都議會議員ハ其ノ被選擧權アル者ニ就キ選擧人之ヲ選擧ス
選擧區ハ區市ノ區域又ハ地方事務所長若ハ支廳長ノ管轄區域ニ依ル
前項ノ區域ノ人口著シク少キトキハ都條例ヲ以テ其ノ區域ト隣接ノ區域トヲ合セテ一選擧區ヲ設クルコトヲ得
議員ノ任期中新ニ第二項ノ區域ノ設定アリタル場合ニ於テ從前其ノ區域ノ屬シタル選擧區ノ配當議員數同項ノ規定ニ依ル關係選擧區ノ數ニ達セザルトキハ同項ノ規定ノ適用ニ付テハ次ノ總選擧ニ至ル迄ノ間其ノ區域ハ仍設定セラレザルモノト看做ス
前二項ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十二條 各選擧區ニ於テ選擧スベキ都議會議員ノ數ハ都條例ヲ以テ之ヲ規定スベシ
第十三條 都公民ハ總テ都議會議員ノ選擧權ヲ有ス但シ公民權停止中ノ者又ハ第八條ノ規定ニ該當スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
第十四條 都議會議員ノ選擧權ヲ有スル都公民ハ其ノ被選擧權ヲ有ス
選擧事務ニ關係アル官吏及吏員ハ其ノ關係區域內ニ於テハ被選擧權ヲ有セズ
都ノ官吏及有給ノ吏員、敎員其ノ他ノ職員ニシテ在職中ノモノハ都議會議員ト相兼ヌルコトヲ得ズ
第十六條 都議會議員中缺員ヲ生ジタルトキハ其ノ缺員ト爲リタル議員ガ選擧ノ期日ヨリ一年以內ニ缺員ト爲リタルモノナル場合ニ於テ第四十四條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキ又ハ選擧ノ期日ヨリ一年經過後ニ於テ缺員ト爲リタルモノナル場合ニ於テ同條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ此ノ場合ニ於テハ第五十條第四項ノ規定ヲ準用ス
前項ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク若ハ同項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ムルモ仍其ノ缺員ノ數ガ第五十條第一項ニ謂フ當選者ノ不足數ト通ジテ議員定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ又ハ都長官ニ於テ必要アリト認ムルトキハ補缺選擧ヲ行フベシ此ノ場合ニ於テハ第五十條第五項ノ規定ヲ準用ス
議員ノ缺員ノ數第五十條第一項ニ謂フ當選者ノ不足數ト通ジテ議員定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第五十五條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハルル場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ補缺選擧ヲ行フベシ但シ第五十五條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ吿示アリタル後議員中缺員ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條 區市町村長ハ每年九月十五日ノ現在ニ依リ選擧人名簿ヲ調製スベシ
名簿ニハ其ノ區市町村內ニ住所ヲ有スル選擧人ヲ登錄スベシ
名簿ニハ選擧人ノ氏名、住所及生年月日等ヲ記載スベシ
第十八條 區市町村長ハ十一月五日ヨリ十五日間區役所、市役所、町村役場又ハ其ノ指定シタル場所ニ於テ選擧人名簿ヲ關係者ノ縱覽ニ供スベシ
區市町村長ハ縱覽開始ノ日前三日目迄ニ縱覽ノ場所ヲ吿示スベシ
第十九條 選擧人名簿ニ脫漏又ハ誤載アリト認ムルトキハ關係者ハ縱覽期間內ニ區市町村長ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ區市町村長ハ其ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ之ヲ決定シ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ直ニ之ヲ修正スベシ
