密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百一号
公布年月日: 平成15年6月20日
法令の形式: 法律
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十五年六月二十日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百一号
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律
(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部改正)
第一条 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
目次を次のように改める。
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
防災街区整備方針(第三条)
第三章
防災再開発促進地区の区域における建築物の建替え等の促進
第一節
建築物の建替えの促進(第四条―第十二条)
第二節
延焼等危険建築物に対する措置(第十三条―第二十九条)
第三節
都市基盤整備公団の業務の特例(第三十条)
第四章
特定防災街区整備地区(第三十一条)
第五章
防災街区整備地区計画等
第一節
防災街区整備地区計画(第三十二条―第三十三条)
第二節
防災街区整備権利移転等促進計画(第三十四条―第三十九条)
第三節
防災街区計画整備組合
第一款
総則(第四十条―第四十四条)
第二款
事業(第四十五条―第四十七条)
第三款
組合員(第四十八条―第六十一条)
第四款
管理(第六十二条―第八十七条)
第五款
設立(第八十八条―第九十六条)
第六款
解散及び清算(第九十七条―第百四条)
第七款
監督(第百五条―第百九条)
第八款
雑則(第百十条―第百十五条)
第四節
建築物の敷地と道路との関係の特例(第百十六条)
第六章
防災街区整備事業
第一節
総則(第百十七条―第百十九条)
第二節
防災街区整備事業に関する都市計画(第百二十条・第百二十一条)
第三節
施行者
第一款
個人施行者(第百二十二条―第百三十二条)
第二款
防災街区整備事業組合
第一目
通則(第百三十三条―第百三十五条)
第二目
設立(第百三十六条―第百四十三条)
第三目
管理(第百四十四条―第百六十二条)
第四目
解散(第百六十三条・第百六十四条)
第三款
事業会社(第百六十五条―第百七十八条)
第四款
地方公共団体(第百七十九条―第百八十七条)
第五款
都市基盤整備公団等(第百八十八条―第百九十条)
第四節
防災街区整備事業の施行
第一款
測量、調査等(第百九十一条―第二百条)
第二款
権利変換手続
第一目
手続の開始(第二百一条―第二百三条)
第二目
権利変換計画(第二百四条―第二百十八条)
第三目
権利の変換(第二百十九条―第二百二十七条)
第四目
土地の明渡し等(第二百二十八条―第二百三十四条)
第五目
防災施設建築物の建築等の特例(第二百三十五条―第二百四十三条)
第六目
工事完了等に伴う措置(第二百四十四条―第二百五十三条)
第七目
権利変換手続の特則(第二百五十四条―第二百五十七条)
第三款
個人施行者等の事業の代行(第二百五十八条―第二百六十二条)
第四款
費用の負担等(第二百六十三条―第二百六十六条)
第五款
雑則(第二百六十七条―第二百八十条)
第七章
防災都市施設の整備のための特別の措置(第二百八十一条―第二百八十八条)
第八章
防災街区整備推進機構(第二百八十九条―第二百九十二条)
第九章
雑則(第二百九十三条―第三百条)
第十章
罰則(第三百一条―第三百二十一条)
附則
第一条中「再開発」の下に「又は開発整備」を加える。
第二条中「この法律において」を「この法律(第十号に掲げる用語にあっては、第四十八条を除く。)において、」に改め、同条第九号に次のただし書を加える。
ただし、一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。
第二条第九号を同条第十四号とし、同条第八号中「都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第十四項に規定する公共施設」を「道路、公園その他政令で定める公共の用に供する施設」に改め、同号を同条第十号とし、同号の次に次の三号を加える。
十一 都市施設 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第五項に規定する都市施設をいう。
十二 都市計画施設 都市計画法第四条第六項に規定する都市計画施設をいう。
十三 都市計画事業 都市計画法第四条第十五項に規定する都市計画事業をいう。
第二条中第七号を第九号とし、第四号から第六号までを二号ずつ繰り下げ、第三号の次に次の二号を加える。
四 防災公共施設 密集市街地において特定防災機能を確保するために整備されるべき主要な道路、公園その他政令で定める公共施設をいう。
五 防災街区整備事業 密集市街地において特定防災機能の確保と土地の合理的かつ健全な利用を図るため、この法律で定めるところに従って行われる建築物及び建築物の敷地の整備並びに防災公共施設その他の公共施設の整備に関する事業並びにこれに附帯する事業をいう。
第二条に次の一号を加える。
十五 借家権 建物の賃借権をいう。ただし、一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。
「第二章 防災再開発方針」を「第二章 防災街区整備方針」に改める。
第三条を次のように改める。
第三条 都市計画法第七条第一項の市街化区域内においては、都市計画に、密集市街地内の各街区について防災街区としての整備を図るため、次に掲げる事項を明らかにした防災街区の整備の方針(以下「防災街区整備方針」という。)を定めるものとする。
一 特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区(以下「防災再開発促進地区」という。)及び当該地区の整備又は開発に関する計画の概要
二 防災公共施設の整備及びこれと一体となって特定防災機能を確保するための建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の整備に関する計画の概要
2 国及び地方公共団体は、防災街区整備方針に従い、計画的な再開発又は開発整備による防災街区の整備を促進するため、第三十一条第一項の特定防災街区整備地区、第三十二条第一項の防災街区整備地区計画、第二百八十一条第一項の施行予定者を定める防災都市施設等の都市計画の決定、防災街区整備事業又は防災公共施設の整備に関する事業の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第四条第三項中「賃借権」を「借家権」に改め、「(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)」を削る。
第十三条第一項中「若しくは準防火地域」を「(以下単に「防火地域」という。)、同号の準防火地域(以下単に「準防火地域」という。)」に改め、「同法第八条第一項第五号の」を削る。
第十五条第二項中「区分所有権の」を「区分所有権(以下単に「区分所有権」という。)の」に改め、同条第四項中「賃借権(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)」を「借家権」に改める。
第三十条を削る。
第三十一条の見出しを削り、同条第一項中「、その」を「その」に、「促進するため」を「促進し、又は当該都市計画区域内において防災都市施設(防災街区整備方針に即して都市施設として整備すべき防災公共施設をいう。以下同じ。)の整備を図るため」に改め、同条第二項中「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)」を「密集市街地整備法」に、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三十一条第二項」を「密集市街地整備法第三十条第二項」に、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三十一条第一項」を「密集市街地整備法第三十条第一項」に改め、第三章第三節中同条を第三十条とする。
第百二十五条中「第四十二条第二項」の下に「又は第百三十五条第二項」を加え、同条を第三百二十一条とする。
第百二十四条第一項中「組合の役員又は清算人は、」を「計画整備組合の役員又は清算人を」に改め、同項第一号、第七号及び第十二号中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条を第三百十六条とし、同条の次に次の四条を加える。
第三百十七条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした個人施行者(法人である個人施行者を除く。)又は法人である個人施行者の役員若しくは清算人を二十万円以下の過料に処する。
一 第百二十九条第三項の規定に違反したとき。
二 第二百七十八条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
三 第二百七十八条第二項の規定に違反して簿書の閲覧を拒んだとき。
四 この法律の規定による公告をせず、又は不実の公告をしたとき。
第三百十八条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした事業組合の理事、監事又は清算人を二十万円以下の過料に処する。
一 事業組合が防災街区整備事業以外の事業を営んだとき。
二 第百四十八条第三項において準用する都市再開発法第二十七条第六項の規定に違反して、監事が理事又は事業組合の職員と兼ねたとき。
三 第百五十一条若しくは第百五十四条第四項において準用する都市再開発法第三十一条第一項、第三項若しくは第四項の規定又は第百五十三条第三項において準用する同法第三十一条第三項若しくは第四項の規定に違反して総会、総会の部会又は総代会を招集しなかったとき。
四 第百五十七条第二項において準用する第百二十九条第三項の規定又は第百六十三条第三項の規定に違反したとき。
五 第百六十四条において準用する都市再開発法第四十七条又は第四十九条に規定する書類に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。
六 第百六十四条において準用する都市再開発法第四十八条の規定に違反して事業組合の残余財産を処分したとき。
七 第二百七十八条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
八 第二百七十八条第二項の規定に違反して簿書の閲覧を拒んだとき。
九 都道府県知事若しくは市町村長又は総会、総会の部会若しくは総代会に対し、不実の申立てをし、又は事実を隠したとき。
十 この法律の規定による公告をせず、又は不実の公告をしたとき。
第三百十九条 第百五十一条において準用する都市再開発法第三十一条第五項の規定に違反して最初の理事又は監事を選挙し、又は選任するための総会を招集しなかった者は、二十万円以下の過料に処する。
第三百二十条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした事業会社の役員又は清算人を二十万円以下の過料に処する。
一 第百七十二条第二項において準用する第百二十九条第三項の規定に違反したとき。
二 第二百七十八条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
三 第二百七十八条第二項の規定に違反して簿書の閲覧を拒んだとき。
四 市町村長に対し、不実の申立てをし、又は事実を隠したとき。
五 この法律の規定による公告をせず、又は不実の公告をしたとき。
第百二十三条中「組合」を「計画整備組合」に、「二十万円」を「三十万円」に改め、同条を第三百十三条とし、同条の次に次の二条を加える。
第三百十四条 第百九十五条第二項の規定に違反して同条第一項の規定による標識を移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊した者は、三十万円以下の罰金に処する。
第三百十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
一 第二百八十四条において準用する都市計画法第五十二条の三第二項の規定に違反して、届出をしないで土地又は土地及びこれに定着する建築物等を有償で譲り渡した者
二 第二百八十四条において準用する都市計画法第五十二条の三第二項の届出について、虚偽の届出をした者
三 第二百八十四条において準用する都市計画法第五十二条の三第四項の規定に違反して、同項の期間内に土地又は土地及びこれに定着する建築物等を譲り渡した者
第百二十二条中「前条」を「第三百四条から前条まで」に、「同条の刑」を「各本条の罰金刑」に改め、同条を第三百十二条とし、同条の前に次の三条を加える。
第三百九条 個人施行者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした個人施行者(法人である個人施行者を除く。)又は法人である個人施行者の役員若しくは職員を三十万円以下の罰金に処する。
一 第二百六十八条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
二 第二百六十八条第二項又は第二百六十九条第一項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。
三 第二百六十九条第一項の規定による都道府県知事の検査を拒み、又は妨げたとき。
第三百十条 事業組合が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした役員又は職員を三十万円以下の罰金に処する。
一 第二百六十八条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
二 第二百六十八条第二項又は第二百七十条第三項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。
三 第二百七十条第一項又は第二項の規定による都道府県知事の検査を拒み、又は妨げたとき。
第三百十一条 事業会社が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その行為をした役員又は職員を三十万円以下の罰金に処する。
一 第二百六十八条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
二 第二百六十八条第二項又は第二百七十一条第三項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。
三 第二百七十一条第一項又は第二項の規定による都道府県知事の検査を拒み、又は妨げたとき。
第百二十一条中「二十万円」を「三十万円」に改め、同条に次の一号を加える。
四 第二百八十三条第三項において準用する都市計画法第八十二条第一項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第百二十一条を第三百八条とし、同条の前に次の四条を加える。
第三百四条 第二百八十三条第三項において準用する都市計画法第八十一条第一項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三百五条 第百九十七条第四項の規定による命令に違反して、土地の原状回復をせず、又は建築物等若しくは物件を移転せず、若しくは除却しなかった者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第三百六条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第百九十一条第一項又は第二項に規定する場合において、都道府県知事の許可を受けないで、土地又は建築物等に立ち入り、又は立ち入らせた者
二 第百九十一条第一項又は第二項の規定による土地又は建築物等への立入りを拒み、又は妨げた者
三 第百九十二条第一項に規定する場合において、市町村長の許可を受けないで障害物を伐除した者又は都道府県知事の許可を受けないで土地に試掘等を行った者
第三百七条 第二百三十八条第二項の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第百二十条第一項中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条第三項中「(明治四十年法律第四十五号)」を削り、同条を第三百三条とし、第五章中同条の前に次の二条を加える。
第三百一条 個人施行者(法人である個人施行者にあっては、その役員又は職員)、事業組合の役員、総代若しくは職員、事業会社の役員若しくは職員又は審査委員(以下この条において「個人施行者等」と総称する。)が職務に関して賄賂を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よって不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、七年以下の懲役に処する。
2 個人施行者等であった者がその在職中に請託を受けて職務上不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったことにつき賄賂を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。
3 個人施行者等がその職務に関し請託を受けて第三者に賄賂を供与させ、又はその供与を約束したときは、三年以下の懲役に処する。
4 犯人又は情を知った第三者の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第三百二条 前条第一項から第三項までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を軽減し、又は免除することができる。
第五章を第十章とする。
第百十九条を第二百九十二条とし、同条の次に次の一章を加える。
第九章 雑則
(不服申立て)
第二百九十三条 市町村長が第十五条第一項、第十八条第一項又は第二十八条第一項の規定に基づいてした処分に不服がある者は、都道府県知事に対して行政不服審査法による審査請求をすることができる。
2 前項の審査請求について都道府県知事がした裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。
第二百九十四条 次に掲げる処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
一 第百三十六条第一項若しくは第三項の規定による認可又は第百五十七条第一項の規定による認可(事業基本方針の変更に係るものを除く。)
二 第百四十条第四項(第百五十七条第二項、第百六十九条、第百七十二条第二項、第百八十一条第二項(第百八十四条において準用する場合を含む。)並びに第百八十八条第三項及び第四項において準用する場合を含む。)の規定による通知
三 第百六十五条第一項又は第百七十二条第一項の規定による認可
四 第百七十九条第一項後段(第百八十四条において準用する場合を含む。)の規定による認可
五 第百八十八条第一項の規定による認可
六 第二百十六条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による通知
第二百九十五条 前条に規定するもののほか、事業組合、事業会社、市町村、都道府県又は公団等が第六章の規定に基づいてした処分その他公権力の行使に当たる行為(以下この条において「処分」という。)に不服のある者は、事業組合、事業会社、市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社がした処分にあっては都道府県知事に対して、都道府県又は公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)がした処分にあっては国土交通大臣に対して行政不服審査法による審査請求をすることができる。ただし、権利変換に関する処分についての審査請求においては、権利変換計画に定められた宅地若しくは建築物又はこれらに関する権利の価額についての不服をその理由とすることができない。
2 第二百九十三条第二項の規定は、前項の審査請求について準用する。
(権限の委任)
第二百九十六条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。
(大都市等の特例)
第二百九十七条 この法律中都道府県知事の権限に属する事務で政令で定めるものは、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)、同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この条において「中核市」という。)及び同法第二百五十二条の二十六の三第一項の特例市(以下この条において「特例市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市、中核市又は特例市(以下この条において「指定都市等」という。)の長が行うものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。
(政令への委任)
第二百九十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。
(経過措置)
第二百九十九条 この法律の規定に基づき政令又は国土交通省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令又は国土交通省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(事務の区分)
第三百条 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、第一号法定受託事務とする。
一 都道府県が第百九十二条第一項、第百九十七条第一項から第八項まで、第百九十九条第二項において準用する土地収用法第三十六条第五項並びに第二百三十三条第二項(第二百四十一条第五項において準用する場合を含む。)及び第三項の規定により処理することとされている事務(都道府県又は公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
二 市町村が第百八十三条第二項(第百八十四条において準用する場合を含む。)、第百八十八条第三項及び第四項において準用する第百四十条第二項及び第百四十三条第四項、第百九十二条第一項及び第三項、第百九十九条第二項において準用する土地収用法第三十六条第四項、第二百三十三条第一項並びに第二百三十四条第一項及び第三項から第五項まで(これらの規定を第二百四十一条第五項において準用する場合を含む。)、第二百三十四条第二項において準用する第二百三十三条第三項並びに第二百五十条第六項において準用する第百六十条第二項の規定により処理することとされている事務(都道府県又は公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
2 この法律の規定により市町村が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、地方自治法第二条第九項第二号に規定する第二号法定受託事務とする。
一 第百二十二条第二項(第百二十九条第二項、第百三十二条第二項、第百三十六条第四項、第百五十七条第二項、第百六十三条第五項、第百六十五条第二項、第百七十二条第二項、第百七十五条第二項及び第百七十八条第二項において準用する場合を含む。)、第百二十八条第三項(第百二十九条第二項において準用する場合を含む。)、第百三十条において準用する都市再開発法第七条の十七第五項及び第七項、第百三十九条第二項及び第三項(これらの規定を第百五十七条第二項及び第百六十八条第二項(第百七十二条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第百四十条第二項(第百五十七条第二項、第百六十九条及び第百七十二条第二項において準用する場合を含む。)、第百四十三条第四項(第百五十七条第二項において準用する場合を含む。)、第百四十八条第三項において準用する都市再開発法第二十八条第一項、第百六十条第二項(第百七十四条第二項(第二百五十条第七項において準用する場合を含む。)及び第二百五十条第六項において準用する場合を含む。)、第百七十一条第三項(第百七十二条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十九条、第二百六十条、第二百六十一条第一項及び第三項並びに第二百六十八条第一項に規定する事務
二 第百八十三条第二項(第百八十四条において準用する場合を含む。)並びに第百八十八条第三項及び第四項において準用する第百四十条第二項及び第百四十三条第四項に規定する事務(市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
三 第百九十二条第一項及び第三項、第百九十九条第二項において準用する土地収用法第三十六条第四項、第二百三十三条第一項並びに第二百三十四条第一項及び第三項から第五項まで(これらの規定を第二百四十一条第五項において準用する場合を含む。)並びに第二百三十四条第二項において準用する第二百三十三条第三項に規定する事務(個人施行者、事業組合、事業会社、市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
第百十八条第三項及び第五項中「第百十六条第一項」を「第二百八十九条第一項」に改め、同条を第二百九十一条とする。
第百十七条第一号中「密集市街地」を「防災街区整備事業その他の密集市街地」に改め、「対し」の下に「、当該事業に関する知識を有する者の派遣」を加え、同条第二号中「防災街区整備地区計画」を「特定防災街区整備地区において当該地区内の各街区の防災街区としての整備に資する建築物を整備する事業若しくは防災街区整備地区計画」に、「、当該区域内」を「当該区域内」に、「当該事業」を「これらの事業」に改め、同条第三号を次のように改める。
三 次に掲げる土地の取得、管理及び譲渡を行うこと。
イ 特定防災街区整備地区又は防災街区整備地区計画の区域において、当該地区又は区域内の各街区の防災街区としての整備を図るために有効に利用できる土地で政令で定めるもの
ロ 防災都市施設の整備のために必要な土地で政令で定めるもの
第百十七条を第二百九十条とする。
第百十六条第一項中「法人」の下に「又は特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項の特定非営利活動法人」を加え、同条を第二百八十九条とし、「第五節 防災街区整備推進機構」を削り、同条の前に次の章名を付する。
第八章 防災街区整備推進機構
第百十五条の見出しを削り、同条第一項中「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改め、同項第一号ロ中「に面する部分の長さの敷地の当該特定地区防災施設に接する部分の長さに対する割合の最低限度」を「に係る間口率」に改め、同号ニ中「壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域」を「壁面後退区域」に改め、第四章第四節中同条を第百十六条とする。
第百十四条(見出しを含む。)中「組合」を「計画整備組合」に改め、第四章第三節第八款中同条を第百十五条とする。
第百十三条を削る。
第百十二条第一項中「組合は」を「計画整備組合は」に、「組合の」を「計画整備組合の」に、「第百十六条第一項」を「第二百八十九条第一項」に改め、同条を第百十四条とする。
第百十一条第一項中「組合の」を「計画整備組合の」に、「組合を」を「計画整備組合を」に改め、同条第二項中「組合の」を「計画整備組合の」に改め、「(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下この条及び次条において同じ。)」を削り、同条第三項から第五項までの規定中「組合の」を「計画整備組合の」に改め、同条を第百十三条とする。
第百十条第一項中「組合の」を「計画整備組合の」に、「組合を」を「計画整備組合を」に改め、同条第二項中「組合の」を「計画整備組合の」に改め、「借地権」の下に「(一時使用のため設定されたものを含む。以下この条において同じ。)」を加え、同条第三項から第五項までの規定中「組合の」を「計画整備組合の」に改め、同条を第百十二条とし、第四章第三節第八款中同条の前に次の二条を加える。
(防災街区整備事業に係る組合員の脱退等についての特例)
第百十条 第百二十二条第一項の防災街区整備事業の施行の認可を受けた計画整備組合の組合員は、第百二十八条第一項の規定による認可の公告の日から当該防災街区整備事業の終了の認可についての第百三十二条第二項において準用する第百二十八条第一項の規定による公告の日までの間は、第五十六条第一項各号に掲げる事由による場合を除き、計画整備組合を脱退することができない。
2 前項に規定する期間内に、計画整備組合の地区内の宅地(第百十七条第四号に規定する宅地をいう。以下この条及び次条において同じ。)について組合員が有する所有権又は借地権の全部又は一部を組合員以外の者が承継した場合においては、その者は、組合員となる。
3 第一項に規定する期間内に、組合員が計画整備組合の地区内の宅地について有する借地権の全部又は一部が消滅した場合において、その借地権の目的となっていた宅地の所有者又はその宅地の賃貸人が組合員以外の者であるときは、その消滅した借地権が地上権である場合にあってはその宅地の所有者が、その消滅した借地権が賃借権である場合にあってはその宅地の賃貸人がそれぞれ組合員となる。
4 第一項に規定する期間内に、計画整備組合の地区内の宅地について組合員が有する所有権又は借地権の全部又は一部を承継した者がある場合においては、その組合員がその所有権又は借地権の全部又は一部について防災街区整備事業に関して有する権利義務は、その承継した者に移転する。
5 第一項に規定する期間内に、計画整備組合の地区内の宅地について組合員が有する借地権の全部又は一部が消滅した場合においては、その組合員がその借地権の全部又は一部について防災街区整備事業に関して有する権利義務は、その消滅した借地権が地上権である場合にあってはその借地権の目的となっていた宅地の所有者に、その消滅した借地権が賃借権である場合にあってはその宅地の賃貸人にそれぞれ移転する。
(防災街区整備事業の施行地区内における権利処分の特例)
第百十一条 第百二十二条第一項の防災街区整備事業の施行の認可を受けた計画整備組合は、国土交通省令で定めるところにより、当該防災街区整備事業の施行地区内の宅地若しくは建築物の所有権若しくはその宅地に存する既登記の借地権で第二百八十九条第一項の規定により指定された防災街区整備推進機構が有するものを当該計画整備組合の組合員若しくは当該計画整備組合の組合員になろうとする者に移転し、又は当該宅地についてこれらの者に借地権を設定すべきことを、当該防災街区整備推進機構に対し、要請することができる。
