短期社債等の振替に関する法律
法令番号: 法律第七十五号
公布年月日: 平成13年6月27日
法令の形式: 法律
短期社債等の振替に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年六月二十七日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第七十五号
短期社債等の振替に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
振替機関
第一節
通則(第三条―第七条)
第二節
業務(第八条―第十四条)
第三節
監督(第十五条―第二十四条)
第四節
合併、分割及び営業の譲渡(第二十五条―第三十二条)
第五節
加入者集会(第三十三条―第三十九条)
第六節
解散等(第四十条―第四十三条)
第三章
短期社債の振替
第一節
通則(第四十四条・第四十五条)
第二節
振替口座簿(第四十六条―第五十条)
第三節
振替の効果等(第五十一条―第五十八条)
第四節
短期社債の発行等に関する商法の特例(第五十九条)
第五節
雑則(第六十条・第六十一条)
第四章
その他の短期社債等の振替(第六十二条)
第五章
雑則(第六十三条―第六十八条)
第六章
罰則(第六十九条―第七十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、短期社債等の振替を行う振替機関及び短期社債等の発行、譲渡等に関し必要な事項を定めることにより、短期社債等の流通の円滑化を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「短期社債」とは、次に掲げる要件のすべてに該当する社債をいう。
一 契約により社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の規定により担保が付されるものでないこと。
2 この法律において「短期社債等」とは、次に掲げるものをいう。
一 短期社債
二 保険業法(平成七年法律第百五号)第六十一条の二第一項に規定する短期社債
三 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第八項に規定する特定短期社債(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十七号)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第六項に規定する特定短期社債を含む。)
3 この法律において「振替機関」とは、次条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。
4 この法律において「加入者」とは、振替機関が第十二条第一項の規定により短期社債等の振替を行うための口座を開設した者をいう。
第二章 振替機関
第一節 通則
(振替業を営む者の指定)
第三条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える株式会社を、その申請により、この法律の定めるところにより第八条第一項に規定する業務(以下「振替業」という。)を営む者として、指定することができる。
一 第二十二条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された日から五年を経過しない者でないこと。
二 この法律若しくは株券等の保管及び振替に関する法律(昭和五十九年法律第三十号。以下この項及び第八条において「保管振替法」という。)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。
三 取締役又は監査役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ニ 第二十二条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された場合若しくは保管振替法第九条の二第一項の規定により保管振替法第三条第一項の指定を取り消された場合又はこの法律若しくは保管振替法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこれらの指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役又は監査役(外国の法令上これらと同様に取り扱われている者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者
ホ 第二十二条第一項の規定若しくは保管振替法第九条の二第一項の規定又はこの法律若しくは保管振替法に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役又は監査役でその処分を受けた日から五年を経過しない者
ヘ 前号に規定する法律、商法(明治三十二年法律第四十八号)、有限会社法(昭和十三年法律第七十四号)、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号)若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条、第四十七条、第四十九条若しくは第五十条の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
四 定款及び振替業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が、法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより振替業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。
五 振替業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、振替業に係る収支の見込みが良好であると認められること。
六 その人的構成に照らして、振替業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すると認められること。
2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した振替機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。
(指定の申請)
第四条 前条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 商号
二 資本の額及び純資産額
三 本店その他の営業所の名称及び所在地
四 取締役及び監査役の氏名
五 振替業以外の業務を営むときは、その業務の内容
2 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 前条第一項第二号及び第三号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面
二 定款
三 会社登記簿の謄本
四 業務規程
五 貸借対照表及び損益計算書
六 収支の見込みを記載した書類
七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める書類
(資本の額等)
第五条 振替機関の資本の額は、政令で定める金額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める金額は、五億円を下回ってはならない。
3 振替機関の純資産額は、第一項の政令で定める金額以上でなければならない。
(資本の額の変更)
第六条 振替機関は、その資本の額を減少しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。
2 振替機関は、その資本の額を増加しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。
(秘密保持義務)
第七条 振替機関の取締役、監査役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、振替業に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
第二節 業務
(業務の範囲)
第八条 振替機関は、この法律の定めるところにより、短期社債等の振替に関する業務を行うものとする。
2 振替機関は、振替業のほか、保管振替法第三条第一項に規定する保管振替業及び保管振替法第四条の二第一項ただし書の規定により承認を受けた業務(次項及び次条第一項において「保管振替業等」という。)を営むことができる。
3 前項の規定は、振替機関が保管振替業等を営む場合において、保管振替法及びこれに基づく命令の適用を排除するものと解してはならない。
(兼業の制限)
第九条 振替機関は、振替業及び保管振替業等のほか、他の業務を営むことができない。ただし、振替業に関連する業務で、当該振替機関が振替業を適正かつ確実に営むにつき支障を生ずるおそれがないと認められるものについて、主務省令で定めるところにより、主務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2 振替機関は、前項ただし書の承認を受けた業務を廃止したときは、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(振替業の一部の委託)
第十条 振替機関は、主務省令で定めるところにより、振替業の一部を、主務大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。
2 振替機関は、前項の規定による振替業の一部の委託に関する契約には、業務を委託する相手方が当該業務を他の者に委託しない旨の条件を付さなければならない。
(業務規程)
第十一条 振替機関は、業務規程において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 取り扱う短期社債等に関する事項
二 加入者の口座に関する事項
三 振替口座簿の記録に関する事項
四 第五十六条第一項(第六十二条において準用する場合を含む。第十九条において同じ。)に規定する場合の義務の履行に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、振替業の実施に必要な事項として主務省令で定める事項
(口座の開設及び振替口座簿の備付け)
第十二条 振替機関は、業務規程の定めるところにより、他の者のために、その申出により短期社債等の振替を行うための口座を開設しなければならない。
2 振替機関は、第五十六条第一項及び第二項(これらの規定を第六十二条において準用する場合を含む。)の義務を履行する目的のため、自己のために短期社債等の振替を行うための口座(以下「機関口座」という。)を開設することができる。
3 振替機関は、振替口座簿を備えなければならない。
(発行者の同意)
第十三条 振替機関は、あらかじめ発行者から当該振替機関において取り扱うことについて同意を得た短期社債等でなければ、取り扱うことができない。
2 前項の場合において、発行者は、特定の種類の短期社債等について一の振替機関に同意をしたときは、当該短期社債等について他の振替機関に同意をしてはならない。
(差別的取扱いの禁止)
第十四条 振替機関は、特定の加入者又は発行者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
第三節 監督
(帳簿書類等の作成及び保存)
第十五条 振替機関は、主務省令で定めるところにより、業務に関する帳簿書類その他の記録を作成し、保存しなければならない。
(業務及び財産に関する報告書の提出)
第十六条 振替機関は、決算期ごとに、業務及び財産に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。
2 前項の報告書に関する記載事項、提出期日その他必要な事項は、主務省令で定める。
(定款又は業務規程の変更)
第十七条 振替機関の定款又は業務規程の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(商号等の変更の届出)
第十八条 振替機関は、第四条第一項第一号、第三号又は第四号に掲げる事項に変更があったときは、その旨及び同条第二項第一号又は第三号に掲げる書類を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。
2 主務大臣は、前項の規定により振替機関の商号又は本店の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(事故の報告)
第十九条 振替機関は、第五十六条第一項に規定する場合その他の主務省令で定める事故が生じたときは、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に報告しなければならない。
(報告及び検査)
第二十条 主務大臣は、振替業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、振替機関に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又はその職員に、振替機関の営業所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(業務改善命令)
第二十一条 主務大臣は、振替業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、振替機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(指定の取消し等)
第二十二条 主務大臣は、振替機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条第一項の指定若しくは第九条第一項ただし書の承認を取り消し、六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役若しくは監査役の解任を命ずることができる。
一 第三条第一項第二号又は第三号に掲げる要件に該当しないこととなったとき。
二 第三条第一項の指定当時に同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。
三 不正の手段により第三条第一項の指定を受けたことが判明したとき。
四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2 主務大臣は、前項の規定により第三条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(業務移転命令)
第二十三条 主務大臣は、振替機関が次の各号のいずれかに該当するときは、振替業を他の株式会社に移転することを命ずることができる。
一 前条第一項の規定により第三条第一項の指定を取り消されたとき。
二 振替業を廃止したとき。
三 解散したとき(設立、合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四 振替業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない事態又は破産の原因たる事実の生ずるおそれがあると認められるとき。
(業務移転命令に伴う株主総会の特別決議に関する特例)
第二十四条 前条の規定による命令を受けた振替機関(次項において「特定振替機関」という。)における商法第二百四十五条第一項、第三百四十三条、第三百四十五条第二項(同法第三百四十六条において準用する場合を含む。)、第三百七十四条ノ十七第四項又は第四百八条第三項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
2 特定振替機関における商法第四百八条第四項の規定による決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の過半数であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
3 第一項の規定により仮にした決議(以下この項及び次項において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。
4 前項の株主総会において第一項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。
5 前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第一項」とあるのは、「第二項」と読み替えるものとする。
第四節 合併、分割及び営業の譲渡
(特定合併の認可)
第二十五条 振替機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が振替業を営む場合に限る。以下この条及び次条において「特定合併」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、特定合併後存続する株式会社又は特定合併により設立される株式会社(以下この条において「特定合併後の振替機関」という。)について第四条第一項各号に掲げる事項を記載した合併認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
3 合併認可申請書には、合併契約書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 特定合併後の振替機関が第三条第一項各号に掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 特定合併後の振替機関(振替機関が特定合併後存続する株式会社である場合を除く。)は、特定合併の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 特定合併後の振替機関は、特定合併により消滅した振替機関の業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
(特定合併の場合の加入者の承認)
第二十六条 振替機関は、特定合併を行うときは、商法第四百八条第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
(新設分割の認可)
第二十七条 振替機関が新たに設立する株式会社に振替業の全部又は一部を承継させるために行う新設分割(以下この条及び次条において単に「新設分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、新設分割により設立される株式会社(以下この条において「設立会社」という。)について次に掲げる事項を記載した新設分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第四条第一項各号に掲げる事項
二 設立会社が承継する振替業
3 新設分割認可申請書には、分割計画書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 設立会社が第三条第一項第三号から第六号までに掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 設立会社は、新設分割の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 設立会社は、新設分割をした振替機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
(新設分割の場合の加入者の承認)
第二十八条 振替機関は、新設分割を行うときは、商法第三百七十四条第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
(吸収分割の認可)
第二十九条 振替機関が他の株式会社に振替業の全部又は一部を承継させるために行う吸収分割(以下この条及び次条において単に「吸収分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、吸収分割により振替業の全部又は一部を承継する株式会社(以下この条において「承継会社」という。)について次に掲げる事項を記載した吸収分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第四条第一項各号に掲げる事項
二 承継会社が承継する振替業
3 吸収分割認可申請書には、分割契約書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 承継会社が第三条第一項各号に掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 承継会社(振替機関が承継会社である場合を除く。)は、吸収分割の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 承継会社は、吸収分割をした振替機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
(吸収分割の場合の加入者の承認)
第三十条 振替機関は、吸収分割を行うときは、商法第三百七十四条ノ十七第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
(営業譲渡の認可)
第三十一条 振替機関が他の株式会社に行う振替業の全部又は一部の譲渡(以下この条及び次条において「営業譲渡」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、営業譲渡により振替業の全部又は一部を譲り受ける株式会社(以下この条において「譲受会社」という。)について次に掲げる事項を記載した営業譲渡認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第四条第一項各号に掲げる事項
二 譲受会社が承継する振替業
3 営業譲渡認可申請書には、譲渡契約書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 譲受会社が第三条第一項各号に掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 譲受会社(振替機関が譲受会社である場合を除く。)は、営業譲渡の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 譲受会社は、営業譲渡をした振替機関の譲渡の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務及び第十三条第一項の発行者の同意に係る権利義務を承継する。
