法人税法
法令番号: 法律第二十八号
公布年月日: 昭和22年3月31日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議会の協賛を経た法人税法を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
大藏大臣 石橋湛山
法律第二十八号
法人税法目次
第一章
総則
第二章
課税標準
第三章
税率
第四章
申告
第五章
納付
第六章
課税標準の更正及び決定
第七章
同族会社に関する課税の特例
第八章
審査、訴願及び訴訟
第九章
雜則
第十章
罰則
法人税法
第一章 総則
第一條 左に掲げる法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。
一 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人
二 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資產又は事業を有するもの
第二條 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人に対しては、その所得及び資本の全部について法人税を課し、この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資產又は事業を有するものに対しては、この法律の施行地にある資產又は事業の所得及びこれに関する資本についてのみ法人税を課する。
第三條 法人が合併した場合においては、合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人は、合併に因り消滅した法人の所得及び資本について法人税を納める義務がある。
第四條 法人税は、都道府縣、市町村その他命令で定める公共團体及び民法第三十四條の規定により設立した法人には、これを課さない。
第五條 第九條の規定により計算した各事業年度(清算中の事業年度を除く。以下同じ。)の普通所得金額(第六條の規定により法人税を免除する場合における当該業務より生ずる所得金額を含む。以下本條において同じ。)のない法人の当該事業年度の資本に対する法人税は、これを免除する。第十七條及び第四十一條の規定により算出した各事業年度の資本に対する法人税額が、その事業年度の普通所得金額からその事業年度の普通所得及び超過所得に対する法人税額を控除した残額を超過するときは、その超過額に相当する各事業年度の資本に対する法人税についても、また同樣とする。
第六條 命令で指定する重要物產の製造、採掘又は採取をなす法人には、命令の定めるところにより、製造、採掘又は採取の事業を開始した事業年度及びその翌事業年度開始の日から三年以内に終了する事業年度において、その業務から生じた各事業年度の普通所得に対する法人税を免除する。
前項の重要物產の製造、採掘又は採取をなす法人が、その設備を増設したときは、命令の定めるところにより、当該事業年度及びその翌事業年度開始の日から三年以内に終了する事業年度において、その増設した設備による物產の製造、採掘又は採取の業務から生じた各事業年度の普通所得に対する法人税を免除する。
第七條 この法律において事業年度とは、法令又は定款に定める事業年度をいう。
法人が事業年度の中途において解散し又は合併に因り消滅した場合においては、この法律の適用については、その事業年度開始の日から解散又は合併の日までの期間を一事業年度とみなす。
第二章 課税標準
第八條 法人税は、左に掲げる所得及び資本について、これを課する。
一 各事業年度の普通所得
二 各事業年度の超過所得
三 清算所得
四 各事業年度の資本
第九條 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人の各事業年度の普通所得は、各事業年度の総益金から総損金を控除した金額による。
法人が各事業年度において、納付した又は納付すべき法人税又は罰金若しくは科料(通告処分による罰金又は科料に相当する金額を含む。)は、前項の普通所得の計算上、これを損金に算入しない。
法人が各事業年度においてなした寄附金のうち、命令の定めるところにより計算した金額を超える部分の金額は、第一項の普通所得の計算上、これを損金に算入しない。但し、命令で定める寄附金については、命令の定めるところにより、これを損金に算入する。
法人の各事業年度開始の日前一年以内に開始した事業年度において生じた損金は、第一項の普通所得の計算上、これを損金に算入する。
前三項に規定するものの外、第一項の普通所得の計算に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第十條 法人が各事業年度において、所得税法第十八條の規定により納付した所得税額は、命令の定めるところにより、当該事業年度の普通所得及び超過所得に対する法人税額から、これを控除する。
前項の場合において控除すべき所得税法第十八條の規定により納付した所得税額は、法人の各事業年度の普通所得の計算上、これを損金に算入しない。
前二項の規定は、清算所得に対する法人税について、これを準用する。
第十一條 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資產又は事業を有するものの各事業年度の普通所得は、この法律の施行地にある資產又は事業について、第九條の規定に準じて計算した金額による。
第十二條 所得税法第四條及び第七條の規定は、法人税を課する場合について、これを準用する。
信託会社の各事業年度の普通所得の計算については、合同運用信託に因る收入及び支出は、その総益金及び総損金から、各ゝこれを控除する。
第十三條 法人の各事業年度の超過所得は、各事業年度の普通所得が各事業年度の資本の金額に対し百分の十を乘じて算出した金額を超過する場合におけるその超過額による。
前項の超過所得の計算の基礎となる各事業年度の普通所得は、第九條第三項但書の規定を適用しないで計算した金額による。
第十四條 法人の清算所得は、左に掲げる金額による。
一 法人が解散した場合において、その残余財產の價額が解散当時の拂込株式金額又は出資金額を超過する場合のその超過額
二 法人が合併した場合において、合併後存続する法人若しくは合併に因り設立した法人が合併に因り消滅した法人の株主又は社員に対し交付する株式の拂込済金額又は出資金額及び金銭の総額が、合併に因り消滅した法人の合併当時の拂込株式金額又は出資金額を超過する場合のその超過額
法人が解散した場合において清算中になした寄附金で、命令で定めるものの價額は、これを残餘財產の價額から控除する。
第九條第五項の規定は、第一項の清算所得の計算について、これを準用する。
第十五條 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人の各事業年度の資本は、各事業年度の各月末における拂込株式金額、出資金額、基金又は醵金の月割平均額及び各事業年度開始の時における積立金額の合計金額に当該事業年度の月数を乘じたものを十二分して計算した金額による。
宗教法人又は法人たる労働組合の各事業年度の資本は、收益を目的とする資產又は事業について前項の規定に準じ、命令の定めるところにより計算した金額による。
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資產又は事業を有するものの各事業年度の資本は、この法律の施行地にある資產又は事業について第一項の規定に準じ、命令の定めるところにより計算した金額による。
法人が合併した場合における各事業年度の資本の計算に関しては、前三項の規定にかかわらず、命令で別段の定をなすことができる。
第十六條 この法律において積立金額とは、積立金その他法人の各事業年度の普通所得のうち、その留保した金額をいう。
法人税として納付すべき金額は、前項の留保した金額には、これを算入しない。
第三章 税率
第十七條 法人税は、左の税率により、これを課する。
一 各事業年度の普通所得
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人 所得金額の百分の三十五
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資產又は事業を有するもの 所得金額の百分の四十五
二 各事業年度の超過所得
各事業年度の超過所得金額を左の各級に区分し、逓次に各税率を適用する。
各事業年度の普通所得のうち、当該事業年度の資本の金額に対し百分の十を乘じて算出した金額を超える金額 百分の十
同百分の二十を乘じて算出した金額を超える金額 百分の二十
同百分の三十を乘じて算出した金額を超える金額 百分の三十
各事業年度の資本の金額が年十万円以下である法人に限り、本号に規定する税率百分の十は、これを百分の五とし、同百分の二十は、これを百分の十五とし、同百分の三十は、これを百分の二十五とする。
三 清算所得
清算所得金額を次のように区分し、各税率を適用する。
積立金又はこの法律若しくは他の法令により法人税を課せられない所得から成る金額 百分の二十
その他の金額 百分の四十五
四 各事業年度の資本 資本金額の千分の五
第四章 申告
第十八條 納税義務がある法人は、第二十一條の規定に該当する場合を除く外、各事業年度終了の日から二箇月以内に、その確定した決算に基き当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
前項の規定による申告書には、命令の定めるところにより、財產目録、貸借対照表、損益計算書、第六條、第九條、第十一條乃至第十三條及び第十五條の規定により計算した各事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額の計算に関する明細書並びに当該所得及び資本に対する法人税の税額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資產又は事業を有するものは、前項の書類の外、この法律の施行地における資產又は事業に関する損益を計算した各事業年度の普通所得金額及び超過所得金額の計算に関する明細書並びにこの法律の施行地における資產又は事業についての資本金額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
宗教法人又は法人たる労働組合は、前二項の規定に準じ、收益を目的とする資產又は事業の各事業年度の普通所得金額及び超過所得金額の計算に関する明細書並びに当該資產又は事業についての資本金額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
第一項乃至前項の規定は、法人に法人税を課すべき各事業年度の普通所得、超過所得又は資本のない場合について、これを準用する。
第十九條 納税義務がある法人が、前條第一項の場合において、同項の申告期限までに決算が確定していないときは、同項の規定による申告書の提出に代え、同項の申告期限までに、当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を概算し、その概算による当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
前項の申告書には、命令の定めるところにより、その概算による当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額の計算に関する明細書、法人税の税額の計算に関する明細書その他必要な書類を添附しなければならない。
前條第五項の規定は、第一項の申告書の提出について、これを準用する。
第二十條 前條第一項の規定により概算申告書を提出した法人は、当該事業年度の決算が確定したときは、決算確定の日から二十日以内にその確定した決算に基き当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
第十八條第二項乃至第五項の規定は、前項の申告書の提出について、これを準用する。
第二十一條 納税義務がある法人について、法令又は定款に定めた事業年度(以下法定事業年度という。)が六箇月を超える場合においては、この法律の適用については、法定事業年度開始の日から六箇月間を一事業年度とみなす。この場合においては、当該法人は、当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を計算し、当該期間の終了の日から二箇月以内に、当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
第十九條第二項及び第三項の規定は、前項の申告書の提出について、これを準用する。
前二項の規定は、宗教法人及び法人たる労働組合については、これを適用しない。
第二十二條 納税義務がある法人は、前條第一項の規定に該当する場合においては、法定事業年度終了の日から二箇月以内に、その確定した決算に基き当該法定事業年度(前條第一項の規定により一事業年度とみなされた期間を含む。)の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
第十八條第二項、第三項及び第五項の規定は、前項の申告書の提出について、これを準用する。
第十九條及び第二十條の規定は、第一項に規定する申告期限までに当該法定事業年度の決算が確定していない場合について、これを準用する。
第二十三條 解散した法人は、残余財產のうち拂込株式金額又は出資金額を超過する部分を分配しようとするときは、命令の定めるところにより、命令で定める期限までに、清算所得金額を記載した申告書を、政府に提出しなければならない。
前項の申告書には、命令の定めるところにより、解散の時における財產目録及び貸借対照表、残余財產分配の時における財產目録及び貸借対照表その他清算に関する計算書並びに当該清算所得に対する法人税の税額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
第二十四條 合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人は、合併の日から二箇月以内に、合併に因り消滅した法人の清算所得金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
前項の申告書には、合併に因り消滅した法人の合併の時における貸借対照表その他合併に関する書類及び合併に因り継承した資產の明細書を添附しなければならない。
第二十五條 第十八條乃至前條の規定により政府に申告書を提出した法人又は第十八條乃至前條の申告期限後に申告書を提出した法人は、申告書に記載した各事業年度の普通所得金額、超過所得金額若しくは資本金額又は清算所得金額について脱漏があることを発見したときは、直ちに政府に申し出て、その申告書を修正しなければならない。
