国税徴収法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七十八号
公布年月日: 昭和26年3月31日
法令の形式: 法律
国税徴收法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第七十八号
国税徴收法の一部を改正する法律
国税徴收法(明治三十年法律第二十一号)の一部を次のように改正する。
第二條第一項中「並其ノ督促手数料及滯納処分費」を「及其ノ滯納処分費」に改め、「以下本條中同ジ」を削り、同條第二項中「並其ノ督促手数料及滯納処分費」を「及其ノ滯納処分費」に、「地方公共団体ノ徴收金」を「他ノ国税及其ノ滯納処分費並地方公共団体ノ徴收金」に改め、同條第三項を削り、同條第四項中「並其ノ督促手数料及滯納処分費」を「及其ノ滯納処分費」に、「当該地方公共団体ノ徴收金」を「其ノ差押ニ係ル地方公共団体ノ徴收金」に改め、同項の次に次の二項を加える。
納税人公課ノ滯納ニ因リ滯納処分ヲ受ケタルトキ、強制執行ヲ受ケタルトキ、競売ノ開始アリタルトキ又ハ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキニ於テ收税官吏ガ当該行政機関、公共団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人又ハ破産管財人ニ対シ交付ヲ求メタル国税及其ノ滯納処分費ハ此等ノ者ニ対シ交付ヲ求メタル地方公共団体ノ徴收金ト同順位ニテ之ヲ徴收ス此ノ場合ニ於テ此等ノ処分アリタル日前ニ納期ノ到来シタル国税及其ノ滯納処分費並地方公共団体ノ徴收金ハ其ノ日以後納期ノ到来シタル国税及其ノ滯納処分費並地方公共団体ノ徴收金ニ先チテ之ヲ徴收ス
前項後段ノ適用ニ付テハ国税中利子税額、過少申告加算税額、過少納付加算税額、無申告加算税額、源泉徴收加算税額、軽加算税額及重加算税額(以下利子税額及加算税額ト謂フ)、延滯加算税額並国税ノ滯納処分費並地方公共団体ノ徴收金中督促手数料、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金、延滯金、延滯加算金及滯納処分費ニ在リテハ此等ノ徴收金ヲ併セ又ハ加算シテ徴收セラルル国税及地方税ノ納期ヲ以テ其ノ納期ト看做ス
同條第五項中「公課」を「国税及地方公共団体ノ徴收金以外ノ公課」に、「執達吏」を「執行吏」に、「並其ノ督促手数料及滯納処分費」を「及其ノ滯納処分費」に改め、同條第六項中「督促手数料及滯納処分費ハ」を「滯納処分費ハ其ノ」に改める。
第四條ノ一第七号を同條第八号とし、同條第六号の次に次の一号を加える。
七 納税人納税管理人ヲ定メズシテ本邦内ニ住所及居所ヲ有セザルニ至ルトキ
第四條ノ二及び第四條ノ三を次のように改める。
第四條ノ二 相続ノ開始アリタル場合ニ於テハ相続人(包括受遺者ヲ含ム)又ハ相続財団ハ被相続人(包括遺贈者ヲ含ム以下同ジ)ニ課セラルベキ又ハ被相続人ノ納付スベキ国税並被相続人ノ未納ノ国税及滯納処分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス但シ限定承認ヲ為シタル相続人ハ相続ニ因リテ得タル財産ノ価額ヲ限度トシテ其ノ義務ヲ有ス
前項ノ場合ニ於テ相続人又ハ包括受遺者二人以上アルトキハ此等ノ者ハ同項ニ依リ納付スベキ国税及滯納処分費ノ各々ニ付其ノ相続又ハ遺贈ニ因リテ得タル財産ノ価額ニ按分シテ計算シタル額ノ国税及滯納処分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス此ノ場合ニ於テ此等ノ者ハ其ノ相続又ハ遺贈ニ因リテ得タル財産ノ価額ノ限度ニ於テ其ノ納付スベキ国税及滯納処分費ニ付互ニ連帶シテ納付スルノ義務ヲ有ス
第四條ノ三 法人合併ヲ為シタル場合ニ於テハ合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リ設立シタル法人ハ合併ニ因ル消滅シタル法人ニ課セラルベキ又ハ合併ニ因リ消滅シタル法人ノ納付スベキ国税並合併ニ因リ消滅シタル法人ノ未納ノ国税及滯納処分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス
第四條ノ四 法人解散ヲ為シタル場合ニ於テ当該法人ニ課セラルベキ又ハ当該法人ノ納付スベキ国税並当該法人ノ未納ノ国税及滯納処分費ヲ納付セズシテ残余財産ノ分配又ハ引渡ヲ為シタルトキハ清算人及残余財産ノ分配又ハ引渡ヲ受ケタル者ハ連帶シテ之ヲ納付スルノ義務ヲ有ス但シ清算人ハ分配又ハ引渡ヲ為シタル財産ノ価額ノ限度ニ於テ残余財産ノ分配又ハ引渡ヲ受ケタル者ハ其ノ受ケタル財産ノ価額ノ限度ニ於テ其ノ責ニ任ズ
前項但書ノ規定ハ第二十九條ノ適用ヲ妨ゲズ
第四條ノ四中「、督促手数料」を削り、同條を第四條ノ五とし、第四條ノ五を次のように改める。
第四條ノ六 納税人国税ヲ滯納シタル場合ニ於テ其ノ有スル同族会社ノ株式又ハ出資アルトキハ当該株式又ハ出資ニ付左ニ該当スル事由アリ且当該納税人ノ財産(当該同族会社ノ株式又ハ出資ヲ除ク)ニ就キ滯納処分ヲ執行スルモ仍徴收スベキ国税及滯納処分費ニ不足スト認メラルルトキニ限リ其ノ有スル当該同族会社ノ株式又ハ出資(当該滯納ニ係ル国税中納期限ノ最モ古キモノノ納期限ノ二箇年前マデニ取得シタルモノヲ除ク)ノ価額ノ限度ニ於テ当該同族会社ヲシテ其ノ滯納ニ係ル国税及滯納処分費ヲ納付セシム
一 当該株式又ハ出資ヲ再度公売ニ付スルモ買受人ナク又ハ其ノ価格見積価格ニ達セザルコト
二 当該株式又ハ出資ノ讓渡ニ付法律又ハ定款ニ制限アル為之ヲ讓渡スルコト能ハザルコト
前項ノ場合ニ於テ当該同族会社其ノ国税及滯納処分費ヲ完納セザルトキハ当該同族会社ニ対シ滯納処分ヲ行フ但シ当該同族会社ノ財産ノ公売(政府ニ依ル買上及随意契約ヲ以テスル売却ヲ含ム以下本條中同ジ)ハ納税人ノ財産ヲ公売ニ付シタル後之ヲ為スベシ
前項ノ場合ニ於テ当該同族会社前二項ノ処分ニ付第三章ノ二ニ依ル再調査若ハ審査ノ請求又ハ訴訟ヲ提起シタルトキハ当該請求又ハ訴訟ノ繋属スル間其ノ財産ノ公売ヲ為スコトヲ得ズ
第一項ノ同族会社ノ株式又ハ出資ノ価額ハ同項ノ処分ヲ為ス時ニ於ケル該当同族会社ノ資産ノ総額ヨリ債務ノ総額ヲ控除シタル額ヲ其ノ株式又ハ出資ノ数ニテ除シタル額ヲ基礎トシテ計算シタル額ニ依ル
第一項ノ同族会社ハ第三十二條ノ適用ニ付テハ之ヲ納税者ト看做ス
第一項ノ規定ハ当該同族会社ヨリ納税人ニ対スル求償権ノ行使ヲ妨ゲズ
第一項ノ同族会社トハ同項ノ納税人ヲ其ノ判定ノ基礎トナル株主又ハ社員トシテ選定シタル場合ニ法人税法第七條の二第一項ノ同族会社ニ該当スル会社ヲ謂ヒ同族会社ナリヤ否ヤノ判定ハ第一項ノ処分ヲ為ス時ノ現況ニ依ル
第四條ノ七 納税人国税ヲ滯納シタル場合ニ於テ其ノ財産ノ差押ヲ免ルル為其ノ親族其ノ他当該納税人ト特殊ノ関係アル個人ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノ又ハ当該納税人ガ株式若ハ出資ヲ有スル同族会社ニ対シ贈與シ又ハ著シク低キ額ノ対価ヲ以テ讓渡シタル財産(当該滯納ニ係ル国税中納期限ノ最モ古キモノノ納期限ノ二箇年前マデニ贈與又ハ讓渡シタルモノヲ除ク)アルトキハ当該納税人ニ就キ滯納処分ヲ執行スルモ仍徴收スベキ国税及滯納処分費ニ不足スト認メラルルトキニ限リ此等ノ者ガ現ニ有スル当該財産(当該財産ノ異動ニ因リ取得シタル財産及此等ノ財産ニ起因シテ取得シタル財産ヲ含ム)ノ価額(納税人ニ対シ当該財産ノ対価トシテ支拂ヒタル額アルトキハ其ノ額ヲ控除シタル金額)ノ限度ニ於テ此等ノ者ヲシテ其ノ滯納ニ係ル国税及滯納処分費ヲ納付セシム
前條第二項、第三項及第五項乃至第七項ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス但シ同條第二項、第三項、第五項及第六項中同族会社トアルハ前項ニ依ル処分ヲ受ケタル者トス
第四條ノ六を第四條ノ八とし、以下第四條ノ八までを二條ずつ繰り下げる。
第七條及び第八條を次のように改める。
第七條 政府ハ納税人左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ当該各号ノ事由ニ因リ其ノ徴收セラルベキ又ハ納付スベキ国税及滯納処分費ノ全部又ハ一部ヲ金銭ヲ以テ一時ニ徴收シ又ハ納付スルコト能ハズト認ムルトキハ其ノ徴收シ又ハ納付スルコト能ハズト認メラルル金額ヲ限度トシテ当該納税人ノ申請ニ依リ一箇年以内ノ期間ヲ限リ其ノ徴收ヲ猶予スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ徴收ノ猶予ハ分割徴收ノ方法ニ依ルコトヲ妨ゲズ
一 納税人其ノ資産ニ付震災、風水害、落雷、火災若ハ此等ニ類スル災害ヲ受ケ又ハ盜難ニ罹リタルトキ
二 納税人又ハ其ノ同居ノ親族疾病ニ罹リタルトキ
三 納税人其ノ事業ヲ廃止又ハ休止シタルトキ
四 納税人其ノ事業ニ付甚大ナル損失ヲ受ケタルトキ
五 其ノ他前各号ノ事由ニ類スル事由アリタルトキ
納税人政府ガ其ノ賦課ヲ為ス権利ヲ行使シ得ル時ヨリ一箇年ヲ経過シタル後国税(利子税額及加算税額ヲ除ク以下本項中同ジ)ノ賦課ヲ受ケタル場合ニ於テ当該賦課ニ因リ徴收セラルベキ税額(当該国税ニ係ル利子税額及加算税額、延滯加算税額並滯納処分費ヲ含ム)ノ全部又ハ一部ヲ金銭ヲ以テ一時ニ徴收シ又ハ納付スルコト能ハザル事由アルトキ亦前項ニ同ジ但シ其ノ徴收ノ猶予ノ申請ハ当該国税ノ納期限内ニ為スコトヲ要スルモノトシ、其ノ徴收ヲ猶予スベキ期間ハ当該国税ノ納期限ヨリ一箇年以内トス