7 営業譲渡をした振替機関が開設した加入者の口座は、譲受会社が開設した加入者の口座とみなす。
(営業譲渡の場合の加入者の承認)
第三十二条 振替機関は、営業譲渡を行うときは、商法第二百四十五条第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
第五節 加入者集会
(決議事項)
第三十三条 加入者が第二十六条、第二十八条、第三十条又は前条の承認を行うには、加入者による集会(以下「加入者集会」という。)の決議によらなければならない。
(招集権者)
第三十四条 加入者集会は、振替機関が招集する。
2 加入者集会を招集するには、その会日の二週間前に、加入者に対して、招集の通知を発しなければならない。
3 前項の通知には、会議の目的たる事項及び議案の要領を記載しなければならない。
(加入者の議決権)
第三十五条 各加入者の議決権は、業務規程に別段の定めがある場合を除き、平等であるものとする。
(書面による議決権の行使)
第三十六条 加入者集会に出席しない加入者は、書面によって議決権を行使することができる。
2 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第二項から第六項までの規定は、前項の書面による議決権の行使について準用する。この場合において、同条第二項中「前項の会社」とあり、及び同条第三項中「第一項の会社」とあるのは「振替機関」と、同条第五項中「法務省令」とあるのは「主務省令」と読み替えるものとする。
(決議の方法)
第三十七条 加入者集会の決議は、出席した加入者の議決権の過半数をもって行う。
(みなし賛成)
第三十八条 振替機関は、業務規程をもって、加入者が加入者集会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該加入者はその加入者集会に提出された議案について賛成するものとみなす旨を定めることができる。
2 前項の定めをした振替機関は、第三十四条第二項の規定による通知にその定めを記載しなければならない。
3 第一項の定めに基づき議案に賛成するものとみなされた加入者の有する議決権の数は、出席した加入者の議決権の数に算入する。
(加入者集会に関する商法及び非訟事件手続法の準用)
第三十九条 商法第二百三十三条、第二百三十七条ノ三第一項、第二百三十七条ノ四、第二百三十九条第二項及び第三項、第二百四十三条、第三百二十三条、第三百二十五条から第三百二十八条まで、第三百三十七条第一項及び第三百三十九条第二項から第四項まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十五条ノ十五、第百三十五条ノ十九第一項及び第百三十五条ノ二十三の規定は、加入者集会について準用する。この場合において、商法第二百三十三条中「定款」とあるのは「業務規程」と、同法第二百三十七条ノ三第一項中「取締役及監査役」とあるのは「振替機関」と、同法第二百三十七条ノ四第一項中「定款」とあるのは「業務規程」と、同法第二百三十九条第二項中「会社」とあるのは「振替機関」と、同法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは「短期社債等の振替に関する法律第三十四条第二項」と、同法第三百二十三条中「社債権者集会又ハ其ノ招集者」とあるのは「加入者集会」と、「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と、同法第三百二十六条第一号中「社債募集ノ目論見書ノ記載」とあるのは「業務規程」と、同法第三百二十八条及び第三百三十七条第一項中「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と、同法第三百三十九条第二項中「社債ヲ発行シタル会社ノ代表者及社債管理会社ノ代表者」とあるのは「振替機関ノ代表者」と、同条第三項中「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と、同条第四項中「社債管理会社及社債権者」とあるのは「加入者」と、非訟事件手続法第百三十五条ノ十五中「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と読み替えるものとする。
第六節 解散等
(解散等の認可)
第四十条 次に掲げる事項は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 振替機関の解散についての株主総会の決議
二 振替機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が振替業を営まない場合に限る。)
(指定の失効)
第四十一条 振替機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条第一項の指定は、その効力を失う。
一 振替業を廃止したとき。
二 解散したとき(設立、合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
2 前項の規定により指定が効力を失ったときは、その振替機関であった者又は一般承継人(合併により消滅した振替機関の権利義務を承継した者であって、振替業を営まないものに限る。次条において同じ。)は、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(指定取消し等の場合のみなし振替機関)
第四十二条 振替機関が第二十二条第一項の規定により第三条第一項の指定を取り消された場合又は前条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合においては、その振替機関であった者又は一般承継人は、当該振替機関が行った振替業を速やかに結了しなければならない。この場合において、当該振替機関であった者又は一般承継人は、その振替業の結了の目的の範囲内において、なおこれを振替機関とみなす。
(清算手続等における主務大臣の意見等)
第四十三条 裁判所は、振替機関の清算手続、破産手続、再生手続、整理手続、更生手続又は承認援助手続において、主務大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2 主務大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3 第二十条の規定は、第一項の規定により主務大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。
第三章 短期社債の振替
第一節 通則
(権利の帰属)
第四十四条 短期社債についての権利の帰属は、次条第二項の場合を除き、この章の規定による振替口座簿の記録により定まるものとする。
(社債券の不発行)
第四十五条 短期社債については、社債券(商法第三百六条第一項に規定する債券をいう。次項及び第七十七条第二号において同じ。)を発行することができない。
2 短期社債の社債権者は、当該短期社債を取り扱う振替機関が第二十二条第一項の規定により第三条第一項の指定を取り消された場合又は第四十一条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合であって、当該振替機関の振替業を承継する者が存しない場合には、前項の規定にかかわらず、発行者に対し、社債券の発行を請求することができる。
第二節 振替口座簿
(振替口座簿の記録事項)
第四十六条 振替口座簿は、各加入者の口座ごとに区分し、各口座には、次に掲げる事項を記録する。
一 加入者の氏名又は名称及び住所
二 発行者の商号及び短期社債の種類(以下「銘柄」という。)
三 銘柄ごとの金額(次号に掲げるものを除く。)
四 加入者が質権者であるときは、その旨及び質権の目的である短期社債の銘柄ごとの金額
五 短期社債の全部又は一部が信託財産であるときは、その旨及び前二号の金額のうちその金額
六 その他政令で定める事項
2 振替機関が機関口座を開設する場合には、振替口座簿に機関口座の区分を設け、次に掲げる事項を記録する。
一 銘柄
二 銘柄ごとの金額
三 その他政令で定める事項
(新規記録手続)
第四十七条 特定の銘柄の短期社債について、商法第三百六条第一項に規定する払込みがあった場合には、当該短期社債の発行者は、当該発行者が第十三条第一項の同意を与えた振替機関に対し、次に掲げる事項の通知をしなければならない。
一 当該払込みに係る短期社債の銘柄
二 前号の払込みを行った加入者の氏名又は名称
三 加入者ごとの第一号の払込みに係る短期社債の金額
2 前項の通知があった場合には、当該通知を受けた振替機関は、直ちに、当該通知に係る短期社債の銘柄について、当該通知に係る加入者の口座の前条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄に、当該加入者に係る前項第三号の金額を記録しなければならない。
(振替手続)
第四十八条 特定の銘柄の短期社債について、振替の申請があった場合には、当該申請を受けた振替機関は、遅滞なく、当該申請において第三項の規定により示されたところに従い、振替口座簿における減額及び増額の記録をしなければならない。
2 前項の申請は、振替によりその口座において減額の記録がされる加入者が行うものとする。
3 第一項の申請をする加入者(第二号において「申請人」という。)は、当該申請において、次に掲げる事項を示さなければならない。
一 当該振替において減額及び増額の記録がされるべき短期社債の銘柄及び金額
二 当該申請人の口座において減額の記録がされるのが第四十六条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄か、又は同項第四号に掲げる事項を記録する欄かの別
三 増額の記録がされるべき口座(次号において「振替先口座」という。)
四 振替先口座において増額の記録がされるのが第四十六条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄か、又は同項第四号に掲げる事項を記録する欄かの別
(抹消手続)
第四十九条 特定の銘柄の短期社債について、抹消の申請があった場合には、当該申請を受けた振替機関は、遅滞なく、当該申請において第三項の規定により示されたところに従い、振替口座簿における減額の記録をしなければならない。
2 前項の申請は、抹消によりその口座において減額の記録がされる加入者が行うものとする。
3 第一項の申請をする加入者(第二号において「申請人」という。)は、当該申請において、次に掲げる事項を示さなければならない。
一 当該抹消において減額の記録がされるべき短期社債の銘柄及び金額
二 当該申請人の口座において減額の記録がされるのが第四十六条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄か、又は同項第四号に掲げる事項を記録する欄かの別
4 第二項の規定にかかわらず、振替機関は、機関口座の短期社債について第五十六条第二項の規定により免除の意思表示を行ったときは、直ちに、当該短期社債について、振替口座簿の抹消を行わなければならない。
5 発行者は、社債権者又は質権者に対し、短期社債の償還をするのと引換えにその口座における当該短期社債の銘柄についての当該償還に係る短期社債の金額と同額の抹消を振替機関に対して申請することを請求することができる。
(記録の変更手続)
第五十条 振替機関は、第四十六条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項につき変更が生じたことを知ったときは、直ちに、振替口座簿にその記録をしなければならない。
第三節 振替の効果等
(短期社債の譲渡)
第五十一条 短期社債の譲渡は、第四十八条第一項の振替の申請により、譲受人がその口座における第四十六条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる事項を記録する欄に当該譲渡に係る金額の増額の記録を受けなければ、その効力を生じない。
(短期社債の質入れ)
第五十二条 短期社債の質入れは、第四十八条第一項の振替の申請により、質権者がその口座における第四十六条第一項第四号に掲げる事項を記録する欄に当該質入れに係る金額の増額の記録を受けなければ、その効力を生じない。
(短期社債の信託の対抗要件)
第五十三条 短期社債については、信託は、政令で定めるところにより、当該信託の受託者がその口座において第四十六条第一項第五号の規定による記録を受けなければ、第三者に対抗することができない。
(加入者の権利推定)
第五十四条 加入者は、その口座における記録がされた短期社債についての権利を適法に有するものと推定する。
(善意取得)
第五十五条 第四十八条第一項の振替の申請によりその口座において特定の銘柄の短期社債についての増額の記録を受けた加入者(機関口座を有する振替機関を含む。)は、当該銘柄の短期社債についての当該増額の記録に係る権利を取得する。ただし、当該加入者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
(振替機関の消却義務)
第五十六条 前条の規定による短期社債の取得によりすべての社債権者の有する同条に規定する銘柄の短期社債の総額が当該銘柄の短期社債の発行総額(償還済みの額を除く。)を超えることとなる場合には、振替機関は、当該超過額に達するまで、当該銘柄の短期社債を取得しなければならない。
2 振替機関は、前項の規定により短期社債を取得したときは、直ちに、発行者に対し、当該短期社債について債務の全部を免除する旨の意思表示をしなければならない。
3 前項に規定する短期社債についての権利は、同項の規定により免除の意思表示がされたときは、消滅する。
(消却義務の不履行の場合における取扱い)
第五十七条 前条第一項に規定する場合において、振替機関が同項及び同条第二項の義務の全部を履行するまでの間は、発行者は、各社債権者の有する当該銘柄の短期社債のうち第一号の額が第二号の額に占める割合を当該超過額(同項の義務の一部が履行されたときは、当該履行に係る額を控除した額)に乗じた額に関する部分について、元本の償還及び利息の支払をする義務を負わない。
一 当該社債権者の有する当該銘柄の短期社債の金額
二 すべての社債権者の有する当該銘柄の短期社債の総額
2 前条第一項に規定する場合において、振替機関は、各社債権者に対して次に掲げる義務を負う。
一 前項の場合において、各社債権者の有する当該銘柄の短期社債のうち同項の規定により算出された額に関する部分について、発行者に代わって元本の償還及び利息の支払をする義務
二 前号に掲げるもののほか、前条第一項又は第二項の義務の不履行によって生じた損害の賠償をする義務
(発行者が誤って償還等をした場合における取扱い)
第五十八条 発行者が前条第一項の規定により義務を負わないとされた金額についてした元本の償還又は利息の支払は、当該発行者が善意の場合であっても、当該銘柄の他の短期社債に係る当該発行者の債務を消滅させる効力を有しない。
2 社債権者は、発行者に対し、前項に規定する元本の償還又は利息の支払に係る金額の返還をする義務を負わない。
3 発行者は、第一項に規定する元本の償還又は利息の支払をしたときは、前項に規定する金額の限度において、前条第二項第一号の規定による社債権者の振替機関に対する権利を取得する。
第四節 短期社債の発行等に関する商法の特例
(短期社債の発行等に関する商法の特例)
第五十九条 株式会社は、商法第二百九十六条の規定にかかわらず、取締役会の決議をもって、短期社債の発行を、特定の取締役に委任することができる。この場合において、当該取締役会においては、次に掲げる事項も併せて決議しなければならない。
一 当該決議に基づいて短期社債を発行することができる期間
二 前号の期間中において当該株式会社が発行した短期社債のうち償還されていないものの総額の限度額
2 短期社債については、社債原簿を作成することを要しない。
3 短期社債については、商法第二百九十七条から第二百九十九条まで、第三百九条から第三百十四条まで、第三百十九条から第三百四十一条ノ十八まで及び第三百七十六条第三項(同法第三百七十四条ノ四第二項、第三百七十四条ノ二十第二項及び第四百十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
第五節 雑則
(振替口座簿に記録されている事項の証明)
第六十条 加入者は、振替機関に対し、当該振替機関が定めた費用を支払って、振替口座簿の自己の口座に記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる。当該口座につき利害関係を有する者として政令で定めるものについても、同様とする。
(最高裁判所規則への委任)
第六十一条 短期社債に関する強制執行、仮差押え及び仮処分の執行、競売並びに没収保全に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第四章 その他の短期社債等の振替
(短期社債に係る規定の準用)
第六十二条 前章の規定(第四節の規定を除く。)は、短期社債以外の短期社債等について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第五章 雑則
(財務大臣への協議)
第六十三条 主務大臣は、振替機関に対し第二十二条第一項の規定による第三条第一項の指定の取消しをすることが有価証券の流通に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、有価証券の流通の円滑を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
(財務大臣への通知)
第六十四条 主務大臣は、次に掲げる処分をしたときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
一 第三条第一項の規定による指定(第二十五条第五項、第二十七条第五項、第二十九条第五項又は第三十一条第五項の規定により指定を受けたものとみなされる場合を含む。)
二 第二十二条第一項の規定による第三条第一項の指定の取消し
2 主務大臣は、第四十一条第二項の規定による届出を受理したときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
(財務大臣への資料の提出)
第六十五条 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、短期社債等の振替に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
(主務省令への委任)
第六十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。
(主務大臣及び主務省令)
第六十七条 この法律において、主務大臣は内閣総理大臣及び法務大臣とし、主務省令は内閣府令・法務省令とする。
(権限の委任)
第六十八条 内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
第六章 罰則
第六十九条 加入者集会における発言若しくは議決権の行使に関し不正の請託を受けて財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。
3 第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第七十条 第四十七条第二項、第四十八条第一項、第四十九条第一項若しくは第四項若しくは第五十条(これらの規定を第六十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して振替口座簿に記録すべき事項を記録せず、又はこれに虚偽の記録をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第七十一条 第二十二条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第七十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第四条第一項、第二十五条第二項、第二十七条第二項、第二十九条第二項若しくは第三十一条第二項の申請書又は第四条第二項、第二十五条第三項、第二十七条第三項、第二十九条第三項若しくは第三十一条第三項の添付書類に虚偽の記載をして提出した者
二 第十五条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者
三 第十六条第一項の規定による報告書の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
四 第二十条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
五 第四十三条第三項において準用する第二十条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第七十三条 第七条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第七十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第六条第一項の規定による認可を受けないで資本の額を減少し、又は虚偽の申請をして同項の認可を受けた者
二 第十八条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第十九条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第七十五条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。
一 第七十条又は第七十一条 三億円以下の罰金刑
二 第七十二条(第五号を除く。) 二億円以下の罰金刑
三 第七十二条第五号又は前条 各本条の罰金刑
第七十六条 振替機関の取締役、監査役又は清算人が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。
一 第六条第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第二十一条又は第二十三条の規定による命令に違反したとき。
三 第三十四条第二項又は第三項の規定に違反して、通知をすることを怠り、又は不正の通知をしたとき。
四 第三十六条第二項において準用する株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第二項の規定に違反して、加入者集会の招集の通知に書面を添付しなかったとき。
五 第三十六条第二項において準用する株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第六項において準用する商法第二百三十九条第五項又は第三十九条において準用する同法第三百三十九条第三項の規定に違反して、書面又は議事録を備え置かなかったとき。
六 正当な理由がないのに第三十六条第二項において準用する株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第六項において準用する商法第二百三十九条第六項又は第三十九条において準用する同法第三百三十九条第四項の規定による書面又は議事録の閲覧又は謄写を拒んだとき。
七 業務規程に定めた地以外の地において、又は第三十九条において準用する商法第二百三十三条の規定に違反して、加入者集会を招集したとき。
八 正当な理由がないのに加入者集会において加入者の求めた事項について説明をしなかったとき。
九 加入者集会に対し、虚偽の申立てをし、又は事実を隠ぺいしたとき。
十 第三十九条において準用する商法第三百二十八条の規定に違反して、加入者集会の決議の認可に関する公告をすることを怠り、又は不正の公告をしたとき。
十一 第三十九条において準用する商法第三百三十九条第二項の規定に違反して、議事録に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。
十二 正当な理由がないのに第六十条(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒み、又は虚偽の記載をした書面を交付したとき。
第七十七条 法人の役員が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。
一 第十三条第二項の規定に違反して他の振替機関に同意をしたとき。
二 第四十五条第一項(同条第二項の規定により社債券を発行する場合を除く。)(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して社債券その他の券面を発行したとき。
三 正当な理由がないのに第四十五条第二項(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。
四 第四十七条第一項(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、通知をすることを怠り、又は虚偽の通知をしたとき。
第七十八条 第四十一条第二項に規定する振替機関であった者又は一般承継人の役員が同項の規定に違反して届出を怠ったときは、三十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日等)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日(以下「施行日」という。)から施行し、施行日以後に発行される短期社債等について適用する。
(商工組合中央金庫法の一部改正)
第二条 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第二十八条第一項第十九号中「該当スルモノ」の下に「及短期社債等」を加え、同条第五項の次に次の一項を加える。
第一項第十九号ノ「短期社債等」トハ短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項ニ掲グル短期社債等ヲ謂フ
第二十八条ノ六第一項第一号ノ二中「特定社債(」の下に「特定短期社債ヲ除キ」を加え、同条第二項中「又ハ「特定社債」」を「、「特定社債」又ハ「特定短期社債」」に、「又ハ同条第七項」を「、同条第七項」に改め、「掲グル特定社債」の下に「又ハ同条第八項ニ掲グル特定短期社債」を加える。
(陸上交通事業調整法の一部改正)
第三条 陸上交通事業調整法(昭和十三年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。
第六条中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項ニ規定スル短期社債ヲ除ク)」を加える。
(地方自治法の一部改正)
第四条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第二百三十八条第一項第六号中「債券を含む」を「債券を含み、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等に係るものを除く」に改める。
第二百四十条第四項第三号中「登録されたもの」の下に「及び短期社債等の振替に関する法律の規定により振替口座簿に記録されたもの」を加える。
(農業協同組合法の一部改正)
第五条 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第十条第六項第六号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を、「有価証券」の下に「(前号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)を除く。第七号において同じ。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。
六の三 短期社債等の取得又は譲渡
第十条第六項第十五号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第十一項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第六号の三の事業には短期社債等について」を加え、同条第十二項中「又は「特定社債」」を「、「特定社債」又は「特定短期社債」」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に、「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に改める。
(証券取引法の一部改正)
第六条 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第二十三条の三第一項中「及び発行予定額」の下に「又は発行若しくは売出しの限度額」を加える。
第二十三条の八第一項の次に次の一項を加える。
前項の規定にかかわらず、発行登録によりあらかじめその募集又は売出しが登録されている短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等(その取扱いを行う振替機関(同条第三項に規定する振替機関をいう。)により、その発行残高が公衆の縦覧に供されるものに限る。)については、当該発行登録がその効力を生じている場合には、これを募集又は売出しにより取得させ、又は売り付けることができる。
第二十三条の十二第四項中「第二十三条の八第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、同条第六項中「提出されたこと」の下に「(第二十三条の八第二項の有価証券の募集又は売出しにあつては、発行登録の効力が生じていること。)」を加え、同条に次の一項を加える。
第二項、第三項及び第五項の規定は、第二十三条の八第二項の有価証券については、適用しない。
第二十四条第一項第三号中「第二十三条の八第一項本文」の下に「若しくは第二項」を加える。
第二十七条の三十の二中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に改める。
第百九十七条第一項第一号中「及び第四項」を「及び第五項」に改める。
第二百五条第一号中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に、「第二十三条の八第二項」を「第二十三条の八第三項」に改める。
第二百八条第一号中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に改める。
(証券取引法の一部改正に伴う経過措置)
第七条 前条の規定による改正後の証券取引法の規定は、施行日以後に同法第二十三条の三第一項の規定によりその募集又は売出しが登録される短期社債等について適用し、施行日前に前条の規定による改正前の同法第二十三条の三第一項の規定によりその募集又は売出しが登録されている短期社債等については、なお従前の例による。
(証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律の一部改正)
第八条 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
附則第五条第三号中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に改める。
(国有財産法の一部改正)
第九条 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第六号中「債券を含む」を「債券を含み、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等に係るものを除く」に改める。
(中小企業等協同組合法の一部改正)
第十条 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。
第九条の八第二項第七号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)」を加え、同項第十号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
十の三 短期社債等の取得又は譲渡
第九条の八第二項第十九号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第十号の三の事業には短期社債等について」を加え、同条第六項第二号の二中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
(貿易保険法の一部改正)
第十一条 貿易保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第十七項中「債権若しくは当該資金を調達するために発行される外国政府等若しくは外国法人の公債、社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。以下この項において同じ。)」を加える。
(相続税法の一部改正)
第十二条 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号中「但し」を「ただし」に改め、同項第七号中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改め、同項第十号中「外」を「ほか」に改める。
第四十一条第二項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「社債」の下に「(特別の法律により法人の発行する債券を含み、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等を除く。)」を加え、「債券及び」を削る。
(中小企業信用保険法の一部改正)
第十三条 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の一部を次のように改正する。
第三条の八第一項中「よるものに限る」を「よるものに限り、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く」に改める。
(信用金庫法の一部改正)
第十四条 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第五十三条第三項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条及び次条において同じ。)」を加え、同項第五号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
五の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十三条第三項第十五号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第四項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第五号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第五項第二号の二中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
第五十四条第四項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同項第五号の二の次に次の一号を加える。
五の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十四条第四項第十五号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加える。
(長期信用銀行法の一部改正)
第十五条 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)の一部を次のように改正する。
第六条第一項第二号中「、社債その他の債券」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等を除く。)」を加える。
(電源開発促進法の一部改正)
第十六条 電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)の一部を次のように改正する。
第二十七条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第三十二条第一項において同じ。)」を加える。
(中小企業金融公庫法等の一部改正)
第十七条 次に掲げる法律の規定中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。)」を加える。
一 中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)第十九条第二号
二 沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)第十九条第一項第五号
三 通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号)第二十八条第一項第八号
四 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法(昭和六十一年法律第四十五号)第十条第一項
五 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法(昭和六十一年法律第七十七号)第四十条第一項第一号
六 特定通信・放送開発事業実施円滑化法(平成二年法律第三十五号)第六条第一項第一号
七 電気通信基盤充実臨時措置法(平成三年法律第二十七号)第六条第一項第一号
八 受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法(平成七年法律第七十七号)第六条第一号
九 特定産業集積の活性化に関する臨時措置法(平成九年法律第二十八号)第十三条第一号
十 大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律(平成十年法律第五十二号)第六条第一号
十一 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律(平成十年法律第九十二号)第二十二条第一号
十二 新事業創出促進法(平成十年法律第百五十二号)第三十二条第一号
十三 高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法(平成十一年法律第六十三号)第六条第一号
十四 産業活力再生特別措置法(平成十一年法律第百三十一号)第十四条第一号
十五 新事業創出促進法の一部を改正する法律(平成十一年法律第二百二十三号)附則第五条第三項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧特定新規事業実施円滑化臨時措置法(平成元年法律第五十九号)第六条第一号
(信用保証協会法の一部改正)
第十八条 信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項第四号中「限る」を「限り、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く」に改める。
(労働金庫法の一部改正)
第十九条 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)の一部を次のように改正する。
第五十八条第二項第八号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)」を加え、同項第十一号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
十一の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十八条第二項第二十号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第十一号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第六項第二号の二中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
第五十八条の二第一項第六号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同項第九号の二の次に次の一号を加える。
九の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十八条の二第一項第十八号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第十二項中「「次条第一項第九号」と」の下に「、「同項第十一号の三」とあるのは「同項第九号の三」と」を加える。
(国の債権の管理等に関する法律の一部改正)
第二十条 国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第二号中「登録されたもの」の下に「及び短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)の規定により振替口座簿に記録されたもの」を加える。
(電気事業法の一部改正)
第二十一条 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)の一部を次のように改正する。
第三十七条第一項中「社債権者」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債の社債権者を除く。)」を加える。
(銀行法の一部改正)
第二十二条 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
第十条第二項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)」を加え、同項第五号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
五の三 短期社債等の取得又は譲渡
第十条第二項第十六号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第五号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第六項中「又は「特定社債」」を「、「特定社債」又は「特定短期社債」」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に、「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に改める。
(株券等の保管及び振替に関する法律の一部改正)
第二十三条 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「第四条各号」を「第四条第一項各号」に改め、同項第二号中「又はこの法律に」を「若しくは短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号。以下この項及び第四条において「短期社債法」という。)又はこれらに」に改め、同項第三号ニ中「又はこの法律」を「若しくは短期社債法第二十二条第一項の規定により短期社債法第三条第一項の指定を取り消された場合又はこの法律若しくは短期社債法」に、「この項の指定に類する」を「これらの指定に類する」に改め、同号ホ中「又はこの法律」を「若しくは短期社債法第二十二条第一項の規定又はこの法律若しくは短期社債法」に改める。
第四条に次の二項を加える。
2 保管振替機関は、保管振替業のほか、短期社債法第三条第一項に規定する振替業及び短期社債法第九条第一項ただし書の規定により承認を受けた業務(次項及び次条第一項において「振替業等」という。)を営むことができる。
3 前項の規定は、保管振替機関が振替業等を営む場合において、短期社債法及びこれに基づく命令の適用を排除するものと解してはならない。
第四条の二第一項中「保管振替業のほか」を「保管振替業及び振替業等のほか」に改める。
(関西国際空港株式会社法の一部改正)
第二十四条 関西国際空港株式会社法(昭和五十九年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第十八条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第二十八条第一項第四号において同じ。)」を加える。
(旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部改正)
第二十五条 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第二十条第二号において同じ。)」を加える。
(中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法の一部改正)
第二十六条 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(平成七年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。
第十四条の三第一項第一号中「発行する社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。)」を加える。
(保険業法の一部改正)
