国家公務員共済組合法
法令番号: 法律第百二十八号
公布年月日: 昭和33年5月1日
法令の形式: 法律
国家公務員共済組合法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十三年五月一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百二十八号
国家公務員共済組合法
国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)の全部を改正する。
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
組合及び連合会
第一節
組合(第三条―第二十条)
第二節
連合会(第二十一条―第三十六条)
第三章
組合員(第三十七条―第三十九条)
第四章
給付
第一節
通則(第四十条―第五十条)
第二節
短期給付
第一款
通則(第五十一条―第五十三条)
第二款
保健給付(第五十四条―第六十五条)
第三款
休業給付(第六十六条―第六十九条)
第四款
災害給付(第七十条―第七十一条)
第三節
長期給付
第一款
通則(第七十二条―第七十五条)
第二款
退職給付(第七十六条―第八十条)
第三款
廃疾給付(第八十一条―第八十七条)
第四款
遺族給付(第八十八条―第九十三条)
第四節
給付の制限(第九十四条―第九十七条)
第五章
福祉事業(第九十八条)
第六章
費用の負担(第九十九条―第百二条)
第七章
審査の請求(第百三条―第百十条)
第八章
国家公務員共済組合審議会(第百十一条)
第九章
雑則(第百十二条―第百二十七条)
第十章
罰則(第百二十八条―第百三十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、国家公務員の病気、負傷、出産、休業、災害、退職、廃疾若しくは死亡又はその被扶養者の病気、負傷、出産、死亡若しくは災害に関して適切な給付を行うため、相互救済を目的とする共済組合の制度を設け、その行うこれらの給付及び福祉事業に関して必要な事項を定め、もつて国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 職員 常時勤務に服することを要する国家公務員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第七十九条又は第八十二条の規定による休職又は停職の処分を受けた者その他法令の規定により職務に専念する義務を免除された者で政令で定めるものを含むものとし、臨時に使用される者で政令で定めるもの以外のものを除く。)をいう。
二 被扶養者 次に掲げる者で主として組合員の収入により生計を維持するものをいう。
イ 組合員の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び弟妹
ロ 組合員と同一の世帯に属する三親等内の親族で前号に掲げる者以外のもの
ハ 組合員の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子並びに当該配偶者の死亡後におけるその父母及び子で、組合員と同一の世帯に属するもの
三 遺族 組合員又は組合員であつた者の配偶者、子、父母、孫及び祖父母で、組合員又は組合員であつた者の死亡の当時主として組合員の収入により生計を維持していたものをいう。
四 退職 職員が死亡以外の事由により職員でなくなること(職員でなくなつた日又はその翌日に再び職員となる場合におけるその職員でなくなることを除く。)をいう。
五 俸給 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の適用を受ける職員については、同法第五条第一項に規定する俸給とし、その他の職員については、これに準ずる給与で政令で定めるものをいう。
六 各省各庁 衆議院、参議院、総理府(内閣を含む。)、各省、裁判所及び会計検査院をいう。
2 前項第二号又は第三号の規定の適用上、主として組合員の収入により生計を維持することの認定に関し必要な事項は、政令で定める。
3 第一項第三号の規定の適用については、子又は孫は、十八歳未満でまだ配偶者がない者又は組合員であつた者の死亡の当時から引き続き別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にある者に限るものとし、組合員又は組合員であつた者の死亡の当時胎児であつた子が出生した場合には、その子は、これらの者の死亡の当時主としてその収入によつて生計を維持していたものとみなす。
第二章 組合及び連合会
第一節 組合
(設立)
第三条 各省各庁ごとに、その所属の職員(次項各号に掲げる各省各庁にあつては、当該各号に掲げる職員を除く。)をもつて組織する国家公務員共済組合(以下「組合」という。)を設ける。
2 前項に定めるもののほか、次の各号に掲げる各省各庁については、それぞれ当該各号に掲げる職員をもつて組織する組合を設ける。
一 総理府
イ 警察庁に属する職員、都道府県警察に属する警視正以上の階級にある警察官及び国家消防本部に属する職員
ロ 防衛庁に属する職員
ハ 調達庁に属する職員
ニ 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)附則第八条に規定する職員
二 法務省 矯正管区、刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院、中央矯正研修所及び地方矯正研修所に属する職員
三 大蔵省
イ 印刷局に属する職員
ロ 造幣局に属する職員
四 厚生省 医務出張所、国立病院及び国立療養所に属する職員
五 農林省 林野庁に属する職員
六 通商産業省 アルコール専売事業特別会計においてその俸給を支弁する職員
(法人格)
第四条 組合は、法人とする。
(事務所)
第五条 組合は、各省各庁の長(第八条に規定する各省各庁の長をいう。)の指定する地に主たる事務所を置く。
2 組合は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(定款)
第六条 組合は、定款をもつて次に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 運営審議会に関する事項
五 組合員の範囲に関する事項
六 給付及び掛金に関する事項
七 審査会に関する事項
八 資産の管理その他財務に関する事項
九 その他組織及び業務に関する重要事項
2 前項の定款の変更(政令で定める事項に係るものを除く。)は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 組合は、前項に規定する政令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを大蔵大臣に届け出なければならない。
4 組合は、定款の変更について第二項に規定する認可を受けたとき、又は同項に規定する政令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。
(住所)
第七条 組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(管理)
第八条 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、各省大臣、最高裁判所長官及び会計検査院長(第三条第二項第一号、第三号又は第五号に掲げる職員をもつて組織する組合にあつては、第十二条及び第百二条を除き、それぞれ警察庁長官、防衛庁長官、調達庁長官、自治庁長官、印刷局長、造幣局長又は林野庁長官とし、以下「各省各庁の長」という。)は、それぞれその各省各庁の所属の職員をもつて組織する組合を代表し、その業務を執行する。
(運営審議会)
第九条 組合の業務の適正な運営に資するため、各組合に運営審議会を置く。
2 運営審議会は、委員十人以内で組織する。
3 委員は、各省各庁の長が組合員のうちから命ずる。
4 各省各庁の長は、前項の規定により委員を命ずる場合には、組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する者のうちから命ずるものとし、一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。
第十条 次に掲げる事項は、運営審議会の議を経なければならない。
一 定款の変更
二 運営規則の作成及び変更
三 毎事業年度の予算及び決算
四 重要な財産の処分及び重大な債務の負担
2 運営審議会は、前項に定めるもののほか、各省各庁の長の諮問に応じて組合の業務に関する重要事項を調査審議し、又は必要と認める事項につき各省各庁の長に建議することができる。
(運営規則)
第十一条 各省各庁の長は、組合の業務を執行するために必要な事項で大蔵省令で定めるものについて、運営規則を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、運営規則を定め、又は変更する場合には、あらかじめ大蔵大臣に協議しなければならない。
(国の職員及び施設の提供)
第十二条 各省各庁の長は、組合の運営に必要な範囲内において、その所属の職員その他国に使用される者をして組合の業務に従事させることができる。
2 各省各庁の長は、組合の運営に必要な範囲内において、その管理に係る土地、建物その他の施設を無償で組合の利用に供することができる。
(組合の事務職員の公務員たる性質)
第十三条 組合に使用され、その事務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(事業年度)
第十四条 組合の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
(事業計画及び予算)
第十五条 組合は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、事業年度開始前に、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
2 組合は、事業計画及び予算の重要な事項で政令で定めるものを変更しようとするときは、そのつど、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
(決算)
第十六条 組合は、毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
2 組合は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、決算完結後一月以内に大蔵大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
3 組合は、前項の承認を受けたときは、その財務諸表を事務所に備え付け、組合員の閲覧に供しなければならない。
(借入金の制限)
第十七条 組合は、借入金をしてはならない。ただし、組合の目的を達成するため必要な場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(責任準備金の積立)
第十八条 組合(第二十一条第一項に規定する連合会加入組合を除く。以下次条第二項において同じ。)は、政令で定めるところにより、長期給付に充てるべき積立金(以下「責任準備金」という。)を積み立てなければならない。
(資金の運用)
第十九条 組合の積立金及び余裕金の運用は、政令で定めるところにより、事業の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的にしなければならない。
2 組合は、責任準備金の額のうち、組合が厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の規定による保険給付を行うものとした場合に必要となるべき積立金の額に相当する金額として政令で定める金額を、政令で定めるところにより、資金運用部に預託して運用しなければならない。
(省令への委任)
第二十条 この節に規定するもののほか、組合の財務その他その運営に関して必要な事項は、大蔵省令で定める。
第二節 連合会
(設立)
第二十一条 組合(政令で指定する組合を除く。以下「連合会加入組合」という。)の事業のうち次に掲げるものを共同して行うため、連合会加入組合をもつて組織する国家公務員共済組合連合会(以下「連合会」という。)を設ける。
一 長期給付(第七十二条第一項に規定する長期給付をいう。以下同じ。)の決定及び支払
二 責任準備金及び長期給付の支払上の余裕金の管理及び運用
三 福祉事業(第九十八条第一項各号に掲げる事業をいう。以下同じ。)
2 前項第三号の規定は、連合会加入組合が自ら同号に掲げる事業を行うことを妨げるものではない。
(法人格)
第二十二条 連合会は、法人とする。
(事務所)
第二十三条 連合会は、主たる事務所を東京都に置く。
2 連合会は、必要な地に従たる事務所を設けることができる。
(定款)
第二十四条 連合会は、定款をもつて次に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名称
三 事業所の所在地
四 役員に関する事項
五 評議員会に関する事項
六 長期給付の決定及び支払に関する事項
七 福祉事業に関する事項
八 資産の管理その他財務に関する事項
九 その他組織及び業務に関する重要事項
2 第六条第二項及び第三項の規定は、連合会の定款について準用する。
(登記)
第二十五条 連合会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第二十六条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十四条の規定は、連合会について準用する。
(役員)
第二十七条 連合会に、役員として、理事長一人、理事九人以内及び監事三人以内を置く。
2 前項の理事のうち六人以内及び監事のうち二人以内は、連合会加入組合の事務を行う組合員をもつて充てる。
(役員の職務及び権限)
第二十八条 理事長は、連合会を代表し、その業務を執行する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して連合会の業務を執行し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、連合会の業務を監査する。
(役員の任命)
第二十九条 理事長及び監事(第二十七条第二項の規定による監事を除く。)は、大蔵大臣が任命する。
2 理事(第二十七条第二項の規定による理事を除く。以下第三十二条第三項において同じ。)は、理事長が、大蔵大臣の認可を受けて任命する。
3 前二項の規定の適用を受けない理事及び監事は、理事長が、評議員会の議を経て任命する。
(役員の任期)
第三十条 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第三十一条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。ただし、第二十七条第二項の規定の適用を妨げない。
一 国務大臣、国会議員、政府職員(非常勤の者を除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤職員
二 政党の役員
三 連合会と取引上密接な関係を有する事業者又はその者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第三十二条 大蔵大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたとき(第二十七条第二項の規定による理事又は監事が連合会加入組合の事務を行う組合員でなくなつたときを含む。)は、その役員を解任しなければならない。
2 大蔵大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼業禁止)
第三十三条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
(理事長の代表権の制限)
第三十四条 連合会と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が連合会を代表する。
(評議員会)
第三十五条 連合会に、評議員会を置く。
2 評議員会は、連合会加入組合を代表する組合員である評議員各一人をもつて組織する。
3 前項の評議員は、連合会加入組合に係る各省各庁の長が、その組合員のうちから任命する。
4 次に掲げる事項は、評議員会の議を経なければならない。
一 定款の変更
二 運営規則の作成及び変更
三 毎事業年度の予算及び決算
四 重要な財産の処分及び重大な債務の負担
五 その他連合会の業務に関する重要事項で、定款をもつて定める事項
5 第十条第二項の規定は、評議員会について準用する。この場合において、同項中「各省各庁の長」とあるのは「理事長」と、「建議する」とあるのは「意見を述べる」と読み替えるものとする。
(準用規定)
第三十六条 第七条及び第十一条から第二十条までの規定は、連合会について準用する。この場合において、第十一条中「各省各庁の長」とあるのは「理事長」と、第十二条中「各省各庁の長」とあるのは「大蔵大臣」と、第十三条中「組合」とあるのは「連合会の役員及び連合会」と読み替えるものとする。
第三章 組合員
(組合員の資格の得喪)
第三十七条 職員となつた者は、その職員となつた日から、その属する各省各庁の職員をもつて組織する組合(第三条第二項各号に掲げる職員については、同項の規定により当該各号の職員をもつて組織する組合)の組合員の資格を取得する。
2 組合員は、死亡したとき、又は退職したときは、その翌日から組合員の資格を喪失する。
3 一の組合の組合員が他の組合を組織する職員となつたときは、その日から前の組合の組合員の資格を喪失し、後の組合の組合員の資格を取得する。
(組合員期間の計算)
第三十八条 組合員である期間(以下「組合員期間」という。)の計算は、組合員の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の前日の属する月までの期間の年月数による。
2 組合員が引き続き他の組合の組合員の資格を取得したときは、もとの組合の組合員期間は、その者が新たに組合員の資格を取得した組合の組合員期間とみなす。
3 組合員がその資格を喪失した後再びもとの組合又は他の組合の組合員の資格を取得したときは、前後の組合員期間を合算する。ただし、退職一時金又は遺族一時金の基礎となるべき組合員期間を計算する場合には、前に退職一時金の基礎となつた組合員期間については、この限りでない。
4 前二項の場合において、同じ月が前後の組合員期間に属するときは、その月は、後の組合員期間には算入しない。
(責任準備金の移換)
第三十九条 組合員(組合員であつた者で退職年金又は廃疾年金を受ける権利を有するものを含む。)が他の組合の組合員の資格を取得した場合(連合会加入組合の組合員又は組合員であつた者が他の連合会加入組合の組合員の資格を取得した場合を除く。)には、もとの組合(連合会加入組合にあつては、連合会)は、その者に係る責任準備金に相当する金額を当該他の組合(連合会加入組合にあつては、連合会)に移換しなければならない。
2 前項の規定により移換すべき責任準備金の計算については、政令で定める。
第四章 給付
第一節 通則
(組合の給付)
第四十条 組合は、この法律の定めるところにより、組合員の病気、負傷、出産、死亡、休業若しくは災害又は被扶養者の病気、負傷、出産、死亡若しくは災害に関し、第五十一条に規定する短期給付を行うほか、第五十二条に規定する短期給付を行うことができるものとし、また、組合員の退職、廃疾又は死亡に関し、長期給付を行うものとする。
(給付の決定及び支払)
第四十一条 給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基いて、組合(長期給付で連合会加入組合に係るものにあつては、連合会。以下この条、第四十七条、第四十八条、第七十五条、第八十一条第三項、第九十五条、第百条第二項、第百六条第一項、第百八条第二項、第百九条第二項、第百十四条及び第百十八条において同じ。)が決定する。
2 組合は、給付の原因である事故が公務により生じたものであるかどうかを認定するに当つては、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する実施機関その他の公務上の災害に対する補償の実施機関の意見を聞かなければならない。
3 組合は、政令で定めるところにより、長期給付の支払に関する事務を逓信省に委託することができる。
(給付額の算定の基礎となる俸給)
第四十二条 短期給付(第五十一条及び第五十二条に規定する短期給付をいう。以下同じ。)の給付額の算定の基準となるべき俸給は、給付事由が生じた日(給付事由が退職後に生じた場合には、退職の日。以下この条において同じ。)の属する月の掛金の標準となつた俸給(第百条第二項及び第三項の規定により掛金の標準となつた俸給をいう。以下この条において同じ。)とし、その二十五分の一に相当する金額をもつて俸給日額とする。
2 長期給付の給付額の算定の基準となるべき俸給は、給付事由が生じた日の属する月以前三年間における掛金の標準となつた俸給の総額を三十六(当該三年間における組合員期間の月数が三十六に満たないときは、その組合員期間の月数)で除して得た額とし、その十二倍に相当する金額をもつて俸給年額とし、その三十分の一に相当する金額をもつて俸給日額とする。
3 給付事由が生じた日の属する月以前一年内に次の各号の一に該当する場合には、当該各号に掲げる俸給を当該各号に規定する昇給があつた後の期間における掛金の標準となつた俸給として、前項の規定を適用する。
一 公務により病気にかかり、又は負傷したため退職し、又は死亡した者の俸給につき、給付事由が生じた月の一年前の俸給(その者が給付事由が生じた月の一年前に組合員の資格を有していなかつた場合には、その後において組合員の資格を取得した月の俸給。以下この項において「一年前の俸給」という。)より二号俸をこえる昇給があつた場合 一年前の俸給より二号俸(政令で定める者については、三号俸)上位の俸給
二 前号に規定する者以外の者の俸給につき、一年前の俸給より一号俸をこえる昇給があつた場合 一年前の俸給より一号俸(政令で定める者については、二号俸)上位の俸給
4 前項の規定の適用については、昇任、転任又はこれらに準ずる措置による俸給の増額は、昇給とみなす。
(遺族の順位)
第四十三条 給付を受けるべき遺族の順位は、第二条第一項第三号に規定する順序とする。
2 前項の場合において、父母については養父母、実父母の順とし、祖父母については養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順とする。
3 先順位者となることができる者が後順位者より後に生じ、又は同順位者となることができる者がその他の同順位者である者より後に生じたときは、その先順位者又は同順位者となることができる者については、前二項の規定は、その生じた日から適用する。
(同順位者が二人以上ある場合の給付)
第四十四条 前条の規定により給付を受けるべき遺族に同順位者が二人以上あるときは、その給付は、その人数によつて等分して支給する。
(支払未済の給付の受給者の特例)
第四十五条 この法律に基く給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者が支給を受けることができた給付でその支払を受けなかつたものがあるときは、前二条の規定に準じて、これをその者の遺族(弔慰金、遺族年金又は遺族一時金については、これらの給付に係る組合員であつた者の他の遺族)に支給し、支給すべき遺族がないときは、当該死亡した者の相続人に支給する。
(給付金からの控除)
第四十六条 組合員が組合員の資格を喪失した場合において、その者又はその遺族若しくは相続人に支給すべき給付金(埋葬料及び家族埋葬料に係る給付金を除く。)があり、かつ、その者が組合に対して支払うべき金額があるときは、当該給付金からこれを控除する。
(不正受給者等からの費用の徴収)
第四十七条 偽りその他の不正行為により組合から給付を受けた者がある場合には、組合は、その者から、その給付に要した費用に相当する金額(その給付が療養の給付であるときは、第五十五条第二項の規定により支払つた一部負担金に相当する額を控除した金額)の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の場合において、第五十五条第一項第三号に規定する保険医療機関において診療に従事する保険医(第五十八条に規定する保険医をいう。)が組合に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その給付が行われたものであるときは、組合は、その保険医に対し、給付を受けた者と連帯して前項の規定により徴収すべき金額を納付させることができる。
(損害賠償の請求権)
第四十八条 組合は、給付事由が第三者の行為によつて生じた場合には、当該給付事由に対して行つた給付の価額の限度で、給付を受ける権利を有する者(給付事由が組合員の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。以下次項において同じ。)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2 前項の場合において、給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、組合は、その価額の限度で、給付をしないことができる。
(給付を受ける権利の保護)
第四十九条 この法律に基く給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金である給付を受ける権利を国民金融公庫に担保に供する場合は、この限りでない。
(公課の禁止)
第五十条 租税その他の公課は、組合の給付として支給を受ける金品を標準として、課することができない。ただし、退職給付及び休業手当金については、この限りでない。
第二節 短期給付
第一款 通則
(短期給付の種類)
第五十一条 この法律による短期給付は、次のとおりとする。
一 療養の給付及び療養費
二 家族療養費
三 出産費
四 配偶者出産費
五 育児手当金
六 埋葬料
七 家族埋葬料
八 傷病手当金
九 出産手当金
十 休業手当金
十一 弔慰金
十二 家族弔慰金
十三 災害見舞金
(附加給付)
第五十二条 組合は、政令で定めるところにより、前条各号に掲げる給付にあわせて、これに準ずる短期給付を行うことができる。
(被扶養者に係る届出及び給付)
第五十三条 新たに組合員となつた者に被扶養者の要件を備える者がある場合又は組合員について次の各号の一に該当する事実が生じた場合には、その組合員は、大蔵省令で定める手続により、その旨を組合に届け出なければならない。
一 新たに被扶養者の要件を備える者が生じたこと。
二 被扶養者がその要件を欠くに至つたこと。
2 被扶養者に係る給付は、新たに組合員となつた者に被扶養者となるべき者がある場合にはその者が組合員となつた日から、組合員に前項第一号に該当する事実が生じた場合にはその事実が生じた日から、それぞれ行うものとする。ただし、同号の規定による届出がその事実の生じた日から三十日を経過した後にされた場合には、その届出を受けた日から行うものとする。
第二款 保健給付
(療養の給付)
第五十四条 組合は、組合員の公務によらない病気又は負傷について次に掲げる療養の給付を行う。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 病院又は診療所への収容
五 看護
六 移送
2 前項第五号又は第六号に掲げる療養の給付は、組合が必要と認める場合に限り、行うものとする。
(療養の機関及び費用の負担)
第五十五条 組合員は、前条第一項第一号から第四号までに掲げる療養の給付を受けようとするときは、次に掲げる医療機関又は薬局から受けるものとする。
一 組合(連合会加入組合にあつては、連合会を含む。)の経営する医療機関又は薬局
二 組合員(他の法律に基く共済組合で療養の給付に相当する給付を行うものの組合員を含む。)のための療養を行うことを目的とする医療機関又は薬局で組合員の療養について組合が契約しているもの
三 保険医療機関又は保険薬局(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局をいう。以下同じ。)
2 前項の規定により同項第二号又は第三号に掲げる医療機関から療養を受ける者は、その給付を受ける際、健康保険法第四十三条ノ八の規定の例により算定した一部負担金(以下「一部負担金」という。)に相当する金額を当該医療機関に支払うものとする。ただし、同項第二号に掲げる医療機関から受ける場合には、組合は、運営規則で定めるところにより、一部負担金を減額し、又はその支払を要しないものとすることができる。
3 組合員が第一項の規定により療養の給付を受けた場合には、組合は、同項第一号の医療機関又は薬局については、その費用を負担し、同項第二号又は第三号の医療機関又は薬局については、療養に要する費用から組合員が支払つた一部負担金に相当する金額を控除した金額を当該医療機関又は薬局に支払うものとする。
4 前項に規定する療養に要する費用の額は、健康保険法第四十三条ノ九第二項の規定に基き厚生大臣が定めたところにより算定した金額(当該金額の範囲内において組合が第一項第二号又は第三号の医療機関又は薬局との契約により別段の定をした場合には、その定めたところにより算定した金額)とする。
(療養費)
第五十六条 組合は、前条の規定により療養の給付をすることが困難であると認めたとき、又は組合員が緊急その他やむを得ない事情により前条第一項各号に掲げる医療機関及び薬局以外の病院、診療所、薬局その他の療養機関から診療、手当若しくは薬剤の支給を受けた場合において、組合が必要と認めたときは、療養の給付に代えて、療養費を支給することができる。
2 組合は、組合員が前条第一項第二号又は第三号の医療機関又は薬局から第五十四条第一項第一号から第四号までに掲げる療養を受け、緊急その他やむを得ない事情によりその費用をこれらの医療機関又は薬局に支払つた場合において、組合が必要と認めたときは、療養の給付に代えて、療養費を支給することができる。
3 前二項の規定により支給する療養費の額は、療養に要する費用から一部負担金に相当する金額を控除した金額(第一項の規定による場合には、当該金額の範囲内で組合が定める金額)とする。ただし、その額は、現に療養に要した費用の額をこえることができない。
4 前条第四項の規定は、前項に規定する療養に要する費用の算定について準用する。
(家族療養費)
第五十七条 被扶養者が第五十五条第一項各号に掲げる医療機関又は薬局から療養を受けたときは、その療養に要した費用につき、組合員に家族療養費を支給する。
2 家族療養費の額は、療養に要する費用の百分の五十に相当する金額とする。ただし、現に当該療養に要した費用の百分の五十に相当する金額をこえることができない。
3 被扶養者が第五十五条第一項第一号に掲げる医療機関又は薬局から療養を受けた場合において、組合がその被扶養者の支払うべき療養に要した費用のうち家族療養費として組合員に支給すべき金額に相当する金額の支払を免除したときは、組合員に対し家族療養費を支給したものとみなす。
4 被扶養者が第五十五条第一項第二号又は第三号に掲げる医療機関又は薬局から療養を受けた場合には、組合は、療養に要した費用のうち家族療養費として組合員に支給すべき金額に相当する金額を、組合員に代り、これらの医療機関又は薬局に支払うことができる。
5 前項の規定による支払があつたときは、組合員に対し家族療養費を支給したものとみなす。
6 第五十四条、第五十五条第一項及び第四項並びに前条の規定は、家族療養費の支給について準用する。この場合において、同条第三項中「療養に要する費用から一部負担金に相当する金額を控除した金額」とあるのは「療養に要する費用の百分の五十に相当する金額」と、「現に療養に要した費用の額」とあるのは「現に療養に要した費用の百分の五十に相当する金額」と読み替えるものとする。
(保険医療機関の療養担当等)
第五十八条 保険医療機関若しくは保険薬局又はこれらにおいて診療若しくは調剤に従事する保険医若しくは保険薬剤師(健康保険法第四十三条ノ二に規定する保険医又は保険薬剤師をいう。)は、健康保険法及びこれに基く命令の規定の例により、組合員及びその被扶養者の療養並びにこれに係る事務を担当し、又は診療若しくは調剤に当らなければならない。
(療養の給付期間)
第五十九条 療養の給付、療養費及び家族療養費は、同一人に係る同一の病気又は負傷及びこれらにより生じた病気(以下「傷病」という。)に関しては、これらの給付(他の法律に基く共済組合の給付でこれらの給付に相当するものを含む。)の支給開始後三年を経過したとき以後は、支給しない。
2 組合員の資格を喪失した日の前日まで引き続き一年以上組合員であつた者(以下「一年以上組合員であつた者」という。)が退職した際に療養の給付、療養費又は家族療養費を受けている場合には、その者が退職しなかつたとしたならば前項の規定により受けることができる期間、継続してこれらの給付を支給する。ただし、その期間内に他の組合の組合員(他の法律に基く共済組合でこれらの給付に相当する給付を行うものの組合員その他健康保険又は船員保険の被保険者を含む。以下次項、第六十一条第二項及び第六十七条第四項において同じ。)の資格を取得したとき(家族療養費については、その被扶養者がその期間内に組合員又はその被扶養者となつたときを含む。)は、その日以後は、この限りでない。
3 一年以上組合員であつた者が死亡した際に家族療養費を受けている場合には、その者が死亡しなかつたとしたならば第一項の規定により受けることができる期間、継続してこれを当該組合員であつた者の被扶養者として現に療養を受けている者に支給する。ただし、その期間内に当該組合若しくは他の組合の組合員又はその被扶養者となつたときは、その日以後は、この限りでない。
(他の法令による療養との調整)
第六十条 他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担において療養又は療養費の支給を受けたときは、その受けた限度において、療養の給付又は療養費若しくは家族療養費の支給は、行わない。
(出産費及び配偶者出産費)
第六十一条 組合員が出産したときは、出産費として、俸給の一月分に相当する金額を支給する。
2 前項の規定は、一年以上組合員であつた者が退職後六月以内に出産した場合について準用する。ただし、退職後出産するまでの間に他の組合の組合員の資格を取得したときは、もとの組合は、出産費を支給しない。
3 組合員の被扶養者である配偶者(前項本文の規定の適用を受ける者を除く。)が出産したときは、配偶者出産費として、俸給の半月分に相当する金額を支給する。
(育児手当金)
第六十二条 組合員又はその被扶養者である配偶者(次項の規定の適用を受ける者を除く。)が出産し、かつ、その生れた子を育てる場合には、育児手当金として、出産の日から引き続き育てている期間(その期間が六月をこえるときは六月とし、その期間に一月に満たない端数があるときはこれを一月とする。)一月につき四百円を支給する。
2 前項の規定は、一年以上組合員であつた者が退職した場合において、その者又はその被扶養者である配偶者がその退職後六月以内に出産し、かつ、その生れた子を育てたときについて準用する。この場合においては、前条第二項ただし書の規定を準用する。
3 一年以上組合員であつた者がその資格を喪失した際に育児手当金を受けている場合には、その者がその資格を喪失しなかつたとしたならば第一項の規定により受けることができる期間、継続してこれをその者(その者が死亡した場合には、その死亡の当時被扶養者であつた配偶者)に支給する。
4 前三項の規定による育児手当金は、出産した場合に前金払をすることができる。
(埋葬料及び家族埋葬料)
第六十三条 組合員が公務によらないで死亡したときは、その死亡の当時被扶養者であつた者で埋葬を行うものに対し、埋葬料として、俸給の一月分に相当する金額を支給する。ただし、その金額が六千円に満たない場合には、六千円とする。
2 前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合には、埋葬を行つた者に対し、同項に規定する金額の範囲内で、埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。
3 被扶養者(次条第一項の規定の適用を受ける者を除く。)が死亡したときは、家族埋葬料として、第一項の規定による埋葬料の金額の百分の五十に相当する金額を支給する。
第六十四条 第五十九条第二項の規定により療養に関する給付を受けている者(当該給付が家族療養費である場合には、療養を受けている被扶養者。以下この項において「継続療養受給者」という。)が死亡したとき、継続療養受給者であつた者がその給付を受けなくなつた日後三月以内に死亡したとき、又は組合員であつた者が退職後三月以内に死亡したときは、前条の規定に準じて埋葬料又は家族埋葬料を支給する。
2 第五十九条第二項ただし書の規定は、前項の場合について準用する。
(日雇労働者健康保険法による給付との調整)
第六十五条 家族療養費、配偶者出産費又は家族埋葬料は、同一の病気、負傷、出産又は死亡に関し、日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の規定により療養の給付又は分べん費若しくは埋葬料の支給があつた場合には、その限度において、支給しない。
第三款 休業給付
(傷病手当金)
第六十六条 組合員が公務によらないで病気にかかり、又は負傷し、療養のため引き続き勤務に服することができない場合には、傷病手当金として、勤務に服することができなくなつた日以後三日を経過した日から、その後における勤務に服することができない期間一日につき俸給日額の百分の八十に相当する金額を支給する。
2 組合員で被扶養者のないものが病院又は診療所に収容されている場合に支給すべき傷病手当金の額は、前項の規定にかかわらず、俸給日額の百分の六十に相当する金額とする。
3 傷病手当金の支給期間は、同一の傷病については、第一項に規定する勤務に服することができなくなつた日以後三日を経過した日から通算して六月間(結核性の病気については、三年間)とする。
4 第五十九条第二項の規定は、傷病手当金の支給について準用する。
5 第三項の場合又は前項において準用する第五十九条第二項の場合において、傷病手当金の支給期間中に療養の給付又は療養費の支給期間が経過したときは、傷病手当金の支給期間は、これらの規定にかかわらず、当該傷病手当金の支給を始めた日から当該療養の給付又は療養費の支給期間が経過した日の前日までの期間とする。
6 傷病手当金は、次条の規定により出産手当金を支給する場合には、その期間内は、支給しない。
(出産手当金)
第六十七条 組合員が出産した場合には、出産手当金として、出産の日前四十二日以内及び出産の日以後四十二日以内において勤務に服することができなかつた期間一日につき俸給日額の百分の八十に相当する金額を支給する。
2 前項の規定は、一年以上組合員であつた者が退職後六月以内に出産した場合について準用する。
3 第六十一条第二項ただし書の規定は前項の場合について、前条第二項の規定は出産手当金の支給について、それぞれ準用する。
4 一年以上組合員であつた者が退職した際に出産手当金を受けているときは、その給付は、第一項に規定する期間内は、引き続き支給する。ただし、その期間内に他の組合の組合員の資格を取得したときは、その日以後は、この限りでない。
(休業手当金)
第六十八条 組合員が次の各号の一に掲げる事由により欠勤した場合には、休業手当金として、その期間(第二号から第四号までの各号については、当該各号に掲げる期間内においてその欠勤した期間)一日につき俸給日額の百分の六十に相当する金額を支給する。ただし、傷病手当金又は出産手当金を支給する場合には、その期間内は、この限りでない。
一 被扶養者の病気又は負傷
二 組合員の配偶者の出産 十四日
三 組合員の公務によらない不慮の災害又はその被扶養者に係る不慮の災害 五日
四 組合員の婚姻、配偶者の死亡又は二親等内の血族若しくは一親等の姻族で主として組合員の収入により生計を維持するもの若しくはその他の被扶養者の婚姻若しくは葬祭 七日
五 前各号に掲げるもののほか、運営規則で定める事由 運営規則で定める期間
(俸給との調整)
第六十九条 傷病手当金、出産手当金又は休業手当金は、その支給期間に係る俸給の全部又は一部を受ける場合には、その受ける金額の限度において、その全部又は一部を支給しない。
第四款 災害給付
(弔慰金及び家族弔慰金)
第七十条 組合員又はその被扶養者が水震火災その他の非常災害により死亡したときは、組合員については俸給の一月分に相当する金額の弔慰金をその遺族に、被扶養者については俸給の半月分に相当する金額の家族弔慰金を組合員に支給する。
(災害見舞金)
第七十一条 組合員が前条に規定する非常災害によりその住居又は家財に損害を受けたときは、災害見舞金として、別表第一に掲げる損害の程度に応じ、同表に定める月数を俸給に乗じて得た金額を支給する。
第三節 長期給付
第一款 通則
(長期給付の種類)
第七十二条 この法律による長期給付は、次のとおりとする。
一 退職年金
二 減額退職年金
三 退職一時金
四 廃疾年金
五 廃疾一時金
六 遺族年金
七 遺族一時金
2 長期給付に関する規定は、次に掲げる職員である組合員のうち国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号)の適用を受ける者に限り、適用する。
一 郵政事業特別会計においてその俸給を支弁する職員
二 第三条第二項第三号及び第六号に掲げる職員
三 国有林野事業特別会計においてその俸給を支弁する職員
(年金の支給期間及び支給期月)
第七十三条 年金である給付は、その給付事由が生じた日の属する月の翌月からその事由のなくなつた日の属する月までの分を支給する。
2 年金である給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由がなくなつた日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合には、支給を停止しない。
3 年金である給付の額を改定する事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月分からその改定した金額を支給する。
4 年金である給付は、毎年三月、六月、九月及び十二月において、それぞれの前月までの分を支給する。ただし、その給付を受ける権利が消滅したとき、又はその支給を停止すべき事由が生じたときは、その支給期月にかかわらず、その際、その月までの分を支給する。
(退職給付と廃疾給付との調整)
第七十四条 この節の規定により廃疾年金と退職年金又は減額退職年金とを支給すべき事由に該当するときは、当該給付を受ける者に有利ないずれか一の給付を行うものとする。
2 廃疾年金を受ける権利を有する者には、退職一時金は、支給しない。
3 退職年金又は減額退職年金を受ける権利を有する者には、廃疾一時金は、支給しない。
(年金受給者の書類の提出等)
第七十五条 組合は、年金である給付の支給に関し必要な範囲内において、その支給を受ける者に対して、身分関係の移動及び廃疾の状態に関する書類その他の物件の提出を求めることができる。
2 組合は、前項の要求をした場合において、正当な理由がなくてこれに応じない者があるときは、その者に対しては、これに応ずるまでの間、年金である給付の支払を差し止めることができる。
第二款 退職給付
(退職年金)
第七十六条 組合員期間が二十年以上である者が退職したときは、その者が死亡するまで、退職年金を支給する。
2 前項の退職年金の額は、俸給年額の百分の四十に相当する金額(組合員期間が二十年をこえるときは、その金額にそのこえる年数(一年未満の端数があるときは、これを切り捨てた年数。以下この節において同じ。)一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)とする。ただし、その額が三万四千八百円より少ないときは、三万四千八百円とし、その額が俸給年額の百分の七十に相当する金額をこえるときは、その金額に止める。
3 退職一時金又は廃疾一時金の支給を受けた後再び組合員となつた者に退職年金を支給する場合には、第一項の退職年金の額は、前項の規定により算定した金額からそれぞれ第一号又は第二号に掲げる金額を控除した金額とする。
一 当該退職一時金の基礎となつた期間の年数一年につき、俸給年額の百分の一・四に相当する金額
二 当該廃疾一時金の給付事由が生じた月の翌月から再び組合員となつた月までの月数を四で除して得た月数(一月未満の端数があるときはこれを一月とし、十二月をこえるときは十二月とする。)を十二月から控除した月数を俸給に乗じて得た額の十五分の一に相当する金額
(退職年金の停止)
第七十七条 退職年金を受ける権利を有する者が再び組合員となつたときは、組合員である間、退職年金の支給を停止する。
2 退職年金は、前項の規定による場合のほか、これを受ける権利を有する者が五十五歳未満であるときは、五十五歳未満である間、その支給を停止する。
3 退職年金を受ける権利を有する者が五十五歳未満であつても、その者が別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるときは、その状態にある間、前項の規定による停止は、行わない。
4 十二万円をこえる金額の退職年金を受ける権利を有する者の各年(その者が退職した日の属する年を除く。)における所得金額が六十万円をこえるときは、その者に支給する退職年金の額が十二万円を下らない限度において、その年の翌年六月から翌翌年五月までの分として支給すべき退職年金の額のうち、所得金額から六十万円を控除した残額(一万円に満たない端数があるときは、これを切り捨てた額)を一万円で除し、これに千分の二・五を乗じて得た割合(百分の五十五をこえるときは、百分の五十五)を当該退職年金の額に乗じて得た金額の支給を停止する。
5 前項に規定する所得金額とは、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)その他の所得税に関する法令の規定により計算した課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額をいうものとし、当該金額のうち退職年金の額以外のものは、政令で定めるところにより、毎年、税務署長の調査したところによる。
(退職年金の額の改定)
第七十八条 前条第一項の規定により退職年金の支給を停止されている者が退職したときは、前後の組合員期間を合算して退職年金の額を改定する。この場合において、その改定額が改定前の退職年金の額より少ないときは、その改定前の金額をもつて改定額とする。
(減額退職年金)
第七十九条 退職年金を受ける権利を有する者が五十五歳に達する前に年金である給付を受けることを希望することを組合に申し出たときは、その者が死亡するまで、減額退職年金を支給する。この場合においては、退職年金は、支給しない。
2 減額退職年金の年額は、退職年金の年額から、その額の百分の四に相当する金額に、五十五歳と当該減額退職年金の支給を開始する月の前月の末日におけるその者の年齢との差に相当する年数を乗じて得た金額を減じた金額とする。
3 第七十七条第一項、第四項及び第五項並びに前条前段の規定は、減額退職年金について準用する。
4 前項において準用する前条前段の規定により改定した減額退職年金の額は、改定前の減額退職年金の額のその算定の基準となつた俸給年額に対する割合に、再び組合員となつた期間の年数一年につき百分の一・五を加え、これを再退職に係る俸給年額に乗じて得た金額とする。この場合においては、前条後段の規定を準用する。
5 再び退職した日において五十五歳未満である者に対する前項の規定の適用については、同項中「百分の一・五」とあるのは、「百分の一・五に五十五歳と再び退職した月の末日におけるその者の年齢との差に相当する年数一年につき百分の四を乗じて得た割合を百分の一・五から減じた割合」とする。
(退職一時金)
第八十条 組合員期間三年以上二十年未満の者が退職したときは、退職一時金を支給する。
2 退職一時金の額は、俸給日額に、組合員期間に応じ別表第二に定める日数を乗じて得た金額とする。
第三款 廃疾給付
(廃疾年金)
第八十一条 次の各号に掲げる者が当該各号の場合に該当するときは、その者が死亡するまで、廃疾年金を支給する。
一 公務により病気にかかり、又は負傷した組合員 その公務による傷病(以下「公務傷病」という。)の結果として、退職の時に別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるとき、又は退職の時から五年以内に同欄に掲げる程度の廃疾の状態になつた場合において、その期間内にその者の請求があつたとき。
二 組合員となつて一年以上経過した後に公務によらないで病気にかかり、又は負傷した者 その傷病の結果として、退職の時に別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるとき、又は退職の時から五年以内に同欄に掲げる程度の廃疾の状態になつた場合において、その期間内にその者の請求があつたとき。
2 前項各号中「退職の時」とあるのは、同項第一号の規定による廃疾年金(以下「公務による廃疾年金」という。)については、公務傷病について国家公務員災害補償法第十条の規定による療養補償又はこれに相当する補償を退職の際に受けている者にあつては、「公務傷病がなおつた時又は同法第十九条の規定による打切補償若しくはこれに相当する補償を受けた時」とし、同項第二号の規定による廃疾年金(以下「公務によらない廃疾年金」という。)については、第五十九条第二項の規定により療養の給付又は療養費を受けている者にあつては、「療養の給付又は療養費を受けることができる期間内になおつた時又はなおらないがその期間を経過した時」とする。
3 廃疾の状態になつた時又は請求の時が第一項各号に規定する期間を経過した後であつても、組合が国家公務員共済組合審査会の議に付することを適当と認め、かつ、国家公務員共済組合審査会においてその廃疾が公務傷病によることが顕著であると議決したときは、そのときから、廃疾年金を支給する。
(廃疾年金の額)
第八十二条 公務による廃疾年金の額は、廃疾の程度に応じ俸給年額に別表第三の中欄(イ)に掲げる率を乗じて得た金額(組合員期間が二十年をこえるときは、そのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)とする。ただし、その額が同表の下欄に掲げる金額より少ないときは、当該金額とし、その額が俸給年額に相当する金額をこえるときは、当該金額とする。
2 公務によらない廃疾年金の額は、廃疾の程度に応じ俸給年額に別表第三の中欄(ロ)に掲げる率を乗じて得た金額(組合員期間が十年をこえるときは、その二十年に達するまでの期間についてはそのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一に相当する金額を、二十年をこえる期間についてはそのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)とする。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 退職一時金又は廃疾一時金の支給を受けた後に廃疾年金を支給すべき事由が生じた者に廃疾年金を支給する場合には、前二項の規定により算定した廃疾年金の額から、それぞれ第七十六条第三項第一号又は第二号に掲げる金額を控除した金額を廃疾年金の額とする。
(廃疾の程度が変つた場合の年金額の改定等)
第八十三条 廃疾年金を受ける権利を有する者の廃疾の程度が減退したとき、又は退職の時から五年以内に増進した場合において、その期間内にその者の請求があつたときは、その減退し、又は増進した後において該当する別表第三の上欄に掲げる廃疾の程度に応じて、その廃疾年金の額を改定する。
2 第八十一条第二項の規定は前項に規定する退職の時について、同条第三項の規定は前項の規定による廃疾年金の額の改定について、それぞれ準用する。
3 廃疾年金を受ける権利を有する者が別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態に該当しなくなつたときは、その権利は、消滅する。
4 組合員であつた期間十年未満で廃疾年金を受ける権利を有する者が前項の規定により廃疾年金の支給を受けなくなり、又は死亡した場合において、既に支給を受けた廃疾年金の総額が、その者が退職の際受けるべきであつた退職一時金と俸給十二月分との合算額より少ないときは、その者又はその遺族にその差額に相当する金額を支給する。
(二以上の廃疾がある場合の取扱)
第八十四条 組合員又は組合員であつた者について同時に二以上の廃疾があるときは、第八十一条第一項各号の病気又は負傷によらないものを除き、公務による廃疾年金と公務によらない廃疾年金との別に応じ、これらの廃疾を併合した廃疾の程度を前三条に規定する廃疾の程度として、これらの規定を適用する。
2 組合員又は組合員であつた者について、公務傷病による廃疾と公務傷病によらない廃疾とがあるときは、公務によらない廃疾年金については、次に定めるところによる。
一 当該年金の基礎となるべき廃疾の程度は、公務傷病による廃疾を公務によらないものとみなし、これらを併合した廃疾の程度による。
二 当該年金の第八十二条第二項の規定による額は、同項の規定にかかわらず、公務傷病による廃疾を公務傷病によらないものとみなし、これらを併合して算定した廃疾年金の額(当該公務傷病による廃疾の程度が別表第三の上欄に掲げる廃疾の程度に該当する場合には、当該廃疾が公務傷病によらないものであるとしたならば当該廃疾について支給されるべき廃疾年金の額を控除した金額)とする。
(再就職した場合の廃疾年金の停止等)
第八十五条 廃疾年金を受ける権利を有する者が再び組合員となつたときは、組合員である間、廃疾年金の支給を停止する。
2 前項の規定により廃疾年金の支給を停止された組合員が再び退職した場合において、その退職の時に別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるときは、前後の組合員であつた期間を合算し、その廃疾の程度に応じて廃疾年金の額を改定する。
3 第八十一条第二項の規定は、前項に規定する退職の時について準用する。
4 前二項の規定により廃疾年金の額を改定した場合において、その改定額が改定前の廃疾年金の額(改定廃疾年金の基礎となる廃疾の程度が改定前の廃疾年金の基礎となつた廃疾の程度より低い場合には、改定前の廃疾年金の基礎となつた廃疾の程度が改定廃疾年金の基礎となる廃疾の程度に相当する程度であつたものとみなして算定した金頷。以下この項において同じ。)より少ないときは、改定前の廃疾年金の額をもつて改定額とする。
(公務による廃疾年金と障害補償との調整)
第八十六条 公務による廃疾年金は、国家公務員災害補償法第十三条の規定による障害補償又はこれに相当する補償を支給する事由が生じた月の翌月から六年間、次の各号に掲げる者の区分により、その額のうち、その算定の基礎となつた俸給年額に当該各号に掲げる割合を乗じて得た金額に相当する金額の支給を停止する。
一 別表第三の上欄の一級に該当する者 百分の三十
二 別表第三の上欄の二級に該当する者 百分の二十
三 別表第三の上欄の三級に該当する者 百分の十
(廃疾一時金)
第八十七条 一年以上組合員であつた者で公務によらないで病気にかかり、又は負傷したものが退職した場合において、その退職の時(第五十九条第二項の規定により療養の給付又は療養費を受けている場合には、これを受けることができる期間内になおつた時又はなおらないがその期間を経過した時)に、その傷病の結果として、別表第四に掲げる廃疾の状態にあるときは、廃疾一時金として、俸給の十二月分を支給する。
2 同時に二以上の廃疾があるときは、前項の傷病によらないものを除き、これらの廃疾を併合した廃疾の状態を同項に規定する廃疾の状態として、同項の規定を適用する。
第四款 遺族給付
(遺族年金)
第八十八条 次の各号の一に該当するときは、当該各号に規定する者の遺族に、当該各号に掲げる額の遺族年金を支給する。
一 組合員が公務傷病により、組合員である間に、又は退職後に死亡した場合 俸給年額の百分の四十に相当する金額(組合員期間が二十年をこえるときは、そのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)
二 組合員期間が二十年以上である者が公務傷病によらないで死亡した場合 その者が受ける権利を有していた退職年金(退職年金を受ける権利を有していなかつた者については、減額退職年金若しくは廃疾年金を支給しなかつたものとした場合において支給すべきであつた退職年金又はその死亡を退職とみなした場合において支給すべきこととなる退職年金)の額の百分の五十に相当する金額
三 組合員期間が十年以上二十年未満である者が公務傷病によらないで組合員である間に死亡した場合又は組合員期間が十年以上二十年未満である者で廃疾年金を受ける権利を有するものが公務傷病によらないで死亡した場合 俸給年額の百分の十に相当する金額(組合員期間が十年をこえるときは、そのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一に相当する金額を加えた金額)
