塩業組合法
法令番号: 法律第107号
公布年月日: 昭和28年7月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

塩業は、塩専売法の規制下にあり、塩田採鹹作業と工場煎熬作業が併存する特殊な産業形態をとっている。特に煎熬施設の建設・維持管理には安定した組合組織と多額の資金が必要である。この特殊性を踏まえ、塩の生産維持増進と塩業者の経済的地位向上のため、中小企業等協同組合とは別個の塩業組合の設立を認めることとした。組合の特徴として、出資口数の上限を35%とし、議決権は出資口数を加味して最大6分の1まで認め、持分払戻しに条件を付すことができる。また塩業組合連合会と塩業組合中央会を設置し、組合、会社、個人の加入を可能とする。

参照した発言:
第16回国会 衆議院 大蔵委員会 第5号

審議経過

第16回国会

衆議院
(昭和28年6月17日)
参議院
(昭和28年6月18日)
衆議院
(昭和28年6月24日)
(昭和28年6月25日)
(昭和28年6月27日)
(昭和28年6月30日)
(昭和28年7月1日)
(昭和28年7月2日)
(昭和28年7月3日)
(昭和28年7月4日)
(昭和28年7月7日)
(昭和28年7月8日)
(昭和28年7月9日)
参議院
(昭和28年7月9日)
衆議院
(昭和28年7月10日)
(昭和28年7月14日)
(昭和28年7月15日)
(昭和28年7月16日)
(昭和28年7月18日)
(昭和28年7月21日)
(昭和28年7月22日)
(昭和28年7月23日)
(昭和28年7月23日)
参議院
(昭和28年7月24日)
(昭和28年7月27日)
衆議院
(昭和28年8月10日)
参議院
(昭和28年8月10日)
塩業組合法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十八年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百七号
塩業組合法
目次
第一章
総則(第一条―第七条)
第二章
事業(第八条・第九条)
第三章
組合員及び会員(第十条―第二十三条)
第四章
設立(第二十四条―第三十一条)
第五章
管理(第三十二条―第六十三条)
第六章
解散及び清算(第六十四条―第七十条)
第七章
雑則(第七十一条―第七十五条)
第八章
罰則(第七十六条―第八十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、塩業者の協同組織の健全な発達により塩業の合理化を促進し、もつて塩の生産の維持増進を図るとともに塩業者の経済的地位の向上に資することを目的とする。
(種類)
第二条 塩業組合(以下「組合」という。)は、左の各号に掲げるものとする。
一 地区塩業組合
二 塩業組合連合会
三 塩業組合中央会
2 塩業組合中央会は、全国を通じて一個とする。
(法人格及び住所)
第三条 組合は、法人とする。
2 組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(名称)
第四条 組合は、その名称中に、左の文字を用いなければならない。
一 地区塩業組合にあつては、塩業組合
二 塩業組合連合会にあつては、塩業組合連合会
三 塩業組合中央会にあつては、塩業組合中央会
2 組合でない者は、その名称中に地区塩業組合、塩業組合連合会又は塩業組合中央会であることを示す文字を用いてはならない。
3 組合の名称については、商法(明治三十二年法律第四十八号)第十九条から第二十一条まで(商号)の規定を準用する。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律との関係)
第五条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)は、組合が行う正当な行為については適用しない。但し、不公正な取引方法を用いる場合は、この限りでない。
(組合員又は会員の資格)
第六条 地区塩業組合の組合員たる資格を有する者は、その組合の地区内において塩、にがり又はかん水の製造を行う者であつて、定款で定めるものとする。
2 塩業組合連合会(以下「連合会」という。)の会員たる資格を有する者は、当該連合会の地区の全部若しくは一部を地区とする地区塩業組合若しくは塩業に関する事業協同組合又は当該連合会の地区内において塩、にがり若しくはかん水の製造を行う者であつて定款で定めるものとする。
3 塩業組合中央会(以下「中央会」という。)の会員たる資格を有する者は、連合会とする。但し、地区塩業組合若しくは塩業に関する中小企業等協同組合(企業組合を除く。)であつて、加入すべき連合会がないもの又は塩、にがり若しくはかん水の製造を行う者であつて、加入すべき地区塩業組合及び連合会がないものは、定款で定めるところにより総会の議決を経て、中央会の会員となることができる。