前項ノ規定ニ依ル決定ニ不服アル者ハ其ノ決定アリタル日ヨリ七日以內ニ都長官ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シ又ハ名簿ノ修正ヲ爲シタルトキハ區市町村長、前項ノ規定ニ依リ裁決ヲ爲シタルトキハ都長官ハ直ニ其ノ要領ヲ吿示スベシ
前條第二項ノ場合ニ於テ裁決確定シ又ハ判決アリタルニ因リ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ區市町村長ハ直ニ之ヲ修正スベシ
前項ノ規定ニ依リ名簿ノ修正ヲ爲シタルトキハ區市町村長ハ直ニ其ノ要領ヲ吿示スベシ
第二十一條 天災事變等ノ爲必要アルトキハ更ニ選擧人名簿ヲ調製スベシ
前項ノ規定ニ依ル名簿ノ調製、縱覽、確定及異議ノ決定ニ關スル期日及期間ハ都長官ノ定ムル所ニ依ル
區市町村ノ廢置分合又ハ境界變更アリタル場合ニ於テ名簿ニ關シ其ノ分合其ノ他必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十二條 都長官ハ選擧ノ期日前二十日目迄ニ選擧ヲ行フベキ選擧區、投票ノ日時及各選擧區ニ於テ選擧スベキ議員數ヲ吿示スベシ
天災事變等ノ爲投票ヲ行フコト能ハザルトキ又ハ更ニ投票ヲ行フノ必要アルトキハ都長官ハ當該選擧區又ハ投票區ニ付投票ヲ行フベキ日時ヲ定メ投票ノ期日前七日目迄ニ之ヲ吿示スベシ
第二十三條 議員候補者タラントスル者ハ選擧ノ期日ノ吿示アリタル日ヨリ選擧ノ期日前七日目迄ニ其ノ旨ヲ選擧長ニ屆出ヅベシ
選擧人名簿ニ登錄セラレタル者他人ヲ議員候補者ト爲サントスルトキハ前項ノ期間內ニ其ノ推薦ノ屆出ヲ爲スコトヲ得
前二項ノ期間內ニ屆出アリタル議員候補者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ヲ超ユル場合ニ於テ其ノ期間ヲ經過シタル後議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ前二項ノ例ニ依リ選擧ノ期日前二日目迄議員候補者ノ屆出又ハ推薦屆出ヲ爲スコトヲ得
議員候補者ハ選擧長ニ屆出ヲ爲スニ非ザレバ議員候補者タルコトヲ辭スルコトヲ得ズ
前四項ノ規定ニ依ル屆出アリタルトキ又ハ議員候補者ノ死亡シタルコトヲ知リタルトキハ選擧長ハ直ニ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第二十四條 議員候補者ノ屆出又ハ推薦屆出ヲ爲サントスル者ハ議員候補者一人ニ付二百圓又ハ之ニ相當スル額面ノ國債證書ヲ供託スルコトヲ要ス
議員候補者ノ得票數其ノ選擧區ノ配當議員數ヲ以テ有效投票ノ總數ヲ除シテ得タル數ノ十分ノ一ニ達セザルトキハ前項ノ規定ニ依ル供託物ハ都ニ歸屬ス
前項ノ規定ハ議員候補者選擧ノ期日前十日以內ニ議員候補者タルコトヲ辭シタル場合ニ之ヲ準用ス但シ被選擧權ヲ有セザルニ至リタル爲議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
都長官必要アリト認ムルトキハ區市町村ノ區域ヲ分チテ數投票區ヲ設ケ又ハ數町村ノ區域ヲ合セテ一投票區ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ投票區ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十六條 區市町村長ハ投票管理者ト爲リ投票ニ關スル事務ヲ擔任ス
投票所ハ區役所、市役所、町村役場又ハ投票管理者ノ指定シタル場所ニ之ヲ設ク
投票管理者ハ選擧ノ期日前五日目迄ニ投票所ヲ吿示スベシ
第二十七條 議員候補者ハ各投票區ニ於ケル選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ投票立會人一人ヲ定メ選擧ノ期日前二日目迄ニ投票管理者ニ屆出ヅルコトヲ得但シ議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ其ノ屆出デタル投票立會人ハ其ノ職ヲ失フ