第二十七条 保険業法の一部を次のように改正する。
目次中「第六十条・第六十一条」を「第六十条―第六十一条の二」に改める。
第六十一条第三項中「(昭和十七年法律第十一号)」の下に「、担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)」を加え、第二編第二章第二節第六款中同条の次に次の一条を加える。
(短期社債に係る特例)
第六十一条の二 相互会社は、前条第一項の規定にかかわらず、取締役会の決議をもって、次に掲げる要件のすべてに該当する社債(以下この条において「短期社債」という。)の発行を、特定の取締役に委任することができる。
一 契約により社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法の規定により担保が付されるものでないこと。
2 前項の場合において、当該取締役会においては、次に掲げる事項も併せて決議しなければならない。
一 当該決議に基づいて短期社債を発行することができる期間
二 前号の期間中において当該相互会社が発行した短期社債のうち償還されていないものの総額の限度額
3 短期社債については、社債原簿を作成することを要しない。
4 短期社債については、前条第二項、第七十条第五項及び第百七十三条第一項の規定にかかわらず、商法第二百九十七条から第二百九十九条まで(社債管理会社の設置等)、第三百九条から第三百十四条まで(社債管理会社の権限等)、第三百十九条から第三百四十一条まで(社債権者集会)及び第三百七十六条第三項(資本減少の場合における社債権者の異議)(同法第四百十六条第二項(減資に対する社債権者の異議申出方法の合併への準用)において準用する場合を含む。)の規定は、準用しない。
第九十八条第一項第四号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
四の三 短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)の取得又は譲渡(資産の運用のために行うものを除く。)
第九十八条第一項第五号及び第十号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第四項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第四号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第五項中「又は「特定社債」」を「、「特定社債」又は「特定短期社債」」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に、「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に改める。
第九十九条第二項第二号中「(明治三十八年法律第五十二号)」を削る。
(中部国際空港の設置及び管理に関する法律の一部改正)
第二十八条 中部国際空港の設置及び管理に関する法律(平成十年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第二十七条第四号において同じ。)」を加える。
(資産の流動化に関する法律の一部改正)
第二十九条 資産の流動化に関する法律の一部を次のように改正する。
目次中「第三款 新優先出資引受権付特定社債(第百十三条の四・第百十三条の五)」を
第三款
新優先出資引受権付特定社債(第百十三条の四・第百十三条の五)
第四款
特定短期社債(第百十三条の六・第百十三条の七)
に改める。
第二条第二項第一号中「特定社債券」を「特定社債」に改め、同項第二号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同条第十七項を同条第十八項とし、同条第十一項から第十六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第十項中「優先出資証券、特定社債券」を「優先出資、特定社債」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第九項を同条第十項とし、同条第八項を同条第九項とし、同条第七項の次に次の一項を加える。
8 この法律において「特定短期社債」とは、特定社債のうち、次に掲げるすべての要件を満たすものをいう。
一 契約により特定社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各特定社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、特定社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の規定及び第百十三条第三項の規定により担保が付されるものでないこと。
第五条第一項第二号イ中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同号ロ中「特定社債券」を「特定社債(特定短期社債を除く。以下この号、第三十八条第二項第六号、第八十五条第二項、第百十条第二項第十六号、第百十八条の三第一項第一号及び第百十八条の四第二項において同じ。)」に改め、同号ハ中「転換特定社債券」を「転換特定社債」に改め、同号ニ中「新優先出資引受権付特定社債券」を「新優先出資引受権付特定社債」に改め、同号ヘを同号トとし、同号ホを同号ヘとし、同号ニの次に次のように加える。
ホ 特定短期社債においては、限度額その他の発行及び償還に関する事項として内閣府令で定める事項
第三十八条第二項第五号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同項第六号中「に特定社債」の下に「、特定短期社債」を加え、「、特定約束手形」を「、特定短期社債又は特定約束手形」に改める。
第八十五条第二項中「第一種特定目的会社」を「資産対応証券として特定社債のみを発行する特定目的会社」に改める。
第百十条第二項中第十九号を第二十号とし、第十八号を第十九号とし、第十七号を第十八号とし、第十六号の次に次の一号を加える。
十七 資産流動化計画に特定短期社債の発行についての定めがあるときは、当該特定短期社債の限度額その他の内閣府令で定める事項及びその発行状況
第百十三条第二項中「(明治三十八年法律第五十二号)」を削る。
第二編第二章第六節中第三款の次に次の一款を加える。
第四款 特定短期社債
(特定短期社債の発行)
第百十三条の六 特定目的会社は、特定短期社債については、次に掲げる場合に限り、これを発行することができる。
一 次に掲げるすべての要件を満たすものである場合
イ その発行の目的が、特定資産を取得するために必要な資金を調達するものであること。
ロ 資産流動化計画においてその発行の限度額が定められていること。
ハ 投資者の保護のため必要なものとして内閣府令で定める要件
二 この条の規定により発行した特定短期社債の償還のための資金を調達する場合
(特定社債に係る規定の適用除外等)
第百十三条の七 特定短期社債については、特定社債原簿を作成することを要しない。
2 特定短期社債については、第百八条、第百九条、第百十一条、第百十三条第一項において準用する商法第二百九十八条、第二百九十九条及び第三百十九条から第三百四十一条まで、第百十三条の二から第百十三条の五まで、第百十八条第三項及び第百十八条の八第二項において準用する同法第三百七十六条第三項並びに第百十八条の五の規定は、適用しない。
第百十八条の三第一項第三号中「第百十八条の六第四項」を「第百十八条の五の二第四項」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号中「第百十八条の六第四項」を「第百十八条の六第三項において準用する第百十八条の五の二第四項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 特定短期社債を発行している特定目的会社 第百十八条の五の二第四項の規定により資産流動化計画の変更に反対する旨を特定目的会社に対し通知した特定短期社債権者が有する特定短期社債の額の合計額
第百十八条の四第三項中「第百十八条の六第四項又は」を「第百十八条の五の二第四項又は第百十八条の六第三項若しくは」に、「第百十八条の六第四項の」を「第百十八条の五の二第四項の」に改め、同条第四項中「(特定社債」の下に「(特定短期社債ヲ除ク)」を加える。
第百十八条の五の次に次の一条を加える。
(特定短期社債権者の反対)
第百十八条の五の二 特定短期社債を発行している特定目的会社は、計画変更決議により資産流動化計画の変更を行うときは、当該計画変更決議を行う社員総会の会日の一月前までに、二週間以上の期間を定め、かつ、その変更に反対するときは当該期間内にその旨を書面をもって通知すべきことを公告しなければならない。
2 特定短期社債権者は、当該特定短期社債権者が有する特定社債券(特定短期社債に係るものに限る。)の供託その他の内閣府令で定める措置をとらなければ、前項の反対をすることができない。
3 特定短期社債権者が第一項の規定により定められた期間内に反対の旨を書面をもって通知しなかったときは、資産流動化計画の変更を承認したものとみなす。
4 特定短期社債権者が反対の旨を書面をもって通知したときは、特定目的会社は、当該特定短期社債権者に係る特定短期社債に係る債務について、資産流動化計画の変更を行った後遅滞なく弁済を行わせることを目的として、信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。
第百十八条の六第三項を次のように改める。
3 前条第三項及び第四項の規定は、特定約束手形の所持人について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは、「第百十八条の六第一項」と読み替えるものとする。
第百十八条の六第四項を削る。
第百十八条の七第二項中「前条第三項」を「第百十八条の五の二第三項」に改める。
第百五十条(見出しを含む。)中「優先出資証券又は特定社債券」を「優先出資又は特定社債」に改める。
第百五十条の三第一項中「資産対応証券(」の下に「特定短期社債及び」を加える。
第百五十条の五を次のように改める。
第百五十条の五 削除
第百七十八条第一項中「、「既ニ発行セラレタル株券アルトキハ之ヲ」とあるのは「受益証券ヲ」と」を削る。
(資産の流動化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第三十条 前条の規定による改正前の資産の流動化に関する法律(以下この条及び次条において「旧資産流動化法」という。)第五条第一項第二号ロ、第三十八条第二項第六号並びに第百十八条の四第二項及び第四項の規定は、施行日前に発行された特定短期社債(前条の規定による改正後の資産の流動化に関する法律(次項及び次条において「新資産流動化法」という。)第二条第八項に規定する特定短期社債をいう。)については、なおその効力を有する。この場合において、旧資産流動化法第五条第一項第二号ロ中「特定社債券」とあるのは、「特定社債」とする。
2 旧資産流動化法第五条第一項第二号イからニまでに掲げる事項が記載された資産流動化計画については、新資産流動化法第五条第一項第二号イからニまでに掲げる事項が記載された資産流動化計画とみなして、新資産流動化法の規定又は前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧資産流動化法第五条第一項第二号ロ、第三十八条第二項第六号並びに第百十八条の四第二項及び第四項の規定を適用する。
第三十一条 旧資産流動化法第八十五条第二項の適用を受けない特定目的会社が新資産流動化法第八十五条第二項の特定目的会社に該当する場合においては、当該特定目的会社については、施行日以後最初に到来する決算期に関する社員総会の終結の時までは、同項の規定は、適用しない。
(地方税法の一部改正)
第三十二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十四条の三第一項ただし書、第七十二条の三第一項ただし書、第七十二条の八十第二項、第二百九十四条の三第一項ただし書及び附則第五条第一項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(宅地建物取引業法の一部改正)
第三十三条 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の一部を次のように改正する。
第五十条の二第一項第二号ロ中「第二条第十五項」を「第二条第十六項」に改める。
(租税特別措置法の一部改正)
第三十四条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第六十七条の十四第一項第一号ロ中「第二条第八項」を「第二条第九項」に改める。
第八十三条の七第一項第一号ロ中「第二条第十項」を「第二条第十一項」に改め、同号ニ中「第二条第十一項」を「第二条第十二項」に改める。
(所得税法の一部改正)
第三十五条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第十五号の四中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(法人税法の一部改正)
第三十六条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第二十九号の二中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(預金保険法の一部改正)
第三十七条 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第百三十二条第二項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
第百三十二条の二第四項中「第二条第十六項」を「第二条第十七項」に改める。
(消費税法の一部改正)
第三十八条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
第十四条第二項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(特定債権等に係る事業の規制に関する法律の一部改正)
第三十九条 特定債権等に係る事業の規制に関する法律(平成四年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
第十一条第二項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(債権管理回収業に関する特別措置法の一部改正)
第四十条 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第九号中「第二条第九項」を「第二条第十項」に改め、同項第十一号中「同条第十五項」を「同条第十六項」に改める。
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第四十一条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
別表に次の一号を加える。
六十三 短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第六十九条第一項(加入者の権利の行使に関する収賄)の罪
(農林中央金庫法の一部改正)
第四十二条 農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第五十四条第四項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)」を加え、同項第六号中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
六の二 短期社債等の取得又は譲渡
第五十四条第四項第十八号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第六号の二に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第六項第三号中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
(株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第四十三条 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律(平成十三年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
附則第二条中「第三条の四」の下に「、第四条第二項及び第三項」を加える。
(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部改正)
第四十四条 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部を次のように改正する。
目次中「第六節 特定社債(第百八条―第百十三条)」を
第六節
特定社債
第一款
通則(第百八条―第百十三条)
第二款
特定短期社債(第百十三条の二・第百十三条の三)
に改める。
第二条第九項第一号中「特定社債券」を「特定社債」に改め、同項第二号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同項を同条第十項とし、同条第八項中「優先出資証券、特定社債券」を「優先出資、特定社債」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項を同条第八項とし、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項の次に次の一項を加える。
6 この法律において「特定短期社債」とは、特定社債のうち、次に掲げるすべての要件を満たすものをいう。
一 契約により特定社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各特定社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、特定社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の規定により担保が付されるものでないこと。
第五条第一項第二号イ中「優先出資証券」を「優先出資」に、「総理府令」を「内閣府令」に改め、同号ロ中「特定社債券」を「特定社債(特定短期社債を除く。以下この号、第三十八条第二項第六号、第八十五条第二項及び第百十条第二項第十六号において同じ。)」に、「総理府令」を「内閣府令」に改め、同号ハを同号ニとし、同号ロの次に次のように加える。
ハ 特定短期社債においては、限度額その他の発行及び償還に関する事項として内閣府令で定める事項
第三十八条第二項第五号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同項第六号中「に特定社債」の下に「、特定短期社債」を加え、「、特定約束手形」を「、特定短期社債又は特定約束手形」に、「総理府令」を「内閣府令」に改める。
第三章第六節中第百八条の前に次の款名を付する。
第一款 通則
第百十条第二項中第十七号を第十八号とし、第十六号を第十七号とし、第十五号の次に次の一号を加える。
十六 定款に記載した資産流動化計画に特定短期社債の発行についての定めがあるときは、当該特定短期社債の限度額その他の内閣府令で定める事項及びその発行状況
第百十三条第二項中「特定社債は」の下に「、担保附社債信託法」を加え、第三章第六節中同条の次に次の一款を加える。
第二款 特定短期社債
(特定短期社債の発行)
第百十三条の二 特定目的会社は、特定短期社債については、次に掲げる場合に限り、これを発行することができる。
一 次に掲げる要件のすべてを満たすものである場合
イ その発行の目的が、特定資産を取得するために必要な資金を調達するものであること。
ロ 第三条の登録に係る資産流動化計画においてその発行の限度額が定められていること。
ハ 投資者の保護のため必要なものとして内閣府令で定める要件
二 この条の規定により発行した特定短期社債の償還のための資金を調達する場合
(特定社債に係る規定の適用除外等)
第百十三条の三 特定短期社債については、特定社債原簿を作成することを要しない。
2 特定短期社債については、第百八条、第百九条、第百十一条、第百十三条第一項において準用する商法第二百九十八条、第二百九十九条及び第三百十九条から第三百四十一条まで並びに第百十八条第三項において準用する同法第三百七十六条第三項の規定は、適用しない。
第百五十条の見出しを「(種類等を異にする優先出資又は特定社債の発行)」に改め、同条中「総理府令」を「内閣府令」に、「優先出資証券又は特定社債券」を「優先出資又は特定社債」に改める。
(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第四十五条 前条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(以下この条において「旧特定目的会社法」という。)第五条第一項第二号ロ及び第三十八条第二項第六号の規定は、施行日前に発行された特定短期社債(前条の規定による改正後の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(次項において「新特定目的会社法」という。)第二条第六項に規定する特定短期社債をいう。)については、なおその効力を有する。この場合において、旧特定目的会社法第五条第一項第二号ロ中「特定社債券」とあるのは、「特定社債」とする。
2 旧特定目的会社法第五条第一項第二号イ又はロに掲げる事項が記載された資産流動化計画については、新特定目的会社法第五条第一項第二号イ又はロに掲げる事項が記載された資産流動化計画とみなして、新特定目的会社法の規定又は前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧特定目的会社法第五条第一項第二号ロ及び第三十八条第二項第六号の規定を適用する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第四十六条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第四十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第四十八条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、振替機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
法務大臣 森山眞弓
