(地方自治法の一部を改正する法律)
法令番号: 法律第百七十九号
公布年月日: 昭和23年7月20日
法令の形式: 法律
地方自治法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月二十日
内閣総理大臣 芦田均
法律第百七十九号
地方自治法の一部を次のように改正する。
第二條第二項の次に次の二項を加える。
前項の事務を例示すると、概ね次の通りである。但し、法令に特別の定があるときは、この限りでない。
一 地方公共の秩序を維持し、住民及び滯在者の安全、健康及び福祉を保持すること。
二 公園、運動場、廣場、緑地、道路、橋梁、河川、運河、溜池、用排水路、堤防等を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
三 上水道その他の給水事業、下水道事業、電氣事業、ガス事業、電車事業、自動車事業、船舶その他の運輸事業その他企業を経営すること。
四 ドツク、防波堤、波止場、倉庫、上屋その他の海上又は陸上輸送に必要な営造物を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
五 学校、研究所、試驗場、図書館、美術館、物品陳列所、公会堂、劇場、音樂堂その他の教育学藝、文化、勧業に関する営造物を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
六 病院、隔離病舎、療養所、消毒所、産院、住宅、宿泊所、食堂、浴場、共同便所、質屋、授産場、託兒所、養老院、慈善院、少年教護施設、留置場、屠場、じんかい処理場、汚物処理場、火葬場、墓地その他の保健衞生、社会福祉等に関する営造物を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
七 清掃、消毒、美化、騒音防止、風俗又は清潔を汚す行爲の制限その他の保健衞生、風俗のじゆん化に関する事項を処理すること。
八 防犯、防災、罹災者の救護等を行うこと。
九 未成年者、貧困者、病人、老衰者、寡婦、不具者、浮浪者、精神異常者、めいてい者等を救助し若しくは保護し、又は看護すること。
十 森林、牧野、土地、市場、漁場、共同作業場の経営その他公共の福祉を増進するために適当と認められる收益事業を行うこと。
十一 治山治水事業、農地開発事業、耕地整理事業、公有水面埋立事業、都市計画事業、不良地区改良事業その他の土地改良事業を施行すること。
十二 発明改良又は特産物等の保護奨励その他産業の振興に関する事務を行うこと。
十三 史跡、名勝その他の記念物を保護し、又は管理すること。
十四 普通地方公共團体の事務の処理に必要な調査を行い、統計を作成すること。
十五 住民、滯在者その他必要と認める者に関する戸籍、身分証明及び登録等に関する事務を行うこと。
十六 計量器及び各種生産物、家畜等の檢査を行うこと。
十七 法律の定めるところにより、建築物の構造、設備、敷地及び周密度、空地地区、住居、商業、工業その他住民の業態に基く地域等に関し制限を設けること。
十八 法律の定めるところにより、地方公共の目的のために動産及び不動産を使用又は收用すること。
十九 当該普通地方公共團体の区域内の公共的團体等の活動の綜合調整をすること。
二十 法律の定めるところにより、地方税、使用料、手数料、分担金、加入金又は夫役現品を賦課徴收すること。
二十一 基本財産又は減債基金その他積立金穀等を設置し、又は管理すること。
普通地方公共團体は、次に掲げるような國の事務を処理することができない。
一 司法に関する事務
二 刑罰及び國の懲戒に関する事務
三 國の運輸、通信に関する事務
四 郵便に関する事務
五 國立の教育及び研究施設に関する事務
六 國立の病院及び療養施設に関する事務
七 國の航行、氣象及び水路施設に関する事務
八 國立の博物館及び図書館に関する事務
同條第三項の次に次の二項を加える。
地方公共團体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。なお、市町村及び特別区は、当該都道府縣の條例に違反してその事務を処理してはならない。
前項の規定に違反して行つた地方公共團体の行爲は、これを無効とする。
第十二條第一項中「條例」を「條例(地方税、分担金、使用料及び手数料の賦課徴收に関するものを除く。)」に改める。
第十三條第二項中「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第七十四條第一項中「條例」を「條例(地方税、分担金、使用料及び手数料の賦課徴收に関するものを除く。)」に改める。
第八十六條第一項中「選挙権を有する者」を「選挙権を有する者(都道府縣公安委員会の委員については、当該都道府縣國家地方警察の管轄区域内において選挙権を有する者)」に、「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第八十八條第二項中「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第九十二條第二項中「当該普通」を削る。
