信用保証協会法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十号
公布年月日: 平成20年6月11日
法令の形式: 法律
信用保証協会法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十年六月十一日
内閣総理大臣 福田康夫
法律第六十号
信用保証協会法の一部を改正する法律
信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号)の一部を次のように改正する。
目次を次のように改める。
目次
第一章
総則(第一条)
第二章
信用保証協会
第一節
通則(第二条―第五条)
第二節
設立(第六条―第十条)
第三節
管理(第十一条―第十九条)
第四節
業務(第二十条―第二十二条)
第五節
解散及び清算(第二十三条―第三十二条)
第六節
監督(第三十三条―第三十六条)
第三章
保証業務支援機関(第三十七条―第四十六条)
第四章
雑則(第四十七条―第五十三条)
第五章
罰則(第五十四条―第五十八条)
附則
「第二章 設立」を削る。
第一条の次に次の章名及び節名を付する。
第二章 信用保証協会
第一節 通則
第六条の前に次の節名を付する。
第二節 設立
「第三章 管理」を削る。
第十一条の前に次の節名を付する。
第三節 管理
「第四章 業務」を削る。
第二十条の前に次の節名を付する。
第四節 業務
第二十条第一項第一号中「貸付、手形の割引又は給付」を「貸付又は手形の割引」に改め、同項第四号中「中小企業者等」を「中小企業者」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 協会は、前項の業務のほか、当該業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務及びこれに付随する業務を行うことができる。
一 前項各号の債務の保証をするに当たり行う当該債務の保証に係る中小企業者が発行する新株予約権の引受け
二 前項各号の債務の保証に基づき求償権を取得した場合における当該債務の保証に係る中小企業者に係る次に掲げる業務
イ 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)第二条第一項第一号から第三号までに掲げる債権(以下この号において「特定金銭債権」という。)、特定金銭債権を担保する保証契約に基づく債権及び協会その他政令で定める者が特定金銭債権を担保する保証契約に基づく債権に係る債務を履行した場合に取得する求償権並びにこれらの債権に類し又は密接に関連するものとして政令で定めるものの譲受け
ロ イの規定により譲り受けた債権の管理(当該債権の管理のために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為を含む。)
ハ イ及びロに掲げる業務に関連して必要な交渉及び調査並びに当該中小企業者に対する助言
三 投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合が行う中小企業者に対する投資事業(過大な債務を負つている中小企業者の事業の再生を図るものに限る。)に必要な資金の出資
第二十条に次の二項を加える。
3 協会は、前項第二号イの規定により譲り受けた債権の回収に係る業務については、弁護士(弁護士法人を含む。)を代理人とし、又は債権回収会社(債権管理回収業に関する特別措置法第二条第三項に規定する債権回収会社をいう。)に委託するものとする。
4 この条において「中小企業者」とは、協会の主たる事務所の所在地の属する都道府県の区域を越えない区域(以下この項において「協会の区域」という。)内において商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行う中小規模の事業者で、定款で定めるものをいい、「中小企業者等」とは、中小企業者、協会の区域内に住所若しくは居所を有する者又は協会の区域内において勤労に従事する者で、定款で定めるものをいう。
「第五章 解散及び清算」を削る。
第二十三条の前に次の節名を付する。
第五節 解散及び清算
「第六章 監督」を削る。
第三十三条の前に次の節名を付する。
第六節 監督
第四十二条を第五十八条とする。
第四十一条第一号中「この法律」を「第二章」に改め、同条第五号中「第二十条第一項」の下に「及び第二項」を加え、同条を第五十七条とする。
第四十条第一項中「従業者」の下に「又は支援機関の役員若しくは職員」を加え、同項第二号中「第三十五条第一項」の下に「又は第四十三条第一項」を加え、「同項」を「これら」に改め、同項に次の一号を加える。
三 第四十五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
第四十条第二項中「従業者」の下に「又は支援機関の役員若しくは職員」を、「業務」の下に「又は支援業務」を、「、その協会」の下に「又は支援機関」を加え、第八章中同条を第五十六条とし、同条の前に次の二条を加える。
第五十四条 第四十条の規定に違反して、支援業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十五条 第四十六条第一項の規定による支援業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした支援機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第八章を第五章とする。
第七章中第三十九条の五を第五十三条とする。
第三十九条の四第一項中「この法律(この法律に基づく命令を含む。)の規定」を「第二章の規定(当該規定に基づく命令を含む。)」に改め、同条を第五十二条とする。
第三十九条の三中「この法律」を「第二章」に、「第二十条第二項」を「第二十条第四項」に改め、同条を第五十一条とし、第三十九条の二を第五十条とし、第三十九条を第四十九条とする。
第三十八条第一項ただし書中「第三十五条」の下に「及び第四十三条」を加え、同条を第四十八条とし、第三十七条を第四十七条とする。
第七章を第四章とする。
第三十六条の次に次の一章を加える。
第三章 保証業務支援機関
(指定)
第三十七条 主務大臣は、協会の業務の健全な発達を図ることを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、第三十九条に規定する業務(以下「支援業務」という。)に関し、次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、保証業務支援機関(以下「支援機関」という。)として指定することができる。
一 職員、支援業務の実施の方法その他の事項についての支援業務の実施に関する計画が支援業務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
二 前号の支援業務の実施に関する計画を適正かつ確実に実施するに足りる知識及び能力並びに経理的基礎を有するものであること。
2 主務大臣は、前項の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定による指定をしてはならない。
一 第四十六条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。
二 その役員のうちに、この法律に規定する罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者があること。