(登記)
第七条 組合は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
3 第一項の規定により登記した事項は、登記所において遅滞なく公告しなければならない。
第二章 事業
(地区塩業組合)
第八条 地区塩業組合は、左の事業の全部又は一部を行うことができる。
一 塩、にがり又はかん水の製造、加工又は保管その他組合員の事業に関する共同施設
二 組合員に対する事業資金の貸付(手形の割引を含む。)及び組合員のためにするその借入
三 組合員の貯金の受入
四 組合員の事業に必要な物資の購入及び加工
五 塩田その他の製塩施設の改良、造成、取得及び災害復旧
六 組合員の福利厚生に関する施設
七 組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上のため必要な指導、研究及び調査に関する施設
八 組合員の組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供に関する施設
九 組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結
十 前各号の事業に附帯する事業
2 地区塩業組合は、定款で定めるところにより、組合員以外の者にその施設を利用させることができる。但し、一事業年度における組合員以外の者の事業の利用分量の額は、その事業年度における組合員の事業の利用分量の額の五分の一をこえてはならない。
3 地区塩業組合は、定款で定める金融機関に対して組合員の負担する債務を保証し、又はその金融機関の委任を受けてその債権を取り立てることができる。
4 第一項第九号の団体協約は、あらかじめ総会の承認を得て、同号の団体協約であることを明記した書面をもつてすることによつて、その効力を生ずる。
5 第一項第九号の団体協約は、直接に組合員に対してその効力を生ずる。
6 組合員が第一項第九号の団体協約の相手方と締結する契約であつて、その内容がその団体協約の内容に違反するものについては、その違反する契約の部分は、その団体協約の内容に従つて契約したものとみなす。
(連合会及び中央会)
第九条 連合会及び中央会は、左の事業の全部又は一部を行うことができる。
一 会員に対する資金の貸付(手形の割引を含む。)及び会員のためにするその借入
二 連合会又は中央会を直接又は間接に構成する者(以下本条において「所属員」という。)の事業に必要な物資の購入、所属員の製造したにがりの製品の販売その他所属員の事業に関する共同施設
三 所属員の福利厚生に関する施設
四 所属員の事業に関する経営及び技術の改善向上のため必要な指導、研究及び調査に関する施設
五 所属員の組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供に関する施設
六 所属員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結
七 前各号の事業に附帯する事業
2 連合会及び中央会については、前条第二項から第六項までの規定を準用する。
第三章 組合員及び会員
(出資)
第十条 組合員又は会員(以下「組合員」と総称する。)は、出資一口以上を有しなければならない。
2 出資一口の金額は、均一でなければならない。
3 一組合員の出資口数は、出資総口数の百分の三十五をこえてはならない。但し、組合員の数が二人の場合は、この限りでない。
4 組合員の責任は、その出資額を限度とする。
5 組合員は、出資の払込について、相殺をもつて組合に対抗することができない。
(議決権及び選挙権)
第十一条 組合員は、各一個の議決権及び役員の選挙権を有する。但し、組合員の数が六人以下の場合を除く外、組合員一人につき、議決権又は選挙権の総数の六分の一をこえない範囲内において、定款で定めるところにより、出資口数に応じ二個以上の議決権又は選挙権を与えることができる。
2 組合員は、定款で定めるところにより、第五十二条の規定によりあらかじめ通知のあつた事項につき、書面又は代理人をもつて、議決権又は選挙権を行うことができる。この場合は、その組合員の親族若しくは使用人又は他の組合員でなければ、代理人となることができない。
3 前項の規定により議決権又は選挙権を行う者は、出席者とみなす。
4 代理人は、十人以上の組合員を代理し、又は議決権若しくは選挙権の総数の六分の一をこえる議決権若しくは選挙権を代理して行使することができない。
5 代理人は、代理権を証する書面を組合に差し出さなければならない。