四 組合員期間十年未満の者で公務による廃疾年金を受ける権利を有するものが公務によらないで死亡した場合 俸給年額の百分の十に相当する金額
2 前項の規定による遺族年金の額が二万一千円に満たないときは、これを二万一千円とする。
(遺族年金の停止)
第八十九条 夫、父母又は祖父母に対する遺族年金は、その者が五十五歳に達するまでは、その支給を停止する。ただし、別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にある場合には、その状態にある間は、この限りでない。
第九十条 遺族年金を受ける権利を有する者が一年以上所在不明である場合には、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請により、その所在不明である間、当該権利を有する者の受けるべき遺族年金の支給を停止することができる。
2 前項の規定により年金の支給を停止した場合には、その停止している期間、その年金は、同順位者から申請があつたときは同順位者に、次順位者から申請があつたときは次順位者に支給する。
(遺族年金の失権)
第九十一条 遺族年金を受ける権利を有する者は、次の各号の一に該当するに至つたときは、その権利を失う。
一 死亡したとき。
二 婚姻したとき(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者となつたときを含む。)。
三 三親等内の親族以外の者の養子となつたとき。
四 死亡した組合員であつた者との親族関係が離縁によつて終了したとき。
五 子又は孫で別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にある者以外の者が十八歳に達したとき。
六 別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるため遺族年金を受けていた者につき、その事情がなくなつたとき。
(公務による遺族年金と遺族補償との調整)
第九十二条 第八十八条第一項第一号の規定による遺族年金は、国家公務員災害補償法第十五条の規定による遺族補償又はこれに相当する補償を支給する事由が生じた時から六年間、その額のうち、その算定の基礎となつた俸給年額の百分の二十に相当する金額の支給を停止する。
(遺族一時金)
第九十三条 組合員期間が三年以上十年未満である組合員が公務傷病によらないで死亡したときは、その者の遺族に遺族一時金を支給する。
2 遺族一時金の額は、俸給日額に、組合員期間に応じて別表第二に定める日数を乗じて得た金額とする。
第四節 給付の制限
(給付の制限)
第九十四条 この法律により給付を受けるべき者が、故意の犯罪行為により、又は故意に、病気、負傷、廃疾、死亡若しくは災害又はこれらの直接の原因となつた事故を生じさせたときは、その者には、次項の規定に該当する場合を除き、当該病気、負傷、廃疾、死亡又は災害に係る給付は、行わず、また、当該廃疾については、第七十七条第三項の規定は、適用しない。
2 第三節第四款の規定による遺族給付(第四十五条の規定により支給するその他の給付に係る支払未済の給付を含む。以下この項及び第百十二条第三項において同じ。)を受けるべき者が組合員、組合員であつた者又は遺族給付を受ける者を故意の犯罪行為により、又は故意に死亡させたときは、その者には、当該遺族給付は、行わない。組合員又は組合員であつた者の死亡前に、その者の死亡によつて遺族給付を受けるべき者を故意の犯罪行為により、又は故意に死亡させた者についても、同様とする。
3 この法律により給付を受けるべき者が、重大な過失により、若しくは正当な理由がなくて療養に関する指示に従わなかつたことにより、病気、負傷、廃疾若しくは死亡若しくはこれらの直接の原因となつた事故を生じさせ、その病気若しくは廃疾の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げ、又は故意にその廃疾の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、その者には、当該病気、負傷、廃疾又は死亡に係る給付の全部又は一部を行わず、また、当該廃疾については、第八十三条第一項の規定による改定を行わず、又はその者の廃疾の程度が現に該当する級以下の級に該当するものとして同項の規定による廃疾年金の額の改定を行うことができる。
第九十五条 組合がこの法律に基く給付の支給に関し必要があると認めてその支給に係る者につき診断を受けるべきことを求めた場合において、正当な理由がなくてこれに応じない者があるときは、その者に係る当該給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第九十六条 組合員若しくは組合員であつた者が禁錮以上の刑に処せられたとき、又は組合員が懲戒処分によつて退職したときは、その者には、その組合員期間に係る長期給付の全部又は一部は、行わない。
2 遺族給付を受ける権利を有する者が禁錮以上の刑に処せられたときは、その者には、遺族給付の一部を行わないことができる。
3 禁錮以上の刑に処せられてその刑の執行を受ける者に支給すべきその組合員期間に係る年金である給付は、その刑の執行を受ける間、その支給を停止する。
第九十七条 長期給付に関し第九十四条第一項若しくは第三項又は前条第一項の規定の適用を受けた者が再び組合員となり、かつ、再び退職したときは、当該長期給付の基礎となつた組合員期間に係る年金である給付でその者に支給すべきものの額は、これらの規定による給付の制限の程度に応じ政令で定める金額を第三節の規定により算定した金額から控除した金額とする。
第五章 福祉事業
(福祉事業)
第九十八条 組合(連合会を含む。以下第百十六条において同じ。)は、組合員の福祉の増進に資するため、次に掲げる事業を行うことができる。
一 組合員の保健、保養若しくは宿泊又は教養のための施設の経営
二 組合員の利用に供する財産の取得、管理又は貸付
三 組合員の貯金の受入又はその運用
四 組合員の臨時の支出に対する貸付
五 組合員の需要する生活必需物資の供給
六 その他組合員の福祉の増進に資する事業で定款で定めるもの
2 前項に規定する事業に要する費用に充てることができる金額は、短期給付に要する費用の九十五分の五に相当する金額の範囲内とする。
第六章 費用の負担
(費用負担の原則)
第九十九条 組合の給付に要する費用は、次に定めるところにより、政令で定める職員を単位として、算定するものとする。
一 短期給付に要する費用については、当該事業年度におけるその費用の予想額と当該事業年度における短期給付に係る次項の掛金及び負担金の額とが等しくなるように定める。
二 長期給付に要する費用については、その費用の予想額と長期給付に係る次項の掛金及び負担金の額並びにその予定運用収入の額の合計額とが、将来にわたつて財政の均衡を保つことができるように、かつ、毎事業年度の同項の掛金及び負担金の額が平準的になるように定める。
2 組合の事業に要する費用で次の各号に掲げるものは、当該各号に掲げる割合により、組合員の掛金及び国の負担金をもつて充てる。
一 短期給付に要する費用 掛金百分の五十、国の負担金百分の五十
二 長期給付に要する費用 掛金百分の四十五、国の負担金百分の五十五
三 福祉事業に要する費用 掛金百分の五十、国の負担金百分の五十
四 組合の事務(福祉事業に係る事務を除く。)に要する費用 国の負担金百分の百
3 前項第四号の規定により組合の事務に要する費用に充てるため国が負担すべき金額は、毎年度、国の予算をもつて定める。
4 専従職員(国家公務員法第九十八条の職員団体又は公共企業体等労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)第三条の労働組合(以下「職員団体」と総称する。)の事務にもつぱら従事する職員である組合員をいう。)である組合員に係る第二項に規定する費用については、同項各号列記以外の部分中「及び国の負担金」とあるのは「、職員団体の負担金及び国の負担金」と、同項第一号から第三号まで中「国の負担金」とあるのは「職員団体の負担金」として、同項の規定を適用する。
(掛金)
第百条 掛金は、組合員の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の前日の属する月までの各月につき、徴収するものとする。この場合において、組合員の資格を喪失した日の前日の属する月に更に組合員の資格を取得したときは、当該資格の取得によるその月の掛金は、徴収しない。
2 掛金は、大蔵省令で定めるところにより、組合員の俸給を標準として算定するものとし、その俸給と掛金との割合は、組合の定款で定める。
3 組合員のうち俸給の額が七万五千円をこえる者は、前項の規定の適用については、その額が七万五千円であるものとみなす。
(掛金等の給与からの控除)
第百一条 組合員の給与支給機関は、毎月、俸給その他の給与を支給する際、組合員の給与から掛金に相当する金額を控除して、これを組合員に代つて組合に払い込まなければならない。
2 組合員(組合員であつた者を含む。以下この項において同じ。)の給与支給機関は、組合員が組合に対して支払うべき掛金以外の金額又は前項の規定により控除して払い込まれなかつた掛金の金額があるときは、俸給その他の給与(国家公務員等退職手当暫定措置法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基く退職手当又はこれに相当する手当を含む。以下この項において同じ。)を支給する際、組合員の俸給その他の給与からこれらの金額に相当する金額を控除して、これを組合員に代つて組合に払い込まなければならない。
3 連合会加入組合は、長期給付に充てるべき掛金については、前二項の規定による払込があるごとに、これを連合会に払い込まなければならない。
(負担金)
第百二条 各省各庁の長又は職員団体は、それぞれ第九十九条の規定により国又は職員団体が負担すべき金額を、毎月組合に払い込まなければならない。ただし、連合会加入組合に係る長期給付の事務に要する費用は、大蔵大臣が直接連合会に払い込むものとする。
2 前項の規定による負担金の支払については、概算払をすることができる。この場合においては、当該事業年度末において、精算するものとする。
3 連合会加入組合は、政令で定めるところにより、第九十九条に規定する長期給付及び福祉事業の費用に充てるべき国又は職員団体の負担金に相当する金額を、当該負担金の払込があるごとに、連合会に払い込まなければならない。
第七章 審査の請求
(審査の請求)
第百三条 組合員の資格若しくは給付に関する決定又は掛金の徴収に関し不服がある者は、政令で定めるところにより、国家公務員共済組合審査会に審査を請求することができる。
2 前項の審査の請求は、同項に規定する決定又は徴収があつたことを知つた日から六十日以内にしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査の請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。
3 審査の請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(審査会の設置及び組織)
第百四条 国家公務員共済組合審査会(以下「審査会」という。)は、組合(連合会加入組合にあつては、連合会)に置く。
2 審査会は、委員九人をもつて組織する。
3 委員は、組合員を代表する者、国を代表する者及び公益を代表する者それぞれ三人とし、各省各庁の長(連合会に置く審査会にあつては、大蔵大臣)が委嘱する。
4 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 審査会に会長を置く。会長は、審査会において、公益を代表する委員のうちから選挙する。
7 会長は、会務を総理する。会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめその指名する公益を代表する委員がその職務を行う。
(議事)
第百五条 審査会は、組合員を代表する委員、国を代表する委員及び公益を代表する委員各一人以上を含む過半数の委員が出席しなければ、会議を開き、及び議決することができない。
2 審査会の議事は、出席委員の過半数で決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。
(関係人に対する通知等)
第百六条 審査会は、審査の請求を受理したときは、当該審査の請求に係る組合及びその他の利害関係人にこれを通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた者は、審査会に対し、当該通知に係る審査の事件について意見を述べることができる。
(審査のための報告等)
第百七条 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、審査を請求した者若しくは関係人から報告若しくは意見を徴し、又はこれらの者の出頭を求めて審問することができる。
(決定の方式)
第百八条 審査の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付し、会長及び決定に関与した委員がこれに署名押印しなければならない。
2 審査会は、請求人及び第百六条第一項の規定により通知を受けた組合その他の利害関係人に決定書の謄本を送付しなければならない。
(決定の効力)
第百九条 審査の決定は、請求人に決定書の謄本が送付された時に、その効力を生ずる。
2 審査の決定は、第百六条第一項の規定により通知を受けた組合その他の利害関係人を拘束する。
(政令への委任)
第百十条 審査会の委員及び第百七条の規定により出頭を求めた関係人の旅費その他の手当の支給その他審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
第八章 国家公務員共済組合審議会
(国家公務員共済組合審議会)
第百十一条 この法律に基く組合に関する制度及びその行う給付その他の事業の運営に関する重要事項について、大蔵大臣の諮問に応じて調査審議するため、大蔵省の附属機関として、国家公務員共済組合審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、組合に関する施策及び組合の運営に関する事項について、大蔵大臣に建議することができる。
3 審議会は、委員九人以内で組織する。
4 委員は、学識経験がある者、関係行政機関の職員及び組合員のうちから大蔵大臣が任命し、その任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 審議会に会長一人を置き、委員の互選によりこれを定める。
7 会長は、会務を総理する。会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときはあらかじめその指名する委員がその職務を行う。
8 委員は、非常勤とする。
9 前各号に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第九章 雑則
(時効)
第百十二条 この法律に基く給付を受ける権利は、その給付事由が生じた日から、短期給付については二年間、長期給付については五年間行わないときは、時効によつて消滅する。
2 掛金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年間行わないときは、時効によつて消滅する。
3 時効期間の満了前六月以内において、次に掲げる者の生死又は所在が不明であるためにその者に係る遺族給付の請求をすることができない場合には、その請求をすることができることとなつた日から六月以内は、当該権利の消滅時効は、完成しないものとする。
一 組合員又は組合員であつた者でその者が死亡した場合に遺族給付を受けるべき者があるもの
二 遺族給付を受ける権利を有する者のうち先順位者又は同順位者
(期間計算の特例)
第百十三条 この法律の規定により給付の請求又は審査の請求に係る期間を計算する場合において、その請求が書面の郵送により行われたものであるときは、郵送に要した日数は、その期間に算入しない。
(戸籍書類の無料証明)
第百十四条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区長)は、組合又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者に対して、当該市町村の条例で定めるところにより、組合員、組合員であつた者又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
(端数の処理)
第百十五条 年金である給付を受ける権利を決定する場合において、その給付の額に一円未満の端数を生じたときは、これを一円に切り上げるものとする。
2 前項に定めるもののほか、この法律による給付及び掛金に係る端数計算については、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(昭和二十五年法律第六十一号)第二条の規定を準用する。
(大蔵大臣の権限)
第百十六条 組合の業務の執行は、大蔵大臣が監督する。
2 組合は、大蔵省令で定めるところにより、毎月末日現在におけるその事業についての報告書を大蔵大臣に提出しなければならない。
3 大蔵大臣は、毎年少くとも一回、当該職員に組合の業務及び財産の状況を監査させるものとする。
4 大蔵大臣は、この法律の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、組合に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。
第百十七条 大蔵大臣は、組合の療養に関する短期給付についての費用の負担又は支払の適正化を図るため必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者若しくはこれらの者を使用する者に対し、その行つた診療、薬剤の支給若しくは手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を求め、若しくは当該職員をして質問させ、又は当該給付に係る療養を行つた保険医療機関若しくは保険薬局から報告若しくは資料の提出を求め、当該保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者に対し出頭を求め、若しくは当該職員をして関係者に対し質問し、若しくは当該保険医療機関若しくは保険薬局につき設備若しくは診療録その他その業務に関する帳簿書類を検査させることができる。
2 当該職員は、前項の規定により質問又は検査をする場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(医療に関する事項等の報告)
第百十八条 組合は、大蔵省令・厚生省令で定めるところにより、この法律に定める医療に関する事項その他この法律の規定による給付に関する事項について、厚生大臣に報告しなければならない。
(船員組合員の期間計算等の特例)
第百十九条 船員保険の被保険者(以下「船員」という。)である組合員(以下「船員組合員」という。)の船員組合員としての資格の得喪及び期間の計算については、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の定めるところによる。
(船員組合員の療養の特例)
第百二十条 船員組合員又はその被扶養者が病気にかかり、又は負傷した場合における療養に関しては、第五十四条から第五十九条までの規定にかかわらず、船員保険法第二十八条から第二十九条ノ三まで、第三十一条及び第三十一条ノ二の規定の例による。
2 前項の場合において、船員保険法第二十九条ノ三の規定の例により国が交付し、又は負担すべき金額の支払の事務は、組合が行うものとする。
(船員組合員の療養以外の給付の特例)
第百二十一条 船員組合員又は船員組合員であつた組合員が退職し、又は死亡した場合における退職給付又は遺族給付は、次に掲げるもののうちその者が選択するいずれか一の給付とする。
一 組合員として受けるべき退職給付又は遺族給付(組合員でない船員であつた期間がある場合には、これらの給付並びにその期間に対する船員保険法第三章第五節及び第七節から第九節までに規定する給付(葬祭料を除く。))
二 その者が組合員とならなかつたものとした場合に船員として受けるべき船員保険法の給付で前号に規定するもの(船員でない組合員であつた期間がある場合には、当該給付及びその期間に対する組合員として受けるべき退職給付又は遺族給付)
2 前条及び前項に定めるもののほか、船員組合員若しくは船員組合員であつた者又はこれらの者の遺族に対する給付は、次に掲げるもののうちこれらの者が選択するいずれか一の給付とする。
一 組合員若しくは組合員であつた者又はこれらの者の遺族として受けるべき給付
二 その者が組合員とならなかつたものとした場合に船員若しくは船員であつた者又はこれらの者の遺族として受けるべき船員保険法に規定する給付(失業に関する給付を除く。)
第百二十二条 厚生年金保険及び船員保険交渉法(昭和二十九年法律第百十七号)第二条から第四条までの規定により厚生年金保険又は船員保険の老齢年金の受給資格期間を満たした者が船員組合員となつたときは、組合員でない船員であつた期間は、船員でなかつたものとみなして、前条の規定を適用する。
(船員組合員についての負担金の特例)
第百二十三条 国は、船員組合員若しくは船員組合員であつた者又はこれらの者の遺族に対する船員保険法に規定する給付に要する費用(同法第二十九条ノ三の規定により船舶所有者が負担すべき費用を含む。)については、第九十九条第二項の規定にかかわらず、同法第五十八条の規定による国庫の負担及び同法第六十条第一項の規定による船舶所有者の負担と同一の割合によつて算定した金額を負担する。
(外国で勤務する組合員についての特例)
第百二十四条 外国で勤務する組合員に対するこの法律の適用については、政令で特例を定めることができる。
(組合職員の取扱)
第百二十五条 組合に使用され、組合から給与を受ける者(常時勤務に服することを要しない者及び臨時に使用される者を除く。)でその運営規則で定めるもの(以下「組合職員」という。)は、当該組合を組織する職員とみなして、この法律(第四十一条第二項を除く。)の規定を適用する。この場合においては、第四章中「公務」とあるのは「業務」と、同章及び第六章中「俸給」とあるのは「運営規則で定める仮定俸給」と、第九十九条第二項各号列記以外の部分中「及び国の負担金」とあるのは「、組合の負担金及び国の負担金」と、同項第一号から第三号まで中「国の負担金」とあるのは「組合の負担金」と、第百二十三条中「国は、」とあるのは「組合は、」と、「同法第五十八条の規定による国庫の負担及び同法」とあるのは「同法」とする。
2 組合職員が職員となつたとき、又は職員が組合職員となつたときは、第四章第三節その他の長期給付に関する規定の適用については、そのなつた日に退職したものとみなす。
3 職員であつた期間に係る組合員期間と組合職員であつた期間に係る組合員期間とは、第三十八条第二項及び第三項の規定にかかわらず、合算しない。
(連合会役職員の取扱)
第百二十六条 連合会の役員及び連合会に使用され、連合会から給与を受ける者(常時勤務に服することを要しない者及び臨時に使用される者を除く。)でその運営規則で定めるもの(以下「連合会役職員」という。)をもつて組織する共済組合を設けることができる。
2 前項の規定により共済組合を設けた場合には、連合会役職員は、職員と、同項の共済組合は、組合とそれぞれみなして、この法律の規定(第四十一条第二項の規定及び役員については第四章第三節その他の長期給付に関する規定を除く。)を適用する。この場合においては、この法律中「各省各庁」とあるのは「連合会」と、「各省各庁の長」とあるのは「連合会の理事長」とし、その他前条第一項後段の規定を準用する。
3 前条第二項及び第三項の規定は、連合会役職員(連合会の役員を除く。)について準用する。
(省令への委任)
第百二十七条 この法律の実施のための手続その他この法律の執行に関し必要な細則は、大蔵省令で定める。
第十章 罰則
(罰則)
第百二十八条 第百十六条第二項又は第三項の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は監査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
第百二十九条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした組合職員、連合会役職員その他組合又は連合会の事務を行う者は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律により大蔵大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第十九条(第三十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、組合の積立金又は余裕金を運用したとき。
三 第百十六条第四項の規定による大蔵大臣の命令に違反したとき。
四 この法律に規定する業務又は他の法律により組合若しくは連合会が行うものとされた業務以外の業務を行つたとき。
第百三十条 連合会の役員が第二十五条の規定による政令に違反して登記をすることを怠つたときは、三万円以下の過料に処する。
第百三十一条 医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれらの者を使用する者が第百十七条第一項の規定による報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられて正当な理由がなくこれに従わず、又は同項の規定による質問に対して正当な理由がなく答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十三年七月一日から施行する。ただし、附則第三条第三項(同条第四項及び附則第二十条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定は、公布の日から、第十九条第二項、第三十八条第三項、第四十一条第二項及び第三項、第四十二条第二項から第四項まで、第四章第三節、第百条第三項並びに附則第二十条第六項の規定は、昭和三十四年一月一日から施行する。
(旧法の効力)
第二条 改正前の国家公務員共済組合法(以下「旧法」という。)中第三章第三節から第五節までの規定その他これらの規定に規定する給付に係る規定(これらの規定に基く命令の規定を含む。)は、昭和三十三年十二月三十一日まで(これらの規定を他の法令において準用し、又は適用する場合については、当分の間)は、なおその効力を有する。
2 前項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧法の規定による給付については、この附則に別段の規定があるもののほか、当該旧法の規定に抵触する限度において、本則の規定は、適用しない。
3 第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧法の規定は、第百二十五条第一項又は第百二十六条第二項の規定により職員とみなされる者についても適用する。
(組合及び連合会の存続)
第三条 旧法第二条の規定により設けられた共済組合(以下この条において「旧組合」という。)又は旧法第六十三条の二の規定により設けられた共済組合連合会(以下この条において「旧連合会」という。)は、昭和三十三年七月一日(以下「施行日」という。)において、それぞれ第三条又は第二十一条の規定により設けられた組合又は連合会となり、同一性をもつて存続するものとする。
2 旧法の規定により定められた旧組合の運営規則及び旧連合会の定款でこの法律の規定に抵触するものは、施行日(前条第一項に規定する給付に係る部分については、昭和三十四年一月一日)からその効力を失うものとする。
3 各省各庁の長は、この法律の施行前に、旧組合の共済組合運営審議会の議を経て、第六条及び第十五条の規定の例により、組合の定款を定め、施行日を含む事業年度のうち同日以後の期間に係る事業計画及び予算を作成し、並びに当該定款、事業計画及び予算につき大蔵大臣の認可を受けるものとする。
4 前項の規定は、連合会について準用する。この場合において、同項中「各省各庁の長」とあるのは「連合会の理事長」と、「旧組合の共済組合運営審議会の議を経て、第六条及び」とあるのは「第二十四条の規定及び第三十六条において準用する」と、「定款を定め」とあるのは「定款を変更し」と読み替えるものとする。
(連合会の役員の任期の特例)
