の譲受けをいう。以下この項において同じ。)を行う特定協同組織金融機関(以下「救済特定協同組織金融機関」という。)からの第四条第二項の規定による株式等の引受け等に係る申請については、前条の規定にかかわらず、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、当該申請に係る第四条第三項の承認をすることができる。
一 当該合併等により当該救済特定協同組織金融機関の自己資本の充実の状況が悪化したこと。
二 協定銀行による株式等の引受け等により当該救済特定協同組織金融機関の資本の増強が図られなければ、当該救済特定協同組織金融機関が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
三 協定銀行による株式等の引受け等が、当該救済特定協同組織金融機関の自己資本の充実の状況等財務内容等に照らし合併等の円滑な実施のために必要な範囲を超えないものとして金融再生委員会が定めて公表する基準に適合するものであること。
四 合併等(預金保険法第五十九条第一項に規定する資金援助に係る同項の合併等を除く。以下この号において同じ。)を行う救済特定協同組織金融機関については、合併等に係る他の特定協同組織金融機関において第七条第一項第三号イ及びロに掲げる方策が実行されていること又はその実行が見込まれること。
2 金融再生委員会は、合併等(経営困難組合連合会に係る合併等若しくは特に著しい過少資本の状況にある旨の区分に該当する農業協同組合連合会若しくは漁業協同組合連合会(以下この条において「連合会」という。)との合併(当該連合会が存続するものを除く。)又はこれらに準ずるものとして金融再生委員会規則で定める連合会との合併、連合会からの事業の譲受け若しくは連合会の資産の譲受けをいう。以下この項において同じ。)を行う連合会(以下この項において「救済連合会」という。)からの第四条第二項の規定による株式等の引受け等に係る申請については、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、当該申請に係る同条第三項の承認をすることができる。
一 当該合併等により当該救済連合会の自己資本の充実の状況が悪化したこと。
二 協定銀行による株式等の引受け等により当該救済連合会の資本の増強が図られなければ、当該救済連合会が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
三 協定銀行による株式等の引受け等が、当該救済連合会の自己資本の充実の状況等財務内容等に照らし合併等の円滑な実施のために必要な範囲を超えないものとして金融再生委員会が定めて公表する基準に適合するものであること。
四 合併等を行う救済連合会については、合併等に係る他の連合会において第七条第一項第三号イ及びロに掲げる方策が実行されていること又はその実行が見込まれること。
3 前項に規定する「経営困難組合連合会に係る合併等」とは、次に掲げるものをいう。
一 業務若しくは財産の状況に照らし貯金等(農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)第二条第二項に規定する貯金等をいう。以下この号において同じ。)の払戻しを停止するおそれがあるか、又は貯金等の払戻しを停止した連合会(以下この項において「経営困難組合連合会」という。)と合併する連合会が存続する合併
二 経営困難組合連合会と他の連合会が合併して連合会を設立する合併
三 経営困難組合連合会から他の連合会に対する事業の全部又は一部の譲渡
第十条第二項第三号中「株式」を「株式等」に改め、「株主」の下に「又は出資者」を加える。
第十九条中「、同法第三十五条第一項中「以下同じ」とあるのは「第三十七条第一項を除き、以下同じ」と」を削る。
(預金保険法の一部改正)
第六条 預金保険法の一部を次のように改正する。
目次中
第三節
保険金等の支払(第五十三条―第五十八条)
第四節
資金援助
第一款
資金援助(第五十九条―第六十七条の二)
第二款
緊急手続(第六十八条―第八十一条)
第四章
預金等債権の買取り(第八十一条の二―第八十一条の五)
第五章
雑則(第八十二条・第八十三条)
第六章
罰則(第八十四条―第九十二条)
第三節
保険金等の支払(第五十三条―第五十八条の二)
第四節
資金援助(第五十九条―第六十九条)
第四章
預金等債権の買取り(第七十条―第七十三条)
第五章
金融整理管財人による管理(第七十四条―第九十条)
第六章
破綻した金融機関の業務承継(第九十一条―第百一条)
第七章
金融危機への対応(第百二条―第百二十六条)
第八章
雑則(第百二十七条―第百四十条)
第九章
罰則(第百四十一条―第百五十二条)
に改める。
第一条中「行うほか」の下に「、金融機関の破綻の処理に関し」を加え、「対し適切な資金援助を行う」を「対する適切な資金援助、金融整理管財人による管理、破綻金融機関の業務承継及び金融危機に対応するための措置」に改める。
第二条第一項第一号中「銀行」の下に「(以下「銀行」という。)」を加え、同項第二号中「長期信用銀行」の下に「(以下「長期信用銀行」という。)」を加え、同条第二項に次の一号を加える。
五 長期信用銀行法第八条、金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和四十三年法律第八十六号)第十七条の二第一項(同法第二十四条第一項第七号において準用する場合を含む。)、金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(平成十年法律第百七号)附則第百六十九条の規定によりなおその効力を有するものとされる同法附則第百六十八条の規定による改正前の金融機関の合併及び転換に関する法律第十七条の二第一項及び信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十四条の二第一項の規定による債券(その権利者を確知することができるものとして政令で定めるものに限る。)の発行により払込みを受けた金銭
第二条第四項中「照らし預金等の払戻し」の下に「(預金等に係る債務の弁済をいう。以下同じ。)」を加え、同条第五項に次の一号を加える。
五 前各号に掲げる会社以外の会社(銀行及び長期信用銀行を除く。)で銀行又は長期信用銀行(以下「銀行等」という。)を子会社(会社がその発行済株式の総数の百分の五十を超える数の株式を所有する他の会社をいう。以下この号において同じ。)とするもの又は子会社としようとするもの
第二条に次の八項を加える。
6 この法律において「優先株式等」とは、優先株式(その発行の時において議決権のない株式であつて、利益の配当及び残余財産の分配について優先的内容を有するものをいう。以下同じ。)、劣後特約付社債(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された社債であつて、銀行等又は銀行持株会社等の自己資本の充実に資するものとして政令で定める社債に該当するものをいう。以下同じ。)その他これらに準ずるものとして政令で定めるものをいう。
7 この法律において「株式等」とは、優先株式以外の株式及び優先株式等をいう。
8 この法律において「優先株式等の引受け等」とは、優先株式等の引受け又は劣後特約付金銭消費貸借(元利金の支払について劣後的内容を有する特約が付された金銭の消費貸借であつて、金融機関又は銀行持株会社等の自己資本の充実に資するものとして政令で定める金銭の消費貸借に該当するものをいう。)による貸付けをいう。
9 この法律において「株式等の引受け等」とは、優先株式以外の株式の引受け又は優先株式等の引受け等をいう。
10 この法律において「損害担保」とは、貸付けに係る債務の全部又は一部の弁済がなされないこととなつた場合において、あらかじめ締結する契約に基づきその債権者に対してその弁済がなされないこととなつた額の一部を補てんすることをいう。
11 この法律において「付保預金移転」とは、破綻金融機関の預金等に係る債務の他の金融機関による引受けであつて、当該債務に第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に対応する預金等に係る債務を含むもの(営業(第一項第三号から第八号までに掲げる金融機関にあつては、事業。以下同じ。)の譲渡又は譲受け(以下「営業譲渡等」という。)に伴うものを除く。)をいう。
12 この法律において「被管理金融機関」とは、第七十四条第一項若しくは第二項又は第百十条第一項の規定により、第七十四条第一項に規定する管理を命ずる処分を受けた金融機関をいう。
13 この法律において「承継銀行」とは、営業の譲受け、付保預金移転又は合併(以下「営業の譲受け等」という。)により被管理金融機関の業務を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ業務を暫定的に維持継続することを主たる目的とする銀行であつて、預金保険機構の子会社(預金保険機構がその発行済株式の総数の百分の五十を超える数の株式を所有する会社をいう。以下同じ。)として設立されたものをいう。
第十五条中「及び第四章」を「、第四章及び第六章から第八章まで」に改める。
第三十四条第三号中「及び損失の補てん」を「その他同節の規定による業務」に改め、同条第六号を同条第十号とし、同条第五号中「及び第五章」を「から第五章まで」に改め、同号を同条第九号とし、同条第四号の次に次の四号を加える。
五 第七十八条第二項の規定による金融整理管財人又は金融整理管財人代理の業務
六 第六章の規定による承継銀行の経営管理その他同章の規定による業務
七 第七章の規定による株式等の引受け等その他同章の規定による業務
八 第百二十七条又は第百二十八条の規定による資金の貸付け及び第百二十九条の規定による資産の買取り
第四十条第三項中「受けた財務諸表並びに前項の事業報告書及び決算報告書をその事務所に備えて置かなければ」を「受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、各事務所に備えて置き、内閣府令・財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければ」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(区分経理)
第四十条の二 機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第三十四条各号に掲げる業務(次号に掲げるものを除く。)
二 第百七条第一項の規定による株式等の引受け等に係る業務、第百二十二条第一項の規定による負担金の収納及びこれらの業務に附帯する業務
第四十一条中「機構は」の下に「、一般勘定(前条第一号に掲げる業務に係る勘定をいう。以下同じ。)について」を加える。
第四十二条第一項中「第三十四条第二号から第五号まで」を「第四十条の二第一号」に改め、「、政令で定める金額の範囲内において」を削り、「日本銀行から資金の借入れ」を「金融機関その他の者(日本銀行を除く。)から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は預金保険機構債券(以下「債券」という。)の発行(債券の借換えのための発行を含む。)」に改め、同条第八項中「第三項」を「第一項及び第五項」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項中「銀行」を「銀行等」に改め、同項を同条第八項とし、同条第六項中「銀行」を「銀行等」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項を削り、同条第二項中「前項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。
2 機構は、前項に規定する業務を行う場合における一時的な資金繰りのために必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、日本銀行から資金の借入れ(借換えを含む。)をすることができる。
3 第一項の規定による借入金の現在額、同項の規定により発行する債券の元本に係る債務の現在額及び前項の規定による借入金の現在額の合計額は、政令で定める金額を超えることとなつてはならない。
第四十二条の二中「第三項」を「第二項」に改め、「又は」の下に「同条第一項の」を加える。
第四十九条第二項中「預金等の額」を「預金等に係る債権の額」に改める。
第五十条第二項に次の三号を加える。
三 第七十四条第一項に規定する管理を命ずる処分があつたとき。 当該管理を命ずる処分に係る被管理金融機関
四 承継銀行が設立されたとき。 当該承継銀行
五 第百十一条第一項の規定による決定があつたとき。 当該決定に係る銀行等
第五十一条第一項中「末日」を「各日(銀行法第十五条第一項(長期信用銀行法第十七条、信用金庫法第八十九条第一項、協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条第一項及び労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十四条第一項において準用する場合を含む。)に規定する休日を除く。)」に改め、「合計額」の下に「を平均した額」を加え、同条第二項中「業務」の下に「(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」を、「取扱い」の下に「(金融機関の経営の健全性に応じてするものを除く。)」を加え、同条第三項中「第三項」を「第二項」に、「又は債券」を「又は同条第一項の債券」に改める。
第五十四条第一項中「第五十八条」を「以下この条、第五十八条及び第五十八条の二」に、「有するものに限る」を「有するもの(同条第四項の仮払金の支払又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。)に限る。次項において同じ」に、「その額」を「第二条第二項第五号に掲げる預金等にあつては、当該金銭の額。以下同じ。)及び利息等(当該元本以外の部分であつて利息その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)の額の合算額(その合算額」に改め、「で、同項の請求があつたもの」を削り、同条第二項を次のように改める。
2 前項の元本の額(その額が同一人について二以上あるときは、その合計額)が政令で定める金額(以下「保険基準額」という。)を超えるときは、保険基準額及び保険基準額に対応する元本に係る利息等の額を合算した額を保険金の額とする。この場合において、元本の額が同一人について二以上あるときは、保険基準額に対応する元本は、次の各号に定めるところにより保険基準額に達するまで当該各号に規定する元本の額を合計した場合の当該元本とする。
一 預金等に係る債権のうちに担保権の目的となつているものと担保権の目的となつていないものがあるときは、担保権の目的となつていないものに係る元本を先とする。
二 預金等に係る債権で担保権の目的となつていないものが同一人について二以上あるときは、その弁済期の早いものに係る元本を先とする。
三 前号の場合において、預金等に係る債権で弁済期の同じものが同一人について二以上あるときは、その金利(利率その他これに準ずるもので政令で定めるものをいう。次号において同じ。)の低いものに係る元本を先とする。
四 前号の場合において、預金等に係る債権で金利の同じものが同一人について二以上あるときは、機構が指定するものに係る元本を先とする。
五 預金等に係る債権で担保権の目的となつているものが同一人について二以上あるときは、機構が指定するものに係る元本を先とする。
第五十四条第三項中「場合」の下に「又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けている場合」を加え、「金額から」を「金額につき政令で定めるところにより」に改め、「当該仮払金の支払」の下に「及び同条第一項の貸付けに係る預金等の払戻し」を、「受けた額」の下に「(次項の規定により機構に払い戻されるべき額を除く。)」を加え、同条第四項中「保険事故について保険金の支払が行われる場合に、当該」を削り、「規定により支払われるべき保険金の額」を「規定による保険金の額のうち政令で定めるところにより計算した額」に改める。
第五十五条の次に次の一条を加える。
(預金等に係る債権の額の把握)
第五十五条の二 機構は、保険事故が発生したことを知つたときは、速やかに、当該保険事故が発生した金融機関の各預金者等がその発生した日において現に当該金融機関に対して有する預金等に係る債権の額を把握しなければならない。
2 機構は、前項に規定する預金等に係る債権の額を速やかに把握するため必要があると認めるときは、金融機関に対し、その旨を明示して、預金者等の氏名又は名称及び住所、預金等に係る債権の内容その他内閣府令・財務省令で定める事項について資料の提出を求めることができる。
3 前項の規定により資料の提出を求められた金融機関は、内閣府令・財務省令で定めるところにより、電子情報処理組織を使用して又は磁気テ―プ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)により、遅滞なく、これを提出しなければならない。
4 金融機関は、前項の規定による資料の提出に必要な預金等に関するデ―タベ―ス(預金等に係る情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。)及び電子情報処理組織の整備その他の措置を講じなければならない。
第五十六条第一項第一号中「前条第一項」を「第五十五条第一項」に改め、同項第三号中「営業(信用金庫等にあつては、事業。以下同じ。)の全部の譲渡若しくは営業の全部若しくは一部の譲受け(以下「営業譲渡等」という。)」を「営業譲渡等、付保預金移転」に改め、「決議」の下に「又は議決」を加え、「又は第七十四条第十一項」を削り、同項第四号中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「決議」の下に「又は議決」を加え、同条第三項第一号中「前条第一項」を「第五十五条第一項」に改め、同項第三号中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「決議」の下に「又は議決」を加え、「又は第七十四条第十一項」を削り、同項第四号中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「決議」の下に「又は議決」を加える。
第五十八条第一項中「応じ」の下に「、政令で定めるところにより」を加え、「(利息、収益の分配その他これらに準ずるもので政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)」を削り、同条第二項を削り、同条第三項中「前二項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項を同条第三項とし、第三章第三節中同条の次に次の一条を加える。
(課税関係)
第五十八条の二 預金者等がその有する預金等(第二条第二項第五号に掲げるもののうち割引の方法により発行される債券に係るものを除く。)に係る債権(以下この項において「預金等債権」という。)について保険金の支払を受ける場合において、当該支払を受ける保険金の額に応じて機構が取得する預金等債権のうちに利息等があるときは、当該利息等の額に相当する金額は、当該預金等債権に係る預金等の次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定めるものの額とみなして、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)その他の所得税に関する法令の規定を適用する。
一 預金 当該預金の利子
二 定期積金 当該定期積金に係る契約に基づく給付補てん金(所得税法第百七十四条第三号に掲げる給付補てん金をいう。)
三 第二条第二項第三号に掲げる掛金 当該掛金に係る契約に基づく給付補てん金(所得税法第百七十四条第四号に掲げる給付補てん金をいう。)
四 第二条第二項第四号に掲げる金銭 当該金銭に係る同号に規定する金銭信託の収益の分配
五 第二条第二項第五号に掲げる金銭 同号に規定する債券(割引の方法により発行されるものを除く。)の利子
2 前項の規定の適用がある場合における租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四条の二及び第四条の三の規定の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章第四節第一款の款名を削る。
第五十九条第一項中「金銭の贈与、資金の貸付け若しくは預入れ、資産の買取り又は債務の保証若しくは引受け(」を「次に掲げる措置(第六号に掲げる措置にあつては、第二条第五項第五号に掲げる会社に対して行うものを除く。」に改め、同項に次の各号を加える。
一 金銭の贈与
二 資金の貸付け又は預入れ
三 資産の買取り
四 債務の保証
五 債務の引受け
六 優先株式等の引受け等
七 損害担保
第五十九条第二項第三号中「営業の全部(当該破綻金融機関の資産の一部を機構が買い取る場合にあつては、その買い取られる資産に係る部分を除く。)」を「営業」に改め、「譲渡するもの」の下に「(営業の一部を譲渡するものにあつては、破綻金融機関の預金等に係る債務の引受けであつて当該債務に第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に対応する預金等に係る債務を含むものが伴うものに限る。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。
三の二 付保預金移転
第五十九条第四項中「第一項に規定する」を「第一項第三号に掲げる」に改め、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「前項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
5 第一項第七号に掲げる損害担保は、前項各号に掲げる合併等の区分に応じ当該各号に定める資産である貸付債権について行うものとする。
第五十九条の次に次の一条を加える。
(資金援助の申込みの特例)
第五十九条の二 合併等(前条第二項第三号に掲げる営業譲渡等のうち破綻金融機関がその営業の一部を他の金融機関に譲渡するもの又は付保預金移転に限る。)を行う救済金融機関は、機構が、破綻金融機関の債権者間の衡平を図るため、当該破綻金融機関に対して資金援助(同条第一項第一号に掲げるものに限る。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
2 前項の規定による申込みは、当該合併等に係る破綻金融機関と連名で行うものとする。
3 前条第六項の規定は前二項の規定による申込みを行つた救済金融機関及び破綻金融機関について、同条第七項の規定は前二項の規定による申込みを受けた機構について、それぞれ準用する。
第六十条第一項中「金銭の贈与、資産の買取り及び債務の引受けを除く」を「第五十九条第一項第二号又は第四号に掲げるものに限る」に改める。
第六十一条第一項中「第五十九条第一項」の下に「、第五十九条の二第一項」を加え、同条第三項第一号中「、預金者等」を「預金者等その他の債権者」に改め、同条第八項中「、第一項の認定の申請は、第二項の規定にかかわらず、当該会社及び当該破綻金融機関の連名で行うことができる。ただし」を削る。
第六十二条第一項中「預金者等」の下に「その他の債権者」を加え、同条第二項中「第五十九条第一項」の下に「又は第五十九条の二第一項」を加え、同条に次の二項を加える。
5 内閣総理大臣は、第一項のあつせんを行うため必要があると認めるときは、その必要の限度において、破綻金融機関又は破綻金融機関となる蓋然性が高いと認められる金融機関につきその業務又は財産の状況に関する資料を他の金融機関又は銀行持株会社等に対して交付し、その他当該あつせんに必要な準備行為を行うことができる。
6 内閣総理大臣は、機構に対し、第一項のあつせん又は前項の準備行為の実施に関し、必要な協力を求めることができる。
第六十四条第一項中「第四項」の下に「、第五十九条の二第一項」を加え、同条に次の一項を加える。
5 前項の契約に係る資金援助のうちに損害担保が含まれているときは、当該契約に係る金融機関又は銀行持株会社等は、当該契約において、当該損害担保に係る貸付債権について利益が生じたときは当該利益の額の一部を機構に納付し、又は当該合併等により当該貸付債権を有することとなる者をして機構に納付させるための措置を講ずる旨を約するものとする。
第六十四条の次に次の一条を加える。
(優先株式等の引受け等に係る資金援助)
第六十四条の二 第五十九条第一項の規定による申込みが優先株式等の引受け等に係るものであるときは、当該申込みに係る救済金融機関又は救済銀行持株会社等(第二条第五項第五号に掲げる会社を除く。以下この条において同じ。)は、第五十九条第一項の規定による申込みと同時に、機構に対し、財務内容の健全性の確保等のための方策として政令で定める方策を定めた計画を提出しなければならない。