2 前項の規定による要請に基づき、同項に規定する防災街区整備推進機構が第二百一条第一項に規定する登記があった後に行う前項に規定する権利の移転又は借地権の設定については、同条第二項から第四項までの規定は、適用しない。
第三十二条第一項中「の土地の区域内の」を「内の」に改め、同条第二項第二号中「確保するために整備されるべき主要な道路、公園その他の政令で定める施設(都市計画法第四条第六項に規定する」を「確保するための防災公共施設(」に、「建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)」を「建築物等」に改め、同条第三項中「長さに対する割合をいう」の下に「。以下同じ」を加える。
第三十四条第一項及び第三項第一号中「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改め、同項第二号中「、特定防災街区整備地区計画」を「、促進地区内防災街区整備地区計画」に改め、同号ロ中「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改める。
第三十五条中「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改める。
「第三節 防災街区整備組合」を「第三節 防災街区計画整備組合」に改める。
第四十条の見出しを「(防災街区計画整備組合の目的)」に改め、同条中「防災街区整備組合」を「防災街区計画整備組合」に、「「組合」を「「計画整備組合」に、「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改め、「借地権」の下に「(一時使用のため設定されたものを含む。)」を加える。
第四十一条中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第四十二条第一項中「組合は」を「計画整備組合は」に、「防災街区整備組合」を「防災街区計画整備組合」に改め、同条第二項中「組合でない」を「計画整備組合でない」に、「防災街区整備組合」を「防災街区計画整備組合」に改める。
第四十三条及び第四十四条第一項中「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第四十五条の見出し中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条第一項中「組合」を「計画整備組合」に、「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改め、同条第二項中「組合は」を「計画整備組合は」に改め、同項第一号中「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改め、同項第二号及び第三号中「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第四十五条の次に次の一条を加える。
(防災街区整備事業)
第四十五条の二 計画整備組合が前条第一項第一号及び第二号に掲げる事業を防災街区整備事業として行う場合には、計画整備組合を第百十九条第一項の規定により数人共同して施行する防災街区整備事業の施行者とみなして、次章(第百三十条を除く。)の規定を適用する。この場合において、第百二十七条第三号中「わたっていること」とあるのは、「わたっており、計画整備組合の地区と一致しておらず、又は当該計画整備組合の組合員の有する所有権若しくは借地権の目的となっている宅地以外の宅地を含んでいること」とする。
2 次章の規定の適用についての必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 計画整備組合は、第一項の規定により適用される第百二十二条第一項の規約若しくは事業計画を定め、若しくは変更し、又は第二百四条第一項の権利変換計画を定め、若しくは変更しようとするときは、組合員全員の合意によらなければならない。
第四十六条第一項中「組合が前条第一項第一号」を「計画整備組合が第四十五条第一項第一号」に改め、「この節において」を削り、「組合を」を「計画整備組合を」に、「防災街区整備組合」を「防災街区計画整備組合」に改め、「と読み替えるもの」を削り、同条第三項中「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第四十七条第一項中「組合が」を「計画整備組合が」に、「組合を」を「計画整備組合を」に、「防災街区整備組合」を「防災街区計画整備組合」に改め、「と読み替えるもの」を削り、同条第三項中「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第四十八条中「組合の」を「計画整備組合の」に、「土地区画整理事業を行う組合」を「防災街区整備事業を行う計画整備組合にあっては第二条第十号に規定する公共施設の、土地区画整理事業を行う計画整備組合」に、「組合にあっては都市再開発法」を「計画整備組合にあっては都市再開発法」に、「第一種市街地再開発事業を行う組合にあっては、一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く」を「土地区画整理事業を行う計画整備組合にあっては、一時使用のため設定されたものを含む」に改める。
第四十九条第四項中「組合に」を「計画整備組合に」に改める。
第五十条第一項中「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第五十一条第五項中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第五十二条第一項中「組合は」を「計画整備組合は」に改め、同条第二項中「組合に」を「計画整備組合に」に改める。
第五十三条中「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第五十四条中「組合に」を「計画整備組合に」に、「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第五十六条第二項中「組合は」を「計画整備組合は」に改め、同項第一号中「組合の」を「計画整備組合の」に改め、同項第二号中「組合に」を「計画整備組合に」に改める。
第五十七条第二項中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第五十八条中「組合の」を「計画整備組合の」に、「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第六十条中「組合は」を「計画整備組合は」に、「組合に」を「計画整備組合に」に改める。
第六十二条第一項及び第二項中「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第六十四条第一項、第六十六条第一項及び第二項、第六十七条並びに第六十八条中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第七十一条第一項中「組合が」を「計画整備組合が」に、「組合に」を「計画整備組合に」に改める。
第七十二条第四項及び第七十三条第二項中「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第七十六条第一項、第七十七条、第七十八条第四項、第八十条第三号、第八十二条第一項、第二項、第五項及び第六項並びに第八十三条第一項及び第四項中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第八十四条第一項中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条第二項中「組合事業」を「計画整備組合の行う事業」に改める。
第八十五条中「土地区画整理事業」を「防災街区整備事業、土地区画整理事業」に、「組合」を「計画整備組合」に改める。
第八十六条中「組合が」を「計画整備組合が」に改める。
第八十七条の見出し中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条中「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第八十八条の見出し中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条中「組合」を「計画整備組合」に、「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に、「建築敷地」を「建築物の敷地」に改める。
第八十九条中「組合」を「計画整備組合」に、「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改め、「借地権」の下に「(一時使用のため設定されたものを含む。)」を加える。
第九十条第一項中「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第九十一条第一項第一号中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条第二項中「組合」を「計画整備組合」に、「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改める。
第九十三条第二項中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第九十四条第一項第二号及び第三号中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条第二項中「特定防災街区整備地区計画」を「促進地区内防災街区整備地区計画」に改める。
第九十五条第三項ただし書及び第九十六条中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第九十七条第一項中「組合は」を「計画整備組合は」に改め、同項第二号及び第三号中「組合」を「計画整備組合」に改め、同条第四項及び第五項中「組合は」を「計画整備組合は」に改める。
第九十八条第一項及び第四項中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第九十九条第一項中「組合を」を「計画整備組合を」に、「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第百条から第百二条まで、第百三条第一項及び第二項並びに第百四条(見出しを含む。)中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第百五条中「組合から」を「計画整備組合から」に、「組合が」を「計画整備組合が」に、「組合に」を「計画整備組合に」に、「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第百六条中「組合の」を「計画整備組合の」に改める。
第百七条及び第百八条中「組合」を「計画整備組合」に改める。
第四章を第五章とし、同章の次に次の二章を加える。
第六章 防災街区整備事業
第一節 総則
(定義)
第百十七条 この章において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 施行者 防災街区整備事業を施行する者をいう。
二 施行地区 防災街区整備事業を施行する土地の区域をいう。
三 施行区域 都市計画法第十二条第二項の規定により防災街区整備事業について都市計画に定められた施行区域をいう。
四 宅地 公共施設の用に供されている国、地方公共団体その他政令で定める者の所有する土地以外の土地をいう。
五 防災施設建築物 防災街区整備事業によって建築される建築物をいう。
六 防災施設建築敷地 防災街区整備事業によって造成される防災施設建築物の敷地をいう。
七 防災施設建築物の一部 区分所有権の目的たる防災施設建築物の部分(建物の区分所有等に関する法律第二条第四項に規定する共用部分の共有持分を含む。)をいう。
八 防災施設建築物の一部等 防災施設建築物の一部及び当該防災施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分をいう。
九 防災建築施設の部分 防災施設建築物の一部及び当該防災施設建築物の存する防災施設建築敷地の共有持分をいう。
十 借地 借地権の目的となっている宅地をいう。
(施行地区となるべき土地の区域及び施行区域)
第百十八条 施行地区となるべき土地の区域は、密集市街地内の次に掲げる条件に該当する土地の区域又は施行区域内の土地の区域(都市計画事業として施行する場合にあっては、施行区域内の土地の区域)でなければならない。
一 次のいずれかに掲げる区域内にあること。
イ 特定防災街区整備地区
ロ 防災街区整備地区計画の区域のうち、建築基準法第六十七条の二第一項に規定する制限と同等以上の建築物の構造に関する防火上の制限及び建築物の敷地面積の最低限度(防火地域が定められている区域にあっては、建築物の敷地面積の最低限度)が定められており、かつ、同法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例でこれらの制限が定められている区域
二 当該区域内にある耐火建築物又は準耐火建築物の延べ面積の合計が、当該区域内にあるすべての建築物の延べ面積の合計のおおむね三分の一以下であること。
三 次のいずれかに該当する土地の区域であること。
イ 当該区域内にある建築物で建築基準法第四十三条、第四十四条第一項、第五十三条、第五十三条の二若しくは第六十七条の二第三項若しくは第五項の規定又は建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の敷地面積の最低限度若しくは壁面の位置の制限に関する同法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例の規定に適合しないもの(ロにおいて「不適合建築物」という。)の数の当該区域内にあるすべての建築物の数に対する割合が政令で定める割合以上であること。
ロ 当該区域内にある不適合建築物の建築面積の合計の当該区域内にあるすべての建築物の建築面積の合計に対する割合が政令で定める割合以上であること。
四 当該区域内に十分な公共施設がないこと、当該区域内の土地の利用が細分されていること等により、当該区域内の土地の利用状況が不健全であること。
五 当該区域を防災街区として整備することが、当該密集市街地における特定防災機能の効果的な確保に貢献すること。
2 施行区域は、密集市街地内の前項各号に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。
(施行者)
第百十九条 前条第一項に規定する土地の区域内の宅地の所有者若しくは借地権者(借地権を有する者をいう。以下同じ。)又は当該所有者若しくは借地権者の同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該所有者若しくは借地権者の権利の目的である宅地について、又はその宅地及び当該区域内の宅地以外の土地について防災街区整備事業を施行することができる。
2 防災街区整備事業組合は、都市計画事業として防災街区整備事業を施行することができる。
3 次に掲げる要件のすべてに該当する株式会社又は有限会社は、都市計画事業として防災街区整備事業を施行することができる。
一 防災街区整備事業の施行を主たる目的とするものであること。
二 株式会社にあっては、定款に株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定めがあるものであること。
三 施行地区となるべき区域内の宅地の所有者又は借地権者が、株式会社にあっては総株主の、有限会社にあっては総社員の議決権の過半数を保有していること。
四 前号の議決権の過半数を保有している者及び当該株式会社又は有限会社が所有する施行地区となるべき区域内の宅地の地積とそれらの者が有するその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上であること。
4 都市再開発法第二条の二第三項第四号後段の規定は、前項第四号の規定による地積の算定について準用する。この場合において、同条第三項第四号後段中「前段」とあるのは、「密集市街地整備法第百十九条第三項第四号」と読み替えるものとする。
5 地方公共団体、都市基盤整備公団又は地域振興整備公団は、都市計画事業として防災街区整備事業を施行することができる。
6 地方住宅供給公社は、その住宅の建設と併せて防災街区の整備を行うための防災街区整備事業を施行する必要があると国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあっては、都道府県知事)が認めるときは、都市計画事業として当該防災街区整備事業を施行することができる。
第二節 防災街区整備事業に関する都市計画
第百二十条 防災街区整備事業に関する都市計画においては、都市計画法第十二条第二項に定める事項のほか、防災公共施設その他の公共施設の配置及び規模並びに防災施設建築物の整備に関する計画を定めるものとする。
2 防災街区整備事業に関する都市計画は、次に掲げるところに従って定めなければならない。
一 道路、公園、下水道その他の都市施設に関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合するように定めること。
二 施行区域が、適正な配置及び規模の防災公共施設その他の公共施設を備えることにより、特定防災機能が確保された良好な都市環境のものとなるように定めること。
三 防災施設建築物の整備に関する計画は、適切な構造、高さ、配列等を備えた防災施設建築物が整備されることにより、施行区域及びその周辺の密集市街地における特定防災機能の確保及び施行区域における土地の合理的かつ健全な利用が図られるように定めること。この場合において、施行区域内に、又は施行区域に接して防災都市施設に係る都市施設に関する都市計画(以下「防災都市施設に関する都市計画」という。)が定められているときは、当該防災都市施設と一体となって特定防災機能の確保が図られるように定めること。
(都市計画法の特例)
第百二十一条 都市計画事業として施行する防災街区整備事業については、都市計画法第六十条から第七十四条までの規定は、適用しない。
2 施行区域内における建築物の建築の制限に関しては、都市計画法第五十三条第三項中「第六十五条第一項に規定する告示」とあるのは「密集市街地整備法第百九十一条第二項各号に定める公告」と、「当該告示」とあるのは「当該公告」とする。
第三節 施行者
第一款 個人施行者
(施行の認可)
第百二十二条 第百十九条第一項の規定により防災街区整備事業を施行しようとする者は、一人で施行しようとする者にあっては規準及び事業計画を定め、数人共同して施行しようとする者にあっては規約及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、その防災街区整備事業の施行について都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 前項の規定による認可の申請は、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長の意見を聴かなければならない。
4 第百十九条第一項の規定による施行者(以下「個人施行者」という。)が施行区域内において施行する防災街区整備事業は、都市計画事業として施行するものとし、当該防災街区整備事業については、第一項の規定による認可をもって都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。ただし、同法第七十九条、第八十条第一項、第八十一条第一項及び第八十九条第一項の規定の適用については、この限りでない。
(規準又は規約)
第百二十三条 前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあっては、第五号から第七号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。
一 防災街区整備事業の名称
二 施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称
三 防災街区整備事業の範囲
四 事務所の所在地
五 事業に要する経費の分担に関する事項
六 業務を代表して行う者を定めるときは、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項
七 会議に関する事項
八 事業年度
九 公告の方法
十 その他国土交通省令で定める事項
(事業計画)
第百二十四条 事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)、設計の概要、事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。
2 事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、防災施設建築敷地以外の建築物の敷地となるべき土地の区域(以下「個別利用区」という。)を定めることができる。
3 個別利用区の位置は、特定防災機能の確保及び土地の合理的かつ健全な利用を図る上で支障がない位置に定めなければならない。この場合においては、第二百二条第一項の申出が見込まれる者が所有権又は借地権を有する宅地の位置、利用状況、環境等を勘案しなければならない。
4 個別利用区の面積は、第二百二条第一項の申出が見込まれる者に対して権利変換手続により所有権又は借地権が与えられることが見込まれる宅地の地積の合計を考慮して相当と認められる規模としなければならない。
5 第二百四十三条の規定により公共施設の管理者又は管理者となるべき者に当該公共施設の整備に関する工事の全部又は一部を行わせる場合には、事業計画において、当該管理者又は管理者となるべき者の行う工事の範囲を定めなければならない。
6 事業計画の策定について必要な技術的基準は、国土交通省令で定める。
(公共施設の管理者の同意)
第百二十五条 第百二十二条第一項の規定による認可を申請しようとする者は、あらかじめ、事業計画につき、施行地区内にある公共施設の管理者及び当該防災街区整備事業の施行により整備される公共施設の管理者又は管理者となるべき者の同意を得なければならない。
(事業計画に関する関係権利者の同意)
第百二十六条 第百二十二条第一項の規定による認可を申請しようとする者は、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地又は建築物について権利を有する者があるときは、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。ただし、その権利をもって認可を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りでない。
2 都市再開発法第七条の十三第二項の規定は、前項の場合について準用する。
(施行の認可の基準)
第百二十七条 都道府県知事は、第百二十二条第一項の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その認可をしなければならない。
一 申請手続が法令に違反していること。
二 規準若しくは規約又は事業計画の決定手続又は内容が法令に違反していること。
三 施行地区が、施行区域の内外にわたっていること。
四 事業計画の内容が施行地区内の土地に係る都市計画に適合せず、又は事業施行期間が適切でないこと。
五 当該防災街区整備事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。
(施行の認可の公告等)
第百二十八条 都道府県知事は、第百二十二条第一項の規定による認可をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、施行者の氏名又は名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、都市計画事業として施行する防災街区整備事業については国土交通大臣及び関係市町村長に、その他の防災街区整備事業については関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
2 個人施行者は、前項の公告があるまでは、施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもって第三者に対抗することができない。
3 市町村長は、第二百四十四条第二項又は第二百六十九条第三項の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を公衆の縦覧に供しなければならない。
(規準又は規約及び事業計画の変更)
第百二十九条 個人施行者は、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 第百二十二条第三項の規定は個人施行者が事業計画を変更して新たに施行地区に編入しようとする土地がある場合に、第百二十五条の規定は個人施行者が公共施設に関係のある事業計画の変更をしようとする場合に、第百二十二条第二項及び前三条の規定は前項の規定による認可について準用する。この場合において、第百二十二条第三項及び第百二十六条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、第百二十二条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区又は新たに施行地区となるべき区域」と、前条第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもって」とあるのは「規準若しくは規約又は事業計画の変更をもって」と読み替えるものとする。
3 個人施行者は、施行地区の縮小又は事業に要する経費の分担に関し、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとする場合において、防災街区整備事業の施行のための借入金があるときは、その変更についてその債権者の同意を得なければならない。
(個人施行者の変動等についての都市再開発法の準用)
第百三十条 都市再開発法第七条の十七の規定は防災街区整備事業の個人施行者の変動について、同法第七条の十八の規定は防災街区整備事業の個人施行者の権利義務の移転について準用する。この場合において、同法第七条の十七第四項及び第六項中「第二条の二第一項」とあるのは「密集市街地整備法第百十九条第一項」と、同条第四項中「第七条の九第一項」とあるのは「密集市街地整備法第百二十二条第一項」と読み替えるものとする。
(審査委員)
第百三十一条 個人施行者は、都道府県知事の承認を受けて、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから、この法律及び規準又は規約で定める権限を行う審査委員三人以上を選任しなければならない。
2 前項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。
(防災街区整備事業の終了)
第百三十二条 個人施行者は、防災街区整備事業を終了しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その終了について都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 第百二十二条第二項並びに第百二十八条第一項(図書の送付に係る部分を除く。)及び第二項の規定は、前項の規定による認可について準用する。この場合において、第百二十二条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区」と、第百二十八条第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもって」とあるのは「防災街区整備事業の終了をもって」と読み替えるものとする。
第二款 防災街区整備事業組合
第一目 通則
(法人格)
第百三十三条 防災街区整備事業組合(以下「事業組合」という。)は、法人とする。
2 民法第四十四条第一項、第五十条、第五十四条及び第五十五条の規定は、事業組合について準用する。
(定款)
第百三十四条 事業組合は、定款をもって次に掲げる事項を定めなければならない。
一 事業組合の名称
二 施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称
三 防災街区整備事業の範囲
四 事務所の所在地
五 参加組合員に関する事項
六 事業に要する経費の分担に関する事項
七 役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項
八 総会に関する事項
九 総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項
十 事業年度
十一 公告の方法
十二 その他国土交通省令で定める事項
2 事業組合は、定款において前項第五号の参加組合員に関する事項を定めようとするときは、第百五十九条第一項に規定する負担金及び分担金を負担して防災街区整備事業に参加するのに必要な資力及び信用を有する者を参加組合員とするようにしなければならない。
(名称)
第百三十五条 事業組合は、その名称中に防災街区整備事業組合という文字を用いなければならない。
2 事業組合でない者は、その名称中に防災街区整備事業組合という文字を用いてはならない。
第二目 設立
(設立の認可)
第百三十六条 施行区域内の宅地の所有者又は借地権者は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて事業組合を設立することができる。
2 前項に規定する者は、事業計画の決定に先立って事業組合を設立する必要がある場合においては、同項の規定にかかわらず、五人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて事業組合を設立することができる。
3 前項の規定により設立された事業組合は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて事業計画を定めるものとする。
4 第百二十二条第二項の規定は前三項の規定による認可の申請について、同条第三項の規定は第一項又は第二項の規定による認可について準用する。この場合において、同条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区となるべき区域(第百三十六条第三項の規定による認可の申請にあっては、施行地区)」と読み替えるものとする。
5 事業組合が施行する防災街区整備事業については、第一項又は第三項の規定による認可をもって都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。第百二十二条第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。
(事業計画及び事業基本方針)
第百三十七条 第百二十四条及び第百二十五条の規定は、前条第一項又は第三項の事業計画について準用する。
2 前条第二項の事業基本方針においては、国土交通省令で定めるところにより、施行地区及び防災街区整備事業の施行の方針を定めなければならない。
3 前条第三項の事業計画は、同条第二項の事業基本方針に即したものでなければならない。
(宅地の所有者及び借地権者の同意)
第百三十八条 第百三十六条第一項又は第二項の規定による認可を申請しようとする者は、事業組合の設立について、施行地区となるべき区域内の宅地のすべての所有者及びその区域内の宅地のすべての借地権者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。この場合においては、同意した所有者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した借地権者のその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上でなければならない。
2 都市再開発法第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。
(借地権の申告)
第百三十九条 前条第一項に規定する同意を得ようとする者は、あらかじめ、施行地区となるべき区域の公告を当該区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。
2 市町村長は、前項の申請があったときは、国土交通省令で定めるところにより、速やかに、当該申請に係る公告をしなければならない。
3 前項の公告に係る施行地区となるべき区域内の宅地について未登記の借地権を有する者は、同項の公告があった日から起算して三十日以内に同項の市町村長に対し、国土交通省令で定めるところにより、その借地の所有者(借地権者から更に借地権の設定を受けた場合にあっては、その設定者及びその借地の所有者)と連署し、又は借地権を証する書面を添えて、書面をもってその借地権の種類及び内容を申告しなければならない。
4 未登記の借地権で前項の規定による申告のないものは、同項の申告の期間を経過した後は、前条第一項の規定の適用については、存しないものとみなす。
(事業計画の縦覧及び意見書の処理)
第百四十条 都道府県知事は、第百三十六条第一項又は第三項の規定による認可の申請があったときは、施行地区となるべき区域(同項の規定による認可の申請にあっては、施行地区)を管轄する市町村長に、当該申請に係る事業計画を送付しなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条各号のいずれかに該当する事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。
2 前項本文の規定により事業計画の送付を受けた市町村長は、政令で定めるところにより、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
3 当該防災街区整備事業に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件について権利を有する者又は参加組合員は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし、都市計画において定められた事項については、この限りでない。
4 都道府県知事は、前項の規定による意見書の提出があったときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
5 前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。
6 第百三十六条第一項又は第三項の規定による認可を申請した者が、第四項の規定により事業計画に修正を加え、その旨を都道府県知事に申告したときは、その修正に係る部分について、更にこの条に規定する手続を行うものとする。
(認可の基準)
第百四十一条 都道府県知事は、第百三十六条第一項から第三項までの規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その認可をしなければならない。
一 申請手続が法令に違反していること。
二 定款又は事業計画若しくは事業基本方針の決定手続又は内容が法令(事業計画の内容にあっては、前条第四項に規定する都道府県知事の命令を含む。)に違反していること。
三 事業計画又は事業基本方針の内容が当該防災街区整備事業に関する都市計画に適合せず、又は事業施行期間が適切でないこと。
四 当該防災街区整備事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。
(事業組合の成立)
第百四十二条 事業組合は、第百三十六条第一項又は第二項の規定による認可により成立する。
(認可の公告等)
第百四十三条 都道府県知事は、第百三十六条第一項又は第三項の規定による認可をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、事業組合の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
2 都道府県知事は、第百三十六条第二項の規定による認可をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、事業組合の名称、施行地区その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、関係市町村長に施行地区を表示する図書を送付しなければならない。
3 事業組合は、第百三十六条第一項の認可に係る第一項の公告があるまでは事業組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって、前項の公告があるまでは事業組合の成立又は定款若しくは事業基本方針をもって、同条第三項の認可に係る第一項の公告があるまでは事業計画をもって、組合員その他の第三者に対抗することができない。
4 市町村長は、第百六十三条第六項又は第二百四十四条第二項の公告の日(第二項の図書にあっては、当該図書に係る防災街区整備事業についての第一項の図書の公衆の縦覧を開始する日)まで、政令で定めるところにより、第一項又は第二項の図書を公衆の縦覧に供しなければならない。
第三目 管理
(組合員)
第百四十四条 事業組合が施行する防災街区整備事業に係る施行地区内の宅地の所有者及び借地権者は、すべてその事業組合の組合員とする。
2 宅地又は借地権が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。
3 前項の規定により一人の組合員とみなされる者は、それぞれのうちから代表者一人を選任し、その者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)を事業組合に通知しなければならない。
4 前項の代表者の権限に加えた制限は、これをもって事業組合に対抗することができない。
5 第三項の代表者の解任は、事業組合にその旨を通知するまでは、これをもって事業組合に対抗することができない。
(参加組合員)
第百四十五条 前条第一項に規定する者のほか、定款で定められた参加組合員は、事業組合の組合員となる。
(組合員名簿の作成等)
第百四十六条 第百三十六条第一項又は第二項の認可を受けた者は、第百四十三条第一項又は第二項の公告後、遅滞なく、組合員の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びに所有者である組合員、借地権者である組合員又は参加組合員の別その他国土交通省令で定める事項を記載した組合員名簿を作成しなければならない。
2 第百三十六条第一項又は第二項の認可を受けた者又は理事長は、次項の規定による通知を受けたとき、又は組合員名簿の記載事項の変更を知ったときは、遅滞なく、組合員名簿に必要な変更を加えなければならない。
3 組合員は、組合員名簿の記載事項に変更を生じたときは、その旨を事業組合に通知しなければならない。
(組合員の権利義務の移転についての都市再開発法の準用)
第百四十七条 都市再開発法第二十二条の規定は、事業組合の組合員の権利義務の移転について準用する。
(役員)
第百四十八条 事業組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く。
2 事業組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。
3 都市再開発法第二十四条から第二十八条までの規定は、事業組合の役員について準用する。この場合において、同法第二十七条第六項中「組合」とあるのは、「防災街区整備事業組合」と読み替えるものとする。
(総会の組織)
第百四十九条 事業組合の総会は、総組合員で組織する。
(総会の決議事項)
第百五十条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 事業計画の決定
三 事業計画又は事業基本方針の変更
四 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
五 経費の収支予算
六 予算をもって定めるもののほか、事業組合の負担となるべき契約
七 賦課金の額及び賦課徴収の方法
八 権利変換計画及びその変更
九 事業代行開始の申請
十 第二百七十七条第一項の管理規約
十一 事業組合の解散
十二 その他定款で定める事項
(総会の招集及び議事についての都市再開発法の準用)
第百五十一条 都市再開発法第三十一条の規定は事業組合の総会の招集について、同法第三十二条の規定は事業組合の総会の議事について準用する。この場合において、同法第三十一条第五項中「第十一条第一項又は第二項」とあるのは、「密集市街地整備法第百三十六条第一項又は第二項」と読み替えるものとする。
(特別の議決)
第百五十二条 第百五十条第一号及び第三号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第二号及び第九号から第十一号までに掲げる事項は、総組合員の三分の二以上が出席し、出席者の議決権の三分の二以上で、かつ、施行地区内の宅地の所有者である出席者の議決権及び施行地区内の宅地の借地権者である出席者の議決権のそれぞれの三分の二以上で決する。第百三十八条第一項後段の規定は、この場合について準用する。
(総会の部会)
第百五十三条 事業組合は、施行地区が工区に分かれているときは、総会の議決を経て、工区ごとに総会の部会を設け、工区内の宅地及び建築物に関し、第百五十条第八号及び第十号に掲げる事項についての総会の権限をその部会に行わせることができる。
2 総会の部会は、その部会の設けられる工区に関係のある組合員で組織する。
3 都市再開発法第三十一条第二項から第四項まで及び第六項並びに第三十二条の規定並びに前条の規定は、事業組合の総会の部会について準用する。この場合において、同法第三十一条第三項中「組合員が」とあるのは「部会を組織する組合員が」と、同項及び同法第三十二条第一項並びに前条中「総組合員」とあるのは「部会を組織する総組合員」と、同法第三十一条第六項及び第三十二条第三項中「組合員」とあるのは「部会を組織する組合員」と読み替えるものとする。
(総代会)
第百五十四条 組合員の数が五十人を超える事業組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。
2 総代会は、総代をもって組織するものとし、総代の定数は、組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において定款で定める。ただし、組合員の総数が二百人を超える事業組合にあっては、二十人以上であることをもって足りる。
3 総代会が総会に代わって行う権限は、次に掲げる事項以外の事項に関する総会の権限とする。
一 理事及び監事の選挙又は選任
二 第百五十二条の規定に従って議決しなければならない事項
4 都市再開発法第三十一条第一項から第四項まで及び第六項並びに第三十二条(第三項ただし書を除く。)の規定は事業組合の総代会について、同法第三十五条第五項の規定は総代会が設けられた事業組合について準用する。
(総代)
第百五十五条 総代は、定款で定めるところにより、組合員が組合員(法人にあっては、その役員)のうちから選挙する。
2 総代の任期は、五年を超えない範囲内において定款で定める。補欠の総代の任期は、前任者の残任期間とする。
3 都市再開発法第二十四条第二項及び第二十六条の規定は、事業組合の総代について準用する。この場合において、同項中「前項本文」とあるのは、「密集市街地整備法第百五十五条第一項」と読み替えるものとする。
(議決権及び選挙権)
第百五十六条 組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する。
2 施行地区内の宅地について所有権と借地権とをともに有する組合員は、第百五十二条の規定による議決については、前項の規定にかかわらず、宅地の所有者である組合員として、及び宅地の借地権者である組合員として、それぞれ議決権を有する。施行地区内の宅地の所有者である組合員及び施行地区内の宅地の借地権者である組合員が各別に総代を選挙するものと定款で定めた場合におけるその選挙に係る選挙権についても、同様とする。
3 組合員は書面又は代理人をもって、総代は書面をもって、議決権及び選挙権を行使することができる。
4 前項の規定により議決権及び選挙権を行使する者は、第百五十一条、第百五十三条第三項及び第百五十四条第四項において準用する都市再開発法第三十二条第一項の規定並びに第百五十二条(第百五十三条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、出席者とみなす。
5 代理人は、同時に五人以上の組合員を代理することができない。
6 代理人は、代理権を証する書面を事業組合に提出しなければならない。
7 民法第六十六条の規定は、組合員の議決権について準用する。
(定款又は事業計画若しくは事業基本方針の変更)
第百五十七条 事業組合は、定款又は事業計画若しくは事業基本方針を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 第百二十二条第三項、第百三十八条及び第百三十九条の規定は事業組合が事業計画又は事業基本方針を変更して新たに施行地区に編入しようとする土地がある場合に、第百二十五条の規定は事業組合が公共施設に関係のある事業計画の変更をしようとする場合に、第百二十九条第三項の規定は事業組合が施行地区の縮小又は事業に要する経費の分担に関し定款又は事業計画若しくは事業基本方針を変更しようとする場合に、第百四十条の規定は事業計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)の認可の申請があった場合に、第百二十二条第二項、第百四十一条及び第百四十三条の規定は前項の規定による認可について準用する。この場合において、第百二十二条第三項中「施行地区となるべき区域」とあり、及び第百四十条第一項中「施行地区となるべき区域(同項の規定による認可の申請にあっては、施行地区)」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、第百二十二条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区又は新たに施行地区となるべき区域」と、第百四十三条第一項中「認可」とあるのは「認可に係る定款又は事業計画についての変更の認可」と、同条第二項中「認可」とあるのは「認可に係る定款又は事業基本方針についての変更の認可」と、同条第三項中「事業組合の成立又は定款若しくは事業計画」とあるのは「定款又は事業計画の変更」と、「事業組合の成立又は定款若しくは事業基本方針」とあるのは「定款又は事業基本方針の変更」と、「あるまでは事業計画」とあるのは「あるまでは事業計画の変更」と、「組合員その他の」とあるのは「その変更について第百五十七条第一項の規定による認可があった際に従前から組合員であった者以外の」と読み替えるものとする。
(経費の賦課徴収)
第百五十八条 事業組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
2 賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の位置、地積等を考慮して公平に定めなければならない。
3 組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって事業組合に対抗することができない。
4 事業組合は、組合員が賦課金の納付を怠ったときは、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。
(参加組合員の負担金及び分担金)
第百五十九条 参加組合員は、権利変換計画で定めるところに従い取得することとなる防災施設建築物の一部等の価額に相当する額の負担金及び事業組合の防災街区整備事業に要する経費に充てるための分担金を、国土交通省令で定めるところにより、事業組合に納付しなければならない。
2 前条第三項及び第四項の規定は、前項の負担金及び分担金について準用する。
(賦課金等の滞納処分)
第百六十条 事業組合は、組合員が賦課金、負担金、分担金又は過怠金を滞納したときは、督促状を発して督促し、その者がその督促状において指定した期限までに納付しないときは、市町村長に対し、その徴収を申請することができる。
2 市町村長は、前項の規定による申請があったときは、事業組合のために、地方税の滞納処分の例により滞納処分をするものとする。この場合においては、事業組合は、市町村長の徴収した金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に納付しなければならない。
3 市町村長が第一項の規定による申請を受けた日から起算して、三十日以内に滞納処分に着手せず、又は九十日以内にこれを終了しないときは、事業組合の理事長は、都道府県知事の認可を受けて、地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
4 前二項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
5 都市再開発法第四十二条の規定は、事業組合の賦課金、負担金、分担金及び過怠金を徴収する権利について準用する。この場合において、同条第二項中「前条第一項」とあるのは、「密集市街地整備法第百六十条第一項」と読み替えるものとする。
(審査委員)
第百六十一条 事業組合に、この法律及び定款で定める権限を行わせるため、審査委員三人以上を置く。
2 審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。
3 前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。
(組合員等の特則)
第百六十二条 権利変換期日以後においては、事業組合又は参加組合員が取得するものを除き、次の各号に掲げるものは当該各号に定めるものとみなし、事業組合又は参加組合員が取得した第一号に掲げる共有持分は存しないものとみなして、組合員に関する規定を適用する。
一 防災施設建築敷地の各共有持分又は第二百二十二条第一項の規定による地上権の各共有持分 それぞれ一個の宅地又は地上権
二 防災施設建築敷地の地積に前号の各共有持分又は同号の地上権の各共有持分の割合を乗じて得た数値 それぞれ宅地の地積又は借地の地積
2 第百五十条第十号に掲げる事項の議決に係る第百五十二条の適用については、第二百二条第五項に規定する指定宅地の所有者又は借地権者であって施行地区内の他の宅地について所有権又は借地権を有しないもの(権利変換期日以後においては、個別利用区内の宅地の所有者又は借地権者であって施行地区内の他の宅地について所有権又は借地権を有しないもの)は組合員でないものとみなし、同項に規定する指定宅地(権利変換期日以後においては、個別利用区内の宅地)は施行地区内の宅地及び借地に含まれないものとみなす。
第四目 解散
(解散)
第百六十三条 事業組合は、次に掲げる理由により解散する。
一 設立についての認可の取消し
二 総会の議決
三 事業の完成
2 前項第二号の議決は、権利変換期日前に限り行うことができるものとする。
3 事業組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとする場合において、借入金があるときは、解散について債権者の同意を得なければならない。
4 事業組合は、第一項第二号又は第三号に掲げる理由により解散しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
5 第百二十二条第二項の規定は、前項の規定による認可の申請について準用する。この場合において、同条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」と読み替えるものとする。
6 都道府県知事は、事業組合の設立についての認可を取り消したとき、又は第四項の規定による認可をしたときは、速やかに、その旨を公告しなければならない。
7 事業組合は、前項の公告があるまでは、解散をもって組合員以外の第三者に対抗することができない。
(事業組合の解散及び清算についての都市再開発法等の準用)
第百六十四条 都市再開発法第四十六条から第四十九条までの規定、民法第七十三条、第七十五条、第七十六条、第七十八条から第八十条まで及び第八十二条の規定並びに非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条、第百三十七条前段並びに第百三十八条の規定は、事業組合の解散及び清算について準用する。この場合において、民法第七十五条中「前条」とあるのは、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第百六十四条において準用する都市再開発法第四十六条」と読み替えるものとする。
第三款 事業会社
(施行の認可)
第百六十五条 第百十九条第三項の規定により防災街区整備事業を施行しようとする者は、規準及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 第百二十二条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による認可について準用する。
3 第百十九条第三項の規定による施行者(以下「事業会社」という。)が施行する防災街区整備事業については、第一項の規定による認可をもって都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。第百二十二条第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。
(規準)
第百六十六条 前条第一項の規準には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 防災街区整備事業の名称
二 施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称
三 防災街区整備事業の範囲
四 事務所の所在地
五 特定事業参加者(第百七十三条第一項の負担金を納付し、権利変換計画で定めるところに従い防災施設建築物の一部等を取得する者をいう。以下この款において同じ。)に関する事項
六 事業に要する経費の分担に関する事項
七 事業年度
八 公告の方法
九 その他国土交通省令で定める事項
2 事業会社は、規準において前項第五号の特定事業参加者に関する事項を定めようとするときは、原則として、特定事業参加者を公募しなければならない。ただし、施行地区となるべき区域内に宅地、借地権若しくは権原に基づき建築物を有する者又は当該区域内の建築物の借家権者(借家権を有する者をいう。以下同じ。)が、事業会社が取得することとなる防災施設建築物の一部等をその居住又は業務の用に供するため特に取得する必要がある場合において、これらの者を特定事業参加者として同号の特定事業参加者に関する事項を定めようとするときは、この限りでない。
3 事業会社は、規準において第一項第五号の特定事業参加者に関する事項を定めようとするときは、第百七十三条第一項の防災施設建築物の一部等の価額に相当する額を負担するのに必要な資力及び信用を有する者を特定事業参加者とするようにしなければならない。
(宅地の所有者及び借地権者の同意)
第百六十七条 第百六十五条第一項の規定による認可を申請しようとする者は、規準及び事業計画について、施行地区となるべき区域内の宅地のすべての所有者及びその区域内の宅地のすべての借地権者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。この場合においては、同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上でなければならない。
2 都市再開発法第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。
(借地権の申告)
第百六十八条 前条第一項に規定する同意を得ようとする者は、あらかじめ、施行地区となるべき区域の公告を当該区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。
2 第百三十九条第二項から第四項までの規定は、前項の規定による申請があった場合について準用する。この場合において、同条第四項中「前条第一項」とあるのは、「第百六十七条第一項」と読み替えるものとする。
(事業計画等)
第百六十九条 第百二十四条及び第百二十五条の規定は事業計画について、第百四十条の規定は規準及び事業計画について準用する。この場合において、第百二十五条中「第百二十二条第一項」とあり、並びに第百四十条第一項及び第六項中「第百三十六条第一項又は第三項」とあるのは「第百六十五条第一項」と、同条第一項ただし書中「次条各号」とあるのは「第百七十条各号」と、同条第三項中「参加組合員」とあるのは「第百六十六条第一項第五号の特定事業参加者」と読み替えるものとする。
(認可の基準)
第百七十条 都道府県知事は、第百六十五条第一項の規定による認可の申請があった場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その認可をしなければならない。
一 申請者が第百十九条第三項各号に掲げる要件のすべてに該当する株式会社又は有限会社でないこと。
二 申請手続が法令に違反していること。
三 規準又は事業計画の決定手続又は内容が法令(前条において準用する第百四十条第四項の規定による都道府県知事の命令を含む。)に違反していること。
四 事業計画の内容が当該防災街区整備事業に関する都市計画に適合せず、又は事業施行期間が適切でないこと。
五 当該防災街区整備事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。
(認可の公告等)
第百七十一条 都道府県知事は、第百六十五条第一項の規定による認可をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、事業会社の名称、防災街区整備事業の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
2 事業会社は、前項の公告があるまでは、施行者として、又は規準若しくは事業計画をもって第三者に対抗することができない。
3 市町村長は、第二百四十四条第二項又は第二百七十一条第五項の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を公衆の縦覧に供しなければならない。
(規準又は事業計画の変更)
第百七十二条 事業会社は、規準又は事業計画を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 第百二十二条第三項及び第百六十八条の規定は事業会社が事業計画を変更して新たに施行地区に編入しようとする土地がある場合に、第百二十五条の規定は事業会社が公共施設に関係のある事業計画の変更をしようとする場合に、第百二十九条第三項の規定は事業会社が施行地区の縮小又は事業に要する経費の分担に関し規準又は事業計画を変更しようとする場合に、第百四十条の規定は規準又は事業計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)の認可の申請があった場合に、第百二十二条第二項、第百六十七条及び前二条の規定は前項の規定による認可について準用する。この場合において、第百二十二条第三項及び第百六十七条第一項中「施行地区となるべき区域」とあり、並びに第百四十条第一項中「施行地区となるべき区域(同項の規定による認可の申請にあっては、施行地区)」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、同項ただし書中「次条各号」とあるのは「第百七十二条第二項において準用する第百七十条各号」と、同条第三項中「参加組合員」とあるのは「第百六十六条第一項第五号の特定事業参加者」と、第百二十二条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区又は新たに施行地区となるべき区域」と、第百六十七条第一項中「所有者及び」とあるのは「所有者並びに」と、第百七十条第一号中「でないこと」とあるのは「でないこと。この場合において、同項第三号及び第四号中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」とする」と、前条第一項中「認可」とあるのは「認可に係る規準又は事業計画についての変更の認可」と、同条第二項中「施行者として、又は規準若しくは事業計画」とあるのは「規準又は事業計画の変更」と読み替えるものとする。
(特定事業参加者の負担金等)
第百七十三条 事業会社が施行する防災街区整備事業における特定事業参加者は、権利変換計画で定めるところに従い取得することとなる防災施設建築物の一部等の価額に相当する額の負担金を、国土交通省令で定めるところにより、事業会社に納付しなければならない。
2 特定事業参加者は、前項の負担金の納付について、相殺をもって事業会社に対抗することができない。
3 事業会社は、特定事業参加者が負担金の納付を怠ったときは、規準で定めるところにより、特定事業参加者に対して過怠金を課することができる。
(負担金等の滞納処分)
第百七十四条 事業会社は、特定事業参加者が負担金又は過怠金を滞納したときは、督促状を発して督促し、その者がその督促状において指定した期限までに納付しないときは、市町村長に対し、その徴収を申請することができる。
2 第百六十条第二項から第四項までの規定は、前項の規定による申請があった場合について準用する。この場合において、同条第二項中「事業組合」とあるのは「第百六十五条第三項の事業会社」と、同条第三項中「事業組合の理事長」とあるのは「第百六十五条第三項の事業会社の代表者」と読み替えるものとする。
3 都市再開発法第四十二条の規定は、事業会社の負担金及び過怠金を徴収する権利について準用する。この場合において、同条第二項中「前条第一項」とあるのは、「密集市街地整備法第百七十四条第一項」と読み替えるものとする。
(事業会社の合併若しくは分割又は事業の譲渡及び譲受け)