前項ノ規定ニ依ル投票立會人三人ニ達セザルトキ若ハ三人ニ達セザルニ至リタルトキ又ハ投票立會人ニシテ參會スルモノ投票所ヲ開クベキ時刻ニ至リ三人ニ達セザルトキ若ハ其ノ後三人ニ達セザルニ至リタルトキハ投票管理者ハ其ノ投票區ニ於ケル名簿ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スル迄ノ投票立會人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ投票ニ立會ハシムベシ
第二十八條 選擧人ニ非ザル者ハ投票所ニ入ルコトヲ得ズ但シ投票所ノ事務ニ從事スル者、投票所ヲ監視スル職權ヲ有スル者又ハ警察官吏ハ此ノ限ニ在ラズ
投票所ニ於テ演說討論ヲ爲シ若ハ喧擾ニ涉リ又ハ投票ニ關シ協議若ハ勸誘ヲ爲シ其ノ他投票所ノ秩序ヲ紊ル者アルトキハ投票管理者ハ之ヲ制止シ命ニ從ハザルトキハ之ヲ投票所外ニ退出セシムベシ
前項ノ規定ニ依リ退出セシメラレタル者ハ最後ニ至リ投票ヲ爲スコトヲ得但シ投票管理者投票所ノ秩序ヲ紊ルノ虞ナシト認ムル場合ニ於テ投票ヲ爲サシムルヲ妨ゲズ
選擧人ハ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ投票所ニ到リ選擧人名簿ノ對照ヲ經又ハ確定裁決書若ハ判決書ヲ提示シテ投票ヲ爲スベシ
投票時間內ニ投票所ニ入リタル選擧人ハ其ノ時間ヲ過グルモ投票ヲ爲スコトヲ得
選擧人ハ投票所ニ於テ投票用紙ニ自ラ議員候補者一人ノ氏名ヲ記載シテ投函スベシ
投票ニ關スル記載ニ付テハ勅令ヲ以テ定ムル點字ハ之ヲ文字ト看做ス
自ラ議員候補者ノ氏名ヲ書スルコト能ハザル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ
投票用紙ハ都長官ノ定ムル所ニ依リ一定ノ式ヲ用フベシ
名簿調製ノ後選擧人其ノ投票區域外ニ住所ヲ移シタル場合ニ於テ仍選擧權ヲ有スルトキハ前住所地ノ投票所ニ於テ投票ヲ爲スベシ
第三十條 確定名簿ニ登錄セラレザル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ但シ選擧人名簿ニ登錄セラルベキ確定裁決書又ハ判決書ヲ所持シ選擧ノ當日投票所ニ到ル者ハ此ノ限ニ在ラズ
確定名簿ニ登錄セラレタル者名簿ニ登錄セラルルコトヲ得ザル者ナルトキハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ選擧ノ當日選擧權ヲ有セザル者ナルトキ亦同ジ
第三十一條 投票ノ拒否ハ投票立會人ノ意見ヲ聽キ投票管理者之ヲ決定スベシ
前項ノ規定ニ依ル決定ヲ受ケタル選擧人不服アルトキハ投票管理者ハ假ニ投票ヲ爲サシムベシ
前項ノ投票ハ選擧人ヲシテ之ヲ封筒ニ入レ封緘シ表面ニ自ラ其ノ氏名ヲ記載シ投函セシムベシ
第三十二條 選擧人ニシテ勅令ノ定ムル事由ニ因リ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ投票所ニ到リ投票ヲ爲スコト能ハザルベキコトヲ證スルモノノ投票ニ關シテハ第二十九條第三項及第五項、第三十條第一項但書竝ニ前條ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第三十三條 投票管理者ハ投票錄ヲ作リ投票ニ關スル顚末ヲ記載シ二人以上ノ投票立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
第三十四條 投票管理者ハ其ノ指定シタル投票立會人ト共ニ區市ノ投票區ニ於テハ投票ノ當日、町村ノ投票區ニ於テハ投票ノ翌日迄ニ投票函、投票錄及選擧人名簿ヲ選擧長ニ送致スベシ
第三十五條 島嶼ニ於テ前條ノ期日ニ投票函ヲ送致スルコト能ハザル情況アリト認ムルトキハ都長官ハ適宜ニ其ノ投票ノ期日ヲ定メ選擧會ノ期日迄ニ其ノ投票函、投票錄及選擧人名簿ヲ送致セシムルコトヲ得
第三十六條 選擧長ハ區長、市長、地方事務所長又ハ支廳長ヲ以テ之ニ充ツ
