旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十八年六月二十七日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百十四号
旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律
(旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の一部改正)
第一条 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第七条の二」を「第七条の三」に、「第十六条」を「第十六条の二」に改める。
第七条中「前条、」を「前条の規定又は」に、「第二条又は」を「第二条若しくは」に改め、「第一条若しくは第二条の規定」の下に「(以下第七条の三第四項において「各年金額改定法の規定」と総称する。)」を加える。
第二章中第七条の二の次に次の一条を加える。
第七条の三 連合会は、旧海軍共済組合の組合員(旧共済組合法の規定による退職年金、廃疾年金又は遺族年金に相当する給付(以下第三項において「長期給付」という。)に関する規定の適用を受けていた者に限る。以下この項及び次項において同じ。)で、昭和十六年十二月八日から昭和二十年三月三十一日までの間に戦時災害により職務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより死亡したものの遺族に対しては、昭和三十八年十月分以後、旧海軍共済組合の組合員で昭和二十年四月一日以後職務上の傷病により死亡したものの遺族に対して第三条の規定により支給する年金の支給の例により、当該年金に相当する年金を支給する。
2 連合会は、旧海軍共済組合の組合員であつた者のうち、昭和十六年十二月八日から昭和二十年三月三十一日までの間における旧海軍共済組合の組合員であつた期間内に戦時災害により職務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより旧海軍共済組合から公傷病年金の支給を受けていたもので、その職務上の傷病によらないで同日までに死亡したものの遺族に対しては、昭和三十八年十月分以後、旧海軍共済組合の組合員であつた者で昭和二十年四月一日以後公傷病年金の支給を受けることとなつた後その支給の事由となつた職務上の傷病によらないで死亡したものの遺族に対して第三条の規定により支給する年金の支給の例により、当該年金に相当する年金を支給する。
3 連合会は、旧海軍共済組合の組合員のうち、長期給付に関する規定の適用を受けなかつた者(恩給法(大正十二年法律第四十八号)の適用を受けていた者を除く。)で、昭和十六年十二月八日から昭和二十年八月十五日までの間に戦時災害により職務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより廃疾となり、若しくは死亡し、又は廃疾となつた後その職務上の傷病によらないで死亡したものが、旧海軍共済組合の長期給付に関する規定の適用を受けていたものとすれば第三条又は前二項の規定により年金の支給を受けるべきこととなるときは、昭和三十八年十月分以後、その者又はその遺族に対して、第三条又は前二項の規定により支給する年金の支給の例により、当該年金に相当する年金を支給する。
4 前三項の規定による年金の額は、これらの年金を支給すべき事由の生じた月のその者の俸給につき、第六条第一項第二号及び各年金額改定法の規定を適用して得た仮定俸給を俸給とみなし、同条第三項及び各年金額改定法の規定により算定した額とする。
5 前条第三項の規定は、第一項又は第二項の規定による年金の支給について準用する。
第八条第二号中「第七条の二」を「前二条」に改める。
第十七条第一項中「並びに第七条の二の規定により年金及び一時金」を「第七条の二の規定により年金及び一時金を支給すべきこととなつた後並びに第七条の三の規定により年金」に、「若しくは第七条の二」を「、第七条の二若しくは第七条の三」に改める。
第十九条第一項中「引き続き」を削る。
第二十条中「及び第七条の二」を「、第七条の二及び第七条の三」に改める。
(昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律の一部改正)
第二条 昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律(昭和三十一年法律第百三十三号)の一部を次のように改正する。
第一条第五項を削る。
第二条第三項中「第五項並びに」を削る。
(旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律の一部改正)
第三条 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律(昭和三十三年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第一条中第三項を削り、第四項を第三項とし、第五項を第四項とする。
第一条の二第二項中「及び第三項」を削る。
第二条第二項後段を削り、同条第七項中「第四項及び第五項」を「第三項及び第四項」に、「、第三項及び第五項」を「及び第四項」に改め、「、同条第三項の規定は第三項第二号若しくは第三号又は第五項の規定による年金額の改定の場合について」を削り、「同条第五項」を「同条第四項」に改める。
第三条第四項中「第五項まで」を「第四項まで」に、「第二項、第四項及び第五項」を「第二項から第四項まで」に、「同条第二項、第三項及び第五項」を「同条第二項及び第四項」に改め、「並びに同条第七項中同条第三項及び第五項に係る部分」を削り、「第一条第五項」を「第一条第四項」に改める。
(国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正)
第四条 国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和三十三年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項第一号イ中「第四十三条」を「第四十四条」に改め、「適用を受ける者」の下に「(新法又はこの法律の規定による年金たる給付を同条に規定する年金たる恩給とみなしたならば同条の規定の適用を受けることとなるべき者を含む。)」を加え、同号ニ中「第四十二条第一項第三号」の下に「(第四十三条において準用する場合を含む。)」を加える。
第九条第三号中「第四十二条第一項」の下に「又は第四十三条第一項」を、「外国政府職員」の下に「又は外国特殊法人職員」を、「外国政府」の下に「又は法人」を加える。
第十五条第三項中「「恩給法」とあるのは、」を「「十一万円」とあるのは「九万五千円」と、「五十五万円」とあるのは「五十万円」と、「恩給法」とあるのは」に改め、同条第四項中「、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額」を削る。
第五十一条の二第四項第二号中「第四十二条第一項」の下に「又は第四十三条第一項」を、「外国政府職員」の下に「又は外国特殊法人職員」を、「外国政府」の下に「又は法人」を加え、同条第五項中「地方の職員等であつた長期組合員」の下に「(政令で定める者を除く。)」を加える。
別表の備考第六号を削る。
(国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の一部改正)
第五条 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和三十六年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。
