健康保険法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第八十九号
公布年月日: 昭和48年9月26日
法令の形式: 法律
健康保険法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年九月二十六日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第八十九号
健康保険法等の一部を改正する法律
(健康保険法の一部改正)
第一条 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項第一号中「及子」を「、子、孫及弟妹」に改める。
第二条第二項中「価格」を「価額」に改める。
第三条第一項の表を次のように改める。
標準報酬
報酬月額
等級
月額
日額
第一級
二〇、〇〇〇円
六七〇円
二一、〇〇〇円未満
第二級
二二、〇〇〇円
七三〇円
二一、〇〇〇円以上
二三、〇〇〇円未満
第三級
二四、〇〇〇円
八〇〇円
二三、〇〇〇円以上
二五、〇〇〇円未満
第四級
二六、〇〇〇円
八七〇円
二五、〇〇〇円以上
二七、〇〇〇円未満
第五級
二八、〇〇〇円
九三〇円
二七、〇〇〇円以上
二九、〇〇〇円未満
第六級
三〇、〇〇〇円
一、〇〇〇円
二九、〇〇〇円以上
三一、五〇〇円未満
第七級
三三、〇〇〇円
一、一〇〇円
三一、五〇〇円以上
三四、五〇〇円未満
第八級
三六、〇〇〇円
一、二〇〇円
三四、五〇〇円以上
三七、五〇〇円未満
第九級
三九、〇〇〇円
一、三〇〇円
三七、五〇〇円以上
四〇、五〇〇円未満
第一〇級
四二、〇〇〇円
一、四〇〇円
四〇、五〇〇円以上
四三、五〇〇円未満
第一一級
四五、〇〇〇円
一、五〇〇円
四三、五〇〇円以上
四六、五〇〇円未満
第一二級
四八、〇〇〇円
一、六〇〇円
四六、五〇〇円以上
五〇、〇〇〇円未満
第一三級
五二、〇〇〇円
一、七三〇円
五〇、〇〇〇円以上
五四、〇〇〇円未満
第一四級
五六、〇〇〇円
一、八七〇円
五四、〇〇〇円以上
五八、〇〇〇円未満
第一五級
六〇、〇〇〇円
二、〇〇〇円
五八、〇〇〇円以上
六二、〇〇〇円未満
第一六級
六四、〇〇〇円
二、一三〇円
六二、〇〇〇円以上
六六、〇〇〇円未満
第一七級
六八、〇〇〇円
二、二七〇円
六六、〇〇〇円以上
七〇、〇〇〇円未満
第一八級
七二、〇〇〇円
二、四〇〇円
七〇、〇〇〇円以上
七四、〇〇〇円未満
第一九級
七六、〇〇〇円
二、五三〇円
七四、〇〇〇円以上
七八、〇〇〇円未満
第二〇級
八〇、〇〇〇円
二、六七〇円
七八、〇〇〇円以上
八三、〇〇〇円未満
第二一級
八六、〇〇〇円
二、八七〇円
八三、〇〇〇円以上
八九、〇〇〇円未満
第二二級
九二、〇〇〇円
三、〇七〇円
八九、〇〇〇円以上
九五、〇〇〇円未満
第二三級
九八、〇〇〇円
三、二七〇円
九五、〇〇〇円以上
一〇一、〇〇〇円未満
第二四級
一〇四、〇〇〇円
三、四七〇円
一〇一、〇〇〇円以上
一〇七、〇〇〇円未満
第二五級
一一〇、〇〇〇円
三、六七〇円
一〇七、〇〇〇円以上
一一四、〇〇〇円未満
第二六級
一一八、〇〇〇円
三、九三〇円
一一四、〇〇〇円以上
一二二、〇〇〇円未満
第二七級
一二六、〇〇〇円
四、二〇〇円
一二二、〇〇〇円以上
一三〇、〇〇〇円未満
第二八級
一三四、〇〇〇円
四、四七〇円
一三〇、〇〇〇円以上
一三八、〇〇〇円未満
第二九級
一四二、〇〇〇円
四、七三〇円
一三八、〇〇〇円以上
一四六、〇〇〇円未満
第三〇級
一五〇、〇〇〇円
五、〇〇〇円
一四六、〇〇〇円以上
一五五、〇〇〇円未満
第三一級
一六〇、〇〇〇円
五、三三〇円
一五五、〇〇〇円以上
一六五、〇〇〇円未満
第三二級
一七〇、〇〇〇円
五、六七〇円
一六五、〇〇〇円以上
一七五、〇〇〇円未満
第三三級
一八〇、〇〇〇円
六、〇〇〇円
一七五、〇〇〇円以上
一八五、〇〇〇円未満
第三四級
一九〇、〇〇〇円
六、三三〇円
一八五、〇〇〇円以上
一九五、〇〇〇円未満
第三五級
二〇〇、〇〇〇円
六、六七〇円
一九五、〇〇〇円以上
第三条の次に次の一条を加える。
第三条ノ二 前条第一項ノ規定ニ依ル標準報酬ノ区別ハ被保険者ノ受クル報酬ノ水準ニ著シキ変動アリタル場合ニ於テハ変動後ノ水準ニ即シ速ニ改定ノ措置ガ講ゼラルべキモノトス
第四十九条第一項中「金額」の下に「(其ノ額三万円ニ満タザルトキハ三万円)」を加える。
第五十条第一項中「二万円」を「六万円」に改める。
第五十九条ノ二第二項中「百分ノ五十」を「百分ノ七十」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第五十九条ノ二ノ二 療養ニ要シタル費用著シク高額ナリシトキハ其ノ療養ニ要シタル費用ニ付家族療養費ノ支給ヲ受ケタル者ニ対シ高額療養費ヲ支給ス
高額療養費ノ支給要件、支給額其ノ他高額療養費ノ支給ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十九条ノ三中「二千円」を「三万円」に改める。
第五十九条ノ四第一項中「一万円」を「六万円」に改める。
第六十七条中「被保険者又ハ被保険者タリシ者」を「保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者(当該事故ガ被保険者ノ被扶養者ニ付生ジタル場合ニ於テハ当該被扶養者ヲ含ム次項ニ於テ之ニ同ジ)」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ場合ニ於テ保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ第三者ヨリ同一ノ事由ニ付損害賠償ヲ受ケタルトキハ保険者ハ其ノ価額ノ限度ニ於テ保険給付ヲ行フ責ヲ免ル