前項の申告書の修正をなす場合においては、修正に関する明細書を政府に提出しなければならない。
第五章 納付
第二十六條 左の各号に掲げる法人税は、命令の定めるところにより、当該各号に定める期限内に、これを納付しなければならない。
一 第十八條第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、同項の申告期限
二 第十九條第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、同項の申告期限
三 第二十條第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(前号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
四 第二十一條第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、同項の申告期限
五 第二十二條第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(前号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
六 第二十二條第三項において準用する第十九條第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(第四号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
七 第二十二條第三項において準用する第二十條第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(第四号及び前号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
八 第二十三條第一項の規定による申告書に記載された清算所得に対する法人税については、同項の命令で定める申告期限
九 第二十四條第一項の規定による申告書に記載された清算所得に対する法人税については、同項の申告期限
第十八條乃至第二十四條の申告期限後に申告書を提出した法人の各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得に対する法人税又は第二十五條第一項の規定による申告書の修正に因り増加した各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得に対する法人税については、当該申告書の提出又は修正の日に納付しなければならない。
第二十七條 法人が解散した場合において、各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得に対する法人税を納付しないで残余財產を分配したときは、その税金については、清算人及び残余財產の分配を受けた者は、連帶して納税の義務があるものとする。但し、残余財產の分配を受けた者は、その受けた利益の限度においてその責に任ずる。
第二十八條 納税義務がある法人が第二十六條第一項に定める期限内又は同條第二項に定める申告書の提出又は修正の日に法人税を完納しなかつたときは、政府は、國税徴收法第九條の規定により、これを督促する。
第六章 課税標準の更正及び決定
第二十九條 第十八條第一項、第二十條第一項、第二十二條第一項、第二十二條第三項において準用する第二十條第一項、第二十三條第一項又は第二十四條第一項の規定による申告書が提出された場合又はこれらの申告書について第二十五條第一項の規定による修正があつた場合において、申告又は修正に係る課税標準(各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得をいう。以下同じ。)が政府において調査した課税標準と異なるときは、政府は、その調査により、課税標準を更正する。
第十九條第一項、第二十一條第一項又は第二十二條第三項において準用する第十九條第一項の規定による申告書が提出された場合又はこれらの申告書について第二十五條第一項の規定による申告書の修正があつた場合において申告又は修正に係る課税標準が政府において調査した課税標準と異なるときは、政府は、その調査により、課税標準を更正することができる。
第三十條 政府は、納税義務があると認める法人が申告書を提出しなかつた場合又は法人税を課すべき所得又は資本がない旨の申告書を提出した場合においては、政府の調査により、課税標準を決定する。
第三十一條 政府は、前二條の規定による課税標準の更正又は決定後、更正又は決定した課税標準について、脱漏があることを発見したときは、政府の調査により、課税標準を更正する。
第三十二條 政府は、前三條の規定により、課税標準を更正又は決定したときは、これを納税義務がある法人に通知する。
第三十三條 第二十九條乃至第三十一條の規定により課税標準を更正又は決定した場合においては、前條の通知をなした日から一箇月後を納期限として、その追徴税額(その不足税額又は決定による税額をいう。以下同じ。)を徴收する。
第七章 同族会社に関する課税の特例
第三十四條 政府は、同族会社の行爲又は計算で法人税を免れる目的があると認められるものがある場合においては、その行爲又は計算にかかわらず、政府の認めるところにより、課税標準を計算することができる。
この法律において同族会社とは、株主又は社員の一人及びこれと親族、使用人、命令で定める出資関係のある会社等特殊の関係のある者の有する株式又は出資の金額の合計額がその会社の株式又は出資金額の二分の一以上に相当する会社をいう。
第三十五條 政府は、同族会社が各事業年度の普通所得のうちその十分の三に相当する金額を超えるものを留保した場合においては、その超過額に対し特別の率を乘じて算出した金額を当該事業年度の普通所得に対する法人税に加算することができる。
前項の特別の率は、同族会社の当該事業年度の普通所得金額を年額に換算した金額のうち十万円以下の金額に百分の三十五、十万円を超える金額に百分の四十五、二十万円を超える金額に百分の六十五、五十万円を超える金額に百分の七十、百万円を超える金額に百分の七十五を乘じて得た金額の合計金額の普通所得年額に対する率とする。
前二項の各事業年度の普通所得及び普通所得中留保した金額は、その事業年度の普通所得、超過所得及び資本に課せられる法人税額(同項の規定により加算する税額を含まない。)をその事業年度の普通所得及びその普通所得中留保した金額の双方から控除した金額による。
第一項の規定は、この法律の施行地に本店を有しない会社でこの法律の施行地に資產又は事業を有するものその他命令で定める会社には、これを適用しない。
第三十二條及び第三十三條の規定は、第一項の規定により税額を加算した場合について、これを準用する。
第八章 審査、訴願及び訴訟
第三十六條 納税義務がある法人は、第三十二條の規定により政府の通知した課税標準、前條第五項において準用する第三十二條の規定により政府の通知した加算税額又は第四十四條の規定により政府の通知した税額に対して異議があるときは、通知を受けた日から一箇月以内に不服の事由を具し、政府に審査の請求をなすことができる。
前項の請求があつた場合においても、政府は、税金の徴收を猶予しない。但し、政府において已むを得ない事由があると認めたときは、税金の徴收を猶予することができる。
第三十七條 政府は、前條第一項の請求があつたときは、これを決定し、納税義務がある法人に通知する。