2 委員会は、前条第一項の規定により行う議決が優先株式等の引受け等の申込みに係るものであるときは、当該優先株式等の引受け等が当該申込みに係る救済金融機関又は救済銀行持株会社等の自己資本の充実の状況に照らし当該合併等の円滑な実施のために必要な範囲を超えないことその他の内閣総理大臣及び財務大臣並びに厚生労働大臣が定めて公表する基準に適合するものである場合に限り、当該優先株式等の引受け等を行う旨の決議をすることができる。
3 機構は、第五十九条第一項の規定による申込みが優先株式等の引受け等に係るものである場合において、当該資金援助を行う旨の決定をしようとするときは、前項の決議を経た後、あらかじめ、内閣総理大臣及び財務大臣(当該申込みをした者が労働金庫又は労働金庫連合会である場合には、内閣総理大臣及び財務大臣並びに厚生労働大臣)の承認を受けなければならない。
4 機構は、前条第一項の決定に基づいてした優先株式等の引受け等により取得した優先株式等(当該優先株式等が優先株式又は劣後特約付社債である場合の当該取得後においては、当該優先株式が他の種類の株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された他の種類の株式及び当該優先株式又は当該他の種類の株式について分割又は併合された株式並びに当該劣後特約付社債が株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された株式及びこれについて分割又は併合された株式を含む。以下この項において「取得優先株式等」という。)又は同条第一項の決定に基づいてした優先株式等の引受け等により取得した貸付債権(以下この項において「取得貸付債権」という。)の全部につきその処分をし、又は利益をもつてする消却、償還若しくは返済を受けるまでの間、当該取得優先株式等又は取得貸付債権に係る救済金融機関又は救済銀行持株会社等に対し、第一項の規定により提出を受けた計画の履行状況につき報告を求め、これを公表することができる。
第六十五条中「。次条第一項、第六十七条第二項、第六十八条、第六十九条第一項及び第六項、第七十条第一項、第七十三条第六項、第七十四条第四項及び第十一項並びに第七十九条第一項及び第三項において同じ。」を削り、「前条第四項」を「第六十四条第四項」に改める。
第六十六条第一項中「営業譲渡等」の下に「、付保預金移転」を、「株主総会等の決議」及び「株式移転についての決議」の下に「又は議決」を、「内閣総理大臣」の下に「(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣)」を加え、同条第二項中「第二条第一項第一号及び第二号に掲げる金融機関(以下「銀行等」という。)」を「銀行等」に改め、「(昭和四十三年法律第八十六号)」を削り、同条第三項を次のように改める。
3 第一項の適格性の認定等を受けた金融機関又は銀行持株会社等は、次に掲げる場合には、直ちに、内閣総理大臣(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣)にその旨を報告し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
一 第一項の適格性の認定等を受けた者が銀行等又は銀行持株会社等であつて、商法第四百十三条ノ三第一項(金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第二項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会の承認を得ないで合併を行おうとしたものである場合又は商法第三百五十八条第一項の規定により株主総会の承認を得ないで株式交換を行おうとしたものである場合において、当該銀行等又は銀行持株会社等が同法第四百十三条ノ三第八項(金融機関の合併及び転換に関する法律第十二条の二第一項において準用する場合を含む。)又は商法第三百五十八条第八項に規定する場合に該当することとなつたとき。
二 第一項の適格性の認定等を受けた金融機関が第八十七条又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第四十三条(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百七十八条の七において準用する場合を含む。)の規定により株主総会等(前項に規定する株主総会等をいう。)の決議又は議決に代わる裁判所の許可を得て営業譲渡等を行おうとしたものである場合において、当該金融機関が当該許可を得られなかつたとき。
第六十七条第一項中「営業の全部又は一部の譲受け」を「営業の譲受け又は付保預金移転」に改め、同条第二項中「内閣総理大臣」の下に「(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣)」を加え、「営業の全部又は一部の譲受け」を「営業の譲受け又は付保預金移転」に改める。
第三章第四節第二款を削る。
第六十七条の二を第六十八条とし、同条の次に次の一条を加える。
(追加的資金援助)
第六十九条 機構は、資金援助に係る合併等の後、当該資金援助に係る救済金融機関若しくは救済銀行持株会社等又は当該資金援助に係る合併により設立された金融機関から追加の資金援助の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、当該申込みを行つた金融機関又は銀行持株会社等に対する追加の資金援助(第四項において「追加的資金援助」という。)を行うことができる。
2 前項の規定による申込みに係る資産の買取りは、合併等(第五十九条第二項第三号に掲げる営業譲渡等のうち破綻金融機関がその営業の一部を他の金融機関に譲渡するもの又は付保預金移転に限る。)に係る破綻金融機関の資産又は次の各号に掲げる合併等の区分に応じ当該各号に定める資産について行うものとし、前項の規定による申込みに係る資金援助のうちに合併等(同条第二項第三号に掲げる営業譲渡等のうち破綻金融機関がその営業の一部を他の金融機関に譲渡するもの又は付保預金移転に限る。以下この項及び第四項において同じ。)に係る破綻金融機関の資産の買取りが含まれているときは、当該合併等に係る救済金融機関は、当該破綻金融機関と連名で、機構が当該資産の買取りを行うことを機構に申し込むものとする。
一 第五十九条第二項第一号に掲げる合併 当該合併により存続する金融機関の資産(当該合併前に破綻金融機関の資産であつたものに限る。)
二 第五十九条第二項第二号に掲げる合併 当該合併により設立された金融機関の資産(当該合併前に破綻金融機関の資産であつたものに限る。)
三 第五十九条第二項第三号に掲げる営業譲渡等 同号の他の金融機関の資産で当該営業譲渡等により譲り受けたもの
四 第五十九条第二項第四号に掲げる株式の取得 当該株式の取得をされた金融機関の資産
3 第一項の規定による申込みに係る損害担保は、前項各号に掲げる合併等の区分に応じ当該各号に定める資産である貸付債権について行うものとする。
4 第五十九条第六項及び第七項、第六十四条並びに第六十四条の二の規定は第一項又は第二項の規定による申込みについて、第五十九条の二の規定は資金援助に係る合併等を行つた救済金融機関について、第六十七条及び第六十八条の規定は追加的資金援助について、それぞれ準用する。この場合において、第六十四条第二項中「及び当該資金援助に係る破綻金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる」とあるのは「及び当該資金援助に係る破綻金融機関につき当該議決前に行われた委員会の議決に係る資金援助に要すると見込まれた費用並びに当該破綻金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれた」と、第六十八条中「その行おうとする適格性の認定等に係る合併等のために機構による資金援助」とあるのは「追加的資金援助」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第八十一条の二第一項中「場合」の下に「(第一種保険事故の発生した金融機関の預金者等の保護のため必要があると認める場合を含む。)」を加え、同条第二項中「第八十一条の四第一項」を「第七十二条第一項」に改め、第四章中同条を第七十条とする。
第八十一条の三を第七十一条とする。
第八十一条の四第四項中「第八十一条の二第二項ただし書」を「第七十条第二項ただし書」に改め、同条を第七十二条とする。
第八十一条の五第一項中「有する預金等債権」の下に「(第二条第二項第五号に掲げる預金等に係るもののうち割引の方法により発行される債券に係るものを除く。以下この条において同じ。)」を加え、「(昭和四十年法律第三十三号)」を削り、同項に次の一号を加える。
五 第二条第二項第五号に掲げる金銭 同号に規定する債券(割引の方法により発行されるものを除く。)の利子
第八十一条の五第二項中「第八十一条の二第二項ただし書」を「第七十条第二項ただし書」に改め、同条第三項中「(昭和三十二年法律第二十六号)」を削り、第四章中同条を第七十三条とする。
第六章中第九十二条を第百五十二条とする。
第九十一条第一号中「認可」の下に「又は承認」を加え、同条第四号を次のように改める。
四 第四十条第三項の規定に違反して、書類を備え置かず、又は閲覧に供しなかつたとき。
第九十一条第八号中「第五十九条第六項」を「第五十九条第七項(第五十九条の二第三項(第六十九条第四項において準用する場合を含む。)、第六十九条第四項、第百一条第五項及び第百十八条第二項において準用する場合を含む。)」に改め、「第六十二条第四項」の下に「(第百一条第七項及び第百十八条第四項において準用する場合を含む。)、第百一条第五項及び第百十八条第二項」を加え、「又は第七十四条第十二項」を「(第百一条第七項及び第百十八条第四項において準用する場合を含む。)又は第百二十条第三項」に改め、同条を第百五十一条とする。
第八十九条及び第九十条を削る。
第八十八条中「第三十七条第一項」の下に「又は第五十五条の二第二項」を加え、同条を第百四十八条とし、同条の次に次の二条を加える。
第百四十九条 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この条において「人格のない社団等」という。)を含む。以下この項において同じ。)の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第百四十三条 二億円以下の罰金刑
二 第百四十六条又は第百四十八条 各本条の罰金刑
2 人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合においては、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を適用する。
第百五十条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした金融機関又は銀行持株会社等の取締役又は理事は、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律に定める公告、報告、通知若しくは催告をすることを怠り、又は不正の公告、報告若しくは通知をしたとき。
二 第七十四条第五項の規定に違反して、申出をせず、又は虚偽の申出をしたとき。
三 第七十七条第二項の規定により選任された金融整理管財人に事務の引渡しをしないとき。
四 第百三十一条第七項の規定による弁済又は担保の提供若しくは財産の信託を怠つたとき。
2 金融整理管財人が、第七十五条の規定により管理を命ずる処分が取り消されたにもかかわらず、被管理金融機関の取締役若しくは理事又は清算人に事務の引渡しをしないときは、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
3 次の各号に掲げる金融機関の金融整理管財人は、当該各号に定める規定のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 銀行 商法第四百九十八条第一項各号又は銀行法第六十五条各号
二 長期信用銀行 商法第四百九十八条第一項各号又は長期信用銀行法第二十七条各号
三 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の規定により信託業務を営む金融機関 同法第十条各号
四 信用金庫又は信用金庫連合会 信用金庫法第九十一条第一項各号
五 信用協同組合又は信用協同組合連合会 協同組合による金融事業に関する法律第十二条第一項各号
六 労働金庫又は労働金庫連合会 労働金庫法第百一条第一項各号
4 信用協同組合又は信用協同組合連合会の金融整理管財人は、中小企業等協同組合法第百十五条各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
第八十七条第二号中「第八十一条の四第五項」を「第七十二条第五項」に、「又は第六十四条第三項」を「、第六十四条第三項(第六十九条第四項、第百一条第七項、第百十八条第四項、第百二十七条第二項及び第百二十八条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第三項、第九十六条第三項、第九十七条第二項、第九十八条第二項、第百七条第二項、第百九条第二項、第百二十条第四項、第百二十三条第一項又は第百二十九条第四項」に改め、同条を第百四十七条とする。
第八十五条及び第八十六条を削る。
第八十四条の二に次の一項を加える。
2 被管理金融機関の取締役若しくは理事、監査役若しくは監事若しくは支配人若しくは参事その他の使用人又はこれらの者であつた者が第八十一条第一項(第七十七条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第八十一条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときも、前項と同様とする。
第八十四条の二を第百四十五条とし、同条の次に次の一条を加える。
第百四十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第六十四条の二第四項(第六十九条第四項及び第百一条第七項において準用する場合を含む。)、第百条又は第百八条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第八十条又は第百十五条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
第八十四条中「含む。)」の下に「又は第八十二条」を加え、同条を第百四十四条とし、第六章中同条の前に次の三条を加える。
第百四十一条 金融整理管財人又は金融整理管財人代理がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 金融整理管財人又は金融整理管財人代理が法人であるときは、金融整理管財人又は金融整理管財人代理の職務に従事するその役員又は職員がその職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。金融整理管財人又は金融整理管財人代理が法人である場合において、その役員又は職員が金融整理管財人又は金融整理管財人代理の職務に関し金融整理管財人又は金融整理管財人代理に賄賂を収受させ、又はその供与を要求し、若しくは約束したときも、同様とする。
3 犯人又は法人たる金融整理管財人若しくは金融整理管財人代理の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第百四十二条 前条第一項若しくは第二項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第百四十三条 第百三十六条第一項又は第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
2 第百三十七条第一項、第二項又は第六項の規定による当該職員又は機構の職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者も、前項と同様とする。
第六章を第九章とする。
第五章中第八十三条を第百三十九条とし、同条の次に次の一条を加える。
(経過措置)
第百四十条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第五章中第八十二条を第百三十八条とし、同条の前に次の十一条を加える。
(預金等の払戻しのための資金の貸付け)
第百二十七条 機構は、次に掲げる金融機関から預金等の払戻し(第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に対応する預金等につき行うものに限る。)のために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、当該預金等に係る同条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額の合計額に達するまでを限り、当該申込みに係る貸付けを行う旨の決定をすることができる。
一 第七十四条第一項又は第二項の規定により管理を命ずる処分を受けた金融機関
二 更生手続開始の決定を受けた破綻金融機関
三 会社更生法第三十九条第一項又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第三十三条第一項の規定による保全管理人による管理を命ずる処分を受けた破綻金融機関
四 民事再生法第六十四条第一項の規定による管財人による管理を命ずる処分を受けた破綻金融機関
五 民事再生法第七十九条第一項の規定による保全管理人による管理を命ずる処分を受けた破綻金融機関
六 商法第三百八十六条第一項(信用金庫法第六十二条、協同組合による金融事業に関する法律第六条の二第四項及び労働金庫法第六十六条において準用する場合を含む。)の規定による商法第三百八十六条第一項第十一号の管理の命令を受けた破綻金融機関
2 第六十四条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による決定をしたときについて準用する。
3 第一項の規定により次の各号に掲げる金融機関に対してされた貸付けは、当該金融機関に係る破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続における機構以外の債権者との関係においては、当該各号に定める決定より前にされたものとみなす。
一 第一項第二号に掲げる破綻金融機関 当該更生手続開始の決定
二 再生手続開始の決定を受けた破綻金融機関 当該再生手続開始の決定
三 整理開始の命令を受けた破綻金融機関 当該整理開始の命令に係る決定
4 第一項の決定に基づく資金の貸付けに要すると見込まれる費用は、第六十四条第二項の適用については、同項の資金援助に要すると見込まれる費用とみなす。
(資産価値の減少防止のための資金の貸付け)
第百二十八条 機構は、前条第一項各号に掲げる金融機関(同項第一号に掲げる金融機関にあつては、更生手続開始若しくは再生手続開始の申立て又は整理開始の命令があつた後に限る。)からその保有する貸付債権その他の資産の価値の減少を防止するために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、その必要の限度において、当該申込みに係る資金の貸付けを行う旨の決定をすることができる。
2 第六十四条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による決定をしたときについて準用する。
(資産の買取り)
第百二十九条 機構は、第三章第四節の規定による場合のほか、協定承継銀行又は特別危機管理銀行が保有する資産の買取りを行うことができる。
2 機構は、前項の規定による資産の買取りを行う場合には、内閣総理大臣及び財務大臣があらかじめ定めて公表する基準に従わなければならない。
3 機構は、協定承継銀行又は特別危機管理銀行から第一項の資産の買取りに係る申込みがあつたときは、遅滞なく、委員会の議決を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。
4 機構は、前項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
5 機構は、第三項の規定による資産の買取りを行う旨の決定をしたときは、当該協定承継銀行又は特別危機管理銀行との間で当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。
(信用金庫等の総会等の招集手続の特例)
第百三十条 適格性の認定等を受けた信用金庫等が行う営業譲渡等及びその実施に必要な定款の変更について議決するための当該信用金庫等の総会は、総会員(労働金庫にあつては、労働金庫法第十三条第一項に規定する個人会員を除く。)又は総組合員の同意があるときは、信用金庫法第四十五条、中小企業等協同組合法第四十九条及び労働金庫法第四十九条の規定にかかわらず、招集の手続を経ることなく開催することができる。
2 前項の規定は、同項に規定する事項について議決するための総代会について準用する。この場合において、同項中「総会員(労働金庫にあつては、労働金庫法第十三条第一項に規定する個人会員を除く。)又は総組合員」とあるのは「総代の全員」と、「信用金庫法第四十五条、中小企業等協同組合法第四十九条及び労働金庫法第四十九条」とあるのは「信用金庫法第五十条第五項において準用する同法第四十五条、中小企業等協同組合法第五十五条第六項において準用する同法第四十九条及び労働金庫法第五十五条第五項において準用する同法第四十九条」と読み替えるものとする。
(営業譲渡等における債権者保護手続の特例)
第百三十一条 第五十九条第二項第三号に掲げる営業譲渡等又は付保預金移転を援助するための第六十四条第一項の規定による資金援助を行う旨の決定があつたときは、当該営業譲渡等又は付保預金移転に係る債務の引受けは、当該営業譲渡等又は付保預金移転により救済金融機関が引き受ける債務に係る債権者(第五項において「移転債権者」という。)の承諾を得ないでこれをすることができる。
2 銀行法第三十四条及び第三十五条(これらの規定を長期信用銀行法第十七条、信用金庫法第八十九条第一項、協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項及び労働金庫法第九十四条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、前項の決定があつた場合における当該決定に係る営業譲渡等については、適用しない。
3 第一項の決定があつた場合における当該決定に係る営業譲渡等又は付保預金移転がされたときは、当該破綻金融機関及び救済金融機関は、その日から二週間以内に、当該営業譲渡等又は付保預金移転の内容の要旨及びこれに対し異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、かつ、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
4 前項の期間は、一月を下つてはならない。
5 移転債権者が第三項に規定する期間内に異議を述べたときは、当該移転債権者に係る債務の引受けは当該債務の引受けの時にさかのぼつてその効力を失う。ただし、第三者の権利を害することができない。
6 破綻金融機関の債権者(第一項に規定する営業譲渡等又は付保預金移転により救済金融機関が引き受けた債務以外の破綻金融機関の債務に係る債権者に限る。)が第三項の期間内に異議を述べた場合において、当該債権者の債権につき第一項に規定する営業譲渡等又は付保預金移転により弁済を受けることができないこととなつた金額があるときは、当該債権者は、救済金融機関に対し、当該金額に相当する金銭の支払を請求することができる。
7 救済金融機関の債権者(第一項に規定する営業譲渡等又は付保預金移転により救済金融機関が引き受けた債務以外の救済金融機関の債務に係る債権者に限る。)が第三項の期間内に異議を述べたときは、当該救済金融機関は、弁済し、又は相当の担保を提供し、若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託業務を営む銀行若しくは信託会社に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該営業譲渡等又は付保預金移転が当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
(信託業務の承継における受託者更迭手続の特例)
第百三十二条 破綻金融機関であつて金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の規定により信託業務を営む者が同項の規定により信託業務を営む金融機関に対してする営業の譲渡を援助するための第六十四条第一項の規定による資金援助を行う旨の決定があつたときは、当該破綻金融機関は、その引き受けた信託につき、信託法(大正十一年法律第六十二号)第四十六条、第四十九条第一項及び第七十一条の規定にかかわらず、当該資金援助に係る救済金融機関(以下この条において「新受託者」という。)との間の営業の譲渡の契約をもつて受託者更迭をすることができる。