財務大臣 塩川正十郎
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 武部勤
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子
短期社債等の振替に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年六月二十七日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第七十五号
短期社債等の振替に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
振替機関
第一節
通則(第三条―第七条)
第二節
業務(第八条―第十四条)
第三節
監督(第十五条―第二十四条)
第四節
合併、分割及び営業の譲渡(第二十五条―第三十二条)
第五節
加入者集会(第三十三条―第三十九条)
第六節
解散等(第四十条―第四十三条)
第三章
短期社債の振替
第一節
通則(第四十四条・第四十五条)
第二節
振替口座簿(第四十六条―第五十条)
第三節
振替の効果等(第五十一条―第五十八条)
第四節
短期社債の発行等に関する商法の特例(第五十九条)
第五節
雑則(第六十条・第六十一条)
第四章
その他の短期社債等の振替(第六十二条)
第五章
雑則(第六十三条―第六十八条)
第六章
罰則(第六十九条―第七十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、短期社債等の振替を行う振替機関及び短期社債等の発行、譲渡等に関し必要な事項を定めることにより、短期社債等の流通の円滑化を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「短期社債」とは、次に掲げる要件のすべてに該当する社債をいう。
一 契約により社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の規定により担保が付されるものでないこと。
2 この法律において「短期社債等」とは、次に掲げるものをいう。
一 短期社債
二 保険業法(平成七年法律第百五号)第六十一条の二第一項に規定する短期社債
三 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第八項に規定する特定短期社債(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十七号)附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第六項に規定する特定短期社債を含む。)
3 この法律において「振替機関」とは、次条第一項の規定により主務大臣の指定を受けた株式会社をいう。
4 この法律において「加入者」とは、振替機関が第十二条第一項の規定により短期社債等の振替を行うための口座を開設した者をいう。
第二章 振替機関
第一節 通則
(振替業を営む者の指定)
第三条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える株式会社を、その申請により、この法律の定めるところにより第八条第一項に規定する業務(以下「振替業」という。)を営む者として、指定することができる。
一 第二十二条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された日から五年を経過しない者でないこと。
二 この法律若しくは株券等の保管及び振替に関する法律(昭和五十九年法律第三十号。以下この項及び第八条において「保管振替法」という。)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。
三 取締役又は監査役のうちに次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ニ 第二十二条第一項の規定によりこの項の指定を取り消された場合若しくは保管振替法第九条の二第一項の規定により保管振替法第三条第一項の指定を取り消された場合又はこの法律若しくは保管振替法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けているこれらの指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその会社の取締役又は監査役(外国の法令上これらと同様に取り扱われている者を含む。ホにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者
ホ 第二十二条第一項の規定若しくは保管振替法第九条の二第一項の規定又はこの法律若しくは保管振替法に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた取締役又は監査役でその処分を受けた日から五年を経過しない者
ヘ 前号に規定する法律、商法(明治三十二年法律第四十八号)、有限会社法(昭和十三年法律第七十四号)、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号)若しくはこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第四十六条、第四十七条、第四十九条若しくは第五十条の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
四 定款及び振替業の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が、法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより振替業を適正かつ確実に遂行するために十分であると認められること。
五 振替業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、振替業に係る収支の見込みが良好であると認められること。
六 その人的構成に照らして、振替業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すると認められること。
2 主務大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した振替機関の商号及び本店の所在地を官報で公示しなければならない。
(指定の申請)
第四条 前条第一項の指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 商号
二 資本の額及び純資産額
三 本店その他の営業所の名称及び所在地
四 取締役及び監査役の氏名
五 振替業以外の業務を営むときは、その業務の内容
2 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 前条第一項第二号及び第三号に掲げる要件に該当する旨を誓約する書面
二 定款
三 会社登記簿の謄本
四 業務規程
五 貸借対照表及び損益計算書
六 収支の見込みを記載した書類
七 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める書類
(資本の額等)
第五条 振替機関の資本の額は、政令で定める金額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める金額は、五億円を下回ってはならない。
3 振替機関の純資産額は、第一項の政令で定める金額以上でなければならない。
(資本の額の変更)
第六条 振替機関は、その資本の額を減少しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。
2 振替機関は、その資本の額を増加しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。
(秘密保持義務)
第七条 振替機関の取締役、監査役若しくは職員又はこれらの職にあった者は、振替業に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
第二節 業務
(業務の範囲)
第八条 振替機関は、この法律の定めるところにより、短期社債等の振替に関する業務を行うものとする。
2 振替機関は、振替業のほか、保管振替法第三条第一項に規定する保管振替業及び保管振替法第四条の二第一項ただし書の規定により承認を受けた業務(次項及び次条第一項において「保管振替業等」という。)を営むことができる。
3 前項の規定は、振替機関が保管振替業等を営む場合において、保管振替法及びこれに基づく命令の適用を排除するものと解してはならない。
(兼業の制限)
第九条 振替機関は、振替業及び保管振替業等のほか、他の業務を営むことができない。ただし、振替業に関連する業務で、当該振替機関が振替業を適正かつ確実に営むにつき支障を生ずるおそれがないと認められるものについて、主務省令で定めるところにより、主務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2 振替機関は、前項ただし書の承認を受けた業務を廃止したときは、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(振替業の一部の委託)
第十条 振替機関は、主務省令で定めるところにより、振替業の一部を、主務大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。
2 振替機関は、前項の規定による振替業の一部の委託に関する契約には、業務を委託する相手方が当該業務を他の者に委託しない旨の条件を付さなければならない。
(業務規程)
第十一条 振替機関は、業務規程において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 取り扱う短期社債等に関する事項
二 加入者の口座に関する事項
三 振替口座簿の記録に関する事項
四 第五十六条第一項(第六十二条において準用する場合を含む。第十九条において同じ。)に規定する場合の義務の履行に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、振替業の実施に必要な事項として主務省令で定める事項
(口座の開設及び振替口座簿の備付け)
第十二条 振替機関は、業務規程の定めるところにより、他の者のために、その申出により短期社債等の振替を行うための口座を開設しなければならない。
2 振替機関は、第五十六条第一項及び第二項(これらの規定を第六十二条において準用する場合を含む。)の義務を履行する目的のため、自己のために短期社債等の振替を行うための口座(以下「機関口座」という。)を開設することができる。
3 振替機関は、振替口座簿を備えなければならない。
(発行者の同意)
第十三条 振替機関は、あらかじめ発行者から当該振替機関において取り扱うことについて同意を得た短期社債等でなければ、取り扱うことができない。
2 前項の場合において、発行者は、特定の種類の短期社債等について一の振替機関に同意をしたときは、当該短期社債等について他の振替機関に同意をしてはならない。
(差別的取扱いの禁止)
第十四条 振替機関は、特定の加入者又は発行者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
第三節 監督
(帳簿書類等の作成及び保存)
第十五条 振替機関は、主務省令で定めるところにより、業務に関する帳簿書類その他の記録を作成し、保存しなければならない。
(業務及び財産に関する報告書の提出)
第十六条 振替機関は、決算期ごとに、業務及び財産に関する報告書を作成し、主務大臣に提出しなければならない。
2 前項の報告書に関する記載事項、提出期日その他必要な事項は、主務省令で定める。
(定款又は業務規程の変更)
第十七条 振替機関の定款又は業務規程の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(商号等の変更の届出)
第十八条 振替機関は、第四条第一項第一号、第三号又は第四号に掲げる事項に変更があったときは、その旨及び同条第二項第一号又は第三号に掲げる書類を、主務省令で定めるところにより、主務大臣に届け出なければならない。
2 主務大臣は、前項の規定により振替機関の商号又は本店の所在地の変更の届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(事故の報告)
第十九条 振替機関は、第五十六条第一項に規定する場合その他の主務省令で定める事故が生じたときは、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に報告しなければならない。
(報告及び検査)
第二十条 主務大臣は、振替業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、振替機関に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又はその職員に、振替機関の営業所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(業務改善命令)
第二十一条 主務大臣は、振替業の適正かつ確実な遂行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、振替機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(指定の取消し等)
第二十二条 主務大臣は、振替機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条第一項の指定若しくは第九条第一項ただし書の承認を取り消し、六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役若しくは監査役の解任を命ずることができる。
一 第三条第一項第二号又は第三号に掲げる要件に該当しないこととなったとき。
二 第三条第一項の指定当時に同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。
三 不正の手段により第三条第一項の指定を受けたことが判明したとき。
四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2 主務大臣は、前項の規定により第三条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(業務移転命令)
第二十三条 主務大臣は、振替機関が次の各号のいずれかに該当するときは、振替業を他の株式会社に移転することを命ずることができる。
一 前条第一項の規定により第三条第一項の指定を取り消されたとき。
二 振替業を廃止したとき。
三 解散したとき(設立、合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四 振替業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない事態又は破産の原因たる事実の生ずるおそれがあると認められるとき。
(業務移転命令に伴う株主総会の特別決議に関する特例)
第二十四条 前条の規定による命令を受けた振替機関(次項において「特定振替機関」という。)における商法第二百四十五条第一項、第三百四十三条、第三百四十五条第二項(同法第三百四十六条において準用する場合を含む。)、第三百七十四条ノ十七第四項又は第四百八条第三項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
2 特定振替機関における商法第四百八条第四項の規定による決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の過半数であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
3 第一項の規定により仮にした決議(以下この項及び次項において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。
4 前項の株主総会において第一項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。
5 前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第一項」とあるのは、「第二項」と読み替えるものとする。
第四節 合併、分割及び営業の譲渡
(特定合併の認可)
第二十五条 振替機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が振替業を営む場合に限る。以下この条及び次条において「特定合併」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、特定合併後存続する株式会社又は特定合併により設立される株式会社(以下この条において「特定合併後の振替機関」という。)について第四条第一項各号に掲げる事項を記載した合併認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
3 合併認可申請書には、合併契約書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 特定合併後の振替機関が第三条第一項各号に掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 特定合併後の振替機関(振替機関が特定合併後存続する株式会社である場合を除く。)は、特定合併の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 特定合併後の振替機関は、特定合併により消滅した振替機関の業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
(特定合併の場合の加入者の承認)
第二十六条 振替機関は、特定合併を行うときは、商法第四百八条第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
(新設分割の認可)
第二十七条 振替機関が新たに設立する株式会社に振替業の全部又は一部を承継させるために行う新設分割(以下この条及び次条において単に「新設分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、新設分割により設立される株式会社(以下この条において「設立会社」という。)について次に掲げる事項を記載した新設分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第四条第一項各号に掲げる事項
二 設立会社が承継する振替業
3 新設分割認可申請書には、分割計画書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 設立会社が第三条第一項第三号から第六号までに掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 設立会社は、新設分割の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 設立会社は、新設分割をした振替機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
(新設分割の場合の加入者の承認)
第二十八条 振替機関は、新設分割を行うときは、商法第三百七十四条第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
(吸収分割の認可)
第二十九条 振替機関が他の株式会社に振替業の全部又は一部を承継させるために行う吸収分割(以下この条及び次条において単に「吸収分割」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、吸収分割により振替業の全部又は一部を承継する株式会社(以下この条において「承継会社」という。)について次に掲げる事項を記載した吸収分割認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第四条第一項各号に掲げる事項
二 承継会社が承継する振替業
3 吸収分割認可申請書には、分割契約書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 承継会社が第三条第一項各号に掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 承継会社(振替機関が承継会社である場合を除く。)は、吸収分割の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 承継会社は、吸収分割をした振替機関の承継の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務を承継する。
(吸収分割の場合の加入者の承認)
第三十条 振替機関は、吸収分割を行うときは、商法第三百七十四条ノ十七第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
(営業譲渡の認可)
第三十一条 振替機関が他の株式会社に行う振替業の全部又は一部の譲渡(以下この条及び次条において「営業譲渡」という。)は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 前項の認可を受けようとする振替機関は、営業譲渡により振替業の全部又は一部を譲り受ける株式会社(以下この条において「譲受会社」という。)について次に掲げる事項を記載した営業譲渡認可申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 第四条第一項各号に掲げる事項
二 譲受会社が承継する振替業
3 営業譲渡認可申請書には、譲渡契約書その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
4 主務大臣は、第一項の認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 譲受会社が第三条第一項各号に掲げる要件に該当すること。
二 振替業の承継が円滑かつ適切に行われる見込みが確実であること。
5 譲受会社(振替機関が譲受会社である場合を除く。)は、営業譲渡の時に第三条第一項の指定を受けたものとみなす。
6 譲受会社は、営業譲渡をした振替機関の譲渡の対象となる業務に関し、行政官庁の認可その他の処分に基づいて有する権利義務及び第十三条第一項の発行者の同意に係る権利義務を承継する。
7 営業譲渡をした振替機関が開設した加入者の口座は、譲受会社が開設した加入者の口座とみなす。
(営業譲渡の場合の加入者の承認)