第九十六條第一項を次のように改める。
普通地方公共團体の議会は、左に掲げる事件を議決しなければならない。
一 條例を設け又は改廃すること。
二 歳入歳出予算を定めること。
三 決算報告を認定すること。
四 法律又は政令に規定するものを除く外、地方税、使用料、手数料、分担金、加入金又は夫役現品の賦課徴收に関すること。
五 法律又は政令に規定するものを除く外、違法に賦課又は徴收された地方税、使用料、手数料、分担金、加入金又は夫役現品の拂戻に関すること。
六 基本財産又は減債基金その他積立金穀等の設置、管理及び処分に関すること。
七 條例で定める財産の取得又は処分及び営造物の設置又は処分をすること。
八 歳入歳出予算を以て定めるものを除く外、あらたに義務の負担をし、負担附寄附又は贈與を受け、及び権利を放棄すること。
九 條例で定める契約を結ぶこと。
十 普通地方公共團体がその当事者である異議の申立、訴願、訴訟、和解、斡旋、調停及び仲裁に関すること。
十一 法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。
十二 普通地方公共團体の区域内の公共的團体等の活動の綜合調整に関すること。
十三 その他法律又は政令により議会の権限に属する事項
第百九條第二項中「選任し、」の下に「條例に特別の定がある場合を除く外、」を加える。
第百十條第三項に次の但書を加える。
但し、議会の議決により特に付議された事件については、閉会中も、なお、これを審査することを妨げない。
第百二十一條中「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第百二十五條中「当該市町村の公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第百四十一條第二項中「当該普通地方公共團体の議会の議員及び地方公共團体の有給の職員」を「地方公共團体の議会の議員及び有給の職員」に改める。
第百七十六條に第一項乃至第三項として次の三項を加える。
普通地方公共團体の議会における條例の制定若しくは改廃又は歳入歳出予算に関する議決について異議があるときは、当該普通地方公共團体の長は、この法律に特別の定があるものを除く外、その議決の日から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。この場合においては、普通地方公共團体の長は、直ちに條例の告示その他必要な措置を講じなければならない。
前項の規定による議決については、出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。
第百九十三條及び第二百一條中「第百七十二條」の下に「第二項及び」を加える。
第百九十五條第三項に次の但書を加える。
但し、市にあつては條例で四人とすることができる。
第二百七條中「及び第百九條第五項」を「並びに第百九條第五項及び第二百十七條第三項」に改める。
第二百十三條に次の六項を加える。
普通地方公共團体は、條例で定める特に重要な財産又は営造物については、当該普通地方公共團体の選挙人の投票においてその過半数の同意が得られないときは、当該財産又は営造物の独占的な利益を與えるような処分又は十年を超える期間にわたる独占的な使用の許可をしてはならない。條例で定めるその他の財産又は営造物について議会において出席議員の三分の二以上の者の同意が得られないときも、また同様とする。
前項の規定は、國又は公共團体に対する処分又は使用の許可については、これを適用しない。
第二項の投票を行うべき場合において、その旨の当該普通地方公共團体の長の通知があつたときは、選挙管理委員会は、その日から六十日以内に、これを選挙人の賛否の投票に付さなければならない。
前項の投票の結果が判明したときは、選挙管理委員会は、直ちにこれを当該普通地方公共團体の長に通知し、且つ、これを公表しなければならない。
政令で特別の定をするものを除く外、第四章の規定は、第四項の規定による投票にこれを準用する。
第四項の投票は、政令の定めるところにより、普通地方公共團体の選挙又は第七十六條第三項の規定による解散の投票若しくは第八十條第三項及び第八十一條第二項の規定による解職の投票と同時にこれを行うことができる。
第二百十七條に次の二項を加える。
分担金を徴收する條例は、普通地方公共團体の議会又はその常任委員会において予め公聽会を開き、眞に利害関係を有する者又は学識経驗を有する者等から意見を聽かなければ、これを設け又は改正することができない。
前項の公聽会を開く場合においては、その開催の日前二十日までに、開催の日時、場所及び案件を適当な方法で公表しなければならない。新聞紙で公表する場合においては、その日から七日目ごとに、また、同様公表しなければならない。