(指定の公示等)
第三十八条 主務大臣は、前条第一項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた支援機関の名称及び住所、事務所の所在地並びに支援業務の開始の日を公示しなければならない。
2 支援機関は、その名称若しくは住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
3 主務大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務)
第三十九条 支援機関は、次に掲げる業務及びこれに附帯する業務を行うものとする。
一 協会の債務保証業務(第二十条第一項の業務をいう。以下この条において同じ。)に関する情報を収集し、分類し、整理し、及び保管すること。
二 協会又は銀行その他の金融機関に対して前号の情報の提供を行うこと。
三 協会の債務保証業務に関する調査研究を行うこと。
四 協会の債務保証業務に関し、協会の求めに応じて助言を行うことその他必要な支援を行うこと。
(秘密保持義務)
第四十条 支援機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、支援業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(業務規程)
第四十一条 支援機関は、支援業務を行うときは、その開始前に、支援業務の実施に関する主務省令で定める事項について業務規程を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 主務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一 支援業務の実施方法が適正かつ明確に定められていること。
二 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものではないこと。
三 協会、金融機関及び中小企業者等の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。
3 主務大臣は、第一項の認可をした業務規程が支援業務の適正かつ確実な実施をする上で不適当となつたと認めるときは、支援機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
(事業計画等)
第四十二条 支援機関は、毎事業年度、支援業務に係る事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第三十七条第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、主務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 支援機関は、毎事業年度、支援業務に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に主務大臣に提出しなければならない。
(報告及び検査)
第四十三条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、支援機関に対し報告をさせ、又はその職員に支援機関の事務所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(監督命令等)
第四十四条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、支援機関に対し、支援業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(業務の休廃止)
第四十五条 支援機関は、支援業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
2 主務大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
3 支援機関が支援業務の全部を廃止したときは、第三十七条第一項の規定による指定は、その効力を失う。
(指定の取消し等)
第四十六条 主務大臣は、支援機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第三十七条第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)を取り消し、又は期間を定めて支援業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 支援業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 この章の規定に違反したとき。
三 第四十一条第一項の規定により認可を受けた業務規程によらないで支援業務を行つたとき。
四 第四十一条第三項又は第四十四条の規定による命令に違反したとき。
五 不正な手段により指定を受けたとき。
2 主務大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により支援業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十年九月一日から施行する。
(調整規定)
第二条 この法律の施行の日から一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第五十号)の施行の日の前日までの間におけるこの法律による改正後の信用保証協会法第三十七条第一項の規定の適用については、同項中「目的とする一般社団法人又は一般財団法人」とあるのは、「目的として民法第三十四条の規定により設立された法人」とする。
(経過措置)
第三条 この法律の施行前に改正前の信用保証協会法第二十条第一項第一号の規定により行われた中小企業者等が銀行その他の金融機関から給付を受けることにより金融機関に対して負担する債務の保証については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(地方自治法の一部改正)
第六条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号)の項中「第三十九条の四第一項」を「第五十二条第一項」に改める。
(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
第七条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部を次のように改正する。
第三百七十条のうち、信用保証協会法第十九条を削り、第三章中第十八条を第十九条とし、第十七条の次に一条を加える改正規定中「第三章」を「第二章第三節」に改め、同法第五章中第三十二条の次に四条を加える改正規定中「第五章」を「第二章第五節」に改め、同法第四十一条第九号から第十四号までの改正規定中「第四十一条第九号」を「第五十七条第九号」に改める。
第三百九十一条の次に次の一条を加える。
(特定家庭用機器再商品化法の一部改正)
第三百九十一条の二 特定家庭用機器再商品化法(平成十年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。
第三十二条第一項中「民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定による法人」を「一般社団法人又は一般財団法人」に改める。
内閣総理大臣 福田康夫
財務大臣 額賀福志郎
経済産業大臣 甘利明