自衛隊法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第78号
公布年月日: 昭和56年6月11日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

自衛官以外の隊員について、一般職の国家公務員と同様の退職管理を行っているが、国家公務員法の一部改正により定年制度が設けられることに準じて、自衛官以外の隊員にも定年制度を導入する必要がある。そのため、定年を60歳とし、特殊な職や欠員補充が困難な職については65歳を限度とする特例定年を設ける。また、自衛隊の任務遂行に支障がある場合は3年を限度として勤務延長を可能とし、公務の効率的運営のために必要な場合は3年を限度として再任用を可能とする制度を整備する。

参照した発言:
第93回国会 衆議院 内閣委員会 第12号

審議経過

第93回国会

衆議院
(昭和55年11月27日)

第94回国会

衆議院
(昭和56年4月16日)
(昭和56年4月23日)
(昭和56年4月28日)
(昭和56年5月7日)
(昭和56年5月12日)
(昭和56年5月21日)
(昭和56年5月22日)
参議院
(昭和56年5月25日)
(昭和56年5月26日)
(昭和56年5月28日)
(昭和56年6月2日)
(昭和56年6月4日)
(昭和56年6月6日)
(昭和56年6月6日)
自衛隊法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十六年六月十一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曾根康弘
法律第七十八号
自衛隊法の一部を改正する法律
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第四十四条の次に次の三条を加える。
(自衛官以外の隊員の定年及び定年による退職の特例)
第四十四条の二 隊員(自衛官を除く。以下この条及び次条において同じ。)は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は長官があらかじめ指定する日のいずれか早い日(次条及び第四十四条の四において「定年退職日」という。)に退職する。
2 前項の定年は、年齢六十年とする。ただし、次の各号に掲げる隊員の定年は、当該各号に定める年齢とする。
一 病院等で政令で定めるものに勤務する医師及び歯科医師 年齢六十五年
二 庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する隊員で政令で定めるもの 年齢六十三年
三 前二号に掲げる隊員のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる職を占める隊員で政令で定めるもの 六十年を超え、六十五年を超えない範囲内で政令で定める年齢
3 前二項の規定は、次の各号の一に該当する隊員には適用しない。
一 臨時的に任用された隊員
二 法律により任期を定めて任用された隊員
三 非常勤の隊員
第四十四条の三 第三十一条第一項の規定により隊員の任免について権限を有する者(以下「任命権者」という。)は、定年に達した隊員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、当該隊員の職務の特殊性又は当該隊員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職が自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、当該隊員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該隊員をその職務に従事させるため引き続いて隊員として勤務させることができる。
2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、長官の定めるところにより、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、当該隊員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
(定年退職者の再任用)
第四十四条の四 任命権者は、第四十四条の二第一項の規定により退職した者又は前条の規定により勤務した後退職した者について、その者の能力及び経験を考慮し、公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、一年を超えない範囲内で任期を定め、その者を常時勤務を要する職に採用することができる。
2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、政令で定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。
3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
第四十五条の見出しを「(自衛官の定年及び定年による退職の特例)」に改め、同条第一項を次のように改める。
自衛官(陸士長等、海士長等及び空士長等を除く。以下この条において同じ。)は、定年に達したときは、定年に達した日の翌日に退職する。
第四十五条第二項中「停年」を「定年」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の定年は、勤務の性質に応じ、階級ごとに政令で定める。
第七十条第四項中「停年」を「定年」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十年三月三十一日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(実施のための準備)
第二条 この法律による改正後の自衛隊法(以下「新法」という。)の規定による隊員(自衛官を除く。以下同じ。)の定年に関する制度の円滑な実施を確保するため、任命権者は、長期的な人事管理の計画的推進その他必要な準備を行うものとし、長官は、任命権者の行う準備に関し必要な措置を講ずるものとする。
(経過措置)
第三条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに新法第四十四条の二第二項に規定する定年に達している隊員(同条第三項に規定する隊員を除く。)は、施行日に退職する。
第四条 新法第四十四条の三の規定は、前条の規定により隊員が退職すべきこととなる場合について準用する。この場合において、新法第四十四条の三第一項中「同項」とあるのは「自衛隊法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十八号。以下「昭和五十六年法律第七十八号」という。)附則第三条」と、同条中「当該隊員に係る定年退職日」とあるのは「昭和五十六年法律第七十八号の施行の日」と読み替えるものとする。
第五条 新法第四十四条の四の規定は、附則第三条の規定により隊員が退職した場合又は前条において準用する新法第四十四条の三の規定により隊員が勤務した後退職した場合について準用する。この場合において、新法第四十四条の四第三項中「その者に係る定年退職日」とあるのは、「その者が年齢六十年(退職した時に第四十四条の二第二項各号に掲げる隊員であつた者にあつては、当該各号に定める年齢)に達した日」と読み替えるものとする。