附則第十六条第二項中「一年以内」を「二年以内」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十八年十月一日から施行する。ただし、第一条中旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法第十七条の改正規定、第四条中国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法第十五条第三項及び第四項並びに第五十一条の二第五項の改正規定、第五条、附則第四条第四項、附則第五条並びに附則第六条の規定は、公布の日から施行する。
(戦傷病者戦没者遺族等援護法との調整)
第二条 この法律の施行の際、現に戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号。以下この項において「遺族援護法」という。)第二十三条第二項の規定により遺族給与金を受ける権利を有する者で、他に同一の事由により第一条の規定による改正後の旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(以下「改正後の特別措置法」という。)第七条の三の規定による年金を受ける権利を有する者があるに至つたものに支給する遺族給与金については、遺族援護法第三十二条の二の規定にかかわらず、当該年金を受けることができる者があることを理由とする支給の停止は、行なわない。
2 前項の場合においては、改正後の特別措置法第七条の三の規定による年金を受ける権利を有する者に昭和三十八年十月一日以後支給すべき当該年金の額は、同条の規定にかかわらず、前項に規定する遺族給与金を受ける権利を有する者に当該遺族給与金が支給される期間、同条の規定による年金の額から当該遺族給与金の額に相当する額(当該年金を受ける権利を有する者が二人以上あるときは、その額をその者の数で除して得た額)を控除した額とする。
(昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の改正に伴う経過措置)
第三条 昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律により年金額を改定された退職年金又は遺族年金の改定年金額と従前の年金額との差額の支給の停止については、昭和三十八年九月分までは、第二条の規定による改正前の同法第一条第五項又は第二条第三項の規定の例による。
2 前項の規定は、第三条の規定による旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律の改正に伴う経過措置について準用する。
(国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の改正に伴う経過措置)
第四条 更新組合員(国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法(以下「施行法」という。)第二条第一項第七号に規定する者をいう。以下同じ。)及び再就職者(同法第四十一条第一項各号に掲げる者をいう。以下同じ。)が昭和三十八年九月三十日以前に退職し、又は死亡した場合において、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。以下「法」という。)第三十八条に規定する組合員期間の計算につき第四条の規定による改正後の施行法(以下「改正後の施行法」という。)第七条、第九条第三号又は第五十一条の二第四項第二号の規定を適用するとしたならば退職年金又は遺族年金を支給すべきこととなるときは、改正後の施行法の規定により、昭和三十八年十月分以後、その者又はその遺族に退職年金又は遺族年金を支給する。
2 前項の場合において、同項の規定により新たに退職年金又は遺族年金の支給を受けることとなる者が、同一の給付事由につき一時恩給の支給を受け、又は施行法第二条第一項第二号の二に規定する旧法等、第四条の規定による改正前の施行法(以下「改正前の施行法」という。)若しくは法の規定による退職一時金、廃疾一時金若しくは遺族一時金(これらに相当する給付を含む。)の支給を受けた者(法第八十条第一項ただし書の規定の適用を受けた者を含む。)であるときは、当該退職年金又は遺族年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による額から当該一時恩給又はこれらの一時金の額(法第八十条第一項の規定の適用を受けた者については、その退職一時金の額の算定の基礎となつた同条第二項第一号に掲げる金額とし、これらの額(以下この項において「支給額等」という。)の一部が組合に返還されているときは、その金額を控除した金額とする。)の十五分の一に相当する金額を控除した金額とする。ただし、支給額等の全部が組合に返還された場合は、この限りでない。
3 昭和三十八年九月三十日において現に更新組合員又は再就職者につき法又は改正前の施行法の規定により支給されている退職年金、減額退職年金、廃疾年金又は遺族年金で組合員期間の計算につき改正後の施行法第七条の規定を適用するとしたならばこれらの年金の額が増加することとなるものについては、同年十月分以後、これらの規定を適用してその額を改定する。
4 改正後の施行法第五十一条の二第五項の規定は、昭和三十七年十二月一日からこの法律の公布の日の前日までの間に退職し、又は死亡した更新組合員又は再就職者についても適用する。
5 昭和三十八年九月三十日において現に改正前の施行法別表の備考第六号の規定による金額の加給をされた公務による廃疾年金(施行法第二条第一項第三号に規定する公務による廃疾年金をいう。)の支給を受けている者については、同年十月分以後、その額を改正後の施行法第二十四条及び同法別表の備考の規定による年金額に改定する。
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第五条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
附則第二十三条中「附則第十九条」の下に「、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和三十六年法律第百五十二号)附則第十六条第二項」を加える。
(戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律の一部改正)
第六条 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律(昭和三十八年法律第七十四号)の一部を次のように改正する。
附則第三条に次の一号を加える。
四 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律(昭和三十八年法律第百十四号)附則第二条第一項の規定の適用を受ける者
(戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の適用)
第七条 昭和十二年七月七日以後に死亡した者(同日前の負傷又は疾病により死亡した者を除く。)の妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)であつたことにより改正後の特別措置法第七条の三第一項の規定により支給される年金(同条第三項の規定により同条第一項の規定の例により支給される年金を含む。)を受ける権利を有するに至つた者は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法(昭和三十八年法律第六十一号)の適用については、同法第二条に規定する戦没者等の妻とみなす。ただし、死亡した者の死亡の日が昭和三十八年四月一日前である場合に限る。
大蔵大臣 田中角栄
厚生大臣 西村英一
内閣総理大臣 池田勇人