選擧會ハ區役所、市役所、地方事務所、支廳又ハ選擧長ノ指定シタル場所ニ之ヲ開ク
第三十七條 都長官特別ノ事情アリト認ムルトキハ區劃ヲ定メテ開票區ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ開票區ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十八條 第二十七條ノ規定ハ選擧立會人ニ之ヲ準用ス
第三十九條 選擧長ハ總テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日又ハ其ノ翌日選擧會ヲ開クベシ
選擧長ハ選擧立會人立會ノ上投票函ヲ開キ先ヅ第三十一條第二項及第四項ノ投票ヲ調査シ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ其ノ受理如何ヲ決定スベシ
選擧長ハ選擧立會人ト共ニ區市町村其ノ他都長官ノ定ムル區域每ニ投票ヲ點檢スベシ
天災事變等ノ爲選擧會ヲ開クコト能ハザルトキハ選擧長ハ更ニ其ノ期日ヲ定ムベシ
第四十條 選擧人ハ其ノ選擧會ノ參觀ヲ求ムルコトヲ得
第四十一條 第二十八條第一項及第二項ノ規定ハ選擧會場ノ取締ニ之ヲ準用ス
第四十二條 投票ノ效力ハ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長之ヲ決定スベシ
第四十三條 左ノ投票ハ之ヲ無效トス
三 一投票中二人以上ノ議員候補者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
五 議員候補者ノ氏名ノ外他事ヲ記載シタルモノ但シ爵位、職業、身分、住所又ハ敬稱ノ類ヲ記入シタルモノハ此ノ限ニ在ラズ
七 議員候補者ノ何人ヲ記載シタルカヲ確認シ難キモノ
前項第八號ノ規定ハ第十六條、第五十條又ハ第五十五條第一項若ハ第三項ノ規定ニ依ル選擧ノ場合ニ限リ之ヲ適用ス
第四十四條 都議會議員ノ選擧ハ有效投票ノ最多數ヲ得タル者ヲ以テ當選者トス但シ其ノ選擧區ノ配當議員數ヲ以テ有效投票ノ總數ヲ除シテ得タル數ノ五分ノ一以上ノ得票アルコトヲ要ス
當選者ヲ定ムルニ當リ得票ノ數同ジキトキハ年長者ヲ取リ年齡同ジキトキハ選擧長抽籤シテ之ヲ定ム
第四十五條 當選者選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セザルニ至リタルトキハ當選ヲ失フ
第四十六條 第二十三條第一項乃至第三項ノ規定ニ依ル屆出アリタル議員候補者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ヲ超エザルトキハ其ノ選擧區ニ於テハ投票ヲ行ハズ
前項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フコトヲ要セザルトキハ選擧長ハ直ニ其ノ旨ヲ投票管理者ニ通知シ併セテ之ヲ吿示シ且都長官ニ報吿スベシ
投票管理者前項ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第一項ノ場合ニ於テハ選擧長ハ選擧ノ期日ヨリ五日以內ニ選擧會ヲ開キ議員候補者ヲ以テ當選者ト定ムベシ
前項ノ場合ニ於テ議員候補者ノ被選擧權ノ有無ハ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長之ヲ決定スベシ
第四十七條 選擧長ハ選擧錄ヲ作リ選擧會ニ關スル顚末ヲ記載シ二人以上ノ選擧立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
選擧錄、投票錄、投票其ノ他ノ關係書類ハ選擧長ニ於テ、選擧人名簿ハ區市町村長ニ於テ議員ノ任期間之ヲ保存スベシ
第四十八條 當選者定マリタルトキハ選擧長ハ直ニ當選者ニ當選ノ旨ヲ吿知シ同時ニ當選者ノ住所氏名ヲ吿示シ且選擧錄及投票錄ノ寫ヲ添ヘ之ヲ都長官ニ報吿スベシ當選者ナキトキハ直ニ其ノ旨ヲ吿示シ且選擧錄及投票錄ノ寫ヲ添ヘ之ヲ都長官ニ報吿スベシ