(経費の賦課)
第十二条 組合は、定款で定めるところにより、組合員に経費を賦課することができる。
2 組合員は、前項の経費の支払について、相殺をもつて組合に対抗することができない。
(使用料及び手数料)
第十三条 組合は、定款で定めるところにより、使用料及び手数料を徴収することができる。
(加入の自由)
第十四条 組合員たる資格を有する者が組合に加入しようとするときは、組合は、正当な理由がないのに、その加入を拒み、又はその加入につき現在の組合員が加入の際に附されたよりも困難な条件を附してはならない。
(加入)
第十五条 組合に加入しようとする者は、定款で定めるところにより加入につき組合の承諾を得て、引受出資口数に応ずる金額の払込及び組合が加入金を徴収することを定めた場合にはその支払を了した時又は組合員の持分の全部若しくは一部を承継した時に組合員となる。
第十六条 死亡した組合員の相続人で組合員たる資格を有する者が組合に対し定款で定める期間内に加入の申出をしたときは、前条の規定にかかわらず、相続開始の時に組合員となつたものとみなす。この場合は、相続人たる組合員は、被相続人の持分について、死亡した組合員の権利義務を承継する。
2 死亡した組合員の相続人が数人あるときは、相続人の同意をもつて選定された一人の相続人に限り、前項の規定を適用する。
(持分の譲渡)
第十七条 組合員は、組合の承諾を得なければ、その持分を譲り渡すことができない。
2 組合員でない者が持分を譲り受けようとするときは、加入の例によらなければならない。
3 持分の譲受人は、その持分について、譲渡人の権利義務を承継する。
4 組合員は、持分を共有することができない。
(任意脱退)
第十八条 組合員は、九十日前までに予告し、事業年度の終において脱退することができる。
2 前項の予告期間は、定款で延長することができる。但し、その期間は、一年をこえてはならない。
(法定脱退)
第十九条 組合員は、左の事由によつて脱退する。
一 組合員たる資格の喪失
二 死亡又は解散
三 除名
2 除名は、左に掲げる組合員につき、総会の議決によつてすることができる。この場合は、組合は、その総会の会日の十日前までに、その組合員に対しその旨を通知し、且つ、総会において弁明する機会を与えなければならない。
一 長期間にわたつて組合の施設を利用しない組合員
二 出資の払込、経費の支払その他組合に対する義務を怠つた組合員
三 組合の事業を妨げ、又は妨げようとする行為のあつた組合員
四 その他定款で定める事由に該当する組合員
3 除名は、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもつてその組合員に対抗することができない。
(脱退者の持分の払戻)
第二十条 組合員は、脱退したときは、定款で定めるところにより、その持分の全部又は一部の払戻を請求することができる。
2 前項の持分は、脱退した事業年度の終における組合財産によつて定める。
3 前項の持分を計算するに当り、組合の財産をもつてその債務を完済するに足りないときは、組合は、定款で定めるところにより、脱退した組合員に対し、その負担に帰すべき損失額の払込を請求することができる。
4 第一項の請求による持分の払戻が組合の事業の運営を著しく困難にするおそれがあるときは、組合は、日本専売公社(以下「公社」という。)の承認を受けて、その払戻に関し一定の条件を附することができる。
(時効)
第二十一条 前条第一項又は第三項の規定による請求権は、脱退の時から二年間行わないときは、時効によつて消滅する。
(払戻の停止)
第二十二条 脱退した組合員が組合に対する債務を完済するまでは、組合は、持分の払戻を停止することができる。
(出資口数の減少)
第二十三条 組合員は、事業を休止したとき、事業の一部を廃止したとき、その他特にやむを得ない事由があると認められるときは、定款で定めるところにより、事業年度の終において、その出資口数を減少することができる。
2 前項の場合については、第二十条及び第二十一条の規定を準用する。
第四章 設立
(発起人)
第二十四条 地区塩業組合を設立するには、その組合員となろうとする四人以上の者が発起人となることを要する。
2 連合会を設立するには、その会員となろうとする二人以上の者が発起人となることを要する。但し、そのうち少くとも一は、地区塩業組合又は塩業に関する事業協同組合でなければならない。
3 中央会を設立するには、会員となろうとする二以上の連合会が発起人となることを要する。
(創立総会)
第二十五条 発起人は、定款を作成し、これを会議の日時及び場所とともに公告して、創立総会を開かなければならない。
2 前項の公告は、会議開催日の少くとも二週間前までにしなければならない。