第三十二条 振替機関は、営業譲渡を行うときは、商法第二百四十五条第一項の株主総会の承認の決議のほか、加入者の承認を受けなければならない。
第五節 加入者集会
(決議事項)
第三十三条 加入者が第二十六条、第二十八条、第三十条又は前条の承認を行うには、加入者による集会(以下「加入者集会」という。)の決議によらなければならない。
(招集権者)
第三十四条 加入者集会は、振替機関が招集する。
2 加入者集会を招集するには、その会日の二週間前に、加入者に対して、招集の通知を発しなければならない。
3 前項の通知には、会議の目的たる事項及び議案の要領を記載しなければならない。
(加入者の議決権)
第三十五条 各加入者の議決権は、業務規程に別段の定めがある場合を除き、平等であるものとする。
(書面による議決権の行使)
第三十六条 加入者集会に出席しない加入者は、書面によって議決権を行使することができる。
2 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第二項から第六項までの規定は、前項の書面による議決権の行使について準用する。この場合において、同条第二項中「前項の会社」とあり、及び同条第三項中「第一項の会社」とあるのは「振替機関」と、同条第五項中「法務省令」とあるのは「主務省令」と読み替えるものとする。
(決議の方法)
第三十七条 加入者集会の決議は、出席した加入者の議決権の過半数をもって行う。
(みなし賛成)
第三十八条 振替機関は、業務規程をもって、加入者が加入者集会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該加入者はその加入者集会に提出された議案について賛成するものとみなす旨を定めることができる。
2 前項の定めをした振替機関は、第三十四条第二項の規定による通知にその定めを記載しなければならない。
3 第一項の定めに基づき議案に賛成するものとみなされた加入者の有する議決権の数は、出席した加入者の議決権の数に算入する。
(加入者集会に関する商法及び非訟事件手続法の準用)
第三十九条 商法第二百三十三条、第二百三十七条ノ三第一項、第二百三十七条ノ四、第二百三十九条第二項及び第三項、第二百四十三条、第三百二十三条、第三百二十五条から第三百二十八条まで、第三百三十七条第一項及び第三百三十九条第二項から第四項まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十五条ノ十五、第百三十五条ノ十九第一項及び第百三十五条ノ二十三の規定は、加入者集会について準用する。この場合において、商法第二百三十三条中「定款」とあるのは「業務規程」と、同法第二百三十七条ノ三第一項中「取締役及監査役」とあるのは「振替機関」と、同法第二百三十七条ノ四第一項中「定款」とあるのは「業務規程」と、同法第二百三十九条第二項中「会社」とあるのは「振替機関」と、同法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは「短期社債等の振替に関する法律第三十四条第二項」と、同法第三百二十三条中「社債権者集会又ハ其ノ招集者」とあるのは「加入者集会」と、「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と、同法第三百二十六条第一号中「社債募集ノ目論見書ノ記載」とあるのは「業務規程」と、同法第三百二十八条及び第三百三十七条第一項中「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と、同法第三百三十九条第二項中「社債ヲ発行シタル会社ノ代表者及社債管理会社ノ代表者」とあるのは「振替機関ノ代表者」と、同条第三項中「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と、同条第四項中「社債管理会社及社債権者」とあるのは「加入者」と、非訟事件手続法第百三十五条ノ十五中「社債ヲ発行シタル会社」とあるのは「振替機関」と読み替えるものとする。
第六節 解散等
(解散等の認可)
第四十条 次に掲げる事項は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一 振替機関の解散についての株主総会の決議
二 振替機関を全部又は一部の当事者とする合併(合併後存続する株式会社又は合併により設立される株式会社が振替業を営まない場合に限る。)
(指定の失効)
第四十一条 振替機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条第一項の指定は、その効力を失う。
一 振替業を廃止したとき。
二 解散したとき(設立、合併又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
2 前項の規定により指定が効力を失ったときは、その振替機関であった者又は一般承継人(合併により消滅した振替機関の権利義務を承継した者であって、振替業を営まないものに限る。次条において同じ。)は、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(指定取消し等の場合のみなし振替機関)
第四十二条 振替機関が第二十二条第一項の規定により第三条第一項の指定を取り消された場合又は前条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合においては、その振替機関であった者又は一般承継人は、当該振替機関が行った振替業を速やかに結了しなければならない。この場合において、当該振替機関であった者又は一般承継人は、その振替業の結了の目的の範囲内において、なおこれを振替機関とみなす。
(清算手続等における主務大臣の意見等)
第四十三条 裁判所は、振替機関の清算手続、破産手続、再生手続、整理手続、更生手続又は承認援助手続において、主務大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2 主務大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3 第二十条の規定は、第一項の規定により主務大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。
第三章 短期社債の振替
第一節 通則
(権利の帰属)
第四十四条 短期社債についての権利の帰属は、次条第二項の場合を除き、この章の規定による振替口座簿の記録により定まるものとする。
(社債券の不発行)
第四十五条 短期社債については、社債券(商法第三百六条第一項に規定する債券をいう。次項及び第七十七条第二号において同じ。)を発行することができない。
2 短期社債の社債権者は、当該短期社債を取り扱う振替機関が第二十二条第一項の規定により第三条第一項の指定を取り消された場合又は第四十一条第一項の規定により当該指定が効力を失った場合であって、当該振替機関の振替業を承継する者が存しない場合には、前項の規定にかかわらず、発行者に対し、社債券の発行を請求することができる。
第二節 振替口座簿
(振替口座簿の記録事項)
第四十六条 振替口座簿は、各加入者の口座ごとに区分し、各口座には、次に掲げる事項を記録する。
一 加入者の氏名又は名称及び住所
二 発行者の商号及び短期社債の種類(以下「銘柄」という。)
三 銘柄ごとの金額(次号に掲げるものを除く。)
四 加入者が質権者であるときは、その旨及び質権の目的である短期社債の銘柄ごとの金額
五 短期社債の全部又は一部が信託財産であるときは、その旨及び前二号の金額のうちその金額
六 その他政令で定める事項
2 振替機関が機関口座を開設する場合には、振替口座簿に機関口座の区分を設け、次に掲げる事項を記録する。
一 銘柄
二 銘柄ごとの金額
三 その他政令で定める事項
(新規記録手続)
第四十七条 特定の銘柄の短期社債について、商法第三百六条第一項に規定する払込みがあった場合には、当該短期社債の発行者は、当該発行者が第十三条第一項の同意を与えた振替機関に対し、次に掲げる事項の通知をしなければならない。
一 当該払込みに係る短期社債の銘柄
二 前号の払込みを行った加入者の氏名又は名称
三 加入者ごとの第一号の払込みに係る短期社債の金額
2 前項の通知があった場合には、当該通知を受けた振替機関は、直ちに、当該通知に係る短期社債の銘柄について、当該通知に係る加入者の口座の前条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄に、当該加入者に係る前項第三号の金額を記録しなければならない。
(振替手続)
第四十八条 特定の銘柄の短期社債について、振替の申請があった場合には、当該申請を受けた振替機関は、遅滞なく、当該申請において第三項の規定により示されたところに従い、振替口座簿における減額及び増額の記録をしなければならない。
2 前項の申請は、振替によりその口座において減額の記録がされる加入者が行うものとする。
3 第一項の申請をする加入者(第二号において「申請人」という。)は、当該申請において、次に掲げる事項を示さなければならない。
一 当該振替において減額及び増額の記録がされるべき短期社債の銘柄及び金額
二 当該申請人の口座において減額の記録がされるのが第四十六条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄か、又は同項第四号に掲げる事項を記録する欄かの別
三 増額の記録がされるべき口座(次号において「振替先口座」という。)
四 振替先口座において増額の記録がされるのが第四十六条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄か、又は同項第四号に掲げる事項を記録する欄かの別
(抹消手続)
第四十九条 特定の銘柄の短期社債について、抹消の申請があった場合には、当該申請を受けた振替機関は、遅滞なく、当該申請において第三項の規定により示されたところに従い、振替口座簿における減額の記録をしなければならない。
2 前項の申請は、抹消によりその口座において減額の記録がされる加入者が行うものとする。
3 第一項の申請をする加入者(第二号において「申請人」という。)は、当該申請において、次に掲げる事項を示さなければならない。
一 当該抹消において減額の記録がされるべき短期社債の銘柄及び金額
二 当該申請人の口座において減額の記録がされるのが第四十六条第一項第三号に掲げる事項を記録する欄か、又は同項第四号に掲げる事項を記録する欄かの別
4 第二項の規定にかかわらず、振替機関は、機関口座の短期社債について第五十六条第二項の規定により免除の意思表示を行ったときは、直ちに、当該短期社債について、振替口座簿の抹消を行わなければならない。
5 発行者は、社債権者又は質権者に対し、短期社債の償還をするのと引換えにその口座における当該短期社債の銘柄についての当該償還に係る短期社債の金額と同額の抹消を振替機関に対して申請することを請求することができる。
(記録の変更手続)
第五十条 振替機関は、第四十六条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項につき変更が生じたことを知ったときは、直ちに、振替口座簿にその記録をしなければならない。
第三節 振替の効果等
(短期社債の譲渡)
第五十一条 短期社債の譲渡は、第四十八条第一項の振替の申請により、譲受人がその口座における第四十六条第一項第三号又は第二項第二号に掲げる事項を記録する欄に当該譲渡に係る金額の増額の記録を受けなければ、その効力を生じない。
(短期社債の質入れ)
第五十二条 短期社債の質入れは、第四十八条第一項の振替の申請により、質権者がその口座における第四十六条第一項第四号に掲げる事項を記録する欄に当該質入れに係る金額の増額の記録を受けなければ、その効力を生じない。
(短期社債の信託の対抗要件)
第五十三条 短期社債については、信託は、政令で定めるところにより、当該信託の受託者がその口座において第四十六条第一項第五号の規定による記録を受けなければ、第三者に対抗することができない。
(加入者の権利推定)
第五十四条 加入者は、その口座における記録がされた短期社債についての権利を適法に有するものと推定する。
(善意取得)
第五十五条 第四十八条第一項の振替の申請によりその口座において特定の銘柄の短期社債についての増額の記録を受けた加入者(機関口座を有する振替機関を含む。)は、当該銘柄の短期社債についての当該増額の記録に係る権利を取得する。ただし、当該加入者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
(振替機関の消却義務)
第五十六条 前条の規定による短期社債の取得によりすべての社債権者の有する同条に規定する銘柄の短期社債の総額が当該銘柄の短期社債の発行総額(償還済みの額を除く。)を超えることとなる場合には、振替機関は、当該超過額に達するまで、当該銘柄の短期社債を取得しなければならない。
2 振替機関は、前項の規定により短期社債を取得したときは、直ちに、発行者に対し、当該短期社債について債務の全部を免除する旨の意思表示をしなければならない。
3 前項に規定する短期社債についての権利は、同項の規定により免除の意思表示がされたときは、消滅する。
(消却義務の不履行の場合における取扱い)
第五十七条 前条第一項に規定する場合において、振替機関が同項及び同条第二項の義務の全部を履行するまでの間は、発行者は、各社債権者の有する当該銘柄の短期社債のうち第一号の額が第二号の額に占める割合を当該超過額(同項の義務の一部が履行されたときは、当該履行に係る額を控除した額)に乗じた額に関する部分について、元本の償還及び利息の支払をする義務を負わない。
一 当該社債権者の有する当該銘柄の短期社債の金額
二 すべての社債権者の有する当該銘柄の短期社債の総額
2 前条第一項に規定する場合において、振替機関は、各社債権者に対して次に掲げる義務を負う。
一 前項の場合において、各社債権者の有する当該銘柄の短期社債のうち同項の規定により算出された額に関する部分について、発行者に代わって元本の償還及び利息の支払をする義務
二 前号に掲げるもののほか、前条第一項又は第二項の義務の不履行によって生じた損害の賠償をする義務
(発行者が誤って償還等をした場合における取扱い)
第五十八条 発行者が前条第一項の規定により義務を負わないとされた金額についてした元本の償還又は利息の支払は、当該発行者が善意の場合であっても、当該銘柄の他の短期社債に係る当該発行者の債務を消滅させる効力を有しない。
2 社債権者は、発行者に対し、前項に規定する元本の償還又は利息の支払に係る金額の返還をする義務を負わない。
3 発行者は、第一項に規定する元本の償還又は利息の支払をしたときは、前項に規定する金額の限度において、前条第二項第一号の規定による社債権者の振替機関に対する権利を取得する。
第四節 短期社債の発行等に関する商法の特例
(短期社債の発行等に関する商法の特例)
第五十九条 株式会社は、商法第二百九十六条の規定にかかわらず、取締役会の決議をもって、短期社債の発行を、特定の取締役に委任することができる。この場合において、当該取締役会においては、次に掲げる事項も併せて決議しなければならない。
一 当該決議に基づいて短期社債を発行することができる期間
二 前号の期間中において当該株式会社が発行した短期社債のうち償還されていないものの総額の限度額
2 短期社債については、社債原簿を作成することを要しない。
3 短期社債については、商法第二百九十七条から第二百九十九条まで、第三百九条から第三百十四条まで、第三百十九条から第三百四十一条ノ十八まで及び第三百七十六条第三項(同法第三百七十四条ノ四第二項、第三百七十四条ノ二十第二項及び第四百十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
第五節 雑則
(振替口座簿に記録されている事項の証明)
第六十条 加入者は、振替機関に対し、当該振替機関が定めた費用を支払って、振替口座簿の自己の口座に記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる。当該口座につき利害関係を有する者として政令で定めるものについても、同様とする。
(最高裁判所規則への委任)
第六十一条 短期社債に関する強制執行、仮差押え及び仮処分の執行、競売並びに没収保全に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第四章 その他の短期社債等の振替
(短期社債に係る規定の準用)
第六十二条 前章の規定(第四節の規定を除く。)は、短期社債以外の短期社債等について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第五章 雑則
(財務大臣への協議)
第六十三条 主務大臣は、振替機関に対し第二十二条第一項の規定による第三条第一項の指定の取消しをすることが有価証券の流通に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、有価証券の流通の円滑を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
(財務大臣への通知)
第六十四条 主務大臣は、次に掲げる処分をしたときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
一 第三条第一項の規定による指定(第二十五条第五項、第二十七条第五項、第二十九条第五項又は第三十一条第五項の規定により指定を受けたものとみなされる場合を含む。)
二 第二十二条第一項の規定による第三条第一項の指定の取消し
2 主務大臣は、第四十一条第二項の規定による届出を受理したときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
(財務大臣への資料の提出)
第六十五条 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、短期社債等の振替に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
(主務省令への委任)
第六十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、主務省令で定める。
(主務大臣及び主務省令)
第六十七条 この法律において、主務大臣は内閣総理大臣及び法務大臣とし、主務省令は内閣府令・法務省令とする。
(権限の委任)
第六十八条 内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
第六章 罰則
第六十九条 加入者集会における発言若しくは議決権の行使に関し不正の請託を受けて財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。
3 第一項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第七十条 第四十七条第二項、第四十八条第一項、第四十九条第一項若しくは第四項若しくは第五十条(これらの規定を第六十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して振替口座簿に記録すべき事項を記録せず、又はこれに虚偽の記録をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第七十一条 第二十二条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第七十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第四条第一項、第二十五条第二項、第二十七条第二項、第二十九条第二項若しくは第三十一条第二項の申請書又は第四条第二項、第二十五条第三項、第二十七条第三項、第二十九条第三項若しくは第三十一条第三項の添付書類に虚偽の記載をして提出した者
二 第十五条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者
三 第十六条第一項の規定による報告書の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
四 第二十条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
五 第四十三条第三項において準用する第二十条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第七十三条 第七条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第七十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第六条第一項の規定による認可を受けないで資本の額を減少し、又は虚偽の申請をして同項の認可を受けた者
二 第十八条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第十九条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第七十五条 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。
一 第七十条又は第七十一条 三億円以下の罰金刑
二 第七十二条(第五号を除く。) 二億円以下の罰金刑
三 第七十二条第五号又は前条 各本条の罰金刑
第七十六条 振替機関の取締役、監査役又は清算人が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。
一 第六条第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第二十一条又は第二十三条の規定による命令に違反したとき。
三 第三十四条第二項又は第三項の規定に違反して、通知をすることを怠り、又は不正の通知をしたとき。
四 第三十六条第二項において準用する株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第二項の規定に違反して、加入者集会の招集の通知に書面を添付しなかったとき。
五 第三十六条第二項において準用する株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第六項において準用する商法第二百三十九条第五項又は第三十九条において準用する同法第三百三十九条第三項の規定に違反して、書面又は議事録を備え置かなかったとき。
六 正当な理由がないのに第三十六条第二項において準用する株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十一条の三第六項において準用する商法第二百三十九条第六項又は第三十九条において準用する同法第三百三十九条第四項の規定による書面又は議事録の閲覧又は謄写を拒んだとき。