2 新受託者は、前項の規定による更迭が行われたときは、直ちに、当該更迭に係る信託の委託者(以下この条において「移転委託者」という。)又は受益者(以下この条において「移転受益者」という。)であつて当該更迭に異議のある者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、かつ、貸付信託その他の定型的信託契約に係る信託として政令で定めるもの(第四項において「定型的信託」という。)に係る移転委託者及び移転受益者以外の知れている移転委託者及び移転受益者には、各別にこれを催告しなければならない。
3 前項の期間は、一月を下つてはならない。
4 第二項の期間内に異議を述べた移転委託者(定型的信託であつて委託者が信託利益の全部を享受するものとして政令で定めるもの(次項及び第七項において「貸付信託等」という。)に係る移転委託者を除く。)は、当該異議を述べた日から起算して一月以内に限り、移転受益者の同意を得て、新受託者を解任することができる。
5 第二項の期間内に異議を述べた移転受益者(貸付信託等に係る移転受益者を除く。)は、当該異議を述べた日から起算して一月以内に限り、移転委託者の同意を得て、新受託者を解任することができる。
6 信託法第四十五条の規定は、前二項の規定により任務を終了した新受託者について準用する。
7 第二項の期間内に異議を述べた貸付信託等に係る移転受益者は、新受託者に対し、第一項の規定による更迭が行われなければ有したであろう公正な価格で自己の受益権を買い取ることを請求することができる。
8 新受託者は、前項の請求があつた場合には、当該請求に係る受益権をその固有財産をもつて買い取らなければならない。この場合においては、信託法第九条及び貸付信託法(昭和二十七年法律第百九十五号)第十一条の規定は適用しない。
9 商法第二百四十五条ノ三及び第二百四十五条ノ四並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項及び第百三十二条ノ六の規定は、第七項の規定による請求について準用する。この場合において、商法第二百四十五条ノ三第一項から第三項までの規定中「決議ノ日」とあるのは「異議ヲ述べタル日」と、同条第一項、第二項及び第五項中「株式」とあるのは「受益権」と、同条第二項及び第三項中「株主」とあるのは「移転受益者」と、同法第二百四十五条ノ四中「第二百四十五条ノ二」とあるのは「預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第百三十二条第七項」と、「株主」とあるのは「移転受益者」と、「第二百四十五条第一項ニ掲グル行為」とあるのは「営業又ハ事業ノ譲渡」と、非訟事件手続法第百三十二条ノ六第一項中「及ビ第四百十三条ノ三第七項」とあるのは「、第四百十三条ノ三第七項及ビ預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第百三十二条第九項」と、同条第二項中「株主」とあるのは「移転受益者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
10 第一項の規定による更迭が行われた場合においては、信託法第五十五条第一項の規定による事務の引継ぎ(次項において「事務引継」という。)に移転受益者又は信託管理人が立ち会うことを要しない。
11 第一項の規定による更迭が行われた場合における事務引継に移転受益者又は信託管理人が立ち会わなかつたときは、信託法第五十五条第二項の規定は適用しない。
(根抵当権の譲渡に係る特例)
第百三十三条 被管理金融機関が承継銀行その他の金融機関(以下この条において「承継金融機関」という。)に対する営業の譲渡により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとするときは、当該被管理金融機関及び当該承継金融機関は、次に掲げる事項について異議のある根抵当権設定者は当該被管理金融機関に対し一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、又はこれを催告することができる。
一 当該被管理金融機関から当該承継金融機関に当該根抵当権が譲渡されること及びその期日
二 当該根抵当権の譲渡の後においても当該根抵当権が当該債権を担保すべきものとすること。
2 前項の期間は、二週間を下つてはならない。
3 第一項の公告又は催告に係る根抵当権設定者が同項各号に掲げる事項について同項の期間内に異議を述べなかつたときは、同項第一号に掲げる事項について当該根抵当権設定者の承諾が、同項第二号に掲げる事項について当該根抵当権設定者と同項の公告又は催告に係る承継金融機関の合意が、それぞれあつたものとみなす。
4 根抵当権設定者が第一項各号に掲げる事項の一部について異議を述べたときは、同項各号に掲げる事項の全部について異議を述べたものとみなす。
5 前各項の規定は、承継銀行又は特別危機管理銀行が他の金融機関に対する営業の譲渡により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとする場合について準用する。
(根抵当権移転登記等の申請手続の特例)
第百三十四条 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の移転の登記の申請書には、公告又は催告をしたこと及び根抵当権設定者が同条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の期間内に異議を述べなかつたことを証する書面を添付しなければならない。
2 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の担保すべき債権の範囲に譲渡に係る債権を追加することを内容とする根抵当権の変更の登記は、申請書に前項に規定する書面を添付したときは、根抵当権者のみで申請することができる。
(課税の特例)
第百三十五条 第七十九条の規定による登記については、登録免許税を課さない。
2 承継銀行が第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定を受けて行う被管理金融機関の営業の譲受け等(次項において「決定に基づく譲受け等」という。)により不動産に関する権利(第九十三条第二項の規定により当該承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされたものに限る。)の取得をした場合には、当該不動産に関する権利の移転の登記については、財務省令で定めるところにより当該取得後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。
3 承継銀行が決定に基づく譲受け等により取得した土地又は土地の上に存する権利(第九十三条第二項の規定により当該承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされたものに限る。)の譲渡(租税特別措置法第六十二条の三第二項第一号イに規定する譲渡をいい、同号ニに掲げる行為を含む。)は、承継銀行(当該土地又は土地の上に存する権利の譲渡が同号ニに掲げる行為の場合にあつては、承継銀行と合併する被管理金融機関を含む。)に係る同条及び同法第六十三条の規定の適用については、同法第六十二条の三第二項第一号に規定する土地の譲渡等には該当しないものとする。
(報告又は資料の提出)
第百三十六条 内閣総理大臣(労働金庫又は労働金庫連合会にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。次項及び次条において同じ。)は、この法律の円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、金融機関(代理店を含む。)に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2 内閣総理大臣は、この法律の円滑な実施を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該金融機関の子会社(当該金融機関が銀行である場合には銀行法第二条第八項に、長期信用銀行である場合には長期信用銀行法第十三条の二第二項に、信用金庫又は信用金庫連合会である場合には信用金庫法第三十二条第六項に、信用協同組合又は信用協同組合連合会である場合には協同組合による金融事業に関する法律第四条第一項に、労働金庫又は労働金庫連合会である場合には労働金庫法第三十四条第五項にそれぞれ規定する子会社(子会社とみなされる会社を含む。)をいう。次項及び次条において同じ。)又は当該金融機関から業務の委託を受けた者に対し、当該金融機関の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3 金融機関の子会社又は金融機関から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
(立入検査)
第百三十七条 内閣総理大臣は、この法律の円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に金融機関(代理店を含む。)の営業所(信用金庫等にあつては、事務所)その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該金融機関の子会社又は当該金融機関から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該金融機関に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 前条第三項の規定は、第二項の規定による金融機関の子会社又は金融機関から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。
6 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、機構に、第一項又は第二項の規定による立入り、質問又は検査(次に掲げる事項を調査するために行うものに限る。)を行わせることができる。この場合において、機構は、その職員に当該立入り、質問又は検査を行わせるものとする。
一 第五十条第一項の規定による保険料の納付が適正に行われていること。
二 第五十五条の二第四項に規定する措置が講ぜられていること。
三 第七十一条第二項の預金等債権について弁済を受けることができると見込まれる額
7 第三項から第五項までの規定は、前項の規定による立入り、質問又は検査について準用する。
第五章を第八章とし、第四章の次に次の三章を加える。
第五章 金融整理管財人による管理
(業務及び財産の管理を命ずる処分)
第七十四条 内閣総理大臣(この項に規定する処分に係る金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。次項、第四項(次条第二項において準用する場合を含む。)及び第五項、同条第一項、第七十七条第二項から第四項まで、第七十九条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)、第八十条、第八十四条第一項並びに第九十条において同じ。)は、金融機関がその財産をもつて債務を完済することができないと認める場合又は金融機関がその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合若しくは金融機関が預金等の払戻しを停止した場合であつて、次に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、当該金融機関に対し、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分(以下「管理を命ずる処分」という。)をすることができる。
一 当該金融機関の業務の運営が著しく不適切であること。
二 当該金融機関について、合併等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、当該金融機関が業務を行つている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
2 内閣総理大臣は、金融機関からその財産をもつて債務を完済することができない事態が生ずるおそれがあると認める旨の申出があつた場合において、当該事態が生ずるおそれがあり、かつ、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、当該金融機関に対し、管理を命ずる処分をすることができる。
3 前二項の規定による管理を命ずる処分があつた場合におけるこの法律の適用については、当該処分を受けた金融機関(破綻金融機関を除く。)は、破綻金融機関とみなす。
4 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたときは、官報により、これを公告しなければならない。
5 金融機関は、その財産をもつて債務を完済することができないとき又はその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあるときは、その旨及びその理由を、文書をもつて、内閣総理大臣に申し出なければならない。
(管理を命ずる処分の取消し)
第七十五条 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分について、その必要がなくなつたと認めるときは、当該管理を命ずる処分を取り消さなければならない。
2 前条第四項の規定は、前項の場合について準用する。
(株主の名義書換の禁止)
第七十六条 被管理金融機関が銀行等である場合において、内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、株主の名義書換を禁止することができる。
(金融整理管財人の選任等)
第七十七条 管理を命ずる処分があつたときは、被管理金融機関を代表し、業務の執行並びに財産の管理及び処分を行う権利は、金融整理管財人に専属する。商法第二百四十七条(信用金庫法第四十九条、中小企業等協同組合法第五十四条及び労働金庫法第五十四条において準用する場合を含む。)、商法第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条及び第三百八十条(信用金庫法第五十二条第三項(同法第五十八条第五項において準用する場合を含む。)、中小企業等協同組合法第五十七条第三項(同法第五十七条の三第四項において準用する場合を含む。)及び労働金庫法第五十七条第三項(同法第六十二条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、商法第四百十五条(信用金庫法第六十一条、中小企業等協同組合法第六十六条及び労働金庫法第六十五条において準用する場合を含む。)並びに商法第四百二十八条(信用金庫法第二十八条、中小企業等協同組合法第三十二条及び労働金庫法第二十八条において準用する場合を含む。)の規定による取締役(被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては、理事。以下この章において同じ。)の権利についても、同様とする。
2 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分と同時に、一人又は数人の金融整理管財人を選任しなければならない。
3 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定により金融整理管財人を選任した後においても、更に金融整理管財人を選任し、又は金融整理管財人が被管理金融機関の業務及び財産の管理を適切に行つていないと認めるときは、金融整理管財人を解任することができる。
4 内閣総理大臣は、第二項若しくは前項の規定により金融整理管財人を選任したとき又は同項の規定により金融整理管財人を解任したときは、被管理金融機関にその旨を通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。
5 会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)第九十七条、第九十八条、第九十八条の四及び第二百八十五条の規定は金融整理管財人について、民法第四十四条第一項の規定は被管理金融機関について、それぞれ準用する。この場合において、会社更生法第九十七条第一項中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣(当該金融整理管財人の管理に係る金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。以下同じ。)の承認」と、同法第九十八条中「管財人代理」とあるのは「金融整理管財人代理」と、同条第二項中「裁判所の許可」とあるのは「内閣総理大臣の承認」と、同法第二百八十五条第一項中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と、「管財人代理」とあるのは「金融整理管財人代理」と、民法第四十四条第一項中「理事其他ノ代理人」とあるのは「金融整理管財人」と読み替えるものとする。
第七十八条 法人は、金融整理管財人又は金融整理管財人代理となることができる。
2 機構は、金融整理管財人又は金融整理管財人代理となり、その業務を行うことができる。
(通知及び登記)
第七十九条 内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたとき又は管理を命ずる処分を取り消したときは、直ちに、被管理金融機関の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所にその旨を通知し、かつ、嘱託書に当該命令書の謄本を添付して、被管理金融機関の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地の登記所に、その登記を嘱託しなければならない。
2 前項の登記には、金融整理管財人の氏名又は名称及び住所をも登記しなければならない。
3 第一項の規定は、前項に掲げる事項に変更が生じた場合について準用する。
(報告又は資料の提出)
第八十条 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、金融整理管財人に対し、被管理金融機関の業務及び財産の状況等に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその経営に関する計画の作成及び提出その他必要な措置を命ずることができる。
(金融整理管財人の調査等)
第八十一条 金融整理管財人は、被管理金融機関の取締役、監査役(被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては、監事。以下この章において同じ。)及び支配人(被管理金融機関が信用協同組合若しくは信用協同組合連合会又は労働金庫若しくは労働金庫連合会である場合にあつては、参事)その他の使用人並びにこれらの者であつた者に対し、被管理金融機関の業務及び財産の状況(これらの者であつた者については、その者が当該被管理金融機関の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被管理金融機関の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
2 金融整理管財人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
(金融整理管財人等の秘密保持義務)
第八十二条 金融整理管財人及び金融整理管財人代理(以下この条において「金融整理管財人等」という。)は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。金融整理管財人等がその職を退いた後も、同様とする。
2 金融整理管財人等が法人であるときは、金融整理管財人等の職務に従事するその役員及び職員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その役員又は職員が金融整理管財人等の職務に従事しなくなつた後においても、同様とする。
(被管理金融機関の経営者の破綻の責任を明確にするための措置)
第八十三条 金融整理管財人は、被管理金融機関の取締役若しくは監査役又はこれらの者であつた者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。
2 金融整理管財人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。
(金融整理管財人と被管理金融機関との取引)
第八十四条 金融整理管財人は、自己又は第三者のために被管理金融機関と取引をするときは、内閣総理大臣の承認を得なければならない。この場合においては、民法第百八条の規定は、適用しない。
2 前項の承認を得ないでした行為は、無効とする。ただし、善意の第三者に対抗することができない。
(会社整理に関する商法の規定の不適用)
第八十五条 商法第三百八十一条第一項、第三百八十六条第一項(第一号及び第六号から第九号までを除く。)及び第二項(同条第一項第一号及び第九号に掲げる処分であつて職権でするものに係る部分を除く。)、第三百八十七条第一項、第三百八十八条から第三百九十一条まで、第三百九十七条並びに第三百九十八条(これらの規定を信用金庫法第六十二条、協同組合による金融事業に関する法律第六条の二第四項及び労働金庫法第六十六条において準用する場合を含む。)の規定は、管理を命ずる処分があつた場合における当該管理を命ずる処分に係る被管理金融機関については、適用しない。
(株主総会等の特別決議等に関する特例)
第八十六条 被管理金融機関における商法第二百十四条第一項、第二百四十五条第一項、第二百八十条ノ二第二項、第三百四十六条若しくは第三百七十五条第一項の規定による決議、同法第三百四十三条、第三百四十五条第二項、第三百五十三条第四項(同法第三百六十五条第三項において準用する場合を含む。)、第四百五条若しくは第四百八条第三項に規定する決議、信用金庫法第四十八条、中小企業等協同組合法第五十三条若しくは労働金庫法第五十三条の規定による議決又は金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第三項(第一号において準用する商法第四百八条第三項に係る部分に限る。)若しくは金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第六項の規定による合併決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主又は会員、組合員若しくは代議員若しくは総代(第三項において「株主等」という。)の議決権の三分の二以上に当たる多数をもつて、仮にすることができる。
2 被管理金融機関における商法第三百四十八条第一項、第三百五十三条第五項、第三百六十五条第二項若しくは第四百八条第四項の規定による決議又は金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第三項(同項のうち、第一号において準用する商法第四百八条第四項に係る部分及び第二号に係る部分に限る。)の規定による合併決議若しくは金融機関の合併及び転換に関する法律第七条第五項に規定する決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の過半数であつて出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもつて、仮にすることができる。
3 第一項の規定により仮にした決議、議決又は合併決議(以下この項及び次項において「仮決議等」という。)があつた場合においては、各株主等に対し、当該仮決議等の趣旨を通知し、当該仮決議等の日から一月以内に再度の株主総会等(第六十六条第二項に規定する株主総会等をいう。次項及び次条第六項において同じ。)を招集しなければならない。
4 前項の株主総会等において第一項に規定する多数をもつて仮決議等を承認した場合には、当該承認のあつた時に、当該仮決議等をした事項に係る決議、議決又は合併決議があつたものとみなす。
5 前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議又は合併決議があつた場合について準用する。この場合において、前項中「第一項に規定する多数」とあるのは、「第二項に規定する多数」と読み替えるものとする。
(株主総会等の特別決議等に代わる許可)
第八十七条 銀行等である被管理金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない場合には、当該被管理金融機関は、商法第二百四十五条、第三百七十五条及び第四百五条の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。
一 営業の全部又は重要な一部の譲渡
二 資本の減少
三 解散
2 信用金庫等である被管理金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない場合には、当該被管理金融機関は、信用金庫法第四十八条及び第五十八条第一項、中小企業等協同組合法第五十三条及び第五十七条の三第一項並びに労働金庫法第五十三条及び第六十二条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。
一 解散
二 事業の譲渡
3 金融整理管財人は、商法第二百五十七条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)、信用金庫法第三十八条第一項、中小企業等協同組合法第四十一条第一項及び労働金庫法第四十一条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理金融機関の取締役又は監査役を解任することができる。
4 前項の規定により被管理金融機関の取締役又は監査役を解任しようとする場合において、解任により法律又は定款に定めた取締役又は監査役の員数を欠くこととなるときは、金融整理管財人は、商法第二百五十四条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)、信用金庫法第三十二条第三項、中小企業等協同組合法第三十五条第三項及び労働金庫法第三十四条第三項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理金融機関の取締役又は監査役を選任することができる。
5 前項の規定により選任された被管理金融機関の取締役及び監査役は、選任時の属する営業年度の終了後最初に招集される定時総会又は通常総会(総代会を設けている場合において、その総代会で役員の選任をすることができるときは、通常総代会)の終結の時に退任する。
6 第一項から第四項までに規定する許可(以下この条及び次条において「代替許可」という。)があつたときは、当該代替許可に係る事項について株主総会等の決議又は議決があつたものとみなす。
7 代替許可に係る事件は、当該被管理金融機関の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
8 裁判所は、代替許可の決定をしたときは、その決定書を被管理金融機関に送達するとともに、その決定の要旨を公告しなければならない。
9 前項の規定によつてする公告は、官報に掲載してする。
10 代替許可の決定は、第八項の規定による被管理金融機関に対する送達がされた時から、効力を生ずる。
11 代替許可の決定に対しては、株主、会員又は組合員は、第八項の公告のあつた日から一週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。この場合において、当該即時抗告が解散に係る代替許可の決定に対するものであるときは、執行停止の効力を有する。
12 第七項から前項までに規定するもののほか、代替許可に係る事件に関しては、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第一編(第二条から第四条まで、第十五条、第十六条、第十八条第一項及び第二項並びに第二十条を除く。)の規定を準用する。
(代替許可に係る登記の特例)
第八十八条 前条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項第一号に掲げる事項又は同条第三項若しくは第四項に定める事項に係る代替許可があつた場合においては、当該事項に係る登記の申請書には、当該代替許可の決定書の謄本又は抄本を添付しなければならない。
(債権者保護手続の特例)
第八十九条 銀行等である被管理金融機関が資本減少の決議をした場合においては、預金者その他政令で定める債権者に対する商法第三百七十六条第二項において準用する同法第百条の規定による催告は、することを要しない。
(管理の終了)
第九十条 金融整理管財人は、管理を命ずる処分の日から一年以内に、被管理金融機関の営業の譲渡その他の措置を講ずることにより、その管理を終えるものとする。ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該管理を終えることができない場合には、内閣総理大臣の承認を得て、一年を限り、この期限を延長することができる。
第六章 破綻した金融機関の業務承継
(承継銀行の設立の決定)
第九十一条 内閣総理大臣は、被管理金融機関の業務承継(承継銀行が営業の譲受け等により業務を引き継ぎ、かつ、その業務を暫定的に維持継続することをいう。以下この章において同じ。)のため承継銀行を活用する必要があると認めるときは、次に掲げる決定を行うことができる。
一 機構が被管理金融機関から業務を引き継ぐため営業の譲受け等を行う承継銀行を子会社として設立する旨の決定
二 承継銀行が被管理金融機関から業務を引き継ぐため営業の譲受け等を行うべき旨の決定
2 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、前項の決定を取り消し、又は変更する決定を行うことができる。
3 金融整理管財人は、必要があると認めるときは、内閣総理大臣に第一項又は前項の規定による決定を行うことを求めることができる。
(承継銀行の設立等)
第九十二条 機構は、前条第一項又は第二項の規定による同条第一項第一号に掲げる決定があつたときは、当該決定に係る出資の内容について委員会の議決を経て、承継銀行となる株式会社の設立の発起人となり、及び当該設立の発起人となつた株式会社を子会社として設立するための出資をしなければならない。
2 機構は、前項に規定する場合のほか、承継銀行に対する出資を行おうとするときは、委員会の議決を経なければならない。
3 機構は、前二項に規定する出資をしたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(承継資産の確認)
第九十三条 第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定があつたときは、当該被管理金融機関の金融整理管財人は、同項の業務承継により承継銀行が引き継ぐべき当該被管理金融機関の貸付債権その他の資産を選定し、内閣総理大臣に対し、これらが承継銀行の保有する資産として適当であることの確認を求めるものとする。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による求めがあつたときは、円滑な業務承継を図る観点及び承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を図る観点から、同項の確認を行うものとする。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の確認を行うための基準をあらかじめ定め、これを公表しなければならない。
4 前項の基準は、第二項の確認の対象となる債権に係る債務者の債務の履行状況に関する基準を含むものでなければならない。
(承継銀行の経営管理)
第九十四条 機構は、承継銀行が次に掲げる事項を適確に実施できるようその経営管理を行わなければならない。
一 第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定があつたときは、当該決定の対象とされた被管理金融機関から業務を引き継ぐため営業の譲受け等を行うこと。
二 前条第二項の規定により承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされた資産を引き継ぐこと。
三 預金等の受払事務、資金の貸付けその他の業務の実施に際しては、次項に規定する指針に従うこと。
2 機構は、承継銀行の預金等の受払事務、資金の貸付けその他の業務についての指針を次に定めるところにより作成し、内閣総理大臣の承認を受けた後、公表しなければならない。
一 当該指針は、預金等の受払事務、資金の貸付けその他の業務の暫定的な維持継続を図るという承継銀行の目的を踏まえ、前条第三項に規定する基準との整合性に配慮しつつ、承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保する観点に立つて作成されるものであること。
二 当該指針は、承継銀行が資金の貸付けその他の業務のうち機構の指定する取引について機構の承認を受けて行うことを内容として含むものであること。
3 機構は、承継銀行に対し、その経営に必要な指導及び助言を行うことができる。
(商法第二百四十六条の不適用)
第九十五条 商法第二百四十六条の規定は、機構が承継銀行の発行済株式の全部を所有する場合における第九十三条第二項の規定による確認がされた資産については、適用しない。
(経営管理の終了等)
第九十六条 機構は、承継銀行が最初に業務を引き継いだ被管理金融機関に対する管理を命ずる処分の日から二年以内に、次に掲げる措置を講ずることにより当該承継銀行の経営管理を終えるものとする。ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該経営管理を終えることができない場合には、一年を限り、この期限を延長することができる。
一 当該承継銀行の合併(当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)
二 当該承継銀行の営業の全部の譲渡
三 当該承継銀行の株式の譲渡(当該譲渡により当該承継銀行が機構の子会社でなくなるものに限る。)
四 株主総会の決議による当該承継銀行の解散
2 機構は、前項本文の規定による経営管理の終了又は同項ただし書の規定による期限の延長をしようとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。
3 機構は、第一項の規定により承継銀行の経営管理を終了したとき又は承継銀行(承継銀行であつた銀行を含む。)の株式の譲渡その他の処分(同項第三号に掲げるものを除く。)を行つたときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(承継協定)
第九十七条 機構は、承継銀行と次に掲げる事項を含む協定(以下この章において「承継協定」という。)を締結するものとする。
一 承継協定を締結した承継銀行(以下「協定承継銀行」という。)は、第九十四条第一項各号に掲げる事項を実施すること。
二 協定承継銀行は、機構が当該協定承継銀行の資産の買取りを行うことを機構に申し込むことができること。
三 協定承継銀行は、次条第一項に規定する債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の締結をしようとするときは、当該締結をしようとする契約の内容について機構の承認を受けること。
2 機構は、承継協定を締結したときは、直ちに、その承継協定の内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(資金の貸付け及び債務の保証)
第九十八条 機構は、協定承継銀行から、協定承継銀行の業務の円滑な実施のために必要とする資金について、その資金の貸付け又は協定承継銀行によるその資金の借入れに係る債務の保証の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、当該貸付け又は債務の保証を行うことができる。
2 機構は、前項の規定により協定承継銀行との間で同項の貸付け又は債務の保証に係る契約を締結したときは、直ちに、その契約内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(損失の補てん)
第九十九条 機構は、承継協定の定めによる業務の実施により協定承継銀行に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議決を経て、当該金額の範囲内において、当該損失の補てんを行うことができる。
(報告の徴求)
第百条 機構は、この章の規定による業務を行うため必要があるときは、承継銀行に対し、承継協定の実施又は財務の状況に関し報告を求めることができる。
(再承継金融機関等に対する資金援助)
第百一条 再承継を行う金融機関で承継銀行でない者(以下この条において「再承継金融機関」という。)又は再承継を行う銀行持株会社等(以下この条において「再承継銀行持株会社等」という。)は、機構が、再承継を援助するため、資金援助(第五十九条第一項第三号、第六号又は第七号に掲げるものに限る。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
2 前項の「再承継」とは、次に掲げるものをいう。
一 承継銀行と合併する金融機関が存続する合併
二 承継銀行と他の金融機関が合併して金融機関を設立する合併
三 承継銀行がその営業の全部(当該承継銀行の資産の一部を機構が買い取る場合にあつては、その買い取られる資産に係る部分を除く。)を他の金融機関に譲渡するもの
四 承継銀行の株式の他の金融機関又は銀行持株会社等による取得で当該承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な事項として内閣総理大臣及び財務大臣が定めるものを実施するために行うもの
3 第一項の規定による資産の買取りは、次の各号に掲げる再承継の区分に応じ、当該各号に定める資産について行うものとする。
一 前項第一号に掲げる合併 当該合併により存続する金融機関の資産(当該合併前に承継銀行の資産であつたものに限る。)
二 前項第二号に掲げる合併 当該合併により設立される金融機関の資産(当該合併前に承継銀行の資産であつたものに限る。)
三 前項第三号に掲げる営業の譲渡 同号の他の金融機関の資産で当該営業の譲渡により譲り受けたもの
四 前項第四号に掲げる株式の取得 当該株式の取得をされた銀行の資産
4 第一項の規定による損害担保は、前項各号に掲げる再承継の区分に応じ、当該各号に定める資産である貸付債権について行うものとする。
5 第五十九条第三項、第六項及び第七項並びに第六十一条第一項の規定は第一項の規定による申込みについて、同条第二項から第四項まで及び第六項から第八項までの規定はこの項において準用する同条第一項の認定について、それぞれ準用する。この場合において、第五十九条第三項中「救済金融機関」とあるのは「再承継金融機関」と、第六十一条中「合併等」とあるのは「再承継」と、「破綻金融機関」とあるのは「承継銀行」と、「救済金融機関」とあるのは「再承継金融機関」と、「救済銀行持株会社等」とあるのは「再承継銀行持株会社等」と読み替えるものとする。
6 内閣総理大臣は、前項において準用する第六十一条第二項の申請が行われない場合においても、承継銀行が前項において準用する同条第三項第三号に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該承継銀行及び他の金融機関又は当該承継銀行及び銀行持株会社等に対し、書面により、再承継(第二項第二号に掲げる合併を除くものとし、当該再承継が行われることが預金者等その他の債権者の保護に資するものであり、、かつ、機構による資金援助が行われることが当該再承継を行うために不可欠であるものに限る。)のあつせんを行うことができる。
7 第六十二条第二項及び第四項から第六項までの規定は前項のあつせんについて、第六十四条(第二項を除く。)及び第六十四条の二の規定は第一項の規定による申込みについて、第六十五条及び第六十六条の規定は第五項において準用する第六十一条第一項の認定又は前項のあつせんを受けた金融機関又は銀行持株会社等について、第六十七条の規定は再承継金融機関について、第六十八条の規定は再承継のための機構による資金援助について、それぞれ準用する。この場合において、第六十二条第二項中「第五十九条第一項又は第五十九条の二第一項」とあるのは「第百一条第一項」と、同条第四項から第六項までの規定中「第一項」とあるのは「第百一条第六項」と、同条第四項中「第四項から第七項まで」とあるのは「第四項、第六項及び第七項」と、同条第五項中「破綻金融機関又は破綻金融機関となる蓋然性が高いと認められる金融機関」とあるのは「承継銀行」と、第六十四条第三項及び第五項中「合併等」とあるのは「再承継」と、第六十四条の二第一項、第二項及び第四項中「救済金融機関」とあるのは「再承継金融機関」と、「救済銀行持株会社等」とあるのは「再承継銀行持株会社等」と、同条第二項、第六十五条及び第六十八条中「合併等」とあるのは「再承継」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第七章 金融危機への対応
(金融危機に対応するための措置の必要性の認定)
第百二条 内閣総理大臣は、次の各号に掲げる金融機関について当該各号に定める措置が講ぜられなければ、我が国又は当該金融機関が業務を行つている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときは、金融危機対応会議(以下この章において「会議」という。)の議を経て、当該措置を講ずる必要がある旨の認定(以下この章において「認定」という。)を行うことができる。
一 金融機関(次号に掲げる金融機関を除く。) 当該金融機関の自己資本の充実のために行う機構による株式等の引受け等(以下この章において「第一号措置」という。)
二 破綻金融機関又はその財産をもつて債務を完済することができない金融機関 当該金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用の額を超えると見込まれる額の資金援助(以下この章において「第二号措置」という。)
三 破綻金融機関に該当する銀行等であつて、その財産をもつて債務を完済することができないもの 第百十一条から第百十九条までの規定に定める措置(以下この章において「第三号措置」という。)
2 内閣総理大臣は、労働金庫又は労働金庫連合会に対して認定を行おうとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣の意見を聴かなければならない。
3 第三号措置に係る認定は、第二号措置によつては第一項の支障を回避することができないと認める場合でなければ、行うことができない。
4 内閣総理大臣は、第一号措置に係る認定を行うときは、当該認定に係る金融機関が第百五条第一項の申込みを行うことができる期限を定めなければならない。
5 内閣総理大臣は、認定を行つたときは、その旨及び当該認定が第一号措置に係るものであるときは前項の規定により定めた期限を当該認定に係る金融機関及び機構に通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。
6 内閣総理大臣は、認定を行つたときは、当該認定の内容を国会に報告しなければならない。
(第一号措置に係る認定の取消し)
第百三条 内閣総理大臣は、第一号措置に係る認定を行つた後、第百五条第三項の決定がされるまでの間に、当該認定に係る金融機関が前条第一項第二号に掲げる金融機関に該当することとなつたときは、会議の議を経て、当該認定を取り消すものとする。
2 前条第二項、第五項及び第六項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。
(自己資本の充実のための措置を定めた計画の提出等)
第百四条 第一号措置に係る認定に係る金融機関は、次条第一項の申込みを行わないときは、内閣総理大臣に対し、第百二条第四項に規定する期限内に、第一号措置以外の方法による自己資本の充実のための措置を定めた計画を提出しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により同項の金融機関から提出を受けた計画を適当と認めるときは、会議の議を経て、当該金融機関に係る認定を取り消すものとする。
3 第百二条第二項、第五項及び第六項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。
4 内閣総理大臣は、第一号措置に係る認定に係る金融機関が第百二条第四項に規定する期限内に次条第一項の申込みを行わなかつた場合において、当該金融機関が当該期限内に第一項に規定する計画を提出しなかつたときは、当該認定を取り消すものとする。
5 内閣総理大臣は、第一項の規定により金融機関が提出した計画を適当と認めないときは、当該認定を取り消すものとする。
6 内閣総理大臣は、前二項の規定により第一号措置に係る認定を取り消すときは、あらかじめ、財務大臣の意見を聴かなければならない。
7 第百二条第二項、第五項及び第六項の規定は、第四項又は第五項の規定による第一号措置に係る認定の取消しについて準用する。
8 内閣総理大臣は、第四項又は第五項の規定により第一号措置に係る認定が取り消された場合において、当該取消しに係る金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない事態が生ずるおそれがあるときは、第百二条第一項の規定にかかわらず、会議の議を経て、当該金融機関に対し、第二号措置に係る認定を行うことができる。
9 第百二条第二項、第五項及び第六項の規定は、前項の規定による第二号措置に係る認定について準用する。
(株式等の引受け等の決定)
第百五条 機構は、第一号措置に係る認定が行われた場合において、当該認定に係る金融機関から第百二条第四項の規定により定められた期限内に第一号措置に係る申込みを受けたときは、内閣総理大臣(当該金融機関が労働金庫又は労働金庫連合会である場合にあつては、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。次項、第三項、第六項及び第七項、第百七条第二項、第百八条、第百九条並びに第百十条第一項において同じ。)に対し、当該金融機関と連名で、当該申込みに係る第一号措置を行うかどうかの決定を求めなければならない。
2 前項の申込みを行つた金融機関は、内閣総理大臣に対し、経営の合理化のための方策その他の政令で定める方策を定めた経営の健全化のための計画を提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第一項の申込みに係る第一号措置を行うべき旨の決定をするものとする。
一 第一項の申込みに係る取得株式等又は取得貸付債権の処分をすることが著しく困難であると認められる場合でないこと。
二 前項に規定する経営の健全化のための計画の確実な履行等を通じて、当該金融機関の次に掲げる方策の実行が見込まれること。
イ 経営の合理化のための方策
ロ 経営責任の明確化のための方策
ハ 株主責任の明確化のための方策
4 前項第一号に規定する「取得株式等」とは、機構が第一号措置により取得した株式等(当該株式等が株式又は劣後特約付社債である場合の当該取得後においては、当該株式が他の種類の株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された他の種類の株式及び当該株式又は当該他の種類の株式について分割又は併合された株式並びに当該劣後特約付社債が株式への転換が可能とされるものである場合にその転換により発行された株式及びこれについて分割又は併合された株式を含む。)をいう。
5 第三項第一号に規定する「取得貸付債権」とは、機構が第一号措置により取得した貸付債権をいう。
6 内閣総理大臣は、第三項の決定を行うときは、財務大臣の同意を得なければならない。
7 内閣総理大臣は、第一項の決定を行つたときは、その旨を当該金融機関及び機構に通知しなければならない。
8 内閣総理大臣は、第一項の申込みに係る第一号措置を行わない旨の決定がされたときは、直ちに、当該申込みをした金融機関が受けた第一号措置に係る認定を取り消すものとする。
9 第百二条第二項、第五項及び第六項並びに前条第六項及び第八項の規定は前項の規定による第一号措置に係る認定の取消しについて、同条第九項の規定はこの項において準用する同条第八項の規定による第二号措置に係る認定について、それぞれ準用する。
(資本の減少を行う場合の特例)
第百六条 内閣総理大臣は、前条第一項の申込みが株式の引受けに係るものである場合において、必要があると認めるときは、当該申込みに係る同条第三項の決定において、資本の減少を当該株式の引受けの条件とすることができる。
2 第八十九条の規定は、前項の規定により資本の減少を当該株式の引受けの条件とする前条第三項の決定がされた場合における当該資本の減少について準用する。
3 第一項の規定により資本の減少を当該株式の引受けの条件とする前条第三項の決定がされた場合において、当該決定を受けた銀行等は、当該条件とされた資本の減少についての株主総会の決議を得たとき又は得られなかつたときは、直ちに、内閣総理大臣に、その旨を報告し、かつ、当該株主総会の議事録を提出し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項に規定する場合において、同項の条件とされた資本の減少についての株主総会の決議を得られなかつたときは、当該銀行等について第一号措置に係る認定及び前条第三項の決定を取り消すものとする。
5 第百二条第五項及び第六項並びに第百四条第六項及び第八項の規定は前項の規定による第一号措置に係る認定の取消しについて、同条第九項(第百二条第二項に係る部分を除く。)の規定はこの項において準用する第百四条第八項の規定による第二号措置に係る認定について、前条第七項の規定は前項の規定により同条第三項の決定を取り消したときについて、それぞれ準用する。