當選者當選ヲ辭セントスルトキハ當選ノ吿知ヲ受ケタル日ヨリ十日以內ニ之ヲ都長官ニ申立ツベシ
一人ニシテ數選擧區ニ於テ當選シタル者ハ最終ニ當選ノ吿知ヲ受ケタル日ヨリ十日以內ニ何レノ當選ニ應ズベキカヲ都長官ニ申立ツベシ其ノ期間內ニ之ヲ申立テザルトキハ都長官抽籤シテ之ヲ定ム
官吏ニシテ當選シタルモノハ所屬長官ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ニ應ズルコトヲ得ズ
前項ノ官吏ハ當選ノ吿知ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ之ニ應ズベキ旨ヲ都長官ニ申立テザルトキハ其ノ當選ヲ辭シタルモノト看做ス第三項ノ場合ニ於テ何レノ當選ニ應ズベキカヲ申立テザルトキハ總テ之ヲ辭シタルモノト看做ス
都ニ對シ請負ヲ爲シ又ハ都ニ於テ費用ヲ負擔スル事業ニ付都長官若ハ其ノ委任ヲ受ケタル者ニ對シ請負ヲ爲ス者又ハ其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人ニシテ當選シタルモノハ其ノ請負ヲ罷メ又ハ請負ヲ爲ス者ノ支配人若ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人タルコトナキニ至ルニ非ザレバ當選ニ應ズルコトヲ得ズ第二項又ハ第三項ノ期限前ニ其ノ旨ヲ都長官ニ申立テザルトキハ其ノ當選ヲ辭シタルモノト看做ス
前項ノ役員トハ取締役、監査役及之ニ準ズベキ者竝ニ淸算人ヲ謂フ
第四十九條 選擧長ハ前條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲シタルトキハ直ニ選擧人名簿ヲ町村長ニ返付スベシ
第五十條 當選者左ニ揭グル事由ノ一ニ該當スル場合ニ於テ第二項若ハ第三項ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク又ハ第二項若ハ第三項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ムルモ仍當選者ノ不足數ガ第十六條第二項ニ謂フ議員ノ缺員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ又ハ都長官ニ於テ必要アリト認ムルトキハ更ニ選擧ヲ行フベシ
二 數選擧區ニ於テ當選シタル場合ニ於テ第四十八條第三項ノ規定ニ依リ一ノ選擧區ノ當選ニ應ジ又ハ抽籤ニ依リ一ノ選擧區ノ當選者ト定マリタル爲他ノ選擧區ニ於テ當選者タラザルニ至リタルトキ
五 選擧ニ關スル犯罪ニ因リ刑ニ處セラレ其ノ當選無效ト爲リタルトキ但シ同一人ニ關シ前各號ノ事由ニ因リ選擧又ハ補缺選擧ノ吿示ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
六 第五十四條ノ規定ニ依ル訴訟ノ結果當選無效ト爲リタルトキ
前項第一號乃至第四號ノ事由ヲ生ジタル場合ニ於テ第四十四條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ
第一項第五號又ハ第六號ノ事由ヲ生ジタルトキハ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年以內ナル場合ニ於テ第四十四條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキ又ハ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年經過後ナル場合ニ於テ同條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス
前二項ノ場合ニ於テ第四十四條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノ選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セザルニ至リタルトキハ之ヲ當選者ト定ムルコトヲ得ズ
第一項ノ事由議員ノ任期滿了前六月以內ニ生ジタルトキハ同項ノ選擧ハ之ヲ行ハズ但シ議員ノ數其ノ定數ノ三分ノ二ニ滿タザルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
當選者ノ不足數第十六條第二項ニ謂フ議員ノ缺員ノ數ト通ジテ議員定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至ラザルモ第五十五條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ行ハルル場合ニ於テハ其ノ選擧ト同時ニ更ニ選擧ヲ行フベシ但シ第五十五條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ吿示アリタル後第一項ノ事由ヲ生ジタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リ行フ選擧ノ期日ハ第五十五條第一項又ハ第三項ノ選擧ノ期日ニ依ル
第五十一條 第四十八條第二項ノ期間ヲ經過シタルトキ、同條第三項若ハ第五項ノ規定ニ依ル申立アリタルトキ又ハ同條第三項ノ規定ニ依リ抽籤ヲ爲シタルトキハ都長官ハ直ニ當選者ニ當選證書ヲ付與シ當選者ノ住所氏名ヲ吿示スベシ
當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ニ達セザルニ至リタルトキハ都長官ハ直ニ其ノ旨ヲ吿示スベシ
第五十二條 選擧ノ規定ニ違反スルコトアルトキハ選擧ノ結果ニ異動ヲ生ズルノ虞アル場合ニ限リ其ノ選擧ノ全部又ハ一部ヲ無效トス但シ當選ニ異動ヲ生ズルノ虞ナキ者ヲ區分シ得ルトキハ其ノ者ニ限リ當選ヲ失フコトナシ
第五十三條 選擧人又ハ議員候補者選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ選擧ニ關シテハ選擧ノ日ヨリ、當選ニ關シテハ第四十八條第一項又ハ第五十一條第二項ノ規定ニ依ル吿示ノ日ヨリ十四日以內ニ之ヲ都長官ニ申立ツルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル異議ノ申立アリタルトキハ都長官ハ十四日以內ニ之ヲ決定スベシ
前項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタルトキハ都長官ハ直ニ其ノ要領ヲ吿示スベシ
第二項ノ規定ニ依ル都長官ノ決定ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
都長官選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ第四十八條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第十六條、第五十條、第五十五條第一項若ハ第三項又ハ第五十六條ノ選擧ハ之ニ關係アル選擧又ハ當選ニ關スル異議ノ申立期間、異議ノ決定確定セザル間又ハ訴訟ノ繫屬スル間之ヲ行フコトヲ得ズ
都議會議員ハ選擧又ハ當選ニ關スル決定確定シ又ハ判決アル迄ハ會議ニ參與スルノ權ヲ失ハズ
第五十四條 衆議院議員選擧法第百十條ノ規定ノ準用ニ依リ當選ヲ無效ナリト認ムルトキハ選擧人又ハ議員候補者ハ當選者ヲ被吿トシ第四十八條第一項ノ規定ニ依ル吿示ノ日ヨリ三十日以內ニ控訴院ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル控訴院ノ判決ニ不服アル者ハ大審院ニ上吿スルコトヲ得
檢事ハ衆議院議員選擧法第百十二條乃至第百十三條ノ規定ノ準用ニ依ル罪ニ該ル事件ノ被吿人ガ選擧事務長又ハ選擧事務長ニ非ズシテ事實上選擧運動ヲ總括主宰シタル者ナルニ因リ同法第百三十六條ノ規定ノ準用ニ依リ當選ヲ無效ナリト認ムルトキハ公訴ニ附帶シ當選者ヲ被吿トシテ訴訟ヲ提起スルコトヲ要ス