七 業務規程に定めた地以外の地において、又は第三十九条において準用する商法第二百三十三条の規定に違反して、加入者集会を招集したとき。
八 正当な理由がないのに加入者集会において加入者の求めた事項について説明をしなかったとき。
九 加入者集会に対し、虚偽の申立てをし、又は事実を隠ぺいしたとき。
十 第三十九条において準用する商法第三百二十八条の規定に違反して、加入者集会の決議の認可に関する公告をすることを怠り、又は不正の公告をしたとき。
十一 第三十九条において準用する商法第三百三十九条第二項の規定に違反して、議事録に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。
十二 正当な理由がないのに第六十条(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒み、又は虚偽の記載をした書面を交付したとき。
第七十七条 法人の役員が次の各号のいずれかに該当するときは、百万円以下の過料に処する。
一 第十三条第二項の規定に違反して他の振替機関に同意をしたとき。
二 第四十五条第一項(同条第二項の規定により社債券を発行する場合を除く。)(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して社債券その他の券面を発行したとき。
三 正当な理由がないのに第四十五条第二項(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。
四 第四十七条第一項(第六十二条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、通知をすることを怠り、又は虚偽の通知をしたとき。
第七十八条 第四十一条第二項に規定する振替機関であった者又は一般承継人の役員が同項の規定に違反して届出を怠ったときは、三十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日等)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日(以下「施行日」という。)から施行し、施行日以後に発行される短期社債等について適用する。
(商工組合中央金庫法の一部改正)
第二条 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第二十八条第一項第十九号中「該当スルモノ」の下に「及短期社債等」を加え、同条第五項の次に次の一項を加える。
第一項第十九号ノ「短期社債等」トハ短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項ニ掲グル短期社債等ヲ謂フ
第二十八条ノ六第一項第一号ノ二中「特定社債(」の下に「特定短期社債ヲ除キ」を加え、同条第二項中「又ハ「特定社債」」を「、「特定社債」又ハ「特定短期社債」」に、「又ハ同条第七項」を「、同条第七項」に改め、「掲グル特定社債」の下に「又ハ同条第八項ニ掲グル特定短期社債」を加える。
(陸上交通事業調整法の一部改正)
第三条 陸上交通事業調整法(昭和十三年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。
第六条中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項ニ規定スル短期社債ヲ除ク)」を加える。
(地方自治法の一部改正)
第四条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第二百三十八条第一項第六号中「債券を含む」を「債券を含み、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等に係るものを除く」に改める。
第二百四十条第四項第三号中「登録されたもの」の下に「及び短期社債等の振替に関する法律の規定により振替口座簿に記録されたもの」を加える。
(農業協同組合法の一部改正)
第五条 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第十条第六項第六号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を、「有価証券」の下に「(前号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)を除く。第七号において同じ。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。
六の三 短期社債等の取得又は譲渡
第十条第六項第十五号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第十一項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第六号の三の事業には短期社債等について」を加え、同条第十二項中「又は「特定社債」」を「、「特定社債」又は「特定短期社債」」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に、「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に改める。
(証券取引法の一部改正)
第六条 証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第二十三条の三第一項中「及び発行予定額」の下に「又は発行若しくは売出しの限度額」を加える。
第二十三条の八第一項の次に次の一項を加える。
前項の規定にかかわらず、発行登録によりあらかじめその募集又は売出しが登録されている短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等(その取扱いを行う振替機関(同条第三項に規定する振替機関をいう。)により、その発行残高が公衆の縦覧に供されるものに限る。)については、当該発行登録がその効力を生じている場合には、これを募集又は売出しにより取得させ、又は売り付けることができる。
第二十三条の十二第四項中「第二十三条の八第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、同条第六項中「提出されたこと」の下に「(第二十三条の八第二項の有価証券の募集又は売出しにあつては、発行登録の効力が生じていること。)」を加え、同条に次の一項を加える。
第二項、第三項及び第五項の規定は、第二十三条の八第二項の有価証券については、適用しない。
第二十四条第一項第三号中「第二十三条の八第一項本文」の下に「若しくは第二項」を加える。
第二十七条の三十の二中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に改める。
第百九十七条第一項第一号中「及び第四項」を「及び第五項」に改める。
第二百五条第一号中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に、「第二十三条の八第二項」を「第二十三条の八第三項」に改める。
第二百八条第一号中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に改める。
(証券取引法の一部改正に伴う経過措置)
第七条 前条の規定による改正後の証券取引法の規定は、施行日以後に同法第二十三条の三第一項の規定によりその募集又は売出しが登録される短期社債等について適用し、施行日前に前条の規定による改正前の同法第二十三条の三第一項の規定によりその募集又は売出しが登録されている短期社債等については、なお従前の例による。
(証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律の一部改正)
第八条 証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
附則第五条第三号中「第二十三条の八第三項」を「第二十三条の八第四項」に改める。
(国有財産法の一部改正)
第九条 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第六号中「債券を含む」を「債券を含み、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等に係るものを除く」に改める。
(中小企業等協同組合法の一部改正)
第十条 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。
第九条の八第二項第七号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)」を加え、同項第十号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
十の三 短期社債等の取得又は譲渡
第九条の八第二項第十九号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第十号の三の事業には短期社債等について」を加え、同条第六項第二号の二中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
(貿易保険法の一部改正)
第十一条 貿易保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第十七項中「債権若しくは当該資金を調達するために発行される外国政府等若しくは外国法人の公債、社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。以下この項において同じ。)」を加える。
(相続税法の一部改正)
第十二条 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号中「但し」を「ただし」に改め、同項第七号中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改め、同項第十号中「外」を「ほか」に改める。
第四十一条第二項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「社債」の下に「(特別の法律により法人の発行する債券を含み、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等を除く。)」を加え、「債券及び」を削る。
(中小企業信用保険法の一部改正)
第十三条 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の一部を次のように改正する。
第三条の八第一項中「よるものに限る」を「よるものに限り、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く」に改める。
(信用金庫法の一部改正)
第十四条 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第五十三条第三項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条及び次条において同じ。)」を加え、同項第五号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
五の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十三条第三項第十五号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第四項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第五号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第五項第二号の二中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
第五十四条第四項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同項第五号の二の次に次の一号を加える。
五の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十四条第四項第十五号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加える。
(長期信用銀行法の一部改正)
第十五条 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)の一部を次のように改正する。
第六条第一項第二号中「、社債その他の債券」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等を除く。)」を加える。
(電源開発促進法の一部改正)
第十六条 電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)の一部を次のように改正する。
第二十七条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第三十二条第一項において同じ。)」を加える。
(中小企業金融公庫法等の一部改正)
第十七条 次に掲げる法律の規定中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。)」を加える。
一 中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)第十九条第二号
二 沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)第十九条第一項第五号
三 通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号)第二十八条第一項第八号
四 東京湾横断道路の建設に関する特別措置法(昭和六十一年法律第四十五号)第十条第一項
五 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法(昭和六十一年法律第七十七号)第四十条第一項第一号
六 特定通信・放送開発事業実施円滑化法(平成二年法律第三十五号)第六条第一項第一号
七 電気通信基盤充実臨時措置法(平成三年法律第二十七号)第六条第一項第一号
八 受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法(平成七年法律第七十七号)第六条第一号
九 特定産業集積の活性化に関する臨時措置法(平成九年法律第二十八号)第十三条第一号
十 大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律(平成十年法律第五十二号)第六条第一号
十一 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律(平成十年法律第九十二号)第二十二条第一号
十二 新事業創出促進法(平成十年法律第百五十二号)第三十二条第一号
十三 高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法(平成十一年法律第六十三号)第六条第一号
十四 産業活力再生特別措置法(平成十一年法律第百三十一号)第十四条第一号
十五 新事業創出促進法の一部を改正する法律(平成十一年法律第二百二十三号)附則第五条第三項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧特定新規事業実施円滑化臨時措置法(平成元年法律第五十九号)第六条第一号
(信用保証協会法の一部改正)
第十八条 信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項第四号中「限る」を「限り、短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く」に改める。
(労働金庫法の一部改正)
第十九条 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)の一部を次のように改正する。
第五十八条第二項第八号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)」を加え、同項第十一号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
十一の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十八条第二項第二十号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第十一号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第六項第二号の二中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
第五十八条の二第一項第六号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同項第九号の二の次に次の一号を加える。
九の三 短期社債等の取得又は譲渡
第五十八条の二第一項第十八号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第十二項中「「次条第一項第九号」と」の下に「、「同項第十一号の三」とあるのは「同項第九号の三」と」を加える。
(国の債権の管理等に関する法律の一部改正)
第二十条 国の債権の管理等に関する法律(昭和三十一年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第二号中「登録されたもの」の下に「及び短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)の規定により振替口座簿に記録されたもの」を加える。
(電気事業法の一部改正)
第二十一条 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)の一部を次のように改正する。
第三十七条第一項中「社債権者」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債の社債権者を除く。)」を加える。
(銀行法の一部改正)
第二十二条 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
第十条第二項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)」を加え、同項第五号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
五の三 短期社債等の取得又は譲渡
第十条第二項第十六号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第五号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第六項中「又は「特定社債」」を「、「特定社債」又は「特定短期社債」」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に、「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に改める。
(株券等の保管及び振替に関する法律の一部改正)
第二十三条 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「第四条各号」を「第四条第一項各号」に改め、同項第二号中「又はこの法律に」を「若しくは短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号。以下この項及び第四条において「短期社債法」という。)又はこれらに」に改め、同項第三号ニ中「又はこの法律」を「若しくは短期社債法第二十二条第一項の規定により短期社債法第三条第一項の指定を取り消された場合又はこの法律若しくは短期社債法」に、「この項の指定に類する」を「これらの指定に類する」に改め、同号ホ中「又はこの法律」を「若しくは短期社債法第二十二条第一項の規定又はこの法律若しくは短期社債法」に改める。
第四条に次の二項を加える。
2 保管振替機関は、保管振替業のほか、短期社債法第三条第一項に規定する振替業及び短期社債法第九条第一項ただし書の規定により承認を受けた業務(次項及び次条第一項において「振替業等」という。)を営むことができる。
3 前項の規定は、保管振替機関が振替業等を営む場合において、短期社債法及びこれに基づく命令の適用を排除するものと解してはならない。
第四条の二第一項中「保管振替業のほか」を「保管振替業及び振替業等のほか」に改める。
(関西国際空港株式会社法の一部改正)
第二十四条 関西国際空港株式会社法(昭和五十九年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第十八条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第二十八条第一項第四号において同じ。)」を加える。
(旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部改正)
第二十五条 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第二十条第二号において同じ。)」を加える。
(中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法の一部改正)
第二十六条 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(平成七年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。
第十四条の三第一項第一号中「発行する社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。)」を加える。
(保険業法の一部改正)
第二十七条 保険業法の一部を次のように改正する。
目次中「第六十条・第六十一条」を「第六十条―第六十一条の二」に改める。
第六十一条第三項中「(昭和十七年法律第十一号)」の下に「、担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)」を加え、第二編第二章第二節第六款中同条の次に次の一条を加える。
(短期社債に係る特例)
第六十一条の二 相互会社は、前条第一項の規定にかかわらず、取締役会の決議をもって、次に掲げる要件のすべてに該当する社債(以下この条において「短期社債」という。)の発行を、特定の取締役に委任することができる。