(機構による株式等の引受け等)
第百七条 機構は、第百五条第三項の規定による決定がされたときは、当該決定に従い、株式等の引受け等を行うものとする。
2 機構は、前項の規定に基づき株式等の引受け等を行つたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(計画の公表等)
第百八条 内閣総理大臣は、第百五条第三項の規定による決定をしたときは、同条第二項の規定により提出を受けた計画を公表するものとする。ただし、信用秩序を損なうおそれのある事項、当該計画を提出した金融機関の預金者等その他の取引者の秘密を害するおそれのある事項及び当該金融機関の業務の遂行に不当な不利益を与えるおそれのある事項については、この限りでない。
2 内閣総理大臣は、機構が取得株式等(第百五条第四項に規定する取得株式等をいう。以下この章において同じ。)又は取得貸付債権(同条第五項に規定する取得貸付債権をいう。以下この章において同じ。)の全部につきその処分をし、又は利益をもつてする消却、償還若しくは返済を受けるまでの間、当該取得株式等又は取得貸付債権に係る金融機関に対し、同条第二項の規定により提出を受けた計画の履行状況につき報告を求め、これを公表することができる。
(取得株式等又は取得貸付債権の処分)
第百九条 機構は、取得株式等若しくは取得貸付債権について譲渡その他の処分を行おうとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の処分を行つたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(管理を命ずる処分及び資金援助の特例)
第百十条 内閣総理大臣は、第百二条第一項又は第百四条第八項(第百五条第九項及び第百六条第五項において準用する場合を含む。)の規定による第二号措置に係る認定が行われた場合には、第七十四条第一項及び第二項の規定にかかわらず、直ちに、当該認定に係る金融機関に対し、管理を命ずる処分をするものとする。
2 前項の規定による管理を命ずる処分があつた場合におけるこの法律の適用については、当該処分を受けた金融機関(破綻金融機関を除く。)は、破綻金融機関とみなす。
3 第六十四条第二項の規定は、第一項の規定により管理を命ずる処分を受けた金融機関を破綻金融機関として行う合併等に係る資金援助について同条第一項の委員会の議決を行う場合には、適用しない。この場合において、委員会は、当該資金援助が当該金融機関の財務の状況に照らし当該資金援助に係る合併等が行われるために必要な範囲を超えていないと認めるときは、当該資金援助を行う旨の決議をすることができる。
(特別危機管理銀行の株式の取得の決定)
第百十一条 内閣総理大臣は、第三号措置に係る認定と同時に、機構が当該認定に係る銀行等の株式を取得することの決定(次項において「特別危機管理開始決定」という。)をするものとする。
2 内閣総理大臣は、特別危機管理開始決定をしたときは、その旨を機構及び当該特別危機管理開始決定を受けた銀行等(以下「特別危機管理銀行」という。)に通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。
(株式の取得等)
第百十二条 前条第二項の規定による公告があつた場合には、特別危機管理銀行の株式は、当該公告があつた時(以下この章において「公告時」という。)に、機構が取得する。
2 前項の規定により機構が取得した株式に係る株券(端株券を含む。)は、公告時において無効とする。
3 第一項の規定による株式の取得については、商法第二百五条第一項及び第二百六条第一項の規定は、適用しない。
4 第一項の規定により機構が取得した株式を目的とする質権その他の担保権は、公告時において消滅する。
(特別危機管理銀行の財務の公表)
第百十三条 内閣総理大臣は、第百十一条第二項の公告をしたときは、内閣府令・財務省令で定めるところにより、公告時における特別危機管理銀行の資産及び負債の状況を公表するものとする。
(特別危機管理銀行の役員の選任及び解任の特例)
第百十四条 機構は、商法第二百五十四条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、内閣総理大臣の指名に基づき、特別危機管理銀行の取締役及び監査役を選任することができる。この場合において、特別危機管理銀行の取締役又は監査役の変更の登記の申請書には、指名及び選任を証する書面を添付しなければならない。
2 機構は、商法第二百五十七条第一項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、内閣総理大臣の承認を得て、特別危機管理銀行の取締役又は監査役を解任することができる。
(報告又は資料の提出等)
第百十五条 内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、特別危機管理銀行に対し、その業務及び財産の状況等に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその経営に関する計画の作成及び提出その他必要な措置を命ずることができる。
(特別危機管理銀行の経営者の破綻の責任を明確にするための措置)
第百十六条 特別危機管理銀行は、その取締役若しくは監査役又はこれらの者であつた者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。
2 特別危機管理銀行の取締役及び監査役は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。
(債権者保護手続の特例)
第百十七条 第八十九条の規定は、特別危機管理銀行が資本減少の決議をした場合について準用する。
(特別危機管理銀行に係る資金援助の特例)
第百十八条 特別危機管理銀行を破綻金融機関とする合併等(第五十九条第二項第一号、第二号及び第四号に掲げるものに限る。第五項において同じ。)を行う救済金融機関又は救済銀行持株会社等は、同条第一項の規定にかかわらず、当該特別危機管理銀行と連名で、機構が当該特別危機管理銀行に対して資金援助(同項第一号に掲げるものに限る。第三項から第五項までにおいて同じ。)を行うことを機構に申し込むことができる。
2 第五十九条第六項及び第七項並びに第六十一条第一項の規定は前項の規定による申込みについて、同条第二項、第三項及び第六項から第八項までの規定はこの項において準用する同条第一項の認定について、それぞれ準用する。この場合において、同条第一項から第三項まで及び第八項中「破綻金融機関」とあるのは、「特別危機管理銀行」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 内閣総理大臣は、前項において準用する第六十一条第二項の申請が行われない場合においても、特別危機管理銀行が前項において準用する同条第三項第三号に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該特別危機管理銀行及び他の金融機関又は当該特別危機管理銀行及び銀行持株会社等に対し、書面により、合併等(第五十九条第二項第一号及び第四号に掲げるものに限るものとし、当該合併等が行われることが預金者等その他の債権者の保護に資するものであり、かつ、機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うために不可欠であるものに限る。)のあつせんを行うことができる。
4 第六十二条第二項及び第四項から第六項までの規定は前項のあつせんについて、第六十四条(第二項及び第五項を除く。)の規定は第一項の規定による申込みについて、第六十五条及び第六十六条の規定は第二項において準用する第六十一条第一項の認定又は前項のあつせんを受けた金融機関又は銀行持株会社等について、第六十八条の規定は第一項の資金援助について、それぞれ準用する。この場合において、第六十二条第二項中「第五十九条第一項又は第五十九条の二第一項」とあるのは「第百十八条第一項」と、同条第四項から第六項までの規定中「第一項」とあるのは「第百十八条第三項」と、同条第四項中「第四項から第七項まで」とあるのは「第六項及び第七項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 委員会は、第一項に規定する申込みに係る資金援助について前項において準用する第六十四条第一項の議決を行う場合において、当該資金援助が特別危機管理銀行の財務の状況に照らし当該資金援助に係る合併等が行われるために必要な範囲を超えていないと認めるときは、当該資金援助を行う旨の決議をすることができる。
第百十九条 第百十条第三項の規定は、第五十九条第一項の規定による申込みに係る特別危機管理銀行を破綻金融機関として行う合併等に係る資金援助について準用する。
(第三号措置の終了)
第百二十条 内閣総理大臣は、できる限り早期に、機構又は特別危機管理銀行に次に掲げる措置を講じさせることにより、第三号措置を終えるものとする。
一 当該特別危機管理銀行と合併する金融機関が存続する合併(当該合併後に存続する法人が機構の子会社でないものに限る。)
二 当該特別危機管理銀行と他の金融機関が合併して金融機関を設立する合併(当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)
三 当該特別危機管理銀行の営業の譲渡
四 当該特別危機管理銀行の株式の譲渡(当該譲渡により当該特別危機管理銀行が機構の子会社でなくなるものに限る。)
2 特別危機管理銀行は、前項第一号から第三号までに掲げる措置を講ずるときは、内閣総理大臣にその旨を報告し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
3 機構は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに、その旨を財務大臣に報告しなければならない。
4 機構は、第一項第四号に掲げる措置を講じたときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(危機対応勘定)
第百二十一条 機構は、第百十条第三項(第百十九条において準用する場合を含む。)又は第百十八条第五項の規定による決議に係る資金援助を行うときは、第四十条の二第二号に掲げる業務(以下「危機対応業務」という。)に係る勘定(以下「危機対応勘定」という。)から、当該資金援助に要すると見込まれる費用から当該資金援助に係る金融機関の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用を控除した残額に相当する金額を、一般勘定に繰り入れるものとする。
2 前項の規定による危機対応勘定から一般勘定への繰入れは、危機対応業務とみなす。
(負担金の納付等)
第百二十二条 金融機関は、次条第四項(第百二十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による公告がされたときは、当該公告において定められた期間、機構の危機対応業務の実施に要した費用に充てるため、機構に対し、負担金を納付しなければならない。
2 前項の公告がされたときは、金融機関は、当該公告において定められた期間に含まれる各営業年度の末日までに、機構に対し、内閣府令・財務省令で定める書類を提出して、負担金を納付するものとする。
3 第一項の負担金の額は、各金融機関につき、当該負担金を納付すべき日を含む営業年度の直前の営業年度の末日における負債(内閣府令・財務省令で定めるものを除く。)の額の合計額を十二で除し、これに当該負担金を納付すべき日を含む営業年度の月数を乗じて計算した金額に、次条第二項の規定により定められた負担率を乗じて計算した金額とする。
4 第五十条第二項及び第五十二条の規定は、第一項の負担金について準用する。
(負担金に係る決定)
第百二十三条 機構は、毎事業年度、当該事業年度における危機対応勘定の収支につき、次に掲げる事項を、当該事業年度の終了後三月以内に、内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
一 第百二十一条第一項の規定により危機対応勘定から一般勘定に繰り入れた金額
二 取得株式等又は取得貸付債権につきその取得価額を下回る金額で譲渡したことその他の事由により生じた損失の金額
三 取得株式等又は取得貸付債権につきその取得価額を上回る金額で譲渡したことその他の事由により生じた利益の金額
四 収納した負担金の金額
五 その他政令で定める事項
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の報告を受けた場合において、必要があると認めるときは、当該報告を受けた時(以下この項において「報告時」という。)の属する事業年度以後の各事業年度において前条第一項の規定により金融機関が納付すべき負担金(以下「負担金」という。)に係る負担率及び納付期間を定めなければならない。ただし、当該報告時の属する事業年度前の事業年度において、当該報告時の属する事業年度以後の各事業年度における負担金に係る負担率及び納付期間が定められているときは、当該負担率及び納付期間を変更する方法により当該報告時の属する事業年度以後の各事業年度における負担金に係る負担率及び納付期間を定めるものとする。
3 負担率及び納付期間は、次に掲げる事項を勘案し、危機対応勘定の欠損金が負担金で賄われるように、かつ、特定の金融機関に対し差別的取扱いをしないように定めなければならない。
一 第一項の報告に係る事業年度における同項各号に掲げる事項
二 金融機関の財務の状況
4 内閣総理大臣及び財務大臣は、第二項の規定により負担率及び納付期間を定めたときは、官報により、これを公告しなければならない。
5 内閣総理大臣及び財務大臣は、第二項の規定により負担率及び納付期間を定めるため必要があると認めるときは、機構に対し、意見の陳述、報告又は資料の提出を求めることができる。
(負担率等の変更)
第百二十四条 機構は、その借入金の金利の変動、次条第一項の規定による政府の補助その他の事由(前条第一項各号に掲げる事項に係るものを除く。)により、負担金に過不足が生ずることが明らかとなつた場合には、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の報告に係る負担金の過不足を調整するために必要な限度で、前条第二項の規定により定められた負担率及び納付期間を変更することができる。
3 前条第四項及び第五項の規定は、前項の規定により内閣総理大臣及び財務大臣が負担率及び納付期間を変更する場合について準用する。
(政府の補助)
第百二十五条 政府は、負担金のみで危機対応業務に係る費用を賄うとしたならば、金融機関の財務の状況を著しく悪化させ、我が国の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認められるときに限り、予算で定める金額の範囲内において、機構に対し、当該業務に要する費用の一部を補助することができる。
2 機構は、負担金が納付されない事業年度(前項の規定により政府の補助を受けた日を含む事業年度の後の事業年度に限る。)において、危機対応勘定に損益計算上の利益金として内閣府令・財務省令で定めるところにより計算した金額があるときは、当該金額を、前項の規定により既に政府の補助を受けた金額の合計額からこの項の規定により既に国庫に納付した金額を控除した金額までを限り、国庫に納付しなければならない。
3 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。
(借入金及び債券等)
第百二十六条 機構は、危機対応業務を行うため必要があると認めるときは、政令で定める金額の範囲内において、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、日本銀行、金融機関その他の者から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は債券の発行(債券の借換えのための発行を含む。)をすることができる。
2 第四十二条第四項及び第四十二条の二の規定は、前項の規定により機構が資金の借入れ又は債券の発行をする場合について準用する。
3 第一項の規定により発行される債券については、これを第四十二条第一項の規定により発行される債券とみなして、同条第五項から第九項までの規定を適用する。
附則第六条の二を附則第六条の二の三とし、附則第六条の次に次の二条を加える。
(保険金の額の特例)
第六条の二 平成十三年四月一日から平成十五年三月三十一日までに発生した保険事故(附則第十六条第五項に規定する特別資金援助を行う旨の決定又は附則第十七条第四項に規定する預金等債権の特別買取りをする旨の決定があつた場合における当該決定に係る保険事故を除く。)に限り、保険金の額は、第五十四条の規定にかかわらず、当該保険事故が発生した金融機関の各預金者等につき、次の各号に掲げる預金等の区分ごとに、その発生した日において現にその者が当該金融機関に対して有する預金等(外貨預金その他の政令で定める預金等を除く。以下この条において同じ。)に係る債権(その者が第五十三条第一項の請求をした時において現に有するもの(同条第四項の仮払金の支払又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。)に限る。以下この項において同じ。)のうち当該各号に定める合算額に相当する金額とする。
一 預金等のうち為替取引に用いられるものとして政令で定める預金(以下この項において「特定預金」という。) 当該特定預金に係る債権のうち元本の額及び利息等の額の合算額(その合算額が同一人について二以上ある場合には、その合計額)
二 特定預金以外の預金等(以下この条において「その他預金等」という。) 当該その他預金等に係る債権のうち元本の額及び利息等の額の合算額(その合算額が同一人について二以上ある場合には、その合計額)
2 前項第二号に規定する元本の額(その額が同一人について二以上あるときは、その合計額)が保険基準額を超えるときは、保険基準額及び保険基準額に対応する元本に係る利息等の額を合算した額を保険金の額とする。この場合において、元本の額が同一人について二以上あるときは、保険基準額に対応する元本は、その他預金等につき、第五十四条第二項各号に定めるところにより保険基準額に達するまで当該各号に規定する元本の額を合計した場合の当該元本とする。
3 保険事故に係る預金者等が当該保険事故について第五十三条第四項の仮払金の支払を受けている場合又は第百二十七条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けている場合におけるその者の保険金の額は、前二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる預金等の区分ごとに、前二項の規定による金額につき政令で定めるところにより当該仮払金の支払及び同条第一項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けた額を控除した金額に相当する金額とする。
(保険料の額の特例)
第六条の二の二 平成十三年四月一日に開始する営業年度に納付する保険料の額は、第五十一条第一項の規定にかかわらず、各金融機関につき、当該営業年度の直前の営業年度の末日における預金等(外貨預金その他の政令で定める預金等を除く。以下この条において同じ。)のうち為替取引に用いられるものとして政令で定める預金(以下この条において「特定預金」という。)の額の合計額及び特定預金以外の預金等(以下この条において「その他預金等」という。)の額の合計額をそれぞれ十二で除し、これに平成十三年四月一日に開始する営業年度の月数を乗じて計算した金額に、機構が委員会の議決を経て、特定預金及びその他預金等の別に定める率をそれぞれ乗じて計算した額を合計した額とする。
2 平成十四年四月一日に開始する営業年度に納付する保険料の額は、第五十一条第一項の規定にかかわらず、各金融機関につき、当該営業年度の直前の営業年度の各日(銀行法第十五条第一項(長期信用銀行法第十七条、信用金庫法第八十九条第一項、協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項及び労働金庫法第九十四条第一項において準用する場合を含む。)に規定する休日を除く。)における特定預金の額の合計額を平均した額及びその他預金等の額の合計額を平均した額をそれぞれ十二で除し、これに平成十四年四月一日に開始する営業年度の月数を乗じて計算した金額に、機構が委員会の議決を経て、特定預金及びその他預金等の別に定める率をそれぞれ乗じて計算した額を合計した額とする。
附則第七条第一項中「、破綻金融機関」を「、破綻金融機関等(破綻金融機関、承継銀行又は特別危機管理銀行をいう。以下同じ。)」に、「又は破綻金融機関」を「若しくは破綻金融機関等」に改め、「営業」の下に「又は引き受けた預金等に係る債務」を加え、「並びに破綻金融機関又は特例資産譲受人等から」を「並びに附則第十条第一項の規定による委託を受けて」に改め、「(第二条第一項第一号に掲げる銀行をいう。以下この条及び次条において同じ。)」を削り、同項第五号中「破綻金融機関若しくは特例資産譲受人等から」を削る。
附則第八条第一項第一号中「協定の締結の日から平成十三年三月三十一日までの間に破綻金融機関との合併又はその営業の全部若しくは一部の譲受け」を「営業の譲受け等」に改め、「第六十二条第一項」の下に「、第百一条第六項又は第百十八条第三項」を加え、「合併又は営業の全部若しくは一部の譲受け(以下「営業の譲受け等」という。)」を「営業の譲受け等」に、「又はその営業の全部若しくは一部を譲り受けて」を「その営業を譲り受け、又はその預金等に係る債務を引き受けて」に、「破綻金融機関の営業」を「破綻金融機関等の営業又は預金等に係る債務」に改め、同項第二号中「協定の締結の日から平成十三年三月三十一日までの間に」及び「破綻金融機関の資産又は特例資産譲受人等の」を削り、同項第二号の二を次のように改め、同項第八号の二を削る。
二の二 協定銀行は、毎事業年度、協定の定めによる業務により生じた利益の額として政令で定めるところにより計算した額があるときは、当該利益の額に相当する金額を機構に納付すること。
附則第八条の二第一項中「債権処理会社」を「特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(平成八年法律第九十三号)第三条第一項第二号に規定する債権処理会社(次項第一号において「債権処理会社」という。)」に改める。
附則第十条第一項を次のように改める。
機構は、次に掲げる場合には、協定銀行に対し、機構に代わって資産の買取りを行うことを委託することができる。
一 第六十四条第一項(第六十九条第四項及び第百一条第七項において準用する場合を含む。)の規定により資産の買取りを含む資金援助を行う旨の決定をする場合
二 第百二十九条第三項の規定により協定承継銀行又は特別危機管理銀行の資産の買取りを行う旨の決定をする場合
三 附則第六条の三第二項の規定により特例資産譲受人等の資産の買取りを行う旨の決定をする場合
附則第十条第四項を次のように改める。
4 機構が協定銀行との間で前項の委託(第一項第一号又は第二号に掲げる場合に係るものに限る。)に関する契約を締結したときは、第六十四条第四項(第六十九条第四項及び第百一条第七項において準用する場合を含む。)及び第百二十九条第五項の規定にかかわらず、資産の買取りに関する契約は、協定銀行が資産保有金融機関(破綻金融機関、合併等若しくは第百一条第二項に規定する再承継により破綻金融機関若しくは承継銀行の資産を取得した者、協定承継銀行又は特別危機管理銀行であつて、当該資産を保有している金融機関をいう。次項において同じ。)との間で締結するものとする。
附則第十条第五項中「委託」の下に「(第一項第三号に掲げる場合に係るものに限る。)」を加え、「(附則第六条の三第一項の規定による特例資産譲受人等の資産の買取りを行う場合に限る。)」を削り、「同条第五項」を「附則第六条の三第五項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
5 前項の規定により協定銀行が資産保有金融機関(破綻金融機関又は合併等若しくは第百一条第二項に規定する再承継により破綻金融機関若しくは承継銀行の資産を取得した者に限る。)との間で前項の契約を締結したときは、当該契約は、第六十四条第四項(第百一条第七項において準用する場合を含む。)の規定により機構が当該資産保有金融機関との間で締結したものとみなして、第六十五条(第百一条第七項において準用する場合を含む。)の規定を適用する。
附則第十条の二を次のように改める。
(損失の補てん)
第十条の二 機構は、協定銀行に対し、協定の定めによる業務の実施により協定銀行に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内において当該損失の補てんを行うことができる。
附則第十一条第一項中「破綻金融機関の資産若しくは特例資産譲受人等の」を削る。
附則第十五条第二項を削る。
