第一條 健康保險事業、厚生年金保險事業及船員保險事業ヲ經營スル爲通ジテ一ノ特別會計ヲ設置シ其ノ歲入ヲ以テ其ノ歲出ニ充ツ
朝鮮、臺灣及關東州ニ於ケル船員保險事業ノ歲入歲出竝ニ朝鮮、臺灣及關東州ニ於テ爲サルル當該地域以外ノ地域ニ於ケル船員保險事業ノ歲入歲出ハ前項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ夫々朝鮮總督府、臺灣總督府及關東局ノ各特別會計ニ所屬セシムルコトヲ得
第二條 本會計ハ之ヲ健康勘定、年金勘定、船員勘定及業務勘定ニ區分ス
第三條 健康勘定ニ於テハ健康保險事業經營上ノ保險料、積立金ヨリ生ズル收入、借入金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同事業經營上ノ保險給付費、借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子其ノ他ノ諸費竝ニ同事業ノ業務取扱ニ關スル諸費、療養所費、保健施設費又ハ營繕費ニ充ツル爲ノ業務勘定ヘノ繰入金及保健施設ニ關スル經費ニ充ツル爲ノ一般會計ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歲出トス
第四條 年金勘定ニ於テハ厚生年金保險事業經營上ノ保險料、一般會計ヨリノ受入金、積立金ヨリ生ズル收入及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同事業經營上ノ保險給付費其ノ他ノ諸費竝ニ同事業ノ福祉施設費又ハ營繕費ニ充ツル爲ノ業務勘定ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歲出トス
第五條 船員勘定ニ於テハ船員保險事業經營上ノ保險料、一般會計ヨリノ受入金、朝鮮總督府、臺灣總督府及關東局ノ各特別會計ヨリノ受入金、積立金ヨリ生ズル收入、借入金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同事業經營上ノ保險給付費、朝鮮總督府、臺灣總督府及關東局ノ各特別會計ヘノ繰入金、借入金ノ償還金及利子其ノ他ノ諸費竝ニ同事業ノ療養所費、福祉施設費又ハ營繕費ニ充ツル爲ノ業務勘定ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歲出トス
第六條 業務勘定ニ於テハ健康保險事業ノ業務取扱ニ關スル諸費、療養所費、保健施設費又ハ營繕費ニ充ツル爲ノ健康勘定ヨリノ受入金、厚生年金保險事業ノ福祉施設費又ハ營繕費ニ充ツル爲ノ年金勘定ヨリノ受入金、船員保險事業ノ療養所費、福祉施設費又ハ營繕費ニ充ツル爲ノ船員勘定ヨリノ受入金、健康保險事業、厚生年金保險事業及船員保險事業ノ業務取扱ニ關スル諸費ニ充ツル爲ノ一般會計ヨリノ受入金竝ニ此等ノ事業ノ業務取扱ニ關シ生ズル收入ヲ以テ其ノ歲入トシ此等ノ事業ノ業務取扱ニ關スル諸費、健康保險事業ノ療養所費、保健施設費及營繕費、厚生年金保險事業ノ福祉施設費及營繕費竝ニ船員保險事業ノ療養所費、福祉施設費及營繕費ヲ以テ其ノ歲出トス
第七條 健康勘定ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジタルトキハ同勘定ノ積立金トシテ之ヲ積立ツベシ
健康勘定ノ歲計ニ不足アルトキハ同勘定ノ積立金ヨリ之ヲ補足スベシ
第八條 年金勘定又ハ船員勘定ニ於テ決算上生ズル過剩ハ當該勘定ノ積立金トシテ之ヲ積立ツベシ
年金勘定又ハ船員勘定ノ歲計ニ不足アルトキハ當該勘定ノ積立金ヨリ之ヲ補足スベシ
第九條 業務勘定ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ健康勘定、年金勘定及船員勘定ノ積立金ニ組入ルベシ
業務勘定ニ於テ決算上不足ヲ生ジタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ健康勘定、年金勘定及船員勘定ノ積立金ヨリ補足スベシ
第十條 健康勘定ニ屬スル經費ヲ支辨スル爲必要アルトキハ政府ハ同勘定ノ負擔ニ於テ借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入金ヲ爲スコトヲ得ル金額ハ保險料ヲ以テ保險給付費竝ニ療養所費又ハ保健施設費ニ充ツル爲ノ業務勘定ヘノ繰入金及保健施設ニ關スル經費ニ充ツル爲ノ一般會計ヘノ繰入金ヲ支辨スルニ不足スル金額ヲ限度トス
第十一條 船員勘定ニ於テ保險給付費竝ニ朝鮮總督府、臺灣總督府及關東局ノ各特別會計ヘノ繰入金ヲ支辨スル爲必要アルトキハ政府ハ同勘定ノ負擔ニ於テ借入金ヲ爲スコトヲ得
第十二條 各勘定ニ於テ支拂上現金ニ餘裕アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ルベシ
健康勘定ニ於テ支拂上現金ニ不足アルトキハ同勘定ノ負擔ニ於テ一時借入金ヲ爲シ又ハ國庫餘裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替金ハ當該年度內ニ之ヲ返還スベシ
第十三條 健康勘定、年金勘定及船員勘定ノ各積立金ハ國債ヲ以テ保有シ又ハ大藏省預金部ニ預入レ之ヲ運用スルコトヲ得
第十四條 政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第十五條 本會計ノ收入支出ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム