(組織委員会による派遣の要請)
第三条 組織委員会は、ラグビーワールドカップ大会の準備及び運営に関する業務のうち、スポーツに関する外国の行政機関その他の関係機関との連絡調整、ラグビーワールドカップ大会の会場その他の施設の警備に関する計画及び選手その他の関係者の輸送に関する計画の作成、海外からの賓客の接遇その他国の事務又は事業との密接な連携の下で実施する必要があるもの(以下「特定業務」という。)を円滑かつ効果的に行うため、国の職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員(法律により任期を定めて任用される職員、常時勤務を要しない官職を占める職員、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行法人の職員その他人事院規則で定める職員を除く。)をいう。以下同じ。)を組織委員会の職員として必要とするときは、その必要とする事由を明らかにして、任命権者(国家公務員法第五十五条第一項に規定する任命権者及び法律で別に定められた任命権者並びにその委任を受けた者をいう。以下同じ。)に対し、その派遣を要請することができる。
2 前項の規定による要請の手続は、人事院規則で定める。
(国の職員の派遣)
第四条 任命権者は、前条第一項の規定による要請があった場合において、スポーツの振興、公共の安全と秩序の維持、交通の機能の確保及び向上、外交政策の推進その他の国の責務を踏まえ、その要請に係る派遣の必要性、派遣に伴う事務の支障その他の事情を勘案して、国の事務又は事業との密接な連携を確保するために相当と認めるときは、これに応じ、国の職員の同意を得て、組織委員会との間の取決めに基づき、期間を定めて、専ら組織委員会における特定業務を行うものとして当該国の職員を組織委員会に派遣することができる。
2 任命権者は、前項の同意を得るに当たっては、あらかじめ、当該国の職員に同項の取決めの内容及び当該派遣の期間中における給与の支給に関する事項を明示しなければならない。
3 第一項の取決めにおいては、組織委員会における勤務時間、特定業務に係る報酬等(報酬、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、特定業務の対償として受ける全てのものをいう。第六条第一項及び第二項において同じ。)その他の勤務条件及び特定業務の内容、派遣の期間、職務への復帰に関する事項その他第一項の規定による派遣の実施に当たって合意しておくべきものとして人事院規則で定める事項を定めるものとする。
4 任命権者は、第一項の取決めの内容を変更しようとするときは、当該国の職員の同意を得なければならない。この場合においては、第二項の規定を準用する。
5 第一項の規定による派遣の期間は、三年を超えることができない。ただし、組織委員会からその期間の延長を希望する旨の申出があり、かつ、特に必要があると認めるときは、任命権者は、当該国の職員の同意を得て、当該派遣の日から引き続き五年を超えない範囲内で、これを延長することができる。
6 第一項の規定により組織委員会において特定業務を行う国の職員は、その派遣の期間中、その同意に係る同項の取決めに定められた内容に従って、組織委員会において特定業務を行うものとする。
7 第一項の規定により派遣された国の職員(以下「派遣職員」という。)は、その派遣の期間中、国の職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。
8 第一項の規定による国の職員の特定業務への従事については、国家公務員法第百四条の規定は、適用しない。
(職務への復帰)
第五条 派遣職員は、その派遣の期間が満了したときは、職務に復帰するものとする。
2 任命権者は、派遣職員が組織委員会における職員の地位を失った場合その他の人事院規則で定める場合であって、その派遣を継続することができないか又は適当でないと認めるときは、速やかに、当該派遣職員を職務に復帰させなければならない。
(派遣期間中の給与等)
第六条 任命権者は、組織委員会との間で第四条第一項の取決めをするに当たっては、同項の規定により派遣される国の職員が組織委員会から受ける特定業務に係る報酬等について、当該国の職員がその派遣前に従事していた職務及び組織委員会において行う特定業務の内容に応じた相当の額が確保されるよう努めなければならない。
2 派遣職員には、その派遣の期間中、給与を支給しない。ただし、組織委員会において特定業務が円滑かつ効果的に行われることを確保するため特に必要があると認められるときは、当該派遣職員には、その派遣の期間中、組織委員会から受ける特定業務に係る報酬等の額に照らして必要と認められる範囲内で、俸給、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ百分の百以内を支給することができる。