3 中央会の創立総会は、連合会の過半数の同意を得なければ、開くことができない。
4 発起人が作成した定款の承認、事業計画の設定その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。
5 創立総会においては、前項の定款を修正することができる。但し、地区及び組合員たる資格に関する規定については、この限りでない。
6 創立総会の議事は、組合員たる資格を有する者であつて、その会日までに発起人に対し設立の同意を申し出たものの半数以上が出席して、その議決権の三分の二以上で決する。
7 創立総会については、第十一条(第一項但書を除く。)並びに商法第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項(特別利害関係人の議決権)、第二百四十三条(総会の延期又は続行の決議)、第二百四十四条(株主総会の議事録)、第二百四十七条から第二百五十条まで、第二百五十二条及び第二百五十三条(株主総会の決議の取消又は無効)の規定を準用する。この場合において、商法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは「塩業組合法第五十二条」と、同法第二百四十四条第二項中「取締役」とあるのは「発起人」と読み替えるものとする。
(定款の認証)
第二十六条 発起人は、創立総会終了後遅滞なく、定款につき、公社の認証を受けなければならない。
2 公社は、定款が法令に違反する場合を除いては、認証をしなければならない。
3 定款は、第一項の認証を受けなければ、その効力を生じない。
(理事への事務引継)
第二十七条 発起人は、前条第一項の認証を受けた後遅滞なく、その事務を理事に引き渡さなければならない。
(出資の第一回払込)
第二十八条 理事は、前条の規定による引渡を受けたときは、遅滞なく、出資の第一回の払込をさせなければならない。
2 前項の第一回の払込の金額は、出資一口につき、その金額の四分の一を下つてはならない。
3 現物出資者は、第一回の払込の期日に、出資の目的たる財産の全部を給付しなければならない。但し、登記、登録その他権利の設定又は移転をもつて第三者に対抗するため必要な行為は、組合成立の後にすることを妨げない。
(成立の時期)
第二十九条 組合は、主たる事務所の所在地において、政令で定めるところにより設立の登記をすることによつて、成立する。
(届出)
第三十条 組合は、成立の日から二週間以内に公社に役員名簿を添えてその旨を届け出なければならない。役員名簿の記載事項に変更を生じたときも、また同様とする。
(商法の準用)
第三十一条 組合の設立については、商法第四百二十八条(株式会社の設立の無効)の規定を準用する。
第五章 管理
(定款)
第三十二条 組合の定款には、左の事項を記載しなければならない。
一 事業
二 名称
三 地区
四 事務所の所在地
五 組合員たる資格に関する規定
六 組合員の加入及び脱退に関する規定
七 出資一口の金額及びその払込の方法
八 経費の分担に関する規定
九 剰余金の処分及び損失の処理に関する規定
十 準備金の額及びその積立の方法
十一 議決権及び選挙権に関する規定
十二 役員の定数に関する規定
十三 事業年度
十四 公告の方法
2 組合の定款には、前項の事項の外、組合の存立時期又は解散の事由を定めた場合は、その時期又はその事由を、現物出資をする者を定めた場合は、その者の氏名、出資の目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える出資口数を、組合の成立後に譲り受けることを約した財産がある場合は、その財産、その価格及び譲渡人の氏名を記載しなければならない。
(規約)
第三十三条 左の事項は、定款で定めなければならない事項を除いて、規約で定めることができる。
一 総会に関する規定
二 業務の執行及び会計に関する規定
三 役員に関する規定
四 組合員に関する規定
五 その他必要な事項
(役員)
第三十四条 組合に、役員として理事及び監事を置く。
2 理事の定数は、三人以上とし、監事の定数は、一人以上とする。
3 役員は、定款で定めるところにより、総会において選挙する。但し、設立当時の役員は、創立総会において選挙する。
4 理事の定数の少くとも三分の二は、組合員又は組合員たる法人の役員でなければならない。但し、設立当時の理事の定数の少くとも三分の二は、組合員になろうとする者又は組合員になろうとする法人の役員でなければならない。
5 理事又は監事のうち、その定数の三分の一をこえるものが欠けたときは、三箇月以内に補充しなければならない。
6 役員の選挙は、無記名投票によつて行う。
(役員の任期)