第六十九条ノ二中「、第六十五条並ニ第六十七条」を「並ニ第六十五条」に改める。
第七十条ノ三を次のように改める。
第七十条ノ三 国庫ハ第七十条ニ規定スル費用ノ外政府ノ管掌スル健康保険事業ノ執行ニ要スル費用ノ中療養ノ給付並ニ家族療養費、高額療養費、傷病手当金及出産手当金ノ支給ニ要スル費用(療養ノ給付ニ付テハ一部負担金ニ相当スル額ヲ控除スルモノトス)ノ百分ノ十ヲ補助ス
国庫ハ前項ノ規定ニ依ルモノノ外第七十一条ノ四第四項ノ規定ニ依リ保険料率ガ変更セラレタル場合ニ於テ其ノ変更後ノ保険料率ガ千分ノ七十二ヲ超ユルトキハ其ノ超ユル保険料率千分ノ一ニ付其ノ変更セラレタル日ヨリ変更後ノ保険料率ガ更ニ変更セラルル迄ノ間ニ行ハルル療養ノ給付、其ノ期間ニ行ハルル療養ニ係ル家族療養費及高額療養費ノ支給並ニ其ノ期間ニ係ル傷病手当金及出産手当金ノ支給ニ要スル費用(療養ノ給付ニ付テハ一部負担金ニ相当スル額ヲ控除スルモノトス)ノ千分ノ八ヲ補助ス
第七十一条ノ四第一項中「千分ノ七十」を「千分ノ七十二」に改め、同条第二項中「千分ノ八十」を「千分ノ九十」に改め、同条第一項の次に次の四項を加える。
社会保険庁長官ハ保険料及国庫補助ヲ以テ保険給付費及保健施設費ニ充ツル費用ニ不足若ハ剰余ヲ生ジ又ハ生ズルコト明トナリタルトキハ厚生大臣ニ対シ前項ノ保険料率ノ変更ニ付申出ヲ為スコトヲ得
前項ノ申出ニシテ保険料率ノ引上ニ係ルモノハ保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ヲ伴フ場合ニ限リ之ヲ為スコトヲ得
厚生大臣ハ第二項ノ申出ヲ受ケタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ社会保険審議会ノ議ヲ経テ千分ノ六十六乃至千分ノ八十ノ範囲内ニ於テ第一項ノ保険料率ヲ変更スルコトヲ得
政府ハ厚生大臣ガ前項ノ規定ニ依リ保険料率ヲ変更シタルトキハ速ニ其ノ旨ヲ国会ニ報告スべシ
第七十五条ノ二中「千分ノ三十五」を「千分ノ四十」に改める。
(船員保険法の一部改正)
第二条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十七条ノ三」を「第二十七条ノ四」に、「第三十一条ノ二」を「第三十一条ノ三」に改める。
第一条第二項第一号中「及子」を「、子、孫及弟妹」に改める。
第四条第一項の表中
第三四級
一五〇、〇〇〇円
五、〇〇〇円
一四六、〇〇〇円以上
第三四級
一五〇、〇〇〇円
五、〇〇〇円
一四六、〇〇〇円以上 一五五、〇〇〇円未満
第三五級
一六〇、〇〇〇円
五、三三〇円
一五五、〇〇〇円以上 一六五、〇〇〇円未満
第三六級
一七〇、〇〇〇円
五、六七〇円
一六五、〇〇〇円以上 一七五、〇〇〇円未満
第三七級
一八〇、〇〇〇円
六、〇〇〇円
一七五、〇〇〇円以上 一八五、〇〇〇円未満
第三八級
一九〇、〇〇〇円
六、三三〇円
一八五、〇〇〇円以上 一九五、〇〇〇円未満
第三九級
二〇〇、〇〇〇円
六、六七〇円
一九五、〇〇〇円以上
に改める。
第四条ノ二の次に次の一条を加える。
第四条ノ三 第四条第一項ノ規定ニ依ル標準報酬ノ区分ハ被保険者ノ受クル報酬ノ水準ニ著シキ変動アリタル場合ニ於テハ変動後ノ水準ニ即シ速ニ改定ノ措置ガ講ゼラルべキモノトス
第五条第一項中「家族療養費」の下に「、高額療養費」を加え、「又ハ家族葬祭料」を「、家族葬祭料又ハ第二十七条ノ四ノ規定ニ依ル給付」に改める。
第二十五条中「保険給付ヲ受クべキ者」を「保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者(当該事故ガ被保険者ノ被扶養者ニ付生ジタル場合ニ於テハ当該被扶養者ヲ含ム次項ニ於テ之ニ同ジ)」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ場合ニ於テ保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ第三者ヨリ同一ノ事由ニ付損害賠償ヲ受ケタルトキハ政府ハ其ノ価額ノ限度ニ於テ保険給付ヲ行フ責ヲ免ル
第三章第一節中第二十七条ノ三の次に次の一条を加える。
第二十七条ノ四 政府ハ政令ノ定ムル所ニ依リ本章第二節及第三節並ニ第五十条ノ九及第五十条ノ十ニ規定スル保険給付ニ併セテ保険給付トシテ其ノ他ノ給付ヲ為スコトヲ得
第三十一条ノ二第三項中「百分ノ五十」を「百分ノ七十」に改める。
第三章第二節に次の一条を加える。
第三十一条ノ三 療養ニ要シタル費用著シク高額ナリシトキハ其ノ療養ニ要シタル費用ニ付家族療養費ノ支給ヲ受ケタル者ニ対シ高額療養費ヲ支給ス
高額療養費ノ支給要件、支給額其ノ他高額療養費ノ支給ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十二条第一項中「二万円」を「六万円」に改める。
第三十三条第一項中「一万円」を「六万円」に改める。
第五十条ノ九第一項中「金額」の下に「(其ノ額三万円ニ満タザルトキハ三万円)」を加える。
第五十条ノ十中「標準報酬月額ノ一月分ニ相当スル金額」を「前条第一項ノ規定ニ依ル葬祭料ノ金額ノ百分ノ七十ニ相当スル金額(其ノ額三万円ニ満タザルトキハ三万円)」に改める。
第五十六条ノ二中「第二十五条、」を削る。
第五十八条第一項中「家族療養費」の下に「、高額療養費」を加え、「及家族葬祭料」を「、家族葬祭料及第二十七条ノ四ノ規定ニ依ル給付」に改める。