前項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第三十八條 前條第一項の決定に対し不服がある法人は、訴願をなし、又は裁判所に出訴することができる。
第二十九條乃至第三十一條の規定により政府のなした更正又は決定、第三十五條第一項の規定による加算税額又は第四十三條の規定による追徴税額に関する訴願又は訴訟は、審査の決定を経た後でなければ、これをなすことができない。
第九章 雜則
第三十九條 納税義務がある法人の提出した申告書又は課税標準の更正、決定若しくは修正に関する書類を閲覽しようとする者は、命令の定めるところにより、政府に、その閲覽を請求することができる。
第四十條 納税義務があると認められる法人が申告書を提出しなかつた事実又は課税標準に脱漏があると認められる事実を、政府に報告した者がある場合において、政府がその報告に因つて課税標準を決定し又は更正したときは、政府は、命令の定めるところにより、その報告者に対し、課税標準の決定又は更正に因り、徴收することができた当該事業年度分の法人税額の百分の十以下に相当する金額を、報償金として交付することができる。但し、報償金の金額は十万円を超えることができない。
前項の規定は、その報告をなした者が官吏又は待遇官吏であるときは、これを適用しない。その報告が官吏若しくは待遇官吏の知り得た事実、公務員(官吏及び待遇官吏を除く。)の職務上知り得た事実又は不法の行爲に因り知り得た事実に基くものである場合も、また同樣とする。
第四十一條 第十七條の規定により算出した各事業年度の資本に対する法人税額が五百円に滿たないときは、これを五百円とする。
第四十二條 納税義務がある法人は、第二十六條第二項に掲げる法人税については、同項の規定により法人税を納付すべき日に、命令の定めるところにより、命令で定める期間に應じ、当該税額百円について一日三銭の割合を乘じて算出した金額に相当する税額を加算して納付しなければならない。
前項の規定は、政府が、第三十三條の規定による追徴税額を徴收する場合について、これを準用する。
第四十三條 第二十六條第二項の規定による法人税の納付があつた場合又は第三十三條の規定による追徴税額に相当する法人税を徴收することとなつた場合においては、第十八條乃至第二十二條、第二十四條の申告期限若しくは第二十三條第一項の規定により命令で定める申告期限内に申告書の提出がなかつたこと、第二十五條第一項の規定による申告書の修正があつた場合において前の申告若しくは修正に係る課税標準について誤謬があつたこと又は納税義務がある法人の申告若しくは修正した課税標準が政府の調査した課税標準と異なることについて已むを得ない事由があると認められる場合を除く外、政府は、命令の定めるところにより、命令で定める期間に應じ、当該税額に一箇月を経過するごとに百分の五の割合を乘じて算出した金額に相当する税額の法人税を追徴する。但し、この金額は、当該税額に百分の五十を乘じて算出した金額を超えることができない。
第四十四條 政府は、前條の規定により追徴する税額を決定したときは、これを納税義務がある法人に通知する。
第四十五條 收税官吏は、法人税に関する調査について必要があるときは、納税義務がある法人又は納税義務があると認められる法人に質問し又はその帳簿書類その他の物件を檢査することができる。
第四十六條 收税官吏は、法人税に関する調査について必要があるときは、納税義務がある法人又は納税義務があると認められる法人に対し、金銭の支拂若しくは物品の讓渡をなす義務があると認められる者若しくは金銭の支拂若しくは物品の讓渡を受ける権利があると認められる者に質問し又はその事業に関する帳簿書類を檢査することができる。
第四十七條 都道府縣、市町村その他の公共團体は、法人税の附加税を課することができない。
第十章 罰則
第四十八條 詐僞その他不正の行爲により法人税を免れた場合においては、法人の代表者、代理人、使用人その他の從業者でその違反行爲をなした者は、これを一年以下の懲役又はその免れた税金の三倍以下に相当する罰金若しくは科料に処する。
前項の罪を犯した者には、情状に因り、懲役及び罰金を併科することができる。
第一項の場合においては、政府は、直ちに、その課税標準を決定し、その税金を徴收する。
第四十九條 左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 第四十五條又は第四十六條の規定による帳簿書類その他の物件の檢査を拒み、妨げ又は忌避した者
二 前号の帳簿書類で虚僞の記載をなしたものを呈示した者
三 第四十五條又は第四十六條の規定による收税官吏の質問に対し答弁をなさない者
四 前号の質問に対し虚僞の答弁をなした者
第五十條 法人税の調査に関する事務に從事している者又は從事していた者が、その事務に関して知り得た祕密を漏らし又は窃用したときは、これを二年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処する。
第五十一條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又は人の業務に関して、第四十八條又は第四十九條の違反行爲をしたときは、その行爲者を罰する外、その法人又は人に対し、各本條の罰金刑を科する。
第五十二條 他人の法人税について、政府に対し、第四十條に掲げる事実に関する虚僞の報告をなした者は、これを三年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第五十三條 第四十八條第一項の罪を犯した者には、刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及び第六十六條の規定は、これを適用しない。但し、懲役刑に処するときは、この限りでない。
附 則
第一條 この法律は、昭和二十二年四月一日から、これを施行する。
第二條 この法律は、本州、北海道、四國、九州及びその附属の島(勅令で定める地域を除く。)にこれを施行する。
第三條 この法律は、法人の各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、昭和二十二年四月一日以後に終了する事業年度分から、清算所得に対する法人税については、同日以後の解散又は合併に因る分から、これを適用する。
第四條 第二十一條の規定は、法人の昭和二十二年四月一日以後に終了する事業年度で当該事業年度開始後六箇月に当る日がこの法律の施行後に到來するものについて、これを適用する。
第五條 法人の昭和二十二年三月三十一日以前に終了した各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税並びに同日以前の解散又は合併に因る清算所得に対する法人税については、なお從前の例による。但し、改正前の第二十四條第一項の規定により、所得金額、資本金額又は加算税額を決定すべき場合においては、同項の規定にかかわらず、昭和二十二年の所得税法を改正する法律による改正前の所得税法の所得審査委員会の決議によることなく、政府において、その所得金額、資本金額又は加算税額を決定する。
第六條 この法律の施行後に終了する事業年度において又はこの法律の施行後における解散に因る清算の期間中に法人の納付した從前の所得税法第十條に規定する配当利子所得に対する分類所得税は、これを所得税法第十八條に規定する所得税とみなし、第十條の規定を適用する。
第七條 日本國憲法施行の日までは、第三十七條第二項中「政令」とあるのは「勅令」、第三十八條中「裁判所」とあるのは「行政裁判所」と読み替えるものとする。
