高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第42号
公布年月日: 昭和35年3月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

定時制教育及び通信教育は、働きながら学ぶ青年への教育機会均等を保障する制度として戦後確立され、基礎学力や職業技術の向上に重要な役割を果たしてきた。しかし、夜間授業による教職員の健康上の問題や、昼間授業での校外指導、通信教育での添削・面接・巡回指導など、教職員の負担が大きい。そこで、定時制通信教育手当を支給し、教職員が専心職務に励めるようにするとともに、優秀な人材を確保する。また、この手当の支給に要する経費について、地方公共団体への国庫補助を可能とし、全国的な定時制教育及び通信教育の振興を図る。

参照した発言:
第34回国会 衆議院 文教委員会 第2号

審議経過

第34回国会

衆議院
(昭和35年2月26日)
参議院
(昭和35年3月3日)
(昭和35年3月15日)
衆議院
(昭和35年3月16日)
(昭和35年3月18日)
(昭和35年3月22日)
(昭和35年3月25日)
参議院
(昭和35年3月31日)
(昭和35年3月31日)
(昭和35年4月20日)
衆議院
(昭和35年7月15日)
高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年三月三十一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第四十二号
高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律
高等学校の定時制教育及び通信教育振興法(昭和二十八年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第二条中「規定する定時制の課程」の下に「(以下「定時制の課程」という。)」を加える。
第八条中「第四条」の下に「及び第七条」を加え、同条を第十条とし、第七条を削り、第六条の見出し中「私立学校」の下に「の設備」を加え、同条を第九条とし、第五条の見出し中「公立学校」の下に「の設備等」を加え、同条を第八条とし、第四条の次に次の三条を加える。
(国立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当)
第五条 国立の高等学校で、定時制の課程を置くもの又は通信教育を行なうものの校長(本務として当該高等学校の校長の職にある者に限る。以下同じ。)及び教員(本務として定時制教育又は通信教育に従事する教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、常勤の講師及び政令で定める実習助手に限る。以下同じ。)には、その者の俸給月額に百分の七(俸給の特別調整額を受ける者にあつては、その職務の複雑、困難及び責任の度合による区分に応じ、百分の五をこえない範囲内において文部大臣がそれぞれ定める割合)を乗じて得た額の定時制通信教育手当を支給する。
2 前項の定時制通信教育手当に関し必要な事項は、文部大臣が定める。この場合においては、文部大臣は、人事院の意見を聞かなければならない。
(公立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当)
第六条 公立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当は、前条の規定による国立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当を基準として定めるものとする。
(定時制通信教育手当についての国の補助)
第七条 国は、毎年度、地方公共団体が公立の高等学校の校長及び教員に対して支給する定時制通信教育手当に要する経費(当該地方公共団体が公立の高等学校の校長及び教員に対し、その者の給料の月額に百分の七(管理職手当を受ける者にあつては、職務の複雑、困難及び責任の度合においてその者に対応する国立の高等学校の校長及び教員のうち俸給の特別調整額を受ける者について、第五条第一項の規定により文部大臣が定める割合)を乗じて得た額をこえる額の定時制通信教育手当を支給する場合にあつては、そのこえる部分に係る経費を除く。)の三分の一を、当該地方公共団体に対し、予算の範囲内において補助することができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十五年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行に伴い地方公共団体が公立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当に関する条例を制定するにあたつては、当該地方公共団体は、当該条例の施行により、当該条例の規定による定時制通信教育手当を受けるべき者について、その者が受けるべき当該手当の月額が当該手当に相当するその者が現に受けている給与の月額に達しないこととなるときは、当該手当を受けるべき者について不利益な結果が生じないように必要な経過的措置を当該条例において定めなければならない。
(他の法律の一部改正)
3 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第二百四条第二項中「薪炭手当」の下に「、定時制通信教育手当」を加える。
4 市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
第二条中「給与」の下に「、定時制通信教育手当」を加える。
5 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項中「薪炭手当」の下に「、定時制通信教育手当」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤榮作
文部大臣 松田竹千代
高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年三月三十一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第四十二号
高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律
高等学校の定時制教育及び通信教育振興法(昭和二十八年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第二条中「規定する定時制の課程」の下に「(以下「定時制の課程」という。)」を加える。
第八条中「第四条」の下に「及び第七条」を加え、同条を第十条とし、第七条を削り、第六条の見出し中「私立学校」の下に「の設備」を加え、同条を第九条とし、第五条の見出し中「公立学校」の下に「の設備等」を加え、同条を第八条とし、第四条の次に次の三条を加える。
(国立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当)
第五条 国立の高等学校で、定時制の課程を置くもの又は通信教育を行なうものの校長(本務として当該高等学校の校長の職にある者に限る。以下同じ。)及び教員(本務として定時制教育又は通信教育に従事する教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、常勤の講師及び政令で定める実習助手に限る。以下同じ。)には、その者の俸給月額に百分の七(俸給の特別調整額を受ける者にあつては、その職務の複雑、困難及び責任の度合による区分に応じ、百分の五をこえない範囲内において文部大臣がそれぞれ定める割合)を乗じて得た額の定時制通信教育手当を支給する。
2 前項の定時制通信教育手当に関し必要な事項は、文部大臣が定める。この場合においては、文部大臣は、人事院の意見を聞かなければならない。
(公立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当)
第六条 公立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当は、前条の規定による国立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当を基準として定めるものとする。
(定時制通信教育手当についての国の補助)
第七条 国は、毎年度、地方公共団体が公立の高等学校の校長及び教員に対して支給する定時制通信教育手当に要する経費(当該地方公共団体が公立の高等学校の校長及び教員に対し、その者の給料の月額に百分の七(管理職手当を受ける者にあつては、職務の複雑、困難及び責任の度合においてその者に対応する国立の高等学校の校長及び教員のうち俸給の特別調整額を受ける者について、第五条第一項の規定により文部大臣が定める割合)を乗じて得た額をこえる額の定時制通信教育手当を支給する場合にあつては、そのこえる部分に係る経費を除く。)の三分の一を、当該地方公共団体に対し、予算の範囲内において補助することができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十五年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行に伴い地方公共団体が公立の高等学校の校長及び教員の定時制通信教育手当に関する条例を制定するにあたつては、当該地方公共団体は、当該条例の施行により、当該条例の規定による定時制通信教育手当を受けるべき者について、その者が受けるべき当該手当の月額が当該手当に相当するその者が現に受けている給与の月額に達しないこととなるときは、当該手当を受けるべき者について不利益な結果が生じないように必要な経過的措置を当該条例において定めなければならない。
(他の法律の一部改正)
3 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第二百四条第二項中「薪炭手当」の下に「、定時制通信教育手当」を加える。
4 市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
第二条中「給与」の下に「、定時制通信教育手当」を加える。
5 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項中「薪炭手当」の下に「、定時制通信教育手当」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤栄作
文部大臣 松田竹千代