3 前項ただし書の規定による給与の支給に関し必要な事項は、人事院規則(派遣職員が検察官の俸給等に関する法律(昭和二十三年法律第七十六号)の適用を受ける者である場合にあっては、同法第三条第一項に規定する準則)で定める。
(国家公務員共済組合法の特例)
第七条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。以下この条において「国共済法」という。)第四十一条第二項の規定及び国共済法の短期給付に関する規定(国共済法第六十八条の三の規定を除く。以下この項において同じ。)は、派遣職員には、適用しない。この場合において、国共済法の短期給付に関する規定の適用を受ける職員(国共済法第二条第一項第一号に規定する職員をいう。以下この項において同じ。)が派遣職員となったときは、国共済法の短期給付に関する規定の適用については、そのなった日の前日に退職(国共済法第二条第一項第四号に規定する退職をいう。)をしたものとみなし、派遣職員が国共済法の短期給付に関する規定の適用を受ける職員となったときは、国共済法の短期給付に関する規定の適用については、そのなった日に職員となったものとみなす。
2 派遣職員に関する国共済法の長期給付に関する規定の適用については、組織委員会における特定業務を公務とみなす。
3 派遣職員は、国共済法第九十八条第一項各号に掲げる福祉事業を利用することができない。
4 派遣職員に関する国共済法の規定の適用については、国共済法第二条第一項第五号及び第六号中「とし、その他の職員」とあるのは「並びにこれらに相当するものとして次条第一項に規定する組合の運営規則で定めるものとし、その他の職員」と、国共済法第九十九条第二項中「次の各号」とあるのは「次の各号(第一号、第一号の二及び第四号を除く。)」と、「及び国の負担金」とあるのは「、平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法(平成二十七年法律第三十四号)第二条に規定する組織委員会(以下「組織委員会」という。)の負担金及び国の負担金」と、同項第二号及び第三号中「国の負担金」とあるのは「組織委員会の負担金及び国の負担金」と、国共済法第百二条第一項中「各省各庁の長(環境大臣を含む。)、行政執行法人又は職員団体」とあり、及び「国、行政執行法人又は職員団体」とあるのは「組織委員会及び国」と、「第九十九条第二項(同条第五項から第七項までの規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第四項(同条第六項及び第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」とあるのは「第九十九条第二項及び第四項」と、同条第四項中「から第四号まで」とあるのは「及び第三号」と、「及び同条第四項(同条第六項及び第七項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)」とあるのは「並びに同条第四項」と、「(同条第四項」とあるのは「(同項」と、「国、行政執行法人又は職員団体」とあるのは「組織委員会及び国」とする。
5 前項の場合において組織委員会及び国が同項の規定により読み替えられた国共済法第九十九条第二項の規定により負担すべき金額その他必要な事項は、政令で定める。
(子ども・子育て支援法の特例)
第八条 派遣職員に関する子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)の規定の適用については、組織委員会を同法第六十九条第一項第四号に規定する団体とみなす。
(国家公務員共済組合法等の適用関係等についての政令への委任)
第九条 この法律に定めるもののほか、派遣職員に関する国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)、子ども・子育て支援法その他これらに類する法律の適用関係の調整を要する場合におけるその適用関係その他必要な事項は、政令で定める。
(一般職の職員の給与に関する法律の特例)
第十条 第四条第一項の規定による派遣の期間中又はその期間の満了後における当該国の職員に関する一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第二十三条第一項及び附則第六項の規定の適用については、組織委員会における特定業務(当該特定業務に係る労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第七条第二項に規定する通勤(当該特定業務に係る就業の場所を国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第一条の二第一項第一号及び第二号に規定する勤務場所とみなした場合に同条に規定する通勤に該当するものに限る。次条第一項において同じ。)を含む。)を公務とみなす。