第五十九条第六項中「前項」を「第五項」に改め、同条第五項の次に次の四項を加える。
社会保険庁長官ハ療養ノ給付、療養費、家族療養費、高額療養費、傷病手当金、分娩費、出産手当金、育児手当金、配偶者分娩費、葬祭料、家族葬祭料及第二十七条ノ四ノ規定ニ依ル給付ニ要スル費用ノ額ガ保険料ノ額ノ中命令ヲ以テ定ムル額及国庫補助ノ額ノ合算額ヲ超エ若ハ之ニ満タザルトキ又ハ其ノ合算額ヲ超エ若ハ之ニ満タザルコト明トナリタルトキハ厚生大臣ニ対シ前項第一号又ハ第二号ノ保険料率ノ変更ニ付申出ヲ為スコトヲ得
前項ノ申出ニシテ保険料率ノ引上ニ係ルモノハ同項ノ保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ヲ伴フ場合ニ限リ之ヲ為スコトヲ得
厚生大臣ハ第六項ノ申出ヲ受ケタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ社会保険審議会ノ議ヲ経テ第五項第一号又ハ第二号ニ掲グル率ニ千分ノ七ヲ増減シタル率ノ範囲内ニ於テ同項第一号又ハ第二号ノ保険料率ヲ変更スルコトヲ得
政府ハ厚生大臣ガ前項ノ規定ニ依リ保険料率ヲ変更シタルトキハ速ニ其ノ旨ヲ国会ニ報告スベシ
第六十条第一項第一号中「千分ノ七十四・五」の下に「(第五十九条第八項ノ規定ニ依リ保険料率ガ変更セラレタルトキハ当該変更ニ依リ増減シタル率ノ二分ノ一ニ相当スル率ヲ増減シタル率)」を加え、同項第二号中「千分ノ六十九」の下に「(第五十九条第八項ノ規定ニ依リ保険料率ガ変更セラレタルトキハ当該変更ニ依リ増減シタル率ノ二分ノ一ニ相当スル率ヲ増減シタル率)」を加える。
(国民健康保険法の一部改正)
第三条 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五十七条」を「第五十七条の二」に改める。
第四章第一節中第五十七条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第五十七条の二 保険者は、被保険者の療養に要した費用が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額療養費を支給する。ただし、当該療養について療養の給付若しくは療養費の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたときは、この限りでない。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、政令で定める。
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第四条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
第十八条ノ七の次に次の二条を加える。
第十八条ノ八 健康勘定ノ負担ニ於テ為ス借入金ニ付テハ昭和四十九年度以降ニ於テハ当分ノ間第十条ノ規定ニ拘ラズ次項乃至第五項ノ定ムル所ニ依ル
政府ハ健康勘定ノ昭和四十八年度末ニ於ケル借入金ニ係ル債務ヲ弁済スルタメ必要アルトキハ同勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得
前項ニ定ムルモノノ外政府ハ健康保険法(大正十一年法律第七十号)第七十一条ノ四第四項ノ規定ニ依ル保険料率ノ引上ニ拘ラズ引上ゲラレタル年度ニ於ケル健康勘定ノ歳計ニ不足ヲ生ズル虞アル場合ニ於テ一年内ニ保険料ヲ以テ其ノ償還ヲ為シ得ルコト明ナルトキハ当該不足スル金額ヲ限リ同勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得
前二項ニ定ムルモノノ外政府ハ健康保険法第七十一条ノ四第三項ノ保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ノ行ハレザル年度ニ於テ健康勘定ノ歳計ニ不足ヲ生ズル虞アルトキハ当該不足スル金額ヲ限リ同勘定ノ負担ニ於テ一年内に償還スべキ借入金ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入ルル借入金ノ借換ノタメ政府ハ一年内ニ償還スべキ借入金ヲ為スコトヲ得其ノ借換ニ付亦同ジ
第十八条ノ九 政府ハ昭和四十八年度以前ニ健康勘定ニ於テ生ジタル損失ノ額トシテ政令ヲ以テ定ムルモノニ対応スル借入金ノ償還及当該借入金ニ係ル経費トシテ政令ヲ以テ定ムルモノノ支払ノ財源ニ充ツルタメ当分ノ間一般会計ヨリ予算ニ定ムル金額ヲ限リ同勘定ニ繰入ルルコトヲ得
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十八年十月一日から施行する。ただし、第三条の規定は、昭和五十年十月一日から施行する。
(健康保険法及び船員保険法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 昭和四十八年十月一日前に健康保険の被保険者の資格を取得して、同日まで引き続き被保険者の資格を有する者(健康保険法第二十条の規定による被保険者の資格を有する者を除く。)のうち、同年七月一日から同年九月三十日までの間に被保険者の資格を取得した者又は同法第三条第四項の規定により同年八月若しくは同年九月から標準報酬が改定された者であつて、同年同月の標準報酬月額が一万八千円以下であるもの又は十万四千円であるもの(報酬月額が十万七千円未満であるものを除く。)の標準報酬は、当該標準報酬月額の基礎となつた報酬月額をこの法律による改正後の健康保険法第三条第一項の規定による標準報酬の基礎となる報酬月額とみなして、保険者が改定する。