朕は、帝国議会の協賛を経た法人税法を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 石橋湛山
法律第二十八号
法人税法目次
第一章
総則
第二章
課税標準
第三章
税率
第四章
申告
第五章
納付
第六章
課税標準の更正及び決定
第七章
同族会社に関する課税の特例
第八章
審査、訴願及び訴訟
第九章
雑則
第十章
罰則
法人税法
第一章 総則
第一条 左に掲げる法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。
一 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人
二 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するもの
第二条 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人に対しては、その所得及び資本の全部について法人税を課し、この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するものに対しては、この法律の施行地にある資産又は事業の所得及びこれに関する資本についてのみ法人税を課する。
第三条 法人が合併した場合においては、合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人は、合併に因り消滅した法人の所得及び資本について法人税を納める義務がある。
第四条 法人税は、都道府県、市町村その他命令で定める公共団体及び民法第三十四条の規定により設立した法人には、これを課さない。
第五条 第九条の規定により計算した各事業年度(清算中の事業年度を除く。以下同じ。)の普通所得金額(第六条の規定により法人税を免除する場合における当該業務より生ずる所得金額を含む。以下本条において同じ。)のない法人の当該事業年度の資本に対する法人税は、これを免除する。第十七条及び第四十一条の規定により算出した各事業年度の資本に対する法人税額が、その事業年度の普通所得金額からその事業年度の普通所得及び超過所得に対する法人税額を控除した残額を超過するときは、その超過額に相当する各事業年度の資本に対する法人税についても、また同様とする。
第六条 命令で指定する重要物産の製造、採掘又は採取をなす法人には、命令の定めるところにより、製造、採掘又は採取の事業を開始した事業年度及びその翌事業年度開始の日から三年以内に終了する事業年度において、その業務から生じた各事業年度の普通所得に対する法人税を免除する。
前項の重要物産の製造、採掘又は採取をなす法人が、その設備を増設したときは、命令の定めるところにより、当該事業年度及びその翌事業年度開始の日から三年以内に終了する事業年度において、その増設した設備による物産の製造、採掘又は採取の業務から生じた各事業年度の普通所得に対する法人税を免除する。
第七条 この法律において事業年度とは、法令又は定款に定める事業年度をいう。
法人が事業年度の中途において解散し又は合併に因り消滅した場合においては、この法律の適用については、その事業年度開始の日から解散又は合併の日までの期間を一事業年度とみなす。
第二章 課税標準
第八条 法人税は、左に掲げる所得及び資本について、これを課する。
一 各事業年度の普通所得
二 各事業年度の超過所得
三 清算所得
四 各事業年度の資本
第九条 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人の各事業年度の普通所得は、各事業年度の総益金から総損金を控除した金額による。
法人が各事業年度において、納付した又は納付すべき法人税又は罰金若しくは科料(通告処分による罰金又は科料に相当する金額を含む。)は、前項の普通所得の計算上、これを損金に算入しない。
法人が各事業年度においてなした寄附金のうち、命令の定めるところにより計算した金額を超える部分の金額は、第一項の普通所得の計算上、これを損金に算入しない。但し、命令で定める寄附金については、命令の定めるところにより、これを損金に算入する。
法人の各事業年度開始の日前一年以内に開始した事業年度において生じた損金は、第一項の普通所得の計算上、これを損金に算入する。
前三項に規定するものの外、第一項の普通所得の計算に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第十条 法人が各事業年度において、所得税法第十八条の規定により納付した所得税額は、命令の定めるところにより、当該事業年度の普通所得及び超過所得に対する法人税額から、これを控除する。
前項の場合において控除すべき所得税法第十八条の規定により納付した所得税額は、法人の各事業年度の普通所得の計算上、これを損金に算入しない。
前二項の規定は、清算所得に対する法人税について、これを準用する。
第十一条 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するものの各事業年度の普通所得は、この法律の施行地にある資産又は事業について、第九条の規定に準じて計算した金額による。
第十二条 所得税法第四条及び第七条の規定は、法人税を課する場合について、これを準用する。
信託会社の各事業年度の普通所得の計算については、合同運用信託に因る収入及び支出は、その総益金及び総損金から、各ゝこれを控除する。
第十三条 法人の各事業年度の超過所得は、各事業年度の普通所得が各事業年度の資本の金額に対し百分の十を乗じて算出した金額を超過する場合におけるその超過額による。
前項の超過所得の計算の基礎となる各事業年度の普通所得は、第九条第三項但書の規定を適用しないで計算した金額による。
第十四条 法人の清算所得は、左に掲げる金額による。
一 法人が解散した場合において、その残余財産の価額が解散当時の払込株式金額又は出資金額を超過する場合のその超過額
二 法人が合併した場合において、合併後存続する法人若しくは合併に因り設立した法人が合併に因り消滅した法人の株主又は社員に対し交付する株式の払込済金額又は出資金額及び金銭の総額が、合併に因り消滅した法人の合併当時の払込株式金額又は出資金額を超過する場合のその超過額
法人が解散した場合において清算中になした寄附金で、命令で定めるものの価額は、これを残余財産の価額から控除する。
第九条第五項の規定は、第一項の清算所得の計算について、これを準用する。
第十五条 この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人の各事業年度の資本は、各事業年度の各月末における払込株式金額、出資金額、基金又は醵金の月割平均額及び各事業年度開始の時における積立金額の合計金額に当該事業年度の月数を乗じたものを十二分して計算した金額による。
宗教法人又は法人たる労働組合の各事業年度の資本は、収益を目的とする資産又は事業について前項の規定に準じ、命令の定めるところにより計算した金額による。
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するものの各事業年度の資本は、この法律の施行地にある資産又は事業について第一項の規定に準じ、命令の定めるところにより計算した金額による。
法人が合併した場合における各事業年度の資本の計算に関しては、前三項の規定にかかわらず、命令で別段の定をなすことができる。