第百七十五条 事業会社の合併若しくは分割又は事業会社が施行する防災街区整備事業の全部若しくは一部の譲渡及び譲受けは、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 第百二十二条第二項及び第三項、第百七十条並びに第百七十一条の規定は、前項の規定による認可について準用する。この場合において、第百二十二条第二項及び第三項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区」と、第百七十条中「次の各号のいずれにも該当しない」とあるのは「次の各号(第三号及び第四号を除く。)のいずれにも該当せず、規準及び事業計画の変更を伴わない」と、同条第一号中「でないこと」とあるのは「でないこと。この場合において、同項第三号及び第四号中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」とする」と読み替えるものとする。
(権利義務の承継についての都市再開発法の準用)
第百七十六条 都市再開発法第五十条の十三の規定は、事業会社の合併若しくは分割又は事業会社の施行する防災街区整備事業の全部の譲渡があった場合の権利義務の承継について準用する。
(審査委員)
第百七十七条 事業会社は、都道府県知事の承認を受けて、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから、この法律及び規準で定める権限を行う審査委員三人以上を選任しなければならない。
2 前項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。
(防災街区整備事業の終了)
第百七十八条 事業会社は、防災街区整備事業を終了しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その終了について都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 第百二十二条第二項並びに第百七十一条第一項(図書の送付に係る部分を除く。)及び第二項の規定は、前項の規定による認可について準用する。この場合において、第百二十二条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区」と、第百七十一条第二項中「施行者として、又は規準若しくは事業計画をもって」とあるのは「防災街区整備事業の終了をもって」と読み替えるものとする。
第四款 地方公共団体
(施行規程及び事業計画の決定等)
第百七十九条 地方公共団体(第百十九条第五項の規定により防災街区整備事業を施行する場合に限る。以下この款、第百九十一条第二項第四号、第二百条並びに第二百五十条第三項及び第四項において同じ。)は、防災街区整備事業を施行しようとするときは、施行規程及び事業計画を定めなければならない。この場合において、事業計画において定めた設計の概要については、国土交通省令で定めるところにより、都道府県にあっては国土交通大臣の、市町村にあっては都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 地方公共団体が施行する防災街区整備事業について事業計画が定められたときは、前項後段の規定による認可をもって都市計画法第五十九条第一項又は第二項の規定による認可とみなす。第百二十二条第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。
(施行規程)
第百八十条 施行規程は、前条第一項前段の地方公共団体の条例で定める。
2 施行規程には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 防災街区整備事業の名称
二 施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称
三 防災街区整備事業の範囲
四 事務所の所在地
五 特定事業参加者(第百八十五条第一項の負担金を納付し、権利変換計画で定めるところに従い防災施設建築物の一部等を取得する者をいう。以下この款において同じ。)に関する事項
六 事業に要する経費の分担に関する事項
七 防災街区整備事業の施行により施行者が取得する防災施設建築敷地若しくはその共有持分、防災施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地の管理及び処分の方法に関する事項
八 防災街区整備審査会及びその委員に関する事項(委員の報酬及び費用弁償に関する事項を除く。)
九 その他国土交通省令で定める事項
3 第百六十六条第二項及び第三項の規定は、施行規程において前項第五号の特定事業参加者に関する事項を定めようとする場合について準用する。この場合において、同条第三項中「第百七十三条第一項」とあるのは、「第百八十五条第一項」と読み替えるものとする。
(事業計画)
第百八十一条 地方公共団体は、事業計画を定めようとするときは、政令で定めるところにより、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
2 第百四十条第三項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第三項中「参加組合員」とあるのは「第百八十条第二項第五号の特定事業参加者」と、同項及び同条第四項中「都道府県知事」とあるのは「第百七十九条第一項前段の地方公共団体」と、同項中「加えるべきことを命じ」とあるのは「加え」と、同条第六項中「第百三十六条第一項又は第三項の規定による認可を申請した者」とあるのは「第百七十九条第一項前段の地方公共団体」と、「加え、その旨を都道府県知事に申告した」とあるのは「加えた」と読み替えるものとする。
3 第百七十九条第一項後段の規定による認可を申請する場合においては、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)及び設計の概要を表示する図書を提出しなければならない。
4 第百二十四条及び第百二十五条の規定は、事業計画について準用する。この場合において、同条中「第百二十二条第一項の規定による認可を申請しようとする者は」とあるのは「地方公共団体は、事業計画を定めようとするときは」と、「の同意を得なければ」とあるのは「と協議しなければ」と読み替えるものとする。
(事業計画の公告)
第百八十二条 地方公共団体は、事業計画を定めたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、防災街区整備事業の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)その他国土交通省令で定める事項を公告しなければならない。
2 地方公共団体は、前項の公告があるまでは、事業計画をもって第三者に対抗することができない。
(施行地区及び設計の概要を表示する図書の送付及び縦覧)
第百八十三条 国土交通大臣又は都道府県知事は、第百七十九条第一項後段の規定による認可をしたときは、速やかに、国土交通大臣にあっては関係都道府県知事及び関係市町村長に、都道府県知事にあっては国土交通大臣及び関係市町村長に第百八十一条第三項の図書の写しを送付しなければならない。
2 市町村長は、前条第一項の公告の日から第二百四十四条第二項の公告の日まで、政令で定めるところにより、前項の図書を公衆の縦覧に供しなければならない。
(事業計画の変更についての準用)
第百八十四条 事業計画の変更については、第百七十九条第一項後段及び前三条の規定(国土交通省令で定める軽微な事業計画の変更にあっては、第百八十一条第一項から第三項までの規定を除く。)を準用する。この場合において、第百八十一条第四項後段中「定めよう」とあるのは、「変更しよう」と読み替えるものとする。
(特定事業参加者の負担金等)
第百八十五条 地方公共団体が施行する防災街区整備事業における特定事業参加者は、権利変換計画で定めるところに従い取得することとなる防災施設建築物の一部等の価額に相当する額の負担金を、国土交通省令で定めるところにより、地方公共団体に納付しなければならない。
2 特定事業参加者は、前項の負担金の納付について、相殺をもって地方公共団体に対抗することができない。
(負担金の滞納処分)
第百八十六条 地方公共団体は、特定事業参加者が前条第一項の負担金を滞納したときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促することができる。
2 前項の督促をするときは、政令で定めるところにより、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額の範囲内の延滞金を徴収することができる。
3 第一項の督促を受けた特定事業参加者がその督促状において指定した期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、地方公共団体は、国税滞納処分の例により、同項の負担金及び前項の延滞金を徴収することができる。この場合における負担金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
4 延滞金は、負担金に先立つものとする。
5 都市再開発法第四十二条の規定は、地方公共団体が第一項の負担金及び第二項の延滞金を徴収する権利について準用する。この場合において、同条第二項中「前条第一項」とあるのは、「密集市街地整備法第百八十六条第一項」と読み替えるものとする。
(防災街区整備審査会)
第百八十七条 地方公共団体が施行する防災街区整備事業ごとに、この法律及び施行規程で定める権限を行わせるため、その地方公共団体に、防災街区整備審査会を置く。
2 施行地区を工区に分けたときは、防災街区整備審査会は、工区ごとに置くことができる。
3 防災街区整備審査会は、五人から二十人までの範囲内において、施行規程で定める数の委員をもって組織する。
4 防災街区整備審査会の委員は、次に掲げる者のうちから、地方公共団体の長が任命する。
一 土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者
二 施行地区内の宅地の所有者又は借地権者
5 前項第一号に掲げる者のうちから任命される委員の数は、三人以上でなければならない。
第五款 都市基盤整備公団等
(施行規程及び事業計画の認可等)
第百八十八条 都市基盤整備公団、地域振興整備公団又は地方住宅供給公社(第百十九条第五項又は第六項の規定により防災街区整備事業を施行する場合に限る。以下「公団等」と総称する。)は、防災街区整備事業を施行しようとするときは、施行規程及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあっては、都道府県知事)の認可を受けなければならない。施行規程又は事業計画を変更しようとするときも、同様とする。
2 公団等が施行する防災街区整備事業については、前項前段の規定による認可をもって都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。第百二十二条第四項ただし書の規定は、この場合について準用する。
3 第百六十六条第二項及び第三項並びに第百八十条第二項の規定は施行規程について、第百二十四条及び第百二十五条の規定は事業計画について、第百四十条(第一項ただし書を除く。)及び第百四十三条(第二項を除く。)の規定は施行規程及び事業計画について準用する。この場合において、第百六十六条第二項中「前項第五号」とあり、及び同条第三項中「第一項第五号」とあるのは「第百八十八条第三項において準用する第百八十条第二項第五号」と、同項中「第百七十三条第一項」とあり、及び第百八十条第二項第五号中「第百八十五条第一項」とあるのは「第百八十九条第一項」と、第百二十五条中「の同意を得なければ」とあるのは「と協議しなければ」と、第百四十条第一項、第三項、第四項及び第六項並びに第百四十三条第一項中「都道府県知事」とあるのは「国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあっては、都道府県知事)」と、第百四十条第三項中「参加組合員」とあるのは「第百八十八条第三項において準用する第百八十条第二項第五号の特定事業参加者」と、同条第六項中「第百三十六条第一項又は第三項の規定による認可を申請した者」とあるのは「公団等」と、第百四十三条第一項中「事業組合」とあるのは「防災街区整備事業」と、「国土交通大臣」とあるのは「関係都道府県知事(市のみが設立した地方住宅供給公社にあっては、国土交通大臣)」と、同条第三項中「事業組合は」とあるのは「公団等は」と、「第百三十六条第一項の認可に係る第一項」とあるのは「第百八十八条第三項において準用する第百四十三条第一項」と、「事業組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって、前項の公告があるまでは事業組合の成立又は定款若しくは事業基本方針をもって、同条第三項の認可に係る第一項の公告があるまでは」とあるのは「、施行規程又は」と、「、組合員その他の第三者」とあるのは「第三者」と読み替えるものとする。
4 第百二十五条の規定は施行規程又は事業計画の変更について、第百四十条(第一項ただし書を除く。)並びに第百四十三条第一項及び第四項の規定は施行規程又は事業計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
5 公団等は、前項において準用する第百四十三条第一項の公告があるまでは、施行規程又は事業計画の変更をもって第三者に対抗することができない。
(特定事業参加者の負担金等)
第百八十九条 公団等が施行する防災街区整備事業における特定事業参加者は、権利変換計画で定めるところに従い取得することとなる防災施設建築物の一部等の価額に相当する額の負担金を、国土交通省令で定めるところにより、公団等に納付しなければならない。
2 第百八十五条第二項の規定は前項の規定により特定事業参加者が負担金を公団等に納付する場合について、第百八十六条の規定は特定事業参加者が当該負担金を滞納した場合について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項」とあるのは、「第百八十九条第一項」と読み替えるものとする。
(防災街区整備審査会)
第百九十条 公団等が施行する防災街区整備事業ごとに、この法律及び施行規程で定める権限を行わせるため、公団等に、防災街区整備審査会を置く。
2 第百八十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定により置かれる防災街区整備審査会について準用する。この場合において、同条第四項中「地方公共団体の長」とあるのは、都市基盤整備公団に置かれるものについては「都市基盤整備公団総裁」と、地域振興整備公団に置かれるものについては「地域振興整備公団総裁」と、地方住宅供給公社に置かれるものについては「地方住宅供給公社理事長」と読み替えるものとする。
3 第一項の防災街区整備審査会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第四節 防災街区整備事業の施行
第一款 測量、調査等
(測量及び調査のための土地の立入り等)
第百九十一条 施行者となろうとする者若しくは事業組合を設立しようとする者又は施行者は、防災街区整備事業の施行の準備又は施行のため他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。ただし、個人施行者若しくは事業会社となろうとする者若しくは事業組合を設立しようとする者又は個人施行者、事業組合若しくは事業会社にあっては、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けた場合に限る。
2 前項の規定は、次の各号に掲げる防災街区整備事業の区分に応じて当該各号に定める公告があった日の翌日以後、施行者が防災街区整備事業の施行の準備又は施行のため他人の占有する建築物等に立ち入って測量又は調査を行う必要がある場合について準用する。
一 個人施行者が施行する防災街区整備事業 その施行についての認可の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告
二 事業組合が施行する防災街区整備事業 第百四十三条第一項の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告
三 事業会社が施行する防災街区整備事業 その施行についての認可の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告
四 地方公共団体が施行する防災街区整備事業 事業計画の決定の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の公告
五 公団等が施行する防災街区整備事業 施行規程及び事業計画の認可の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告
3 都市再開発法第六十条第三項から第六項までの規定は、前二項の規定による土地又は建築物等への立入りについて準用する。
(障害物の伐除及び土地の試掘等)
第百九十二条 前条第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う者は、その測量又は調査を行うに当たり、やむを得ない必要があって、障害となる植物若しくは垣、さく等(以下「障害物」という。)を伐除しようとする場合又は当該土地に試掘若しくはボーリング若しくはこれらに伴う障害物の伐除(以下「試掘等」という。)を行おうとする場合において、当該障害物又は当該土地の所有者及び占有者の同意を得ることができないときは、当該障害物の所在地を管轄する市町村長の許可を受けて当該障害物を伐除し、又は当該土地の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けて当該土地に試掘等を行うことができる。この場合において、市町村長が許可を与えようとするときは障害物の所有者及び占有者に、都道府県知事が許可を与えようとするときは土地又は障害物の所有者及び占有者に、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。
2 前項の規定により障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行おうとする者は、伐除しようとする日又は試掘等を行おうとする日の三日前までに、その旨を当該障害物又は当該土地若しくは障害物の所有者及び占有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により障害物を伐除しようとする場合(土地の試掘又はボーリングに伴う障害物の伐除をしようとする場合を除く。)において、当該障害物の所有者及び占有者がその場所にいないためその同意を得ることが困難であり、かつ、その現状を著しく損傷しないときは、施行者となろうとする者、事業組合を設立しようとする者若しくは施行者又はその命じた者若しくは委任した者は、前二項の規定にかかわらず、当該障害物の所在地を管轄する市町村長の許可を受けて、直ちに、当該障害物を伐除することができる。この場合においては、当該障害物を伐除した後、遅滞なく、その旨をその所有者及び占有者に通知しなければならない。
(証明書等の携帯についての都市再開発法の準用)
第百九十三条 都市再開発法第六十二条の規定は、第百九十一条第一項若しくは第二項の規定により立ち入り、又は前条の規定により伐除し、若しくは試掘等を行う場合について準用する。
(土地の立入り等に伴う損失の補償)
第百九十四条 施行者となろうとする者若しくは事業組合を設立しようとする者又は施行者は、第百九十一条第一項若しくは第二項又は第百九十二条第一項若しくは第三項の規定による行為により他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2 都市再開発法第六十三条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。
(測量のための標識の設置)
第百九十五条 施行者となろうとする者若しくは事業組合を設立しようとする者又は施行者は、防災街区整備事業の施行の準備又は施行に必要な測量を行うため必要があるときは、国土交通省令で定める標識を設けることができる。
2 何人も、前項の規定により設けられた標識を設置者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。
(関係簿書の閲覧等についての都市再開発法の準用)
第百九十六条 都市再開発法第六十五条の規定は、防災街区整備事業の施行の準備又は施行のための関係簿書の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付について準用する。この場合において、同条中「組合」とあるのは、「防災街区整備事業組合」と読み替えるものとする。
(建築行為等の制限)
第百九十七条 第百九十一条第二項各号に定める公告があった後は、施行地区内において、防災街区整備事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物等の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 都道府県知事は、前項の許可の申請があった場合において、その許可をしようとするときは、あらかじめ、施行者の意見を聴かなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の許可をする場合において、防災街区整備事業の施行のため必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付することができる。この場合において、これらの条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであってはならない。
4 都道府県知事は、第一項の規定に違反し、又は前項の規定により付した条件に違反した者があるときは、これらの者又はこれらの者から当該土地、建築物等若しくは物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、防災街区整備事業の施行に対する障害を排除するため必要な限度において、当該土地の原状回復又は当該建築物等若しくは物件の移転若しくは除却を命ずることができる。
5 前項の規定により土地の原状回復又は建築物等若しくは物件の移転若しくは除却を命じようとする場合において、過失がなくてその原状回復又は移転若しくは除却を命ずべき者を確知することができないときは、都道府県知事は、それらの者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、これを原状回復し、又は移転し、若しくは除却すべき旨及びその期限までに原状回復し、又は移転し、若しくは除却しないときは、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、原状回復し、又は移転し、若しくは除却する旨を公告しなければならない。
6 前項の規定により土地を原状回復し、又は建築物等若しくは物件を移転し、若しくは除却しようとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
7 第百九十一条第二項各号に定める公告があった後に、施行地区内において土地の形質の変更、建築物等の新築、改築、増築若しくは大修繕又は物件の付加増置(以下この条において「土地の形質の変更等」と総称する。)がされたときは、当該土地の形質の変更等について都道府県知事の承認があった場合を除き、当該土地、建築物等又は物件に関する権利を有する者は、当該土地の形質の変更等が行われる前の土地、建築物等又は物件の状況に基づいてのみ、次款の規定による施行者に対する権利を主張することができる。
8 前項の承認の申請があったときは、都道府県知事は、あらかじめ、施行者の意見を聴いて、当該土地の形質の変更等が災害の防止その他やむを得ない理由に基づき必要があると認められる場合に限り、その承認をするものとする。
9 第一項の許可があったときは、当該許可に係る土地の形質の変更等について第七項の承認があったものとみなす。
(防災街区整備事業の施行についての周知措置)
第百九十八条 第百九十一条第二項各号に定める公告があったときは、施行者は、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、関係権利者に当該防災街区整備事業の概要を周知させるため必要な措置を講ずることにより、防災街区整備事業の施行についてその協力が得られるように努めなければならない。
(土地調書及び物件調書)
第百九十九条 施行者は、第百九十一条第二項各号に定める公告があった後、遅滞なく、土地調書及び物件調書を作成しなければならない。
2 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第三十六条第二項から第六項まで及び第三十七条から第三十八条までの規定は、前項の土地調書及び物件調書について準用する。この場合において、同法第三十七条第一項及び第二項並びに第三十七条の二中「第三十六条第一項」とあるのは「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第百九十九条第一項」と、同法第三十七条第一項及び第二項中「収用し、又は使用しようとする土地」とあるのは「施行地区内の各個の土地」と、同法第三十七条の二中「第三十五条第一項」とあるのは「同法第百九十一条第一項又は第二項」と、「同項の」とあるのは「これらの」と読み替えるものとする。
3 土地調書又は物件調書の記載について関係権利者のすべてに異議がないときは、前項において準用する土地収用法第三十六条の規定による立会いは、省略することができる。
(土地の使用)
第二百条 地方公共団体又は公団等は、防災街区整備事業の施行に伴い移転し、又は除却しなければならない建築物に居住する者を一時的に収容するために必要な施設その他防災街区整備事業の施行のため欠くことのできない材料置場等の施設を設置するため必要がある場合においては、当該施設を土地収用法第三条第三十五号に掲げる施設とみなして、同法に定めるところに従い、施行地区外の土地を使用することができる。
第二款 権利変換手続
第一目 手続の開始
(権利変換手続開始の登記)
第二百一条 施行者は、第百九十一条第二項各号に定める公告があったときは、遅滞なく、登記所に、施行地区内の宅地及び建築物並びにその宅地に存する既登記の借地権について、権利変換手続開始の登記を申請し、又は嘱託しなければならない。
2 前項の登記があった後においては、当該登記に係る宅地若しくは建築物の所有権を有する者又は当該登記に係る借地権を有する者は、これらの権利を処分するときは、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない。
3 施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。
4 第二項の承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができない。
5 権利変換期日前において第百六十三条第六項、第二百六十九条第三項又は第二百七十一条第五項の公告があったときは、施行者(事業組合にあっては、その清算人)は、遅滞なく、登記所に、権利変換手続開始の登記の抹消を申請しなければならない。
(個別利用区内の宅地への権利変換の申出等)
第二百二条 第百二十四条第二項(第百三十七条第一項、第百六十九条、第百八十一条第四項及び第百八十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定により事業計画において個別利用区が定められたときは、施行地区内の宅地の所有者又は借地権者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じて当該各号に定める公告があった日から起算して三十日以内に、施行者に対し、国土交通省令で定めるところにより、権利変換計画において当該宅地の所有権又は借地権に対応して個別利用区内の宅地又はその借地権が与えられるように定めるべき旨の申出をすることができる。この場合において、借地権者にあっては、当該借地の所有者と共同で申出をしなければならない。
一 事業計画が定められた場合 第百九十一条第二項各号に定める公告(事業計画の変更の公告又は事業計画の変更の認可の公告を除く。)
二 事業計画の変更により新たに個別利用区が定められた場合 当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更の認可の公告
三 事業計画の変更により従前の施行地区外の土地が新たに施行地区に編入されたことに伴い個別利用区の面積が拡張された場合 当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更の認可の公告
2 前項の申出は、次に掲げる要件のすべてに該当するものでなければならない。
一 当該申出をする者以外に、当該申出に係る宅地について借地権その他の土地を使用し、若しくは収益することができる権利(地役権を除く。以下「使用収益権」と総称する。)を有する者又は当該宅地に存する建築物の所有者若しくは借家権者があるときは、これらの者の同意が得られていること。
二 当該申出に係る宅地の地積が、当該宅地に対応して権利変換計画において政令で定める面積(以下「基準面積」という。)以上の規模の宅地を与えるように定めることができるものとして規準、規約、定款又は施行規程で定める規模以上であること。
3 施行者は、第一項の申出があった場合において、同項の期間の経過後遅滞なく、第一号に該当すると認めるときは当該申出に係る宅地の全部について権利変換計画において当該宅地に対応して個別利用区内の宅地が与えられるべき宅地として指定をし、第二号に該当すると認めるときは当該申出に係る宅地のうち一部について当該指定をし、他の宅地について申出に応じない旨を決定しなければならない。
一 権利変換計画において、第一項の申出に係る宅地の全部について当該宅地に対応して与えられるべき宅地の地積の合計が個別利用区の面積を超えないこととなるとき。
二 権利変換計画において、第一項の申出に係る宅地の全部について当該宅地に対応して与えられるべき宅地の地積の合計が個別利用区の面積を超えることとなるとき。
4 施行者は、前項の規定による指定又は決定をしたときは、速やかに、第一項の申出をした者に対し、その旨を通知しなければならない。
5 施行者は、第三項の規定による指定をしたときは、速やかに、当該指定をした宅地(以下「指定宅地」という。)を公告しなければならない。
6 施行者は、第三項の規定による決定をしたときは、速やかに、その旨を公告しなければならない。
7 次条第一項の申出に係る宅地又は同項若しくは同条第三項の申出に係る建築物が存する宅地について、第五項の規定による指定宅地の公告があったときは、同条第一項又は第三項の申出は、なかったものとみなす。
8 施行者が第百三十六条第一項の規定により設立された事業組合である場合においては、最初の役員が選挙され、又は選任されるまでの間は、第一項の申出は、同条第一項の規定による認可を受けた者が受理するものとする。
(権利変換を希望しない旨の申出等)