(国家公務員退職手当法の特例)
第十一条 第四条第一項の規定による派遣の期間中又はその期間の満了後に当該国の職員が退職した場合における国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の規定の適用については、組織委員会における特定業務に係る業務上の傷病又は死亡は同法第四条第二項、第五条第一項及び第六条の四第一項に規定する公務上の傷病又は死亡と、当該特定業務に係る労働者災害補償保険法第七条第二項に規定する通勤による傷病は国家公務員退職手当法第四条第二項、第五条第二項及び第六条の四第一項に規定する通勤による傷病とみなす。
2 派遣職員に関する国家公務員退職手当法第六条の四第一項及び第七条第四項の規定の適用については、第四条第一項の規定による派遣の期間は、同法第六条の四第一項に規定する現実に職務をとることを要しない期間には該当しないものとみなす。
3 前項の規定は、派遣職員が組織委員会から所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第三十条第一項に規定する退職手当等(同法第三十一条の規定により退職手当等とみなされるものを含む。)の支払を受けた場合には、適用しない。
4 派遣職員がその派遣の期間中に退職した場合に支給する国家公務員退職手当法の規定による退職手当の算定の基礎となる俸給月額については、部内の他の職員との権衡上必要があると認められるときは、次条第一項の規定の例により、その額を調整することができる。
(派遣後の職務への復帰に伴う措置)
第十二条 派遣職員が職務に復帰した場合におけるその者の職務の級及び号俸については、部内の他の職員との権衡上必要と認められる範囲内において、人事院規則の定めるところにより、必要な調整を行うことができる。
2 前項に定めるもののほか、派遣職員が職務に復帰した場合における任用、給与等に関する処遇については、部内の他の職員との均衡を失することのないよう適切な配慮が加えられなければならない。
(人事院規則への委任)
第十三条 この法律に定めるもののほか、組織委員会において国の職員が特定業務を行うための派遣に関し必要な事項は、人事院規則で定める。
(防衛省の職員への準用等)
第十四条 第三条から前条までの規定は、国家公務員法第二条第三項第十六号に掲げる防衛省の職員(法律により任期を定めて任用される職員、常時勤務を要しない官職を占める職員その他政令で定める職員を除く。)の派遣について準用する。この場合において、第三条第一項中「国家公務員法第五十五条第一項に規定する任命権者及び法律で別に定められた任命権者並びにその委任を受けた者」とあるのは「自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第三十一条第一項の規定により同法第二条第五項に規定する隊員の任免について権限を有する者」と、同条第二項、第四条第三項、第五条第二項、第十二条第一項及び前条(見出しを含む。)中「人事院規則」とあり、並びに第六条第三項中「人事院規則(派遣職員が検察官の俸給等に関する法律(昭和二十三年法律第七十六号)の適用を受ける者である場合にあっては、同法第三条第一項に規定する準則)」とあるのは「政令」と、第四条第八項中「国家公務員法第百四条」とあるのは「自衛隊法第六十三条」と、第六条第二項ただし書中「研究員調整手当、住居手当」とあるのは「住居手当、営外手当」と、第十条中「一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第二十三条第一項及び附則第六項」とあるのは「防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十三条第一項」と、「国家公務員災害補償法」とあるのは「防衛省の職員の給与等に関する法律第二十七条第一項において準用する国家公務員災害補償法」と、第十二条第一項中「職務の級」とあるのは「職務の級又は階級」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する第四条第一項の規定により派遣された自衛官(次項において「派遣自衛官」という。)に関する自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第九十八条第四項及び第九十九条第一項の規定の適用については、組織委員会における特定業務を公務とみなす。
3 防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十二条の規定は、派遣自衛官には、適用しない。
(組織委員会の役員及び職員の地位)
第十五条 組織委員会の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。