附則第十六条第一項中「平成十三年三月三十一日」を「平成十四年三月三十一日」に改め、「支払」の下に「(第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に基づいてするものをいう。)」を加え、同条に次の一項を加える。
6 第百十条第三項(第百十九条において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による報告があつた場合における当該報告に係る資金援助については適用しない。
附則第十七条第一項中「平成十三年三月三十一日」を「平成十四年三月三十一日」に、「第八十一条の二第一項」を「第七十条第一項」に改め、同条第二項中「第八十一条の三第二項」を「第七十一条第二項」に改め、同条第三項中「第八十一条の三第三項」を「第七十一条第三項」に改め、同条第四項中「第八十一条の二第一項」を「第七十条第一項」に、「第八十一条の三第一項」を「第七十一条第一項」に改める。
附則第十八条第一項第三号中「業務」の下に「(平成十四年四月一日以後に開始するものとして政令で定めるものを除く。)」を加え、同条第二項中「(特例業務勘定及び政令で定める特別の勘定以外の勘定をいう。以下同じ。)」を削り、「支払」の下に「(第五十四条第一項から第三項までの規定により計算した保険金の額に基づいてするものをいう。)」を加える。
附則第十九条第一項中「平成十二年度」を「平成十三年度」に改め、同条第四項中「第五十条第二項(」の下に「第百二十二条第四項及び」を加え、「同条第一項」を「第五十条第一項若しくは第百二十二条第一項」に改め、「協定銀行の保険料」の下に「、負担金」を加える。
附則第二十条第一項中「第三項」を「第二項」に改め、同条第二項中「第四十二条第二項」を「第四十二条第四項」に改め、同条第三項中「第四十二条第三項」を「第四十二条第一項」に、「同条第四項から第八項まで」を「同条第五項から第九項まで」に改める。
附則第二十一条第一項中「平成十三年度末」を「平成十四年度末」に改め、同条第二項中「金銭の収納」の下に「(附則第十八条第一項第三号に掲げる業務に係るものに限る。)」を加える。
附則第二十二条第一項中「破綻金融機関の営業」を「破綻金融機関等の営業」に改め、「破綻金融機関の資産若しくは特例資産譲受人等の」を削り、同条第二項中「破綻金融機関」を「破綻金融機関等」に、「同法第六十二条の三及び」を「同条及び同法」に改める。
附則第二十三条第一項第四号を削り、同項第三号中「業務並びに」を「業務(附則第七条第一項に規定する機構の業務にあつては、附則第十八条第一項第三号に掲げるものに限る。)並びに」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号中「第四十二条第一項の」を「第四十二条の」に、「同項」を「同条第一項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 第四十条の二の規定の適用については、特別資金援助及び預金等債権の特別買取りは同条第一号に掲げる業務に該当しないものとみなし、附則第十八条第二項の規定による一般勘定から特例業務勘定への繰入れは第四十条の二第一号に掲げる業務とみなす。
附則第二十三条第二項及び第三項中「及び第四章」を「、第四章及び第六章から第八章まで」に改め、「、第四章」の下に「、第六章から第八章まで」を加え、「第九十一条」を「第百五十一条」に改め、「、同条第一号中「認可」とあるのは「認可又は承認」と」を削り、「「第三十四条及び」を「、「第三十四条及び」に改め、同条第四項第一号中「及び第四章」を「、第四章及び第六章から第八章まで」に改め、「、第四章」の下に「、第六章から第八章まで」を加え、同項第二号中「第九十一条」を「第百五十一条」に改め、同号を同項第七号とし、同項第一号の次に次の五号を加える。
二 第四十一条の規定の適用については、同条中「一般勘定(前条第一号に掲げる業務に係る勘定をいう。以下同じ。)」とあるのは、「一般勘定(前条第一号に掲げる業務及び附則第七条第一項に規定する業務(平成十四年四月一日以後に開始するものとして政令で定めるものに限る。)に係る勘定をいう。以下同じ。)」とする。
三 第四十二条の規定の適用については、附則第七条第一項に規定する業務(平成十四年四月一日以後に開始するものとして政令で定めるものに限る。次号において同じ。)は、第四十二条第一項に規定する業務とみなす。
四 第五十一条第二項の規定の適用については、附則第七条第一項に規定する業務は、第五十一条第二項に規定する機構の業務とみなす。
五 協定銀行が承継銀行と合併する場合における第九十六条第一項の適用については、同項第一号中「当該承継銀行の合併(当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)」とあるのは、「当該承継銀行の合併」とする。
六 協定銀行が特別危機管理銀行と合併する場合における第百二十条第一項の適用については、同項第一号中「存続する合併(当該合併後に存続する法人が機構の子会社でないものに限る。)」とあるのは「存続する合併」と、同項第二号中「設立する合併(当該合併により設立された法人が機構の子会社でないものに限る。)」とあるのは「設立する合併」とする。
附則第二十三条第五項中「第九十一条」を「第百五十一条」に改め、同条に次の一項を加える。
6 次の各号に掲げる場合における当該各号に定める規定の適用については、当該規定中「第五十四条第一項から第三項まで」とあるのは、「附則第六条の二」とする。
一 附則第六条の二第一項の保険事故に係る破綻金融機関の預金等に係る債務を他の金融機関が引き受ける場合 第二条第十一項
二 附則第六条の二第一項の保険事故に係る第五十三条第一項に規定する保険金の支払の請求があつた場合 第五十八条第一項
三 附則第六条の二第一項の保険事故に係る破綻金融機関が営業の一部を他の金融機関に譲渡する場合 第五十九条第二項
四 機構が附則第六条の二第一項の保険事故に係る破綻金融機関(第百二十七条第一項各号に掲げる金融機関に限る。)から預金等の払戻しのために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合 第百二十七条第一項
(信託業法の一部改正)
第七条 信託業法(大正十一年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項の次に次の二項を加える。
信託会社ガ信託財産トシテ所有スル登録社債等(社債等登録法第三条第一項ノ規定ニ依リ登録ヲ為シタル社債並同法第十四条ノ規定ニ於テ準用スル同法第三条第一項ノ規定ニ依リ登録ヲ為シタル地方債、債券、公債及社債ヲ謂フ以下本項ニ於テ同ジ)ニ付キ同法第五条ノ移転ノ登録ヲ内閣府令、法務省令ノ定ムル所ニ依リ信託財産タル旨ヲ明示シテ為シタルトキハ同条並信託法第三条第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ信託ノ登録ト看做ス此ノ場合ニ於テ信託会社ガ信託ノ本旨ニ反シテ当該登録社債等ヲ処分シタルトキハ受益者ハ同法第三十一条但書ノ規定ニ拘ラズ処分ノ相手方及転得者ニ於テ其ノ処分ガ信託ノ本旨ニ反スルコトヲ知リタルトキ又ハ重大ナル過失ニ因リテ之ヲ知ラザリシトキニ限リ同条ノ規定ニ依ル取消ヲ為スコトヲ得
信託会社ガ信託財産トシテ所有スル登録国債(国債ニ関スル法律第二条第二項ノ規定ニ依リ登録ヲ為シタル国債ヲ謂フ以下本項ニ於テ同ジ)ニ付キ同法第三条ノ移転ノ登録ヲ内閣府令、財務省令ノ定ムル所ニ依リ信託財産タル旨ヲ明示シテ為シタルトキハ信託法第三条第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ信託ノ登録ト看做ス此ノ場合ニ於テ信託会社ガ信託ノ本旨ニ反シテ当該登録国債ヲ処分シタルトキハ受益者ハ同法第三十一条但書ノ規定ニ拘ラズ処分ノ相手方及転得者ニ於テ其ノ処分ガ信託ノ本旨ニ反スルコトヲ知リタルトキ又ハ重大ナル過失ニ因リテ之ヲ知ラザリシトキニ限リ同条ノ規定ニ依ル取消ヲ為スコトヲ得
(協同組合による金融事業に関する法律の一部改正)
第八条 協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)の一部を次のように改正する。
第六条の二第四項中「第六条の二第四項」を「第六条の二第五項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 信用協同組合等の整理については、商法第三百八十一条から第三百八十五条まで(整理の開始、登記、破産手続等の中止及び失効、競売手続の中止並びに時効の停止)、第三百八十六条(第一項第二号を除く。)(整理実行のために裁判所のする処分)、第三百八十七条から第三百九十一条まで(処分に関する登記又は登録、検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)、第三百九十四条から第四百条まで(損害賠償請求権の査定、監督命令、管理命令、整理終結の決定、整理終結等に伴う登記又は登録)、第四百二条(破産手続の開始)及び第四百三条(破産法の規定の準用)の規定並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十五条ノ二十四から第百三十五条ノ三十八まで、第百三十五条ノ四十一、第百三十五条ノ四十二及び第百三十五条ノ四十七から第百三十五条ノ六十二までの規定(会社の整理に関する事件)を準用する。この場合において、商法第三百八十一条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」とあるのは「総組合員若ハ総会員ノ百分ノ三以上ノ組合員若ハ会員ニシテ六月前ヨリ引続キ組合員若ハ会員デアル者又ハ登記ヲ為シタル出資ノ総額ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」と、同法第三百八十九条第二号中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三又ハ第二百八十条ノ十三ノ二」とあるのは「中小企業等協同組合法第三十八条の二第一項(同法第四十二条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」と、同法第三百九十八条第二項中「第二百四十七条、第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条、第三百八十条、第四百十五条及第四百二十八条ノ規定」とあるのは「中小企業等協同組合法第五十四条ニ於テ準用スル第二百四十七条、同法第五十七条第三項(同法第五十七条ノ三第四項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ於テ準用スル第三百八十条、同法第六十六条ニ於テ準用スル第四百十五条及同法第三十二条ニ於テ準用スル第四百二十八条ノ規定」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第十二条第一項第五号中「第六条の二第四項」を「第六条の二第五項」に改め、同項第九号を次のように改める。
九 この法律において準用する商法又は準用商法特例法の規定に定める検査又は調査を妨げたとき。
第十二条第一項第十二号中「第四項」を「第五項」に改め、同項第十三号の次に次の二号を加える。
十三の二 第六条の二第四項において準用する商法第三百八十六条の規定による裁判所の財産保全の処分に違反したとき。
十三の三 第六条の二第四項において準用する商法第三百九十八条第一項の規定により裁判所が選任した管理人に事務の引渡しをしないとき。
(信用金庫法の一部改正)
第九条 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六十二条」を「第六十一条」に、「第八章 解散及び清算(第六十三条・第六十四条)」を「第八章 整理、解散及び清算(第六十二条―第六十四条)」に改める。
第八章の章名を削る。
第六十一条の次に次の章名を付する。
第八章 整理、解散及び清算
第六十二条を次のように改める。
(整理)
第六十二条 金庫の整理については、商法第三百八十一条から第三百八十五条まで(整理の開始、登記、破産手続等の中止及び失効、競売手続の中止並びに時効の停止)、第三百八十六条(第一項第二号を除く。)(整理実行のために裁判所のする処分)、第三百八十七条から第三百九十一条まで(処分に関する登記又は登録、検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)、第三百九十四条から第四百条まで(損害賠償請求権の査定、監督命令、管理命令、整理終結の決定、整理終結等に伴う登記又は登録)、第四百二条(破産手続の開始)及び第四百三条(破産法の規定の準用)の規定並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ二十四から第百三十五条ノ三十八まで、第百三十五条ノ四十一、第百三十五条ノ四十二及び第百三十五条ノ四十七から第百三十五条ノ六十二までの規定(会社の整理に関する事件)を準用する。この場合において、商法第三百八十一条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」とあるのは「総会員ノ百分ノ三以上ノ会員ニシテ六月前ヨリ引続キ会員デアル者又ハ登記ヲ為シタル出資ノ総額ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」と、同法第三百八十九条第二号中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三又ハ第二百八十条ノ十三ノ二」とあるのは「信用金庫法第三十五条第一項(同法第三十九条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」と、同法第三百九十八条第二項中「第二百四十七条、第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条、第三百八十条、第四百十五条及第四百二十八条ノ規定」とあるのは「信用金庫法第四十九条ニ於テ準用スル第二百四十七条、同法第五十二条第三項(同法第五十八条第五項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ於テ準用スル第三百八十条、同法第六十一条ニ於テ準用スル第四百十五条及同法第二十八条ニ於テ準用スル第四百二十八条ノ規定」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第九十一条第一項第十号の四を次のように改める。
十の四 この法律において準用する商法又は準用商法特例法の規定に定める検査又は調査を妨げたとき。
第九十一条第一項第二十号の次に次の二号を加える。
二十の二 第六十二条において準用する商法第三百八十六条の規定による裁判所の財産保全の処分に違反したとき。
二十の三 第六十二条において準用する商法第三百九十八条第一項の規定により裁判所が選任した管理人に事務の引渡しをしないとき。
(労働金庫法の一部改正)
第十条 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六十六条」を「第六十五条」に、「第八章 解散及び清算(第六十七条・第六十八条)」を「第八章 整理、解散及び清算(第六十六条―第六十八条)」に改める。
第八章の章名を削る。
第六十五条の次に次の章名を付する。
第八章 整理、解散及び清算
第六十六条を次のように改める。
(整理)
第六十六条 金庫の整理については、商法第三百八十一条から第三百八十五条まで(整理の開始、登記、破産手続等の中止及び失効、競売手続の中止並びに時効の停止)、第三百八十六条(第一項第二号を除く。)(整理実行のために裁判所のする処分)、第三百八十七条から第三百九十一条まで(処分に関する登記又は登録、検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)、第三百九十四条から第四百条まで(損害賠償請求権の査定、監督命令、管理命令、整理終結の決定、整理終結等に伴う登記又は登録)、第四百二条(破産手続の開始)及び第四百三条(破産法の規定の準用)の規定並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ二十四から第百三十五条ノ三十八まで、第百三十五条ノ四十一、第百三十五条ノ四十二及び第百三十五条ノ四十七から第百三十五条ノ六十二までの規定(会社の整理に関する事件)を準用する。この場合において、商法第三百八十一条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」とあるのは「総会員(個人会員ヲ除ク)ノ百分ノ三以上ノ会員ニシテ六月前ヨリ引続キ会員デアル者又ハ登記ヲ為シタル出資ノ総額ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」と、同法第三百八十九条第二号中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三又ハ第二百八十条ノ十三ノ二」とあるのは「労働金庫法第三十七条第一項(同法第四十二条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」と、同法第三百九十八条第二項中「第二百四十七条、第二百八十条ノ十五、第三百六十三条、第三百七十二条、第三百八十条、第四百十五条及第四百二十八条ノ規定」とあるのは「労働金庫法第五十四条ニ於テ準用スル第二百四十七条、同法第五十七条第三項(同法第六十二条第五項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ於テ準用スル第三百八十条、同法第六十五条ニ於テ準用スル第四百十五条及同法第二十八条ニ於テ準用スル第四百二十八条ノ規定」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第百一条第一項第十号の二を次のように改める。
十の二 この法律において準用する商法又は準用商法特例法の規定に定める検査又は調査を妨げたとき。
第百一条第一項第十九号の次に次の二号を加える。
十九の二 第六十六条において準用する商法第三百八十六条の規定による裁判所の財産保全の処分に違反したとき。
十九の三 第六十六条において準用する商法第三百九十八条第一項の規定により裁判所が選任した管理人に事務の引渡しをしないとき。
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正)
第十一条 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
目次中
第二節
預金保険機構の権限(第百六十五条―第百七十七条)
第三節
投資者保護基金の権限(第百七十七条の二―第百七十七条の十四)
第二節
預金保険機構の権限(第百六十五条―第百七十七条の二)
第三節
投資者保護基金の権限(第百七十七条の二の二―第百七十七条の十四)
第四章の二
金融機関等の再生手続の特例
第一節
監督庁による再生手続開始の申立て等(第百七十八条―第百七十八条の七)
第二節
預金保険機構の権限(第百七十八条の八―第百七十八条の二十四)
第三節
投資者保護基金の権限(第百七十八条の二十五―第百七十八条の四十)
に、「第百七十八条」を「第百七十八条の四十一」に改める。
第一条中「更生手続」の下に「、再生手続」を加える。
第二条第五項を次のように改める。
5 この法律において「預金等債権」とは、預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第二項に規定する預金等(政令で定めるものを除く。)に係る債権をいう。
第二十四条第一項中「(同条第四項を除く。)」を削り、「「更生手続開始の登記」とあるのは「更生計画認可の登記」と、「整理開始又は特別清算開始の登記」とあるのは「破産の登記又は再生手続開始の登記」と、同条第三項中「更生手続開始決定取消の登記」とあるのは「更生計画認可の取消しの登記」」を「「整理開始又は特別清算開始」とあるのは「整理開始」」に改める。
第二十六条中「(第四項を除く。)」を削る。
第二十七条中「「更生計画認可」」を「「更生手続開始によつて効力を失つた整理の手続におけるその手続開始の命令、更生計画認可」」に改める。
第三十一条中「「再生手続、整理手続、」を「「整理手続、」に、「「再生手続」」を「「整理手続」」に改め、「、再生手続」を削り、「又は再生手続」を「又は整理手続」に改める。
第四十五条中「中止し、」及び「は、その効力を失う」を削り、「中止する」を「整理手続」に改める。
第四十八条第一項第二号中「若しくは更生手続開始」を「、更生手続開始若しくは整理開始」に改め、同条第二項中「、更生手続開始」を削り、「若しくは更生手続開始」を「若しくは整理開始」に改める。
第四十九条第一項中「若しくは更生手続開始」を「、更生手続開始若しくは整理開始」に改める。
第八十三条中「、更生手続開始」を削り、「若しくは更生手続開始」を「若しくは整理開始」に改める。
第百六十一条第二項中「内閣総理大臣(労働金庫については、内閣総理大臣及び厚生労働大臣。第百七十八条第二項において同じ。)」を「監督庁」に改める。
第百六十七条第五項中「(昭和四十六年法律第三十四号)」を削り、「第四項」を「第三項」に、「第八十一条の二」を「第七十条」に改める。
第四章第三節中第百七十七条の二を第百七十七条の二の二とし、同章第二節中第百七十七条の次に次の一条を加える。
(預金等の払戻しの許可)
第百七十七条の二 更生手続開始の決定があった金融機関に対し預金保険法第百二十七条第一項の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、会社更生法第百十二条(第五十七条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、裁判所は、管財人の申立てにより、預金保険法第百二十七条第一項の預金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間(当該期間の末日は、裁判所の定めた届出期間の末日より前の日でなければならないものとする。)を定めなければならない。
3 裁判所は、前項の規定により、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間を定めるときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
第百七十八条第二項中「内閣総理大臣」を「監督庁」に改め、同条を第百七十八条の四十一とする。
第四章の次に次の一章を加える。
第四章の二 金融機関等の再生手続の特例
第一節 監督庁による再生手続開始の申立て等
(再生手続開始の申立て等)
第百七十八条 監督庁は、金融機関に破産の原因たる事実の生ずるおそれがあるときは、裁判所に対し、再生手続開始の申立てをすることができる。
2 第百六十一条第二項の規定は、監督庁が前項の規定によりする金融機関の再生手続開始の申立てについて準用する。
3 第一項の規定により監督庁が再生手続開始の申立てをするときは、民事再生法第二十三条第一項の規定は、適用しない。
(監督庁への通知)
第百七十八条の二 金融機関について再生手続開始の申立てがあったとき(前条第一項の規定により監督庁が再生手続開始の申立てをしたときを除く。)は、裁判所は、監督庁にその旨を通知しなければならない。
(他の手続の中止命令等の申立て等)
第百七十八条の三 金融機関について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第二十六条第一項、第二十七条第一項、第三十条第一項(これらの規定を同法第三十六条第二項において準用する場合を含む。)及び第七十九条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)に規定する申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第九条前段の規定にかかわらず、同法第二十六条第一項の規定による中止の命令、同条第二項の規定による決定及び同条第三項の規定による取消しの命令、同法第二十七条第一項の規定による禁止の命令、同条第三項の規定による決定及び同条第四項の規定による取消しの命令、同法第二十九条第一項の申立てについての裁判、同法第三十条第一項の規定による保全処分及び同条第二項の規定による決定並びに同法第七十九条第一項の処分及び同条第四項の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(担保権の実行としての競売手続の中止命令の申立て)
第百七十八条の四 金融機関について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、再生手続開始の決定前に限り、民事再生法第三十一条第一項に規定する申立てをすることができる。
(管理命令の申立て等)
第百七十八条の五 金融機関について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第六十四条第一項に規定する申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第九条前段の規定にかかわらず、同法第六十四条第一項の処分及び同条第四項の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(再生手続開始申立棄却に対する抗告)