第四条 この法律に基いて最初に任命された連合会の理事及び監事のうち第二十七条第二項の規定によるものの半数については、理事長の定めるところにより、第三十条第一項の規定にかかわらず、その任期は、一年とする。
(従前の給付等)
第五条 この附則に別段の規定があるもののほか、旧法(附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧法を含む。)の規定に基いてした給付、審査の請求その他の行為又は手続は、この法律中の相当する規定によつてした行為又は手続とみなす。
(被扶養者に関する経過措置)
第六条 施行日の前日において旧法第十八条に規定する被扶養者であつた者で第二条第一項第二号に掲げる被扶養者に該当しないもののうち次の各号の一に該当するものの被扶養者としての資格については、その者が引き続き主として当該組合員又は組合員であつた者の収入により生計を維持している間に限り、同項同号の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、第一号に該当する者にあつては、当該傷病手当金及びその給付事由である病気又は負傷により生じた病気による傷病手当金以外の給付、第二号に該当する者にあつては、その傷病により生じた病気についての家族療養費以外の給付については、この限りでない。
一 この法律の施行の際現に傷病手当金の支給を受け、かつ、病院又は診療所に収容されている組合員又は組合員であつた者によつて生計を維持している者
二 その病気又は負傷につき、この法律の施行の際現に組合員又は組合員であつた者が家族療養費の支給を受けている者
(一部負担金に関する経過措置)
第七条 この法律の施行の際現に病院又は診療所に収容されている者は、その収容に係る傷病については、第五十五条第二項の規定にかかわらず、健康保険法第四十三条ノ八第一項第二号の規定の例により算定する一部負担金に相当する金額を支払うことを要しない。ただし、その者がこの法律の施行後引き続き当該傷病により病院又は診療所に収容されている間に限る。
第八条 組合は、当分の間、組合員が一部負担金を支払つたことにより生じた余裕財源の範囲内で、一部負担金の払戻その他の措置で大蔵大臣の定めるものを行うことができる。
(療養費に関する経過措置)
第九条 この法律の施行前に行われた診療又は手当に係る療養費の額については、なお従前の例による。
(資格喪失後の給付に関する経過措置)
第十条 この法律の施行の際現に旧法第三十四条第二項(旧法第五十五条第五項において準用する場合を含む。)、旧法第三十六条第三項若しくは旧法第五十六条第三項の規定により支給されている給付又は施行日前に組合員の資格を喪失し、かつ、施行日以後に出産し、若しくは死亡したときに、旧法第三十五条第二項(旧法第三十六条第二項において準用する場合を含む。)、旧法第三十八条若しくは旧法第五十六条第一項後段の規定が適用されるものとした場合にこれらの規定により支給される給付については、第五十九条第二項(第六十六条第四項において準用する場合を含む。)、第六十一条第二項、第六十二条第二項及び第三項、第六十四条並びに第六十七条第二項及び第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 第五十九条第三項又は第六十二条第三項若しくは第四項の規定は、前項の規定により家族療養費又はほ育手当金を受けている者が死亡した場合についても、適用する。
(傷病手当金の支給に関する経過措置)
第十一条 この法律の施行の際現に旧法第五十五条の規定により傷病手当金の支給を受けている者については、前条第一項に定めるもののほか、第六十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(休業手当金の支給に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行の際現に旧法第五十七条第一号又は第六号の規定により休業手当金の支給を受けている者については、第六十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(長期給付に関する規定の適用)
第十三条 第四章第三節その他の長期給付に関する規定は、当分の間、次に掲げる職員である組合員についても適用する。
一 第七十二条第二項各号に掲げる職員のうち国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法の適用を受けない者
二 第七十二条第二項各号に掲げる職員以外の職員のうち恩給法(大正十二年法律第四十八号)の適用を受けない者
(長期給付に関する経過措置)
第十四条 前条その他この附則に定めるもののほか、第四章第三節その他の長期給付に間する規定の施行に関して必要な事項は、別に法律で定める。
(従前の行為に対する罰則の適用)
第十五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(連合会組合の設立に伴う権利義務の承継)
第十六条 第百二十六条第一項の規定による組合(以下「連合会組合」という。)が成立した場合には、その組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合は、連合会組合が成立した日に解散するものとし、その権利義務は、健康保険法第四十条の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、連合会組合が承継する。
(組合職員等の健康保険法の被保険者であつた期間に係る給付の取扱)
第十七条 組合職員又は連合会役職員で、施行日(連合会役職員については、連合会組合の成立の日)において第百二十五条第一項又は第百二十六条第二項の規定により組合員となつたものに対する短期給付に関する規定の適用については、その者は、その組合員となつた日前の健康保険の被保険者であつた期間、組合員であつたものとみなし、その組合員となつた日において現に健康保険法による保険給付を受けている場合には、当該保険給付は、この法律に基いて当該保険給付に相当する給付として受けていたものとみなし、その者が組合員となつた組合は、そのなつた日以後に係る給付を支給するものとする。
(組合職員等の厚生年金保険の被保険者であつた期間の取扱)
第十八条 前条に規定する者でその組合員となつた際現に厚生年金保険法による厚生年金保険の被保険者であつたもののその被保険者であつた期間は、この法律の適用については、組合員であつた期間とみなす。
2 前項に規定する者の同項の規定により組合員期間とみなされた期間は、その組合員となつた日以後においては、厚生年金保険の被保険者でなかつたものとみなす。
(厚生保険特別会計からの交付金)
第十九条 政府は、厚生保険特別会計の積立金のうち、前条に規定する者の厚生年金保険の被保険者であつた期間に係る部分を、政令で定めるところにより、施行日(連合会役職員に係る剖分については、連合会組合の成立の日)から一年以内に厚生保険特別会許から組合に交付するものとする。
(地方職員の取扱)
第二十条 常時勤務に服することを要する地方公務員(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十七条第二項又は第二十九条第一項の規定による休職又は停職の処分を受けた者その他法律又は条例で職務に専念する義務を免除された者で政令で定めるものを含むものとし、臨時に使用される者で政令で定めるもの以外のものを除く。)で次に掲げるもの(以下「地方職員」という。)は、当分の間、職員とみなしてこの法律の規定を適用する。この場合においては、地方職員は、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる組合の組合員となるものとする。
一 都道府県警察職員及び消防職員で政令で定めるもの 第三条第二項第一号イに規定する職員をもつて組織する組合
二 都道府県職員で政令で定めるもの 第三条第二項第一号ニに規定する職員をもつて組織する組合
三 公立学校職員並びに都道府県教育委員会及びその所管に属する教育機関(公立学校を除く。)の所属職員 公立学校共済組合
2 前項第三号に規定する公立学校共済組合は、旧法第八十六条の規定により公立学校職員を単位として設けられた共済組合とし、当該共済組合は、組合とみなし、附則第三条第一項の規定の例により、組合として、同一性をもつて存続するものとする。この場合においては、附則第三条第二項及び第三項の規定を準用する。
3 地方職員についてこの法律を適用する場合には、第十二条中「各省各庁の長」とあるのは「各省各庁の長又は地方公共団体の長若しくは都道府県教育委員会」と、「国」とあるのは「国又は地方公共団体」と、第九十九条中「国」とあるのは「地方公共団体(市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条若しくは第二条又は公立養護学校整備特別措置法(昭和三十一年法律第百五十二号)第四条の規定により都道府県がその給与を負担する者にあつては、都道府県。以下第百二条及び第百二十三条において同じ。)」と、「国家公務員法第九十八条」とあるのは「地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十二条」と、「公共企業体等労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)第三条」とあるのは「地方公営企業労働関係法(昭和二十七年法律第二百八十九号)第五条」と、第百二条中「各省各庁の長」とあり、又は「大蔵大臣」とあるのは「地方公共団体の長」と、「国」とあるのは「地方公共団体」と、第百四条及び第百五条中「国」とあるのは、「国又は地方公共団体」と、第百二十条及び第百二十三条中「国」とあるのは「地方公共団体」とする。
4 公立学校共済組合についてこの法律を適用する場合には、第八条中「林野庁長官」とあるのは「林野庁長官と、公立学校共済組合にあつては文部大臣」とする。
5 地方職員のうち、恩給法第十九条に規定する公務員とみなされる者並びに地方公共団体の退職年金及び退職一時金に関する条例の適用を受ける者には、長期給付に関する規定は、適用しない。
6 第一項各号に掲げる組合の当該各号に掲げる職員に係る第十九条第二項の規定に基く責任準備金の運用については、当該組合に係る各省各庁の長が大蔵大臣と協議して定めるところによるものとする。
(登録税法の一部改正)
第二十一条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「私立学校振興会」の下に「、国家公務員共済組合連合会」を、「私立学校振興会法」の下に「、国家公務員共済組合法」を加え、同条第十八号中「私立学校振興会」の下に「、国家公務員共済組合、同連合会」を加え、同条第二十二号の次に次の一号を加える。
二十二ノ二 国家公務員共済組合又ハ同連合会ガ国家公務員共済組合法第九十八条ノ事業ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記
(印紙税法の一部改正)
第二十二条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ十ノ七の次に次の一号を加える。
六ノ十ノ八 国家公務員共済組合又ハ同連合会ノ国家公務員共済組合法ニ基ク給付、同法第九十八条第一項第二号ノ貸付並ニ同項第三号及第四号ノ事業ニ関スル証書、帳簿
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第二十三条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
附則第二十三条中「市町村職員共済組合法」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)附則第十九条、市町村職員共済組合法」に改める。
(所得税法の一部改正)
第二十四条 所得税法の一部を次のように改正する。
第八条第六項第六号中「第六十八条」を「第百条」に改める。
(大蔵省設置法の一部改正)
第二十五条 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第八条第二十一号中「共済組合その他の福利厚生に関する施設をなし、これを管理」を「共済組合に関する制度を管理」に改める。
第十七条第一項の表中財政制度審議会の項の次に次のように加える。
国家公務員共済組合審議会
大蔵大臣の諮問に応じて、国家公務員共済組合に関する制度及びその行う給付その他の事業の運営に関する重要事項について調査審議すること。
(旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部改正)
第二十六条 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号)の一部を次のように改正する。
第一条中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号。」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。」に、「共済組合連合会」を「国家公務員共済組合連合会」に改める。
第五条第一項中「共済組合法」を「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号。以下「旧共済組合法」という。)」に改め、同条第二項中「共済組合法」を「旧共済組合法」に改める。
第六条第一項及び第二項、第七条の二第一項、第二項及び第四項並びに第十六条第一項中「共済組合法」を「旧共済組合法」に改める。
第二十四条中「共済組合法」を「旧共済組合法」に、「同法の規定による共済組合」を「共済組合法による共済組合」に、「第四十条」を「第七十七条第一項及び第七十八条」に改め、後段を削る。
(防衛庁職員給与法の一部改正)
第二十七条 防衛庁職員給与法(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。
第一条中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)」に改める。
第二十九条第一項を次のように改める。
自衛官又は学生に対する国家公務員共済組合法第四十二条第一項の規定の適用については、同項中「その二十五分の一に相当する金額」とあるのは、「これに政令で定める割合を乗じて得た金額」とする。
第二十九条第二項中「第五十五条第五項において準用する第三十四条第二項」を「第六十六条第四項において準用する第五十九条第二項」に、「第五十五条第六項」を「第六十六条第五項」に改める。
(私立学校教職員共済組合法の一部改正)
第二十八条 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の一部を次のように改正する。
第二十条中「り災給付」を「災害給付」に改める。
第二十五条及び第二十五条の二を次のように改める。
(国家公務員共済組合法の準用)
第二十五条 この節に規定するもののほか、保健給付、災害給付及び休業給付については、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第二条(第一項第一号、第五号及び第六号を除く。)、第四十三条から第七十一条まで、第九十四条第一項及び第三項並びに第九十五条の規定を準用する。この場合において、左表上欄に掲げる同法の規定の中で同表中欄に掲げるものは、それぞれ同表下欄のように読み替えるものとする。
第二条第一項第四号
職員
組合員
第四十七条第二項
前項の場合において、
前項の場合において、学校法人等が虚偽の報告若しくは証明をし、又は
その保険医
その学校法人等又は保険医
第五十三条第一項
大蔵省令
文部省令
第五十四条第一項第六十三条第一項第六十六条第一項第六十八条第三号
公務
職務
第五十五条第一項第一号
組合(連合会加入組合にあつては、連合会を含む。)
組合
第五十五条第二項第六十八条第五号
運営規則
業務方法書
第五十九条第一項
これらの給付(他の法律に基く共済組合の給付でこれらの給付に相当するものを含む。)
これらの給付
第五十九条第二項
被保険者を含む。
被保険者をいう。
第六十一条第一項及び第三項第六十三条第一項第七十条第七十一条
俸給
標準給与の月額
第六十六条第一項及び第二項第六十七条第一項第六十八条
俸給日額
標準給与の日額
第六十九条
俸給
給与
第二十五条の二 この節に規定するもののほか、退職給付、廃疾給付及び遺族給付については、当分の間、国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)第二十条から第二十九条まで、第三十九条から第五十二条まで及び第五十九条から第六十二条までの規定を準用する。この場合において、左表上欄に掲げる同法の規定の中で同表中欄に掲げるものは、それぞれ同表下欄のように読み替えるものとする。
第四十二条第一項第四十五条第一項
公務
職務
第三十九条第一項第四十条第二項第四十一条第一項
第十三条第二号又は第三号
私立学校教職員共済組合法第十六条第二号から第四号まで
第三十九条第二項第四十一条第二項第四十二条第二項第四十四条第四十五条第二項第五十二条第三号
俸給
平均標準給与の月額
第三十九条第二項第四十一条第二項第四十二条第三項第五十条第二項第五十二条第三号
俸給日額
平均標準給与の日額
第五十九条
懲戒処分を受け
公務員の場合における懲戒の事由に相当する事由により解雇せられ
第三十六条中「給付」を「組合員の資格若しくは給付」に改め、「異議のある者は」の下に「、その決定若しくは徴収の通知があつた日又は処分があつたことを知つた日から六十日以内に」を加える。
第三十八条を次のように改める。
(国家公務員共済組合法の準用)
第三十八条 前二条に規定するもののほか、審査会については、国家公務員共済組合法第百三条第三項、第百四条第六項及び第七項並びに第百五条から第百十条までの規定を準用する。この場合において、同法第百五条第一項中「国を代表する委員」とあるのは、「学校法人等を代表する委員」と読み替えるものとする。
第四十六条第一項中「第三十一条第一項第三号」を「第五十五条第三項」に改める。
(公共企業体職員等共済組合法の一部改正)
第二十九条 公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。
第三十一条の次に次の一条を加える。
第三十一条の二 組合は、運営規則の定めるところにより、前条各号に掲げる給付にあわせて、これに準ずる短期給付を行うことができる。
第三十六条第一項中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)」に改める。
(その他の法律の一部改正)
第三十条 次に掲げる法律の規定中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)」に改める。
一 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律(昭和二十二年法律第百三十八号)第二条第二号ト
二 結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)第三十七条第一項
三 国家公務員等退職手当暫定措置法第一条第二項
四 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第十一条第一項第三号
五 厚生年金保険及び船員保険交渉法第二条第一項第二号
六 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第二十六条第一項第一号
七 国民健康保険法(昭和三十三年法律第▲▲▲号)第六条第三号
2 次に掲げる法律の規定中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号」に改める。
一 健康保険法第四十三条ノ四第二項
二 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七十二条の十四第一項
三 日雇労働者健康保険法第十八条第一項
3 次に掲げる法律の規定中「国家公務員共済組合法」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)附則第二条の規定によりなおその効力を有するものとされた旧国家公務員共済組合法」に改める。
一 国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律(昭和二十九年法律第九十一号)第二条第四号
二 市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)第十三条第二項
別表第一
損害の程度
月数
一 住居及び家財の全部が焼失し、又は滅失したとき。二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
三月
一 住居及び家財の二分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。三 住居又は家財の全部が焼失し、又は滅失したとき。四 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
二月
一 住居及び家財の三分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。三 住居又は家財の二分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。四 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
一月
一 住居又は家財の三分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。二 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
〇・五月
別表第二
組合員期間
日数
 三年以上 四年未満
七〇日
 四年以上 五年未満
九五日
 五年以上 六年未満
一二〇日
 六年以上 七年未満
一四五日
 七年以上 八年未満
一七〇日
 八年以上 九年未満
一九五日
 九年以上一〇年未満
二二〇日
一〇年以上一一年未満
二四五日
一一年以上一二年未満
二七〇日
一二年以上一三年未満
二九五日
一三年以上一四年未満
三二〇日
一四年以上一五年未満
三五〇日
一五年以上一六年未満
三八〇日
一六年以上一七年未満
四一〇日
一七年以上一八年未満
四四五日
一八年以上一九年未満
四八〇日
一九年以上二〇年未満
五一五日
別表第三
廃疾の程度
廃疾の状態
支給率
最低保障額
(イ)(公務上の廃疾)
(ロ)(公務外の廃疾)
一級
両眼の視力が〇・〇二以下に減じたもの
〇・八
〇・五
四六、八〇〇円
両上肢の用を全く廃したもの
両下肢の用を全く廃したもの
両上肢を腕関節以上で失つたもの
両下肢を足関節以上で失つたもの
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の介護を必要とする程度の障害を残すもの
精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の監視又は介護を必要とする程度の障害を残すもの
傷病がなおらないで、身体の機能又は精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の監視又は介護とを必要とする程度の障害を有するもの
二級
両眼の視力が〇・〇四以下に減じたもの
〇・六
〇・四
三四、八〇〇円
一眼の視力が〇・〇二以下に減じ、かつ、他眼の視力が〇・〇六以下に減じたもの
両耳の聴力が、耳殻に接して大声による話をしてもこれを解することができない程度に減じたもの
咀嚼又は言語の機能を廃したもの
脊柱の機能に高度の障害を残すもの
一上肢を腕関節以上で失つたもの
一下肢を足関節以上で失つたもの
一上肢の用を全く廃したもの
一下肢の用を全く廃したもの
一〇
両上肢のすべての指の用を廃したもの
一一
両下肢をリスフラン関節以上で失つたもの
一二
両下肢のすべての足ゆびを失つたもの
一三
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
一四
精神に、労働することを不能ならしめる程度の障害を残すもの
一五
傷病がなおらないで、身体の機能又は精神に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
三級
両眼の視力が〇・一以下に減じたもの
〇・四
〇・三
一九、三二〇円
両耳の聴力が四〇センチメ-トル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
脊柱の機能に著しい障害を残すもの
一上肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの
一下肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの
長管状骨に仮関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
一上肢のおや指又はひとさし指を失つたもの又はおや指若しくはひとさし指をあわせ一上 肢の三指以上を失つたもの
おや指及びひとさし指をあわせ一上肢の四指の用を廃したもの
一〇
一下肢をリスフラン関節以上で失つたもの
一一
両下肢のすべての足ゆびの用を廃したもの
一二
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
一三
精神又は神経系統に、労働に著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
一四
傷病がなおらないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
備考
一 視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によつて測定する。
二 指を失つたものとは、おや指は指関節、その他の指は第一指関節以上を失つたものをいう。
三 指の用を廃したものとは、指の末節の半分以上を失い、又は掌指関節若しくは第一指関節(おや指にあつては指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 足ゆびを失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
五 足ゆびの用を廃したものとは、第一趾は末節の半分以上、その他のゆびは末関節以上を失つたもの又は蹠趾関節若しくは第一趾関節(第一趾にあつては足趾関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
六 この表の一級の項第八号、二級の項第一五号及び三級の項第一四号に掲げる廃疾の程度は、厚生年金保険法別表第一の相当規定に基いて厚生大臣が定めたものに限るものとする。
別表第四
番号
廃疾の状態
両眼の視力が〇・六以下に減じたもの
一眼の視力が〇・一以下に減じたもの
両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
両眼による視野が二分の一以上欠損したもの又は両眼の視野が一〇度以内のもの
両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの
一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
脊柱の機能に障害を残すもの
一〇
一上肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を残すもの
一一
一下肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を残すもの
一二
一下肢を三センチメ-トル以上短縮したもの
一三
長管状骨に著しい転位変形を残すもの
一四
一上肢の二指以上を失つたもの
一五
一上肢のひとさし指を失つたもの
一六
一上肢の三指以上の用を廃したもの
一七
ひとさし指をあわせ一上肢の二指の用を廃したもの
一八
一上肢のおや指の用を廃したもの
一九
一下肢の第一趾又は他の四趾以上を失つたもの
二〇
一下肢の五趾の用を廃したもの
二一
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
二二
精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
備考 別表第三の備考一から五までに同じ。
内閣総理大臣 岸信介
法務大臣 唐澤俊樹
外務大臣 藤山愛一郎