第十六条 この法律において積立金額とは、積立金その他法人の各事業年度の普通所得のうち、その留保した金額をいう。
法人税として納付すべき金額は、前項の留保した金額には、これを算入しない。
第三章 税率
第十七条 法人税は、左の税率により、これを課する。
一 各事業年度の普通所得
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人 所得金額の百分の三十五
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するもの 所得金額の百分の四十五
二 各事業年度の超過所得
各事業年度の超過所得金額を左の各級に区分し、逓次に各税率を適用する。
各事業年度の普通所得のうち、当該事業年度の資本の金額に対し百分の十を乗じて算出した金額を超える金額 百分の十
同百分の二十を乗じて算出した金額を超える金額 百分の二十
同百分の三十を乗じて算出した金額を超える金額 百分の三十
各事業年度の資本の金額が年十万円以下である法人に限り、本号に規定する税率百分の十は、これを百分の五とし、同百分の二十は、これを百分の十五とし、同百分の三十は、これを百分の二十五とする。
三 清算所得
清算所得金額を次のように区分し、各税率を適用する。
積立金又はこの法律若しくは他の法令により法人税を課せられない所得から成る金額 百分の二十
その他の金額 百分の四十五
四 各事業年度の資本 資本金額の千分の五
第四章 申告
第十八条 納税義務がある法人は、第二十一条の規定に該当する場合を除く外、各事業年度終了の日から二箇月以内に、その確定した決算に基き当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
前項の規定による申告書には、命令の定めるところにより、財産目録、貸借対照表、損益計算書、第六条、第九条、第十一条乃至第十三条及び第十五条の規定により計算した各事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額の計算に関する明細書並びに当該所得及び資本に対する法人税の税額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するものは、前項の書類の外、この法律の施行地における資産又は事業に関する損益を計算した各事業年度の普通所得金額及び超過所得金額の計算に関する明細書並びにこの法律の施行地における資産又は事業についての資本金額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
宗教法人又は法人たる労働組合は、前二項の規定に準じ、収益を目的とする資産又は事業の各事業年度の普通所得金額及び超過所得金額の計算に関する明細書並びに当該資産又は事業についての資本金額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
第一項乃至前項の規定は、法人に法人税を課すべき各事業年度の普通所得、超過所得又は資本のない場合について、これを準用する。
第十九条 納税義務がある法人が、前条第一項の場合において、同項の申告期限までに決算が確定していないときは、同項の規定による申告書の提出に代え、同項の申告期限までに、当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を概算し、その概算による当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
前項の申告書には、命令の定めるところにより、その概算による当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額の計算に関する明細書、法人税の税額の計算に関する明細書その他必要な書類を添附しなければならない。
前条第五項の規定は、第一項の申告書の提出について、これを準用する。
第二十条 前条第一項の規定により概算申告書を提出した法人は、当該事業年度の決算が確定したときは、決算確定の日から二十日以内にその確定した決算に基き当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
第十八条第二項乃至第五項の規定は、前項の申告書の提出について、これを準用する。
第二十一条 納税義務がある法人について、法令又は定款に定めた事業年度(以下法定事業年度という。)が六箇月を超える場合においては、この法律の適用については、法定事業年度開始の日から六箇月間を一事業年度とみなす。この場合においては、当該法人は、当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を計算し、当該期間の終了の日から二箇月以内に、当該事業年度の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
第十九条第二項及び第三項の規定は、前項の申告書の提出について、これを準用する。
前二項の規定は、宗教法人及び法人たる労働組合については、これを適用しない。
第二十二条 納税義務がある法人は、前条第一項の規定に該当する場合においては、法定事業年度終了の日から二箇月以内に、その確定した決算に基き当該法定事業年度(前条第一項の規定により一事業年度とみなされた期間を含む。)の普通所得金額、超過所得金額及び資本金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
第十八条第二項、第三項及び第五項の規定は、前項の申告書の提出について、これを準用する。
第十九条及び第二十条の規定は、第一項に規定する申告期限までに当該法定事業年度の決算が確定していない場合について、これを準用する。
第二十三条 解散した法人は、残余財産のうち払込株式金額又は出資金額を超過する部分を分配しようとするときは、命令の定めるところにより、命令で定める期限までに、清算所得金額を記載した申告書を、政府に提出しなければならない。
前項の申告書には、命令の定めるところにより、解散の時における財産目録及び貸借対照表、残余財産分配の時における財産目録及び貸借対照表その他清算に関する計算書並びに当該清算所得に対する法人税の税額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
第二十四条 合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人は、合併の日から二箇月以内に、合併に因り消滅した法人の清算所得金額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。
前項の申告書には、合併に因り消滅した法人の合併の時における貸借対照表その他合併に関する書類及び合併に因り継承した資産の明細書を添附しなければならない。
第二十五条 第十八条乃至前条の規定により政府に申告書を提出した法人又は第十八条乃至前条の申告期限後に申告書を提出した法人は、申告書に記載した各事業年度の普通所得金額、超過所得金額若しくは資本金額又は清算所得金額について脱漏があることを発見したときは、直ちに政府に申し出て、その申告書を修正しなければならない。
前項の申告書の修正をなす場合においては、修正に関する明細書を政府に提出しなければならない。
第五章 納付
第二十六条 左の各号に掲げる法人税は、命令の定めるところにより、当該各号に定める期限内に、これを納付しなければならない。
一 第十八条第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、同項の申告期限
二 第十九条第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、同項の申告期限
三 第二十条第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(前号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
四 第二十一条第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、同項の申告期限
五 第二十二条第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(前号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
六 第二十二条第三項において準用する第十九条第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(第四号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
七 第二十二条第三項において準用する第二十条第一項の規定による申告書に記載された各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税(第四号及び前号の規定により納付すべき法人税を除く。)については、同項の申告期限
八 第二十三条第一項の規定による申告書に記載された清算所得に対する法人税については、同項の命令で定める申告期限
九 第二十四条第一項の規定による申告書に記載された清算所得に対する法人税については、同項の申告期限
第十八条乃至第二十四条の申告期限後に申告書を提出した法人の各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得に対する法人税又は第二十五条第一項の規定による申告書の修正に因り増加した各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得に対する法人税については、当該申告書の提出又は修正の日に納付しなければならない。
第二十七条 法人が解散した場合において、各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得に対する法人税を納付しないで残余財産を分配したときは、その税金については、清算人及び残余財産の分配を受けた者は、連帯して納税の義務があるものとする。但し、残余財産の分配を受けた者は、その受けた利益の限度においてその責に任ずる。
第二十八条 納税義務がある法人が第二十六条第一項に定める期限内又は同条第二項に定める申告書の提出又は修正の日に法人税を完納しなかつたときは、政府は、国税徴収法第九条の規定により、これを督促する。
第六章 課税標準の更正及び決定
第二十九条 第十八条第一項、第二十条第一項、第二十二条第一項、第二十二条第三項において準用する第二十条第一項、第二十三条第一項又は第二十四条第一項の規定による申告書が提出された場合又はこれらの申告書について第二十五条第一項の規定による修正があつた場合において、申告又は修正に係る課税標準(各事業年度の普通所得、超過所得若しくは資本又は清算所得をいう。以下同じ。)が政府において調査した課税標準と異なるときは、政府は、その調査により、課税標準を更正する。
第十九条第一項、第二十一条第一項又は第二十二条第三項において準用する第十九条第一項の規定による申告書が提出された場合又はこれらの申告書について第二十五条第一項の規定による申告書の修正があつた場合において申告又は修正に係る課税標準が政府において調査した課税標準と異なるときは、政府は、その調査により、課税標準を更正することができる。
第三十条 政府は、納税義務があると認める法人が申告書を提出しなかつた場合又は法人税を課すべき所得又は資本がない旨の申告書を提出した場合においては、政府の調査により、課税標準を決定する。
第三十一条 政府は、前二条の規定による課税標準の更正又は決定後、更正又は決定した課税標準について、脱漏があることを発見したときは、政府の調査により、課税標準を更正する。
第三十二条 政府は、前三条の規定により、課税標準を更正又は決定したときは、これを納税義務がある法人に通知する。
第三十三条 第二十九条乃至第三十一条の規定により課税標準を更正又は決定した場合においては、前条の通知をなした日から一箇月後を納期限として、その追徴税額(その不足税額又は決定による税額をいう。以下同じ。)を徴収する。
第七章 同族会社に関する課税の特例
第三十四条 政府は、同族会社の行為又は計算で法人税を免れる目的があると認められるものがある場合においては、その行為又は計算にかかわらず、政府の認めるところにより、課税標準を計算することができる。
この法律において同族会社とは、株主又は社員の一人及びこれと親族、使用人、命令で定める出資関係のある会社等特殊の関係のある者の有する株式又は出資の金額の合計額がその会社の株式又は出資金額の二分の一以上に相当する会社をいう。
第三十五条 政府は、同族会社が各事業年度の普通所得のうちその十分の三に相当する金額を超えるものを留保した場合においては、その超過額に対し特別の率を乗じて算出した金額を当該事業年度の普通所得に対する法人税に加算することができる。
前項の特別の率は、同族会社の当該事業年度の普通所得金額を年額に換算した金額のうち十万円以下の金額に百分の三十五、十万円を超える金額に百分の四十五、二十万円を超える金額に百分の六十五、五十万円を超える金額に百分の七十、百万円を超える金額に百分の七十五を乗じて得た金額の合計金額の普通所得年額に対する率とする。
前二項の各事業年度の普通所得及び普通所得中留保した金額は、その事業年度の普通所得、超過所得及び資本に課せられる法人税額(同項の規定により加算する税額を含まない。)をその事業年度の普通所得及びその普通所得中留保した金額の双方から控除した金額による。
第一項の規定は、この法律の施行地に本店を有しない会社でこの法律の施行地に資産又は事業を有するものその他命令で定める会社には、これを適用しない。
第三十二条及び第三十三条の規定は、第一項の規定により税額を加算した場合について、これを準用する。
第八章 審査、訴願及び訴訟
第三十六条 納税義務がある法人は、第三十二条の規定により政府の通知した課税標準、前条第五項において準用する第三十二条の規定により政府の通知した加算税額又は第四十四条の規定により政府の通知した税額に対して異議があるときは、通知を受けた日から一箇月以内に不服の事由を具し、政府に審査の請求をなすことができる。
前項の請求があつた場合においても、政府は、税金の徴収を猶予しない。但し、政府において已むを得ない事由があると認めたときは、税金の徴収を猶予することができる。
第三十七条 政府は、前条第一項の請求があつたときは、これを決定し、納税義務がある法人に通知する。
前項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。
第三十八条 前条第一項の決定に対し不服がある法人は、訴願をなし、又は裁判所に出訴することができる。