第百七十八条の六 監督庁は、民事再生法第九条前段の規定にかかわらず、第百七十八条第一項の規定による再生手続開始の申立てを棄却する裁判に対して、同法第三十六条第一項の即時抗告をすることができる。
(事業の譲渡に関する信用金庫法等の特例)
第百七十八条の七 民事再生法第四十三条の規定は、協同組織金融機関について準用する。この場合において、同条第一項中「株式会社」とあるのは「協同組織金融機関」と、「営業の全部又は重要な一部の譲渡」とあるのは「事業の全部又は一部の譲渡」と、「商法第二百四十五条第一項」とあるのは「信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第四十八条及び第五十八条第一項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第五十三条及び第五十七条の三第一項並びに労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第五十三条及び第六十二条第一項」と、「株主総会の決議」とあるのは「総会又は総代会の議決」と、同条第二項及び第六項中「株主」とあるのは「会員又は組合員」と、同条第四項中「株主」とあるのは「会員若しくは組合員」と、「株主名簿」とあるのは「会員名簿若しくは組合員名簿」と読み替えるものとする。
第二節 預金保険機構の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第百七十八条の八 裁判所は、金融機関について再生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、民事再生法第三十四条の規定により定める再生債権の届出をすべき期間について、機構の意見を聴かなければならない。
(送達の特例)
第百七十八条の九 金融機関について民事再生法第二十八条第一項(同法第三十六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、再生債権者である預金者等に対しては、同法第二十八条第一項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第二十八条第一項の決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
第百七十八条の十 金融機関について再生手続開始の決定をしたときは、再生債権者である預金者等に対しては、民事再生法第三十五条第二項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第三十五条第一項に規定する事項を記載した書面を送達しなければならない。
3 金融機関の再生手続において、第百七十八条の十二第一項の規定による預金者表の提出があるまでに、民事再生法第三十四条の規定により定めた期間に変更を生じた場合又は再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、再生債権者である預金者等であって同法第九十四条第一項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第三十五条第三項において準用する同条第二項又は同法第三十七条の規定による送達は、することを要しない。
4 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第三十四条により定めた期間について生じた変更の内容又は再生手続開始の決定を取り消す決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
(預金者表の作成及び縦覧等)
第百七十八条の十一 機構は、前条第二項の規定による送達を受けたときは、遅滞なく、知れている再生債権である預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)について、民事再生法第九十九条第二項に規定する事項を記載した預金者表を作成しなければならない。
2 機構は、預金者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日までの間、預金者表を預金者等の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による預金者表の縦覧の開始の日は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日の二週間以上前の日でなければならない。
4 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該預金者表に、当該預金等債権に係る第一項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該預金者表に記載されている預金等債権について当該預金等債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該預金者表に記載されている預金者等の承諾を得て、当該預金者等に係る預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該預金者表に記載されている預金者等に係る預金等債権を、預金保険法第五十八条第一項若しくは第三項の規定により取得し、又は同法第七十条の規定により買い取った場合において、当該預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該預金者等の承諾を要しない。
(預金者表の提出)
第百七十八条の十二 機構は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日に、前条の規定により作成した預金者表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第四項前段の規定は、機構が、預金者表を裁判所に提出した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるもの及び既に預金者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加は、再生計画案について決議をするための債権者集会を招集する旨の決定又は再生計画案を書面による決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 機構は、第一項の規定による預金者表の提出又は第二項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加をする場合においては、民事再生法第九十四条第一項に規定する事項(前条第一項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5 金融機関の再生手続についての民事再生法第十七条第一項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)」とする。
(預金者表提出の効果)
第百七十八条の十三 民事再生法の規定の適用については、前条第一項の規定により提出された預金者表に記載されている預金等債権(預金者等が当該提出があるまでに同法第九十四条第一項の規定により届け出たものを除く。)については裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間内に届出があったものと、前条第二項において準用する第百七十八条の十一第四項前段の規定による記載の追加に係る預金等債権については同法第九十五条第一項の規定による届出の追完があったものとみなす。
(預金者等の参加)
第百七十八条の十四 前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる預金等債権(機構が民事再生法第九十六条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら再生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、再生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを機構に通知しなければならない。
4 参加の届出をした預金者等は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該預金者等に係る預金等債権の全部をもって自ら再生手続に参加するものとする。
(預金保険機構の権限)
第百七十八条の十五 機構は、第百七十八条の十三の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる預金等債権に係る債権者(参加の届出をした預金者等を除く。以下この節において「機構代理預金者」という。)のために、当該機構代理預金者に係る預金等債権(以下この節において「機構代理債権」という。)をもって、再生手続に属する一切の行為(再生債権の調査期間内において、機構が異議を述べた機構代理債権に係る再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は機構代理債権に係る再生債権の確定に関する査定の申立てを取り下げ、若しくは機構代理債権に係る再生債権の確定に関する訴訟において、民事訴訟法第三十二条第二項第一号若しくは第二号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該機構代理債権に係る機構代理預金者の授権がなければならない。
(預金保険機構の義務)
第百七十八条の十六 機構は、機構代理預金者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 機構は、機構代理預金者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第百七十八条の十七 機構は、機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第百七十八条の十二第三項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第一項の規定による変更は、民事再生法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第九十五条第五項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第百七十八条の十八 機構代理債権に係る民事再生法第百三条第一項に規定する特別調査期間(以下この条において「特別調査期間」という。)に関する費用は、機構の負担とする。ただし、機構は、同法第百三十三条の規定により原状に復した預金等債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、機構代理預金者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第百七十八条の十九 再生債権の調査において、機構代理債権の内容について再生債務者等(民事再生法第二条第二号に規定する再生債務者等をいう。第百七十八条の二十四第一項において同じ。)が認めず、又は届出再生債権者(同法第百二条第一項に規定する届出再生債権者をいう。)が異議を述べた場合(機構が当該機構代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、機構は、遅滞なく、その旨を当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
2 再生債権の調査において、機構が機構代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所は、これを当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
(債権者集会)
第百七十八条の二十 裁判所は、金融機関の再生手続における債権者集会の期日には、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の満了前においても、機構を呼び出さなければならない。
(債権者委員会)
第百七十八条の二十一 機構が第百七十八条の十二第一項の規定による預金者表の提出をする前における民事再生法第百十八条第一項の規定の適用については、同項中「再生債権者をもって」とあるのは、「再生債権者(預金保険機構を含む。)をもって」とする。
2 第百七十八条の十六の規定は、機構が民事再生法第百十八条第二項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第百七十八条の十六中「機構代理預金者」とあるのは、「預金等債権に係る債権者」と読み替えるものとする。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第百七十八条の二十二 機構は、民事再生法第百七十一条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第二百一条第二項の債権者集会において機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、当該債権者集会の第一期日の二週間前までに、賛成しようとする再生計画の内容を機構代理預金者に通知するとともに公告しなければならない。
2 機構は、民事再生法第百七十二条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)の書面による決議において機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、同法第百七十二条第二項に規定する回答期間の末日の二週間前までに、同意しようとする再生計画案の内容を機構代理預金者に通知するとともに公告しなければならない。
3 機構は、機構代理預金者のために民事再生法第二百条第一項又は同法第二百六条第一項の再生計画案についての同意並びに再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについての同意をしようとするときは、その二週間前までに、当該再生計画案の内容を機構代理預金者に通知するとともに公告しなければならない。
(預金保険機構がする通知等)
第百七十八条の二十三 第百七十八条の十九第一項及び前条の規定による通知は、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。
2 前項の規定により書類を通常の取扱いによる郵便に付して発送した場合においては、その郵便物が通常到達すべきであった時に、通知があったものとみなす。
3 民事再生法第十条第一項及び第二項の規定は、第百七十八条の十一第二項及び前条の規定による公告について準用する。
(預金等の払戻しの許可)
第百七十八条の二十四 再生手続開始の決定があった金融機関に対し預金保険法第百二十七条第一項の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、民事再生法第八十五条第一項の規定にかかわらず、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、預金保険法第百二十七条第一項の預金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間(当該期間の末日は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日より前の日でなければならないものとする。)を定めなければならない。
3 裁判所は、前項の規定により、払戻しを行う預金等の種別、払戻しの限度額及び払戻しをする期間を定めるときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
第三節 投資者保護基金の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第百七十八条の二十五 裁判所は、証券会社について再生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、民事再生法第三十四条の規定により定める再生債権の届出をすべき期間について、基金の意見を聴かなければならない。
(送達の特例)
第百七十八条の二十六 証券会社について民事再生法第二十八条第一項(同法第三十六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、再生債権者である顧客に対しては、同法第二十八条第一項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第二十八条第一項の決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
第百七十八条の二十七 証券会社について再生手続開始の決定をしたときは、再生債権者である顧客に対しては、民事再生法第三十五条第二項の規定による送達は、することを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第三十五条第一項に規定する事項を記載した書面を送達しなければならない。
3 証券会社の再生手続において、第百七十八条の二十九第一項の規定による顧客表の提出があるまでに、民事再生法第三十四条の規定により定めた期間に変更を生じた場合又は再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、再生債権者である顧客であって同法第九十四条第一項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第三十五条第三項において準用する同条第二項又は同法第三十七条の規定による送達は、することを要しない。
4 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第三十四条により定めた期間について生じた変更の内容又は再生手続開始の決定を取り消す決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。
(顧客表の作成及び縦覧等)
第百七十八条の二十八 基金は、前条第二項の規定による送達を受けたときは、遅滞なく、知れている再生債権である顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)について、民事再生法第九十九条第二項に規定する事項を記載した顧客表を作成しなければならない。
2 基金は、顧客表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日までの間、顧客表を顧客の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による顧客表の縦覧の開始の日は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日の前日の二週間以上前の日でなければならない。
4 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該顧客表に、当該顧客債権に係る第一項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該顧客表に記載されている顧客債権について当該顧客債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後でも、当該顧客表に記載されている顧客の承諾を得て、当該顧客に係る顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該顧客表に記載されている顧客に係る顧客債権を、証券取引法第七十九条の五十七第四項の規定により取得した場合において、当該顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うときは、当該顧客の承諾を要しない。
(顧客表の提出)
第百七十八条の二十九 基金は、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の末日に、前条の規定により作成した顧客表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第四項前段の規定は、基金が、顧客表を裁判所に提出した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるもの及び既に顧客が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加は、再生計画案について決議をするための債権者集会を招集する旨の決定又は再生計画案を書面による決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 基金は、第一項の規定による顧客表の提出又は第二項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加をする場合においては、民事再生法第九十四条第一項に規定する事項(前条第一項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5 証券会社の再生手続についての民事再生法第十七条第一項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)」とする。
(顧客表提出の効果)
第百七十八条の三十 民事再生法の規定の適用については、前条第一項の規定により提出された顧客表に記載されている顧客債権(顧客が当該提出があるまでに同法第九十四条第一項の規定により届け出たものを除く。)については裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間内に届出があったものと、前条第二項において準用する第百七十八条の二十八第四項前段の規定による記載の追加に係る顧客債権については同法第九十五条第一項の規定による届出の追完があったものとみなす。
(顧客の参加)
第百七十八条の三十一 前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる顧客債権(基金が民事再生法第九十六条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら再生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、再生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを基金に通知しなければならない。
4 参加の届出をした顧客は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該顧客に係る顧客債権の全部をもって自ら再生手続に参加するものとする。
(投資者保護基金の権限)
第百七十八条の三十二 基金は、第百七十八条の三十の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる顧客債権に係る債権者(参加の届出をした顧客を除く。以下この節において「基金代理顧客」という。)のために、当該基金代理顧客に係る顧客債権(以下この節において「基金代理債権」という。)をもって、再生手続に属する一切の行為(再生債権の調査期間内において、基金が異議を述べた基金代理債権に係る再生債権の確定に関する査定又は訴訟に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、基金代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の不利益となる変更を加えようとするとき、又は基金代理債権に係る再生債権の確定に関する査定の申立てを取り下げ、若しくは基金代理債権に係る再生債権の確定に関する訴訟において、民事訴訟法第三十二条第二項第一号若しくは第二号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該基金代理債権に係る基金代理顧客の授権がなければならない。
(投資者保護基金の義務)