大蔵大臣 一萬田尚登
文部大臣 松永東
厚生大臣 堀木鎌三
農林大臣 赤城宗徳
通商産業大臣 前尾繁三郎
運輸大臣 中村三之丞
郵政大臣 田中角榮
労働大臣 石田博英
建設大臣 根本龍太郎
国家公務員共済組合法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十三年五月一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百二十八号
国家公務員共済組合法
国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)の全部を改正する。
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
組合及び連合会
第一節
組合(第三条―第二十条)
第二節
連合会(第二十一条―第三十六条)
第三章
組合員(第三十七条―第三十九条)
第四章
給付
第一節
通則(第四十条―第五十条)
第二節
短期給付
第一款
通則(第五十一条―第五十三条)
第二款
保健給付(第五十四条―第六十五条)
第三款
休業給付(第六十六条―第六十九条)
第四款
災害給付(第七十条―第七十一条)
第三節
長期給付
第一款
通則(第七十二条―第七十五条)
第二款
退職給付(第七十六条―第八十条)
第三款
廃疾給付(第八十一条―第八十七条)
第四款
遺族給付(第八十八条―第九十三条)
第四節
給付の制限(第九十四条―第九十七条)
第五章
福祉事業(第九十八条)
第六章
費用の負担(第九十九条―第百二条)
第七章
審査の請求(第百三条―第百十条)
第八章
国家公務員共済組合審議会(第百十一条)
第九章
雑則(第百十二条―第百二十七条)
第十章
罰則(第百二十八条―第百三十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、国家公務員の病気、負傷、出産、休業、災害、退職、廃疾若しくは死亡又はその被扶養者の病気、負傷、出産、死亡若しくは災害に関して適切な給付を行うため、相互救済を目的とする共済組合の制度を設け、その行うこれらの給付及び福祉事業に関して必要な事項を定め、もつて国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 職員 常時勤務に服することを要する国家公務員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第七十九条又は第八十二条の規定による休職又は停職の処分を受けた者その他法令の規定により職務に専念する義務を免除された者で政令で定めるものを含むものとし、臨時に使用される者で政令で定めるもの以外のものを除く。)をいう。
二 被扶養者 次に掲げる者で主として組合員の収入により生計を維持するものをいう。
イ 組合員の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子、父母、孫、祖父母及び弟妹
ロ 組合員と同一の世帯に属する三親等内の親族で前号に掲げる者以外のもの
ハ 組合員の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子並びに当該配偶者の死亡後におけるその父母及び子で、組合員と同一の世帯に属するもの
三 遺族 組合員又は組合員であつた者の配偶者、子、父母、孫及び祖父母で、組合員又は組合員であつた者の死亡の当時主として組合員の収入により生計を維持していたものをいう。
四 退職 職員が死亡以外の事由により職員でなくなること(職員でなくなつた日又はその翌日に再び職員となる場合におけるその職員でなくなることを除く。)をいう。
五 俸給 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の適用を受ける職員については、同法第五条第一項に規定する俸給とし、その他の職員については、これに準ずる給与で政令で定めるものをいう。
六 各省各庁 衆議院、参議院、総理府(内閣を含む。)、各省、裁判所及び会計検査院をいう。
2 前項第二号又は第三号の規定の適用上、主として組合員の収入により生計を維持することの認定に関し必要な事項は、政令で定める。
3 第一項第三号の規定の適用については、子又は孫は、十八歳未満でまだ配偶者がない者又は組合員であつた者の死亡の当時から引き続き別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にある者に限るものとし、組合員又は組合員であつた者の死亡の当時胎児であつた子が出生した場合には、その子は、これらの者の死亡の当時主としてその収入によつて生計を維持していたものとみなす。
第二章 組合及び連合会
第一節 組合
(設立)
第三条 各省各庁ごとに、その所属の職員(次項各号に掲げる各省各庁にあつては、当該各号に掲げる職員を除く。)をもつて組織する国家公務員共済組合(以下「組合」という。)を設ける。
2 前項に定めるもののほか、次の各号に掲げる各省各庁については、それぞれ当該各号に掲げる職員をもつて組織する組合を設ける。
一 総理府
イ 警察庁に属する職員、都道府県警察に属する警視正以上の階級にある警察官及び国家消防本部に属する職員
ロ 防衛庁に属する職員
ハ 調達庁に属する職員
ニ 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)附則第八条に規定する職員
二 法務省 矯正管区、刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院、中央矯正研修所及び地方矯正研修所に属する職員
三 大蔵省
イ 印刷局に属する職員
ロ 造幣局に属する職員
四 厚生省 医務出張所、国立病院及び国立療養所に属する職員
五 農林省 林野庁に属する職員
六 通商産業省 アルコール専売事業特別会計においてその俸給を支弁する職員
(法人格)
第四条 組合は、法人とする。
(事務所)
第五条 組合は、各省各庁の長(第八条に規定する各省各庁の長をいう。)の指定する地に主たる事務所を置く。
2 組合は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(定款)
第六条 組合は、定款をもつて次に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 運営審議会に関する事項
五 組合員の範囲に関する事項
六 給付及び掛金に関する事項
七 審査会に関する事項
八 資産の管理その他財務に関する事項
九 その他組織及び業務に関する重要事項
2 前項の定款の変更(政令で定める事項に係るものを除く。)は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 組合は、前項に規定する政令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを大蔵大臣に届け出なければならない。
4 組合は、定款の変更について第二項に規定する認可を受けたとき、又は同項に規定する政令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。
(住所)
第七条 組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(管理)
第八条 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、各省大臣、最高裁判所長官及び会計検査院長(第三条第二項第一号、第三号又は第五号に掲げる職員をもつて組織する組合にあつては、第十二条及び第百二条を除き、それぞれ警察庁長官、防衛庁長官、調達庁長官、自治庁長官、印刷局長、造幣局長又は林野庁長官とし、以下「各省各庁の長」という。)は、それぞれその各省各庁の所属の職員をもつて組織する組合を代表し、その業務を執行する。
(運営審議会)
第九条 組合の業務の適正な運営に資するため、各組合に運営審議会を置く。
2 運営審議会は、委員十人以内で組織する。
3 委員は、各省各庁の長が組合員のうちから命ずる。
4 各省各庁の長は、前項の規定により委員を命ずる場合には、組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する者のうちから命ずるものとし、一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。
第十条 次に掲げる事項は、運営審議会の議を経なければならない。
一 定款の変更
二 運営規則の作成及び変更
三 毎事業年度の予算及び決算
四 重要な財産の処分及び重大な債務の負担
2 運営審議会は、前項に定めるもののほか、各省各庁の長の諮問に応じて組合の業務に関する重要事項を調査審議し、又は必要と認める事項につき各省各庁の長に建議することができる。
(運営規則)
第十一条 各省各庁の長は、組合の業務を執行するために必要な事項で大蔵省令で定めるものについて、運営規則を定めるものとする。
2 各省各庁の長は、運営規則を定め、又は変更する場合には、あらかじめ大蔵大臣に協議しなければならない。
(国の職員及び施設の提供)
第十二条 各省各庁の長は、組合の運営に必要な範囲内において、その所属の職員その他国に使用される者をして組合の業務に従事させることができる。
2 各省各庁の長は、組合の運営に必要な範囲内において、その管理に係る土地、建物その他の施設を無償で組合の利用に供することができる。
(組合の事務職員の公務員たる性質)
第十三条 組合に使用され、その事務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(事業年度)
第十四条 組合の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
(事業計画及び予算)
第十五条 組合は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、事業年度開始前に、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
2 組合は、事業計画及び予算の重要な事項で政令で定めるものを変更しようとするときは、そのつど、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
(決算)
第十六条 組合は、毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
2 組合は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、決算完結後一月以内に大蔵大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
3 組合は、前項の承認を受けたときは、その財務諸表を事務所に備え付け、組合員の閲覧に供しなければならない。
(借入金の制限)
第十七条 組合は、借入金をしてはならない。ただし、組合の目的を達成するため必要な場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(責任準備金の積立)
第十八条 組合(第二十一条第一項に規定する連合会加入組合を除く。以下次条第二項において同じ。)は、政令で定めるところにより、長期給付に充てるべき積立金(以下「責任準備金」という。)を積み立てなければならない。
(資金の運用)
第十九条 組合の積立金及び余裕金の運用は、政令で定めるところにより、事業の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的にしなければならない。
2 組合は、責任準備金の額のうち、組合が厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の規定による保険給付を行うものとした場合に必要となるべき積立金の額に相当する金額として政令で定める金額を、政令で定めるところにより、資金運用部に預託して運用しなければならない。
(省令への委任)
第二十条 この節に規定するもののほか、組合の財務その他その運営に関して必要な事項は、大蔵省令で定める。
第二節 連合会
(設立)
第二十一条 組合(政令で指定する組合を除く。以下「連合会加入組合」という。)の事業のうち次に掲げるものを共同して行うため、連合会加入組合をもつて組織する国家公務員共済組合連合会(以下「連合会」という。)を設ける。
一 長期給付(第七十二条第一項に規定する長期給付をいう。以下同じ。)の決定及び支払
二 責任準備金及び長期給付の支払上の余裕金の管理及び運用
三 福祉事業(第九十八条第一項各号に掲げる事業をいう。以下同じ。)
2 前項第三号の規定は、連合会加入組合が自ら同号に掲げる事業を行うことを妨げるものではない。
(法人格)
第二十二条 連合会は、法人とする。
(事務所)
第二十三条 連合会は、主たる事務所を東京都に置く。
2 連合会は、必要な地に従たる事務所を設けることができる。
(定款)
第二十四条 連合会は、定款をもつて次に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名称
三 事業所の所在地
四 役員に関する事項
五 評議員会に関する事項
六 長期給付の決定及び支払に関する事項
七 福祉事業に関する事項
八 資産の管理その他財務に関する事項
九 その他組織及び業務に関する重要事項
2 第六条第二項及び第三項の規定は、連合会の定款について準用する。
(登記)
第二十五条 連合会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第二十六条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十四条の規定は、連合会について準用する。
(役員)
第二十七条 連合会に、役員として、理事長一人、理事九人以内及び監事三人以内を置く。
2 前項の理事のうち六人以内及び監事のうち二人以内は、連合会加入組合の事務を行う組合員をもつて充てる。
(役員の職務及び権限)
第二十八条 理事長は、連合会を代表し、その業務を執行する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して連合会の業務を執行し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、連合会の業務を監査する。
(役員の任命)
第二十九条 理事長及び監事(第二十七条第二項の規定による監事を除く。)は、大蔵大臣が任命する。
2 理事(第二十七条第二項の規定による理事を除く。以下第三十二条第三項において同じ。)は、理事長が、大蔵大臣の認可を受けて任命する。
3 前二項の規定の適用を受けない理事及び監事は、理事長が、評議員会の議を経て任命する。
(役員の任期)
第三十条 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第三十一条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。ただし、第二十七条第二項の規定の適用を妨げない。
一 国務大臣、国会議員、政府職員(非常勤の者を除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤職員
二 政党の役員
三 連合会と取引上密接な関係を有する事業者又はその者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第三十二条 大蔵大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたとき(第二十七条第二項の規定による理事又は監事が連合会加入組合の事務を行う組合員でなくなつたときを含む。)は、その役員を解任しなければならない。
2 大蔵大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼業禁止)
第三十三条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
(理事長の代表権の制限)
第三十四条 連合会と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が連合会を代表する。
(評議員会)
第三十五条 連合会に、評議員会を置く。
2 評議員会は、連合会加入組合を代表する組合員である評議員各一人をもつて組織する。
3 前項の評議員は、連合会加入組合に係る各省各庁の長が、その組合員のうちから任命する。
4 次に掲げる事項は、評議員会の議を経なければならない。
一 定款の変更
二 運営規則の作成及び変更
三 毎事業年度の予算及び決算
四 重要な財産の処分及び重大な債務の負担
五 その他連合会の業務に関する重要事項で、定款をもつて定める事項
5 第十条第二項の規定は、評議員会について準用する。この場合において、同項中「各省各庁の長」とあるのは「理事長」と、「建議する」とあるのは「意見を述べる」と読み替えるものとする。
(準用規定)
第三十六条 第七条及び第十一条から第二十条までの規定は、連合会について準用する。この場合において、第十一条中「各省各庁の長」とあるのは「理事長」と、第十二条中「各省各庁の長」とあるのは「大蔵大臣」と、第十三条中「組合」とあるのは「連合会の役員及び連合会」と読み替えるものとする。
第三章 組合員
(組合員の資格の得喪)
第三十七条 職員となつた者は、その職員となつた日から、その属する各省各庁の職員をもつて組織する組合(第三条第二項各号に掲げる職員については、同項の規定により当該各号の職員をもつて組織する組合)の組合員の資格を取得する。
2 組合員は、死亡したとき、又は退職したときは、その翌日から組合員の資格を喪失する。
3 一の組合の組合員が他の組合を組織する職員となつたときは、その日から前の組合の組合員の資格を喪失し、後の組合の組合員の資格を取得する。
(組合員期間の計算)
第三十八条 組合員である期間(以下「組合員期間」という。)の計算は、組合員の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の前日の属する月までの期間の年月数による。
2 組合員が引き続き他の組合の組合員の資格を取得したときは、もとの組合の組合員期間は、その者が新たに組合員の資格を取得した組合の組合員期間とみなす。
3 組合員がその資格を喪失した後再びもとの組合又は他の組合の組合員の資格を取得したときは、前後の組合員期間を合算する。ただし、退職一時金又は遺族一時金の基礎となるべき組合員期間を計算する場合には、前に退職一時金の基礎となつた組合員期間については、この限りでない。
4 前二項の場合において、同じ月が前後の組合員期間に属するときは、その月は、後の組合員期間には算入しない。
(責任準備金の移換)
第三十九条 組合員(組合員であつた者で退職年金又は廃疾年金を受ける権利を有するものを含む。)が他の組合の組合員の資格を取得した場合(連合会加入組合の組合員又は組合員であつた者が他の連合会加入組合の組合員の資格を取得した場合を除く。)には、もとの組合(連合会加入組合にあつては、連合会)は、その者に係る責任準備金に相当する金額を当該他の組合(連合会加入組合にあつては、連合会)に移換しなければならない。
2 前項の規定により移換すべき責任準備金の計算については、政令で定める。
第四章 給付
第一節 通則
(組合の給付)
第四十条 組合は、この法律の定めるところにより、組合員の病気、負傷、出産、死亡、休業若しくは災害又は被扶養者の病気、負傷、出産、死亡若しくは災害に関し、第五十一条に規定する短期給付を行うほか、第五十二条に規定する短期給付を行うことができるものとし、また、組合員の退職、廃疾又は死亡に関し、長期給付を行うものとする。
(給付の決定及び支払)
第四十一条 給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基いて、組合(長期給付で連合会加入組合に係るものにあつては、連合会。以下この条、第四十七条、第四十八条、第七十五条、第八十一条第三項、第九十五条、第百条第二項、第百六条第一項、第百八条第二項、第百九条第二項、第百十四条及び第百十八条において同じ。)が決定する。
2 組合は、給付の原因である事故が公務により生じたものであるかどうかを認定するに当つては、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用する場合を含む。以下同じ。)に規定する実施機関その他の公務上の災害に対する補償の実施機関の意見を聞かなければならない。
3 組合は、政令で定めるところにより、長期給付の支払に関する事務を逓信省に委託することができる。
(給付額の算定の基礎となる俸給)
第四十二条 短期給付(第五十一条及び第五十二条に規定する短期給付をいう。以下同じ。)の給付額の算定の基準となるべき俸給は、給付事由が生じた日(給付事由が退職後に生じた場合には、退職の日。以下この条において同じ。)の属する月の掛金の標準となつた俸給(第百条第二項及び第三項の規定により掛金の標準となつた俸給をいう。以下この条において同じ。)とし、その二十五分の一に相当する金額をもつて俸給日額とする。
2 長期給付の給付額の算定の基準となるべき俸給は、給付事由が生じた日の属する月以前三年間における掛金の標準となつた俸給の総額を三十六(当該三年間における組合員期間の月数が三十六に満たないときは、その組合員期間の月数)で除して得た額とし、その十二倍に相当する金額をもつて俸給年額とし、その三十分の一に相当する金額をもつて俸給日額とする。
3 給付事由が生じた日の属する月以前一年内に次の各号の一に該当する場合には、当該各号に掲げる俸給を当該各号に規定する昇給があつた後の期間における掛金の標準となつた俸給として、前項の規定を適用する。
一 公務により病気にかかり、又は負傷したため退職し、又は死亡した者の俸給につき、給付事由が生じた月の一年前の俸給(その者が給付事由が生じた月の一年前に組合員の資格を有していなかつた場合には、その後において組合員の資格を取得した月の俸給。以下この項において「一年前の俸給」という。)より二号俸をこえる昇給があつた場合 一年前の俸給より二号俸(政令で定める者については、三号俸)上位の俸給
二 前号に規定する者以外の者の俸給につき、一年前の俸給より一号俸をこえる昇給があつた場合 一年前の俸給より一号俸(政令で定める者については、二号俸)上位の俸給
4 前項の規定の適用については、昇任、転任又はこれらに準ずる措置による俸給の増額は、昇給とみなす。
(遺族の順位)
第四十三条 給付を受けるべき遺族の順位は、第二条第一項第三号に規定する順序とする。
2 前項の場合において、父母については養父母、実父母の順とし、祖父母については養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順とする。
3 先順位者となることができる者が後順位者より後に生じ、又は同順位者となることができる者がその他の同順位者である者より後に生じたときは、その先順位者又は同順位者となることができる者については、前二項の規定は、その生じた日から適用する。
(同順位者が二人以上ある場合の給付)
第四十四条 前条の規定により給付を受けるべき遺族に同順位者が二人以上あるときは、その給付は、その人数によつて等分して支給する。
(支払未済の給付の受給者の特例)
第四十五条 この法律に基く給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者が支給を受けることができた給付でその支払を受けなかつたものがあるときは、前二条の規定に準じて、これをその者の遺族(弔慰金、遺族年金又は遺族一時金については、これらの給付に係る組合員であつた者の他の遺族)に支給し、支給すべき遺族がないときは、当該死亡した者の相続人に支給する。
(給付金からの控除)
第四十六条 組合員が組合員の資格を喪失した場合において、その者又はその遺族若しくは相続人に支給すべき給付金(埋葬料及び家族埋葬料に係る給付金を除く。)があり、かつ、その者が組合に対して支払うべき金額があるときは、当該給付金からこれを控除する。
(不正受給者等からの費用の徴収)
第四十七条 偽りその他の不正行為により組合から給付を受けた者がある場合には、組合は、その者から、その給付に要した費用に相当する金額(その給付が療養の給付であるときは、第五十五条第二項の規定により支払つた一部負担金に相当する額を控除した金額)の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の場合において、第五十五条第一項第三号に規定する保険医療機関において診療に従事する保険医(第五十八条に規定する保険医をいう。)が組合に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その給付が行われたものであるときは、組合は、その保険医に対し、給付を受けた者と連帯して前項の規定により徴収すべき金額を納付させることができる。
(損害賠償の請求権)
第四十八条 組合は、給付事由が第三者の行為によつて生じた場合には、当該給付事由に対して行つた給付の価額の限度で、給付を受ける権利を有する者(給付事由が組合員の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。以下次項において同じ。)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2 前項の場合において、給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、組合は、その価額の限度で、給付をしないことができる。
(給付を受ける権利の保護)
第四十九条 この法律に基く給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金である給付を受ける権利を国民金融公庫に担保に供する場合は、この限りでない。
(公課の禁止)
第五十条 租税その他の公課は、組合の給付として支給を受ける金品を標準として、課することができない。ただし、退職給付及び休業手当金については、この限りでない。
第二節 短期給付
第一款 通則
(短期給付の種類)
第五十一条 この法律による短期給付は、次のとおりとする。
一 療養の給付及び療養費
二 家族療養費
三 出産費
四 配偶者出産費
五 育児手当金
六 埋葬料
七 家族埋葬料
八 傷病手当金
九 出産手当金
十 休業手当金
十一 弔慰金
十二 家族弔慰金
十三 災害見舞金
(附加給付)
第五十二条 組合は、政令で定めるところにより、前条各号に掲げる給付にあわせて、これに準ずる短期給付を行うことができる。
(被扶養者に係る届出及び給付)
第五十三条 新たに組合員となつた者に被扶養者の要件を備える者がある場合又は組合員について次の各号の一に該当する事実が生じた場合には、その組合員は、大蔵省令で定める手続により、その旨を組合に届け出なければならない。
一 新たに被扶養者の要件を備える者が生じたこと。
二 被扶養者がその要件を欠くに至つたこと。
2 被扶養者に係る給付は、新たに組合員となつた者に被扶養者となるべき者がある場合にはその者が組合員となつた日から、組合員に前項第一号に該当する事実が生じた場合にはその事実が生じた日から、それぞれ行うものとする。ただし、同号の規定による届出がその事実の生じた日から三十日を経過した後にされた場合には、その届出を受けた日から行うものとする。
第二款 保健給付
(療養の給付)
第五十四条 組合は、組合員の公務によらない病気又は負傷について次に掲げる療養の給付を行う。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 病院又は診療所への収容
五 看護
六 移送
2 前項第五号又は第六号に掲げる療養の給付は、組合が必要と認める場合に限り、行うものとする。
(療養の機関及び費用の負担)
第五十五条 組合員は、前条第一項第一号から第四号までに掲げる療養の給付を受けようとするときは、次に掲げる医療機関又は薬局から受けるものとする。
一 組合(連合会加入組合にあつては、連合会を含む。)の経営する医療機関又は薬局
二 組合員(他の法律に基く共済組合で療養の給付に相当する給付を行うものの組合員を含む。)のための療養を行うことを目的とする医療機関又は薬局で組合員の療養について組合が契約しているもの
三 保険医療機関又は保険薬局(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局をいう。以下同じ。)