2 前項の規定により改定された標準報酬は、昭和四十八年十月一日から昭和四十九年九月三十日までの標準報酬とする。
3 この法律による改正後の健康保険法第六十七条又はこの法律による改正後の船員保険法第二十五条の規定は、第三者の行為により昭和四十八年十月一日以後に保険事故が生じた場合について適用し、同日前に保険事故が生じた場合については、なお従前の例による。
4 この法律による改正後の健康保険法第七十条ノ三第一項の規定は、昭和四十八年十月一日前に行なわれた療養の給付、同日前に行なわれた療養に係る家族療養費の支給並びに同日前の期間に係る傷病手当金及び出産手当金の支給に要する費用については、適用しない。
5 この法律による改正後の健康保険法第七十一条ノ四第二項の規定による保険料率の変更についての申出は、昭和四十九年度以降の年度に係る保険料及び国庫補助をもつて当該年度に係る保険給付費、保健施設費その他政令で定める経費にあてる費用に不足若しくは剰余を生じ又は生ずることが明らかとなつたときに限り、行なうことができる。
(国家公務員共済組合法の一部改正)
第三条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
第五十一条第二号の次に次の一号を加える。
二の二 高額療養費
第五十七条第二項及び第六項中「百分の五十」を「百分の七十」に改める。
第六十条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第六十条の二 療養に要した費用が著しく高額であるときは、その療養に要した費用につき家族療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第六十一条第一項ただし書中「二万円」を「六万円」に改め、同条第三項中「俸給の半月分」を「第一項本文の規定による出産費の金額の百分の七十」に、「一万円」を「六万円」に改める。
第六十三条第一項ただし書中「六千円」を「三万円」に改め、同条第三項中「百分の五十」を「百分の七十」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、その金額が三万円に満たない場合には、三万円とする。
第七十条中「俸給の半月分」を「当該金額の百分の七十」に改める。
第百二十条第一項中「第五十九条まで」の下に「及び第六十条の二」を加え、「、第三十一条及び第三十一条ノ二」を「及び第三十一条から第三十一条ノ三まで」に改める。
(公共企業体職員等共済組合法の一部改正)
第四条 公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。
第三十一条第二号の次に次の一号を加える。
二の二 高額療養費
第三十四条中「半額」を「十分の七に相当する金額」に改める。
第三十六条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第三十六条の二 療養に要した費用が著しく高額であるときは、その療養に要した費用につき家族療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第三十七条第一項ただし書中「二万円」を「六万円」に改め、同条第三項中「俸給の半月分」を「第一項本文の規定による出産費の金額の十分の七」に、「一万円」を「六万円」に改める。
第三十九条第一項ただし書を削り、同条第三項中「二分の一」を「十分の七」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、その金額が三万円に満たないときは、三万円とする。
第四十二条中「俸給の半月分」を「当該金額の十分の七」に改める。
(地方公務員等共済組合法の一部改正)
第五条 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。
第五十三条第二号の次に次の一号を加える。
二の二 高額療養費
第五十九条第二項及び第六項中「百分の五十」を「百分の七十」に改める。
第六十二条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第六十二条の二 療養に要した費用が著しく高額であるときは、その療養に要した費用につき家族療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第六十三条第一項ただし書中「二万円」を「六万円」に改め、同条第三項中「給料の半月分」を「第一項本文の規定による出産費の金額の百分の七十」に、「一万円」を「六万円」に改める。
第六十五条第一項ただし書中「六千円」を「三万円」に改め、同条第三項中「百分の五十」を「百分の七十」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、その金額が三万円に満たない場合には、三万円とする。
第七十二条中「給料の半月分」を「当該金額の百分の七十」に改める。
第百三十六条第一項中「第六十一条まで」の下に「及び第六十二条の二」を加え、「、第三十一条及び第三十一条ノ二」を「及び第三十一条から第三十一条ノ三まで」に改める。
(私立学校教職員共済組合法の一部改正)
第六条 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の一部を次のように改正する。
第二十五条の表第六十一条第一項及び第三項の項中「及び第三項」を削る。
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 小坂善太郎