第百七十八条の三十三 基金は、基金代理顧客のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 基金は、基金代理顧客に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第百七十八条の三十四 基金は、基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第百七十八条の二十九第三項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第一項の規定による変更は、民事再生法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第九十五条第五項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第百七十八条の三十五 基金代理債権に係る民事再生法第百三条第一項に規定する特別調査期間(以下この条において「特別調査期間」という。)に関する費用は、基金の負担とする。ただし、基金は、同法第百三十三条の規定により原状に復した顧客債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、基金代理顧客に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第百七十八条の三十六 再生債権の調査において、基金代理債権の内容について再生債務者等(民事再生法第二条第二号に規定する再生債務者等をいう。)が認めず、又は届出再生債権者(同法第百二条第一項に規定する届出再生債権者をいう。)が異議を述べた場合(基金が当該基金代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、基金は、遅滞なく、その旨を当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
2 再生債権の調査において、基金が基金代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所は、これを当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
(債権者集会)
第百七十八条の三十七 裁判所は、証券会社の再生手続における債権者集会の期日には、裁判所の定めた再生債権の届出をすべき期間の満了前においても、基金を呼び出さなければならない。
(債権者委員会)
第百七十八条の三十八 基金が第百七十八条の二十九第一項の規定による顧客表の提出をする前における民事再生法第百十八条第一項の規定の適用については、同項中「再生債権者をもって」とあるのは、「再生債権者(投資者保護基金を含む。)をもって」とする。
2 第百七十八条の三十三の規定は、基金が民事再生法第百十八条第二項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第百七十八条の三十三中「基金代理顧客」とあるのは、「顧客債権に係る債権者」と読み替えるものとする。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第百七十八条の三十九 基金は、民事再生法第百七十一条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第二百一条第二項の債権者集会において基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、当該債権者集会の第一期日の二週間前までに、賛成しようとする再生計画の内容を基金代理顧客に通知するとともに公告しなければならない。
2 基金は、民事再生法第百七十二条第一項(同法第百八十七条第二項において準用する場合を含む。)の書面による決議において基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、同法第百七十二条第二項に規定する回答期間の末日の二週間前までに、同意しようとする再生計画案の内容を基金代理顧客に通知するとともに公告しなければならない。
3 基金は、基金代理顧客のために民事再生法第二百条第一項又は同法第二百六条第一項の再生計画案についての同意並びに再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについての同意をしようとするときは、その二週間前までに、当該再生計画案の内容を基金代理顧客に通知するとともに公告しなければならない。
(投資者保護基金がする通知等)
第百七十八条の四十 第百七十八条の三十六第一項及び前条の規定による通知は、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。
2 前項の規定により書類を通常の取扱いによる郵便に付して発送した場合においては、その郵便物が通常到達すべきであった時に、通知があったものとみなす。
3 民事再生法第十条第一項及び第二項の規定は、第百七十八条の二十八第二項及び前条の規定による公告について準用する。
第百八十一条中「第百七十八条第一項」を「第百七十八条の四十一第一項」に改める。
第百八十四条第五項中「第四項」を「第三項」に、「第八十一条の二」を「第七十条」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第四条第一項の規定 公布の日
二 第一条、第二条、第四条及び第五条並びに附則第二条、第三条、第四条第二項、第十三条、第十八条、第十九条、第二十三条及び第二十四条の規定 公布の日から起算して、一月を超えない範囲内において政令で定める日
三 附則第二十二条の規定(中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)第五十三条の改正規定に限る。) 平成十二年七月一日
四 附則第十条第一項、第十四条及び第二十二条の規定(中央省庁等改革関係法施行法第五十三条の改正規定を除く。) 平成十三年一月六日
(経過措置)
第二条 前条第二号の政令で定める日(以下「政令で定める施行日」という。)前に第一条の規定による改正後の預金保険法(以下「新預金保険法」という。)第四十九条第二項に規定する保険事故が発生している連合会(新預金保険法第二条第一項第六号から第八号までに掲げる者をいう。以下この条及び次条において同じ。)その他これに準ずるものとして政令で定める連合会については、新預金保険法の規定は適用しない。
2 前項の連合会のうち、政令で定める施行日以後にその事業及び財産の状況が再び正常になったと認められるもので、金融再生委員会及び大蔵大臣(労働金庫連合会にあっては、金融再生委員会及び大蔵大臣並びに労働大臣)が指定するものについては、その指定をした日から、新預金保険法の規定を適用する。
第三条 連合会は、新預金保険法第五十条第一項の規定にかかわらず、政令で定める施行日から起算して一月以内に、政令で定める施行日を含む事業年度において納付すべき保険料を納付しなければならない。
2 前項の保険料の額については、新預金保険法第五十一条第一項中「当該保険料を納付すべき日」とあるのは「預金保険法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十三号)第一条の規定の施行の日」と、「月数」とあるのは「月数のうち同日を含む月以後の月数」とする。
第四条 預金保険機構(以下「機構」という。)は、政令で定める施行日前に、第一条の規定による改正前の預金保険法(以下「旧預金保険法」という。)附則第七条第一項に規定する協定銀行(次項において「協定銀行」という。)との間で新預金保険法附則第七条第一項の規定の例による協定(以下「新協定」という。)を、政令で定める施行日以後その効力が生ずるものとして締結するものとする。この場合において、旧預金保険法附則第七条第一項の規定により締結された協定(次項において「旧協定」という。)は、政令で定める施行日以後その効力を失うものとする。
2 前項の場合において、政令で定める施行日前に旧協定の定めにより協定銀行が行った旧預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託は、協定銀行と機構との間で新協定に基づき別途の取扱いをするものを除き、それぞれ、新協定の定めにより協定銀行が行った新預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託とみなす。
第五条 第六条の規定による改正後の預金保険法(次条並びに附則第七条、第九条及び第十条において「新々預金保険法」という。)第四十条第三項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に終了する事業年度に係る同項に規定する書類について適用し、施行日前に終了した事業年度に係る同項に規定する書類については、なお従前の例による。
第六条 新々預金保険法第五十四条及び新々預金保険法附則第六条の二の規定は、施行日以後に発生する新々預金保険法第四十九条第二項に規定する保険事故(以下この条及び附則第九条において「保険事故」という。)に係る保険金の計算について適用し、施行日前に発生した保険事故に係る保険金の計算については、なお従前の例による。
第七条 新々預金保険法第三章第四節の規定は、施行日以後に新々預金保険法第六十四条第一項の資金援助を行う旨の決定をする場合における当該決定に係る資金援助について適用し、施行日前に第六条の規定による改正前の預金保険法第六十四条第一項の資金援助を行う旨の決定をした場合における当該決定に係る資金援助については、なお従前の例による。
第八条 施行日前に第六条の規定による改正前の預金保険法第六十八条第一項に規定する緊急性の認定が行われた場合における当該認定に係る合併又は営業譲渡等については、なお従前の例による。
第九条 新々預金保険法第四章の規定及び新々預金保険法附則第十七条の規定は、施行日以後に発生した保険事故に係る預金等債権(新々預金保険法第七十条第一項に規定する預金等債権をいう。以下この条において同じ。)について適用し、施行日前に発生した保険事故に係る預金等債権については、なお従前の例による。
第十条 機構は、施行日前に、第六条の規定による改正前の預金保険法附則第七条第一項に規定する協定銀行(次項において「協定銀行」という。)との間で新々預金保険法附則第七条第一項の規定の例による協定(次項において「新々協定」という。)を、施行日以後その効力が生ずるものとして締結するものとする。この場合において、第六条の規定による改正前の預金保険法附則第七条第一項の規定により締結された協定は、施行日以後その効力を失うものとする。
2 前項の場合において、施行日前に第六条の規定による改正前の預金保険法附則第七条第一項の規定により締結された協定の定めにより協定銀行が行った第六条の規定による改正前の預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託は、協定銀行と機構との間で新々協定に基づき別途の取扱いをするものを除き、それぞれ、新々協定の定めにより協定銀行が行った新々預金保険法附則第八条第一項第一号の申込み、協定銀行と機構との間で締結された同号の契約及び同項第二号の委託の契約、機構がした同項第三号から第五号までの承認並びに協定銀行がした同項第八号の委託とみなす。
3 新々預金保険法附則第八条第一項第二号の二及び第十条の二の規定は、施行日以後に生じた新々預金保険法附則第八条第一項第二号の二に規定する利益及び新々預金保険法附則第十条の二に規定する損失について適用し、施行日前に生じた当該利益及び損失については、なお従前の例による。
第十一条 信託会社が第七条の規定の施行の際現に信託財産として所有する同条の規定による改正後の信託業法(以下この条において「新信託業法」という。)第十条第二項に規定する登録社債等(次に掲げる要件のいずれをも満たすものに限る。)については、施行日において当該信託会社が当該登録社債等につき信託の登録を受けたものとみなして、信託法(大正十一年法律第六十二号)第三条第一項の規定を適用する。この場合において、信託会社が信託の本旨に反して当該信託財産を処分したときは、受益者は、同法第三十一条ただし書の規定にかかわらず、処分の相手方及び転得者においてその処分が信託の本旨に反することを知っていたとき又は重大な過失によってこれを知らなかったときに限り同条の規定による取消しをすることができる。
一 当該登録社債等につき、施行日前に、当該信託会社が、社債等登録法(昭和十七年法律第十一号)第五条の移転の登録を、新信託業法第十条第二項に規定する内閣府令、法務省令の定めるところと同一の方法により信託財産である旨を明示して行っていたこと。
二 当該登録社債等につき、前号の移転の登録をした時から施行日の前日までの間に他の登録(社債等登録法第五条の担保権の登録その他の内閣府令、法務省令で定める登録を除く。)がなされていないこと。
三 この法律の施行の際、内閣府令、法務省令で定めるところにより当該登録社債等が信託財産であることが明示されていること。
2 信託会社が第七条の規定の施行の際現に信託財産として所有する新信託業法第十条第三項に規定する登録国債(次に掲げる要件のいずれをも満たすものに限る。)については、施行日において当該信託会社が当該登録国債につき信託の登録を受けたものとみなして、信託法第三条第一項の規定を適用する。この場合において、信託会社が信託の本旨に反して当該信託財産を処分したときは、受益者は、同法第三十一条ただし書の規定にかかわらず、処分の相手方及び転得者においてその処分が信託の本旨に反することを知っていたとき又は重大な過失によってこれを知らなかったときに限り同条の規定による取消しをすることができる。
一 当該登録国債につき、施行日前に、当該信託会社が、国債に関する法律(明治三十九年法律第三十四号)第三条の移転の登録を、新信託業法第十条第三項に規定する内閣府令、財務省令の定めるところと同一の方法により信託財産である旨を明示して行っていたこと。
二 当該登録国債につき、前号の移転の登録をした時から施行日の前日までの間に他の登録(国債に関する法律第三条の質権の登録その他の内閣府令、財務省令で定める登録を除く。)がなされていないこと。
三 この法律の施行の際、内閣府令、財務省令で定めるところにより当該登録国債が信託財産であることが明示されていること。
第十二条 第十一条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四章の二の規定は、施行日前に金融機関(同条の規定による改正前の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下この条において「旧更生特例法」という。)第二条第三項に規定する金融機関をいう。)又は証券会社(旧更生特例法第二条第四項に規定する証券会社をいう。)について再生手続の申立てがあった事件については、適用しない。
(地方自治法の一部改正)
第十三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律(平成四年法律第七十六号)の項の次に次のように加える。
協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)
この法律(第四十五条の二第五項を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務
第十四条 地方自治法の一部を次のように改正する。
別表第一協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)の項中「第四十五条の二第五項」を「第四十五条の二第三項」に改める。
(証券取引法の一部改正)
第十五条 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第七十九条の四十九第六号中「及び第五章」を「から第五章まで」に改める。
第七十九条の五十三第四項中「第百七十八条第一項」を「第百七十八条の四十一第一項」に改める。
(地方税法の一部改正)
第十六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十三条第一項第十四号イ及びト中「第八十一条の二第一項」を「第七十条第一項」に、「第八十一条の五第一項」を「第七十三条第一項」に、「第八十一条の二第二項ただし書」を「第七十条第二項ただし書」に、「第八十一条の五第二項」を「第七十三条第二項」に改める。
(特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の一部改正)
第十七条 特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(平成八年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第九条第三項中「第三十四条に規定する業務に係る勘定」を「第四十一条に規定する一般勘定」に、「同条第三号」を「同法第三十四条第三号」に改める。
第十二条第七号の二を削る。
第十二条の二第一項中「協定銀行」の下に「(預金保険法附則第七条第一項第一号に規定する協定銀行をいう。次項において同じ。)」を加える。
第三十一条中「第五十一条第二項中「業務」の下に「(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」を、「含むものとし、」の下に「第四十条の二第二号に掲げる業務及び」を加え、「第九十一条第一号」を「第百五十一条第一号」に改める。
(債権管理回収業に関する特別措置法の一部改正)
第十八条 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第一号ロからニまでを削り、同号ホを同号ロとし、同号ヘを同号ハとし、同号トを同号ニとし、同号チを同号ホとし、同号リを同号へとし、同号ヌを同号トとし、同号ルを同号チとし、同号ヲ中「イからルまで」を「イからチまで」に改め、同号ヲを同号リとする。
(金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律の一部改正)
第十九条 金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律(平成十年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「、信用金庫連合会、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会、労働金庫連合会」を削る。
(金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第二十条 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を次のように改正する。
第二十条中「第三百九十八条」の下に「(これらの規定を信用金庫法第六十二条、協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の二第四項及び労働金庫法第六十六条において準用する場合を含む。)」を加える。
第五十三条第三項中「破綻金融機関との」を「破綻金融機関等(破綻金融機関、承継銀行又は特別危機管理銀行をいう。以下同じ。)との」に、「又は破綻金融機関」を「若しくは破綻金融機関等」に改め、「営業」の下に「又は引き受けた預金等に係る債務」を加え、「並びに破綻金融機関又は特例資産譲受人等から」を「並びに附則第十条第一項の規定による委託を受けて」に改め、「(第二条第一項第一号に掲げる銀行をいう。以下この条及び次条において同じ。)」を削る。
第五十四条第二項中「、同項第八号の二中「前号」とあるのは「金融機能再生緊急措置法第五十四条第二項において準用する前号」と」を削る。
第五十八条中「附則第十五条第一項」を「附則第十五条」に改め、「、同条第二項中「附則第八条第一項第八号の二」とあるのは「金融機能再生緊急措置法第五十四条第二項において準用する附則第八条第一項第八号の二」と」を削る。
第六十五条第四項中「第四十二条第三項」を「第四十二条第一項」に、「同条第四項から第八項まで」を「同条第五項から第九項まで」に改める。
第七十一条中「「業務」」を「「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」」に改め、「業務(」の下に「第四十条の二第二号に掲げる業務及び」を加え、「第九十一条第一号」を「第百五十一条第一号」に改め、「、「認可を受けなければならない」とあるのは「認可を受け、又は承認を得なければならない」と、「認可を受けなかつた」とあるのは「認可を受けず、又は承認を得なかつた」と」を削る。
第七十二条第六項後段を削る。
(金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部改正)
第二十一条 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を次のように改正する。
第四条第二項中「承認に係る株式等の引受け等」の下に「(預金保険法第五十九条第一項に規定する資金援助に係る同項の合併等に係るものを除く。)」を加える。
第十六条第四項中「第四十二条第三項」を「第四十二条第一項」に、「同条第四項から第八項まで」を「同条第五項から第九項まで」に改める。
第十九条中「「業務」」を「「業務(第四十条の二第二号に掲げる業務を除く。)」」に改め、「業務(」の下に「第四十条の二第二号に掲げる業務及び」を加え、「第九十一条第一号」を「第百五十一条第一号」に改め、「、「認可を受けなければならない」とあるのは「認可を受け、又はその承認を得なければならない」と、「認可を受けなかつた」とあるのは「認可を受けず、又はその承認を得なかつた」と」を削る。
(中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)
第二十二条 中央省庁等改革関係法施行法の一部を次のように改正する。
第五十三条のうち協同組織金融機関の優先出資に関する法律の改正規定中「第四十五条の二(見出しを含む。)中「金融監督庁長官」を「金融庁長官」に改める」を「第四十五条の二及び第四十五条の三中「金融監督庁長官」を「金融庁長官」に改める」に改める。
第百四十九条のうち預金保険法の改正規定中「附則第八条、第九条から第十一条まで、第十六条及び第十七条中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に改める」を「附則第六条の三、第六条の四、第八条、第九条から第十一条まで、第十六条及び第十七条中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に改める」に、「附則第十九条の四第五項中「大蔵省令」を「財務省令」に改める」を「附則第十九条の四第六項中「大蔵省令」を「財務省令」に改める」に改め、同条の次に次の改正規定を加える。
(預金保険法等の一部を改正する法律の一部改正)
第百四十九条の二 預金保険法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第二項中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に改める。
第百五十八条のうち、協同組織金融機関の優先出資に関する法律の改正規定中「第四十五条の二中「金融再生委員会の」を「内閣総理大臣の」に、「金融再生委員会規則」を「政令」に改める」を「第四十五条の二第一項中「金融再生委員会の」を「内閣総理大臣の」に、「金融再生委員会規則」を「政令」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項を削り、同条第五項中「労働大臣」を「厚生労働大臣」に改め、同項を同条第三項とする」に改め、同法の改正規定に次のように加える。
第四十五条の三中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に改める。
第四十五条の四中「第四十五条の二第五項」を「第四十五条の二第三項」に改める。
第百六十八条のうち、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の改正規定中「本則(第二条第三項、第八条及び第二十一条を除く。)中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に、「総理府令・労働省令・農林水産省令」を「内閣府令・厚生労働省令・農林水産省令」に改める」を「本則(第二条第三項、第八条、第八条の二及び第二十一条を除く。)中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に、「総理府令・労働省令・農林水産省令」を「内閣府令・厚生労働省令・農林水産省令」に改める」に改め、同法第八条の改正規定の次に次のように加える。
第八条の二第一項各号列記以外の部分中「金融再生委員会は」を「内閣総理大臣は」に、「金融再生委員会規則」を「内閣府令」に改め、同項第三号中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改め、同条第二項各号列記以外の部分中「金融再生委員会は」を「内閣総理大臣は」に、「金融再生委員会規則」を「内閣府令」に改め、同項第三号中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。
(罰則の適用に関する経過措置)
第二十三条 この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第二十四条 附則第二条から第十二条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。
内閣総理大臣 森喜朗
法務大臣 臼井日出男
大蔵大臣 宮沢喜一
農林水産大臣 玉沢徳一郎
労働大臣 牧野隆守
自治大臣 保利耕輔