第二百四十三條第一項の次に次の一項を加える。
財産の賣却、譲渡及び貸與、工事の請負並びに物件、労力その他の供給に関する普通地方公共團体の議会の議決で條例で定めるその重要なものについては、出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。
第二百四十三條の二 普通地方公共團体の住民は、当該普通地方公共團体の長、出納長若しくは收入役又はその他普通地方公共團体の職員について、公金の違法若しくは不当な支出若しくは浪費、財産の違法若しくは不当な処分、特定の目的のために準備した公金の目的外の支出、違法な債務その他の義務の負担、財産若しくは営造物の違法な使用又は違法若しくは権限を超える契約の締結若しくは履行があると認めるときは、その事実を証する書面を添え、監査委員に対し、監査を行い、当該行爲の制限又は禁止に関する措置を講ずべきことを請求することができる。
前項の規定による請求があつた場合においては、監査委員は、二十日以内に監査を行い、請求に係る事実があると認めるときは、普通地方公共團体の長に対し当該行爲の制限又は禁止を請求し、請求に係る事実がないと認めるときは、その旨を第一項の規定による請求人に通知しなければならない。
前項の規定による監査委員の請求があつたときは、普通地方公共團体の長は、直ちに必要な措置を講ずるとともに、その旨を監査委員及び第一項の規定による請求人に通知しなければならない。
前二項の規定による監査委員若しくは普通地方公共團体の長の措置に不服があるとき、又はこれらの者が措置を講じないときは、第一項の規定による請求人は、最高裁判所の定めるところにより、裁判所に対し、当該職員の違法又は権限を超える当該行爲の制限若しくは禁止又は取消若しくは無効若しくはこれに伴う当該普通地方公共團体の損害の補てんに関する裁判を求めることができる。
監査委員を置かない市町村においては、第一項の規定による請求は、市町村長に対してこれをし、第二項及び第三項の規定による監査委員及び普通地方公共團体の長の職務は、市町村長が自らこれを行う。
第二百四十七條第一項の次に次の三項を加える。
前項の規定により普通地方公共團体の長の職務を行う者がないときは、都道府縣知事については内閣総理大臣、市町村長については都道府縣知事は、普通地方公共團体の長の被選挙権を有する者で当該普通地方公共團体の区域内に住所を有するものの中から臨時代理者を選任し、当該普通地方公共團体の長の職務を行わせることができる。
臨時代理者は、当該普通地方公共團体の長が選挙され、就任する時まで、普通地方公共團体の長の権限に属するすべての職務を行う。
臨時代理者により選任又は任命された当該普通地方公共團体の職員は、当該普通地方公共團体の長が選挙され、就任した時は、その職を失う。
第二百六十二條第二項中「解職の投票」の下に「若しくは第二百十三條第四項の規定による投票」を加える。
第二百六十三條の二 普通地方公共團体は、議会の議決を経て、その利益を代表する全國的な公益的法人に委託することにより、他の普通地方公共團体と共同して、火災、水災、震災その他の災害に因る財産又は営造物の損害に対する相互救済事業を行うことができる。
前項の公益的法人は、毎年一回以上定期に、その事業の経営状況を関係普通公共團体の長に通知するとともに、これを適当と認める新聞紙に二回以上掲載しなければならない。
前項の通知があつたときは、関係普通地方公共團体の長は、直ちにこれを公表しなければならない。
第一項の相互救済事業で保險事業に該当するものについては、保險業法は、これを適用しない。
第二百六十四條に次の一項を加える。
第二條第三項及び第四項の規定は、前項の事務にこれを準用する。
第二百八十一條に次の一項を加える。
第二條第三項及び第四項の規定は、前項の事務にこれを準用する。
附 則
第一條 この法律は、昭和二十三年八月一日から、これを施行する。
この法律施行の際現に地方公共團体の議会の議員と当該地方公共團体以外の地方公共團体の長、副知事若しくは助役又は出納長若しくは副出納長若しくは收入役若しくは副收入役その他の有給の職員を兼ねるものについては、これらの職を兼ねている間に限り、地方自治法第九十二條第二項及び第百四十一條第二項の改正規定(これらの規定を適用又は準用する規定を含む。)はこれを適用しない。この法律施行の際現に同法第五十五條第二項及び第六十五條第十一項の規定の適用又は準用を受ける得票者についても、また、同様とする。
第二條 昭和十二年七月七日から同二十年九月二日に至るまでの間において、市町村の区域の変更があつたときは、その変更に係る区域の住民は、第七條の規定にかかわらず、本條の定めるところにより、從前の市町村の区域でその市町村を置き、又は從前の市町村の区域の通りに市町村の境界変更をすることができる。