2 前項の規定により同項第二号又は第三号に掲げる医療機関から療養を受ける者は、その給付を受ける際、健康保険法第四十三条ノ八の規定の例により算定した一部負担金(以下「一部負担金」という。)に相当する金額を当該医療機関に支払うものとする。ただし、同項第二号に掲げる医療機関から受ける場合には、組合は、運営規則で定めるところにより、一部負担金を減額し、又はその支払を要しないものとすることができる。
3 組合員が第一項の規定により療養の給付を受けた場合には、組合は、同項第一号の医療機関又は薬局については、その費用を負担し、同項第二号又は第三号の医療機関又は薬局については、療養に要する費用から組合員が支払つた一部負担金に相当する金額を控除した金額を当該医療機関又は薬局に支払うものとする。
4 前項に規定する療養に要する費用の額は、健康保険法第四十三条ノ九第二項の規定に基き厚生大臣が定めたところにより算定した金額(当該金額の範囲内において組合が第一項第二号又は第三号の医療機関又は薬局との契約により別段の定をした場合には、その定めたところにより算定した金額)とする。
(療養費)
第五十六条 組合は、前条の規定により療養の給付をすることが困難であると認めたとき、又は組合員が緊急その他やむを得ない事情により前条第一項各号に掲げる医療機関及び薬局以外の病院、診療所、薬局その他の療養機関から診療、手当若しくは薬剤の支給を受けた場合において、組合が必要と認めたときは、療養の給付に代えて、療養費を支給することができる。
2 組合は、組合員が前条第一項第二号又は第三号の医療機関又は薬局から第五十四条第一項第一号から第四号までに掲げる療養を受け、緊急その他やむを得ない事情によりその費用をこれらの医療機関又は薬局に支払つた場合において、組合が必要と認めたときは、療養の給付に代えて、療養費を支給することができる。
3 前二項の規定により支給する療養費の額は、療養に要する費用から一部負担金に相当する金額を控除した金額(第一項の規定による場合には、当該金額の範囲内で組合が定める金額)とする。ただし、その額は、現に療養に要した費用の額をこえることができない。
4 前条第四項の規定は、前項に規定する療養に要する費用の算定について準用する。
(家族療養費)
第五十七条 被扶養者が第五十五条第一項各号に掲げる医療機関又は薬局から療養を受けたときは、その療養に要した費用につき、組合員に家族療養費を支給する。
2 家族療養費の額は、療養に要する費用の百分の五十に相当する金額とする。ただし、現に当該療養に要した費用の百分の五十に相当する金額をこえることができない。
3 被扶養者が第五十五条第一項第一号に掲げる医療機関又は薬局から療養を受けた場合において、組合がその被扶養者の支払うべき療養に要した費用のうち家族療養費として組合員に支給すべき金額に相当する金額の支払を免除したときは、組合員に対し家族療養費を支給したものとみなす。
4 被扶養者が第五十五条第一項第二号又は第三号に掲げる医療機関又は薬局から療養を受けた場合には、組合は、療養に要した費用のうち家族療養費として組合員に支給すべき金額に相当する金額を、組合員に代り、これらの医療機関又は薬局に支払うことができる。
5 前項の規定による支払があつたときは、組合員に対し家族療養費を支給したものとみなす。
6 第五十四条、第五十五条第一項及び第四項並びに前条の規定は、家族療養費の支給について準用する。この場合において、同条第三項中「療養に要する費用から一部負担金に相当する金額を控除した金額」とあるのは「療養に要する費用の百分の五十に相当する金額」と、「現に療養に要した費用の額」とあるのは「現に療養に要した費用の百分の五十に相当する金額」と読み替えるものとする。
(保険医療機関の療養担当等)
第五十八条 保険医療機関若しくは保険薬局又はこれらにおいて診療若しくは調剤に従事する保険医若しくは保険薬剤師(健康保険法第四十三条ノ二に規定する保険医又は保険薬剤師をいう。)は、健康保険法及びこれに基く命令の規定の例により、組合員及びその被扶養者の療養並びにこれに係る事務を担当し、又は診療若しくは調剤に当らなければならない。
(療養の給付期間)
第五十九条 療養の給付、療養費及び家族療養費は、同一人に係る同一の病気又は負傷及びこれらにより生じた病気(以下「傷病」という。)に関しては、これらの給付(他の法律に基く共済組合の給付でこれらの給付に相当するものを含む。)の支給開始後三年を経過したとき以後は、支給しない。
2 組合員の資格を喪失した日の前日まで引き続き一年以上組合員であつた者(以下「一年以上組合員であつた者」という。)が退職した際に療養の給付、療養費又は家族療養費を受けている場合には、その者が退職しなかつたとしたならば前項の規定により受けることができる期間、継続してこれらの給付を支給する。ただし、その期間内に他の組合の組合員(他の法律に基く共済組合でこれらの給付に相当する給付を行うものの組合員その他健康保険又は船員保険の被保険者を含む。以下次項、第六十一条第二項及び第六十七条第四項において同じ。)の資格を取得したとき(家族療養費については、その被扶養者がその期間内に組合員又はその被扶養者となつたときを含む。)は、その日以後は、この限りでない。
3 一年以上組合員であつた者が死亡した際に家族療養費を受けている場合には、その者が死亡しなかつたとしたならば第一項の規定により受けることができる期間、継続してこれを当該組合員であつた者の被扶養者として現に療養を受けている者に支給する。ただし、その期間内に当該組合若しくは他の組合の組合員又はその被扶養者となつたときは、その日以後は、この限りでない。
(他の法令による療養との調整)
第六十条 他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担において療養又は療養費の支給を受けたときは、その受けた限度において、療養の給付又は療養費若しくは家族療養費の支給は、行わない。
(出産費及び配偶者出産費)
第六十一条 組合員が出産したときは、出産費として、俸給の一月分に相当する金額を支給する。
2 前項の規定は、一年以上組合員であつた者が退職後六月以内に出産した場合について準用する。ただし、退職後出産するまでの間に他の組合の組合員の資格を取得したときは、もとの組合は、出産費を支給しない。
3 組合員の被扶養者である配偶者(前項本文の規定の適用を受ける者を除く。)が出産したときは、配偶者出産費として、俸給の半月分に相当する金額を支給する。
(育児手当金)
第六十二条 組合員又はその被扶養者である配偶者(次項の規定の適用を受ける者を除く。)が出産し、かつ、その生れた子を育てる場合には、育児手当金として、出産の日から引き続き育てている期間(その期間が六月をこえるときは六月とし、その期間に一月に満たない端数があるときはこれを一月とする。)一月につき四百円を支給する。
2 前項の規定は、一年以上組合員であつた者が退職した場合において、その者又はその被扶養者である配偶者がその退職後六月以内に出産し、かつ、その生れた子を育てたときについて準用する。この場合においては、前条第二項ただし書の規定を準用する。
3 一年以上組合員であつた者がその資格を喪失した際に育児手当金を受けている場合には、その者がその資格を喪失しなかつたとしたならば第一項の規定により受けることができる期間、継続してこれをその者(その者が死亡した場合には、その死亡の当時被扶養者であつた配偶者)に支給する。
4 前三項の規定による育児手当金は、出産した場合に前金払をすることができる。
(埋葬料及び家族埋葬料)
第六十三条 組合員が公務によらないで死亡したときは、その死亡の当時被扶養者であつた者で埋葬を行うものに対し、埋葬料として、俸給の一月分に相当する金額を支給する。ただし、その金額が六千円に満たない場合には、六千円とする。
2 前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合には、埋葬を行つた者に対し、同項に規定する金額の範囲内で、埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。
3 被扶養者(次条第一項の規定の適用を受ける者を除く。)が死亡したときは、家族埋葬料として、第一項の規定による埋葬料の金額の百分の五十に相当する金額を支給する。
第六十四条 第五十九条第二項の規定により療養に関する給付を受けている者(当該給付が家族療養費である場合には、療養を受けている被扶養者。以下この項において「継続療養受給者」という。)が死亡したとき、継続療養受給者であつた者がその給付を受けなくなつた日後三月以内に死亡したとき、又は組合員であつた者が退職後三月以内に死亡したときは、前条の規定に準じて埋葬料又は家族埋葬料を支給する。
2 第五十九条第二項ただし書の規定は、前項の場合について準用する。
(日雇労働者健康保険法による給付との調整)
第六十五条 家族療養費、配偶者出産費又は家族埋葬料は、同一の病気、負傷、出産又は死亡に関し、日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の規定により療養の給付又は分べん費若しくは埋葬料の支給があつた場合には、その限度において、支給しない。
第三款 休業給付
(傷病手当金)
第六十六条 組合員が公務によらないで病気にかかり、又は負傷し、療養のため引き続き勤務に服することができない場合には、傷病手当金として、勤務に服することができなくなつた日以後三日を経過した日から、その後における勤務に服することができない期間一日につき俸給日額の百分の八十に相当する金額を支給する。
2 組合員で被扶養者のないものが病院又は診療所に収容されている場合に支給すべき傷病手当金の額は、前項の規定にかかわらず、俸給日額の百分の六十に相当する金額とする。
3 傷病手当金の支給期間は、同一の傷病については、第一項に規定する勤務に服することができなくなつた日以後三日を経過した日から通算して六月間(結核性の病気については、三年間)とする。
4 第五十九条第二項の規定は、傷病手当金の支給について準用する。
5 第三項の場合又は前項において準用する第五十九条第二項の場合において、傷病手当金の支給期間中に療養の給付又は療養費の支給期間が経過したときは、傷病手当金の支給期間は、これらの規定にかかわらず、当該傷病手当金の支給を始めた日から当該療養の給付又は療養費の支給期間が経過した日の前日までの期間とする。
6 傷病手当金は、次条の規定により出産手当金を支給する場合には、その期間内は、支給しない。
(出産手当金)
第六十七条 組合員が出産した場合には、出産手当金として、出産の日前四十二日以内及び出産の日以後四十二日以内において勤務に服することができなかつた期間一日につき俸給日額の百分の八十に相当する金額を支給する。
2 前項の規定は、一年以上組合員であつた者が退職後六月以内に出産した場合について準用する。
3 第六十一条第二項ただし書の規定は前項の場合について、前条第二項の規定は出産手当金の支給について、それぞれ準用する。
4 一年以上組合員であつた者が退職した際に出産手当金を受けているときは、その給付は、第一項に規定する期間内は、引き続き支給する。ただし、その期間内に他の組合の組合員の資格を取得したときは、その日以後は、この限りでない。
(休業手当金)
第六十八条 組合員が次の各号の一に掲げる事由により欠勤した場合には、休業手当金として、その期間(第二号から第四号までの各号については、当該各号に掲げる期間内においてその欠勤した期間)一日につき俸給日額の百分の六十に相当する金額を支給する。ただし、傷病手当金又は出産手当金を支給する場合には、その期間内は、この限りでない。
一 被扶養者の病気又は負傷
二 組合員の配偶者の出産 十四日
三 組合員の公務によらない不慮の災害又はその被扶養者に係る不慮の災害 五日
四 組合員の婚姻、配偶者の死亡又は二親等内の血族若しくは一親等の姻族で主として組合員の収入により生計を維持するもの若しくはその他の被扶養者の婚姻若しくは葬祭 七日
五 前各号に掲げるもののほか、運営規則で定める事由 運営規則で定める期間
(俸給との調整)
第六十九条 傷病手当金、出産手当金又は休業手当金は、その支給期間に係る俸給の全部又は一部を受ける場合には、その受ける金額の限度において、その全部又は一部を支給しない。
第四款 災害給付
(弔慰金及び家族弔慰金)
第七十条 組合員又はその被扶養者が水震火災その他の非常災害により死亡したときは、組合員については俸給の一月分に相当する金額の弔慰金をその遺族に、被扶養者については俸給の半月分に相当する金額の家族弔慰金を組合員に支給する。
(災害見舞金)
第七十一条 組合員が前条に規定する非常災害によりその住居又は家財に損害を受けたときは、災害見舞金として、別表第一に掲げる損害の程度に応じ、同表に定める月数を俸給に乗じて得た金額を支給する。
第三節 長期給付
第一款 通則
(長期給付の種類)
第七十二条 この法律による長期給付は、次のとおりとする。
一 退職年金
二 減額退職年金
三 退職一時金
四 廃疾年金
五 廃疾一時金
六 遺族年金
七 遺族一時金
2 長期給付に関する規定は、次に掲げる職員である組合員のうち国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号)の適用を受ける者に限り、適用する。
一 郵政事業特別会計においてその俸給を支弁する職員
二 第三条第二項第三号及び第六号に掲げる職員
三 国有林野事業特別会計においてその俸給を支弁する職員
(年金の支給期間及び支給期月)
第七十三条 年金である給付は、その給付事由が生じた日の属する月の翌月からその事由のなくなつた日の属する月までの分を支給する。
2 年金である給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由がなくなつた日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合には、支給を停止しない。
3 年金である給付の額を改定する事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月分からその改定した金額を支給する。
4 年金である給付は、毎年三月、六月、九月及び十二月において、それぞれの前月までの分を支給する。ただし、その給付を受ける権利が消滅したとき、又はその支給を停止すべき事由が生じたときは、その支給期月にかかわらず、その際、その月までの分を支給する。
(退職給付と廃疾給付との調整)
第七十四条 この節の規定により廃疾年金と退職年金又は減額退職年金とを支給すべき事由に該当するときは、当該給付を受ける者に有利ないずれか一の給付を行うものとする。
2 廃疾年金を受ける権利を有する者には、退職一時金は、支給しない。
3 退職年金又は減額退職年金を受ける権利を有する者には、廃疾一時金は、支給しない。
(年金受給者の書類の提出等)
第七十五条 組合は、年金である給付の支給に関し必要な範囲内において、その支給を受ける者に対して、身分関係の移動及び廃疾の状態に関する書類その他の物件の提出を求めることができる。
2 組合は、前項の要求をした場合において、正当な理由がなくてこれに応じない者があるときは、その者に対しては、これに応ずるまでの間、年金である給付の支払を差し止めることができる。
第二款 退職給付
(退職年金)
第七十六条 組合員期間が二十年以上である者が退職したときは、その者が死亡するまで、退職年金を支給する。
2 前項の退職年金の額は、俸給年額の百分の四十に相当する金額(組合員期間が二十年をこえるときは、その金額にそのこえる年数(一年未満の端数があるときは、これを切り捨てた年数。以下この節において同じ。)一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)とする。ただし、その額が三万四千八百円より少ないときは、三万四千八百円とし、その額が俸給年額の百分の七十に相当する金額をこえるときは、その金額に止める。
3 退職一時金又は廃疾一時金の支給を受けた後再び組合員となつた者に退職年金を支給する場合には、第一項の退職年金の額は、前項の規定により算定した金額からそれぞれ第一号又は第二号に掲げる金額を控除した金額とする。
一 当該退職一時金の基礎となつた期間の年数一年につき、俸給年額の百分の一・四に相当する金額
二 当該廃疾一時金の給付事由が生じた月の翌月から再び組合員となつた月までの月数を四で除して得た月数(一月未満の端数があるときはこれを一月とし、十二月をこえるときは十二月とする。)を十二月から控除した月数を俸給に乗じて得た額の十五分の一に相当する金額
(退職年金の停止)
第七十七条 退職年金を受ける権利を有する者が再び組合員となつたときは、組合員である間、退職年金の支給を停止する。
2 退職年金は、前項の規定による場合のほか、これを受ける権利を有する者が五十五歳未満であるときは、五十五歳未満である間、その支給を停止する。
3 退職年金を受ける権利を有する者が五十五歳未満であつても、その者が別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるときは、その状態にある間、前項の規定による停止は、行わない。
4 十二万円をこえる金額の退職年金を受ける権利を有する者の各年(その者が退職した日の属する年を除く。)における所得金額が六十万円をこえるときは、その者に支給する退職年金の額が十二万円を下らない限度において、その年の翌年六月から翌翌年五月までの分として支給すべき退職年金の額のうち、所得金額から六十万円を控除した残額(一万円に満たない端数があるときは、これを切り捨てた額)を一万円で除し、これに千分の二・五を乗じて得た割合(百分の五十五をこえるときは、百分の五十五)を当該退職年金の額に乗じて得た金額の支給を停止する。
5 前項に規定する所得金額とは、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)その他の所得税に関する法令の規定により計算した課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額をいうものとし、当該金額のうち退職年金の額以外のものは、政令で定めるところにより、毎年、税務署長の調査したところによる。
(退職年金の額の改定)
第七十八条 前条第一項の規定により退職年金の支給を停止されている者が退職したときは、前後の組合員期間を合算して退職年金の額を改定する。この場合において、その改定額が改定前の退職年金の額より少ないときは、その改定前の金額をもつて改定額とする。
(減額退職年金)
第七十九条 退職年金を受ける権利を有する者が五十五歳に達する前に年金である給付を受けることを希望することを組合に申し出たときは、その者が死亡するまで、減額退職年金を支給する。この場合においては、退職年金は、支給しない。
2 減額退職年金の年額は、退職年金の年額から、その額の百分の四に相当する金額に、五十五歳と当該減額退職年金の支給を開始する月の前月の末日におけるその者の年齢との差に相当する年数を乗じて得た金額を減じた金額とする。
3 第七十七条第一項、第四項及び第五項並びに前条前段の規定は、減額退職年金について準用する。
4 前項において準用する前条前段の規定により改定した減額退職年金の額は、改定前の減額退職年金の額のその算定の基準となつた俸給年額に対する割合に、再び組合員となつた期間の年数一年につき百分の一・五を加え、これを再退職に係る俸給年額に乗じて得た金額とする。この場合においては、前条後段の規定を準用する。
5 再び退職した日において五十五歳未満である者に対する前項の規定の適用については、同項中「百分の一・五」とあるのは、「百分の一・五に五十五歳と再び退職した月の末日におけるその者の年齢との差に相当する年数一年につき百分の四を乗じて得た割合を百分の一・五から減じた割合」とする。
(退職一時金)
第八十条 組合員期間三年以上二十年未満の者が退職したときは、退職一時金を支給する。
2 退職一時金の額は、俸給日額に、組合員期間に応じ別表第二に定める日数を乗じて得た金額とする。
第三款 廃疾給付
(廃疾年金)
第八十一条 次の各号に掲げる者が当該各号の場合に該当するときは、その者が死亡するまで、廃疾年金を支給する。
一 公務により病気にかかり、又は負傷した組合員 その公務による傷病(以下「公務傷病」という。)の結果として、退職の時に別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるとき、又は退職の時から五年以内に同欄に掲げる程度の廃疾の状態になつた場合において、その期間内にその者の請求があつたとき。
二 組合員となつて一年以上経過した後に公務によらないで病気にかかり、又は負傷した者 その傷病の結果として、退職の時に別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるとき、又は退職の時から五年以内に同欄に掲げる程度の廃疾の状態になつた場合において、その期間内にその者の請求があつたとき。
2 前項各号中「退職の時」とあるのは、同項第一号の規定による廃疾年金(以下「公務による廃疾年金」という。)については、公務傷病について国家公務員災害補償法第十条の規定による療養補償又はこれに相当する補償を退職の際に受けている者にあつては、「公務傷病がなおつた時又は同法第十九条の規定による打切補償若しくはこれに相当する補償を受けた時」とし、同項第二号の規定による廃疾年金(以下「公務によらない廃疾年金」という。)については、第五十九条第二項の規定により療養の給付又は療養費を受けている者にあつては、「療養の給付又は療養費を受けることができる期間内になおつた時又はなおらないがその期間を経過した時」とする。
3 廃疾の状態になつた時又は請求の時が第一項各号に規定する期間を経過した後であつても、組合が国家公務員共済組合審査会の議に付することを適当と認め、かつ、国家公務員共済組合審査会においてその廃疾が公務傷病によることが顕著であると議決したときは、そのときから、廃疾年金を支給する。
(廃疾年金の額)
第八十二条 公務による廃疾年金の額は、廃疾の程度に応じ俸給年額に別表第三の中欄(イ)に掲げる率を乗じて得た金額(組合員期間が二十年をこえるときは、そのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)とする。ただし、その額が同表の下欄に掲げる金額より少ないときは、当該金額とし、その額が俸給年額に相当する金額をこえるときは、当該金額とする。
2 公務によらない廃疾年金の額は、廃疾の程度に応じ俸給年額に別表第三の中欄(ロ)に掲げる率を乗じて得た金額(組合員期間が十年をこえるときは、その二十年に達するまでの期間についてはそのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一に相当する金額を、二十年をこえる期間についてはそのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)とする。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 退職一時金又は廃疾一時金の支給を受けた後に廃疾年金を支給すべき事由が生じた者に廃疾年金を支給する場合には、前二項の規定により算定した廃疾年金の額から、それぞれ第七十六条第三項第一号又は第二号に掲げる金額を控除した金額を廃疾年金の額とする。
(廃疾の程度が変つた場合の年金額の改定等)
第八十三条 廃疾年金を受ける権利を有する者の廃疾の程度が減退したとき、又は退職の時から五年以内に増進した場合において、その期間内にその者の請求があつたときは、その減退し、又は増進した後において該当する別表第三の上欄に掲げる廃疾の程度に応じて、その廃疾年金の額を改定する。
2 第八十一条第二項の規定は前項に規定する退職の時について、同条第三項の規定は前項の規定による廃疾年金の額の改定について、それぞれ準用する。
3 廃疾年金を受ける権利を有する者が別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態に該当しなくなつたときは、その権利は、消滅する。
4 組合員であつた期間十年未満で廃疾年金を受ける権利を有する者が前項の規定により廃疾年金の支給を受けなくなり、又は死亡した場合において、既に支給を受けた廃疾年金の総額が、その者が退職の際受けるべきであつた退職一時金と俸給十二月分との合算額より少ないときは、その者又はその遺族にその差額に相当する金額を支給する。
(二以上の廃疾がある場合の取扱)
第八十四条 組合員又は組合員であつた者について同時に二以上の廃疾があるときは、第八十一条第一項各号の病気又は負傷によらないものを除き、公務による廃疾年金と公務によらない廃疾年金との別に応じ、これらの廃疾を併合した廃疾の程度を前三条に規定する廃疾の程度として、これらの規定を適用する。
2 組合員又は組合員であつた者について、公務傷病による廃疾と公務傷病によらない廃疾とがあるときは、公務によらない廃疾年金については、次に定めるところによる。
一 当該年金の基礎となるべき廃疾の程度は、公務傷病による廃疾を公務によらないものとみなし、これらを併合した廃疾の程度による。
二 当該年金の第八十二条第二項の規定による額は、同項の規定にかかわらず、公務傷病による廃疾を公務傷病によらないものとみなし、これらを併合して算定した廃疾年金の額(当該公務傷病による廃疾の程度が別表第三の上欄に掲げる廃疾の程度に該当する場合には、当該廃疾が公務傷病によらないものであるとしたならば当該廃疾について支給されるべき廃疾年金の額を控除した金額)とする。
(再就職した場合の廃疾年金の停止等)
第八十五条 廃疾年金を受ける権利を有する者が再び組合員となつたときは、組合員である間、廃疾年金の支給を停止する。
2 前項の規定により廃疾年金の支給を停止された組合員が再び退職した場合において、その退職の時に別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるときは、前後の組合員であつた期間を合算し、その廃疾の程度に応じて廃疾年金の額を改定する。
3 第八十一条第二項の規定は、前項に規定する退職の時について準用する。
4 前二項の規定により廃疾年金の額を改定した場合において、その改定額が改定前の廃疾年金の額(改定廃疾年金の基礎となる廃疾の程度が改定前の廃疾年金の基礎となつた廃疾の程度より低い場合には、改定前の廃疾年金の基礎となつた廃疾の程度が改定廃疾年金の基礎となる廃疾の程度に相当する程度であつたものとみなして算定した金頷。以下この項において同じ。)より少ないときは、改定前の廃疾年金の額をもつて改定額とする。
(公務による廃疾年金と障害補償との調整)
第八十六条 公務による廃疾年金は、国家公務員災害補償法第十三条の規定による障害補償又はこれに相当する補償を支給する事由が生じた月の翌月から六年間、次の各号に掲げる者の区分により、その額のうち、その算定の基礎となつた俸給年額に当該各号に掲げる割合を乗じて得た金額に相当する金額の支給を停止する。
一 別表第三の上欄の一級に該当する者 百分の三十
二 別表第三の上欄の二級に該当する者 百分の二十
三 別表第三の上欄の三級に該当する者 百分の十
(廃疾一時金)
第八十七条 一年以上組合員であつた者で公務によらないで病気にかかり、又は負傷したものが退職した場合において、その退職の時(第五十九条第二項の規定により療養の給付又は療養費を受けている場合には、これを受けることができる期間内になおつた時又はなおらないがその期間を経過した時)に、その傷病の結果として、別表第四に掲げる廃疾の状態にあるときは、廃疾一時金として、俸給の十二月分を支給する。
2 同時に二以上の廃疾があるときは、前項の傷病によらないものを除き、これらの廃疾を併合した廃疾の状態を同項に規定する廃疾の状態として、同項の規定を適用する。
第四款 遺族給付
(遺族年金)
第八十八条 次の各号の一に該当するときは、当該各号に規定する者の遺族に、当該各号に掲げる額の遺族年金を支給する。
一 組合員が公務傷病により、組合員である間に、又は退職後に死亡した場合 俸給年額の百分の四十に相当する金額(組合員期間が二十年をこえるときは、そのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一・五に相当する金額を加えた金額)
二 組合員期間が二十年以上である者が公務傷病によらないで死亡した場合 その者が受ける権利を有していた退職年金(退職年金を受ける権利を有していなかつた者については、減額退職年金若しくは廃疾年金を支給しなかつたものとした場合において支給すべきであつた退職年金又はその死亡を退職とみなした場合において支給すべきこととなる退職年金)の額の百分の五十に相当する金額
三 組合員期間が十年以上二十年未満である者が公務傷病によらないで組合員である間に死亡した場合又は組合員期間が十年以上二十年未満である者で廃疾年金を受ける権利を有するものが公務傷病によらないで死亡した場合 俸給年額の百分の十に相当する金額(組合員期間が十年をこえるときは、そのこえる年数一年につき俸給年額の百分の一に相当する金額を加えた金額)
