商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第123号
公布年月日: 昭和36年6月10日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

中小企業支援策として、郡部の町村単位に商工会を設立し、商工会議所とともに小規模事業者への助成を行ってきた。現在、全国で1,654の商工会が設立され、36年度中には約2,300に達する見込みだが、これらは比較的小規模で組織基盤が弱い。そこで、指導連絡を担う組織の確立が必要となり、既に任意団体等として存在する43の都道府県商工会連合会及び全国商工会連合会を法制化し、その組織・運営を定めるとともに、事業活動への助成措置を講じるため、本改正法案を提案するものである。

参照した発言:
第38回国会 衆議院 商工委員会 第27号

審議経過

第38回国会

衆議院
(昭和36年4月18日)
参議院
(昭和36年4月18日)
衆議院
(昭和36年5月16日)
(昭和36年5月17日)
(昭和36年5月18日)
(昭和36年5月18日)
参議院
(昭和36年5月23日)
(昭和36年5月30日)
(昭和36年5月31日)
(昭和36年6月8日)
衆議院
(昭和36年6月28日)
商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年六月十日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百二十三号
商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律
商工会の組織等に関する法律(昭和三十五年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三章 商工会等の行なう小規模事業者のための事業の助成(第五十六条)」を
第二章の二
商工会連合会
第一節
通則(第五十五条の二―第五十五条の七)
第二節
事業(第五十五条の八・第五十五条の九)
第三節
会員(第五十五条の十―第五十五条の十三)
第四節
設立(第五十五条の十四・第五十五条の十五)
第五節
管理等(第五十五条の十六―第五十五条の十八)
第三章
商工会等の行なう小規模事業者のための事業の助成(第五十六条)
に改める。
第一条中「商工会を設け」を「商工会及び商工会連合会を設け」に、「商工会議所」を「商工会連合会並びに商工会議所」に改める。
第二章の次に次の一章を加える。
第二章の二 商工会連合会
第一節 通則
(目的)
第五十五条の二 商工会連合会(以下「連合会」という。)は、商工会の健全な発達を図り、もつて商工業の振興に寄与することを目的とする。
(種類)
第五十五条の三 連合会は、都道府県商工会連合会(以下「都道府県連合会」という。)及び全国商工会連合会(以下「全国連合会」という。)とする。
(人格)
第五十五条の四 連合会は、法人とする。
(名称)
第五十五条の五 連合会は、次の名称を用いなければならない。
一 都道府県連合会にあつては、その地区の都道府県の名称を冠する商工会連合会
二 全国連合会にあつては、全国商工会連合会
2 連合会でない者は、商工会連合会という名称を用いてはならない。
(数)
第五十五条の六 都道府県連合会は、都道府県ごとに一個とし、その地区は、都道府県の区域による。
2 全国連合会は、全国を通じて一個とする。
(準用)
第五十五条の七 第六条、第九条及び第十条の規定は、連合会について準用する。
第二節 事業
(事業の範囲)
第五十五条の八 都道府県連合会は、第五十五条の二の目的を達成するため、次に掲げる事業を行なうものとする。
一 商工会の組織又は事業について指導又は連絡を行なうこと。
二 商工業に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
三 商工業に関する調査研究を行なうこと。
四 展示会、共進会等を開催し、又はこれらの開催のあつせんを行なうこと。
五 商工業に関する技術又は技能の普及又は検定を行なうこと。
六 関係経済団体との提携又は連絡を行なうこと。
七 商工会の意見を総合して、これを公表し、又は国会、行政庁等に具申し、若しくは建議すること。
八 行政庁等の諮問に応じて、答申すること。
九 前各号に掲げるもののほか、都道府県連合会の目的を達成するために必要な事業を行なうこと。
2 全国連合会は、第五十五条の二の目的を達成するため、次に掲げる事業を行なうものとする。
一 都道府県連合会の組織又は事業について指導又は連絡を行なうこと。
二 都道府県連合会の意見を総合して、これを公表し、又は国会、行政庁等に具申し、若しくは建議すること。
三 前項第一号から第四号まで、第六号及び第八号に掲げる事業
四 前各号に掲げるもののほか、全国連合会の目的を達成するために必要な事業を行なうこと。
(準用)
第五十五条の九 第十二条の規定は、連合会について準用する。
第三節 会員
(資格)
第五十五条の十 都道府県連合会の会員たる資格を有する者は、その地区内に主たる事務所を有する商工会とする。
2 全国連合会の会員たる資格を有する者は、都道府県連合会とする。