前項の処分は、政令の定めるところにより、市町村の選挙管理委員会に対し、変更に係る区域の住民で選挙人名簿に登載されている者の総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、これを請求しなければならない。
前項の請求があつたときは、選挙管理委員会は、請求を受理した日から三十日以内に、当該区域が從前属していた市町村の選挙人の投票に付さなければならない。
第二項の規定による区域が現に存する他の市町村に属していた場合においては、前項の投票に関する事務は、同項の規定にかかわらず、その市町村の選挙管理委員会がこれを管理する。この場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第三項の投票において有効投票の過半数の同意があつたときは、委員会の報告に基き、都道府縣知事は、当該都道府縣の議会の議決を経て市町村の廃置分合又は境界変更を定め、内閣総理大臣に届け出なければならない。
前項の場合において第一項の市町村の区域の変更に伴い処分した財産があるときは、現に存する市町村は、これが現に存する限度において、議会の議決を経てその変更に係る区域が從前属していた市町村に返還しなければならない。
前項の財産処分に不服がある市町村は、裁判所に出訴することができる。
第五項の規定による届出を受理したときは、内閣総理大臣は、直ちにその旨を告示しなければならない。
政令で特別の定をするものを除く外、地方自治法第二編第四章の規定は、第三項の規定による投票にこれを準用する。
第二項の請求は、この法律施行の日から二年以内に限り、これを行うことができる。
第三條 法律又は政令に特別の定がある場合を除く外、この法律施行の際現になされている地方公共團体の財産又は営造物の使用の許可で改正後の地方自治法第二百十三條第二項の規定に基く條例により定められた独占的な使用の許可に該当するものは、この法律施行の日から十年以内に、夫々改正後の同條の規定による手続を経て必要な同意を得なければ、この法律施行の日から十年を経過したときは、將来に向つてその効力を失う。
第四條 警察法の一部を次のように改正する。
第二十四條第二項を削る。
第四十四條中「第二十四條第一項、第三項乃至第五項」を「第二十四條」に、但書中「第二十四條第五項」を「第二十四條第四項」に改める。
第五條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
内閣総理大臣 芦田均
地方自治法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月二十日
内閣総理大臣 芦田均
法律第百七十九号
地方自治法の一部を次のように改正する。
第二条第二項の次に次の二項を加える。
前項の事務を例示すると、概ね次の通りである。但し、法令に特別の定があるときは、この限りでない。
一 地方公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持すること。
二 公園、運動場、広場、緑地、道路、橋梁、河川、運河、溜池、用排水路、堤防等を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
三 上水道その他の給水事業、下水道事業、電気事業、ガス事業、電車事業、自動車事業、船舶その他の運輸事業その他企業を経営すること。
四 ドツク、防波堤、波止場、倉庫、上屋その他の海上又は陸上輸送に必要な営造物を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
五 学校、研究所、試験場、図書館、美術館、物品陳列所、公会堂、劇場、音楽堂その他の教育学芸、文化、勧業に関する営造物を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
六 病院、隔離病舎、療養所、消毒所、産院、住宅、宿泊所、食堂、浴場、共同便所、質屋、授産場、託児所、養老院、慈善院、少年教護施設、留置場、屠場、じんかい処理場、汚物処理場、火葬場、墓地その他の保健衛生、社会福祉等に関する営造物を設置し若しくは管理し、又はこれらを使用する権利を規制すること。
七 清掃、消毒、美化、騒音防止、風俗又は清潔を汚す行為の制限その他の保健衛生、風俗のじゆん化に関する事項を処理すること。
八 防犯、防災、罹災者の救護等を行うこと。
九 未成年者、貧困者、病人、老衰者、寡婦、不具者、浮浪者、精神異常者、めいてい者等を救助し若しくは保護し、又は看護すること。
十 森林、牧野、土地、市場、漁場、共同作業場の経営その他公共の福祉を増進するために適当と認められる収益事業を行うこと。
十一 治山治水事業、農地開発事業、耕地整理事業、公有水面埋立事業、都市計画事業、不良地区改良事業その他の土地改良事業を施行すること。
十二 発明改良又は特産物等の保護奨励その他産業の振興に関する事務を行うこと。
十三 史跡、名勝その他の記念物を保護し、又は管理すること。
