(この法律の目的)
第一条 この法律は、北海道における寒冷がはなはだしいことにかんがみ、防寒住宅の建設及び防寒改修を促進することにより、その気象に適した居住条件を確保し、もつて北海道の開発に寄与し、あわせて北海道における火災その他の災害の防止及び木材の消費の節約に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、左の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 関係地方公共団体 北海道及びその区域内の市町村をいう。
二 防寒住宅 北海道の気象に適した防寒的な構造及び設備を有する住宅をいう。
三 防寒改修 既存の住宅の構造又は設備を北海道の気象に適するように防寒的なものとすることをいう。
(国の責務)
第三条 国は、防寒住宅の建設若しくは防寒改修又はこれらに関する試験研究若しくは普及事業を行う者に対し、財政上、金融上又は技術上の援助を与えるように努めなければならない。
(試験研究及び普及事業に対する国の援助)
第四条 国は、防寒住宅の建設又は防寒改修に関し、左に掲げる事業を行う関係地方公共団体に対し、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第十六条(補助金の交付)の規定に基く補助金を交付することができる。
二 巡回指導、資料の展示、出版物の配布、講習会の開催その他の普及事業
(補助金の交付の手続)
第五条 前条の規定により国の補助金の交付を受けようとする関係地方公共団体は、建設省令の定めるところにより、事業の計画書及び経費見積書を添えて、補助金交付申請書を建設大臣に提出しなければならない。
2 建設大臣は、前項の規定により提出された書類を審査し、適当と認めるときは、補助金の交付を決定し、これを当該関係地方公共団体に通知しなければならない。
3 市町村が第一項の規定により補助金交付申請書を建設大臣に提出する場合及び建設大臣が前項の規定による通知を市町村にする場合においては、それぞれ北海道知事を経由してしなければならない。
(補助金の返還等)
第六条 建設大臣は、第四条の規定により国の補助金の交付を受ける関係地方公共団体が当該補助に係る試験研究若しくは普及事業を行わず、又は当該補助金を補助の目的以外に使用したときは、当該関係地方公共団体に対し、補助金の全部若しくは一部を交付せず、その交付を停止し、又は交付した補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。
(国又は地方公共団体の資金によつて建設された住宅)
第七条 国又は地方公共団体が北海道の区域内において建設する住宅は、これを防寒住宅とするように努めなければならない。
(住宅金融公庫の資金によつて建設される住宅)
第八条 住宅金融公庫(以下「公庫」という。)が、住宅金融公庫法 昭和二十五年法律第百五十六号)(以下「公庫法」という。)第十七条(業務の範囲)第一項の規定により、北海道の区域内において住宅の建設(あらたに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないものの購入を含む。以下本条において同じ。をしようとする者に対し、資金の貸付をすることができる住宅は、防寒住宅であつて、且つ、公庫法第十九条(貸付をすることができる住宅)並びに第二十条(貸付金額の限度)第一項及び第二項に規定する簡易耐火構造の住宅又は耐火構造の住宅でなければならない。
2 公庫が北海道の区域内において住宅の建設をしようとする者に対し、公庫法第十七条第一項又は第二項の規定により資金の貸付をする場合においては、貸付金の利率は年五分五厘とし、貸付金の一戸当りの金額の限度及び貸付金の償還期間は、左のとおりとする。
区分 |
貸付金の限度 |
償還期間 |
防寒住宅であつて、且つ、前項に規定する簡易耐火構造の住宅であるものの建設及びこれに附随する土地又は借地権の取得を目的とする貸付金 |
住宅の建設費(建設費が標準建設費をこえる場合においては標準建設費。以下本条において同じ。)又は土地若しくは借地権の価額(価額が標準価額をこえる場合においては標準価額。以下本条において同じ。)の八割五分に相当する金額 |
三十年以内 |
防寒住宅であつて、且つ、前項に規定する耐火構造の住宅であるものの建設及びこれに附随する土地又は借地権の取得を目的とする貸付金 |
住宅の建設費又は土地若しくは借地権の価額の八割五分に相当する金額 |
三十五年以内 |
3 第一項に規定する住宅の構造及び設備について必要な技術的事項は、公庫法第二十条第二項に規定する主務省令で定めるものの外、建設省令・大蔵省令で定める。
4 公庫法第二十条第三項の規定は、第二項の場合における住宅の床面積について、同条第四項及び第五項の規定は、第二項に規定する標準建設費及び標準価額について、準用する。
(住宅金融公庫の資金によつて建設される産業労働者住宅)
第九条 公庫が産業労働者住宅資金融通法(昭和二十八年法律第六十三号)(以下「融通法」という。)第七条(資金の貸付の範囲)第一項の規定により、北海道の区域内において産業労働者住宅の建設をしようとする者に対し、資金の貸付をすることができる住宅は、防寒住宅であつて、且つ、融通法第七条第三項において準用する公庫法第十九条及び融通法第九条(貸付の条件)第一項に規定する耐火構造の住宅又は簡易耐火構造の住宅でなければならない。
2 公庫が北海道の区域内において産業労働者住宅の建設をしようとする者に対し、融通法第七条第一項又は第二項の規定により資金の貸付をする場合においては、貸付金の利率は年六分五厘とし、貸付金の一戸当りの金額の限度及び貸付金の償還期間は、左のとおりとする。
区分 |
貸付金の限度 |
貸付金の償還期間 |
防寒住宅であつて、且つ、前項に規定する耐火構造の住宅であるものの建設及びこれに附随する土地の取得を目的とする貸付金 |
住宅の建設費(建設費が標準建設費をこえる場合においては標準建設費。以下本条において同じ。)又は土地の価額(価額が標準価額をこえる場合においては標準価額。以下本条において同じ。)の六割に相当する金額 |
三十五年以内 |
防寒住宅であつて、且つ、前項に規定する簡易耐火構造の住宅であるものの建設及びこれに附随する土地の取得を目的とする貸付金 |
住宅の建設費又は土地の価額の六割に相当する金額 |
三十年以内 |
3 第一項に規定する防寒住宅の構造及び設備について必要な技術的事項は、建設省令・大蔵省令で定める。
4 融通法第九条第二項において準用する公庫法第二十条第三項の規定は、第二項の場合における住宅の床面積について、融通法第九条第二項において準用する公庫法第二十条第四項及び第五項の規定は、第二項に規定する標準建設費及び標準価額について、準用する。
(報告)
第十条 北海道知事は、毎年一回、建設省令の定めるところにより、北海道の区域内における防寒住宅の建設及び防寒改修並びにこれらに関する試験研究及び普及事業の状況について建設大臣に報告しなければならない。
2 北海道知事は、前項の規定による報告をするについて必要があると認めるときは、北海道の区域内の市町村の長に対し、必要な資料の提出を求めることができる。
(罰則)
第十一条 第八条又は第九条の規定に違反して資金の貸付をした公庫の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。