(防衛庁職員給与法の一部改正)
第六条 防衛庁職員給与法(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。
第二十八条の二第一項中「停年」を「定年」に、「第四十五条第二項」を「第四十五条第三項」に改め、同条第二項中「停年」を「定年」に改める。
(国家公務員共済組合法の一部改正)
第七条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
附則第十三条の十第一項中「停年」を「定年」に改める。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曾根康弘
自衛隊法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十六年六月十一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曽根康弘
法律第七十八号
自衛隊法の一部を改正する法律
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第四十四条の次に次の三条を加える。
(自衛官以外の隊員の定年及び定年による退職の特例)
第四十四条の二 隊員(自衛官を除く。以下この条及び次条において同じ。)は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は長官があらかじめ指定する日のいずれか早い日(次条及び第四十四条の四において「定年退職日」という。)に退職する。
2 前項の定年は、年齢六十年とする。ただし、次の各号に掲げる隊員の定年は、当該各号に定める年齢とする。
一 病院等で政令で定めるものに勤務する医師及び歯科医師 年齢六十五年
二 庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務に従事する隊員で政令で定めるもの 年齢六十三年
三 前二号に掲げる隊員のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる職を占める隊員で政令で定めるもの 六十年を超え、六十五年を超えない範囲内で政令で定める年齢
3 前二項の規定は、次の各号の一に該当する隊員には適用しない。
一 臨時的に任用された隊員
二 法律により任期を定めて任用された隊員
三 非常勤の隊員
第四十四条の三 第三十一条第一項の規定により隊員の任免について権限を有する者(以下「任命権者」という。)は、定年に達した隊員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、当該隊員の職務の特殊性又は当該隊員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職が自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、当該隊員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該隊員をその職務に従事させるため引き続いて隊員として勤務させることができる。
2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、長官の定めるところにより、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、当該隊員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
(定年退職者の再任用)
第四十四条の四 任命権者は、第四十四条の二第一項の規定により退職した者又は前条の規定により勤務した後退職した者について、その者の能力及び経験を考慮し、公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、一年を超えない範囲内で任期を定め、その者を常時勤務を要する職に採用することができる。
2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、政令で定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。
3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
第四十五条の見出しを「(自衛官の定年及び定年による退職の特例)」に改め、同条第一項を次のように改める。
自衛官(陸士長等、海士長等及び空士長等を除く。以下この条において同じ。)は、定年に達したときは、定年に達した日の翌日に退職する。
第四十五条第二項中「停年」を「定年」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の定年は、勤務の性質に応じ、階級ごとに政令で定める。
第七十条第四項中「停年」を「定年」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十年三月三十一日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(実施のための準備)
第二条 この法律による改正後の自衛隊法(以下「新法」という。)の規定による隊員(自衛官を除く。以下同じ。)の定年に関する制度の円滑な実施を確保するため、任命権者は、長期的な人事管理の計画的推進その他必要な準備を行うものとし、長官は、任命権者の行う準備に関し必要な措置を講ずるものとする。
(経過措置)
第三条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに新法第四十四条の二第二項に規定する定年に達している隊員(同条第三項に規定する隊員を除く。)は、施行日に退職する。
第四条 新法第四十四条の三の規定は、前条の規定により隊員が退職すべきこととなる場合について準用する。この場合において、新法第四十四条の三第一項中「同項」とあるのは「自衛隊法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十八号。以下「昭和五十六年法律第七十八号」という。)附則第三条」と、同条中「当該隊員に係る定年退職日」とあるのは「昭和五十六年法律第七十八号の施行の日」と読み替えるものとする。
第五条 新法第四十四条の四の規定は、附則第三条の規定により隊員が退職した場合又は前条において準用する新法第四十四条の三の規定により隊員が勤務した後退職した場合について準用する。この場合において、新法第四十四条の四第三項中「その者に係る定年退職日」とあるのは、「その者が年齢六十年(退職した時に第四十四条の二第二項各号に掲げる隊員であつた者にあつては、当該各号に定める年齢)に達した日」と読み替えるものとする。
(防衛庁職員給与法の一部改正)
第六条 防衛庁職員給与法(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。
第二十八条の二第一項中「停年」を「定年」に、「第四十五条第二項」を「第四十五条第三項」に改め、同条第二項中「停年」を「定年」に改める。
(国家公務員共済組合法の一部改正)
第七条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
附則第十三条の十第一項中「停年」を「定年」に改める。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曽根康弘