厚生大臣 齋藤邦吉
内閣総理大臣 田中角榮
健康保険法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十八年九月二十六日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第八十九号
健康保険法等の一部を改正する法律
(健康保険法の一部改正)
第一条 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項第一号中「及子」を「、子、孫及弟妹」に改める。
第二条第二項中「価格」を「価額」に改める。
第三条第一項の表を次のように改める。
標準報酬
報酬月額
等級
月額
日額
第一級
二〇、〇〇〇円
六七〇円
二一、〇〇〇円未満
第二級
二二、〇〇〇円
七三〇円
二一、〇〇〇円以上
二三、〇〇〇円未満
第三級
二四、〇〇〇円
八〇〇円
二三、〇〇〇円以上
二五、〇〇〇円未満
第四級
二六、〇〇〇円
八七〇円
二五、〇〇〇円以上
二七、〇〇〇円未満
第五級
二八、〇〇〇円
九三〇円
二七、〇〇〇円以上
二九、〇〇〇円未満
第六級
三〇、〇〇〇円
一、〇〇〇円
二九、〇〇〇円以上
三一、五〇〇円未満
第七級
三三、〇〇〇円
一、一〇〇円
三一、五〇〇円以上
三四、五〇〇円未満
第八級
三六、〇〇〇円
一、二〇〇円
三四、五〇〇円以上
三七、五〇〇円未満
第九級
三九、〇〇〇円
一、三〇〇円
三七、五〇〇円以上
四〇、五〇〇円未満
第一〇級
四二、〇〇〇円
一、四〇〇円
四〇、五〇〇円以上
四三、五〇〇円未満
第一一級
四五、〇〇〇円
一、五〇〇円
四三、五〇〇円以上
四六、五〇〇円未満
第一二級
四八、〇〇〇円
一、六〇〇円
四六、五〇〇円以上
五〇、〇〇〇円未満
第一三級
五二、〇〇〇円
一、七三〇円
五〇、〇〇〇円以上
五四、〇〇〇円未満
第一四級
五六、〇〇〇円
一、八七〇円
五四、〇〇〇円以上
五八、〇〇〇円未満
第一五級
六〇、〇〇〇円
二、〇〇〇円
五八、〇〇〇円以上
六二、〇〇〇円未満
第一六級
六四、〇〇〇円
二、一三〇円
六二、〇〇〇円以上
六六、〇〇〇円未満
第一七級
六八、〇〇〇円
二、二七〇円
六六、〇〇〇円以上
七〇、〇〇〇円未満
第一八級
七二、〇〇〇円
二、四〇〇円
七〇、〇〇〇円以上
七四、〇〇〇円未満
第一九級
七六、〇〇〇円
二、五三〇円
七四、〇〇〇円以上
七八、〇〇〇円未満
第二〇級
八〇、〇〇〇円
二、六七〇円
七八、〇〇〇円以上
八三、〇〇〇円未満
第二一級
八六、〇〇〇円
二、八七〇円
八三、〇〇〇円以上
八九、〇〇〇円未満
第二二級
九二、〇〇〇円
三、〇七〇円
八九、〇〇〇円以上
九五、〇〇〇円未満
第二三級
九八、〇〇〇円
三、二七〇円
九五、〇〇〇円以上
一〇一、〇〇〇円未満
第二四級
一〇四、〇〇〇円
三、四七〇円
一〇一、〇〇〇円以上
一〇七、〇〇〇円未満
第二五級
一一〇、〇〇〇円
三、六七〇円
一〇七、〇〇〇円以上
一一四、〇〇〇円未満
第二六級
一一八、〇〇〇円
三、九三〇円
一一四、〇〇〇円以上
一二二、〇〇〇円未満
第二七級
一二六、〇〇〇円
四、二〇〇円
一二二、〇〇〇円以上
一三〇、〇〇〇円未満
第二八級
一三四、〇〇〇円
四、四七〇円
一三〇、〇〇〇円以上
一三八、〇〇〇円未満
第二九級
一四二、〇〇〇円
四、七三〇円
一三八、〇〇〇円以上
一四六、〇〇〇円未満
第三〇級
一五〇、〇〇〇円
五、〇〇〇円
一四六、〇〇〇円以上
一五五、〇〇〇円未満
第三一級
一六〇、〇〇〇円
五、三三〇円
一五五、〇〇〇円以上
一六五、〇〇〇円未満
第三二級
一七〇、〇〇〇円
五、六七〇円
一六五、〇〇〇円以上
一七五、〇〇〇円未満
第三三級
一八〇、〇〇〇円
六、〇〇〇円
一七五、〇〇〇円以上
一八五、〇〇〇円未満
第三四級
一九〇、〇〇〇円
六、三三〇円
一八五、〇〇〇円以上
一九五、〇〇〇円未満
第三五級
二〇〇、〇〇〇円
六、六七〇円
一九五、〇〇〇円以上
第三条の次に次の一条を加える。
第三条ノ二 前条第一項ノ規定ニ依ル標準報酬ノ区別ハ被保険者ノ受クル報酬ノ水準ニ著シキ変動アリタル場合ニ於テハ変動後ノ水準ニ即シ速ニ改定ノ措置ガ講ゼラルべキモノトス
第四十九条第一項中「金額」の下に「(其ノ額三万円ニ満タザルトキハ三万円)」を加える。
第五十条第一項中「二万円」を「六万円」に改める。
第五十九条ノ二第二項中「百分ノ五十」を「百分ノ七十」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第五十九条ノ二ノ二 療養ニ要シタル費用著シク高額ナリシトキハ其ノ療養ニ要シタル費用ニ付家族療養費ノ支給ヲ受ケタル者ニ対シ高額療養費ヲ支給ス
高額療養費ノ支給要件、支給額其ノ他高額療養費ノ支給ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十九条ノ三中「二千円」を「三万円」に改める。
第五十九条ノ四第一項中「一万円」を「六万円」に改める。
第六十七条中「被保険者又ハ被保険者タリシ者」を「保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者(当該事故ガ被保険者ノ被扶養者ニ付生ジタル場合ニ於テハ当該被扶養者ヲ含ム次項ニ於テ之ニ同ジ)」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ場合ニ於テ保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ第三者ヨリ同一ノ事由ニ付損害賠償ヲ受ケタルトキハ保険者ハ其ノ価額ノ限度ニ於テ保険給付ヲ行フ責ヲ免ル