第二百三条 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)の所有者若しくは借地権者又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じて当該各号に定める公告があった日から起算して三十日以内に、施行者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該宅地、借地権又は建築物について第二百二十一条又は第二百二十二条第一項及び第二項の規定による権利の変換を希望せず、それらに代えて金銭の給付を希望し、又は当該建築物を施行地区外に移転すべき旨の申出をすることができる。
一 事業計画が定められた場合 第百九十一条第二項各号に定める公告(事業計画の変更の公告又は事業計画の変更の認可の公告を除く。)
二 事業計画の変更により従前の施行地区外の土地が新たに施行地区に編入された場合 当該事業計画の変更の公告又は当該事業計画の変更の認可の公告
三 個別利用区内の宅地又はその借地権が与えられるように定めるべき旨の申出に応じない旨の決定があった場合 当該決定の公告
2 前項の宅地、借地権若しくは建築物について仮登記上の権利、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記若しくは処分の制限の登記があるとき、又は同項の未登記の借地権の存否若しくは帰属について争いがあるときは、それらの権利者又は争いの相手方の同意を得なければ、同項の規定による金銭の給付の希望を申し出ることができない。
3 施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物の借家権者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)は、第一項の期間内に施行者に対し、第二百二十二条第五項の規定による借家権の取得を希望しない旨の申出をすることができる。
4 第一項の期間経過後六月以内に第二百十六条の規定による権利変換計画の縦覧の開始(個人施行者が施行する防災街区整備事業にあっては、次条第一項後段の規定による権利変換計画の認可。以下この項において同じ。)がされないときは、当該六月の期間経過後三十日以内に、国土交通省令で定めるところにより、第一項若しくは前項の申出を撤回し、又は新たに第一項若しくは前項の申出をすることができる。その三十日の期間経過後更に六月を経過しても第二百十六条の規定による権利変換計画の縦覧の開始がされないときも、同様とする。
5 第一項第二号に掲げる場合においては、同号に定める公告があった日から起算して三十日以内に、国土交通省令で定めるところにより、同項第一号又は第三号に掲げる場合において同項の期間内に行った同項又は第三項の申出を撤回することができる。
6 第一項第三号に掲げる場合においては、同号に定める公告があった日から起算して三十日以内に、国土交通省令で定めるところにより、同項第一号又は第二号に掲げる場合において同項の期間内に行った同項又は第三項の申出を撤回することができる。
7 前条第八項の規定は、第一項又は第三項の申出について準用する。
第二目 権利変換計画
(権利変換計画の決定及び認可)
第二百四条 施行者は、前二条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、施行地区ごとに権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県(第百十九条第五項の規定により防災街区整備事業を施行する場合に限る。以下この章及び第二百九十五条において同じ。)又は公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)にあっては国土交通大臣の、個人施行者、事業組合、事業会社、市町村(同項の規定により防災街区整備事業を施行する場合に限る。第二百五十三条を除き、以下この章及び第二百九十五条において同じ。)又は市のみが設立した地方住宅供給公社(第百十九条第六項の規定により防災街区整備事業を施行する場合に限る。以下同じ。)にあっては都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 第百二十六条の規定は、個人施行者が権利変換計画について認可を申請しようとする場合について準用する。この場合において、同条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」と読み替えるものとする。
3 第百六十七条の規定は、事業会社が権利変換計画について認可を申請しようとする場合について準用する。この場合において、同条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」と読み替えるものとする。
4 第一項後段及び前二項の規定は、権利変換計画を変更する場合(国土交通省令で定める軽微な変更をする場合を除く。)について準用する。
5 施行地区が工区に分かれているときは、権利変換計画は、工区ごとに定めることができる。この場合において、権利変換に関する規定中「施行地区」とあるのは、「工区」とする。
(権利変換計画の内容)
第二百五条 権利変換計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 配置設計
二 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を有する者で、当該権利に対応して、防災施設建築敷地若しくはその共有持分又は防災施設建築物の一部等を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
三 前号に掲げる者が施行地区内に有する同号の宅地、借地権又は建築物及びそれらの価額
四 第二号に掲げる者に前号に掲げる宅地に対応して与えられることとなる防災施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは防災施設建築物の一部等又は同号に掲げる借地権若しくは建築物に対応して与えられることとなる防災施設建築物の一部等の明細及びそれらの価額の概算額
五 第三号に掲げる宅地、借地権又は建築物について先取特権、質権若しくは抵当権の登記、仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記又は処分の制限の登記(以下「担保権等の登記」と総称する。)に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利
六 前号に掲げる者が防災施設建築敷地若しくはその共有持分又は防災施設建築物の一部等に関する権利の上に有することとなる権利
七 指定宅地又はその使用収益権を有する者の氏名又は名称及び住所
八 前号に掲げる者が有する指定宅地又はその使用収益権及びそれらの価額
九 第七号に掲げる者に前号に掲げる指定宅地又はその使用収益権に対応して与えられることとなる個別利用区内の宅地又はその使用収益権の明細及びそれらの価額の概算額
十 第八号に掲げる指定宅地又はその使用収益権について担保権等の登記に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利
十一 前号に掲げる者が個別利用区内の宅地又はその使用収益権の上に有することとなる権利
十二 施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物の借家権者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)で、当該借家権に対応して、防災施設建築物の一部について借家権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
十三 前号に掲げる者に借家権が与えられることとなる防災施設建築物の一部
十四 防災施設建築敷地の地代の概算額及び地代以外の借地条件の概要
十五 施行者が防災施設建築物の一部を賃貸する場合における標準家賃の概算額及び家賃以外の借家条件の概要
十六 第二百十二条第三項の規定が適用されることとなる者の氏名又は名称及び住所並びにこれらの者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物及びそれらの価額
十七 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはこれに存する建築物又はこれらに関する権利を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、防災施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは防災施設建築物の一部等又は防災施設建築物の一部についての借家権を与えられないものの氏名又は名称及び住所、失われる宅地若しくは建築物又は権利並びにそれらの価額
十八 参加組合員又は第百六十六条第一項第五号若しくは第百八十条第二項第五号(第百八十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する特定事業参加者(以下単に「特定事業参加者」という。)に与えられることとなる防災施設建築物の一部等の明細並びにその参加組合員又は特定事業参加者の氏名又は名称及び住所
十九 第四号、第九号及び前号に掲げるもののほか、防災施設建築敷地又はその共有持分、防災施設建築物の一部等及び個別利用区内の宅地の明細、それらの帰属並びにそれらの管理及び処分の方法
二十 新たな公共施設の用に供する土地の帰属に関する事項
二十一 補償金の支払又は清算金の徴収に係る利子又はその決定方法
二十二 権利変換期日、土地の明渡しの予定時期、個別利用区内の宅地の整備工事の完了の予定時期及び防災施設建築物の建築工事の完了の予定時期
二十三 その他国土交通省令で定める事項
2 宅地(指定宅地を除く。)の所有者又は借地権者が当該宅地の上に建築物を有する場合において、当該宅地、借地権又は建築物について担保権等の登記に係る権利があるときは、これらの宅地、借地権又は建築物は、それぞれ別個の権利者に属するものとみなして権利変換計画を定めなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 担保権等の登記に係る権利の消滅について関係権利者のすべての同意があったとき。
二 宅地と建築物又は借地権と建築物とが同一の担保権等の登記に係る権利の目的となっており、かつ、それらのすべての権利の順位が、宅地と建築物又は借地権と建築物とにおいてそれぞれ同一であるとき。
3 借地権の設定に係る仮登記上の権利(指定宅地に係るものを除く。)があるときは、仮登記権利者が当該借地権を有する場合を除き、宅地の所有者が当該借地権を別個の権利者として有するものとみなして、権利変換計画を定めなければならない。
4 宅地に関する権利又は建築物(指定宅地に存するものを除く。)に関する権利に関して争いがある場合において、その権利の存否又は帰属が確定しないときは、当該権利が存するものとして、又は当該権利が現在の名義人に属するものとして権利変換計画を定めなければならない。ただし、借地権以外の宅地(指定宅地を除く。)を使用し、又は収益する権利の存否が確定しない場合にあっては、その宅地の所有者に対しては、当該権利が存しないものとして、その者に与える防災施設建築物の一部等を定めなければならない。
(権利変換計画の決定の基準)
第二百六条 権利変換計画は、特定防災機能を確保し、都市環境を改善するとともに、防災施設建築物、防災施設建築敷地及び個別利用区内の宅地の合理的利用を図るように定めなければならない。
2 権利変換計画は、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払って定めなければならない。
(防災施設建築敷地)
第二百七条 権利変換計画は、一個の防災施設建築物の敷地を一筆の土地となるものとして定めなければならない。
2 一個の防災施設建築物の敷地の地積は、基準面積以上でなければならない。
3 権利変換計画は、防災施設建築敷地に、防災施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されるものとして定めなければならない。
4 第二百五条第一項第二号に掲げる者が取得することとなる防災施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分及び当該防災施設建築物の共用部分の共有持分の割合は、政令で定めるところにより、その者が取得することとなる防災施設建築物の一部の位置及び床面積を勘案して定めなければならない。
第二百八条 権利変換計画においては、施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)の所有者に対しては、防災施設建築敷地の所有権が与えられるように定めなければならない。
2 二以上の防災施設建築敷地がある場合において、各宅地(指定宅地を除く。)の所有者に与えられる防災施設建築敷地は、個別利用区以外の土地であって、当該防災街区整備事業のうち建築物の敷地及び公共施設の整備に関する事業を、土地区画整理事業として施行したならば、当該各宅地につき換地と定められるべき土地の属すべき防災施設建築敷地とする。
3 一の防災施設建築敷地について二人以上の宅地(指定宅地を除く。)の所有者が所有権を与えられるときは、当該防災施設建築敷地は、各宅地の価額に応ずる割合によりこれらの者の共有に属するものとする。
4 第二百三条第一項の申出に係る宅地については、施行者をその宅地の所有者とみなして前三項の規定を適用する。
(防災施設建築物の一部等)
第二百九条 権利変換計画においては、第二百三条第一項の申出をした者を除き、施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)に借地権を有する者及び施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者に対しては、防災施設建築物の一部等が与えられるように定めなければならない。参加組合員又は特定事業参加者に対しても、同様とする。
2 前項前段に規定する者に対して与えられる防災施設建築物の一部等は、それらの者が権利を有する施行地区内の土地又は建築物の位置、地積又は床面積、環境及び利用状況とそれらの者に与えられる防災施設建築物の一部の位置、床面積及び環境とを総合的に勘案して、それらの者の相互間に不均衡が生じないように、かつ、その価額と従前の価額との間に著しい差額が生じないように定めなければならない。この場合において、二以上の防災施設建築敷地があるときは、その防災施設建築物の一部は、特別の事情がない限り、それらの者の権利に係る土地の所有者に前条第一項及び第二項の規定により与えられることと定められる防災施設建築敷地に建築される防災施設建築物の一部としなければならない。
3 宅地(指定宅地を除く。)の所有者に対しては、その者に与えられる防災施設建築敷地に第二百二十二条第一項本文の規定により地上権が設定されることによる損失の補償として防災施設建築物の一部等が与えられるように定めなければならない。
4 権利変換計画においては、第一項又は前項の規定により与えられるように定められる防災施設建築物の一部等以外の防災施設建築物の一部等は、施行者に帰属するように定めなければならない。
5 権利変換計画においては、第二百三条第三項の申出をした者を除き、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者から当該建築物について借家権の設定を受けている者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けている者)に対しては、第一項の規定により当該建築物の所有者に与えられることとなる防災施設建築物の一部について、借家権が与えられるように定めなければならない。ただし、当該建築物の所有者が同条第一項の申出をしたときは、前項の規定により施行者に帰属することとなる防災施設建築物の一部について、借家権が与えられるように定めなければならない。
(個別利用区内の宅地等)
第二百十条 権利変換計画においては、指定宅地の所有者又はその使用収益権を有する者に対しては、それぞれ個別利用区内の宅地又はその使用収益権が与えられるように定めなければならない。
2 個別利用区内の各宅地の地積は、基準面積以上でなければならない。
3 指定宅地の所有者に対して与えられる個別利用区内の宅地は、それらの者が所有する指定宅地の相互の位置関係、地積、環境、利用状況等と当該指定宅地に対応して与えられることとなる個別利用区内の宅地の相互の位置関係、地積、環境、利用状況等ができる限り照応し、かつ、その価額と従前の価額との間に著しい差額が生じないように定めなければならない。
4 権利変換計画においては、第一項の規定により与えられるように定められる宅地以外の個別利用区内の宅地は、施行者に帰属するように定めなければならない。
5 指定宅地の使用収益権を有する者に対して与えられる個別利用区内の宅地の使用収益権は、従前の使用収益権の目的である指定宅地の所有者に対して与えられることとなる個別利用区内の宅地の上に存するものとして定めなければならない。
(担保権等の登記に係る権利)
第二百十一条 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき所有される建築物について担保権等の登記に係る権利が存するときは、権利変換計画においては、当該担保権等の登記に係る権利は、その権利の目的たる宅地に対応して与えられるものとして定められた防災施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは防災施設建築物の一部等に関する権利又はその権利の目的たる借地権若しくは建築物に対応して与えられるものとして定められた防災施設建築物の一部等に関する権利の上に存するものとして定めなければならない。この場合において、借地権の設定に係る仮登記上の権利は、当該借地権に対応して与えられる権利につき、当該仮登記に基づく本登記がされるための条件が成就することを停止条件とする当該対応して与えられる権利の移転請求権として定めなければならない。
2 前項の場合において、関係権利者間の利害の衡平を図るため必要があるときは、施行者は、当該存するものとして定められる権利につき、これらの者の意見を聴いて、必要な定めをすることができる。
3 指定宅地又はその使用収益権について担保権等の登記に係る権利が存するときは、権利変換計画においては、当該担保権等の登記に係る権利は、その権利の目的たる指定宅地又はその使用収益権に対応して与えられるものとして定められた個別利用区内の宅地又はその使用収益権の上に存するものとして定めなければならない。
(床面積が過小となる防災施設建築物の一部の処理)
第二百十二条 権利変換計画を第二百六条第一項の基準に適合させるため特別な必要があるときは、第二百九条第二項又は第三項の規定によれば床面積が過小となる防災施設建築物の一部の床面積を増して適正なものとすることができる。この場合においては、必要な限度において、これらの規定によれば床面積が大で余裕がある防災施設建築物の一部の床面積を減ずることができる。
2 施行者は、前項の過小な床面積の基準を定めようとするときは、権利変換計画の決定又は変更に先立って、政令で定める基準に従い、審査委員の過半数の同意を得、又は防災街区整備審査会の議決を経て定めなければならない。この場合において、防災街区整備審査会の議決は、第百八十七条第四項第一号(第百九十条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる委員の過半数を含む委員の過半数の賛成によって決する。
3 権利変換計画においては、前項の規定により床面積の基準が定められたときは、当該基準に照らし床面積が著しく小である防災施設建築物の一部又はその防災施設建築物の一部についての借家権が与えられることとなる者に対しては、第二百九条並びに前条第一項及び第二項の規定にかかわらず、防災施設建築物の一部等又は借家権が与えられないように定めることができる。
(宅地等の価額の算定基準)
第二百十三条 第二百五条第一項第三号、第八号、第十六号又は第十七号の価額は、第二百三条第一項又は第四項の規定による三十日の期間を経過した日のうち最も遅い日(以下この節において「基準日」という。)における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地若しくは近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額とする。
2 第二百八条第三項の割合の基準となる宅地の価額は、当該宅地に関する所有権以外の権利が存しないものとして、前項の規定を適用して算定した相当の価額とする。
(防災施設建築敷地及び個別利用区内の宅地等の価額等の概算額の算定基準)
第二百十四条 権利変換計画においては、第二百五条第一項第四号、第九号、第十四号又は第十五号の概算額は、国土交通省令で定めるところにより、防災街区整備事業に要する費用及び基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地若しくは近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として定めなければならない。
(公共施設の用に供する土地の帰属に関する定め)
第二百十五条 権利変換計画においては、防災街区整備事業により従前の公共施設に代えて設置される新たな公共施設の用に供する土地は、従前の公共施設の用に供される土地の所有者が国であるときは国に、地方公共団体であるときは当該地方公共団体に帰属し、その他の新たな公共施設の用に供する土地は、当該公共施設を管理すべき者(その者が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(以下単に「第一号法定受託事務」という。)として当該公共施設を管理する地方公共団体であるときは、国)に帰属するように定めなければならない。
(権利変換計画の縦覧等)
第二百十六条 個人施行者以外の施行者は、権利変換計画を定めようとするときは、権利変換計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。この場合においては、あらかじめ、縦覧の開始の日、場所及び時間を公告するとともに、施行地区内の土地又は土地に定着する物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者にこれらの事項を通知しなければならない。
2 施行地区内の土地又は土地に定着する物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者は、縦覧期間内に、権利変換計画について施行者に意見書を提出することができる。
3 施行者は、前項の規定により意見書の提出があったときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは権利変換計画に必要な修正を加え、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
4 施行者が権利変換計画に必要な修正を加えたときは、その修正に係る部分について更に前三項に規定する手続を行わなければならない。ただし、その修正が国土交通省令で定める軽微なものであるときは、その修正部分に係る者にその内容を通知することをもって足りる。
5 前各項の規定は、権利変換計画を変更する場合(国土交通省令で定める軽微な変更をする場合を除く。)について準用する。
(審査委員及び防災街区整備審査会の関与)
第二百十七条 施行者は、権利変換計画を定め、又は変更しようとするとき(国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)は、審査委員の過半数の同意を得、又は防災街区整備審査会の議決を経なければならない。この場合においては、第二百十二条第二項後段の規定を準用する。
2 前項の規定は、前条第二項の意見書の提出があった場合において、その採否を決定するときについて準用する。
(価額についての裁決申請等)
第二百十八条 第二百五条第一項第三号、第八号、第十六号又は第十七号の価額について第二百十六条第三項の規定により同条第二項の意見書を採択しない旨の通知を受けた者は、その通知を受けた日から起算して三十日以内に、収用委員会にその価額の裁決を申請することができる。
2 前項の規定による裁決の申請は、事業の進行を停止しない。
3 土地収用法第九十四条第三項から第八項まで、第百三十三条及び第百三十四条の規定は、第一項の規定による収用委員会の裁決及びその裁決に不服がある場合の訴えについて準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 第一項の規定による収用委員会の裁決及び前項の規定による訴えに対する裁判は、権利変換計画において与えられることと定められた防災施設建築敷地の共有持分、防災施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権には影響を及ぼさないものとする。
第三目 権利の変換
(権利変換の処分)
第二百十九条 施行者は、権利変換計画若しくはその変更の認可を受けたとき、又は権利変換計画について第二百四条第四項の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を通知しなければならない。
2 権利変換に関する処分は、前項の通知をすることによって行う。
3 権利変換に関する処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。
(権利変換期日等の通知)
第二百二十条 施行者は、権利変換計画若しくはその変更(権利変換期日に係るものに限る。以下この条において同じ。)の認可を受けたとき、又は第二百四条第四項の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、施行地区を管轄する登記所に、権利変換期日その他国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
(権利変換期日における権利の変換)
第二百二十一条 施行地区内の土地は、権利変換期日において、権利変換計画で定めるところに従い、新たに所有者となるべき者に帰属する。この場合において、従前の土地を目的とする所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。
2 権利変換期日において、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を所有する者の当該建築物は、施行者に帰属し、当該建築物を目的とする所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。ただし、第百九十七条第七項の承認を受けないで新築された建築物及び施行地区外に移転すべき旨の第二百三条第一項の申出があった建築物については、この限りでない。
第二百二十二条 防災施設建築物の敷地となるべき土地には、権利変換期日において、権利変換計画で定めるところに従い、防災施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されたものとみなす。ただし、権利変換期日以後第二百四十四条第二項の公告の日までの間は、権利変換計画で定めるところに従い、施行者がその地代の概算額を支払うものとする。
2 防災施設建築物の一部は、権利変換計画において、これと併せて与えられることと定められていた地上権の共有持分を有する者が取得する。
3 第二百五条第四項本文の規定により、宅地(指定宅地を除く。)に借地権が存するものとして、権利変換計画において当該借地権を有するものとされた者に対して防災施設建築物の一部等が与えられるように定められたときは、当該防災施設建築物の一部等は、その取得の際、その者から当該借地権の設定者とされた者に対し、当該借地権の存しないことの確定を停止条件として移転したものとみなす。
4 建物の区分所有等に関する法律第一条に規定する建物の部分若しくは附属の建物で権利変換計画において防災施設建築物の共用部分と定められたものがあるとき、権利変換計画において定められた防災施設建築物の共用部分の共有持分が同法第十一条第一項若しくは第十四条第一項から第三項までの規定に適合しないとき、又は権利変換計画において定められた防災施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分の割合が同法第二十二条第二項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に適合しないときは、権利変換計画中その定めをした部分は、それぞれ同法第四条第二項、第十一条第二項若しくは第十四条第四項又は第二十二条第二項ただし書(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による規約とみなす。
5 施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に存する建築物の借家権者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、権利変換計画で定めるところに従い、防災施設建築物の一部について借家権を取得する。
6 第一項の規定による地上権の設定については、地方自治法第二百三十八条の四第一項及び国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第十八条第一項の規定は、適用しない。
第二百二十三条 指定宅地の使用収益権は、権利変換期日以後は、権利変換計画で定めるところに従い、個別利用区内の宅地の上に存するものとする。
(担保権等の移行)
第二百二十四条 施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき所有される建築物について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画で定めるところに従い、防災施設建築敷地若しくはその共有持分又は防災施設建築物の一部等に関する権利の上に存するものとする。
2 指定宅地又はその使用収益権について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画で定めるところに従い、個別利用区内の宅地又はその使用収益権の上に存するものとする。
(権利変換の登記)
第二百二十五条 施行者は、権利変換期日後遅滞なく、施行地区内の土地につき、従前の土地の表示の登記の抹消及び新たな土地の表示の登記並びに権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請し、又は嘱託しなければならない。
2 施行者は、権利変換期日後遅滞なく、第二百二十一条第二項の規定により施行者に帰属した建築物については所有権の移転の登記及び所有権以外の権利の登記の抹消を、施行地区内のその他の建築物については権利変換手続開始の登記の抹消を申請し、又は嘱託しなければならない。
3 権利変換期日以後においては、施行地区内の土地及び第二百二十一条第二項の規定により施行者に帰属した建築物に関しては、前二項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。
(補償金等)