十四 普通地方公共団体の事務の処理に必要な調査を行い、統計を作成すること。
十五 住民、滞在者その他必要と認める者に関する戸籍、身分証明及び登録等に関する事務を行うこと。
十六 計量器及び各種生産物、家畜等の検査を行うこと。
十七 法律の定めるところにより、建築物の構造、設備、敷地及び周密度、空地地区、住居、商業、工業その他住民の業態に基く地域等に関し制限を設けること。
十八 法律の定めるところにより、地方公共の目的のために動産及び不動産を使用又は収用すること。
十九 当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の綜合調整をすること。
二十 法律の定めるところにより、地方税、使用料、手数料、分担金、加入金又は夫役現品を賦課徴収すること。
二十一 基本財産又は減債基金その他積立金穀等を設置し、又は管理すること。
普通地方公共団体は、次に掲げるような国の事務を処理することができない。
一 司法に関する事務
二 刑罰及び国の懲戒に関する事務
三 国の運輸、通信に関する事務
四 郵便に関する事務
五 国立の教育及び研究施設に関する事務
六 国立の病院及び療養施設に関する事務
七 国の航行、気象及び水路施設に関する事務
八 国立の博物館及び図書館に関する事務
同条第三項の次に次の二項を加える。
地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。なお、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない。
前項の規定に違反して行つた地方公共団体の行為は、これを無効とする。
第十二条第一項中「条例」を「条例(地方税、分担金、使用料及び手数料の賦課徴収に関するものを除く。)」に改める。
第十三条第二項中「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第七十四条第一項中「条例」を「条例(地方税、分担金、使用料及び手数料の賦課徴収に関するものを除く。)」に改める。
第八十六条第一項中「選挙権を有する者」を「選挙権を有する者(都道府県公安委員会の委員については、当該都道府県国家地方警察の管轄区域内において選挙権を有する者)」に、「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第八十八条第二項中「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第九十二条第二項中「当該普通」を削る。
第九十六条第一項を次のように改める。
普通地方公共団体の議会は、左に掲げる事件を議決しなければならない。
一 条例を設け又は改廃すること。
二 歳入歳出予算を定めること。
三 決算報告を認定すること。
四 法律又は政令に規定するものを除く外、地方税、使用料、手数料、分担金、加入金又は夫役現品の賦課徴収に関すること。
五 法律又は政令に規定するものを除く外、違法に賦課又は徴収された地方税、使用料、手数料、分担金、加入金又は夫役現品の払戻に関すること。
六 基本財産又は減債基金その他積立金穀等の設置、管理及び処分に関すること。
七 条例で定める財産の取得又は処分及び営造物の設置又は処分をすること。
八 歳入歳出予算を以て定めるものを除く外、あらたに義務の負担をし、負担附寄附又は贈与を受け、及び権利を放棄すること。
九 条例で定める契約を結ぶこと。
十 普通地方公共団体がその当事者である異議の申立、訴願、訴訟、和解、斡旋、調停及び仲裁に関すること。
十一 法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。
十二 普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の綜合調整に関すること。
十三 その他法律又は政令により議会の権限に属する事項
第百九条第二項中「選任し、」の下に「条例に特別の定がある場合を除く外、」を加える。
第百十条第三項に次の但書を加える。
但し、議会の議決により特に付議された事件については、閉会中も、なお、これを審査することを妨げない。
第百二十一条中「市町村公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第百二十五条中「当該市町村の公安委員会」を「公安委員会」に改める。
第百四十一条第二項中「当該普通地方公共団体の議会の議員及び地方公共団体の有給の職員」を「地方公共団体の議会の議員及び有給の職員」に改める。
第百七十六条に第一項乃至第三項として次の三項を加える。
普通地方公共団体の議会における条例の制定若しくは改廃又は歳入歳出予算に関する議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定があるものを除く外、その議決の日から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。この場合においては、普通地方公共団体の長は、直ちに条例の告示その他必要な措置を講じなければならない。