(加入)
第五十五条の十一 都道府県連合会は、会員たる資格を有する者が都道府県連合会に加入しようとするときは、正当な理由がないのにその加入を拒み、又はその加入につき不当な条件を附してはならない。
2 都道府県連合会は、全国連合会が成立したときは、すべてその会員となる。全国連合会が成立した後において成立した都道府県連合会についても、同様とする。
(脱退)
第五十五条の十二 都道府県連合会の会員は、六十日前までに予告し、事業年度の終りにおいて連合会を脱退することができる。
2 全国連合会の会員は、解散によつて脱退する。
(準用)
第五十五条の十三 第十五条から第十八条までの規定は、連合会の会員について準用する。
2 第十九条第二項及び第二十条の規定は、都道府県連合会の会員について準用する。
第四節 設立
(発起人)
第五十五条の十四 都道府県連合会を設立するには、その会員になろうとする五以上の商工会が発起人となることを要する。
2 全国連合会を設立するには、その会員になろうとする五以上の都道府県連合会が発起人となることを要する。
(準用)
第五十五条の十五 第二十二条から第二十七条までの規定は、連合会の設立について準用する。この場合において、第二十三条第二項第二号中「第十三条本文に規定する者の二分の一以上」とあるのは「都道府県連合会にあつては第五十五条の十第一項に規定する者の二分の一以上、全国連合会にあつては同条第二項に規定する者の二十五以上」と、同項第三号中「その地区内の商工業の総合的な改善発達」とあるのは「商工会の健全な発達」と読み替えるものとする。
第五節 管理等
(定款)
第五十五条の十六 連合会の定款には、次の事項(全国連合会にあつては、第五号の事項を除く。)を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事業
四 事務所の所在地
五 会員の加入及び脱退に関する事項
六 会員の権利及び義務に関する事項
七 会費に関する事項
八 役員に関する事項
九 総会に関する事項
十 経理に関する事項
十一 事業年度
十二 公告の方法
(役員)
第五十五条の十七 連合会に、役員として、会長一人、副会長五人以内、理事二十人以内(全国連合会にあつては、十人以内)及び監事三人以内を置く。
2 都道府県連合会の役員は、その会員たる商工会の会員(法人にあつては、その役職員)でなければならない。ただし、理事は、都道府県連合会の運営上特に必要がある場合には、その定数の十分の一以内に限り、その会員たる商工会の会員(法人にあつては、その役職員)であることを要しない。
3 都道府県連合会の設立当時の役員は、その会員になろうとする商工会の会員(法人にあつては、その役職員)でなければならない。ただし、理事は、都道府県連合会の運営上特に必要がある場合には、その定数の十分の一以内に限り、その会員になろうとする商工会の会員(法人にあつては、その役職員)であることを要しない。
4 前二項の規定は、全国連合会の役員について準用する。この場合において、これらの項中「商工会」とあるのは「都道府県連合会の会員たる商工会」と、「十分の一以内」とあるのは「五分の一以内」と読み替えるものとする。
(準用)
第五十五条の十八 第二十九条の規定は、連合会の規約について準用する。
2 第三十一条から第三十六条まで及び第四十条第一項の規定は、連合会の役員について準用する。
3 第三十七条から第三十九条まで及び第四十条第二項の規定は、連合会の会長について準用する。
4 第四十一条から第四十五条まで、第四十六条(全国連合会については、第三号を除く。)及び第四十七条の規定は、連合会の総会について準用する。この場合において、第四十四条第四項中「第二十三条第二項」とあるのは、「第五十五条の十五において準用する第二十三条第二項」と読み替えるものとする。
5 第四十九条、第五十条並びに第五十一条第一項、第二項及び第五項の規定は、連合会の監督について準用する。この場合において、同条第二項中「第二十三条第二項第二号」とあるのは「第五十五条の十五において準用する第二十三条第二項第二号」と、同条第五項中「第一項又は第二項に規定する処分をする場合には関係都道府県知事、第三項の勧告又は前項に規定する処分をする場合には関係都道府県知事及び関係市町村長」とあるのは「都道府県連合会に対し第五十五条の十八第五項において準用する第五十一条第一項又は第二項に規定する処分をする場合には関係都道府県知事及び全国連合会」と読み替えるものとする。
6 前章第七節の規定は、連合会の解散及び清算について準用する。
第五十六条中「又は商工会議所」を「若しくは商工会議所」に、「又は技術の改善発達のための事業の実施に要する経費」を「若しくは技術の改善発達のための事業(以下「経営改善普及事業」という。)の実施に要する経費又は経営改善普及事業に関し都道府県連合会が商工会を指導するのに要する経費」に改め、同条に次の一項を加える。
2 国は、政令で定めるところにより、全国連合会に対し、予算の範囲において、経営改善普及事業に関し全国連合会が商工会及び都道府県連合会を指導するのに要する経費の一部を補助することができる。
第六十二条中「第二十三条第一項」の下に「(第五十五条の十五において準用する場合を含む。)」を加える。
第六十三条中「第五十条第一項」及び「同項」の下に「(第五十五条の十八第五項において準用する場合を含む。)」を、「商工会」の下に「又は連合会」を加える。
第六十五条中「商工会」の下に「又は連合会」を加え、同条第一号中「第九条第一項」の下に「(第五十五条の七において準用する場合を含む。)」を加え、同条第二号中「第三十七条」及び「第三十八条」の下に「(第五十五条の十八第三項において準用する場合を含む。)」を加え、「又は第三十九条後段」を「、第三十九条後段(第五十五条の十八第三項において準用する場合を含む。)又は第五十五条の十一第一項」に改め、同条第三号中「第二十二条第六項」及び「第二十七条」の下に「(第五十五条の十五において準用する場合を含む。」を、「第四十七条」の下に「(第五十五条の十八第四項において準用する場合を含む。)」を、「第五十五条」の下に「(第五十五条の十八第六項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第四号中「第四十四条第二項」の下に「(第五十五条の十八第四項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第五号中「第四十九条第一項」の下に「(第五十五条の十八第五項において準用する場合を含む。)」を、「第五十二条第二項」の下に「(第五十五条の十八第六項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第六号中「第四十九条第二項」及び「同項」の下に「(第五十五条の十八第五項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第七号中「第五十五条」の下に「(第五十五条の十八第六項において準用する場合を含む。)」を加える。
第六十六条中「第五条第二項」の下に「又は第五十五条の五第二項」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に商工会連合会という名称を用いている者は、この法律の施行後一年以内に、その名称を変更しなければならない。
2 改正後の商工会の組織等に関する法律(以下「新法」という。)第五十五条の五第二項の規定は、前項に規定する期間内は、同項に規定する者には、適用しない。
(社団法人の都道府県商工会連合会への転移)
第三条 この法律の施行の際現に存する民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された社団法人であつて、新法第五十五条の二に規定する目的を有し、新法第五十五条の八第一項各号に掲げる事業を主たる事業として行なつており、かつ、新法第五十五条の十第一項に規定する者を主たる構成員としているもの(以下「社団法人」という。)は、この法律の施行の日から起算して一年以内に、総会の決議により、その総資産をもつて、新法の規定に従い、都道府県商工会連合会を設立することができる。
2 民法第六十九条本文の規定は、前項の決議について準用する。
3 第一項の規定により設立された都道府県商工会連合会は、当該社団法人の権利義務(当該社団法人がその行なう事業に関し行政庁の許可、認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。
4 第一項の規定により都道府県商工会連合会を設立する場合には、当該社団法人は、当該都道府県商工会連合会の成立の時に解散する。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。
5 前項の規定により社団法人が解散した場合におけるその解散の登記については、政令で定める。
(登録税法の一部改正)
第四条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「商工会」の下に「、商工会連合会」を加える。
(所得税法の一部改正)
第五条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第八号中「商工会」の下に「及び商工会連合会」を加える。
(法人税法の一部改正)
第六条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項第一号中「商工会」の下に「及び商工会連合会」を加える。
(地方税法の一部改正)
第七条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第一号中「商工会」の下に「及び商工会連合会」を加える。
(商工会議所法の一部改正)
第八条 商工会議所法(昭和二十八年法律第百四十三号)の一部を次のように改正する。
第六十六条中第二項を削り、第三項を第二項とする。
(商工会議所法の一部改正に伴う経過措置)
第九条 この法律の施行の際現に改正前の商工会議所法第六十六条第二項の規定により日本商工会議所の会員である商工会議所に準ずる団体の日本商工会議所の会員たる資格については、なお従前の例による。
法務大臣 植木庚子郎
大蔵大臣 水田三喜男
通商産業大臣 椎名悦三郎
自治大臣 安井謙
内閣総理大臣 池田勇人