森林開発公団法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年四月二十七日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第八十五号
森林開発公団法
目次
第一章
総則(第一条―第六条)
第二章
役員及び職員(第七条―第十七条)
第三章
業務(第十八条―第二十八条)
第四章
財務及び会計(第二十九条―第四十条)
第五章
監督(第四十一条・第四十二条)
第六章
雑則(第四十三条―第四十六条)
第七章
罰則(第四十七条―第四十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 森林開発公団は、地勢等の地理的条件がきわめて悪く、かつ、豊富な森林資源の開発が十分に行われていない特定の地域内の森林を急速かつ計画的に開発して、林業生産の増大と林業経営の改善に資するため、余剰農産物資金融通特別会計等から資金の融通を受け、林道の開設、改良、復旧及び管理、森林の造成等の事業を行うことを目的とする。
(法人格)
第二条 森林開発公団(以下「公団」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 公団は、主たる事務所を東京都に置く。
2 公団は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(登記)
第四条 公団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第五条 公団でない者は、森林開発公団という名称又はこれに類似する名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第六条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、公団に準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第七条 公団に、役員として、理事長一人、理事二人以内及び監事一人を置く。
(役員の職務及び権限)
第八条 理事長は、公団を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、公団を代表し、理事長を補佐して公団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、公団の業務を監査する。
(役員の任命)
第九条 理事長及び監事は、農林大臣が任命する。
2 理事は、理事長が農林大臣の認可を受けて任命する。
(役員の任期)
第十条 役員の任期は、三年とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十一条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 国務大臣、国会議員、政府職員(人事院が指定する非常勤の者を除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員
二 政党の役員
三 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて公団と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第十二条 農林大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 農林大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十三条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又はみずから営利事業に従事してはならない。
(代表権の制限)
第十四条 公団と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が公団を代表する。
(代理人の選任)
第十五条 理事長及び理事は、公団の職員のうちから、公団の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第十六条 公団の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の地位)
第十七条 役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務
(業務の範囲)
第十八条 公団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 農林大臣の定める基本計画に基き、三重県、奈良県及び和歌山県並びに徳島県の区域のうち政令で定める区域内における林道の開設又は改良の事業を施行すること。
二 前号の事業の施行により開設され、又は改良された林道についての災害復旧事業を施行すること。
二 前二号の事業の施行により開設され、改良され、又は復旧された林道の維持、修繕その他の管理を行うこと。
四 第一号の事業の施行により森林の造成の事業を行うことが経済的かつ技術的に可能となつた地域内における森林の造成の事業を当該土地の所有者の委託により行うこと。
五 前四号の事業に附帯する事業を行うこと。
2 公団は、前項に掲げる業務の遂行に支障のない範囲内で、あらかじめ農林大臣の認可を受けて、地方公共団体又は森林組合若しくは森林組合連合会の委託により、同項第一号の政令で定める区域内における林道の開設、改良又は災害復旧の事業を施行することができる。
3 農林大臣は、第一項第一号の基本計画を定めようとするときは、大蔵大臣、自治庁長官及び経済企画庁長官の同意を得なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(実施計画)
第十九条 公団は、前条第一項第一号又は第二号の事業を施行しようとするときは、その路線ごとに、実施計画を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の実施計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 事業の施行区域に関する事項
二 事業の施行によつて利益を受けるべき土地(以下「受益地」という。)の所在及び面積
三 受益地の現況
四 主要工事計画及び附帯工事計画
五 工事の着手及び完了の予定時期
六 所要事業費及びその負担割合
七 事業の効果
八 その他農林省令で定める事項
3 公団は、第一項の実施計画を定めようとするときは、関係県知事に協議しなければならない。
(意見書の提出)
第二十条 公団は、前条第一項の実施計画を定めるには、農林省令で定める手続により、実施計画案を公表して、これにつき意見を有する利害関係人(当該事業につき利害関係を有する市町村の長及び当該事業の施行区域内の土地若しくは当該事業に係る受益地又はこれらの土地に定着する物件につき所有権その他の権利を有する者をいう。)に対し、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十八条第一項第二号の事業で災害のため急速に行う必要があるものに係る実施計画については、実施計画案を公表すれば足りる。
(管理規程)
第二十一条 公団は、第十八条第一項第三号の事業を行おうとするときは、管理規程を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の管理規程には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 林道の維持、修繕その他保全に関する事項
二 林道の占用及び通行の規制に関する事項
三 林道の管理の事業の一部を地方公共団体又は森林組合若しくは森林組合連合会に委託する場合にあつては、その委託に関する準則
四 林道の利用につき利用料その他の料金を徴収する場合にあつては、その料金の種類、金額、徴収方法等に関する事項
五 その他農林省令で定める事項
3 第十九条第三項及び前条本文の規定は、第一項の管理規程の設定について準用する。
(受託準則)
第二十二条 公団は、第十八条第一項第四号の事業を行おうとするときは、受託準則を定め、農林大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の受託準則に定めるべき事項は、農林省令で定める。
(実施計画等の変更)
第二十三条 公団は、第十九条第一項の実施計画、第二十一条第一項の管理規程又は前条第一項の受託準則を変更しようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。
2 第十九条第三項及び第二十条の規定は、第十九条第一項の実施計画又は第二十一条第一項の管理規程の変更について準用する。
(実施計画等の公告)
第二十四条 公団は、第十九条第一項の実施計画、第二十一条第一項の管理規程又は第二十二条第一項の受託準則の設定又は変更につき第十九条第一項、第二十一条第一項、第二十二条第一項又は前条第一項の規定による農林大臣の認可があつたときは、遅滞なく、農林省令で定める手続により、当該実施計画、管理規程若しくは受託準則又はこれらの変更に係る部分を公告しなければならない。
(賦課金)
第二十五条 公団は、政令で定めるところにより、第十八条第一項第一号又は第二号の事業によつて利益を受ける者で、当該事業に係る受益地又はその上に存する立木竹につき権原に基き使用又は収益を行うものその他農林大臣の指定するものに対し、その者の受ける利益を限度として、その事業に要する費用の一部を賦課徴収することができる。
2 前項の規定による賦課徴収の処分は、その処分に係る賦課金の納期限(分割して納付させる場合にあつては、最初に納付させる賦課金についての納期限)前九十日までに、しなければならない。
3 前項の処分を受けた者は、その処分について不服があるときは、公団に対してこれを申し立てることができる。ただし、その処分を受けた日から二十日を経過したときは、この限りでない。
4 公団は、前項の規定による不服の申立があつたときは、同項ただし書の期間満了後三十日以内にこれを決定しなければならない。
(強制徴収)
第二十六条 公団は、前条第一項の規定による賦課金の納付義務者がその納期限までにその賦課金を納付しないときは、期限を指定して、これを督促しなければならない。
2 公団は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して二十日以上経過した日でなければならない。
3 賦課金の納付義務者で第一項の規定による督促を受けたものがその指定の期限までにその賦課金及び第六項の延滞金を納付しないときは、市町村は、公団の請求により、地方税の滞納処分の例により、これを処分する。この場合には、公団は、その徴収金額の百分の四を市町村に交付しなければならない。
4 市町村が前項の請求を受けた日から一月以内にその処分に着手せず、又は三月以内にこれを終了しないときは、公団は、地方税の滞納処分の例により、農林大臣の認可を受けて、その処分をすることができる。
5 前二項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぎ、他の公課に先だつものとし、その時効については、地方税の例による。
6 公団は、第一項の規定により督促をしたときは、賦課金の額百円につき一日四銭の割合で、納期限の翌日からその完納又は財産差押の日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、農林省令で定める場合は、この限りでない。
(県の費用負担)
第二十七条 第十八条第一項第一号の事業に係る受益地の全部又は一部をその区域に含む県は、政令で定めるところにより、その事業に要する費用の一部を負担金として公団に支払わなければならない。
(立入調査等)
第二十八条 公団は、その業務の遂行に必要の限度において、その職員に、他人の土地に立ち入り、測量、実地調査若しくは標識の建設をさせ、又は測量、実地調査若しくは標識の建設の支障となる立木竹を伐採させることができる。
2 公団は、その職員に前項の規定による立入又は伐採をさせる場合には、あらかじめその旨をその土地の占有者又は立木竹の所有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により公団の職員が立ち入り、又は伐採をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の要求があるときは、これを提示しなければならない。
4 公団は、第一項の規定による立入又は伐採によつて損失を受けた者に対し、その損失を補償しなければならない。
第四章 財務及び会計
(事業年度)
第二十九条 公団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
(予算等の認可)
第三十条 公団は、毎事業年度、予算、業務計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に農林大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(決算)
第三十一条 公団は、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結しなければならない。
(財務諸表)
第三十二条 公団は、毎事業年度、農林省令で定めるところにより、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に農林大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 公団は、前項の規定により財務諸表を農林大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。
3 公団は、第一項の規定による農林大臣の承認を受けた財務諸表を各事務所に備えて置かなければならない。
(借入金)
第三十三条 公団は、農林大臣の認可を受けて、政府又は金融機関から長期借入金又は短期借入金をすることができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、農林大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
(政府からの貸付)
第三十四条 政府は、公団に対して長期又は短期の資金の貸付をすることができる。
(償還計画)
第三十五条 公団は、毎事業年度、長期借入金の償還計画をたてて、農林大臣の認可を受けなければならない。
(補助金)
第三十六条 政府は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、公団に対し、第十八条第一項第一号及び第二号の事業に係る事業費の一部を補助することができる。
(余裕金の運用)
第三十七条 公団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債又は農林大臣の指定するその他の有価証券の取得
二 農林中央金庫若しくは農林大臣の指定するその他の金融機関への預金又は郵便貯金
(規程)
第三十八条 公団は、業務開始の際、次の事項について規程を定めなければならない。
一 会計に関する事項
二 役員及び職員の給与及び退職手当に関する事項
2 公団は、前項の事項について規程を定めようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(大蔵大臣に対する協議)
第三十九条 農林大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第三十条、第三十三条第一項若しくは第二項ただし書、第三十五条又は前条第二項の規定による認可をしようとするとき。
二 第三十二条第一項の規定による承認をしようとするとき。
三 第三十七条第一号又は第二号の規定による指定をしようとするとき。
四 次条の規定により農林省令を定めようとするとき。
(農林省令への委任)
第四十条 この法律及びこれに基く政令に規定するもののほか、公団の財務及び会計に関し必要な事項は、農林省令で定める。
第五章 監督
(監督)
第四十一条 公団は、農林大臣が監督する。
2 農林大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、公団に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第四十二条 農林大臣は、必要があると認めるときは、公団に対して業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に公団の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第六章 雑則
(解散)
第四十三条 公団の解散については、別に法律で定める。
(恩給)
第四十四条 恩給法(大正十二年法律第四十八号)第十九条に規定する公務員(以下この条において「公務員」という。)又は同法同条に規定する公務員とみなされる者(以下この条において「公務員とみなされる者」という。)が引き続いて公団の役員又は職員となつたときは、恩給法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第七十七号)(以下「法律第七十七号」という。)附則第十条又は恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)(以下「法律第百五十五号」という。)附則第四十条の規定の適用については、法律第七十七号附則第十条第一項中「引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し」とあるのは「引き続いて公務員若しくは公務員とみなされる者又は森林開発公団の役員若しくは職員として在職し」と、法律第百五十五号附則第四十条第一項中「引き続いて地方事務官又は地方技官として在職し」とあるのは「引き続いて地方事務官若しくは地方技官又は森林開発公団の役員若しくは職員として在職し」と読み替えるものとする。
2 他の法律の規定において法律第七十七号附則第十条の規定を準用するときは、前項の規定により読み替えられた同条第一項の規定を準用するものとする。
3 公団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職する者が、引き続いて公団の役員又は職員となり、更に引き続いて公務員又は公務員とみなされる者となつたとき(公団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職する者が引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し、更に引き続いて公団の役員又は職員となり、更に引き続いて公務員又は公務員とみなされる者となつたときを含む。)は、その公務員又は公務員とみなされる者に給すべき普通恩給については、当該公団の役員又は職員としての在職年月数を公務員又は公務員とみなされる者としての在職年月数に通算する。
4 第一項(他の法律の規定において第一項の規定により読み替えられた法律第七十七号附則第十条第一項の規定を準用するときを含む。)及び前項の規定は、公団の役員又は職員となるまでの公務員又は公務員とみなされる者としての在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達する者については、適用しないものとする。
5 第三項の規定の適用を受ける者についての恩給法第六十四条ノ二(再就職の場合の普通恩給)の規定の適用又は準用については、公団の役員又は職員としての就職を再就職とみなす。
第四十五条 公団は、前条第一項(他の法律の規定において同条同項の規定により読み替えられた法律第七十七号附則第十条第一項の規定を準用するときを含む。)及び第三項の規定の適用を受ける公団の役員若しくは職員であつた者又はその遺族の恩給の支払に充てる金額を、政令で定めるところにより、国庫又は地方公共団体に納付するものとする。
(他の法令の準用)
第四十六条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、公団を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。
第七章 罰則
第四十七条 公団が第四十二条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、その違反行為をした公団の役員又は職員を五万円以下の罰金に処する。
第四十八条 次の場合においては、その違反行為をした公団の役員又は職員を三万円以下の過料に処する。
一 この法律により認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第四条第一項の規定に違反して登記を怠つたとき。
三 第十八条に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第三十七条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第四十一条第二項の規定による命令に違反したとき。
第四十九条 第五条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律の施行期日は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内で政令で定める。
(公団の設立)
第二条 農林大臣は、第九条第一項の例により、公団の理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長となるべき者は、第九条第二項の例により公団の理事となるべき者を指名する。
3 前二項の規定により指名された理事長、理事又は監事となるべき者は、公団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長、理事又は監事に任命されたものとする。
第三条 農林大臣は、設立委員を命じて、公団の設立に関する事務を処理させる。
第四条 設立委員は、公団の設立の準備を完了したときは、その旨を農林大臣に届け出るとともに、その事務を附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第五条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者が前条の事務の引継を受けたときは、その引継を受けた日において、附則第二条第一項又は第二項の規定により指名された役員となるべき者の全員は、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第六条 公団は、設立の登記をすることによつて成立する。
第七条 公団の最初の事業年度は、第二十九条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十二年三月三十一日に終るものとする。
第八条 公団の最初の事業年度の予算、業務計画及び資金計画については、第三十条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「公団の成立後遅滞なく」と読み替えるものとする。
(債務負担)
第九条 政府は、昭和三十一年度において、公団に対し、公団が同年度に実施する事業に係る第三十六条の規定による補助金を昭和三十二年度以降四年度以内に交付すべき債務を負担することができる。
2 前項の規定により債務を負担することができる額の限度は、四億九千四百万円とする。
(登録税法の改正)
第十条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第一号ノ八の次に次の一号を加える。
一ノ九 森林開発公団自己ノ為ニスル登記又ハ登録
(印紙税法の改正)
第十一条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ五ノ五の次に次の一号を加える。
六ノ五ノ六 森林開発公団ノ発スル証書、帳簿
(所得税法の改正)
第十二条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第四号の六の次に次の一号を加える。
四の七 森林開発公団
(法人税法の改正)
第十三条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第二号中「農地開発機械公団」の下に「、森林開発公団」を加える。
(行政管理庁設置法の改正)
第十四条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第十二号中「及び日本道路公団」を「、日本道路公団及び森林開発公団」に改める。
(農林省設置法の改正)
第十五条 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第六十条の次に次の一条を加える。
(特別な職)
第六十条の二 林野庁に森林開発公団監理官一人を置く。
2 森林開発公団監理官は、命を受けて、森林開発公団の指導監督に関する事務を掌理する。
第六十一条中第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。
六 森林開発公団の指導監督を行うこと。
(地方税法の改正)
第十六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第二号中「農地開発機械公団」の下に「、森林開発公団」を加える。
内閣総理大臣 鳩山一郎
大蔵大臣 一万田尚登
農林大臣臨時代理 国務大臣 高碕達之助