前項の規定による議決については、出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。
第百九十三条及び第二百一条中「第百七十二条」の下に「第二項及び」を加える。
第百九十五条第三項に次の但書を加える。
但し、市にあつては条例で四人とすることができる。
第二百七条中「及び第百九条第五項」を「並びに第百九条第五項及び第二百十七条第三項」に改める。
第二百十三条に次の六項を加える。
普通地方公共団体は、条例で定める特に重要な財産又は営造物については、当該普通地方公共団体の選挙人の投票においてその過半数の同意が得られないときは、当該財産又は営造物の独占的な利益を与えるような処分又は十年を超える期間にわたる独占的な使用の許可をしてはならない。条例で定めるその他の財産又は営造物について議会において出席議員の三分の二以上の者の同意が得られないときも、また同様とする。
前項の規定は、国又は公共団体に対する処分又は使用の許可については、これを適用しない。
第二項の投票を行うべき場合において、その旨の当該普通地方公共団体の長の通知があつたときは、選挙管理委員会は、その日から六十日以内に、これを選挙人の賛否の投票に付さなければならない。
前項の投票の結果が判明したときは、選挙管理委員会は、直ちにこれを当該普通地方公共団体の長に通知し、且つ、これを公表しなければならない。
政令で特別の定をするものを除く外、第四章の規定は、第四項の規定による投票にこれを準用する。
第四項の投票は、政令の定めるところにより、普通地方公共団体の選挙又は第七十六条第三項の規定による解散の投票若しくは第八十条第三項及び第八十一条第二項の規定による解職の投票と同時にこれを行うことができる。
第二百十七条に次の二項を加える。
分担金を徴収する条例は、普通地方公共団体の議会又はその常任委員会において予め公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験を有する者等から意見を聴かなければ、これを設け又は改正することができない。
前項の公聴会を開く場合においては、その開催の日前二十日までに、開催の日時、場所及び案件を適当な方法で公表しなければならない。新聞紙で公表する場合においては、その日から七日目ごとに、また、同様公表しなければならない。
第二百四十三条第一項の次に次の一項を加える。
財産の売却、譲渡及び貸与、工事の請負並びに物件、労力その他の供給に関する普通地方公共団体の議会の議決で条例で定めるその重要なものについては、出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。
第二百四十三条の二 普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長、出納長若しくは収入役又はその他普通地方公共団体の職員について、公金の違法若しくは不当な支出若しくは浪費、財産の違法若しくは不当な処分、特定の目的のために準備した公金の目的外の支出、違法な債務その他の義務の負担、財産若しくは営造物の違法な使用又は違法若しくは権限を超える契約の締結若しくは履行があると認めるときは、その事実を証する書面を添え、監査委員に対し、監査を行い、当該行為の制限又は禁止に関する措置を講ずべきことを請求することができる。
前項の規定による請求があつた場合においては、監査委員は、二十日以内に監査を行い、請求に係る事実があると認めるときは、普通地方公共団体の長に対し当該行為の制限又は禁止を請求し、請求に係る事実がないと認めるときは、その旨を第一項の規定による請求人に通知しなければならない。
前項の規定による監査委員の請求があつたときは、普通地方公共団体の長は、直ちに必要な措置を講ずるとともに、その旨を監査委員及び第一項の規定による請求人に通知しなければならない。
前二項の規定による監査委員若しくは普通地方公共団体の長の措置に不服があるとき、又はこれらの者が措置を講じないときは、第一項の規定による請求人は、最高裁判所の定めるところにより、裁判所に対し、当該職員の違法又は権限を超える当該行為の制限若しくは禁止又は取消若しくは無効若しくはこれに伴う当該普通地方公共団体の損害の補てんに関する裁判を求めることができる。
監査委員を置かない市町村においては、第一項の規定による請求は、市町村長に対してこれをし、第二項及び第三項の規定による監査委員及び普通地方公共団体の長の職務は、市町村長が自らこれを行う。
第二百四十七条第一項の次に次の三項を加える。