第六十九条ノ二中「、第六十五条並ニ第六十七条」を「並ニ第六十五条」に改める。
第七十条ノ三を次のように改める。
第七十条ノ三 国庫ハ第七十条ニ規定スル費用ノ外政府ノ管掌スル健康保険事業ノ執行ニ要スル費用ノ中療養ノ給付並ニ家族療養費、高額療養費、傷病手当金及出産手当金ノ支給ニ要スル費用(療養ノ給付ニ付テハ一部負担金ニ相当スル額ヲ控除スルモノトス)ノ百分ノ十ヲ補助ス
国庫ハ前項ノ規定ニ依ルモノノ外第七十一条ノ四第四項ノ規定ニ依リ保険料率ガ変更セラレタル場合ニ於テ其ノ変更後ノ保険料率ガ千分ノ七十二ヲ超ユルトキハ其ノ超ユル保険料率千分ノ一ニ付其ノ変更セラレタル日ヨリ変更後ノ保険料率ガ更ニ変更セラルル迄ノ間ニ行ハルル療養ノ給付、其ノ期間ニ行ハルル療養ニ係ル家族療養費及高額療養費ノ支給並ニ其ノ期間ニ係ル傷病手当金及出産手当金ノ支給ニ要スル費用(療養ノ給付ニ付テハ一部負担金ニ相当スル額ヲ控除スルモノトス)ノ千分ノ八ヲ補助ス
第七十一条ノ四第一項中「千分ノ七十」を「千分ノ七十二」に改め、同条第二項中「千分ノ八十」を「千分ノ九十」に改め、同条第一項の次に次の四項を加える。
社会保険庁長官ハ保険料及国庫補助ヲ以テ保険給付費及保健施設費ニ充ツル費用ニ不足若ハ剰余ヲ生ジ又ハ生ズルコト明トナリタルトキハ厚生大臣ニ対シ前項ノ保険料率ノ変更ニ付申出ヲ為スコトヲ得
前項ノ申出ニシテ保険料率ノ引上ニ係ルモノハ保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ヲ伴フ場合ニ限リ之ヲ為スコトヲ得
厚生大臣ハ第二項ノ申出ヲ受ケタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ社会保険審議会ノ議ヲ経テ千分ノ六十六乃至千分ノ八十ノ範囲内ニ於テ第一項ノ保険料率ヲ変更スルコトヲ得
政府ハ厚生大臣ガ前項ノ規定ニ依リ保険料率ヲ変更シタルトキハ速ニ其ノ旨ヲ国会ニ報告スべシ
第七十五条ノ二中「千分ノ三十五」を「千分ノ四十」に改める。
(船員保険法の一部改正)
第二条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十七条ノ三」を「第二十七条ノ四」に、「第三十一条ノ二」を「第三十一条ノ三」に改める。
第一条第二項第一号中「及子」を「、子、孫及弟妹」に改める。
第四条第一項の表中
第三四級
一五〇、〇〇〇円
五、〇〇〇円
一四六、〇〇〇円以上
第三四級
一五〇、〇〇〇円
五、〇〇〇円
一四六、〇〇〇円以上 一五五、〇〇〇円未満
第三五級
一六〇、〇〇〇円
五、三三〇円
一五五、〇〇〇円以上 一六五、〇〇〇円未満
第三六級
一七〇、〇〇〇円
五、六七〇円
一六五、〇〇〇円以上 一七五、〇〇〇円未満
第三七級
一八〇、〇〇〇円
六、〇〇〇円
一七五、〇〇〇円以上 一八五、〇〇〇円未満
第三八級
一九〇、〇〇〇円
六、三三〇円
一八五、〇〇〇円以上 一九五、〇〇〇円未満
第三九級
二〇〇、〇〇〇円
六、六七〇円
一九五、〇〇〇円以上
に改める。
第四条ノ二の次に次の一条を加える。
第四条ノ三 第四条第一項ノ規定ニ依ル標準報酬ノ区分ハ被保険者ノ受クル報酬ノ水準ニ著シキ変動アリタル場合ニ於テハ変動後ノ水準ニ即シ速ニ改定ノ措置ガ講ゼラルべキモノトス
第五条第一項中「家族療養費」の下に「、高額療養費」を加え、「又ハ家族葬祭料」を「、家族葬祭料又ハ第二十七条ノ四ノ規定ニ依ル給付」に改める。
第二十五条中「保険給付ヲ受クべキ者」を「保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者(当該事故ガ被保険者ノ被扶養者ニ付生ジタル場合ニ於テハ当該被扶養者ヲ含ム次項ニ於テ之ニ同ジ)」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ場合ニ於テ保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ第三者ヨリ同一ノ事由ニ付損害賠償ヲ受ケタルトキハ政府ハ其ノ価額ノ限度ニ於テ保険給付ヲ行フ責ヲ免ル
第三章第一節中第二十七条ノ三の次に次の一条を加える。
第二十七条ノ四 政府ハ政令ノ定ムル所ニ依リ本章第二節及第三節並ニ第五十条ノ九及第五十条ノ十ニ規定スル保険給付ニ併セテ保険給付トシテ其ノ他ノ給付ヲ為スコトヲ得
第三十一条ノ二第三項中「百分ノ五十」を「百分ノ七十」に改める。
第三章第二節に次の一条を加える。
第三十一条ノ三 療養ニ要シタル費用著シク高額ナリシトキハ其ノ療養ニ要シタル費用ニ付家族療養費ノ支給ヲ受ケタル者ニ対シ高額療養費ヲ支給ス
高額療養費ノ支給要件、支給額其ノ他高額療養費ノ支給ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十二条第一項中「二万円」を「六万円」に改める。
第三十三条第一項中「一万円」を「六万円」に改める。
第五十条ノ九第一項中「金額」の下に「(其ノ額三万円ニ満タザルトキハ三万円)」を加える。
第五十条ノ十中「標準報酬月額ノ一月分ニ相当スル金額」を「前条第一項ノ規定ニ依ル葬祭料ノ金額ノ百分ノ七十ニ相当スル金額(其ノ額三万円ニ満タザルトキハ三万円)」に改める。
第五十六条ノ二中「第二十五条、」を削る。
第五十八条第一項中「家族療養費」の下に「、高額療養費」を加え、「及家族葬祭料」を「、家族葬祭料及第二十七条ノ四ノ規定ニ依ル給付」に改める。
第五十九条第六項中「前項」を「第五項」に改め、同条第五項の次に次の四項を加える。