第二百二十六条 施行者は、施行地区内の宅地(指定宅地を除く。)若しくはこれに存する建築物又はこれらに関する権利を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、防災施設建築敷地若しくはその共有持分若しくは防災施設建築物の一部等又は防災施設建築物の一部についての借家権を与えられないものに対し、その補償として、権利変換期日までに、第二百十三条第一項の規定により算定した相当の価額に基準日から第二百十九条第一項の規定による権利変換計画又はその変更に係る公告(以下この条において「権利変換計画公告」という。)の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額に、当該権利変換計画公告の日から補償金を支払う日までの期間につき権利変換計画で定めるところによる利息を付したものを支払わなければならない。この場合において、その修正率は、国土交通省令で定める方法によって算定するものとする。
2 収用委員会は、前項の規定による補償を受けるべき者に対し第二百十八条第一項の規定による裁決をする場合において、その裁決で定められた価額が前項に規定する相当の価額として施行者が支払った額を超えるときは、次に掲げる額の合計額を支払うべき旨の裁決を併せてしなければならない。
一 その差額につき基準日から権利変換計画公告の日までの前項に規定する物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額及び権利変換計画公告の日から権利変換期日までの間の同項に規定する利息
二 前号の額につき権利変換期日後その支払いを完了する日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合による過怠金
3 土地収用法第九十四条第十項から第十二項までの規定は、前項の裁決に関し、第二百十八条第三項の規定による訴えの提起がなかった場合について準用する。
(補償金等の供託等についての都市再開発法の準用)
第二百二十七条 都市再開発法第九十二条の規定は前条に規定する補償金(利息を含む。)及び過怠金(以下この条において「補償金等」という。)の支払に代えて行う供託について、同法第九十三条の規定は供託された補償金等について、同法第九十四条の規定は補償金等の支払の対象となる権利について差押え又は仮差押えがある場合について準用する。この場合において、同法第九十二条第三項中「第七十三条第四項」とあるのは「密集市街地整備法第二百五条第四項本文」と、同法第九十四条第一項中「第九十一条第一項」とあるのは「密集市街地整備法第二百二十六条第一項」と、同条第四項中「第九十一条第二項」とあるのは「密集市街地整備法第二百二十六条第二項」と読み替えるものとする。
第四目 土地の明渡し等
(占有の継続)
第二百二十八条 権利変換期日において第二百二十一条の規定により失った権利に基づき施行地区内の土地又は建築物を占有していた者及びその承継人は、第二百三十一条第一項の規定により施行者が通知した明渡しの期限までは、従前の用法に従い、その占有を継続することができる。ただし、第百九十七条の規定の適用を妨げない。
(工事のための施行地区内の土地の使用)
第二百二十九条 施行者は、権利変換期日以後防災街区整備事業に係る工事のため必要があるときは、新たに施行地区内の土地について権利を有することとなった者の同意を得ることなく、当該土地を使用することができる。
(個別利用区内の宅地の使用収益の停止)
第二百三十条 権利変換期日以後個別利用区内の宅地又はその使用収益権を取得した者は、第二百四十四条第一項の公告があるまでは、当該宅地について使用し、又は収益することができない。ただし、第二百二十八条本文の規定により当該宅地の占有を継続することができる場合は、この限りでない。
(土地の明渡し)
第二百三十一条 施行者は、権利変換期日以後防災街区整備事業に係る工事のため必要があるときは、施行地区内の土地又は当該土地に存する物件を占有している者に対し、期限を定めて、土地の明渡しを求めることができる。ただし、第二百二十八条本文の規定により従前指定宅地であった土地を占有している者又は当該土地に存する物件を占有している者に対しては、第二百四十四条第一項の規定による通知をするまでは、土地の明渡しを求めることができない。
2 前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日の期間経過後の日でなければならない。
3 第一項の規定による明渡しの請求があった土地(従前指定宅地であった土地を除く。)又は当該土地に存する物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。ただし、第二百二十六条第一項又は次条第三項の規定による支払がないときは、この限りでない。
4 第一項の規定による明渡しの請求があった土地(従前指定宅地であった土地に限る。)又は当該土地に存する物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に土地を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却しなければならない。ただし、次条第三項の規定による支払がないときは、この限りでない。
5 第二百二十八条本文の規定により建築物を占有する者が施行者に当該建築物を引き渡す場合において、当該建築物に、第百九十七条第七項の承認を受けないで改築、増築若しくは大修繕が行われ、又は物件が付加増置された部分があるときは、第二百二十一条第二項の規定により当該建築物の所有権を失った者は、当該部分又は物件を除却して、これを取得することができる。
6 第一項に規定する処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。
(土地の明渡しに伴う損失補償)
第二百三十二条 施行者は、前条の規定による土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転若しくは除却により同条第一項の土地の占有者及び物件に関し権利を有する者が通常受ける損失を補償しなければならない。
2 前項の規定による損失の補償額については、施行者と前条第一項の土地の占有者又は物件に関し権利を有する者とが協議しなければならない。
3 施行者は、前条第二項の明渡しの期限までに第一項の規定による補償額を支払わなければならない。この場合において、その期限までに前項の協議が成立していないときは、審査委員の過半数の同意を得、又は防災街区整備審査会の議決を経て定めた金額を支払わなければならないものとし、その議決については、第二百十二条第二項後段の規定を準用する。
4 第二項の規定による協議が成立しないときは、損失を受けた者は、収用委員会に土地収用法第九十四条第二項の規定による補償額の裁決を申請することができる。
5 第二百十八条第二項及び第三項並びに第二百二十六条第二項及び第三項の規定並びに都市再開発法第九十二条及び第九十三条の規定は、第二項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、同法第九十二条第三項中「第七十三条第四項」とあるのは、「密集市街地整備法第二百五条第四項本文」と読み替えるものとする。
(土地又は物件の引渡し等の代行及び代執行)
第二百三十三条 第二百三十一条第三項又は第四項の場合において次の各号のいずれかに該当するときは、市町村長は、施行者の請求により、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却すべき者に代わって、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却しなければならない。
一 土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却すべき者がその責めに帰することができない理由によりその義務を履行することができないとき。
二 施行者が過失がなくて土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却すべき者を確知することができないとき。
2 第二百三十一条第三項又は第四項の場合において土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却すべき者がその義務を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても明渡しの期限までに完了する見込みがないときは、都道府県知事は、施行者の請求により、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)に定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
3 前項の場合において、都道府県知事は、義務者及び施行者にあらかじめ通知した上で、当該代執行に要した費用に充てるため、その費用の額の範囲内で、義務者が施行者から受けるべき前条第一項の補償金を義務者に代わって受けることができる。
4 施行者が前項の規定に基づき補償金の全部又は一部を都道府県知事に支払った場合においては、この法律の適用については、施行者が都道府県知事に支払った金額の限度において、前条第一項の補償金を支払ったものとみなす。
(費用の徴収)
第二百三十四条 市町村長は、前条第一項の規定により土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却するに要した費用を第二百三十一条第三項又は第四項の規定により土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却すべき者から徴収するものとする。
2 前条第三項及び第四項の規定は、前項の規定により市町村長が費用を徴収する場合について準用する。
3 市町村長は、第一項に規定する費用を前項において準用する前条第三項の規定により徴収することができないとき、又は徴収することが適当でないと認めるときは、第一項に規定する者に対し、あらかじめ、納付すべき金額並びに納付の期限及び場所を通知して、これを納付させるものとする。
4 市町村長は、前項の規定により通知を受けた者が同項の規定により通知された期限を経過しても同項の規定により納付すべき金額を完納しないときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
5 前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに第三項の規定により納付すべき金額を納付しないときは、市町村長は、国税滞納処分の例によって、これを徴収することができる。この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第五目 防災施設建築物の建築等の特例
(施行者以外の者による防災施設建築物の建築)
第二百三十五条 施行者は、防災施設建築物(権利変換計画において施行者以外の第二百五条第一項第二号に掲げる者及び参加組合員又は特定事業参加者(次項において「権利床等取得者」という。)がその全部を取得するように定められたものを除く。)の建築を他の者に行わせることができる。
2 前項の規定により防災施設建築物の建築を施行者以外の者に行わせるときは、権利変換計画においてその旨及び防災施設建築物(権利変換計画において権利床等取得者が取得するように定められた部分を除く。)の全部又は一部のうち防災施設建築物の建築を行う者(以下「特定建築者」という。)に取得させるものを定めなければならない。
3 第一項の規定により施行者以外の者が建築を行う防災施設建築物(以下「特定防災施設建築物」という。)の全部又は一部は、権利変換計画で定めるところにより、第二百二十二条第二項(第二百五十四条第二項において読み替えて適用する場合を含む。)、第二百五十五条第四項及び第二百五十七条第三項の規定にかかわらず、特定建築者が取得する。
(特定建築者の公募)
第二百三十六条 施行者は、国、地方公共団体、都市基盤整備公団、地方住宅供給公社その他政令で定める者を特定建築者とする場合を除き、国土交通省令で定めるところにより、特定建築者を公募しなければならない。
2 施行者は、特定建築者を公募したときは、次に掲げる条件を備えた者で、その者が次条の規定により提出した特定防災施設建築物の建築の工期、工事概要等に関する計画(以下「建築計画」という。)並びに管理及び処分に関する計画が事業計画及び権利変換計画に適合し、かつ、当該防災街区整備事業の目的を達成する上で最も適切な計画であるものを特定建築者としなければならない。
一 特定防災施設建築物を建築するのに必要な資力及び信用を有する者であること。
二 第二百三十九条第二項の規定による譲渡の対価の支払能力がある者であること。
3 施行者は、前項の規定により特定建築者を決定するときは、あらかじめ、都道府県又は公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)にあっては国土交通大臣の、個人施行者、事業組合、事業会社、市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社にあっては都道府県知事の承認を受けなければならない。
(建築計画等の提出)
第二百三十七条 特定建築者となろうとする者は、国土交通省令で定めるところにより、施行者に特定防災施設建築物の建築計画並びに管理及び処分に関する計画を提出しなければならない。
(特定防災施設建築物の建築等)
第二百三十八条 施行者は、特定防災施設建築物の敷地の整備を完了したときは、速やかに、その旨を特定建築者に通知しなければならない。
2 特定建築者は、前項の通知を受けたときは、建築計画に従って特定防災施設建築物を建築しなければならない。
3 前項の場合においては、特定建築者は、当該特定防災施設建築物の敷地を使用することができる。
(特定防災施設建築物の敷地等の譲渡)
第二百三十九条 特定建築者は、特定防災施設建築物の建築工事を完了したときは、速やかに、その旨を施行者に届け出なければならない。
2 施行者は、前項の届出があった場合において、特定建築者が建築計画に従い特定防災施設建築物の建築を完了したと認めるときは、速やかに、第二百三十五条第三項の規定により当該特定建築者が取得することとなる特定防災施設建築物の全部又は一部の所有を目的とする地上権又はその共有持分を譲渡しなければならない。
(建築計画の変更)
第二百四十条 特定建築者は、建築計画に従い当該特定防災施設建築物を建築することができないやむを得ない事情があるときは、事業計画及び権利変換計画に適合する範囲内において、施行者の承認を受けて、当該建築計画を変更することができる。
(特定防災施設建築物が建築計画に従って建築されない場合の措置)
第二百四十一条 施行者は、特定建築者が建築計画に従って特定防災施設建築物を建築しなかった場合においては、その者を特定建築者とする決定を取り消すことができる。
2 施行者は、前項の規定により同項の決定を取り消した場合においては、特定建築者及び特定防災施設建築物の敷地又は当該敷地に存する物件を占有している者に対し、相当の期限を定めて、当該敷地の明渡しを求めることができる。
3 前項の規定により明渡しの請求があった特定建築者及び特定防災施設建築物の敷地又は当該敷地に存する物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に当該敷地を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。
4 施行者は、第一項の規定により同項の決定を取り消した場合においては、新たに特定建築者を決定するときを除き、自ら当該特定防災施設建築物の建築を行わなければならない。
5 第二百三十六条第三項の規定は第一項の規定により同項の決定を取り消す場合について、第二百三十三条第一項及び第二項並びに第二百三十四条(第二項を除く。)の規定は第三項の場合について準用する。
(報告、勧告等)
第二百四十二条 施行者は、特定建築者に対し、特定防災施設建築物の建築に関し、その適切な遂行を確保するため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその特定防災施設建築物の建築の促進を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。
(公共施設の管理者等による工事)
第二百四十三条 施行者は、政令で定める公共施設の整備に関する工事について特殊の技術を要する等特別の事情がある場合においては、当該工事の全部又は一部を当該公共施設の管理者又は管理者となるべき者に行わせることができる。
第六目 工事完了等に伴う措置
(工事の完了の公告等)
第二百四十四条 施行者は、個別利用区内の宅地の整備及びこれに関連する公共施設の整備に係る工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第二百二十一条第一項又は第二百二十三条の規定により当該宅地又はその使用収益権を取得した者に通知しなければならない。
2 施行者は、防災施設建築物の建築工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第二百二十二条第二項又は第五項の規定により当該防災施設建築物に関し権利を取得する者に通知しなければならない。
(防災施設建築物に関する登記)
第二百四十五条 施行者は、防災施設建築物の建築工事が完了したときは、遅滞なく、防災施設建築物及び防災施設建築物に関する権利について必要な登記を申請し、又は嘱託しなければならない。
2 防災施設建築物に関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。
(借家条件の協議及び裁定)
第二百四十六条 権利変換計画において防災施設建築物の一部等が与えられるように定められた者と当該防災施設建築物の一部について第二百九条第五項本文の規定により借家権が与えられるように定められた者は、家賃その他の借家条件について協議しなければならない。
2 第二百四十四条第二項の公告の日までに前項の規定による協議が成立しないときは、施行者は、当事者の一方又は双方の申立てに基づき、審査委員の過半数の同意を得、又は防災街区整備審査会の議決を経て、次に掲げる事項について裁定することができる。この場合においては、第二百十二条第二項後段の規定を準用する。
一 賃借の目的
二 家賃の額、支払期日及び支払方法
三 敷金又は借家権の設定の対価を支払うべきときは、その額
3 施行者は、前項の規定による裁定をするときは、賃借の目的については賃借部分の構造及び賃借人の職業を、家賃の額については賃貸人の受けるべき適正な利潤を、その他の事項についてはその地方における一般の慣行を考慮して定めなければならない。
4 第二項の規定による裁定があったときは、当事者間に、裁定で定めるところにより協議が成立したものとみなす。
5 第二項の裁定に関し必要な手続に関する事項は、国土交通省令で定める。
6 第二項の裁定に不服がある者は、その裁定があった日から起算して六十日以内に、訴えをもってその変更を請求することができる。
7 前項の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。
(防災施設建築物の一部等の価額等の確定)
第二百四十七条 施行者は、防災街区整備事業の工事が完了したときは、速やかに、当該事業に要した費用の額を確定するとともに、国土交通省令で定めるところにより、その確定した額及び基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地若しくは近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として、防災施設建築敷地若しくはその共有持分、防災施設建築物の一部等若しくは個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権を取得した者又は施行者の所有する防災施設建築物の一部について借家権を取得した者(第二百九条第五項ただし書の規定により借家権が与えられるように定められたものに限る。)ごとに、防災施設建築敷地若しくはその共有持分、防災施設建築物の一部等若しくは個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権の価額、防災施設建築敷地の地代の額又は施行者が賃貸する防災施設建築物の一部の家賃の額を確定し、これらの者にその確定した額を通知しなければならない。
2 前項の規定により確定した地代の額は、当事者間に別段の合意がない限り、防災施設建築敷地について当事者の合意により定められた地代の額とみなす。ただし、その額に不服がある者は、同項の通知を受けた日から起算して六十日以内に、訴えをもってその増減を請求することができる。
3 前項ただし書の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。
(清算)
第二百四十八条 前条第一項の規定により確定した防災施設建築敷地若しくはその共有持分、防災施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地若しくはその使用収益権の価額とこれらの権利を取得した者がこれらに対応する権利として有していた施行地区内の宅地、使用収益権又は建築物の価額とに差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。同項の規定により確定した防災施設建築敷地の地代の額と第二百二十二条第一項ただし書の規定により支払った地代の概算額とに差額があるときも、同様とする。
2 第二百三十五条第三項の規定により特定建築者が特定防災施設建築物の一部を取得する場合においては、施行者は、特定建築者が取得する部分以外の部分に係る特定防災施設建築物の整備に要した費用の額を国土交通省令で定めるところにより確定し、当該費用の額と第二百三十九条第二項の規定による譲渡の対価の額とに差額があるときは、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。
(清算金の供託及び物上代位についての都市再開発法の準用)
第二百四十九条 都市再開発法第百五条の規定は、前条第一項に規定する宅地、使用収益権又は建築物が先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的となっていた場合について準用する。
(清算金の徴収)
第二百五十条 第二百四十八条第一項の規定により徴収すべき清算金は、権利変換計画で定めるところにより、利子を付して分割して徴収することができる。
2 個人施行者以外の施行者は、第二百四十八条第一項の規定により徴収すべき清算金(前項の規定により利子を付したときは、その利子を含む。以下同じ。)を滞納する者があるときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促することができる。
3 前項の督促をするときは、事業組合にあっては定款で定めるところにより、事業会社にあっては規準で定めるところにより、地方公共団体又は公団等にあっては政令で定めるところにより、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額の範囲内の延滞金を徴収することができる。
4 第二項の督促を受けた者がその督促状において指定した期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、地方公共団体又は公団等は、国税滞納処分の例により、同項の清算金及び前項の延滞金を徴収することができる。この場合における清算金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
5 延滞金は、清算金に先立つものとする。
6 第百六十条第一項から第四項までの規定は、事業組合の徴収に係る第二項の清算金及び第三項の延滞金を督促状において指定した期限までに納付しない者がある場合について準用する。
7 第百七十四条第一項及び第二項の規定は、事業会社の徴収に係る第二項の清算金及び第三項の延滞金を督促状において指定した期限までに納付しない者がある場合について準用する。
8 都市再開発法第四十二条の規定は、施行者の第二項の清算金及び第三項の延滞金を徴収する権利について準用する。この場合において、同条第二項中「前条第一項」とあるのは、「密集市街地整備法第二百五十条第二項」と読み替えるものとする。
(先取特権)
第二百五十一条 第二百四十八条第一項の清算金を徴収する権利を有する施行者は、その納付義務者に与えられる防災施設建築物の一部の上に先取特権を有する。
2 都市再開発法第百七条第二項及び第三項の規定は、前項の先取特権について準用する。この場合において同条第二項中「第百一条第一項」とあるのは、「密集市街地整備法第二百四十五条第一項」と読み替えるものとする。
(施行者が取得した防災施設建築物の一部等の管理及び処分)
第二百五十二条 防災街区整備事業により施行者が取得した防災施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地は、公募により賃貸し、又は譲渡しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 巡査派出所、電気事業者の電気工作物その他公益上欠くことができない施設の用に供するため必要があるとき。
二 施行地区内に宅地、借地権若しくは権原に基づき建築物を有する者又は施行地区内の建築物について借家権を有する者の居住又は業務の用に供するために特に必要があるとき。
三 事業会社が施行する防災街区整備事業にあっては、当該事業会社の株主又は社員の居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。
四 施行地区が防災再開発促進地区の区域内にある場合において、当該区域内に宅地、借地権若しくは権原に基づき建築物を有する者又は当該区域内の建築物について借家権を有する者であって、当該区域内における他の防災街区整備事業又は市街地再開発事業(都市再開発法による市街地再開発事業をいう。)、土地区画整理事業若しくは防災公共施設の整備に関する事業の実施に伴い当該宅地、借地権、建築物又は借家権を失い、かつ、当該権利に対応する権利を与えられないものの居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。
五 その他国土交通省令で定める場合
2 施行者が地方公共団体であるときは、施行者が防災街区整備事業により取得した防災施設建築敷地若しくはその共有持分、防災施設建築物の所有を目的とする地上権、防災施設建築物の一部等又は個別利用区内の宅地の管理及び処分については、当該地方公共団体の財産の管理又は処分に関する法令の規定は、適用しない。
(防災街区整備事業の施行により設置された公共施設の管理)
第二百五十三条 防災街区整備事業の施行により設置された公共施設は、当該公共施設の整備に関する工事が完了したときは、その公共施設の所在する市町村の管理に属する。ただし、法律又は規準、規約、定款若しくは施行規程に管理すべき者の定めがあるときは、それらの者の管理に属するものとする。
第七目 権利変換手続の特則
(防災施設建築敷地に地上権を設定しないこととする特則)
第二百五十四条 施行者は、第二百七条第三項の規定によらないで権利変換計画を定めることが適当であると認めるときは、同項の規定にかかわらず、防災施設建築敷地に地上権が設定されないものとして権利変換計画を定めることができる。
2 前項の場合においては、第二百八条、第二百九条第二項後段及び第三項並びに第二百二十二条第一項の規定は適用せず、第二百九条第一項中「に借地権」とあるのは「又はその借地権」と、「防災施設建築物の一部等」とあるのは「防災建築施設の部分」と、第二百二十二条第二項中「地上権」とあるのは「防災施設建築敷地」とするほか、この法律の適用についての必要な技術的読替えは、政令で定める。
(指定宅地の権利者以外の権利者等のすべての同意を得た場合の特則)
第二百五十五条 施行者は、権利変換期日に生ずべき権利の変動その他権利変換の内容につき、施行地区内の土地(指定宅地を除く。)又はこれに存する物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者のすべての同意を得たとき(第二百五十七条第一項前段に規定する場合を除く。)は、第二百五条第二項、第三項及び第四項(指定宅地に係る部分を除く。)、第二百七条第一項、第三項及び第四項、第二百八条、第二百九条並びに第二百十一条第一項及び第二項の規定によらないで、権利変換計画を定めることができる。この場合においては、第二百四十六条の規定は、適用しない。
2 前項の場合における権利変換計画においては、第二百三条第一項又は第三項の申出をした者を除き、施行地区内に宅地(指定宅地を除く。)若しくはその借地権又は施行地区内の土地(指定宅地を除く。)に権原に基づき建築物を有する者及び当該建築物の借家権者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)に対しては、防災施設建築敷地又は防災施設建築物に関する権利が与えられるように定めなければならない。参加組合員又は特定事業参加者に対しても、同様とする。
3 第一項の場合においては、権利変換計画は、前項前段に規定する者に対して与えられることとなる防災施設建築敷地又は防災施設建築物に関する権利の価額の合計がそれらの者が有する従前の権利の価額の合計を著しく超えることのないように定めなければならない。
4 第一項の規定により権利変換計画を定めた場合においては、第二百二十一条第一項(指定宅地に係る部分を除く。)及び第二項、第二百二十二条(第四項を除く。)及び第二百二十四条第一項の規定にかかわらず、権利変換計画で定めるところにより、権利変換期日において第一項に規定する者について権利の得喪及び変更を生じる。
5 前項の規定による借地権の設定については、地方自治法第二百三十八条の四第一項及び国有財産法第十八条第一項の規定は、適用しない。
6 第一項の場合におけるこの法律の適用についての必要な技術的読替えは、政令で定める。
(指定宅地の権利者のすべての同意を得た場合の特則)
第二百五十六条 施行者は、権利変換期日に生ずべき権利の変動その他権利変換の内容につき、指定宅地又はこれに存する物件に関し権利を有する者のすべての同意を得たとき(次条第一項前段に規定する場合を除く。)は、第二百五条第四項(指定宅地に係る部分に限る。)第二百十条第三項から第五項まで及び第二百十一条第三項の規定によらないで、権利変換計画を定めることができる。
2 前項の場合においては、権利変換計画は、指定宅地について権利を有する者に対し与えられることとなる個別利用区内の宅地に関する権利の価額の合計がそれらの者が有する従前の権利の価額の合計を著しく超えることのないように定めなければならない。
3 第一項の規定により権利変換計画を定めた場合においては、第二百二十一条第一項(指定宅地に係る部分に限る。)、第二百二十三条及び第二百二十四条第二項の規定にかかわらず、権利変換計画で定めるところにより、権利変換期日において第一項に規定する者について権利の得喪及び変更を生じる。
(施行地区内の権利者等のすべての同意を得た場合の特則)