昭和二十二年法律第百七十五号(災害被害者ニ対スル租税ノ減免、徴收猶予等ニ関スル法律)第九條ニ依リ徴收ノ猶予ヲ受クルコトヲ得ル場合ニ於テハ当該災害ニ因ル徴收ノ猶予ニ付テハ第一項ニ拘ラズ同法ニ定ムル所ニ依ル
第七條ノ二 政府ハ前條第一項ニ依リ徴收ヲ猶予スル場合ニ於テ其ノ徴收ヲ猶予スル金額ガ五万円ヲ超エ且当該金額ノ徴收ヲ確保スル為必要アリト認ムルトキハ其ノ徴收ヲ猶予スル金額ヲ限度トシテ相当ノ担保ヲ徴スルコトヲ得
政府ハ前條第二項ニ依リ徴收ヲ猶予スル場合ニ於テハ其ノ徴收ヲ猶予スル金額ヲ限度トシテ相当ノ担保ヲ徴スベシ但シ其ノ徴收ヲ猶予スル金額ガ五万円以下ナル場合及相当ノ担保ヲ徴シ難キ特別ノ事情アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前二項ニ依リ担保ヲ徴スル場合ニ於テ其ノ徴收ヲ猶予スル国税及滯納処分費ニ付差押ヘタル財産アルトキハ当該担保ノ額ハ其ノ徴收ヲ猶予スル金額ヨリ当該差押ニ係ル財産ノ価額ヲ控除シタル額ヲ限度トス
政府ハ前條ニ依リ徴收ヲ猶予シタル場合ニ於テ其ノ徴收ヲ猶予シタル国税及滯納処分費ニ付差押ヘタル財産アルトキハ納税人ノ申請ニ依リ当該差押ヲ解除スルコトヲ得
政府ハ担保物ノ価額減少シ若ハ保証人ノ資力徴收ヲ猶予シタル金額ノ納付ニ堪ヘザルニ到リタルモノト認ムル場合又ハ前項ニ依リ差押ヲ解除シタル場合ニ於テハ増担保其ノ他担保ノ提供又ハ保証人ノ変更其ノ他担保ノ変更ヲ求ムルコトヲ得
第一項及第二項ノ担保ノ種類及其ノ提供ノ手続ニ付必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條ノ三 第七條ニ依リ徴收ノ猶予ヲ受ケタル者左ノ場合ニ該当スルトキハ政府ハ其ノ徴收ヲ猶予シタル国税及滯納処分費ノ全部又ハ一部ニ付其ノ徴收ノ猶予ヲ取消シ之ヲ一時ニ徴收スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ緊急ノ必要アル場合ヲ除クノ外予メ其ノ徴收ノ猶予ヲ受ケタル者ノ弁明ヲ聞クコトヲ要ス
一 分割徴收ヲ認メタル国税及滯納処分費ヲ期限内ニ納付セザルトキ
二 前條第五項ノ求ニ応ゼザルトキ
三 其ノ徴收ノ猶予ヲ受ケタル者資力回復シ従前ノ條件ニ依リ徴收ノ猶予ヲ為スコト不適当ト認メラルルトキ
四 第四條ノ一各号ノ事由生ジタル場合ニシテ其ノ徴收ヲ猶予シタル期限ニ到リ其ノ徴收ヲ猶予シタル国税及滯納処分費ノ徴收ヲ完ウスルコト能ハズト認メラルルトキ
第七條ニ依リ徴收ノ猶予ヲ受ケタル者其ノ徴收ノ猶予ヲ受ケタル国税及滯納処分費ヲ期限内ニ納付セザル場合又ハ前項ニ依リ徴收ヲ為ス場合ニ於テ其ノ徴收スベキ国税及滯納処分費ニ付徴シタル担保アルトキハ滯納処分ノ場合ノ財産ノ処分ノ例ニ依リ当該担保物ヲ処分シテ其ノ徴收スベキ国税及滯納処分費並担保物ノ処分費ニ充テ又ハ保証人ヲシテ其ノ徴收スベキ国税及滯納処分費ヲ納付セシム此ノ場合ニ於テ担保物ノ価額徴收スベキ国税及滯納処分費並担保物ノ処分費ニ充テ仍不足アルトキハ納税人ノ他ノ財産ニ就キ滯納処分ヲ行ヒ保証人其ノ納付スベキ金額ヲ完納セザルトキハ納税人ニ対シ滯納処分ヲ行ヒ仍不足アルトキ又ハ納税人ニ対シ滯納処分ヲ行フモ仍不足アリト認ムルトキハ保証人ニ対シ滯納処分ヲ行フ
前項ノ保証人ハ第三十二條ノ適用ニ付テハ之ヲ納税者ト看做ス
第七條ニ依リ徴收ヲ猶予シタル場合ニ於テ其ノ徴收ヲ猶予シタル国税及滯納処分費ニ付差押ヘタル財産中債権又ハ天然若ハ法定ノ果実ヲ生ズル財産アルトキハ政府ハ其ノ徴收ヲ猶予シタル後ニ於テモ第三債務者ヨリ給付ヲ受ケタル財産又ハ其ノ取得シタル天然若ハ法定ノ果実ヲ以テ其ノ徴收ヲ猶予シタル国税及滯納処分費ニ充ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テ第三債務者ヨリ給付ヲ受ケタル財産又ハ其ノ取得シタル天然若ハ法定ノ果実通貨以外ノ財産ナルトキハ第二十四條又ハ第二十五條ニ依リ之ヲ処分シ其ノ代金ヲ以テ当該国税及滯納処分費ニ充ツルモノトス
第七條ニ依リ徴收ヲ猶予シタル国税及滯納処分費ニ付徴シタル担保物ニ付当該国税及滯納処分費以外ノ公課ノ滯納ニ因ル滯納処分若ハ強制執行アリタル場合又ハ競売ノ開始アリタル場合ニ於テ当該行政機関、公共団体、執行裁判所、執行吏又ハ強制管理人ニ対シ当該国税及滯納処分費ノ交付ヲ求メタルトキハ当該担保物ノ価格ヲ限度トシ当該国税及滯納処分費ハ当該担保物ニ付滯納処分ヲ為シ又ハ此等ノ者ニ対シ交付ヲ求メタル国税及其ノ滯納処分費並地方公共団体ノ徴收金(当該担保物ニ付滯納処分ヲ為シタル国税ノ滯納処分費並地方税ノ滯納処分費及督促手数料ヲ除ク)ニ先チテ之ヲ徴收ス
第八條 第七條第一項第一号若ハ第二号若ハ昭和二十二年法律第百七十五号第九條ニ依リ徴收ヲ猶予シタル場合又ハ第十二條第一項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テハ其ノ徴收ヲ猶予シ又ハ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル国税ニ係ル利子税額中当該猶予又ハ停止ヲ為シタル期間ニ対応スル部分ノ金額ノ全部又ハ一部ヲ免除スルコトヲ得
第九條第二項を次のように改める。
前項ノ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス但シ第四條ノ一各号ノ事由アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
同條第三項中「所得税法其ノ他ノ法律ニ依リ税額ニ併セ納付スベキ利子税額並税額ニ加算シテ徴收セラルベキ過少申告加算税額、過少納付加算税額、無申告加算税額、源泉徴收加算税額、軽加算税額、加算税額及重加算税額」を「利子税額及加算税額並所得税法第六十二條の四第一項ニ依ル加算税額」に改め、同條第九項中「免除スルコトヲ得」の下に「但シ第三号乃至第五号ノ場合ニ在リテハ当該猶予又ハ停止ヲ為シタル期間ニ対応スル部分ノ金額ニ限ル」を加え、同項第三号を同項第六号とし、同項第二号の次に次の三号を加える。
三 第七條第一項又ハ昭和二十二年法律第百七十五号第九條ニ依リ徴收ヲ猶予シタル場合
四 第十二條第一項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル場合
五 第十二條ノ二第一項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ猶予シタル場合
同條に次の一項を加える。
第一項ニ依ル督促ハ民法第百五十三條ノ規定ニ拘ラズ時効中断ノ効力ヲ有ス
第十條第一号中「督促手数料及」を削る。
第十二條を次のように改める。
第十二條 滯納者左ノ場合ニ該当スルトキハ政府ハ滯納処分ノ執行ヲ停止スルコトヲ得
一 差押ヘ得ル財産ノ価額滯納処分費及第三條ニ依リ国税ニ先チテ徴收スル債権額ニ充テ残余ヲ得ル見込ナキトキ
二 差押ヘ得ル財産ノ凡テニ付滯納処分ヲ為シタルモ仍徴收スベキ国税及滯納処分費ニ残余アルトキ
三 滯納処分ノ執行ニ因リ滯納者ノ生活ヲ著シク窮迫ノ状態ニ陷ラシムル虞アルトキ
四 滯納者ノ所在不明ニシテ差押ヘ得ル財産不明ノトキ
政府ハ前項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタルトキハ其ノ旨ヲ滯納者ニ通知スベシ
政府ハ第一項第一号又ハ第三号ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ其ノ停止シタル国税及滯納処分費ニ付差押ヘタル財産アルトキハ当該差押ヲ解除スベシ
第一項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル後三箇年以内ニ於テ滯納者左ノ場合ニ該当スト認ムルトキハ政府ハ爾後其ノ執行ノ停止ヲ取消スベシ此ノ場合ニ於テハ政府ハ其ノ旨ヲ滯納者ニ通知スベシ
一 第一項第一号ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ同号ノ事由存セザルニ到リ且同項第三号ノ事由ナキトキ
二 第一項第二号ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ差押ヘ得ル財産存スルニ到リ且同項第一号及第三号ノ事由ナキトキ
三 第一項第三号ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ同号ノ事由存セザルニ到リ且同項第一号ノ事由ナキトキ
四 第一項第四号ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ同号ノ事由存セザルニ到リ且同項第一号及第三号ノ事由ナキトキ
第一項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル国税及滯納処分費ノ納付ノ義務ハ前項ニ依リ滯納処分ノ執行ノ停止ヲ取消シタル場合ヲ除クノ外其ノ滯納処分ノ執行ヲ停止シタル後三箇年ヲ経過シタル時ニ於テ消滅ス
第一項ニ依ル滯納処分ノ執行ノ停止ハ時効ノ進行ヲ妨ゲズ
第十二條ノ二 第七條第一項ニ該当スル場合ヲ除クノ外滯納処分ノ執行ニ因リ滯納者ノ事業ノ継続ヲ著シク阻害スル虞アリ且其ノ執行ノ猶予ガ直ニ其ノ執行ヲ為ス場合ニ比シ其ノ滯納ニ係ル国税及滯納処分費ノ徴收上有利ナリト認ムルトキハ政府ハ二箇年以内ノ期間ヲ限リ当該国税及滯納処分費ノ全部又ハ一部ノ滯納処分ノ執行ヲ猶予スルコトヲ得
政府ハ前項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ猶予シタルトキハ其ノ旨ヲ滯納者ニ通知スベシ
第一項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ猶予シタル期間内ニ於テ滯納者左ノ場合ニ該当スト認ムルトキハ政府ハ爾後其ノ執行ノ猶予ヲ取消スベシ此ノ場合ニ於テハ政府ハ其ノ旨ヲ滯納者ニ通知スベシ
一 第四條ノ一各号ノ事由生ジタルトキ
二 新ニ他ノ国税ヲ滯納シタルトキ
三 滯納処分ノ執行ニ因リ滯納者ノ事業ノ継続ヲ著シク阻害スル虞ナキニ到リタルトキ
四 滯納処分ノ執行ノ猶予ガ当該滯納ニ係ル国税及滯納処分費ノ徴收上有利ナリト認メラレザルニ到リタルトキ
第一項ニ依リ滯納処分ノ執行ヲ猶予シタル国税及滯納処分費ニ付テハ其ノ執行ヲ猶予シタル間時効ハ進行セザルモノトス
第十五條中「讓受人其ノ情ヲ知リ讓受ケ」を削り、同條に次の但書を加える。
但シ讓受人又ハ転得者其ノ讓受又ハ転得ノ当時其ノ情ヲ知ラザリシトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十六條第一項第二号中「同居親族ニ必要ナル三箇月間ノ食料及薪炭」を「同居ノ親族ノ生活上必要ナル六箇月間ノ食料及薪炭」に改め、同項第三号を同項第五号とし、以下二号ずつ繰り下げ、同項第二号の次に次の二号を加える。
三 主トシテ自己ノ労力ニ依リ農業ヲ営ム者ノ農業上欠クベカラザル器具、肥料、牛馬及其ノ飼料並次ノ收穫マデ農業ヲ続行スル為欠クベカラザル種子
四 前号ノ者ヲ除クノ外技術者、職人、労役者其ノ他主トシテ自己ノ知的又ハ肉体的労働ニ依リ職業ニ従事シ又ハ営業ヲ営ム者ノ業務上欠クベカラザル物(商品ヲ除ク)
第十七條中「左ニ掲グル物件」の下に「(前條第一項第三号又ハ第四号ニ掲グル物件ヲ除ク)」を加え、「督促手数料、」を削り、同條第二号中「職業」を「職業又ハ営業」に改める。
第二十一條ノ二を第二十一條ノ三とし、第二十一條の次に次の一條を加える。
第二十一條ノ二 收税官吏第二十條ノ処分、差押又ハ差押物件ノ搬出ヲ為ス間ハ滯納者、其ノ同居ノ親族、前條ノ立会人及滯納者ノ租税ニ関スル申告、申請其ノ他ノ事項ニ付政府又ハ裁判所ニ対シ当該滯納者ヲ代理スル権限ヲ有スル者ヲ除クノ外何人ニ限ラズ許可ヲ得ズシテ其ノ場所ニ出入スルヲ禁ズルコトヲ得
第二十三條ノ一第二項中「督促手数料、」を削る。
第二十八條第一項及び第二項中「督促手数料、」を削り、同條第三項中「督促手数料及」を削る。
第二十九條中「督促手数料、」を削る。
第三十一條を次のように改める。
第三十一條 滯納処分ハ滯納者ノ所轄国税局又ハ税務署ノ收税官吏之ヲ行フ但シ差押フベキ財産又ハ差押ヘタル財産当該国税局又ハ税務署ノ管轄区域外ニ在ルトキハ收税官吏ハ其ノ財産所在地ノ所轄国税局又ハ税務署ノ收税官吏ニ滯納処分ノ引継ヲ為スコトヲ得
第三十一條ノ五中「、督促手数料」を削る。
第三十一條ノ六第一項及び第三項中「、督促手数料」を削り、同條第四項中「、督促手数料」を削り、「農業確定申告書」を「同法第二十九條第一項又ハ第二項ニ依ル申告書」に改める。
第三十二條ノ二中「第二十一條ノ二」を「第二十一條ノ三」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和二十六年四月一日から施行する。
2 改正後の国税徴收法(以下「新法」という。)第二條第四項、第五項及び第七項、第四條ノ二から第四條ノ四まで、第七條から第七條ノ三まで、第十二條並びに第十二條ノ二の規定の適用については、当分の間、督促手数料及び延滯金は、滯納処分費とみなす。
3 新法第二條第四項及び第五項の規定は、同條第四項に掲げる者に対しこの法律施行の際現に交付要求中の、及びこの法律施行後交付を要求する国税及び滯納処分費と地方公共団体の徴收金(同條第一項に規定する地方公共団体の徴收金をいう。)との間における徴收の順位について適用する。
4 新法第二條第七項の規定は、この法律施行後徴收する国税と滯納処分費との間における徴收の順位について適用する。
5 新法第四條ノ二及び第四條ノ三の規定は、この法律施行後相続の開始又は法人の合併があつた場合における被相続人(包括遺贈者を含む。)又は合併に因り消滅する法人に係る国税及び滯納処分費について適用し、この法律施行前に相続の開始があつた場合における被相続人に係る国税及び滯納処分費については、なお従前の例による。
6 新法第四條ノ四の規定は、この法律施行後残余財産の分配又は引渡をする法人に係る国税及び滯納処分費について適用する。
7 新法第四條ノ六及び第四條ノ七の規定は、この法律施行後滯納した国税及びその滯納処分費について適用する。
8 新法第八條及び第九條第九項第三号の規定は、この法律施行の際現に災害被害者に対する租税の減免、徴收猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第九條の規定により徴收猶予中の国税に係る利子税額及び延滯加算税額についても適用する。但し、新法第八條及び第九條第九項第三号の規定により免除することができる利子税額及び延滯加算税額は、この法律施行後の期間に対応する部分の金額に限るものとする。
9 新法第九條第二項及び第十項の規定は、この法律施行後する督促について適用する。
10 この法律施行前にした督促に係る督促手数料の徴收については、なお従前の例による。但し、第二項の規定の適用を妨げない。
11 この法律施行前に徴收した督促手数料及び前項の規定により徴收した督促手数料に過誤納があつた場合の還付及び充当並びに過誤納に係る国税、督促手数料及び滯納処分費、国税徴收法第三十一條ノ六の規定による還付加算金、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)第三十六條第三項又は第三十六條の二第三項の規定による還付金(同法第三十六條第六項又は第三十六條の二第三項の規定による加算金を含む。)並びに法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第二十六條の三第四項の規定による還付金(同條第六項の規定による加算金を含む。)の前項の規定により徴收すべき督促手数料に対する充当については、なお従前の例による。
12 新法第十五條の規定は、この法律施行後行為の取消を求める場合について適用し、この法律施行前に行為の取消を求めた場合については、なお従前の例による。
13 新法第十六條第一項第三号及び第四号並びに第十七條の規定は、この法律施行後する差押について適用し、この法律施行前にした差押については、なお従前の例による。
14 新法第三十一條の規定は、この法律施行の際現に存する滯納に係る滯納処分についても適用する。
15 新法第三十一條ノ六第四項の規定の適用については、当分の間、農業確定申告書は、確定申告書とみなす。
16 第十七項において「旧国税」とは、左に掲げる国税をいう。
一 昭和二十四年分以前の所得税(昭和二十四年十二月三十一日以前の支拂に係る給與所得及び退職所得に対する源泉徴收に係る所得税を含む。)
二 法人の昭和二十五年三月三十一日以前に終了した事業年度(法人税法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第七十二号)による改正前の法人税法第二十一條の規定により一事業年度とみなされた期間を含む。)分の法人税(清算所得に対する法人税を除く。)
三 昭和二十四年十二月三十一日以前に開始した相続に係る相続税及び同日以前になされた贈與に係る贈與税
四 昭和二十四年十二月三十一日以前に製造場から移出した物品に係る物品税
五 取引高税、非戦災家屋税、非戦災者税、増加所得税、財産税、戦時補償特別税及び臨時利得税
17 政府は、納税人につき新法第七條第一項各号の一に該当する事由その他相当の事由がある場合において、当該事由に因りその徴收し、又は納付すべき旧国税(当該旧国税にあわせ、又は加算して徴收せられるべき又は納付すべき政令で定める税額、延滯金及び滯納処分費を含む。)の全部又は一部を金銭をもつて一時に徴收し、又は納付することができないと認めるときは、同條の規定にかかわらず、その徴收し、又は納付することができないと認められる金額を限度として、当該納税人の申請により、二年以内の期間を限つてその徴收を猶予することができる。この場合においては、その徴收の猶予は、分割徴收の方法によることを妨げない。
18 前項の規定による徴收の猶予については、これを新法第七條第一項の規定による徴收の猶予とみなして、新法第七條の二から第八條まで及び第九條第九項第三号の規定を適用する。但し、その徴收を猶予する金額が十万円をこえ、且つ、当該金額の徴收を確保するため必要があると認められる場合に限り、その徴收を猶予する金額を限度として相当の担保を徴することができるものとし、新法第八條の規定の適用については、当該徴收の猶予のうち同法第七條第一項第一号又は第二号に該当する事由に因るものを同條第一項第一号又は第二号の規定による徴收の猶予とみなす。
19 政府は、新法第七條第一項各号の一に該当する事由その他相当の事由に因り国税を滯納している者については、その申請により、当該国税に係る未納の延滯金のうち税額百円につき一日八銭をこえる割合で計算した部分の金額を税額百円につき一日八銭の割合で計算した額に軽減することができる。
20 政府は、新法第七條第一項各号の一に該当する事由その他相当の事由に因り加算税(国税の延滯金等の特例に関する法律(昭和二十五年法律第七十八号)第二條に規定する税額をいう。以下同じ。)を滯納している者については、その申請により、当該加算税のうち昭和二十四年十二月三十一日以前の期間に対応する部分の金額を税額百円につき一日四銭の割合で計算した額に軽減することができる。
21 政府は、加算税を加算して納付した、若しくは徴收した又は納付し、若しくは徴收する国税について、左に掲げる事由があるときは、納税人の申請により、当該加算税のうち昭和二十四年十二月三十一日以前の期間に対応する部分の金額を税額百円につき一日四銭の割合で計算した額に軽減することができる。但し、当該国税について納税人に詐偽その他不正の行為があつた場合は、この限りでない。
一 当該国税が申告期限から一年を経過した後になされた更正又は決定に係るものであること。
二 当該国税が更正又は決定の後になされた修正申告又は更正に係るものであること。
三 当該国税が通信、交通その他の状況によりやむを得ない事情で申告期限後になされた申告に係るものであること。
22 政府は、前項の規定により加算税を軽減した場合においては、納税人の申請により、当該加算税又は当該加算税を加算して納付した、若しくは徴收した若しくは納付し、若しくは徴收する国税に係る延滯金のうち、税額百円につき一日八銭をこえる割合で計算した部分の金額を税額百円につき一日八銭の割合で計算した額に軽減することができる。
23 この法律施行前に納付した又は徴收した加算税又は延滯金のうち前二項の規定による軽減に因り過納となつた部分の金額については、昭和二十六年六月三十日までに還付の請求があつた場合に限り、これを還付し、又は未納の国税、督促手数料、延滯金若しくは滯納処分費に充当する。
24 国税徴收法第三十一條ノ六の規定は、第二十一項又は第二十二項の規定による軽減に因り過納となつた加算税又は延滯金の金額を還付し、又は充当する場合には適用しない。
25 所得税法の一部を次のように改正する。
第三十六條第七項中「、督促手数料」を削る。
第四十三條第三項中「残余財産を分配したときは、」を「残余財産の分配又は引渡をしたときは、」に、「清算人」を「清算人及び残余財産の分配又は引渡を受けた者」に改め、同項に次の但書を加える。
但し、清算人は、その分配又は引渡をした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額の限度においてその責に任ずる。
同條に次の一項を加える。
前條但書の規定は、国税徴收法第二十九條の規定の適用を妨げない。
26 法人税法の一部を次のように改正する。
第二十六條の三第五項中「、督促手数料」を削る。
第二十七條中「残余財産を分配したときは、」を「残余財産の分配又は引渡をしたときは、」に、「残余財産の分配」を「残余財産の分配又は引渡」に改め、同條但書を次のように改める。
但し、清算人は、その分配又は引渡をした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額の限度においてその責に任ずる。
同條に次の一項を加える。
前項但書の規定は、国税徴收法第二十九條の規定の適用を妨げない。
27 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第四十條第五項中「、督促手数料」を削る。
28 資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号)の一部を次のように改正する。
第六十三條第一項中「残余財産を分配したときは、」を「残余財産の分配又は引渡をしたときは、」に、「残余財産の分配」を「残余財産の分配又は引渡」に改め、同項但書を次のように改める。
但し、清算人は、その分配又は引渡をした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額の限度においてその責に任ずる。
同條第二項を同條第三項とし、同條第一項の次に次の一項を加える。
2 前項但書の規定は、国税徴收法(明治三十年法律第二十一号)第二十九條の規定の適用を妨げない。
第六十四條中「(明治三十年法律第二十一号)」を削る。
29 酒税法(昭和十五年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第四十六條第二項中「、督促手数料」を削る。
30 物品税法(昭和十五年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第十條ノ三第二項中「、督促手数料」を削る。
31 砂糖消費税法(明治三十四年法律第十三号)の一部を次のように改正する。
第四條ノ三第二項中「、督促手数料」を削る。
32 揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第五條の二第二項中「、督促手数料」を削る。
33 第二十五項、第二十六項又は第二十八項の規定による改正後の所得税法第四十三條第三項及び第四項、法人税法第二十七條又は資産再評価法第六十三條第一項及び第二項の規定は、この法律施行後残余財産の分配又は引渡をする法人に係る所得税法第四十三條第一項の規定により徴收すべき税金、法人税又は再評価税について適用し、この法律施行前に残余財産の分配をした法人に係るこれらの税金については、なお従前の例による。
34 健康保險法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第四條第三項中「徴收ノ告知」の下に「又ハ督促」を加える。
第十一條第二項後段を次のように改める。
此ノ場合ニ於テ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス
第十一條ノ四中「国税徴收法第四條ノ七及第四條ノ八」を「国税徴收法第四條ノ九及第四條ノ十」に改める。
35 船員保險法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第五條に次の一項を加える。
第十二條第一項ノ規定ニ依ル督促ハ民法第百五十三條ノ規定ニ拘ラズ時効中断ノ効力ヲ有ス
第十二條第二項後段を次のように改める。
此ノ場合ニ於テ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス
第十四條中「国税徴收法第四條ノ七及第四條ノ八」を「国税徴收法第四條ノ九及第四條ノ十」に改める。
36 厚生年金保險法(昭和十六年法律第六十号)の一部を次のように改正する。
第五條に次の一項を加える。
第十一條第一項ノ規定ニ依ル督促ハ民法第百五十三條ノ規定ニ拘ラズ時効中断ノ効力ヲ有ス
第十一條第四項を次のように改める。
第二項ノ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス
第十三條中「国税徴收法第四條ノ七及第四條ノ八」を「国税徴收法第四條ノ九及第四條ノ十」に改める。
37 労働者災害補償保險法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第三十一條第二項後段を次のように改める。
この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
同項の次に次の一項を加える。
第一項の規定による督促は、民法第百五十三條の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
第三十四條中「国税徴收法第四條の七及び第四條の八」を「国税徴收法第四條ノ九及び第四條ノ十」に改める。
38 失業保險法(昭和二十二年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。
第三十五條第二項後段を次のように改める。
この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
同項の次に次の一項を加える。
第一項の規定による督促は、民法第百五十三條の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
同條第三項中「前二項」を「第一項」に改める。
第三十八條中「国税徴收法第四條ノ七及び第四條ノ八」を「国税徴收法第四條ノ九及び第四條ノ十」に改める。
39 第三十四項から前項までの規定による改正後の健康保險法第四條第三項及び第十一條第二項、船員保險法第五條第二項及び第十二條第二項、厚生年金保險法第五條第二項及び第十一條第四項、労働者災害補償保險法第三十一條第二項及び第三項並びに失業保險法第三十五條第二項及び第三項の規定は、この法律施行後する督促について適用し、この法律施行前にした督促に係る督促手数料の徴收については、なお従前の例による。
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣 黒川武雄
労働大臣 保利茂
内閣総理大臣 吉田茂
国税徴収法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第七十八号
国税徴収法の一部を改正する法律
国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「並其ノ督促手数料及滞納処分費」を「及其ノ滞納処分費」に改め、「以下本条中同ジ」を削り、同条第二項中「並其ノ督促手数料及滞納処分費」を「及其ノ滞納処分費」に、「地方公共団体ノ徴収金」を「他ノ国税及其ノ滞納処分費並地方公共団体ノ徴収金」に改め、同条第三項を削り、同条第四項中「並其ノ督促手数料及滞納処分費」を「及其ノ滞納処分費」に、「当該地方公共団体ノ徴収金」を「其ノ差押ニ係ル地方公共団体ノ徴収金」に改め、同項の次に次の二項を加える。
納税人公課ノ滞納ニ因リ滞納処分ヲ受ケタルトキ、強制執行ヲ受ケタルトキ、競売ノ開始アリタルトキ又ハ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキニ於テ収税官吏ガ当該行政機関、公共団体、執行裁判所、執行吏、強制管理人又ハ破産管財人ニ対シ交付ヲ求メタル国税及其ノ滞納処分費ハ此等ノ者ニ対シ交付ヲ求メタル地方公共団体ノ徴収金ト同順位ニテ之ヲ徴収ス此ノ場合ニ於テ此等ノ処分アリタル日前ニ納期ノ到来シタル国税及其ノ滞納処分費並地方公共団体ノ徴収金ハ其ノ日以後納期ノ到来シタル国税及其ノ滞納処分費並地方公共団体ノ徴収金ニ先チテ之ヲ徴収ス
前項後段ノ適用ニ付テハ国税中利子税額、過少申告加算税額、過少納付加算税額、無申告加算税額、源泉徴収加算税額、軽加算税額及重加算税額(以下利子税額及加算税額ト謂フ)、延滞加算税額並国税ノ滞納処分費並地方公共団体ノ徴収金中督促手数料、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金、延滞金、延滞加算金及滞納処分費ニ在リテハ此等ノ徴収金ヲ併セ又ハ加算シテ徴収セラルル国税及地方税ノ納期ヲ以テ其ノ納期ト看做ス
同条第五項中「公課」を「国税及地方公共団体ノ徴収金以外ノ公課」に、「執達吏」を「執行吏」に、「並其ノ督促手数料及滞納処分費」を「及其ノ滞納処分費」に改め、同条第六項中「督促手数料及滞納処分費ハ」を「滞納処分費ハ其ノ」に改める。
第四条ノ一第七号を同条第八号とし、同条第六号の次に次の一号を加える。
七 納税人納税管理人ヲ定メズシテ本邦内ニ住所及居所ヲ有セザルニ至ルトキ
第四条ノ二及び第四条ノ三を次のように改める。
第四条ノ二 相続ノ開始アリタル場合ニ於テハ相続人(包括受遺者ヲ含ム)又ハ相続財団ハ被相続人(包括遺贈者ヲ含ム以下同ジ)ニ課セラルベキ又ハ被相続人ノ納付スベキ国税並被相続人ノ未納ノ国税及滞納処分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス但シ限定承認ヲ為シタル相続人ハ相続ニ因リテ得タル財産ノ価額ヲ限度トシテ其ノ義務ヲ有ス
前項ノ場合ニ於テ相続人又ハ包括受遺者二人以上アルトキハ此等ノ者ハ同項ニ依リ納付スベキ国税及滞納処分費ノ各々ニ付其ノ相続又ハ遺贈ニ因リテ得タル財産ノ価額ニ按分シテ計算シタル額ノ国税及滞納処分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス此ノ場合ニ於テ此等ノ者ハ其ノ相続又ハ遺贈ニ因リテ得タル財産ノ価額ノ限度ニ於テ其ノ納付スベキ国税及滞納処分費ニ付互ニ連帯シテ納付スルノ義務ヲ有ス
第四条ノ三 法人合併ヲ為シタル場合ニ於テハ合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リ設立シタル法人ハ合併ニ因ル消滅シタル法人ニ課セラルベキ又ハ合併ニ因リ消滅シタル法人ノ納付スベキ国税並合併ニ因リ消滅シタル法人ノ未納ノ国税及滞納処分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス
第四条ノ四 法人解散ヲ為シタル場合ニ於テ当該法人ニ課セラルベキ又ハ当該法人ノ納付スベキ国税並当該法人ノ未納ノ国税及滞納処分費ヲ納付セズシテ残余財産ノ分配又ハ引渡ヲ為シタルトキハ清算人及残余財産ノ分配又ハ引渡ヲ受ケタル者ハ連帯シテ之ヲ納付スルノ義務ヲ有ス但シ清算人ハ分配又ハ引渡ヲ為シタル財産ノ価額ノ限度ニ於テ残余財産ノ分配又ハ引渡ヲ受ケタル者ハ其ノ受ケタル財産ノ価額ノ限度ニ於テ其ノ責ニ任ズ
前項但書ノ規定ハ第二十九条ノ適用ヲ妨ゲズ
第四条ノ四中「、督促手数料」を削り、同条を第四条ノ五とし、第四条ノ五を次のように改める。
第四条ノ六 納税人国税ヲ滞納シタル場合ニ於テ其ノ有スル同族会社ノ株式又ハ出資アルトキハ当該株式又ハ出資ニ付左ニ該当スル事由アリ且当該納税人ノ財産(当該同族会社ノ株式又ハ出資ヲ除ク)ニ就キ滞納処分ヲ執行スルモ仍徴収スベキ国税及滞納処分費ニ不足スト認メラルルトキニ限リ其ノ有スル当該同族会社ノ株式又ハ出資(当該滞納ニ係ル国税中納期限ノ最モ古キモノノ納期限ノ二箇年前マデニ取得シタルモノヲ除ク)ノ価額ノ限度ニ於テ当該同族会社ヲシテ其ノ滞納ニ係ル国税及滞納処分費ヲ納付セシム
一 当該株式又ハ出資ヲ再度公売ニ付スルモ買受人ナク又ハ其ノ価格見積価格ニ達セザルコト
二 当該株式又ハ出資ノ譲渡ニ付法律又ハ定款ニ制限アル為之ヲ譲渡スルコト能ハザルコト
前項ノ場合ニ於テ当該同族会社其ノ国税及滞納処分費ヲ完納セザルトキハ当該同族会社ニ対シ滞納処分ヲ行フ但シ当該同族会社ノ財産ノ公売(政府ニ依ル買上及随意契約ヲ以テスル売却ヲ含ム以下本条中同ジ)ハ納税人ノ財産ヲ公売ニ付シタル後之ヲ為スベシ
前項ノ場合ニ於テ当該同族会社前二項ノ処分ニ付第三章ノ二ニ依ル再調査若ハ審査ノ請求又ハ訴訟ヲ提起シタルトキハ当該請求又ハ訴訟ノ繋属スル間其ノ財産ノ公売ヲ為スコトヲ得ズ
第一項ノ同族会社ノ株式又ハ出資ノ価額ハ同項ノ処分ヲ為ス時ニ於ケル該当同族会社ノ資産ノ総額ヨリ債務ノ総額ヲ控除シタル額ヲ其ノ株式又ハ出資ノ数ニテ除シタル額ヲ基礎トシテ計算シタル額ニ依ル
第一項ノ同族会社ハ第三十二条ノ適用ニ付テハ之ヲ納税者ト看做ス
第一項ノ規定ハ当該同族会社ヨリ納税人ニ対スル求償権ノ行使ヲ妨ゲズ
第一項ノ同族会社トハ同項ノ納税人ヲ其ノ判定ノ基礎トナル株主又ハ社員トシテ選定シタル場合ニ法人税法第七条の二第一項ノ同族会社ニ該当スル会社ヲ謂ヒ同族会社ナリヤ否ヤノ判定ハ第一項ノ処分ヲ為ス時ノ現況ニ依ル
第四条ノ七 納税人国税ヲ滞納シタル場合ニ於テ其ノ財産ノ差押ヲ免ルル為其ノ親族其ノ他当該納税人ト特殊ノ関係アル個人ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノ又ハ当該納税人ガ株式若ハ出資ヲ有スル同族会社ニ対シ贈与シ又ハ著シク低キ額ノ対価ヲ以テ譲渡シタル財産(当該滞納ニ係ル国税中納期限ノ最モ古キモノノ納期限ノ二箇年前マデニ贈与又ハ譲渡シタルモノヲ除ク)アルトキハ当該納税人ニ就キ滞納処分ヲ執行スルモ仍徴収スベキ国税及滞納処分費ニ不足スト認メラルルトキニ限リ此等ノ者ガ現ニ有スル当該財産(当該財産ノ異動ニ因リ取得シタル財産及此等ノ財産ニ起因シテ取得シタル財産ヲ含ム)ノ価額(納税人ニ対シ当該財産ノ対価トシテ支払ヒタル額アルトキハ其ノ額ヲ控除シタル金額)ノ限度ニ於テ此等ノ者ヲシテ其ノ滞納ニ係ル国税及滞納処分費ヲ納付セシム
前条第二項、第三項及第五項乃至第七項ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス但シ同条第二項、第三項、第五項及第六項中同族会社トアルハ前項ニ依ル処分ヲ受ケタル者トス
第四条ノ六を第四条ノ八とし、以下第四条ノ八までを二条ずつ繰り下げる。
第七条及び第八条を次のように改める。
第七条 政府ハ納税人左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ当該各号ノ事由ニ因リ其ノ徴収セラルベキ又ハ納付スベキ国税及滞納処分費ノ全部又ハ一部ヲ金銭ヲ以テ一時ニ徴収シ又ハ納付スルコト能ハズト認ムルトキハ其ノ徴収シ又ハ納付スルコト能ハズト認メラルル金額ヲ限度トシテ当該納税人ノ申請ニ依リ一箇年以内ノ期間ヲ限リ其ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ徴収ノ猶予ハ分割徴収ノ方法ニ依ルコトヲ妨ゲズ
一 納税人其ノ資産ニ付震災、風水害、落雷、火災若ハ此等ニ類スル災害ヲ受ケ又ハ盗難ニ罹リタルトキ
二 納税人又ハ其ノ同居ノ親族疾病ニ罹リタルトキ
三 納税人其ノ事業ヲ廃止又ハ休止シタルトキ
四 納税人其ノ事業ニ付甚大ナル損失ヲ受ケタルトキ
五 其ノ他前各号ノ事由ニ類スル事由アリタルトキ
納税人政府ガ其ノ賦課ヲ為ス権利ヲ行使シ得ル時ヨリ一箇年ヲ経過シタル後国税(利子税額及加算税額ヲ除ク以下本項中同ジ)ノ賦課ヲ受ケタル場合ニ於テ当該賦課ニ因リ徴収セラルベキ税額(当該国税ニ係ル利子税額及加算税額、延滞加算税額並滞納処分費ヲ含ム)ノ全部又ハ一部ヲ金銭ヲ以テ一時ニ徴収シ又ハ納付スルコト能ハザル事由アルトキ亦前項ニ同ジ但シ其ノ徴収ノ猶予ノ申請ハ当該国税ノ納期限内ニ為スコトヲ要スルモノトシ、其ノ徴収ヲ猶予スベキ期間ハ当該国税ノ納期限ヨリ一箇年以内トス
昭和二十二年法律第百七十五号(災害被害者ニ対スル租税ノ減免、徴収猶予等ニ関スル法律)第九条ニ依リ徴収ノ猶予ヲ受クルコトヲ得ル場合ニ於テハ当該災害ニ因ル徴収ノ猶予ニ付テハ第一項ニ拘ラズ同法ニ定ムル所ニ依ル
第七条ノ二 政府ハ前条第一項ニ依リ徴収ヲ猶予スル場合ニ於テ其ノ徴収ヲ猶予スル金額ガ五万円ヲ超エ且当該金額ノ徴収ヲ確保スル為必要アリト認ムルトキハ其ノ徴収ヲ猶予スル金額ヲ限度トシテ相当ノ担保ヲ徴スルコトヲ得
政府ハ前条第二項ニ依リ徴収ヲ猶予スル場合ニ於テハ其ノ徴収ヲ猶予スル金額ヲ限度トシテ相当ノ担保ヲ徴スベシ但シ其ノ徴収ヲ猶予スル金額ガ五万円以下ナル場合及相当ノ担保ヲ徴シ難キ特別ノ事情アル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前二項ニ依リ担保ヲ徴スル場合ニ於テ其ノ徴収ヲ猶予スル国税及滞納処分費ニ付差押ヘタル財産アルトキハ当該担保ノ額ハ其ノ徴収ヲ猶予スル金額ヨリ当該差押ニ係ル財産ノ価額ヲ控除シタル額ヲ限度トス
政府ハ前条ニ依リ徴収ヲ猶予シタル場合ニ於テ其ノ徴収ヲ猶予シタル国税及滞納処分費ニ付差押ヘタル財産アルトキハ納税人ノ申請ニ依リ当該差押ヲ解除スルコトヲ得
政府ハ担保物ノ価額減少シ若ハ保証人ノ資力徴収ヲ猶予シタル金額ノ納付ニ堪ヘザルニ到リタルモノト認ムル場合又ハ前項ニ依リ差押ヲ解除シタル場合ニ於テハ増担保其ノ他担保ノ提供又ハ保証人ノ変更其ノ他担保ノ変更ヲ求ムルコトヲ得
第一項及第二項ノ担保ノ種類及其ノ提供ノ手続ニ付必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第七条ノ三 第七条ニ依リ徴収ノ猶予ヲ受ケタル者左ノ場合ニ該当スルトキハ政府ハ其ノ徴収ヲ猶予シタル国税及滞納処分費ノ全部又ハ一部ニ付其ノ徴収ノ猶予ヲ取消シ之ヲ一時ニ徴収スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ緊急ノ必要アル場合ヲ除クノ外予メ其ノ徴収ノ猶予ヲ受ケタル者ノ弁明ヲ聞クコトヲ要ス
一 分割徴収ヲ認メタル国税及滞納処分費ヲ期限内ニ納付セザルトキ
二 前条第五項ノ求ニ応ゼザルトキ
三 其ノ徴収ノ猶予ヲ受ケタル者資力回復シ従前ノ条件ニ依リ徴収ノ猶予ヲ為スコト不適当ト認メラルルトキ
四 第四条ノ一各号ノ事由生ジタル場合ニシテ其ノ徴収ヲ猶予シタル期限ニ到リ其ノ徴収ヲ猶予シタル国税及滞納処分費ノ徴収ヲ完ウスルコト能ハズト認メラルルトキ
第七条ニ依リ徴収ノ猶予ヲ受ケタル者其ノ徴収ノ猶予ヲ受ケタル国税及滞納処分費ヲ期限内ニ納付セザル場合又ハ前項ニ依リ徴収ヲ為ス場合ニ於テ其ノ徴収スベキ国税及滞納処分費ニ付徴シタル担保アルトキハ滞納処分ノ場合ノ財産ノ処分ノ例ニ依リ当該担保物ヲ処分シテ其ノ徴収スベキ国税及滞納処分費並担保物ノ処分費ニ充テ又ハ保証人ヲシテ其ノ徴収スベキ国税及滞納処分費ヲ納付セシム此ノ場合ニ於テ担保物ノ価額徴収スベキ国税及滞納処分費並担保物ノ処分費ニ充テ仍不足アルトキハ納税人ノ他ノ財産ニ就キ滞納処分ヲ行ヒ保証人其ノ納付スベキ金額ヲ完納セザルトキハ納税人ニ対シ滞納処分ヲ行ヒ仍不足アルトキ又ハ納税人ニ対シ滞納処分ヲ行フモ仍不足アリト認ムルトキハ保証人ニ対シ滞納処分ヲ行フ
前項ノ保証人ハ第三十二条ノ適用ニ付テハ之ヲ納税者ト看做ス
第七条ニ依リ徴収ヲ猶予シタル場合ニ於テ其ノ徴収ヲ猶予シタル国税及滞納処分費ニ付差押ヘタル財産中債権又ハ天然若ハ法定ノ果実ヲ生ズル財産アルトキハ政府ハ其ノ徴収ヲ猶予シタル後ニ於テモ第三債務者ヨリ給付ヲ受ケタル財産又ハ其ノ取得シタル天然若ハ法定ノ果実ヲ以テ其ノ徴収ヲ猶予シタル国税及滞納処分費ニ充ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テ第三債務者ヨリ給付ヲ受ケタル財産又ハ其ノ取得シタル天然若ハ法定ノ果実通貨以外ノ財産ナルトキハ第二十四条又ハ第二十五条ニ依リ之ヲ処分シ其ノ代金ヲ以テ当該国税及滞納処分費ニ充ツルモノトス
第七条ニ依リ徴収ヲ猶予シタル国税及滞納処分費ニ付徴シタル担保物ニ付当該国税及滞納処分費以外ノ公課ノ滞納ニ因ル滞納処分若ハ強制執行アリタル場合又ハ競売ノ開始アリタル場合ニ於テ当該行政機関、公共団体、執行裁判所、執行吏又ハ強制管理人ニ対シ当該国税及滞納処分費ノ交付ヲ求メタルトキハ当該担保物ノ価格ヲ限度トシ当該国税及滞納処分費ハ当該担保物ニ付滞納処分ヲ為シ又ハ此等ノ者ニ対シ交付ヲ求メタル国税及其ノ滞納処分費並地方公共団体ノ徴収金(当該担保物ニ付滞納処分ヲ為シタル国税ノ滞納処分費並地方税ノ滞納処分費及督促手数料ヲ除ク)ニ先チテ之ヲ徴収ス
第八条 第七条第一項第一号若ハ第二号若ハ昭和二十二年法律第百七十五号第九条ニ依リ徴収ヲ猶予シタル場合又ハ第十二条第一項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テハ其ノ徴収ヲ猶予シ又ハ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル国税ニ係ル利子税額中当該猶予又ハ停止ヲ為シタル期間ニ対応スル部分ノ金額ノ全部又ハ一部ヲ免除スルコトヲ得
第九条第二項を次のように改める。
前項ノ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス但シ第四条ノ一各号ノ事由アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
同条第三項中「所得税法其ノ他ノ法律ニ依リ税額ニ併セ納付スベキ利子税額並税額ニ加算シテ徴収セラルベキ過少申告加算税額、過少納付加算税額、無申告加算税額、源泉徴収加算税額、軽加算税額、加算税額及重加算税額」を「利子税額及加算税額並所得税法第六十二条の四第一項ニ依ル加算税額」に改め、同条第九項中「免除スルコトヲ得」の下に「但シ第三号乃至第五号ノ場合ニ在リテハ当該猶予又ハ停止ヲ為シタル期間ニ対応スル部分ノ金額ニ限ル」を加え、同項第三号を同項第六号とし、同項第二号の次に次の三号を加える。
三 第七条第一項又ハ昭和二十二年法律第百七十五号第九条ニ依リ徴収ヲ猶予シタル場合
四 第十二条第一項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル場合
五 第十二条ノ二第一項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ猶予シタル場合
同条に次の一項を加える。
第一項ニ依ル督促ハ民法第百五十三条ノ規定ニ拘ラズ時効中断ノ効力ヲ有ス
第十条第一号中「督促手数料及」を削る。
第十二条を次のように改める。
第十二条 滞納者左ノ場合ニ該当スルトキハ政府ハ滞納処分ノ執行ヲ停止スルコトヲ得
一 差押ヘ得ル財産ノ価額滞納処分費及第三条ニ依リ国税ニ先チテ徴収スル債権額ニ充テ残余ヲ得ル見込ナキトキ
二 差押ヘ得ル財産ノ凡テニ付滞納処分ヲ為シタルモ仍徴収スベキ国税及滞納処分費ニ残余アルトキ
三 滞納処分ノ執行ニ因リ滞納者ノ生活ヲ著シク窮迫ノ状態ニ陥ラシムル虞アルトキ
四 滞納者ノ所在不明ニシテ差押ヘ得ル財産不明ノトキ
政府ハ前項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタルトキハ其ノ旨ヲ滞納者ニ通知スベシ
政府ハ第一項第一号又ハ第三号ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ其ノ停止シタル国税及滞納処分費ニ付差押ヘタル財産アルトキハ当該差押ヲ解除スベシ
第一項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル後三箇年以内ニ於テ滞納者左ノ場合ニ該当スト認ムルトキハ政府ハ爾後其ノ執行ノ停止ヲ取消スベシ此ノ場合ニ於テハ政府ハ其ノ旨ヲ滞納者ニ通知スベシ
一 第一項第一号ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ同号ノ事由存セザルニ到リ且同項第三号ノ事由ナキトキ
二 第一項第二号ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ差押ヘ得ル財産存スルニ到リ且同項第一号及第三号ノ事由ナキトキ
三 第一項第三号ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ同号ノ事由存セザルニ到リ且同項第一号ノ事由ナキトキ
四 第一項第四号ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル場合ニ於テ同号ノ事由存セザルニ到リ且同項第一号及第三号ノ事由ナキトキ
第一項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル国税及滞納処分費ノ納付ノ義務ハ前項ニ依リ滞納処分ノ執行ノ停止ヲ取消シタル場合ヲ除クノ外其ノ滞納処分ノ執行ヲ停止シタル後三箇年ヲ経過シタル時ニ於テ消滅ス
第一項ニ依ル滞納処分ノ執行ノ停止ハ時効ノ進行ヲ妨ゲズ
第十二条ノ二 第七条第一項ニ該当スル場合ヲ除クノ外滞納処分ノ執行ニ因リ滞納者ノ事業ノ継続ヲ著シク阻害スル虞アリ且其ノ執行ノ猶予ガ直ニ其ノ執行ヲ為ス場合ニ比シ其ノ滞納ニ係ル国税及滞納処分費ノ徴収上有利ナリト認ムルトキハ政府ハ二箇年以内ノ期間ヲ限リ当該国税及滞納処分費ノ全部又ハ一部ノ滞納処分ノ執行ヲ猶予スルコトヲ得
政府ハ前項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ猶予シタルトキハ其ノ旨ヲ滞納者ニ通知スベシ
第一項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ猶予シタル期間内ニ於テ滞納者左ノ場合ニ該当スト認ムルトキハ政府ハ爾後其ノ執行ノ猶予ヲ取消スベシ此ノ場合ニ於テハ政府ハ其ノ旨ヲ滞納者ニ通知スベシ
一 第四条ノ一各号ノ事由生ジタルトキ
二 新ニ他ノ国税ヲ滞納シタルトキ
三 滞納処分ノ執行ニ因リ滞納者ノ事業ノ継続ヲ著シク阻害スル虞ナキニ到リタルトキ
四 滞納処分ノ執行ノ猶予ガ当該滞納ニ係ル国税及滞納処分費ノ徴収上有利ナリト認メラレザルニ到リタルトキ
第一項ニ依リ滞納処分ノ執行ヲ猶予シタル国税及滞納処分費ニ付テハ其ノ執行ヲ猶予シタル間時効ハ進行セザルモノトス
第十五条中「譲受人其ノ情ヲ知リ譲受ケ」を削り、同条に次の但書を加える。
但シ譲受人又ハ転得者其ノ譲受又ハ転得ノ当時其ノ情ヲ知ラザリシトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十六条第一項第二号中「同居親族ニ必要ナル三箇月間ノ食料及薪炭」を「同居ノ親族ノ生活上必要ナル六箇月間ノ食料及薪炭」に改め、同項第三号を同項第五号とし、以下二号ずつ繰り下げ、同項第二号の次に次の二号を加える。
三 主トシテ自己ノ労力ニ依リ農業ヲ営ム者ノ農業上欠クベカラザル器具、肥料、牛馬及其ノ飼料並次ノ収穫マデ農業ヲ続行スル為欠クベカラザル種子
四 前号ノ者ヲ除クノ外技術者、職人、労役者其ノ他主トシテ自己ノ知的又ハ肉体的労働ニ依リ職業ニ従事シ又ハ営業ヲ営ム者ノ業務上欠クベカラザル物(商品ヲ除ク)
第十七条中「左ニ掲グル物件」の下に「(前条第一項第三号又ハ第四号ニ掲グル物件ヲ除ク)」を加え、「督促手数料、」を削り、同条第二号中「職業」を「職業又ハ営業」に改める。
第二十一条ノ二を第二十一条ノ三とし、第二十一条の次に次の一条を加える。
第二十一条ノ二 収税官吏第二十条ノ処分、差押又ハ差押物件ノ搬出ヲ為ス間ハ滞納者、其ノ同居ノ親族、前条ノ立会人及滞納者ノ租税ニ関スル申告、申請其ノ他ノ事項ニ付政府又ハ裁判所ニ対シ当該滞納者ヲ代理スル権限ヲ有スル者ヲ除クノ外何人ニ限ラズ許可ヲ得ズシテ其ノ場所ニ出入スルヲ禁ズルコトヲ得
第二十三条ノ一第二項中「督促手数料、」を削る。
第二十八条第一項及び第二項中「督促手数料、」を削り、同条第三項中「督促手数料及」を削る。
第二十九条中「督促手数料、」を削る。
第三十一条を次のように改める。
第三十一条 滞納処分ハ滞納者ノ所轄国税局又ハ税務署ノ収税官吏之ヲ行フ但シ差押フベキ財産又ハ差押ヘタル財産当該国税局又ハ税務署ノ管轄区域外ニ在ルトキハ収税官吏ハ其ノ財産所在地ノ所轄国税局又ハ税務署ノ収税官吏ニ滞納処分ノ引継ヲ為スコトヲ得
第三十一条ノ五中「、督促手数料」を削る。
第三十一条ノ六第一項及び第三項中「、督促手数料」を削り、同条第四項中「、督促手数料」を削り、「農業確定申告書」を「同法第二十九条第一項又ハ第二項ニ依ル申告書」に改める。
第三十二条ノ二中「第二十一条ノ二」を「第二十一条ノ三」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和二十六年四月一日から施行する。
2 改正後の国税徴収法(以下「新法」という。)第二条第四項、第五項及び第七項、第四条ノ二から第四条ノ四まで、第七条から第七条ノ三まで、第十二条並びに第十二条ノ二の規定の適用については、当分の間、督促手数料及び延滞金は、滞納処分費とみなす。
3 新法第二条第四項及び第五項の規定は、同条第四項に掲げる者に対しこの法律施行の際現に交付要求中の、及びこの法律施行後交付を要求する国税及び滞納処分費と地方公共団体の徴収金(同条第一項に規定する地方公共団体の徴収金をいう。)との間における徴収の順位について適用する。
4 新法第二条第七項の規定は、この法律施行後徴収する国税と滞納処分費との間における徴収の順位について適用する。
5 新法第四条ノ二及び第四条ノ三の規定は、この法律施行後相続の開始又は法人の合併があつた場合における被相続人(包括遺贈者を含む。)又は合併に因り消滅する法人に係る国税及び滞納処分費について適用し、この法律施行前に相続の開始があつた場合における被相続人に係る国税及び滞納処分費については、なお従前の例による。
6 新法第四条ノ四の規定は、この法律施行後残余財産の分配又は引渡をする法人に係る国税及び滞納処分費について適用する。
7 新法第四条ノ六及び第四条ノ七の規定は、この法律施行後滞納した国税及びその滞納処分費について適用する。
8 新法第八条及び第九条第九項第三号の規定は、この法律施行の際現に災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第九条の規定により徴収猶予中の国税に係る利子税額及び延滞加算税額についても適用する。但し、新法第八条及び第九条第九項第三号の規定により免除することができる利子税額及び延滞加算税額は、この法律施行後の期間に対応する部分の金額に限るものとする。
9 新法第九条第二項及び第十項の規定は、この法律施行後する督促について適用する。
10 この法律施行前にした督促に係る督促手数料の徴収については、なお従前の例による。但し、第二項の規定の適用を妨げない。
11 この法律施行前に徴収した督促手数料及び前項の規定により徴収した督促手数料に過誤納があつた場合の還付及び充当並びに過誤納に係る国税、督促手数料及び滞納処分費、国税徴収法第三十一条ノ六の規定による還付加算金、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)第三十六条第三項又は第三十六条の二第三項の規定による還付金(同法第三十六条第六項又は第三十六条の二第三項の規定による加算金を含む。)並びに法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第二十六条の三第四項の規定による還付金(同条第六項の規定による加算金を含む。)の前項の規定により徴収すべき督促手数料に対する充当については、なお従前の例による。
12 新法第十五条の規定は、この法律施行後行為の取消を求める場合について適用し、この法律施行前に行為の取消を求めた場合については、なお従前の例による。
13 新法第十六条第一項第三号及び第四号並びに第十七条の規定は、この法律施行後する差押について適用し、この法律施行前にした差押については、なお従前の例による。
14 新法第三十一条の規定は、この法律施行の際現に存する滞納に係る滞納処分についても適用する。
15 新法第三十一条ノ六第四項の規定の適用については、当分の間、農業確定申告書は、確定申告書とみなす。
16 第十七項において「旧国税」とは、左に掲げる国税をいう。
一 昭和二十四年分以前の所得税(昭和二十四年十二月三十一日以前の支払に係る給与所得及び退職所得に対する源泉徴収に係る所得税を含む。)
二 法人の昭和二十五年三月三十一日以前に終了した事業年度(法人税法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第七十二号)による改正前の法人税法第二十一条の規定により一事業年度とみなされた期間を含む。)分の法人税(清算所得に対する法人税を除く。)
三 昭和二十四年十二月三十一日以前に開始した相続に係る相続税及び同日以前になされた贈与に係る贈与税
四 昭和二十四年十二月三十一日以前に製造場から移出した物品に係る物品税
五 取引高税、非戦災家屋税、非戦災者税、増加所得税、財産税、戦時補償特別税及び臨時利得税
17 政府は、納税人につき新法第七条第一項各号の一に該当する事由その他相当の事由がある場合において、当該事由に因りその徴収し、又は納付すべき旧国税(当該旧国税にあわせ、又は加算して徴収せられるべき又は納付すべき政令で定める税額、延滞金及び滞納処分費を含む。)の全部又は一部を金銭をもつて一時に徴収し、又は納付することができないと認めるときは、同条の規定にかかわらず、その徴収し、又は納付することができないと認められる金額を限度として、当該納税人の申請により、二年以内の期間を限つてその徴収を猶予することができる。この場合においては、その徴収の猶予は、分割徴収の方法によることを妨げない。
18 前項の規定による徴収の猶予については、これを新法第七条第一項の規定による徴収の猶予とみなして、新法第七条の二から第八条まで及び第九条第九項第三号の規定を適用する。但し、その徴収を猶予する金額が十万円をこえ、且つ、当該金額の徴収を確保するため必要があると認められる場合に限り、その徴収を猶予する金額を限度として相当の担保を徴することができるものとし、新法第八条の規定の適用については、当該徴収の猶予のうち同法第七条第一項第一号又は第二号に該当する事由に因るものを同条第一項第一号又は第二号の規定による徴収の猶予とみなす。