社会保険庁長官ハ療養ノ給付、療養費、家族療養費、高額療養費、傷病手当金、分娩費、出産手当金、育児手当金、配偶者分娩費、葬祭料、家族葬祭料及第二十七条ノ四ノ規定ニ依ル給付ニ要スル費用ノ額ガ保険料ノ額ノ中命令ヲ以テ定ムル額及国庫補助ノ額ノ合算額ヲ超エ若ハ之ニ満タザルトキ又ハ其ノ合算額ヲ超エ若ハ之ニ満タザルコト明トナリタルトキハ厚生大臣ニ対シ前項第一号又ハ第二号ノ保険料率ノ変更ニ付申出ヲ為スコトヲ得
前項ノ申出ニシテ保険料率ノ引上ニ係ルモノハ同項ノ保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ヲ伴フ場合ニ限リ之ヲ為スコトヲ得
厚生大臣ハ第六項ノ申出ヲ受ケタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ社会保険審議会ノ議ヲ経テ第五項第一号又ハ第二号ニ掲グル率ニ千分ノ七ヲ増減シタル率ノ範囲内ニ於テ同項第一号又ハ第二号ノ保険料率ヲ変更スルコトヲ得
政府ハ厚生大臣ガ前項ノ規定ニ依リ保険料率ヲ変更シタルトキハ速ニ其ノ旨ヲ国会ニ報告スベシ
第六十条第一項第一号中「千分ノ七十四・五」の下に「(第五十九条第八項ノ規定ニ依リ保険料率ガ変更セラレタルトキハ当該変更ニ依リ増減シタル率ノ二分ノ一ニ相当スル率ヲ増減シタル率)」を加え、同項第二号中「千分ノ六十九」の下に「(第五十九条第八項ノ規定ニ依リ保険料率ガ変更セラレタルトキハ当該変更ニ依リ増減シタル率ノ二分ノ一ニ相当スル率ヲ増減シタル率)」を加える。
(国民健康保険法の一部改正)
第三条 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五十七条」を「第五十七条の二」に改める。
第四章第一節中第五十七条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第五十七条の二 保険者は、被保険者の療養に要した費用が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額療養費を支給する。ただし、当該療養について療養の給付若しくは療養費の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたときは、この限りでない。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、政令で定める。
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第四条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
第十八条ノ七の次に次の二条を加える。
第十八条ノ八 健康勘定ノ負担ニ於テ為ス借入金ニ付テハ昭和四十九年度以降ニ於テハ当分ノ間第十条ノ規定ニ拘ラズ次項乃至第五項ノ定ムル所ニ依ル
政府ハ健康勘定ノ昭和四十八年度末ニ於ケル借入金ニ係ル債務ヲ弁済スルタメ必要アルトキハ同勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得
前項ニ定ムルモノノ外政府ハ健康保険法(大正十一年法律第七十号)第七十一条ノ四第四項ノ規定ニ依ル保険料率ノ引上ニ拘ラズ引上ゲラレタル年度ニ於ケル健康勘定ノ歳計ニ不足ヲ生ズル虞アル場合ニ於テ一年内ニ保険料ヲ以テ其ノ償還ヲ為シ得ルコト明ナルトキハ当該不足スル金額ヲ限リ同勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得
前二項ニ定ムルモノノ外政府ハ健康保険法第七十一条ノ四第三項ノ保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ノ行ハレザル年度ニ於テ健康勘定ノ歳計ニ不足ヲ生ズル虞アルトキハ当該不足スル金額ヲ限リ同勘定ノ負担ニ於テ一年内に償還スべキ借入金ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入ルル借入金ノ借換ノタメ政府ハ一年内ニ償還スべキ借入金ヲ為スコトヲ得其ノ借換ニ付亦同ジ
第十八条ノ九 政府ハ昭和四十八年度以前ニ健康勘定ニ於テ生ジタル損失ノ額トシテ政令ヲ以テ定ムルモノニ対応スル借入金ノ償還及当該借入金ニ係ル経費トシテ政令ヲ以テ定ムルモノノ支払ノ財源ニ充ツルタメ当分ノ間一般会計ヨリ予算ニ定ムル金額ヲ限リ同勘定ニ繰入ルルコトヲ得
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十八年十月一日から施行する。ただし、第三条の規定は、昭和五十年十月一日から施行する。
(健康保険法及び船員保険法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 昭和四十八年十月一日前に健康保険の被保険者の資格を取得して、同日まで引き続き被保険者の資格を有する者(健康保険法第二十条の規定による被保険者の資格を有する者を除く。)のうち、同年七月一日から同年九月三十日までの間に被保険者の資格を取得した者又は同法第三条第四項の規定により同年八月若しくは同年九月から標準報酬が改定された者であつて、同年同月の標準報酬月額が一万八千円以下であるもの又は十万四千円であるもの(報酬月額が十万七千円未満であるものを除く。)の標準報酬は、当該標準報酬月額の基礎となつた報酬月額をこの法律による改正後の健康保険法第三条第一項の規定による標準報酬の基礎となる報酬月額とみなして、保険者が改定する。
2 前項の規定により改定された標準報酬は、昭和四十八年十月一日から昭和四十九年九月三十日までの標準報酬とする。
3 この法律による改正後の健康保険法第六十七条又はこの法律による改正後の船員保険法第二十五条の規定は、第三者の行為により昭和四十八年十月一日以後に保険事故が生じた場合について適用し、同日前に保険事故が生じた場合については、なお従前の例による。
4 この法律による改正後の健康保険法第七十条ノ三第一項の規定は、昭和四十八年十月一日前に行なわれた療養の給付、同日前に行なわれた療養に係る家族療養費の支給並びに同日前の期間に係る傷病手当金及び出産手当金の支給に要する費用については、適用しない。
5 この法律による改正後の健康保険法第七十一条ノ四第二項の規定による保険料率の変更についての申出は、昭和四十九年度以降の年度に係る保険料及び国庫補助をもつて当該年度に係る保険給付費、保健施設費その他政令で定める経費にあてる費用に不足若しくは剰余を生じ又は生ずることが明らかとなつたときに限り、行なうことができる。
(国家公務員共済組合法の一部改正)
第三条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
第五十一条第二号の次に次の一号を加える。
二の二 高額療養費
第五十七条第二項及び第六項中「百分の五十」を「百分の七十」に改める。
第六十条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第六十条の二 療養に要した費用が著しく高額であるときは、その療養に要した費用につき家族療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第六十一条第一項ただし書中「二万円」を「六万円」に改め、同条第三項中「俸給の半月分」を「第一項本文の規定による出産費の金額の百分の七十」に、「一万円」を「六万円」に改める。
第六十三条第一項ただし書中「六千円」を「三万円」に改め、同条第三項中「百分の五十」を「百分の七十」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、その金額が三万円に満たない場合には、三万円とする。
第七十条中「俸給の半月分」を「当該金額の百分の七十」に改める。
第百二十条第一項中「第五十九条まで」の下に「及び第六十条の二」を加え、「、第三十一条及び第三十一条ノ二」を「及び第三十一条から第三十一条ノ三まで」に改める。
(公共企業体職員等共済組合法の一部改正)
第四条 公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。
第三十一条第二号の次に次の一号を加える。
二の二 高額療養費
第三十四条中「半額」を「十分の七に相当する金額」に改める。
第三十六条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第三十六条の二 療養に要した費用が著しく高額であるときは、その療養に要した費用につき家族療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第三十七条第一項ただし書中「二万円」を「六万円」に改め、同条第三項中「俸給の半月分」を「第一項本文の規定による出産費の金額の十分の七」に、「一万円」を「六万円」に改める。
第三十九条第一項ただし書を削り、同条第三項中「二分の一」を「十分の七」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、その金額が三万円に満たないときは、三万円とする。
第四十二条中「俸給の半月分」を「当該金額の十分の七」に改める。
(地方公務員等共済組合法の一部改正)
第五条 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。
第五十三条第二号の次に次の一号を加える。
二の二 高額療養費
第五十九条第二項及び第六項中「百分の五十」を「百分の七十」に改める。
第六十二条の次に次の一条を加える。
(高額療養費)
第六十二条の二 療養に要した費用が著しく高額であるときは、その療養に要した費用につき家族療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。
2 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関し必要な事項は、政令で定める。
第六十三条第一項ただし書中「二万円」を「六万円」に改め、同条第三項中「給料の半月分」を「第一項本文の規定による出産費の金額の百分の七十」に、「一万円」を「六万円」に改める。
第六十五条第一項ただし書中「六千円」を「三万円」に改め、同条第三項中「百分の五十」を「百分の七十」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、その金額が三万円に満たない場合には、三万円とする。
第七十二条中「給料の半月分」を「当該金額の百分の七十」に改める。
第百三十六条第一項中「第六十一条まで」の下に「及び第六十二条の二」を加え、「、第三十一条及び第三十一条ノ二」を「及び第三十一条から第三十一条ノ三まで」に改める。
(私立学校教職員共済組合法の一部改正)
第六条 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の一部を次のように改正する。
第二十五条の表第六十一条第一項及び第三項の項中「及び第三項」を削る。
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 小坂善太郎
厚生大臣 斎藤邦吉
内閣総理大臣 田中角栄