(地方公共団体による高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給)
第四十八条 地方公共団体は、その区域内において高齢者向け優良賃貸住宅その他の良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅(第五十条において「高齢者向けの優良な賃貸住宅」という。)が不足している場合においては、基本方針に従って、その整備及び管理に努めなければならない。
(地方公共団体に対する費用の補助)
第四十九条 国は、地方公共団体が次に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部を補助することができる。
一 賃貸住宅の規模及び設備(加齢対応構造等を除く。)が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
二 賃貸住宅の加齢対応構造等が、第五十八条第二号ロに規定する基準又はこれに準ずるものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
三 賃貸住宅の入居者の資格を、自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(国土交通省令で定める年齢その他の要件に該当する者に限る。以下この号において同じ。)又は当該高齢者と同居するその配偶者とするものであること。
四 賃貸住宅の入居者の家賃の額が、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。
五 賃貸住宅の入居者の募集及び選定の方法並びに賃貸の条件が、国土交通省令で定める基準に従い適正に定められるものであること。
六 前三号に掲げるもののほか、賃貸住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
七 その他基本方針に照らして適切なものであること。
2 国は、地方公共団体が入居者の居住の安定を図るため前項の賃貸住宅の家賃を減額する場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その減額に要する費用の一部を補助することができる。
(公団又は公社に対する供給の要請)
第五十条 地方公共団体は、自ら高齢者向けの優良な賃貸住宅の整備及び管理を行うことが困難であり、又は自ら高齢者向けの優良な賃貸住宅の整備及び管理を行うのみではその不足を補うことができないと認めるときは、公団又は地方住宅供給公社(以下「公社」という。)に対し、国土交通省令で定めるところにより、高齢者向けの優良な賃貸住宅の整備及び管理を行うよう要請することができる。
(要請に基づき供給する公団に対する費用の負担及び補助)
第五十一条 公団は、前条の規定による要請に基づいて第四十九条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行うときは、当該要請をした地方公共団体に対し、その利益を受ける限度において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部又は入居者の居住の安定を図るため当該賃貸住宅の家賃を減額する場合における当該減額に要する費用の一部を負担することを求めることができる。
2 前項の場合において、地方公共団体が負担する費用の額及び負担の方法は、公団と地方公共団体とが協議して定める。
3 前項の規定による協議が成立しないときは、当事者の申請に基づき、国土交通大臣が裁定する。この場合において、国土交通大臣は、当事者の意見を聴くとともに、総務大臣と協議しなければならない。
4 国は、公団が前条の規定による要請に基づいて第四十九条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部又は入居者の居住の安定を図るため当該賃貸住宅の家賃を減額する場合における当該減額に要する費用の一部を補助することができる。
(要請に基づき供給する公社に対する費用の補助)
第五十二条 地方公共団体は、公社が第五十条の規定による要請に基づいて第四十九条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部又は入居者の居住の安定を図るため当該賃貸住宅の家賃を減額する場合における当該減額に要する費用の一部を補助することができる。
2 国は、地方公共団体が前項の規定により補助金を交付する場合には、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の一部を補助することができる。
(公団に対する費用の補助)
第五十三条 国は、第五十一条第四項の規定による場合のほか、公団が次に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部を補助することができる。
一 賃貸住宅の戸数が、国土交通省令で定める戸数以上であること。
二 賃貸住宅の規模並びに構造及び設備(加齢対応構造等を除く。)が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
三 賃貸住宅の加齢対応構造等が、第五十八条第二号ロに規定する基準又はこれに準ずるものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
四 賃貸住宅の入居者の資格を、自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(国土交通省令で定める年齢その他の要件に該当する者に限る。以下この号において同じ。)又は当該高齢者と同居するその配偶者とするものであること。
五 前号に掲げるもの並びに都市基盤整備公団法(平成十一年法律第七十六号)第三十三条及び第三十四条に定めるもののほか、賃貸住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
六 その他基本方針に照らして適切なものであること。
2 国は、第五十一条第四項の規定による場合のほか、公団が入居者の居住の安定を図るため前項の賃貸住宅の家賃を減額する場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その減額に要する費用の一部を補助することができる。
(補助等に係る高齢者向けの優良な賃貸住宅についての周知措置)
第五十四条 地方公共団体、公団又は公社は、第四十九条、第五十一条第四項、第五十二条第一項若しくは前条又は第五十一条第一項の規定による費用の補助又は負担を受けて建設し、若しくは整備し、又は家賃を減額する賃貸住宅について、国土交通省令で定めるところにより、入居者の募集に先立ち、第五条の規定による高齢者円滑入居賃貸住宅の登録の申請その他の方法により当該賃貸住宅が加齢対応構造等を有するものである旨及び当該加齢対応構造等の内容その他必要な事項を周知させる措置を講じなければならない。
(公営住宅の使用)
第五十五条 公営住宅の事業主体(公営住宅法第二条第十六号に規定する事業主体をいう。以下この条において同じ。)は、高齢者向け優良賃貸住宅その他の高齢者向けの賃貸住宅の不足その他の特別の事由により公営住宅を同法第二十三条に規定する条件を具備しない高齢者に使用させることが必要であると認める場合において国土交通大臣の承認を得たときは、公営住宅の適正かつ合理的な管理に著しい支障のない範囲内で、当該公営住宅を当該高齢者に使用させることができる。この場合において、事業主体は、当該公営住宅を次に掲げる基準に従って管理しなければならない。
一 入居者の資格を、自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(国土交通省令で定める年齢その他の要件に該当する者に限る。)とするものであること。
二 入居者の家賃の額が、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。
三 前二号に掲げるもの並びに公営住宅法第十六条第四項及び第五項、第十八条から第二十二条まで、第二十五条第二項、第二十七条並びに第三十二条に定めるもののほか、入居者の選定方法その他の当該公営住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
2 公営住宅法第四十五条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による承認及び公営住宅の使用について準用する。
3 前二項の規定により公営住宅を使用させる場合における公営住宅法第十六条第四項及び第五項、第三十四条、第五十条並びに第五十一条の規定の適用については、同法第十六条第四項中「第一項」とあるのは「第一項及び高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下「高齢者居住法」という。)第五十五条第一項」と、同条第五項中「前各項」とあるのは「前各項(前項にあっては、高齢者居住法第五十五条第三項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)」と、同法第三十四条中「第十六条第四項(第二十八条第三項又は第二十九条第八項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第十六条第四項(第二十八条第三項若しくは第二十九条第八項において準用する場合又は高齢者居住法第五十五条第三項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)」と、同法第五十条及び第五十一条中「この法律又はこの」とあるのは「この法律若しくは高齢者居住法又はこれらの」とする。
4 第二項において準用する公営住宅法第四十五条第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。