第二十九条乃至第三十一条の規定により政府のなした更正又は決定、第三十五条第一項の規定による加算税額又は第四十三条の規定による追徴税額に関する訴願又は訴訟は、審査の決定を経た後でなければ、これをなすことができない。
第九章 雑則
第三十九条 納税義務がある法人の提出した申告書又は課税標準の更正、決定若しくは修正に関する書類を閲覧しようとする者は、命令の定めるところにより、政府に、その閲覧を請求することができる。
第四十条 納税義務があると認められる法人が申告書を提出しなかつた事実又は課税標準に脱漏があると認められる事実を、政府に報告した者がある場合において、政府がその報告に因つて課税標準を決定し又は更正したときは、政府は、命令の定めるところにより、その報告者に対し、課税標準の決定又は更正に因り、徴収することができた当該事業年度分の法人税額の百分の十以下に相当する金額を、報償金として交付することができる。但し、報償金の金額は十万円を超えることができない。
前項の規定は、その報告をなした者が官吏又は待遇官吏であるときは、これを適用しない。その報告が官吏若しくは待遇官吏の知り得た事実、公務員(官吏及び待遇官吏を除く。)の職務上知り得た事実又は不法の行為に因り知り得た事実に基くものである場合も、また同様とする。
第四十一条 第十七条の規定により算出した各事業年度の資本に対する法人税額が五百円に満たないときは、これを五百円とする。
第四十二条 納税義務がある法人は、第二十六条第二項に掲げる法人税については、同項の規定により法人税を納付すべき日に、命令の定めるところにより、命令で定める期間に応じ、当該税額百円について一日三銭の割合を乗じて算出した金額に相当する税額を加算して納付しなければならない。
前項の規定は、政府が、第三十三条の規定による追徴税額を徴収する場合について、これを準用する。
第四十三条 第二十六条第二項の規定による法人税の納付があつた場合又は第三十三条の規定による追徴税額に相当する法人税を徴収することとなつた場合においては、第十八条乃至第二十二条、第二十四条の申告期限若しくは第二十三条第一項の規定により命令で定める申告期限内に申告書の提出がなかつたこと、第二十五条第一項の規定による申告書の修正があつた場合において前の申告若しくは修正に係る課税標準について誤謬があつたこと又は納税義務がある法人の申告若しくは修正した課税標準が政府の調査した課税標準と異なることについて已むを得ない事由があると認められる場合を除く外、政府は、命令の定めるところにより、命令で定める期間に応じ、当該税額に一箇月を経過するごとに百分の五の割合を乗じて算出した金額に相当する税額の法人税を追徴する。但し、この金額は、当該税額に百分の五十を乗じて算出した金額を超えることができない。
第四十四条 政府は、前条の規定により追徴する税額を決定したときは、これを納税義務がある法人に通知する。
第四十五条 収税官吏は、法人税に関する調査について必要があるときは、納税義務がある法人又は納税義務があると認められる法人に質問し又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。
第四十六条 収税官吏は、法人税に関する調査について必要があるときは、納税義務がある法人又は納税義務があると認められる法人に対し、金銭の支払若しくは物品の譲渡をなす義務があると認められる者若しくは金銭の支払若しくは物品の譲渡を受ける権利があると認められる者に質問し又はその事業に関する帳簿書類を検査することができる。
第四十七条 都道府県、市町村その他の公共団体は、法人税の附加税を課することができない。
第十章 罰則
第四十八条 詐偽その他不正の行為により法人税を免れた場合においては、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をなした者は、これを一年以下の懲役又はその免れた税金の三倍以下に相当する罰金若しくは科料に処する。
前項の罪を犯した者には、情状に因り、懲役及び罰金を併科することができる。
第一項の場合においては、政府は、直ちに、その課税標準を決定し、その税金を徴収する。
第四十九条 左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
一 第四十五条又は第四十六条の規定による帳簿書類その他の物件の検査を拒み、妨げ又は忌避した者
二 前号の帳簿書類で虚偽の記載をなしたものを呈示した者
三 第四十五条又は第四十六条の規定による収税官吏の質問に対し答弁をなさない者
四 前号の質問に対し虚偽の答弁をなした者
第五十条 法人税の調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事務に関して知り得た秘密を漏らし又は窃用したときは、これを二年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処する。
第五十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第四十八条又は第四十九条の違反行為をしたときは、その行為者を罰する外、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
第五十二条 他人の法人税について、政府に対し、第四十条に掲げる事実に関する虚偽の報告をなした者は、これを三年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第五十三条 第四十八条第一項の罪を犯した者には、刑法第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、これを適用しない。但し、懲役刑に処するときは、この限りでない。
附 則
第一条 この法律は、昭和二十二年四月一日から、これを施行する。
第二条 この法律は、本州、北海道、四国、九州及びその附属の島(勅令で定める地域を除く。)にこれを施行する。
第三条 この法律は、法人の各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税については、昭和二十二年四月一日以後に終了する事業年度分から、清算所得に対する法人税については、同日以後の解散又は合併に因る分から、これを適用する。
第四条 第二十一条の規定は、法人の昭和二十二年四月一日以後に終了する事業年度で当該事業年度開始後六箇月に当る日がこの法律の施行後に到来するものについて、これを適用する。
第五条 法人の昭和二十二年三月三十一日以前に終了した各事業年度の普通所得、超過所得及び資本に対する法人税並びに同日以前の解散又は合併に因る清算所得に対する法人税については、なお従前の例による。但し、改正前の第二十四条第一項の規定により、所得金額、資本金額又は加算税額を決定すべき場合においては、同項の規定にかかわらず、昭和二十二年の所得税法を改正する法律による改正前の所得税法の所得審査委員会の決議によることなく、政府において、その所得金額、資本金額又は加算税額を決定する。
第六条 この法律の施行後に終了する事業年度において又はこの法律の施行後における解散に因る清算の期間中に法人の納付した従前の所得税法第十条に規定する配当利子所得に対する分類所得税は、これを所得税法第十八条に規定する所得税とみなし、第十条の規定を適用する。
第七条 日本国憲法施行の日までは、第三十七条第二項中「政令」とあるのは「勅令」、第三十八条中「裁判所」とあるのは「行政裁判所」と読み替えるものとする。