一 契約により社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法の規定により担保が付されるものでないこと。
2 前項の場合において、当該取締役会においては、次に掲げる事項も併せて決議しなければならない。
一 当該決議に基づいて短期社債を発行することができる期間
二 前号の期間中において当該相互会社が発行した短期社債のうち償還されていないものの総額の限度額
3 短期社債については、社債原簿を作成することを要しない。
4 短期社債については、前条第二項、第七十条第五項及び第百七十三条第一項の規定にかかわらず、商法第二百九十七条から第二百九十九条まで(社債管理会社の設置等)、第三百九条から第三百十四条まで(社債管理会社の権限等)、第三百十九条から第三百四十一条まで(社債権者集会)及び第三百七十六条第三項(資本減少の場合における社債権者の異議)(同法第四百十六条第二項(減資に対する社債権者の異議申出方法の合併への準用)において準用する場合を含む。)の規定は、準用しない。
第九十八条第一項第四号の二中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
四の三 短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項(定義)に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)の取得又は譲渡(資産の運用のために行うものを除く。)
第九十八条第一項第五号及び第十号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第四項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第四号の三に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第五項中「又は「特定社債」」を「、「特定社債」又は「特定短期社債」」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に、「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に改める。
第九十九条第二項第二号中「(明治三十八年法律第五十二号)」を削る。
(中部国際空港の設置及び管理に関する法律の一部改正)
第二十八条 中部国際空港の設置及び管理に関する法律(平成十年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項中「社債」の下に「(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項に規定する短期社債を除く。第二十七条第四号において同じ。)」を加える。
(資産の流動化に関する法律の一部改正)
第二十九条 資産の流動化に関する法律の一部を次のように改正する。
目次中「第三款 新優先出資引受権付特定社債(第百十三条の四・第百十三条の五)」を
第三款
新優先出資引受権付特定社債(第百十三条の四・第百十三条の五)
第四款
特定短期社債(第百十三条の六・第百十三条の七)
に改める。
第二条第二項第一号中「特定社債券」を「特定社債」に改め、同項第二号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同条第十七項を同条第十八項とし、同条第十一項から第十六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第十項中「優先出資証券、特定社債券」を「優先出資、特定社債」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第九項を同条第十項とし、同条第八項を同条第九項とし、同条第七項の次に次の一項を加える。
8 この法律において「特定短期社債」とは、特定社債のうち、次に掲げるすべての要件を満たすものをいう。
一 契約により特定社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各特定社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、特定社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の規定及び第百十三条第三項の規定により担保が付されるものでないこと。
第五条第一項第二号イ中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同号ロ中「特定社債券」を「特定社債(特定短期社債を除く。以下この号、第三十八条第二項第六号、第八十五条第二項、第百十条第二項第十六号、第百十八条の三第一項第一号及び第百十八条の四第二項において同じ。)」に改め、同号ハ中「転換特定社債券」を「転換特定社債」に改め、同号ニ中「新優先出資引受権付特定社債券」を「新優先出資引受権付特定社債」に改め、同号ヘを同号トとし、同号ホを同号ヘとし、同号ニの次に次のように加える。
ホ 特定短期社債においては、限度額その他の発行及び償還に関する事項として内閣府令で定める事項
第三十八条第二項第五号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同項第六号中「に特定社債」の下に「、特定短期社債」を加え、「、特定約束手形」を「、特定短期社債又は特定約束手形」に改める。
第八十五条第二項中「第一種特定目的会社」を「資産対応証券として特定社債のみを発行する特定目的会社」に改める。
第百十条第二項中第十九号を第二十号とし、第十八号を第十九号とし、第十七号を第十八号とし、第十六号の次に次の一号を加える。
十七 資産流動化計画に特定短期社債の発行についての定めがあるときは、当該特定短期社債の限度額その他の内閣府令で定める事項及びその発行状況
第百十三条第二項中「(明治三十八年法律第五十二号)」を削る。
第二編第二章第六節中第三款の次に次の一款を加える。
第四款 特定短期社債
(特定短期社債の発行)
第百十三条の六 特定目的会社は、特定短期社債については、次に掲げる場合に限り、これを発行することができる。
一 次に掲げるすべての要件を満たすものである場合
イ その発行の目的が、特定資産を取得するために必要な資金を調達するものであること。
ロ 資産流動化計画においてその発行の限度額が定められていること。
ハ 投資者の保護のため必要なものとして内閣府令で定める要件
二 この条の規定により発行した特定短期社債の償還のための資金を調達する場合
(特定社債に係る規定の適用除外等)
第百十三条の七 特定短期社債については、特定社債原簿を作成することを要しない。
2 特定短期社債については、第百八条、第百九条、第百十一条、第百十三条第一項において準用する商法第二百九十八条、第二百九十九条及び第三百十九条から第三百四十一条まで、第百十三条の二から第百十三条の五まで、第百十八条第三項及び第百十八条の八第二項において準用する同法第三百七十六条第三項並びに第百十八条の五の規定は、適用しない。
第百十八条の三第一項第三号中「第百十八条の六第四項」を「第百十八条の五の二第四項」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号中「第百十八条の六第四項」を「第百十八条の六第三項において準用する第百十八条の五の二第四項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 特定短期社債を発行している特定目的会社 第百十八条の五の二第四項の規定により資産流動化計画の変更に反対する旨を特定目的会社に対し通知した特定短期社債権者が有する特定短期社債の額の合計額
第百十八条の四第三項中「第百十八条の六第四項又は」を「第百十八条の五の二第四項又は第百十八条の六第三項若しくは」に、「第百十八条の六第四項の」を「第百十八条の五の二第四項の」に改め、同条第四項中「(特定社債」の下に「(特定短期社債ヲ除ク)」を加える。
第百十八条の五の次に次の一条を加える。
(特定短期社債権者の反対)
第百十八条の五の二 特定短期社債を発行している特定目的会社は、計画変更決議により資産流動化計画の変更を行うときは、当該計画変更決議を行う社員総会の会日の一月前までに、二週間以上の期間を定め、かつ、その変更に反対するときは当該期間内にその旨を書面をもって通知すべきことを公告しなければならない。
2 特定短期社債権者は、当該特定短期社債権者が有する特定社債券(特定短期社債に係るものに限る。)の供託その他の内閣府令で定める措置をとらなければ、前項の反対をすることができない。
3 特定短期社債権者が第一項の規定により定められた期間内に反対の旨を書面をもって通知しなかったときは、資産流動化計画の変更を承認したものとみなす。
4 特定短期社債権者が反対の旨を書面をもって通知したときは、特定目的会社は、当該特定短期社債権者に係る特定短期社債に係る債務について、資産流動化計画の変更を行った後遅滞なく弁済を行わせることを目的として、信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。
第百十八条の六第三項を次のように改める。
3 前条第三項及び第四項の規定は、特定約束手形の所持人について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは、「第百十八条の六第一項」と読み替えるものとする。
第百十八条の六第四項を削る。
第百十八条の七第二項中「前条第三項」を「第百十八条の五の二第三項」に改める。
第百五十条(見出しを含む。)中「優先出資証券又は特定社債券」を「優先出資又は特定社債」に改める。
第百五十条の三第一項中「資産対応証券(」の下に「特定短期社債及び」を加える。
第百五十条の五を次のように改める。
第百五十条の五 削除
第百七十八条第一項中「、「既ニ発行セラレタル株券アルトキハ之ヲ」とあるのは「受益証券ヲ」と」を削る。
(資産の流動化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第三十条 前条の規定による改正前の資産の流動化に関する法律(以下この条及び次条において「旧資産流動化法」という。)第五条第一項第二号ロ、第三十八条第二項第六号並びに第百十八条の四第二項及び第四項の規定は、施行日前に発行された特定短期社債(前条の規定による改正後の資産の流動化に関する法律(次項及び次条において「新資産流動化法」という。)第二条第八項に規定する特定短期社債をいう。)については、なおその効力を有する。この場合において、旧資産流動化法第五条第一項第二号ロ中「特定社債券」とあるのは、「特定社債」とする。
2 旧資産流動化法第五条第一項第二号イからニまでに掲げる事項が記載された資産流動化計画については、新資産流動化法第五条第一項第二号イからニまでに掲げる事項が記載された資産流動化計画とみなして、新資産流動化法の規定又は前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧資産流動化法第五条第一項第二号ロ、第三十八条第二項第六号並びに第百十八条の四第二項及び第四項の規定を適用する。
第三十一条 旧資産流動化法第八十五条第二項の適用を受けない特定目的会社が新資産流動化法第八十五条第二項の特定目的会社に該当する場合においては、当該特定目的会社については、施行日以後最初に到来する決算期に関する社員総会の終結の時までは、同項の規定は、適用しない。
(地方税法の一部改正)
第三十二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十四条の三第一項ただし書、第七十二条の三第一項ただし書、第七十二条の八十第二項、第二百九十四条の三第一項ただし書及び附則第五条第一項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(宅地建物取引業法の一部改正)
第三十三条 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の一部を次のように改正する。
第五十条の二第一項第二号ロ中「第二条第十五項」を「第二条第十六項」に改める。
(租税特別措置法の一部改正)
第三十四条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第六十七条の十四第一項第一号ロ中「第二条第八項」を「第二条第九項」に改める。
第八十三条の七第一項第一号ロ中「第二条第十項」を「第二条第十一項」に改め、同号ニ中「第二条第十一項」を「第二条第十二項」に改める。
(所得税法の一部改正)
第三十五条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第十五号の四中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(法人税法の一部改正)
第三十六条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第二十九号の二中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(預金保険法の一部改正)
第三十七条 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
第百三十二条第二項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
第百三十二条の二第四項中「第二条第十六項」を「第二条第十七項」に改める。
(消費税法の一部改正)
第三十八条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
第十四条第二項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(特定債権等に係る事業の規制に関する法律の一部改正)
第三十九条 特定債権等に係る事業の規制に関する法律(平成四年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
第十一条第二項中「第二条第十二項」を「第二条第十三項」に改める。
(債権管理回収業に関する特別措置法の一部改正)
第四十条 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第九号中「第二条第九項」を「第二条第十項」に改め、同項第十一号中「同条第十五項」を「同条第十六項」に改める。
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第四十一条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
別表に次の一号を加える。
六十三 短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第六十九条第一項(加入者の権利の行使に関する収賄)の罪
(農林中央金庫法の一部改正)
第四十二条 農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第五十四条第四項第二号中「該当するもの」の下に「及び短期社債等(短期社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する短期社債等をいう。以下この条において同じ。)」を加え、同項第六号中「特定社債(」の下に「特定短期社債を除き、」を加え、同号の次に次の一号を加える。
六の二 短期社債等の取得又は譲渡
第五十四条第四項第十八号中「金銭債権に該当するもの」の下に「及び短期社債等」を加え、同条第五項中「、同号」を「同号」に改め、「について」の下に「、同項第六号の二に掲げる業務には短期社債等について」を加え、同条第六項第三号中「又は特定社債」を「、特定社債又は特定短期社債」に、「又は第七項」を「、第七項又は第八項」に改める。
(株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第四十三条 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律(平成十三年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
附則第二条中「第三条の四」の下に「、第四条第二項及び第三項」を加える。
(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部改正)
第四十四条 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部を次のように改正する。
目次中「第六節 特定社債(第百八条―第百十三条)」を
第六節
特定社債
第一款
通則(第百八条―第百十三条)
第二款
特定短期社債(第百十三条の二・第百十三条の三)
に改める。
第二条第九項第一号中「特定社債券」を「特定社債」に改め、同項第二号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同項を同条第十項とし、同条第八項中「優先出資証券、特定社債券」を「優先出資、特定社債」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項を同条第八項とし、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項の次に次の一項を加える。
6 この法律において「特定短期社債」とは、特定社債のうち、次に掲げるすべての要件を満たすものをいう。
一 契約により特定社債の総額が引き受けられるものであること。
二 各特定社債の金額が一億円を下回らないこと。
三 元本の償還について、特定社債の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
四 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
五 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の規定により担保が付されるものでないこと。
第五条第一項第二号イ中「優先出資証券」を「優先出資」に、「総理府令」を「内閣府令」に改め、同号ロ中「特定社債券」を「特定社債(特定短期社債を除く。以下この号、第三十八条第二項第六号、第八十五条第二項及び第百十条第二項第十六号において同じ。)」に、「総理府令」を「内閣府令」に改め、同号ハを同号ニとし、同号ロの次に次のように加える。
ハ 特定短期社債においては、限度額その他の発行及び償還に関する事項として内閣府令で定める事項
第三十八条第二項第五号中「優先出資証券」を「優先出資」に改め、同項第六号中「に特定社債」の下に「、特定短期社債」を加え、「、特定約束手形」を「、特定短期社債又は特定約束手形」に、「総理府令」を「内閣府令」に改める。
第三章第六節中第百八条の前に次の款名を付する。
第一款 通則
第百十条第二項中第十七号を第十八号とし、第十六号を第十七号とし、第十五号の次に次の一号を加える。
十六 定款に記載した資産流動化計画に特定短期社債の発行についての定めがあるときは、当該特定短期社債の限度額その他の内閣府令で定める事項及びその発行状況
第百十三条第二項中「特定社債は」の下に「、担保附社債信託法」を加え、第三章第六節中同条の次に次の一款を加える。
第二款 特定短期社債
(特定短期社債の発行)
第百十三条の二 特定目的会社は、特定短期社債については、次に掲げる場合に限り、これを発行することができる。
一 次に掲げる要件のすべてを満たすものである場合
イ その発行の目的が、特定資産を取得するために必要な資金を調達するものであること。
ロ 第三条の登録に係る資産流動化計画においてその発行の限度額が定められていること。
ハ 投資者の保護のため必要なものとして内閣府令で定める要件
二 この条の規定により発行した特定短期社債の償還のための資金を調達する場合
(特定社債に係る規定の適用除外等)
第百十三条の三 特定短期社債については、特定社債原簿を作成することを要しない。
2 特定短期社債については、第百八条、第百九条、第百十一条、第百十三条第一項において準用する商法第二百九十八条、第二百九十九条及び第三百十九条から第三百四十一条まで並びに第百十八条第三項において準用する同法第三百七十六条第三項の規定は、適用しない。
第百五十条の見出しを「(種類等を異にする優先出資又は特定社債の発行)」に改め、同条中「総理府令」を「内閣府令」に、「優先出資証券又は特定社債券」を「優先出資又は特定社債」に改める。
(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第四十五条 前条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(以下この条において「旧特定目的会社法」という。)第五条第一項第二号ロ及び第三十八条第二項第六号の規定は、施行日前に発行された特定短期社債(前条の規定による改正後の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(次項において「新特定目的会社法」という。)第二条第六項に規定する特定短期社債をいう。)については、なおその効力を有する。この場合において、旧特定目的会社法第五条第一項第二号ロ中「特定社債券」とあるのは、「特定社債」とする。
2 旧特定目的会社法第五条第一項第二号イ又はロに掲げる事項が記載された資産流動化計画については、新特定目的会社法第五条第一項第二号イ又はロに掲げる事項が記載された資産流動化計画とみなして、新特定目的会社法の規定又は前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧特定目的会社法第五条第一項第二号ロ及び第三十八条第二項第六号の規定を適用する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第四十六条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第四十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第四十八条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、振替機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
法務大臣 森山真弓
財務大臣 塩川正十郎
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 武部勤
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子