四 組合員期間十年未満の者で公務による廃疾年金を受ける権利を有するものが公務によらないで死亡した場合 俸給年額の百分の十に相当する金額
2 前項の規定による遺族年金の額が二万一千円に満たないときは、これを二万一千円とする。
(遺族年金の停止)
第八十九条 夫、父母又は祖父母に対する遺族年金は、その者が五十五歳に達するまでは、その支給を停止する。ただし、別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にある場合には、その状態にある間は、この限りでない。
第九十条 遺族年金を受ける権利を有する者が一年以上所在不明である場合には、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請により、その所在不明である間、当該権利を有する者の受けるべき遺族年金の支給を停止することができる。
2 前項の規定により年金の支給を停止した場合には、その停止している期間、その年金は、同順位者から申請があつたときは同順位者に、次順位者から申請があつたときは次順位者に支給する。
(遺族年金の失権)
第九十一条 遺族年金を受ける権利を有する者は、次の各号の一に該当するに至つたときは、その権利を失う。
一 死亡したとき。
二 婚姻したとき(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者となつたときを含む。)。
三 三親等内の親族以外の者の養子となつたとき。
四 死亡した組合員であつた者との親族関係が離縁によつて終了したとき。
五 子又は孫で別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にある者以外の者が十八歳に達したとき。
六 別表第三の上欄に掲げる程度の廃疾の状態にあるため遺族年金を受けていた者につき、その事情がなくなつたとき。
(公務による遺族年金と遺族補償との調整)
第九十二条 第八十八条第一項第一号の規定による遺族年金は、国家公務員災害補償法第十五条の規定による遺族補償又はこれに相当する補償を支給する事由が生じた時から六年間、その額のうち、その算定の基礎となつた俸給年額の百分の二十に相当する金額の支給を停止する。
(遺族一時金)
第九十三条 組合員期間が三年以上十年未満である組合員が公務傷病によらないで死亡したときは、その者の遺族に遺族一時金を支給する。
2 遺族一時金の額は、俸給日額に、組合員期間に応じて別表第二に定める日数を乗じて得た金額とする。
第四節 給付の制限
(給付の制限)
第九十四条 この法律により給付を受けるべき者が、故意の犯罪行為により、又は故意に、病気、負傷、廃疾、死亡若しくは災害又はこれらの直接の原因となつた事故を生じさせたときは、その者には、次項の規定に該当する場合を除き、当該病気、負傷、廃疾、死亡又は災害に係る給付は、行わず、また、当該廃疾については、第七十七条第三項の規定は、適用しない。
2 第三節第四款の規定による遺族給付(第四十五条の規定により支給するその他の給付に係る支払未済の給付を含む。以下この項及び第百十二条第三項において同じ。)を受けるべき者が組合員、組合員であつた者又は遺族給付を受ける者を故意の犯罪行為により、又は故意に死亡させたときは、その者には、当該遺族給付は、行わない。組合員又は組合員であつた者の死亡前に、その者の死亡によつて遺族給付を受けるべき者を故意の犯罪行為により、又は故意に死亡させた者についても、同様とする。
3 この法律により給付を受けるべき者が、重大な過失により、若しくは正当な理由がなくて療養に関する指示に従わなかつたことにより、病気、負傷、廃疾若しくは死亡若しくはこれらの直接の原因となつた事故を生じさせ、その病気若しくは廃疾の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げ、又は故意にその廃疾の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、その者には、当該病気、負傷、廃疾又は死亡に係る給付の全部又は一部を行わず、また、当該廃疾については、第八十三条第一項の規定による改定を行わず、又はその者の廃疾の程度が現に該当する級以下の級に該当するものとして同項の規定による廃疾年金の額の改定を行うことができる。
第九十五条 組合がこの法律に基く給付の支給に関し必要があると認めてその支給に係る者につき診断を受けるべきことを求めた場合において、正当な理由がなくてこれに応じない者があるときは、その者に係る当該給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第九十六条 組合員若しくは組合員であつた者が禁錮以上の刑に処せられたとき、又は組合員が懲戒処分によつて退職したときは、その者には、その組合員期間に係る長期給付の全部又は一部は、行わない。
2 遺族給付を受ける権利を有する者が禁錮以上の刑に処せられたときは、その者には、遺族給付の一部を行わないことができる。
3 禁錮以上の刑に処せられてその刑の執行を受ける者に支給すべきその組合員期間に係る年金である給付は、その刑の執行を受ける間、その支給を停止する。
第九十七条 長期給付に関し第九十四条第一項若しくは第三項又は前条第一項の規定の適用を受けた者が再び組合員となり、かつ、再び退職したときは、当該長期給付の基礎となつた組合員期間に係る年金である給付でその者に支給すべきものの額は、これらの規定による給付の制限の程度に応じ政令で定める金額を第三節の規定により算定した金額から控除した金額とする。
第五章 福祉事業
(福祉事業)
第九十八条 組合(連合会を含む。以下第百十六条において同じ。)は、組合員の福祉の増進に資するため、次に掲げる事業を行うことができる。
一 組合員の保健、保養若しくは宿泊又は教養のための施設の経営
二 組合員の利用に供する財産の取得、管理又は貸付
三 組合員の貯金の受入又はその運用
四 組合員の臨時の支出に対する貸付
五 組合員の需要する生活必需物資の供給
六 その他組合員の福祉の増進に資する事業で定款で定めるもの
2 前項に規定する事業に要する費用に充てることができる金額は、短期給付に要する費用の九十五分の五に相当する金額の範囲内とする。
第六章 費用の負担
(費用負担の原則)
第九十九条 組合の給付に要する費用は、次に定めるところにより、政令で定める職員を単位として、算定するものとする。
一 短期給付に要する費用については、当該事業年度におけるその費用の予想額と当該事業年度における短期給付に係る次項の掛金及び負担金の額とが等しくなるように定める。
二 長期給付に要する費用については、その費用の予想額と長期給付に係る次項の掛金及び負担金の額並びにその予定運用収入の額の合計額とが、将来にわたつて財政の均衡を保つことができるように、かつ、毎事業年度の同項の掛金及び負担金の額が平準的になるように定める。
2 組合の事業に要する費用で次の各号に掲げるものは、当該各号に掲げる割合により、組合員の掛金及び国の負担金をもつて充てる。
一 短期給付に要する費用 掛金百分の五十、国の負担金百分の五十
二 長期給付に要する費用 掛金百分の四十五、国の負担金百分の五十五
三 福祉事業に要する費用 掛金百分の五十、国の負担金百分の五十
四 組合の事務(福祉事業に係る事務を除く。)に要する費用 国の負担金百分の百
3 前項第四号の規定により組合の事務に要する費用に充てるため国が負担すべき金額は、毎年度、国の予算をもつて定める。
4 専従職員(国家公務員法第九十八条の職員団体又は公共企業体等労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)第三条の労働組合(以下「職員団体」と総称する。)の事務にもつぱら従事する職員である組合員をいう。)である組合員に係る第二項に規定する費用については、同項各号列記以外の部分中「及び国の負担金」とあるのは「、職員団体の負担金及び国の負担金」と、同項第一号から第三号まで中「国の負担金」とあるのは「職員団体の負担金」として、同項の規定を適用する。
(掛金)
第百条 掛金は、組合員の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の前日の属する月までの各月につき、徴収するものとする。この場合において、組合員の資格を喪失した日の前日の属する月に更に組合員の資格を取得したときは、当該資格の取得によるその月の掛金は、徴収しない。
2 掛金は、大蔵省令で定めるところにより、組合員の俸給を標準として算定するものとし、その俸給と掛金との割合は、組合の定款で定める。
3 組合員のうち俸給の額が七万五千円をこえる者は、前項の規定の適用については、その額が七万五千円であるものとみなす。
(掛金等の給与からの控除)
第百一条 組合員の給与支給機関は、毎月、俸給その他の給与を支給する際、組合員の給与から掛金に相当する金額を控除して、これを組合員に代つて組合に払い込まなければならない。
2 組合員(組合員であつた者を含む。以下この項において同じ。)の給与支給機関は、組合員が組合に対して支払うべき掛金以外の金額又は前項の規定により控除して払い込まれなかつた掛金の金額があるときは、俸給その他の給与(国家公務員等退職手当暫定措置法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基く退職手当又はこれに相当する手当を含む。以下この項において同じ。)を支給する際、組合員の俸給その他の給与からこれらの金額に相当する金額を控除して、これを組合員に代つて組合に払い込まなければならない。
3 連合会加入組合は、長期給付に充てるべき掛金については、前二項の規定による払込があるごとに、これを連合会に払い込まなければならない。
(負担金)
第百二条 各省各庁の長又は職員団体は、それぞれ第九十九条の規定により国又は職員団体が負担すべき金額を、毎月組合に払い込まなければならない。ただし、連合会加入組合に係る長期給付の事務に要する費用は、大蔵大臣が直接連合会に払い込むものとする。
2 前項の規定による負担金の支払については、概算払をすることができる。この場合においては、当該事業年度末において、精算するものとする。
3 連合会加入組合は、政令で定めるところにより、第九十九条に規定する長期給付及び福祉事業の費用に充てるべき国又は職員団体の負担金に相当する金額を、当該負担金の払込があるごとに、連合会に払い込まなければならない。
第七章 審査の請求
(審査の請求)
第百三条 組合員の資格若しくは給付に関する決定又は掛金の徴収に関し不服がある者は、政令で定めるところにより、国家公務員共済組合審査会に審査を請求することができる。
2 前項の審査の請求は、同項に規定する決定又は徴収があつたことを知つた日から六十日以内にしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査の請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。
3 審査の請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(審査会の設置及び組織)
第百四条 国家公務員共済組合審査会(以下「審査会」という。)は、組合(連合会加入組合にあつては、連合会)に置く。
2 審査会は、委員九人をもつて組織する。
3 委員は、組合員を代表する者、国を代表する者及び公益を代表する者それぞれ三人とし、各省各庁の長(連合会に置く審査会にあつては、大蔵大臣)が委嘱する。
4 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 審査会に会長を置く。会長は、審査会において、公益を代表する委員のうちから選挙する。
7 会長は、会務を総理する。会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめその指名する公益を代表する委員がその職務を行う。
(議事)
第百五条 審査会は、組合員を代表する委員、国を代表する委員及び公益を代表する委員各一人以上を含む過半数の委員が出席しなければ、会議を開き、及び議決することができない。
2 審査会の議事は、出席委員の過半数で決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。
(関係人に対する通知等)
第百六条 審査会は、審査の請求を受理したときは、当該審査の請求に係る組合及びその他の利害関係人にこれを通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた者は、審査会に対し、当該通知に係る審査の事件について意見を述べることができる。
(審査のための報告等)
第百七条 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、審査を請求した者若しくは関係人から報告若しくは意見を徴し、又はこれらの者の出頭を求めて審問することができる。
(決定の方式)
第百八条 審査の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付し、会長及び決定に関与した委員がこれに署名押印しなければならない。
2 審査会は、請求人及び第百六条第一項の規定により通知を受けた組合その他の利害関係人に決定書の謄本を送付しなければならない。
(決定の効力)
第百九条 審査の決定は、請求人に決定書の謄本が送付された時に、その効力を生ずる。
2 審査の決定は、第百六条第一項の規定により通知を受けた組合その他の利害関係人を拘束する。
(政令への委任)
第百十条 審査会の委員及び第百七条の規定により出頭を求めた関係人の旅費その他の手当の支給その他審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
第八章 国家公務員共済組合審議会
(国家公務員共済組合審議会)
第百十一条 この法律に基く組合に関する制度及びその行う給付その他の事業の運営に関する重要事項について、大蔵大臣の諮問に応じて調査審議するため、大蔵省の附属機関として、国家公務員共済組合審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、組合に関する施策及び組合の運営に関する事項について、大蔵大臣に建議することができる。
3 審議会は、委員九人以内で組織する。
4 委員は、学識経験がある者、関係行政機関の職員及び組合員のうちから大蔵大臣が任命し、その任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 審議会に会長一人を置き、委員の互選によりこれを定める。
7 会長は、会務を総理する。会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときはあらかじめその指名する委員がその職務を行う。
8 委員は、非常勤とする。
9 前各号に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第九章 雑則
(時効)
第百十二条 この法律に基く給付を受ける権利は、その給付事由が生じた日から、短期給付については二年間、長期給付については五年間行わないときは、時効によつて消滅する。
2 掛金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年間行わないときは、時効によつて消滅する。
3 時効期間の満了前六月以内において、次に掲げる者の生死又は所在が不明であるためにその者に係る遺族給付の請求をすることができない場合には、その請求をすることができることとなつた日から六月以内は、当該権利の消滅時効は、完成しないものとする。
一 組合員又は組合員であつた者でその者が死亡した場合に遺族給付を受けるべき者があるもの
二 遺族給付を受ける権利を有する者のうち先順位者又は同順位者
(期間計算の特例)
第百十三条 この法律の規定により給付の請求又は審査の請求に係る期間を計算する場合において、その請求が書面の郵送により行われたものであるときは、郵送に要した日数は、その期間に算入しない。
(戸籍書類の無料証明)
第百十四条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区長)は、組合又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者に対して、当該市町村の条例で定めるところにより、組合員、組合員であつた者又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
(端数の処理)
第百十五条 年金である給付を受ける権利を決定する場合において、その給付の額に一円未満の端数を生じたときは、これを一円に切り上げるものとする。
2 前項に定めるもののほか、この法律による給付及び掛金に係る端数計算については、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律(昭和二十五年法律第六十一号)第二条の規定を準用する。
(大蔵大臣の権限)
第百十六条 組合の業務の執行は、大蔵大臣が監督する。
2 組合は、大蔵省令で定めるところにより、毎月末日現在におけるその事業についての報告書を大蔵大臣に提出しなければならない。
3 大蔵大臣は、毎年少くとも一回、当該職員に組合の業務及び財産の状況を監査させるものとする。
4 大蔵大臣は、この法律の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、組合に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。
第百十七条 大蔵大臣は、組合の療養に関する短期給付についての費用の負担又は支払の適正化を図るため必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者若しくはこれらの者を使用する者に対し、その行つた診療、薬剤の支給若しくは手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を求め、若しくは当該職員をして質問させ、又は当該給付に係る療養を行つた保険医療機関若しくは保険薬局から報告若しくは資料の提出を求め、当該保険医療機関若しくは保険薬局の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者に対し出頭を求め、若しくは当該職員をして関係者に対し質問し、若しくは当該保険医療機関若しくは保険薬局につき設備若しくは診療録その他その業務に関する帳簿書類を検査させることができる。
2 当該職員は、前項の規定により質問又は検査をする場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(医療に関する事項等の報告)
第百十八条 組合は、大蔵省令・厚生省令で定めるところにより、この法律に定める医療に関する事項その他この法律の規定による給付に関する事項について、厚生大臣に報告しなければならない。
(船員組合員の期間計算等の特例)
第百十九条 船員保険の被保険者(以下「船員」という。)である組合員(以下「船員組合員」という。)の船員組合員としての資格の得喪及び期間の計算については、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の定めるところによる。
(船員組合員の療養の特例)
第百二十条 船員組合員又はその被扶養者が病気にかかり、又は負傷した場合における療養に関しては、第五十四条から第五十九条までの規定にかかわらず、船員保険法第二十八条から第二十九条ノ三まで、第三十一条及び第三十一条ノ二の規定の例による。
2 前項の場合において、船員保険法第二十九条ノ三の規定の例により国が交付し、又は負担すべき金額の支払の事務は、組合が行うものとする。
(船員組合員の療養以外の給付の特例)
第百二十一条 船員組合員又は船員組合員であつた組合員が退職し、又は死亡した場合における退職給付又は遺族給付は、次に掲げるもののうちその者が選択するいずれか一の給付とする。
一 組合員として受けるべき退職給付又は遺族給付(組合員でない船員であつた期間がある場合には、これらの給付並びにその期間に対する船員保険法第三章第五節及び第七節から第九節までに規定する給付(葬祭料を除く。))
二 その者が組合員とならなかつたものとした場合に船員として受けるべき船員保険法の給付で前号に規定するもの(船員でない組合員であつた期間がある場合には、当該給付及びその期間に対する組合員として受けるべき退職給付又は遺族給付)
2 前条及び前項に定めるもののほか、船員組合員若しくは船員組合員であつた者又はこれらの者の遺族に対する給付は、次に掲げるもののうちこれらの者が選択するいずれか一の給付とする。
一 組合員若しくは組合員であつた者又はこれらの者の遺族として受けるべき給付
二 その者が組合員とならなかつたものとした場合に船員若しくは船員であつた者又はこれらの者の遺族として受けるべき船員保険法に規定する給付(失業に関する給付を除く。)
第百二十二条 厚生年金保険及び船員保険交渉法(昭和二十九年法律第百十七号)第二条から第四条までの規定により厚生年金保険又は船員保険の老齢年金の受給資格期間を満たした者が船員組合員となつたときは、組合員でない船員であつた期間は、船員でなかつたものとみなして、前条の規定を適用する。
(船員組合員についての負担金の特例)
第百二十三条 国は、船員組合員若しくは船員組合員であつた者又はこれらの者の遺族に対する船員保険法に規定する給付に要する費用(同法第二十九条ノ三の規定により船舶所有者が負担すべき費用を含む。)については、第九十九条第二項の規定にかかわらず、同法第五十八条の規定による国庫の負担及び同法第六十条第一項の規定による船舶所有者の負担と同一の割合によつて算定した金額を負担する。
(外国で勤務する組合員についての特例)
第百二十四条 外国で勤務する組合員に対するこの法律の適用については、政令で特例を定めることができる。
(組合職員の取扱)
第百二十五条 組合に使用され、組合から給与を受ける者(常時勤務に服することを要しない者及び臨時に使用される者を除く。)でその運営規則で定めるもの(以下「組合職員」という。)は、当該組合を組織する職員とみなして、この法律(第四十一条第二項を除く。)の規定を適用する。この場合においては、第四章中「公務」とあるのは「業務」と、同章及び第六章中「俸給」とあるのは「運営規則で定める仮定俸給」と、第九十九条第二項各号列記以外の部分中「及び国の負担金」とあるのは「、組合の負担金及び国の負担金」と、同項第一号から第三号まで中「国の負担金」とあるのは「組合の負担金」と、第百二十三条中「国は、」とあるのは「組合は、」と、「同法第五十八条の規定による国庫の負担及び同法」とあるのは「同法」とする。
2 組合職員が職員となつたとき、又は職員が組合職員となつたときは、第四章第三節その他の長期給付に関する規定の適用については、そのなつた日に退職したものとみなす。
3 職員であつた期間に係る組合員期間と組合職員であつた期間に係る組合員期間とは、第三十八条第二項及び第三項の規定にかかわらず、合算しない。
(連合会役職員の取扱)
第百二十六条 連合会の役員及び連合会に使用され、連合会から給与を受ける者(常時勤務に服することを要しない者及び臨時に使用される者を除く。)でその運営規則で定めるもの(以下「連合会役職員」という。)をもつて組織する共済組合を設けることができる。
2 前項の規定により共済組合を設けた場合には、連合会役職員は、職員と、同項の共済組合は、組合とそれぞれみなして、この法律の規定(第四十一条第二項の規定及び役員については第四章第三節その他の長期給付に関する規定を除く。)を適用する。この場合においては、この法律中「各省各庁」とあるのは「連合会」と、「各省各庁の長」とあるのは「連合会の理事長」とし、その他前条第一項後段の規定を準用する。
3 前条第二項及び第三項の規定は、連合会役職員(連合会の役員を除く。)について準用する。
(省令への委任)
第百二十七条 この法律の実施のための手続その他この法律の執行に関し必要な細則は、大蔵省令で定める。
第十章 罰則
(罰則)
第百二十八条 第百十六条第二項又は第三項の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は監査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
第百二十九条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした組合職員、連合会役職員その他組合又は連合会の事務を行う者は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律により大蔵大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第十九条(第三十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、組合の積立金又は余裕金を運用したとき。
三 第百十六条第四項の規定による大蔵大臣の命令に違反したとき。
四 この法律に規定する業務又は他の法律により組合若しくは連合会が行うものとされた業務以外の業務を行つたとき。
第百三十条 連合会の役員が第二十五条の規定による政令に違反して登記をすることを怠つたときは、三万円以下の過料に処する。
第百三十一条 医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれらの者を使用する者が第百十七条第一項の規定による報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられて正当な理由がなくこれに従わず、又は同項の規定による質問に対して正当な理由がなく答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十三年七月一日から施行する。ただし、附則第三条第三項(同条第四項及び附則第二十条第二項後段において準用する場合を含む。)の規定は、公布の日から、第十九条第二項、第三十八条第三項、第四十一条第二項及び第三項、第四十二条第二項から第四項まで、第四章第三節、第百条第三項並びに附則第二十条第六項の規定は、昭和三十四年一月一日から施行する。
(旧法の効力)
第二条 改正前の国家公務員共済組合法(以下「旧法」という。)中第三章第三節から第五節までの規定その他これらの規定に規定する給付に係る規定(これらの規定に基く命令の規定を含む。)は、昭和三十三年十二月三十一日まで(これらの規定を他の法令において準用し、又は適用する場合については、当分の間)は、なおその効力を有する。
2 前項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧法の規定による給付については、この附則に別段の規定があるもののほか、当該旧法の規定に抵触する限度において、本則の規定は、適用しない。
3 第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧法の規定は、第百二十五条第一項又は第百二十六条第二項の規定により職員とみなされる者についても適用する。
(組合及び連合会の存続)
第三条 旧法第二条の規定により設けられた共済組合(以下この条において「旧組合」という。)又は旧法第六十三条の二の規定により設けられた共済組合連合会(以下この条において「旧連合会」という。)は、昭和三十三年七月一日(以下「施行日」という。)において、それぞれ第三条又は第二十一条の規定により設けられた組合又は連合会となり、同一性をもつて存続するものとする。
2 旧法の規定により定められた旧組合の運営規則及び旧連合会の定款でこの法律の規定に抵触するものは、施行日(前条第一項に規定する給付に係る部分については、昭和三十四年一月一日)からその効力を失うものとする。
3 各省各庁の長は、この法律の施行前に、旧組合の共済組合運営審議会の議を経て、第六条及び第十五条の規定の例により、組合の定款を定め、施行日を含む事業年度のうち同日以後の期間に係る事業計画及び予算を作成し、並びに当該定款、事業計画及び予算につき大蔵大臣の認可を受けるものとする。
4 前項の規定は、連合会について準用する。この場合において、同項中「各省各庁の長」とあるのは「連合会の理事長」と、「旧組合の共済組合運営審議会の議を経て、第六条及び」とあるのは「第二十四条の規定及び第三十六条において準用する」と、「定款を定め」とあるのは「定款を変更し」と読み替えるものとする。
(連合会の役員の任期の特例)
第四条 この法律に基いて最初に任命された連合会の理事及び監事のうち第二十七条第二項の規定によるものの半数については、理事長の定めるところにより、第三十条第一項の規定にかかわらず、その任期は、一年とする。