衆議院議員選擧法第八十五條、第八十七條、第百四十一條及第百四十一條ノ三ノ規定ハ第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ、同法第百四十一條ノ二及第百四十一條ノ三ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル訴訟ニ之ヲ準用ス
前條第七項ノ規定ハ第一項乃至第三項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十五條 選擧無效ト確定シタルトキハ三月以內ニ更ニ選擧ヲ行フベシ
當選無效ト確定シタルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ更ニ當選者ヲ定ムベシ此ノ場合ニ於テハ第五十條第四項ノ規定ヲ準用ス
當選者ナキトキ、當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ニ達セザルトキ若ハ定數ニ達セザルニ至リタルトキハ三月以內ニ更ニ選擧ヲ行フベシ
第五十條第五項ノ規定ハ第一項及前項ノ選擧ニ之ヲ準用ス
第一項及第三項ノ期間ハ第五十三條第六項ノ規定ノ適用アル場合ニ於テハ選擧ヲ行フコトヲ得ザル事由已ミタル日ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第五十六條 左ニ揭グル事由アル場合ニ於テ議員又ハ當選者總テナキトキハ第十六條、第五十條又ハ前條第一項若ハ第三項ノ規定ニ拘ラズ總選擧ヲ行フ但シ左ニ揭グル事由ニ關シ此等ノ規定ニ依ル選擧ノ吿示又ハ第十六條第一項若ハ第五十條第二項若ハ第三項ノ規定ニ依ル選擧會ノ吿示ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
二 當選者中第五十條第一項ノ事由ニ該當スル者アルトキ
三 前條第一項又ハ第三項ノ規定ニ該當スル事由アルトキ
前項ノ選擧ハ其ノ事由ヲ生ジタル日ヨリ三月以內ニ之ヲ行フベシ此ノ場合ニ於テハ前條第五項ノ規定ヲ準用ス
第五十七條 補缺選擧又ハ第五十條若ハ第五十五條第一項若ハ第三項ノ選擧ヲ同時ニ行フ場合ニ於テハ一ノ選擧ヲ以テ合併シテ之ヲ行フ
第五十八條 都議會議員被選擧權ヲ有セザル者ナルトキ又ハ第四十八條第六項ニ揭グル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選擧權ノ有無又ハ第四十八條第六項ニ揭グル者ニ該當スルヤ否ヤハ議員ガ左ノ各號ノ一ニ該當スルニ因リ被選擧權ヲ有セザル場合ヲ除クノ外都議會之ヲ決定ス此ノ場合ニ於テ議員ハ第七十二條ノ規定ニ拘ラズ其ノ會議ニ出席シ自己ノ資格ニ關シ辯明スルコトヲ得ルモ其ノ議決ニ加ハルコトヲ得ズ
四 選擧ニ關スル犯罪ニ因リ罰金ノ刑ニ處セラレタルトキ
都長官ハ議員中被選擧權ヲ有セザル者又ハ第四十八條第六項ニ揭グル者アリト認ムルトキハ之ヲ都議會ノ決定ニ付スベシ此ノ場合ニ於テハ都議會ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ決定スベシ
第一項ノ規定ニ依ル決定ヲ受ケタル者其ノ決定ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依ル決定ニ付テハ都長官ヨリモ訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第五十三條第七項ノ規定ハ第一項及前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ニ依ル決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ本人ニ交付スベシ
第五十九條 衆議院議員選擧法第十章及第十一章竝ニ第百四十條第二項、第百四十二條及第百四十七條ノ規定ハ都議會議員ノ選擧ニ之ヲ準用ス但シ議員候補者一人ニ付定ムベキ選擧委員ノ數、選擧運動ノ爲使用スル勞務者ノ數及選擧運動ノ費用ノ額ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル