(趣旨)
第一条 この法律は、一般職の職員について、専門的な知識経験又は優れた識見を有する者の任期を定めた採用及び任期を定めて採用された職員の給与の特例に関する事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「職員」とは、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員(法律により任期を定めて任用することとされている官職を占める職員及び常時勤務を要しない官職を占める職員を除く。)をいう。
2 この法律において「任命権者」とは、国家公務員法第五十五条第一項に規定する任命権者及び法律で別に定められた任命権者並びにその委任を受けた者をいう。
3 この法律において「各庁の長」とは、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号。以下「給与法」という。)第七条に規定する各庁の長及びその委任を受けた者をいう。
(任期を定めた採用)
第三条 任命権者は、高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合には、人事院の承認を得て、選考により、任期を定めて職員を採用することができる。
2 任命権者は、前項の規定によるほか、専門的な知識経験を有する者を当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させる場合において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときであって、当該者を当該業務に期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるときは、人事院の承認を得て、選考により、任期を定めて職員を採用することができる。
一 当該専門的な知識経験を有する職員の育成に相当の期間を要するため、当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させることが適任と認められる職員を部内で確保することが一定の期間困難である場合
二 当該専門的な知識経験が急速に進歩する技術に係るものであることその他当該専門的な知識経験の性質上、当該専門的な知識経験が必要とされる業務に当該者が有する当該専門的な知識経験を有効に活用することができる期間が一定の期間に限られる場合
三 前二号に掲げる場合に準ずる場合として人事院規則で定める場合
(任期)
第四条 前条各項の規定により採用される職員の任期は、五年を超えない範囲内で任命権者が定める。
2 任命権者は、前項の規定により任期を定めて職員を採用する場合には、当該職員にその任期を明示しなければならない。
第五条 任命権者は、第三条各項の規定により任期を定めて採用された職員(以下「任期付職員」という。)の任期が五年に満たない場合にあっては、人事院の承認を得て、採用した日から五年を超えない範囲内において、その任期を更新することができる。
2 前条第二項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。
(任用の制限)
第六条 任命権者は、任期付職員が採用時に占めていた官職においてその有する高度の専門的な知識経験又は優れた識見を活用して従事していた業務と同一の業務を行うことをその職務の主たる内容とする他の官職に任用する場合その他任期付職員を任期を定めて採用した趣旨に反しない場合に限り、人事院の承認を得て、任期付職員を、その任期中、他の官職に任用することができる。
(給与に関する特例)
第七条 第三条第一項の規定により任期を定めて採用された職員(以下「特定任期付職員」という。)には、次の俸給表を適用する。
号俸 |
俸給月額 |
|
円 |
1 |
418,000 |
2 |
472,000 |
3 |
531,000 |
4 |
605,000 |
5 |
691,000 |
6 |
807,000 |
7 |
943,000 |
2 各庁の長は、特定任期付職員の号俸を、特定任期付職員が従事する業務に応じて人事院規則で定める基準に従い決定する。
3 各庁の長は、特定任期付職員について、特別の事情により第一項の俸給表に掲げる号俸により難いときは、前二項の規定にかかわらず、人事院の承認を得て、その俸給月額を同表に掲げる七号俸の俸給月額にその額と同表に掲げる六号俸の俸給月額との差額に一からの各整数を順次乗じて得られる額を加えた額のいずれかに相当する額(給与法の指定職俸給表十二号俸の額未満の額に限る。)又は給与法の指定職俸給表十二号俸の額に相当する額とすることができる。
4 各庁の長は、特定任期付職員のうち、特に顕著な業績を挙げたと認められる職員には、人事院規則の定めるところにより、その俸給月額に相当する額を特定任期付職員業績手当として支給することができる。
5 第二項の規定による号俸の決定、第三項の規定による俸給月額の決定及び前項の規定による特定任期付職員業績手当の支給は、予算の範囲内で行わなければならない。
(給与法の適用除外等)
第八条 給与法第六条、第八条、第十条から第十一条の二まで、第十一条の九、第十九条の七及び第十九条の九の規定は、特定任期付職員には、適用しない。
2 特定任期付職員に対する給与法第三条第一項、第七条、第十一条の四、第十一条の八第一項及び第二項、第十九条の三第一項、第二十条並びに第二十一条第一項の規定の適用については、給与法第三条第一項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律(以下「任期付職員法」という。)第七条の規定」と、給与法第七条中「この法律」とあるのは「この法律及び任期付職員法第七条の規定」と、給与法第十一条の四中「指定職俸給表」とあるのは「指定職俸給表又は任期付職員法第七条第一項の俸給表」と、「同条」とあるのは「前条」と、給与法第十一条の八第一項及び第二項中「指定職俸給表」とあるのは「指定職俸給表又は任期付職員法第七条第一項の俸給表」と、給与法第十九条の三第一項中「以下「特定管理職員」」とあるのは「任期付職員法第七条第一項の俸給表の適用を受ける職員を含む。以下「特定管理職員」」と、給与法第二十条中「第六条」とあるのは「任期付職員法第七条」と、給与法第二十一条第一項中「この法律」とあるのは「この法律及び任期付職員法第七条」とする。
(特定任期付職員に対する在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の規定の適用)
第九条 特定任期付職員に対する在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年法律第九十三号)第二条第一項及び第三項、第三条並びに第四条第一項の規定の適用については、同法第二条第一項中「期末特別手当」とあるのは「期末特別手当、特定任期付職員業績手当」と、同条第三項中「及び期末特別手当」とあるのは「、期末特別手当及び特定任期付職員業績手当」と、「除く。)」とあるのは「除く。)及び一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律」と、同法第三条及び第四条第一項中「及び期末特別手当」とあるのは「、期末特別手当及び特定任期付職員業績手当」とする。
(人事院規則への委任)
第十条 この法律の実施に関し必要な事項は、人事院規則で定める。
(人事院の勧告等)
第十一条 人事院は、この法律に定める事項に関して調査研究を行い、その結果を国会及び内閣に同時に報告するとともに、必要に応じ、適当と認める改定を勧告することができる。