前項の規定により普通地方公共団体の長の職務を行う者がないときは、都道府県知事については内閣総理大臣、市町村長については都道府県知事は、普通地方公共団体の長の被選挙権を有する者で当該普通地方公共団体の区域内に住所を有するものの中から臨時代理者を選任し、当該普通地方公共団体の長の職務を行わせることができる。
臨時代理者は、当該普通地方公共団体の長が選挙され、就任する時まで、普通地方公共団体の長の権限に属するすべての職務を行う。
臨時代理者により選任又は任命された当該普通地方公共団体の職員は、当該普通地方公共団体の長が選挙され、就任した時は、その職を失う。
第二百六十二条第二項中「解職の投票」の下に「若しくは第二百十三条第四項の規定による投票」を加える。
第二百六十三条の二 普通地方公共団体は、議会の議決を経て、その利益を代表する全国的な公益的法人に委託することにより、他の普通地方公共団体と共同して、火災、水災、震災その他の災害に因る財産又は営造物の損害に対する相互救済事業を行うことができる。
前項の公益的法人は、毎年一回以上定期に、その事業の経営状況を関係普通公共団体の長に通知するとともに、これを適当と認める新聞紙に二回以上掲載しなければならない。
前項の通知があつたときは、関係普通地方公共団体の長は、直ちにこれを公表しなければならない。
第一項の相互救済事業で保険事業に該当するものについては、保険業法は、これを適用しない。
第二百六十四条に次の一項を加える。
第二条第三項及び第四項の規定は、前項の事務にこれを準用する。
第二百八十一条に次の一項を加える。
第二条第三項及び第四項の規定は、前項の事務にこれを準用する。
附 則
第一条 この法律は、昭和二十三年八月一日から、これを施行する。
この法律施行の際現に地方公共団体の議会の議員と当該地方公共団体以外の地方公共団体の長、副知事若しくは助役又は出納長若しくは副出納長若しくは収入役若しくは副収入役その他の有給の職員を兼ねるものについては、これらの職を兼ねている間に限り、地方自治法第九十二条第二項及び第百四十一条第二項の改正規定(これらの規定を適用又は準用する規定を含む。)はこれを適用しない。この法律施行の際現に同法第五十五条第二項及び第六十五条第十一項の規定の適用又は準用を受ける得票者についても、また、同様とする。
第二条 昭和十二年七月七日から同二十年九月二日に至るまでの間において、市町村の区域の変更があつたときは、その変更に係る区域の住民は、第七条の規定にかかわらず、本条の定めるところにより、従前の市町村の区域でその市町村を置き、又は従前の市町村の区域の通りに市町村の境界変更をすることができる。
前項の処分は、政令の定めるところにより、市町村の選挙管理委員会に対し、変更に係る区域の住民で選挙人名簿に登載されている者の総数の三分の一以上の者の連署を以て、その代表者から、これを請求しなければならない。
前項の請求があつたときは、選挙管理委員会は、請求を受理した日から三十日以内に、当該区域が従前属していた市町村の選挙人の投票に付さなければならない。
第二項の規定による区域が現に存する他の市町村に属していた場合においては、前項の投票に関する事務は、同項の規定にかかわらず、その市町村の選挙管理委員会がこれを管理する。この場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第三項の投票において有効投票の過半数の同意があつたときは、委員会の報告に基き、都道府県知事は、当該都道府県の議会の議決を経て市町村の廃置分合又は境界変更を定め、内閣総理大臣に届け出なければならない。
前項の場合において第一項の市町村の区域の変更に伴い処分した財産があるときは、現に存する市町村は、これが現に存する限度において、議会の議決を経てその変更に係る区域が従前属していた市町村に返還しなければならない。
前項の財産処分に不服がある市町村は、裁判所に出訴することができる。
第五項の規定による届出を受理したときは、内閣総理大臣は、直ちにその旨を告示しなければならない。
政令で特別の定をするものを除く外、地方自治法第二編第四章の規定は、第三項の規定による投票にこれを準用する。
第二項の請求は、この法律施行の日から二年以内に限り、これを行うことができる。
第三条 法律又は政令に特別の定がある場合を除く外、この法律施行の際現になされている地方公共団体の財産又は営造物の使用の許可で改正後の地方自治法第二百十三条第二項の規定に基く条例により定められた独占的な使用の許可に該当するものは、この法律施行の日から十年以内に、夫々改正後の同条の規定による手続を経て必要な同意を得なければ、この法律施行の日から十年を経過したときは、将来に向つてその効力を失う。
第四条 警察法の一部を次のように改正する。
第二十四条第二項を削る。
第四十四条中「第二十四条第一項、第三項乃至第五項」を「第二十四条」に、但書中「第二十四条第五項」を「第二十四条第四項」に改める。
第五条 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
内閣総理大臣 芦田均