第二百五十七条 施行者は、権利変換期日に生ずべき権利の変動その他権利変換の内容につき、施行地区内の宅地又は物件に関し権利を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者のすべての同意を得たときは、第二百五条第二項から第四項まで、第二百七条第一項、第三項及び第四項、第二百八条、第二百九条、第二百十条第三項から第五項まで、第二百十一条、第二百十三条並びに第二百十四条の規定によらないで、権利変換計画を定めることができる。この場合においては、第二百十六条、第二百四十六条、第二百四十七条、第二百五十二条第一項の規定は、適用しない。
2 第二百五十五条第二項の規定は、前項の場合における権利変換計画について準用する。
3 第一項の規定により権利変換計画を定めた場合においては、第二百二十一条、第二百二十二条(第四項を除く。)、第二百二十三条及び第二百二十四条の規定にかかわらず、権利変換計画で定めるところにより、権利変換期日において第一項に規定する者について権利の得喪及び変更を生じる。
4 第二百五十五条第五項の規定は、前項の規定による借地権の設定について準用する。
5 第一項の場合におけるこの法律の適用についての必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三款 個人施行者等の事業の代行
(事業代行開始の決定)
第二百五十八条 都道府県知事は、防災街区整備事業について、個人施行者、事業組合又は事業会社の事業の現況その他の事情により個人施行者、事業組合又は事業会社の事業の継続が困難となるおそれがある場合において、第二百六十八条第二項及び第二百六十九条から第二百七十一条までの規定による監督処分によっては個人施行者、事業組合又は事業会社の事業の遂行の確保を図ることができないと認めるときは、事業代行の開始を決定することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定により事業代行の開始を決定したときは、その旨その他国土交通省令で定める事項を公告しなければならない。
(事業代行者)
第二百五十九条 事業代行者は、都道府県知事とする。ただし、都道府県知事は、個人施行者、事業組合又は事業会社の施行地区を管轄する市町村長と協議して、当該市町村長を事業代行者と定めることができる。
(事業代行開始の効果)
第二百六十条 第二百五十八条第二項の公告があったときは、個人施行者の事業にあっては業務の執行並びに当該業務に係る財産の管理及び処分をする権限は、事業組合又は事業会社の事業にあっては事業組合又は事業会社の代表、業務の執行並びに財産の管理及び処分をする権限は、次条第一項又は第二項の公告があるまでの間、事業代行者に専属する。
(事業代行終了の公告等)
第二百六十一条 事業代行者は、個人施行者、事業組合又は事業会社の事業の継続が困難となるおそれがなくなったとき、又は第二百四十五条第一項の規定による登記が完了したときは、都道府県知事にあっては事業代行を終了する旨を公告し、市町村長にあってはその旨を都道府県知事に通知しなければならない。
2 都道府県知事は、市町村長から前項の通知を受けたときは、事業代行を終了する旨を公告しなければならない。
3 個人施行者、事業組合又は事業会社は、前二項の公告後遅滞なく、その財産の処分及び債務の弁済に関する計画を作成して事業代行者であった者の承認を求めなければならない。
(事業組合の債務についての都市再開発法の準用)
第二百六十二条 都市再開発法第百十六条及び第百十八条の規定は、事業代行をされた事業組合の債務について準用する。この場合において、同条第一項中「施設建築物の一部」とあるのは「密集市街地整備法第百十七条第七号に規定する防災施設建築物の一部」と、同条第二項中「第百一条第一項」とあるのは「密集市街地整備法第二百四十五条第一項」と読み替えるものとする。
第四款 費用の負担等
(費用の負担)
第二百六十三条 防災街区整備事業に要する費用は、施行者の負担とする。ただし、第二百三十五条第一項の規定により施行者以外の者が防災施設建築物の建築を行う場合の建築に要する費用は当該施行者以外の者の、第二百四十三条の規定により公共施設の管理者又は管理者となるべき者に公共施設の工事を行わせる場合の工事に要する費用は当該管理者又は管理者となるべき者の負担とする。
(地方公共団体の分担金)
第二百六十四条 公団等は、公団等が施行する防災街区整備事業の施行により利益を受ける地方公共団体に対し、その利益を受ける限度において、その防災街区整備事業に要する費用の一部を負担することを求めることができる。
2 前項の場合において、地方公共団体が負担する費用の額及び負担の方法は、公団等と地方公共団体とが協議して定める。
3 前項の規定による協議が成立しないときは、当事者の申請に基づき、国土交通大臣が裁定する。この場合において、国土交通大臣は、当事者の意見を聴くとともに、総務大臣と協議しなければならない。
(公共施設管理者の負担金)
第二百六十五条 施行者は、防災街区整備事業の施行により整備されることとなる重要な防災公共施設その他の公共施設で政令で定めるものの管理者又は管理者となるべき者に対し、当該公共施設の整備に要する費用の全部又は一部を負担することを求めることができる。
2 前項の規定による費用の負担については、あらかじめ、個人施行者、事業組合又は事業会社が施行する防災街区整備事業にあっては当該公共施設の管理者又は管理者となるべき者の承認を得、その他の防災街区整備事業にあっては当該公共施設の管理者又は管理者となるべき者と協議し、その者が負担すべき費用の額を事業計画において定めておかなければならない。
(資金の融通等)
第二百六十六条 国及び地方公共団体は、施行者に対し、防災街区整備事業に必要な資金の融通又はあっせんその他の援助に努めるものとする。
第五款 雑則
(借家権者の居住の安定の確保に関する施行者等の責務)
第二百六十七条 施行者は、施行地区内の建築物の借家権者の居住の安定の確保に努めなければならない。
2 国及び地方公共団体は、施行地区内の建築物の借家権者の居住の安定の確保を図るため、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(報告、勧告等)
第二百六十八条 国土交通大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県知事は個人施行者、事業組合、事業会社又は市町村に対し、市町村長は個人施行者、事業組合又は事業会社に対し、それぞれその施行する防災街区整備事業に関し、この法律の施行のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその施行する防災街区整備事業の施行の促進を図るために必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。
2 都道府県知事は、個人施行者、事業組合又は事業会社に対し、防災街区整備事業の施行の促進を図るために必要な措置を命ずることができる。
(個人施行者に対する監督)
第二百六十九条 都道府県知事は、個人施行者の施行する防災街区整備事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、規約、事業計画若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その事業又は会計の状況を検査し、その結果、違反の事実があると認めるときは、当該個人施行者に対し、その違反を是正するため必要な限度において、当該個人施行者のした処分の取消し、変更若しくは停止又は当該個人施行者のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
2 都道府県知事は、個人施行者が前項の規定による命令に従わないときは、権利変換期日前に限り、当該個人施行者に対する防災街区整備事業の施行の認可を取り消すことができる。
3 都道府県知事は、前項の規定により認可を取り消したときは、速やかに、その旨を公告しなければならない。
4 個人施行者は、前項の公告があるまでは、認可の取消しによる防災街区整備事業の廃止をもって第三者に対抗することができない。
(事業組合に対する監督)
第二百七十条 都道府県知事は、事業組合の施行する防災街区整備事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画、事業基本方針若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、当該事業又は会計の状況を検査することができる。
2 都道府県知事は、事業組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、当該事業組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画、事業基本方針若しくは権利変換計画に違反する疑いがあることを理由として当該事業又は会計の状況の検査を請求したときは、その検査をしなければならない。
3 都道府県知事は、前二項の規定により検査を行った場合において、事業組合の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は定款、事業計画、事業基本方針若しくは権利変換計画に違反していると認めるときは、当該事業組合に対し、その違反を是正するため必要な限度において、当該事業組合のした処分の取消し、変更若しくは停止又は当該事業組合のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
4 都道府県知事は、事業組合が前項の規定による命令に従わないとき、又は事業組合の設立についての認可を受けた者がその認可の公告があった日から起算して三十日を経過してもなお総会を招集しないときは、権利変換期日前に限り、当該事業組合の設立の認可を取り消すことができる。
5 都道府県知事は、第百五十一条において準用する都市再開発法第三十一条第三項の規定により組合員から総会の招集の請求があった場合において、理事長及び監事が総会を招集しないときは、これらの組合員の申出に基づき、総会を招集しなければならない。第百五十三条第三項又は第百五十四条第四項において準用する同法第三十一条第三項の規定により組合員又は総代から総会の部会又は総代会の招集の請求があった場合において、理事長及び監事が総会の部会又は総代会を招集しないときも、同様とする。
6 都道府県知事は、第百四十八条第三項において準用する都市再開発法第二十六条第一項の規定により組合員から理事又は監事の解任の請求があった場合において、事業組合がこれを組合員の投票に付さないときは、これらの組合員の申出に基づき、政令で定めるところにより、これを組合員の投票に付さなければならない。第百五十五条第三項において準用する同法第二十六条第一項の規定により組合員から総代の解任の請求があった場合において、事業組合がこれを組合員の投票に付さないときも、同様とする。
7 都道府県知事は、事業組合の組合員が総組合員の十分の一以上の同意を得て、総会、総会の部会若しくは総代会の招集手続若しくは議決の方法又は役員若しくは総代の選挙若しくは解任の投票の方法が、この法律又は定款に違反することを理由として、その議決、選挙、当選又は解任の投票の取消しを請求した場合において、その違反の事実があると認めるときは、その議決、選挙、当選又は解任の投票を取り消すことができる。
(事業会社に対する監督)
第二百七十一条 都道府県知事は、事業会社の施行する防災街区整備事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、事業計画若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、当該事業又は会計の状況を検査することができる。
2 都道府県知事は、事業会社の施行する防災街区整備事業の施行地区内の宅地の所有者又は借地権者が、その区域内の宅地について所有権又は借地権を有するすべての者の十分の一以上の同意を得て、当該事業会社の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、事業計画若しくは権利変換計画に違反する疑いがあることを理由として当該事業又は会計の状況の検査を請求したときは、その検査をしなければならない。この場合においては、都市再開発法第百二十五条の二第二項後段の規定を準用する。
3 都道府県知事は、前二項の規定により検査を行った場合において、事業会社の事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、事業計画若しくは権利変換計画に違反していると認めるときは、当該事業会社に対し、その違反を是正するため必要な限度において、当該事業会社のした処分の取消し、変更若しくは停止又は当該事業会社のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。
4 都道府県知事は、事業会社が前項の規定による命令に従わないときは、権利変換期日前に限り、当該事業会社に対する防災街区整備事業の施行の認可を取り消すことができる。
5 都道府県知事は、前項の規定により認可を取り消したときは、速やかに、その旨を公告しなければならない。
6 事業会社は、前項の公告があるまでは、認可の取消しによる防災街区整備事業の廃止をもって第三者に対抗することができない。
(都道府県及び市町村に対する是正の要求)
第二百七十二条 国土交通大臣は都道府県に対し、都道府県知事は市町村に対し、これらの者が施行者として行う処分又は工事が、この法律又はこれに基づく国土交通大臣若しくは都道府県知事の処分に違反していると認めるときは、防災街区整備事業の適正な施行を確保するため必要な限度において、その処分の取消し、変更若しくは停止又はその工事の中止若しくは変更その他必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
2 国土交通大臣は、市町村に対し、その施行者として行う処分又は工事が、この法律又はこれに基づく都道府県知事の処分に違反していると認める場合において、緊急を要するときその他特に必要があると認めるときは、防災街区整備事業の適正な施行を確保するため必要な限度において、その処分の取消し、変更若しくは停止又はその工事の中止若しくは変更その他必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
3 都道府県又は市町村は、前二項の規定による要求を受けたときは、当該処分の取消し、変更若しくは停止又は当該工事の中止若しくは変更その他必要な措置を講じなければならない。
(技術的援助の請求)
第二百七十三条 個人施行者若しくは事業会社となろうとする者、事業組合又は事業会社を設立しようとする者は都道府県知事及び市町村長に対し、個人施行者、事業組合又は事業会社は市町村長に対し、防災街区整備事業の施行の準備又は施行のために、それぞれ防災街区整備事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。
(処分、手続等の効力)
第二百七十四条 防災街区整備事業の施行に係る土地又はその土地に存する建築物等その他の物件について権利を有する者の変更があったときは、この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又は規準、規約、定款若しくは施行規程の規定により従前のこれらの者がした手続その他の行為は、新たにこれらの者となった者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となった者に対してしたものとみなす。
(土地の分割及び合併)
第二百七十五条 施行者は、防災街区整備事業の施行のために必要があるときは、所有者に代わって土地の分割又は合併の手続をすることができる。
2 施行者は、一筆の土地が施行地区の内外又は二以上の工区にわたる場合において、権利変換手続開始の登記を申請し、又は嘱託をするときは、あらかじめ、その土地の分割の手続をしなければならない。
(不動産登記法の特例)
第二百七十六条 施行地区内の土地及びこれに存する建物の登記については、政令で、不動産登記法の特例を定めることができる。
(建物の区分所有等に関する法律の特例等)
第二百七十七条 施行者は、政令で定めるところにより、公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)にあっては国土交通大臣の、個人施行者、事業組合、事業会社又は市のみが設立した地方住宅供給公社にあっては都道府県知事の認可を受け、都道府県にあっては国土交通大臣に、市町村にあっては都道府県知事に協議し、その同意を得て、防災施設建築物及び防災施設建築敷地の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項につき、管理規約を定めることができる。
2 前項の管理規約は、建物の区分所有等に関する法律第三十条第一項の規約とみなす。
(関係簿書の備付け)
第二百七十八条 施行者は、国土交通省令で定めるところにより、防災街区整備事業に関する簿書(事業組合にあっては、組合員名簿を含む。以下同じ。)を備え付けておかなければならない。
2 利害関係者から前項の簿書の閲覧の請求があったときは、施行者は、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
(書類の送付に代わる公告)
第二百七十九条 施行者は、防災街区整備事業の施行に関し書類を送付する場合において、送付を受けるべき者がその書類の受領を拒んだとき、又は過失がなくて、その者の住所、居所その他書類を送付すべき場所を確知することができないときは、政令で定めるところにより、その書類の内容を公告することをもって書類の送付に代えることができる。
2 前項の公告があったときは、その公告の日の翌日から起算して十日を経過した日に当該書類が送付を受けるべき者に到達したものとみなす。
(意見書等の提出の期間の計算等)
第二百八十条 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により一定期間内に差し出すべき意見書その他の文書が郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で差し出されたときは、送付に要した日数は、期間に算入しない。
2 前項の文書は、その提出期間が経過した後においても、容認すべき理由があるときは、受理することができる。
第七章 防災都市施設の整備のための特別の措置
(防災都市施設の施行予定者等)
第二百八十一条 防災都市施設に関する都市計画については、都市計画法第十一条第二項に定める事項のほか、国の機関又は地方公共団体のうちから、当該防災都市施設に関する都市計画事業の施行予定者(以下この章において「施行予定者」という。)を定めることができる。この場合においては、当該都市計画に、併せて第二百八十三条及び第二百八十四条の規定による制限が行われる期間の満了の日(以下この章において「期間満了日」という。)を定めなければならない。
2 施行予定者を定める防災都市施設に関する都市計画の案については、当該施行予定者の同意を得なければならない。当該都市計画の変更の案についても、同様とする。
3 施行予定者が定められた防災都市施設に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。
4 期間満了日は、施行予定者を定める防災都市施設に関する都市計画の決定又は防災都市施設に関する都市計画に施行予定者を定める都市計画の変更に係る都市計画法第二十条第一項(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示の日から起算して五年を超えてはならない。
(施行予定者が定められている防災都市計画施設の区域についての特例)
第二百八十二条 施行予定者が定められている防災都市計画施設の区域については、期間満了日までは、都市計画法第五十三条から第五十七条までの規定は適用せず、次条から第二百八十六条までに定めるところによる。
(建築の制限)
第二百八十三条 施行予定者が定められている防災都市計画施設の区域内において、建築物の建築を行おうとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
2 前項の規定は、都市計画法第六十五条第一項に規定する告示があった後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。
3 都市計画法第四十二条第二項、第七十九条、第八十一条及び第八十二条の規定は、第一項の規定による許可及び建築の制限について準用する。この場合において、同法第四十二条第二項中「前項ただし書」とあるのは「密集市街地整備法第二百八十三条第一項本文」と、同法第八十一条第一項第一号及び第二号中「この法律若しくはこの法律」とあるのは「密集市街地整備法第二百八十三条若しくは同条の規定」と、同項から同条第三項まで及び同法第八十二条第一項中「国土交通大臣、都道府県知事又は指定都市等の長」とあり、及び「国土交通大臣、都道府県知事若しくは指定都市等の長」とあるのは「都道府県知事」と、同法第八十一条第一項中「建築物その他の工作物若しくは物件(以下この条において「工作物等」という。)」とあり、並びに同項第一号及び同条第四項中「工作物等」とあるのは「建築物」と読み替えるものとする。
(土地建物等の有償譲渡及び買取りについての都市計画法の準用)
第二百八十四条 都市計画法第五十二条の三の規定は、施行予定者が定められている防災都市計画施設の区域内の土地又は土地及びこれに定着する建築物等の有償譲渡及び当該施行予定者による買取りについて準用する。この場合において、同条第一項中「市街地開発事業等予定区域に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示」とあるのは、「密集市街地整備法第二百八十一条第四項に規定する告示」と読み替えるものとする。
(土地の買取請求についての都市計画法の準用)
第二百八十五条 都市計画法第五十二条の四第一項から第三項までの規定は、施行予定者が定められている防災都市計画施設の区域内の土地の当該施行予定者に対する買取請求について準用する。
(損失の補償)
第二百八十六条 施行予定者が定められている防災都市施設に関する都市計画について、期間満了日までの間に施行予定者が定められている防災都市計画施設の区域が変更された場合において、その変更により当該区域外となった土地の所有者又は使用収益権を有する者のうちに当該都市計画の変更があったことにより損失を受けた者があるときは、当該施行予定者は、その損失を補償しなければならない。
2 都市計画法第二十八条第二項及び第三項並びに第五十二条の五第二項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。
(認可又は承認の申請)
第二百八十七条 施行予定者は、期間満了日の二月前までに、当該防災都市施設に係る都市計画事業について都市計画法第五十九条第一項から第三項までの規定による認可又は承認の申請をしなければならない。
(都市計画事業の認可等に関する処理期間)
第二百八十八条 国土交通大臣又は都道府県知事は、前条の申請を受理した日から二月以内に、同条の認可又は承認に関する処分を行うものとする。
2 前項の処分に関し、都市計画法第五十九条第五項又は第六項の規定により意見を聴かれた者は、国土交通大臣又は都道府県知事が前項の処理期間内に当該処分を行うことができるよう、速やかに意見の申出を行わなければならない。
第三章の次に次の一章を加える。
第四章 特定防災街区整備地区
(特定防災街区整備地区に関する都市計画)
第三十一条 密集市街地内の土地の区域については、当該区域及びその周辺の密集市街地における特定防災機能の確保並びに当該区域における土地の合理的かつ健全な利用を図るため、都市計画に、特定防災街区整備地区を定めることができる。
2 特定防災街区整備地区は、防火地域又は準防火地域が定められている土地の区域のうち、防災都市計画施設(防災都市施設に係る都市計画施設をいう。以下同じ。)と一体となって特定防災機能を確保するための防災街区として整備すべき区域その他当該密集市街地における特定防災機能の効果的な確保に貢献する防災街区として整備すべき区域に定めるものとする。
3 特定防災街区整備地区に関する都市計画には、都市計画法第八条第三項第一号及び第三号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 建築物の敷地面積の最低限度
二 特定防災機能の確保又は土地の合理的かつ健全な利用を図るため必要な場合にあっては、壁面の位置の制限
三 防災街区整備方針に即して防災都市計画施設と一体となって特定防災機能を確保する建築物を整備するため必要な場合にあっては、建築物の防災都市計画施設に係る間口率(建築物の防災都市計画施設に面する部分の長さの敷地の防災都市計画施設に接する部分の長さに対する割合をいう。)の最低限度及び建築物の高さの最低限度
(建築基準法の一部改正)
第二条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。
目次中「壁面線との関係」を「壁面線との関係等」に、「第五節 防火地域(第六十一条―第六十七条)」を
第五節
防火地域(第六十一条―第六十七条)
第五節の二
特定防災街区整備地区(第六十七条の二)
に改める。
第二条第二十一号中「準防火地域」の下に「、特定防災街区整備地区」を加える。
第三条第三項第二号中「第四十三条第二項」の下に「、第四十三条の二」を加える。
第四十二条第一項第二号中「又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)」を「、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法(第六章に限る。以下この項において同じ。)」に改め、同項第四号及び第五号中「又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」を「、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法」に改める。
「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係」を「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」に改める。
第四十三条の次に次の一条を加える。
(その敷地が四メートル未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の付加)
第四十三条の二 地方公共団体は、交通上、安全上、防火上又は衛生上必要があると認めるときは、その敷地が第四十二条第三項の規定により水平距離が指定された道路にのみ二メートル(前条第二項に規定する建築物で同項の条例によりその敷地が道路に接する部分の長さの制限が付加されているものにあつては、当該長さ)以上接する建築物について、条例で、その敷地、構造、建築設備又は用途に関して必要な制限を付加することができる。
第五十二条第三項中「、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項に規定するもの」を「に規定するもの」に改める。
第三章第五節の次に次の一節を加える。
第五節の二 特定防災街区整備地区
(特定防災街区整備地区)
第六十七条の二 特定防災街区整備地区内にある建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。ただし、第六十一条各号のいずれかに該当するものは、この限りでない。
2 建築物が特定防災街区整備地区と特定防災街区整備地区として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部について、前項の規定を適用する。ただし、その建築物が特定防災街区整備地区外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
3 特定防災街区整備地区内においては、建築物の敷地面積は、特定防災街区整備地区に関する都市計画において定められた建築物の敷地面積の最低限度以上でなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の敷地については、この限りでない。
一 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの
二 特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
4 第五十三条の二第三項の規定は、前項の都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められ、又は変更された場合に準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは、「第六十七条の二第三項」と読み替えるものとする。
5 特定防災街区整備地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、特定防災街区整備地区に関する都市計画において壁面の位置の制限が定められたときは、建築物の地盤面下の部分を除き、当該壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 第三項第一号に掲げる建築物
二 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
6 特定防災街区整備地区内においては、その敷地が防災都市計画施設(密集市街地整備法第三十一条第二項に規定する防災都市計画施設をいう。以下この条において同じ。)に接する建築物の防災都市計画施設に係る間口率(防災都市計画施設に面する部分の長さの敷地の当該防災都市計画施設に接する部分の長さに対する割合をいう。以下この条において同じ。)及び高さは、特定防災街区整備地区に関する都市計画において建築物の防災都市計画施設に係る間口率の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められたときは、それぞれ、これらの最低限度以上でなければならない。
7 前項の場合においては、同項に規定する建築物の高さの最低限度より低い高さの建築物の部分(同項に規定する建築物の防災都市計画施設に係る間口率の最低限度を超える部分を除く。)は、空隙のない壁が設けられる等防火上有効な構造としなければならない。
8 前二項の建築物の防災都市計画施設に係る間口率及び高さの算定に関し必要な事項は、政令で定める。
9 前三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 第三項第一号に掲げる建築物
二 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの
10 第四十四条第二項の規定は、第三項第二号、第五項第二号又は前項第二号の規定による許可をする場合に準用する。
第八十四条の二及び第八十五条の二中「及び第六十一条から第六十四条まで」を「、第六十一条から第六十四条まで及び第六十七条の二第一項」に改める。
第八十六条第一項中「若しくは第六項」を「、第六項若しくは第七項」に改め、同条第四項中「として、交通上」を「として」に改める。