(従前の給付等)
第五条 この附則に別段の規定があるもののほか、旧法(附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた旧法を含む。)の規定に基いてした給付、審査の請求その他の行為又は手続は、この法律中の相当する規定によつてした行為又は手続とみなす。
(被扶養者に関する経過措置)
第六条 施行日の前日において旧法第十八条に規定する被扶養者であつた者で第二条第一項第二号に掲げる被扶養者に該当しないもののうち次の各号の一に該当するものの被扶養者としての資格については、その者が引き続き主として当該組合員又は組合員であつた者の収入により生計を維持している間に限り、同項同号の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、第一号に該当する者にあつては、当該傷病手当金及びその給付事由である病気又は負傷により生じた病気による傷病手当金以外の給付、第二号に該当する者にあつては、その傷病により生じた病気についての家族療養費以外の給付については、この限りでない。
一 この法律の施行の際現に傷病手当金の支給を受け、かつ、病院又は診療所に収容されている組合員又は組合員であつた者によつて生計を維持している者
二 その病気又は負傷につき、この法律の施行の際現に組合員又は組合員であつた者が家族療養費の支給を受けている者
(一部負担金に関する経過措置)
第七条 この法律の施行の際現に病院又は診療所に収容されている者は、その収容に係る傷病については、第五十五条第二項の規定にかかわらず、健康保険法第四十三条ノ八第一項第二号の規定の例により算定する一部負担金に相当する金額を支払うことを要しない。ただし、その者がこの法律の施行後引き続き当該傷病により病院又は診療所に収容されている間に限る。
第八条 組合は、当分の間、組合員が一部負担金を支払つたことにより生じた余裕財源の範囲内で、一部負担金の払戻その他の措置で大蔵大臣の定めるものを行うことができる。
(療養費に関する経過措置)
第九条 この法律の施行前に行われた診療又は手当に係る療養費の額については、なお従前の例による。
(資格喪失後の給付に関する経過措置)
第十条 この法律の施行の際現に旧法第三十四条第二項(旧法第五十五条第五項において準用する場合を含む。)、旧法第三十六条第三項若しくは旧法第五十六条第三項の規定により支給されている給付又は施行日前に組合員の資格を喪失し、かつ、施行日以後に出産し、若しくは死亡したときに、旧法第三十五条第二項(旧法第三十六条第二項において準用する場合を含む。)、旧法第三十八条若しくは旧法第五十六条第一項後段の規定が適用されるものとした場合にこれらの規定により支給される給付については、第五十九条第二項(第六十六条第四項において準用する場合を含む。)、第六十一条第二項、第六十二条第二項及び第三項、第六十四条並びに第六十七条第二項及び第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 第五十九条第三項又は第六十二条第三項若しくは第四項の規定は、前項の規定により家族療養費又はほ育手当金を受けている者が死亡した場合についても、適用する。
(傷病手当金の支給に関する経過措置)
第十一条 この法律の施行の際現に旧法第五十五条の規定により傷病手当金の支給を受けている者については、前条第一項に定めるもののほか、第六十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(休業手当金の支給に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行の際現に旧法第五十七条第一号又は第六号の規定により休業手当金の支給を受けている者については、第六十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(長期給付に関する規定の適用)
第十三条 第四章第三節その他の長期給付に関する規定は、当分の間、次に掲げる職員である組合員についても適用する。
一 第七十二条第二項各号に掲げる職員のうち国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法の適用を受けない者
二 第七十二条第二項各号に掲げる職員以外の職員のうち恩給法(大正十二年法律第四十八号)の適用を受けない者
(長期給付に関する経過措置)
第十四条 前条その他この附則に定めるもののほか、第四章第三節その他の長期給付に間する規定の施行に関して必要な事項は、別に法律で定める。
(従前の行為に対する罰則の適用)
第十五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(連合会組合の設立に伴う権利義務の承継)
第十六条 第百二十六条第一項の規定による組合(以下「連合会組合」という。)が成立した場合には、その組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合は、連合会組合が成立した日に解散するものとし、その権利義務は、健康保険法第四十条の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、連合会組合が承継する。
(組合職員等の健康保険法の被保険者であつた期間に係る給付の取扱)
第十七条 組合職員又は連合会役職員で、施行日(連合会役職員については、連合会組合の成立の日)において第百二十五条第一項又は第百二十六条第二項の規定により組合員となつたものに対する短期給付に関する規定の適用については、その者は、その組合員となつた日前の健康保険の被保険者であつた期間、組合員であつたものとみなし、その組合員となつた日において現に健康保険法による保険給付を受けている場合には、当該保険給付は、この法律に基いて当該保険給付に相当する給付として受けていたものとみなし、その者が組合員となつた組合は、そのなつた日以後に係る給付を支給するものとする。
(組合職員等の厚生年金保険の被保険者であつた期間の取扱)
第十八条 前条に規定する者でその組合員となつた際現に厚生年金保険法による厚生年金保険の被保険者であつたもののその被保険者であつた期間は、この法律の適用については、組合員であつた期間とみなす。
2 前項に規定する者の同項の規定により組合員期間とみなされた期間は、その組合員となつた日以後においては、厚生年金保険の被保険者でなかつたものとみなす。
(厚生保険特別会計からの交付金)
第十九条 政府は、厚生保険特別会計の積立金のうち、前条に規定する者の厚生年金保険の被保険者であつた期間に係る部分を、政令で定めるところにより、施行日(連合会役職員に係る剖分については、連合会組合の成立の日)から一年以内に厚生保険特別会許から組合に交付するものとする。
(地方職員の取扱)
第二十条 常時勤務に服することを要する地方公務員(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十七条第二項又は第二十九条第一項の規定による休職又は停職の処分を受けた者その他法律又は条例で職務に専念する義務を免除された者で政令で定めるものを含むものとし、臨時に使用される者で政令で定めるもの以外のものを除く。)で次に掲げるもの(以下「地方職員」という。)は、当分の間、職員とみなしてこの法律の規定を適用する。この場合においては、地方職員は、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる組合の組合員となるものとする。
一 都道府県警察職員及び消防職員で政令で定めるもの 第三条第二項第一号イに規定する職員をもつて組織する組合
二 都道府県職員で政令で定めるもの 第三条第二項第一号ニに規定する職員をもつて組織する組合
三 公立学校職員並びに都道府県教育委員会及びその所管に属する教育機関(公立学校を除く。)の所属職員 公立学校共済組合
2 前項第三号に規定する公立学校共済組合は、旧法第八十六条の規定により公立学校職員を単位として設けられた共済組合とし、当該共済組合は、組合とみなし、附則第三条第一項の規定の例により、組合として、同一性をもつて存続するものとする。この場合においては、附則第三条第二項及び第三項の規定を準用する。
3 地方職員についてこの法律を適用する場合には、第十二条中「各省各庁の長」とあるのは「各省各庁の長又は地方公共団体の長若しくは都道府県教育委員会」と、「国」とあるのは「国又は地方公共団体」と、第九十九条中「国」とあるのは「地方公共団体(市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条若しくは第二条又は公立養護学校整備特別措置法(昭和三十一年法律第百五十二号)第四条の規定により都道府県がその給与を負担する者にあつては、都道府県。以下第百二条及び第百二十三条において同じ。)」と、「国家公務員法第九十八条」とあるのは「地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十二条」と、「公共企業体等労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)第三条」とあるのは「地方公営企業労働関係法(昭和二十七年法律第二百八十九号)第五条」と、第百二条中「各省各庁の長」とあり、又は「大蔵大臣」とあるのは「地方公共団体の長」と、「国」とあるのは「地方公共団体」と、第百四条及び第百五条中「国」とあるのは、「国又は地方公共団体」と、第百二十条及び第百二十三条中「国」とあるのは「地方公共団体」とする。
4 公立学校共済組合についてこの法律を適用する場合には、第八条中「林野庁長官」とあるのは「林野庁長官と、公立学校共済組合にあつては文部大臣」とする。
5 地方職員のうち、恩給法第十九条に規定する公務員とみなされる者並びに地方公共団体の退職年金及び退職一時金に関する条例の適用を受ける者には、長期給付に関する規定は、適用しない。
6 第一項各号に掲げる組合の当該各号に掲げる職員に係る第十九条第二項の規定に基く責任準備金の運用については、当該組合に係る各省各庁の長が大蔵大臣と協議して定めるところによるものとする。
(登録税法の一部改正)
第二十一条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「私立学校振興会」の下に「、国家公務員共済組合連合会」を、「私立学校振興会法」の下に「、国家公務員共済組合法」を加え、同条第十八号中「私立学校振興会」の下に「、国家公務員共済組合、同連合会」を加え、同条第二十二号の次に次の一号を加える。
二十二ノ二 国家公務員共済組合又ハ同連合会ガ国家公務員共済組合法第九十八条ノ事業ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記
(印紙税法の一部改正)
第二十二条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ十ノ七の次に次の一号を加える。
六ノ十ノ八 国家公務員共済組合又ハ同連合会ノ国家公務員共済組合法ニ基ク給付、同法第九十八条第一項第二号ノ貸付並ニ同項第三号及第四号ノ事業ニ関スル証書、帳簿
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第二十三条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
附則第二十三条中「市町村職員共済組合法」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)附則第十九条、市町村職員共済組合法」に改める。
(所得税法の一部改正)
第二十四条 所得税法の一部を次のように改正する。
第八条第六項第六号中「第六十八条」を「第百条」に改める。
(大蔵省設置法の一部改正)
第二十五条 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第八条第二十一号中「共済組合その他の福利厚生に関する施設をなし、これを管理」を「共済組合に関する制度を管理」に改める。
第十七条第一項の表中財政制度審議会の項の次に次のように加える。
国家公務員共済組合審議会
大蔵大臣の諮問に応じて、国家公務員共済組合に関する制度及びその行う給付その他の事業の運営に関する重要事項について調査審議すること。
(旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部改正)
第二十六条 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号)の一部を次のように改正する。
第一条中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号。」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。」に、「共済組合連合会」を「国家公務員共済組合連合会」に改める。
第五条第一項中「共済組合法」を「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号。以下「旧共済組合法」という。)」に改め、同条第二項中「共済組合法」を「旧共済組合法」に改める。
第六条第一項及び第二項、第七条の二第一項、第二項及び第四項並びに第十六条第一項中「共済組合法」を「旧共済組合法」に改める。
第二十四条中「共済組合法」を「旧共済組合法」に、「同法の規定による共済組合」を「共済組合法による共済組合」に、「第四十条」を「第七十七条第一項及び第七十八条」に改め、後段を削る。
(防衛庁職員給与法の一部改正)
第二十七条 防衛庁職員給与法(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。
第一条中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)」に改める。
第二十九条第一項を次のように改める。
自衛官又は学生に対する国家公務員共済組合法第四十二条第一項の規定の適用については、同項中「その二十五分の一に相当する金額」とあるのは、「これに政令で定める割合を乗じて得た金額」とする。
第二十九条第二項中「第五十五条第五項において準用する第三十四条第二項」を「第六十六条第四項において準用する第五十九条第二項」に、「第五十五条第六項」を「第六十六条第五項」に改める。
(私立学校教職員共済組合法の一部改正)
第二十八条 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の一部を次のように改正する。
第二十条中「り災給付」を「災害給付」に改める。
第二十五条及び第二十五条の二を次のように改める。
(国家公務員共済組合法の準用)
第二十五条 この節に規定するもののほか、保健給付、災害給付及び休業給付については、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第二条(第一項第一号、第五号及び第六号を除く。)、第四十三条から第七十一条まで、第九十四条第一項及び第三項並びに第九十五条の規定を準用する。この場合において、左表上欄に掲げる同法の規定の中で同表中欄に掲げるものは、それぞれ同表下欄のように読み替えるものとする。
第二条第一項第四号
職員
組合員
第四十七条第二項
前項の場合において、
前項の場合において、学校法人等が虚偽の報告若しくは証明をし、又は
その保険医
その学校法人等又は保険医
第五十三条第一項
大蔵省令
文部省令
第五十四条第一項第六十三条第一項第六十六条第一項第六十八条第三号
公務
職務
第五十五条第一項第一号
組合(連合会加入組合にあつては、連合会を含む。)
組合
第五十五条第二項第六十八条第五号
運営規則
業務方法書
第五十九条第一項
これらの給付(他の法律に基く共済組合の給付でこれらの給付に相当するものを含む。)
これらの給付
第五十九条第二項
被保険者を含む。
被保険者をいう。
第六十一条第一項及び第三項第六十三条第一項第七十条第七十一条
俸給
標準給与の月額
第六十六条第一項及び第二項第六十七条第一項第六十八条
俸給日額
標準給与の日額
第六十九条
俸給
給与
第二十五条の二 この節に規定するもののほか、退職給付、廃疾給付及び遺族給付については、当分の間、国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)第二十条から第二十九条まで、第三十九条から第五十二条まで及び第五十九条から第六十二条までの規定を準用する。この場合において、左表上欄に掲げる同法の規定の中で同表中欄に掲げるものは、それぞれ同表下欄のように読み替えるものとする。
第四十二条第一項第四十五条第一項
公務
職務
第三十九条第一項第四十条第二項第四十一条第一項
第十三条第二号又は第三号
私立学校教職員共済組合法第十六条第二号から第四号まで
第三十九条第二項第四十一条第二項第四十二条第二項第四十四条第四十五条第二項第五十二条第三号
俸給
平均標準給与の月額
第三十九条第二項第四十一条第二項第四十二条第三項第五十条第二項第五十二条第三号
俸給日額
平均標準給与の日額
第五十九条
懲戒処分を受け
公務員の場合における懲戒の事由に相当する事由により解雇せられ
第三十六条中「給付」を「組合員の資格若しくは給付」に改め、「異議のある者は」の下に「、その決定若しくは徴収の通知があつた日又は処分があつたことを知つた日から六十日以内に」を加える。
第三十八条を次のように改める。
(国家公務員共済組合法の準用)
第三十八条 前二条に規定するもののほか、審査会については、国家公務員共済組合法第百三条第三項、第百四条第六項及び第七項並びに第百五条から第百十条までの規定を準用する。この場合において、同法第百五条第一項中「国を代表する委員」とあるのは、「学校法人等を代表する委員」と読み替えるものとする。
第四十六条第一項中「第三十一条第一項第三号」を「第五十五条第三項」に改める。
(公共企業体職員等共済組合法の一部改正)
第二十九条 公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。
第三十一条の次に次の一条を加える。
第三十一条の二 組合は、運営規則の定めるところにより、前条各号に掲げる給付にあわせて、これに準ずる短期給付を行うことができる。
第三十六条第一項中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)」に改める。
(その他の法律の一部改正)
第三十条 次に掲げる法律の規定中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)」に改める。
一 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律(昭和二十二年法律第百三十八号)第二条第二号ト
二 結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)第三十七条第一項
三 国家公務員等退職手当暫定措置法第一条第二項
四 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第十一条第一項第三号
五 厚生年金保険及び船員保険交渉法第二条第一項第二号
六 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第二十六条第一項第一号
七 国民健康保険法(昭和三十三年法律第▲▲▲号)第六条第三号
2 次に掲げる法律の規定中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号」に改める。
一 健康保険法第四十三条ノ四第二項
二 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七十二条の十四第一項
三 日雇労働者健康保険法第十八条第一項
3 次に掲げる法律の規定中「国家公務員共済組合法」を「国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)附則第二条の規定によりなおその効力を有するものとされた旧国家公務員共済組合法」に改める。
一 国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律(昭和二十九年法律第九十一号)第二条第四号
二 市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)第十三条第二項
別表第一
損害の程度
月数
一 住居及び家財の全部が焼失し、又は滅失したとき。二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
三月
一 住居及び家財の二分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。三 住居又は家財の全部が焼失し、又は滅失したとき。四 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
二月
一 住居及び家財の三分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。三 住居又は家財の二分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。四 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
一月
一 住居又は家財の三分の一以上が焼失し、又は滅失したとき。二 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。
〇・五月
別表第二
組合員期間
日数
 三年以上 四年未満
七〇日
 四年以上 五年未満
九五日
 五年以上 六年未満
一二〇日
 六年以上 七年未満
一四五日
 七年以上 八年未満
一七〇日
 八年以上 九年未満
一九五日
 九年以上一〇年未満
二二〇日
一〇年以上一一年未満
二四五日
一一年以上一二年未満
二七〇日
一二年以上一三年未満
二九五日
一三年以上一四年未満
三二〇日
一四年以上一五年未満
三五〇日
一五年以上一六年未満
三八〇日
一六年以上一七年未満
四一〇日
一七年以上一八年未満
四四五日
一八年以上一九年未満
四八〇日
一九年以上二〇年未満
五一五日
別表第三
廃疾の程度
廃疾の状態
支給率
最低保障額
(イ)(公務上の廃疾)
(ロ)(公務外の廃疾)
一級
両眼の視力が〇・〇二以下に減じたもの
〇・八
〇・五
四六、八〇〇円
両上肢の用を全く廃したもの
両下肢の用を全く廃したもの
両上肢を腕関節以上で失つたもの
両下肢を足関節以上で失つたもの
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の介護を必要とする程度の障害を残すもの
精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、常時の監視又は介護を必要とする程度の障害を残すもの
傷病がなおらないで、身体の機能又は精神に、労働することを不能ならしめ、かつ、長期にわたる高度の安静と常時の監視又は介護とを必要とする程度の障害を有するもの
二級
両眼の視力が〇・〇四以下に減じたもの
〇・六
〇・四
三四、八〇〇円
一眼の視力が〇・〇二以下に減じ、かつ、他眼の視力が〇・〇六以下に減じたもの
両耳の聴力が、耳殻に接して大声による話をしてもこれを解することができない程度に減じたもの
咀嚼又は言語の機能を廃したもの
脊柱の機能に高度の障害を残すもの
一上肢を腕関節以上で失つたもの
一下肢を足関節以上で失つたもの
一上肢の用を全く廃したもの
一下肢の用を全く廃したもの
一〇
両上肢のすべての指の用を廃したもの
一一
両下肢をリスフラン関節以上で失つたもの
一二
両下肢のすべての足ゆびを失つたもの
一三
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
一四
精神に、労働することを不能ならしめる程度の障害を残すもの
一五
傷病がなおらないで、身体の機能又は精神に、労働が高度の制限を受けるか、又は労働に高度の制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
三級
両眼の視力が〇・一以下に減じたもの
〇・四
〇・三
一九、三二〇円
両耳の聴力が四〇センチメ-トル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
脊柱の機能に著しい障害を残すもの
一上肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの
一下肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの
長管状骨に仮関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
一上肢のおや指又はひとさし指を失つたもの又はおや指若しくはひとさし指をあわせ一上 肢の三指以上を失つたもの
おや指及びひとさし指をあわせ一上肢の四指の用を廃したもの
一〇
一下肢をリスフラン関節以上で失つたもの
一一
両下肢のすべての足ゆびの用を廃したもの
一二
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
一三
精神又は神経系統に、労働に著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
一四
傷病がなおらないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
備考
一 視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によつて測定する。
二 指を失つたものとは、おや指は指関節、その他の指は第一指関節以上を失つたものをいう。
三 指の用を廃したものとは、指の末節の半分以上を失い、又は掌指関節若しくは第一指関節(おや指にあつては指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 足ゆびを失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
五 足ゆびの用を廃したものとは、第一趾は末節の半分以上、その他のゆびは末関節以上を失つたもの又は蹠趾関節若しくは第一趾関節(第一趾にあつては足趾関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
六 この表の一級の項第八号、二級の項第一五号及び三級の項第一四号に掲げる廃疾の程度は、厚生年金保険法別表第一の相当規定に基いて厚生大臣が定めたものに限るものとする。
別表第四
番号
廃疾の状態
両眼の視力が〇・六以下に減じたもの
一眼の視力が〇・一以下に減じたもの
両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
両眼による視野が二分の一以上欠損したもの又は両眼の視野が一〇度以内のもの
両眼の調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの
一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
脊柱の機能に障害を残すもの
一〇
一上肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を残すもの
一一
一下肢の三大関節のうち、一関節に著しい機能障害を残すもの
一二
一下肢を三センチメ-トル以上短縮したもの
一三
長管状骨に著しい転位変形を残すもの
一四
一上肢の二指以上を失つたもの
一五
一上肢のひとさし指を失つたもの
一六
一上肢の三指以上の用を廃したもの
一七
ひとさし指をあわせ一上肢の二指の用を廃したもの
一八
一上肢のおや指の用を廃したもの
一九
一下肢の第一趾又は他の四趾以上を失つたもの
二〇
一下肢の五趾の用を廃したもの
二一
前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
二二
精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
備考 別表第三の備考一から五までに同じ。
内閣総理大臣 岸信介
法務大臣 唐沢俊樹
外務大臣 藤山愛一郎
大蔵大臣 一万田尚登
文部大臣 松永東
厚生大臣 堀木鎌三
農林大臣 赤城宗徳
通商産業大臣 前尾繁三郎
運輸大臣 中村三之丞
郵政大臣 田中角栄
労働大臣 石田博英
建設大臣 根本龍太郎