19 政府は、新法第七条第一項各号の一に該当する事由その他相当の事由に因り国税を滞納している者については、その申請により、当該国税に係る未納の延滞金のうち税額百円につき一日八銭をこえる割合で計算した部分の金額を税額百円につき一日八銭の割合で計算した額に軽減することができる。
20 政府は、新法第七条第一項各号の一に該当する事由その他相当の事由に因り加算税(国税の延滞金等の特例に関する法律(昭和二十五年法律第七十八号)第二条に規定する税額をいう。以下同じ。)を滞納している者については、その申請により、当該加算税のうち昭和二十四年十二月三十一日以前の期間に対応する部分の金額を税額百円につき一日四銭の割合で計算した額に軽減することができる。
21 政府は、加算税を加算して納付した、若しくは徴収した又は納付し、若しくは徴収する国税について、左に掲げる事由があるときは、納税人の申請により、当該加算税のうち昭和二十四年十二月三十一日以前の期間に対応する部分の金額を税額百円につき一日四銭の割合で計算した額に軽減することができる。但し、当該国税について納税人に詐偽その他不正の行為があつた場合は、この限りでない。
一 当該国税が申告期限から一年を経過した後になされた更正又は決定に係るものであること。
二 当該国税が更正又は決定の後になされた修正申告又は更正に係るものであること。
三 当該国税が通信、交通その他の状況によりやむを得ない事情で申告期限後になされた申告に係るものであること。
22 政府は、前項の規定により加算税を軽減した場合においては、納税人の申請により、当該加算税又は当該加算税を加算して納付した、若しくは徴収した若しくは納付し、若しくは徴収する国税に係る延滞金のうち、税額百円につき一日八銭をこえる割合で計算した部分の金額を税額百円につき一日八銭の割合で計算した額に軽減することができる。
23 この法律施行前に納付した又は徴収した加算税又は延滞金のうち前二項の規定による軽減に因り過納となつた部分の金額については、昭和二十六年六月三十日までに還付の請求があつた場合に限り、これを還付し、又は未納の国税、督促手数料、延滞金若しくは滞納処分費に充当する。
24 国税徴収法第三十一条ノ六の規定は、第二十一項又は第二十二項の規定による軽減に因り過納となつた加算税又は延滞金の金額を還付し、又は充当する場合には適用しない。
25 所得税法の一部を次のように改正する。
第三十六条第七項中「、督促手数料」を削る。
第四十三条第三項中「残余財産を分配したときは、」を「残余財産の分配又は引渡をしたときは、」に、「清算人」を「清算人及び残余財産の分配又は引渡を受けた者」に改め、同項に次の但書を加える。
但し、清算人は、その分配又は引渡をした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額の限度においてその責に任ずる。
同条に次の一項を加える。
前条但書の規定は、国税徴収法第二十九条の規定の適用を妨げない。
26 法人税法の一部を次のように改正する。
第二十六条の三第五項中「、督促手数料」を削る。
第二十七条中「残余財産を分配したときは、」を「残余財産の分配又は引渡をしたときは、」に、「残余財産の分配」を「残余財産の分配又は引渡」に改め、同条但書を次のように改める。
但し、清算人は、その分配又は引渡をした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額の限度においてその責に任ずる。
同条に次の一項を加える。
前項但書の規定は、国税徴収法第二十九条の規定の適用を妨げない。
27 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第四十条第五項中「、督促手数料」を削る。
28 資産再評価法(昭和二十五年法律第百十号)の一部を次のように改正する。
第六十三条第一項中「残余財産を分配したときは、」を「残余財産の分配又は引渡をしたときは、」に、「残余財産の分配」を「残余財産の分配又は引渡」に改め、同項但書を次のように改める。
但し、清算人は、その分配又は引渡をした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡を受けた者は、その受けた財産の価額の限度においてその責に任ずる。
同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項但書の規定は、国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第二十九条の規定の適用を妨げない。
第六十四条中「(明治三十年法律第二十一号)」を削る。
29 酒税法(昭和十五年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第四十六条第二項中「、督促手数料」を削る。
30 物品税法(昭和十五年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第十条ノ三第二項中「、督促手数料」を削る。
31 砂糖消費税法(明治三十四年法律第十三号)の一部を次のように改正する。
第四条ノ三第二項中「、督促手数料」を削る。
32 揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第五条の二第二項中「、督促手数料」を削る。
33 第二十五項、第二十六項又は第二十八項の規定による改正後の所得税法第四十三条第三項及び第四項、法人税法第二十七条又は資産再評価法第六十三条第一項及び第二項の規定は、この法律施行後残余財産の分配又は引渡をする法人に係る所得税法第四十三条第一項の規定により徴収すべき税金、法人税又は再評価税について適用し、この法律施行前に残余財産の分配をした法人に係るこれらの税金については、なお従前の例による。
34 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第四条第三項中「徴収ノ告知」の下に「又ハ督促」を加える。
第十一条第二項後段を次のように改める。
此ノ場合ニ於テ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス
第十一条ノ四中「国税徴収法第四条ノ七及第四条ノ八」を「国税徴収法第四条ノ九及第四条ノ十」に改める。
35 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第五条に次の一項を加える。
第十二条第一項ノ規定ニ依ル督促ハ民法第百五十三条ノ規定ニ拘ラズ時効中断ノ効力ヲ有ス
第十二条第二項後段を次のように改める。
此ノ場合ニ於テ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス
第十四条中「国税徴収法第四条ノ七及第四条ノ八」を「国税徴収法第四条ノ九及第四条ノ十」に改める。
36 厚生年金保険法(昭和十六年法律第六十号)の一部を次のように改正する。
第五条に次の一項を加える。
第十一条第一項ノ規定ニ依ル督促ハ民法第百五十三条ノ規定ニ拘ラズ時効中断ノ効力ヲ有ス
第十一条第四項を次のように改める。
第二項ノ督促状ニ依リ指定スベキ期限ハ督促状ヲ発スル日ヨリ起算シテ十日以上経過シタル日ナルコトヲ要ス
第十三条中「国税徴収法第四条ノ七及第四条ノ八」を「国税徴収法第四条ノ九及第四条ノ十」に改める。
37 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第三十一条第二項後段を次のように改める。
この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
同項の次に次の一項を加える。
第一項の規定による督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
第三十四条中「国税徴収法第四条の七及び第四条の八」を「国税徴収法第四条ノ九及び第四条ノ十」に改める。
38 失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)の一部を次のように改正する。
第三十五条第二項後段を次のように改める。
この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
同項の次に次の一項を加える。
第一項の規定による督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
同条第三項中「前二項」を「第一項」に改める。
第三十八条中「国税徴収法第四条ノ七及び第四条ノ八」を「国税徴収法第四条ノ九及び第四条ノ十」に改める。
39 第三十四項から前項までの規定による改正後の健康保険法第四条第三項及び第十一条第二項、船員保険法第五条第二項及び第十二条第二項、厚生年金保険法第五条第二項及び第十一条第四項、労働者災害補償保険法第三十一条第二項及び第三項並びに失業保険法第三十五条第二項及び第三項の規定は、この法律施行後する督促について適用し、この法律施行前にした督促に係る督促手数料の徴収については、なお従前の例による。
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣 黒川武雄
労働大臣 保利茂
内閣総理大臣 吉田茂