第八十六条の四第一項及び第八十六条の七中「又は第六十二条第一項」を「、第六十二条第一項又は第六十七条の二第一項」に改める。
第八十七条第二項中「第四十三条第二項」の下に「、第四十三条の二」を加え、同条第三項中「第四十三条第二項」の下に「、第四十三条の二」を加え、「一に」を「いずれかに」に改める。
第九十一条中「及び別表第三」を「、第六十七条の二第一項及び第二項並びに別表第三」に改める。
第九十九条第一項第五号中「又は第六十六条」を「、第六十六条又は第六十七条の二第一項、第三項若しくは第五項から第七項まで」に改める。
第百三条中「を準用する場合を含む。)」の下に「、第四十三条の二(第八十七条第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
(都市計画法の一部改正)
第三条 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第七条の二第一項第四号中「平成九年法律第四十九号」の下に「。以下「密集市街地整備法」という。」を加え、「防災再開発の方針」を「防災街区整備方針」に改める。
第八条第一項第五号の次に次の一号を加える。
五の二 密集市街地整備法第三十一条第一項の規定による特定防災街区整備地区
第八条第四項中「都市再生特別地区」の下に「及び特定防災街区整備地区」を加える。
第十一条第四項中「流通業務団地」を「密集市街地整備法第三十条第一項に規定する防災都市施設に係る都市施設及び流通業務団地」に改める。
第十二条第一項に次の一号を加える。
七 密集市街地整備法による防災街区整備事業
第十二条の四第一項第二号中「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」を「密集市街地整備法」に改める。
第十三条第一項第六号中「防災再開発の方針」を「防災街区整備方針」に、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」を「密集市街地整備法」に改め、「の土地の区域」を削り、同条第四項中「第八条第一項第四号の二」の下に「、第五号の二」を加える。
第十四条第二項第二号中「防災再開発の方針」を「防災街区整備方針」に、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三条第一項」を「密集市街地整備法第三条第一項第一号」に改め、同項第十一号中「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」を「密集市街地整備法」に、「同法」を「密集市街地整備法」に改める。
第十五条第一項第六号中「及び住宅街区整備事業」を「、住宅街区整備事業及び防災街区整備事業」に改める。
第二十九条第一項中第十一号を第十二号とし、第十号を第十一号とし、第九号を第十号とし、第八号の次に次の一号を加える。
九 防災街区整備事業の施行として行う開発行為
第二十九条第二項第二号中「第九号から第十一号まで」を「第十号から第十二号まで」に改める。
第四十三条第五号中「第二十九条第一項第九号」を「第二十九条第一項第十号」に改める。
(都市再開発法の一部改正)
第四条 都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)の一部を次のように改正する。
第二条の二第一項第三号中「平成九年法律第四十九号」の下に「。以下「密集市街地整備法」という。」を加え、同号イ及びロ中「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」を「密集市街地整備法」に改め、同条第三項第四号に後段として次のように加える。
この場合において、所有権又は借地権が数人の共有に属する宅地又は借地について前段に規定する者が共有持分を有しているときは、当該宅地又は借地の地積に当該者が有する所有権又は借地権の共有持分の割合を乗じて得た面積を、当該宅地又は借地について当該者が有する宅地又は借地の地積とみなす。
第七条の二に次の一項を加える。
5 第三項の場合において、所有権又は借地権が数人の共有に属する宅地又は借地があるときは、当該宅地又は借地について所有権を有する者又は借地権を有する者の数をそれぞれ一とみなし、同意した所有権を有する者の共有持分の割合の合計又は同意した借地権を有する者の共有持分の割合の合計をそれぞれ当該宅地又は借地について同意した者の数とみなし、当該宅地又は借地の地積に同意した所有権を有する者の共有持分の割合の合計又は同意した借地権を有する者の共有持分の割合の合計を乗じて得た面積を当該宅地又は借地について同意した者が所有する宅地の地積又は同意した者の借地の地積とみなす。
第七条の十六第二項中「第七条の九第三項及び第七条の十三の規定」を「第七条の九第三項の規定」に、「第七条の十四並びに前条」を「前三条」に改める。
第十一条第四項に後段として次のように加える。
この場合において、同条第二項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区となるべき区域(第十一条第三項の規定による認可の申請にあつては、施行地区)」と読み替えるものとする。
第十四条に次の一項を加える。
2 第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。
第十五条第一項中「前条」を「前条第一項」に改める。
第十六条第二項中「又はその土地」を「若しくはその土地」に改め、「有する者」の下に「又は参加組合員」を加える。
第三十三条中「第十四条後段」を「第十四条第一項後段」に改める。
第四十五条第五項中「同項」を「同条第二項」に改める。
第五十条の四に次の一項を加える。
2 第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。
第五十条の五第一項中「前条」を「前条第一項」に改める。
第五十条の六中「「又は」とあるのは「若しくは」と、「有する者」とあるのは「有する者又は第五十条の三第一項第五号の特定事業参加者」」を「「参加組合員」とあるのは「第五十条の三第一項第五号の特定事業参加者」」に改める。
第五十条の九第二項中「第五十条の四中」を「第五十条の四第一項中」に改め、「いずれか」と」の下に「、同条第二項中「参加組合員」とあるのは「第五十条の三第一項第五号の特定事業参加者」と」を加える。
第五十一条第一項中「及び第四章」を「、第百六条第三項及び第四項(これらの規定を第百十八条の二十四第二項において準用する場合を含む。)並びに第四章」に改める。
第五十三条第二項中「「又は」とあるのは「若しくは」と、「有する者」とあるのは「有する者又は第五十二条第二項第五号の特定事業参加者」」を「「参加組合員」とあるのは「第五十二条第二項第五号の特定事業参加者」」に改める。
第五十八条第三項中「「又は」とあるのは「若しくは」と、「有する者」とあるのは「有する者又は第五十八条第三項において準用する第五十二条第二項第五号の特定事業参加者」と、第十六条第五項」を「「参加組合員」とあるのは「第五十八条第三項において準用する第五十二条第二項第五号の特定事業参加者」と、同条第五項」に改める。
第六十八条第二項中「中「前条第一項」を「並びに第三十七条の二中「第三十六条第一項」に、「「収用し」を「同法第三十七条第一項及び第二項中「収用し」に、「第三十七条の二中「第三十六条第一項」とあるのは「都市再開発法第六十八条第一項」と、」を「同法第三十七条の二中」に改める。
第七十一条第一項中「第八十七条」の下に「又は第八十八条第一項及び第二項」を加え、同条第五項中「縦覧が開始されないときは」を「縦覧の開始(個人施行者が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、次条第一項後段の規定による権利変換計画の認可。以下この項において同じ。)がされないときは」に、「同項」を「第一項」に、「さらに」を「更に」に、「同条」を「第八十三条」に、「縦覧が開始されないときも」を「縦覧の開始がされないときも」に改め、同条第六項中「縦覧が開始されない」を「縦覧の開始(個人施行者が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、次条第一項後段の規定による権利変換計画の認可。以下この項において同じ。)がされない」に改め、「三十日以内に、同項」及び「三十日以内に、第一項」を削る。
第七十二条第三項中「同条」を「同条第一項」に改める。
第七十三条第一項中「次の各号に」を「次に」に改め、同項第十四号中「第五十条の三第一項第五号又は第五十二条第二項第五号(第五十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する特定事業参加者(以下単に「特定事業参加者」という。)の」を「特定事業参加者の」に改め、同項第十五号中「、第十三号及び前号」を「及び前二号」に改める。
第八十三条第一項及び第二項中「者及び」の下に「参加組合員又は」を加える。
第九十七条第五項中「並びに第九十二条」を「、第九十二条並びに第九十三条」に改める。
第百八条第一項を次のように改める。
第一種市街地再開発事業により施行者が取得した施設建築物の一部等は、次に掲げる場合を除き、公募により賃貸し、又は譲渡しなければならない。この場合において、施行者は、賃貸又は譲渡後の施設建築物の一部等が当該第一種市街地再開発事業の目的に適合して利用されるよう十分に配慮しなければならない。
一 巡査派出所、電気事業者の電気工作物その他公益上欠くことができない施設の用に供するため必要があるとき。
二 施行地区内に宅地、借地権若しくは権原に基づき存する建築物を有する者又は施行地区内の建築物について借家権を有する者の居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。
三 再開発会社が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、当該再開発会社の株主又は社員の居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。
四 施行地区が第二条の三第一項第二号又は第二項の地区内にある場合において、当該地区内に宅地、借地権若しくは権原に基づき存する建築物を有する者又は当該地区内の建築物について借家権を有する者であつて、当該地区内における他の市街地再開発事業又は土地区画整理法による土地区画整理事業、密集市街地整備法による防災街区整備事業若しくは都市計画事業の施行に伴い当該宅地、借地権、建築物又は借家権を失い、かつ、当該権利に対応する権利を与えられないものの居住又は業務の用に供するため特に必要があるとき。
五 その他国土交通省令で定める場合
第百十条第一項中「者及び」の下に「参加組合員又は」を加え、同条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 前項の規定による借地権の設定については、地方自治法第二百三十八条の四第一項及び国有財産法第十八条第一項の規定は、適用しない。
第百十八条の六第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第七条の二第五項の規定は、前項の規定により同意を得る場合について準用する。この場合において、同条第五項中「所有権を有する者」とあるのは「譲受け希望の申出をした所有権を有する者」と、「借地権を有する者」とあるのは、「譲受け希望の申出をした借地権を有する者」と読み替えるものとする。
第百十八条の十の表第八十六条第一項の項中「第百十八条の六第三項」を「第百十八条の六第四項」に改める。
第百十九条中「前条」を「第百十八条の二十九」に改める。
第百二十五条の二第二項に後段として次のように加える。
この場合において、所有権又は借地権が数人の共有に属する宅地又は借地があるときは、当該宅地又は借地について所有権を有する者又は借地権を有する者の数をそれぞれ一とみなし、同意した所有権を有する者の共有持分の割合の合計又は同意した借地権を有する者の共有持分の割合の合計をそれぞれ当該宅地又は借地について同意した者の数とみなす。
(都市基盤整備公団法の一部改正)
第五条 都市基盤整備公団法(平成十一年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。
第二十八条第一項第三号中「又は住宅街区整備事業」を「、防災街区整備事業(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)による防災街区整備事業をいう。以下同じ。)又は住宅街区整備事業」に、「、都市再開発法」を「都市再開発法」に改め、「特定事業参加者を」の下に「、防災街区整備事業にあっては密集市街地整備法第百六十六条第一項第五号又は第百八十条第二項第五号(密集市街地整備法第百八十八条第三項において準用する場合を含む。)に規定する特定事業参加者を」を加え、同項第四号中「特定建築者」の下に「又は密集市街地整備法第二百三十五条第二項に規定する特定建築者」を加え、「同条第三項」を「都市再開発法第九十九条の二第三項」に改め、「特定施設建築物」の下に「又は密集市街地整備法第二百三十五条第三項に規定する特定防災施設建築物」を加え、同項第五号中「及び市街地再開発事業」を「、市街地再開発事業及び防災街区整備事業」に改め、同条第三項第四号イ中「又は市街地再開発事業」を「、市街地再開発事業又は防災街区整備事業」に改める。
第三十一条第一項中「又は都市再開発法」を「若しくは都市再開発法」に改め、「除く。)」の下に「又は防災街区整備事業(国の施策上特に供給が必要な賃貸住宅の建設と併せて行うものを除く。)に係るもの」を加える。
第三十五条第一項第一号中「又は市街地再開発事業」を「、市街地再開発事業又は防災街区整備事業」に改める。
(都市再生特別措置法の一部改正)
第六条 都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)の一部を次のように改正する。
第三十七条第一項中第七号を第九号とし、第六号を第八号とし、第五号を第七号とし、第四号を第五号とし、同号の次に次の一号を加える。
六 密集市街地整備法による防災街区整備事業に関する都市計画
第三十七条第一項中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。
三 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十一条第一項の規定による特定防災街区整備地区に関する都市計画
第四十二条中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 密集市街地整備法第百二十二条第一項、第百二十九条第一項、第百三十六条第一項から第三項まで、第百五十七条第一項、第百六十五条第一項、第百七十二条第一項、第百七十九条第一項後段(密集市街地整備法第百八十四条において準用する場合を含む。)又は第百八十八条第一項の規定による認可
第四十三条第四項中「前条第三号」を「前条第四号」に改める。
(独立行政法人都市再生機構法の一部改正)
第七条 独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第十一条第一項第三号から第五号までを次のように改める。
三 既に市街地を形成している区域において、市街地再開発事業(都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)による市街地再開発事業をいう。以下同じ。)、防災街区整備事業(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)による防災街区整備事業をいう。以下同じ。)、土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)、住宅街区整備事業(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)による住宅街区整備事業をいう。以下同じ。)及び流通業務団地造成事業(流通業務市街地の整備に関する法律(昭和四十一年法律第百十号)による流通業務団地造成事業をいう。)を行うこと。
四 既に市街地を形成している区域において、市街地再開発事業、防災街区整備事業、土地区画整理事業又は住宅街区整備事業に参加組合員(市街地再開発事業にあっては都市再開発法第七十三条第一項第十四号に規定する特定事業参加者を、防災街区整備事業にあっては密集市街地整備法第二百五条第一項第十八号に規定する特定事業参加者を含む。)として参加すること(第六号の業務を併せて行うものに限る。)。
五 特定建築者(都市再開発法第九十九条の二第二項に規定する特定建築者をいう。以下この号において同じ。)又は防災特定建築者(密集市街地整備法第二百三十五条第二項に規定する特定建築者をいう。以下この号において同じ。)に特定施設建築物(都市再開発法第九十九条の二第三項に規定する特定施設建築物をいう。以下この号において同じ。)又は特定防災施設建築物(密集市街地整備法第二百三十五条第三項に規定する特定防災施設建築物をいう。以下この号において同じ。)の建設を行わせる市街地再開発事業又は防災街区整備事業に、他に特定建築者となろうとする者(都市再開発法第九十九条の三第二項の規定により特定建築者となることができるものに限る。)又は防災特定建築者となろうとする者(密集市街地整備法第二百三十六条第二項の規定により防災特定建築者となることができるものに限る。)がいない場合において、当該市街地再開発事業の特定建築者又は当該防災街区整備事業の防災特定建築者として特定施設建築物又は特定防災施設建築物の建設を行い、並びにそれらの管理、増築又は改築(以下「増改築」という。)及び譲渡を行うこと。
第十一条第一項第八号中トをチとし、ロからヘまでをハからトまでとし、イの次に次のように加える。
ロ 防災街区整備事業
第十一条第二項第四号中「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)第三十一条」を「密集市街地整備法第三十条」に改め、同条第三項第四号イ中「市街地再開発事業」の下に「、防災街区整備事業」を加える。
第十四条第一項中「又は土地区画整理法」を「若しくは土地区画整理法」に改め、「により実施するもの」の下に「又は防災街区整備事業(国の施策上特に供給が必要な賃貸住宅の建設と併せて行うものを除く。)に係るもの」を加える。
第十七条第一項第一号及び第十八条第一項中「市街地再開発事業」の下に「、防災街区整備事業」を加える。
附則第十二条第二項中「又は市街地再開発事業」を「、市街地再開発事業又は防災街区整備事業」に改める。
附則第二十五条中「改める」を「改め、同表密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)の項第一号及び第二号中「公団等」を「機構等」に改める」に改める。
附則第六十三条を次のように改める。
(密集市街地整備法の一部改正)
第六十三条 密集市街地整備法の一部を次のように改正する。
目次中「都市基盤整備公団の業務の特例」を「独立行政法人都市再生機構の行う受託業務」に、「都市基盤整備公団等」を「独立行政法人都市再生機構等」に改める。
「第三節 都市基盤整備公団の業務の特例」を「第三節 独立行政法人都市再生機構の行う受託業務」に改める。
第三十条第一項中「都市基盤整備公団は、都市基盤整備公団法(平成十一年法律第七十六号」を「独立行政法人都市再生機構は、独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号」に、「公団法」という。)第二十八条」を「機構法」という。)第十一条第一項」に、「公団法第二十八条第三項各号」を「機構法第十一条第三項各号」に改め、同条第二項を削る。
第四十六条第四項中「第百二十三条」を「第百二十三条第一項」に改める。
第四十七条第四項中「第百二十四条及び」を「第百二十四条第一項及び第三項並びに」に改める。
第百十九条第五項中「、都市基盤整備公団又は地域振興整備公団」を「又は独立行政法人都市再生機構」に改める。
「第五款 都市基盤整備公団等」を「第五款 独立行政法人都市再生機構等」に改める。
第百八十八条第一項中「都市基盤整備公団、地域振興整備公団」を「独立行政法人都市再生機構」に、「公団等」と総称する」を「都市再生機構等」という」に改め、同条第二項、第三項及び第五項中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第百八十九条中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第百九十条第一項中「公団等」を「都市再生機構等」に改め、同条第二項中「、都市基盤整備公団」を「、独立行政法人都市再生機構」に、「都市基盤整備公団総裁」と、地域振興整備公団に置かれるものについては「地域振興整備公団総裁」を「独立行政法人都市再生機構理事長」に改める。
第百九十一条第二項第五号、第二百条及び第二百四条第一項中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第二百三十六条第一項中「、都市基盤整備公団」を削り、同条第三項中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第二百五十条第三項及び第四項中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第二百五十八条中「第二百六十八条第二項」を「第二百六十八条第三項」に改める。
第二百六十四条第一項及び第二項中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第二百六十八条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 国土交通大臣は、独立行政法人都市再生機構(第百十九条第五項の規定により防災街区整備事業を施行する場合に限る。第二百七十二条第一項及び第三項において同じ。)に対し、防災街区整備事業の施行の促進を図るため必要な勧告、助言又は援助をすることができる。
第二百七十二条の見出しを「(是正の要求)」に改め、同条第一項中「都道府県に」を「都道府県又は独立行政法人都市再生機構に」に改め、同条第三項中「又は市町村」を「、市町村又は独立行政法人都市再生機構」に改める。
第二百七十七条第一項中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第二百八十九条第一項中「「機構」を「「防災機構」に改め、同条第二項及び第三項中「機構」を「防災機構」に改める。
第二百九十条、第二百九十一条第一項から第三項まで及び第二百九十二条中「機構」を「防災機構」に改める。
第二百九十五条第一項並びに第三百条第一項第一号及び第二号中「公団等」を「都市再生機構等」に改める。
第三百九条第二号、第三百十条第二号及び第三百十一条第二号中「第二百六十八条第二項」を「第二百六十八条第三項」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(防災再開発の方針に関する都市計画に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(以下「旧密集市街地整備法」という。)の規定により定められている防災再開発の方針に関する都市計画は、同条の規定による改正後の密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(以下「新密集市街地整備法」という。)の規定により定められた防災街区整備方針に関する都市計画とみなす。
2 旧密集市街地整備法の規定により防災再開発の方針に関する都市計画に関してした手続、処分その他の行為は、新密集市街地整備法の規定により防災街区整備方針に関する都市計画に関してした手続、処分その他の行為とみなす。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現にその名称中に防災街区計画整備組合という文字を用いている者については、新密集市街地整備法第四十二条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
2 この法律の施行の際現にその名称中に防災街区整備事業組合という文字を用いている者については、新密集市街地整備法第百三十五条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(防災街区整備推進機構に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に旧密集市街地整備法第百十六条第一項の規定により指定されている防災街区整備推進機構は、新密集市街地整備法第二百八十九条第一項の規定により指定された防災街区整備推進機構とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(公有水面埋立法の一部改正)
第七条 公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
第一条第三項中「又ハ大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」を「、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又ハ密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」に改める。
第二十六条中「又ハ新都市基盤整備法第四十条」を「、新都市基盤整備法第四十条又ハ密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第二百二十一条第一項」に改める。
(地方自治法の一部改正)
第八条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一海洋生物資源の保存及び管理に関する法律(平成八年法律第七十七号)の項の次に次のように加える。
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)
この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち、次に掲げるもの
一 都道府県が第百九十二条第一項、第百九十七条第一項から第八項まで、第百九十九条第二項において準用する土地収用法第三十六条第五項並びに第二百三十三条第二項(第二百四十一条第五項において準用する場合を含む。)及び第三項の規定により処理することとされている事務(都道府県又は公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
二 市町村が第百八十三条第二項(第百八十四条において準用する場合を含む。)、第百八十八条第三項及び第四項において準用する第百四十条第二項及び第百四十三条第四項、第百九十二条第一項及び第三項、第百九十九条第二項において準用する土地収用法第三十六条第四項、第二百三十三条第一項並びに第二百三十四条第一項及び第三項から第五項まで(これらの規定を第二百四十一条第五項において準用する場合を含む。)、第二百三十四条第二項において準用する第二百三十三条第三項並びに第二百五十条第六項において準用する第百六十条第二項の規定により処理することとされている事務(都道府県又は公団等(市のみが設立した地方住宅供給公社を除く。)が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
別表第二浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)の項の次に次のように加える。
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)
この法律の規定により市町村が処理することとされている事務のうち、次に掲げるもの
一 第百二十二条第二項(第百二十九条第二項、第百三十二条第二項、第百三十六条第四項、第百五十七条第二項、第百六十三条第五項、第百六十五条第二項、第百七十二条第二項、第百七十五条第二項及び第百七十八条第二項において準用する場合を含む。)、第百二十八条第三項(第百二十九条第二項において準用する場合を含む。)、第百三十条において準用する都市再開発法第七条の十七第五項及び第七項、第百三十九条第二項及び第三項(これらの規定を第百五十七条第二項及び第百六十八条第二項(第百七十二条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第百四十条第二項(第百五十七条第二項、第百六十九条及び第百七十二条第二項において準用する場合を含む。)、第百四十三条第四項(第百五十七条第二項において準用する場合を含む。)、第百四十八条第三項において準用する都市再開発法第二十八条第一項、第百六十条第二項(第百七十四条第二項(第二百五十条第七項において準用する場合を含む。)及び第二百五十条第六項において準用する場合を含む。)、第百七十一条第三項(第百七十二条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十九条、第二百六十条、第二百六十一条第一項及び第三項並びに第二百六十八条第一項に規定する事務
二 第百八十三条第二項(第百八十四条において準用する場合を含む。)並びに第百八十八条第三項及び第四項において準用する第百四十条第二項及び第百四十三条第四項に規定する事務(市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
三 第百九十二条第一項及び第三項、第百九十九条第二項において準用する土地収用法第三十六条第四項、第二百三十三条第一項並びに第二百三十四条第一項及び第三項から第五項まで(これらの規定を第二百四十一条第五項において準用する場合を含む。)並びに第二百三十四条第二項において準用する第二百三十三条第三項に規定する事務(個人施行者、事業組合、事業会社、市町村又は市のみが設立した地方住宅供給公社が施行する防災街区整備事業に係るものに限る。)
(地方税法の一部改正)
第九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
附則第三十一条の三第七項中「第百十六条第一項」を「第二百八十九条第一項」に改め、「防災街区整備推進機構」及び「供する土地」の下に「(政令で定めるものに限る。)」を加え、「第百十七条第三号」を「第二百九十条第三号」に改める。
(租税特別措置法の一部改正)
第十条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第三十四条の二第二項第八号及び第六十五条の四第一項第八号中「第百十六条第一項」を「第二百八十九条第一項」に改め、「防災街区整備推進機構」の下に「(政令で定めるものに限る。)」を加える。
(都市開発資金の貸付けに関する法律の一部改正)
第十一条 都市開発資金の貸付けに関する法律(昭和四十一年法律第二十号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項第一号中「第百十六条第一項」を「第二百八十九条第一項」に改め、「防災街区整備推進機構」及び「規定する土地」の下に「で政令で定めるもの」を加え、「第百十七条第三号」を「第二百九十条第三号」に改める。
総務大臣 片山虎之助
財務大臣 塩川正十郎
国土交通大臣 林寛子
内閣総理大臣 小泉純一郎