第三十五条 役員の任期は、三年以内において定款で定める期間とする。
2 設立当時の役員の任期は、前項の規定にかかわらず、創立総会において定める期間とする。但し、その期間は、一年をこえてはならない。
(理事会)
第三十六条 組合の業務の執行は、理事会が決する。
第三十七条 理事会の議事は、理事の過半数が出席し、その過半数で決する。
2 組合は、定款で定めるところにより、理事が書面により理事会の議決に加わることができるものとすることができる。
(役員の兼職禁止)
第三十八条 監事は、理事又は組合の使用人と兼ねてはならない。
(理事の自己契約)
第三十九条 理事は、理事会の承認を受けた場合に限り、組合と契約することができる。この場合は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百八条(自己契約)の規定を適用しない。
(理事の責任)
第四十条 理事がその任務を怠つたときは、その理事は、組合に対し連帯して損害賠償の責に任ずる。
2 理事がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があつたときは、その理事は、第三者に対し連帯して損害賠償の責に任ずる。重要な事項につき第四十二条第一項に掲げる書類に虚偽の記載をし、又は虚偽の登記若しくは公告をしたときも、また同様とする。
3 第一項の理事の責任については、商法第二百六十六条第二項から第四項まで(取締役の責任)の規定を準用する。
(定款その他の書類の備付及び閲覧等)
第四十一条 理事は、定款、規約並びに総会及び理事会の議事録を各事務所に、組合員名簿を主たる事務所に備えて置かなければならない。
2 組合員名簿には、各組合員について左の事項を記載しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所
二 加入の年月日
三 出資口数、払込済金額及びその払込の年月日
3 組合員及び組合の債権者は、何時でも、理事に対し第一項の書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合は、理事は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
(決算関係書類の提出、備付及び閲覧等)
第四十二条 理事は、通常総会の会日の一週間前までに、事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び剰余金処分案又は損失処理案を監事に提出し、且つ、これらの書類を主たる事務所に備えて置かなければならない。
2 理事は、監事の意見書を添えて前項の書類を通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。
3 組合員及び組合の債権者は、何時でも、理事に対し第一項の書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合は、理事は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
(会計帳簿等の閲覧等)
第四十三条 組合員は、総組合員の十分の一以上の同意を得て、何時でも、理事に対し会計の帳簿及び書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合は、理事は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
(役員の改選)
第四十四条 組合員は、総組合員の五分の一以上の連署をもつて、役員の改選を請求することができるものとし、その請求につき総会において出席者の議決権の過半数による同意があつたときは、その請求に係る役員は、その職を失う。
2 前項の規定による改選の請求は、理事の全員又は監事の全員について、同時にしなければならない。但し、法令又は定款若しくは規約の違反を理由として改選を請求するときは、この限りでない。
3 第一項の規定による改選の請求は、改選の理由を記載した書面を理事に提出してしなければならない。
4 第一項の規定による改選の請求があつたときは、理事は、その請求を総会の議に附し、且つ、総会の会日から七日前までに、その請求に係る役員に前項の規定による書面を送付し、且つ、総会において弁明する機会を与えなければならない。
5 前項の場合については、第五十条第二項及び第五十一条の規定を準用する。
(商法等の準用)
第四十五条 理事及び監事については、商法第二百五十四条第三項(取締役と会社との関係)、第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役に対する訴)及び第二百八十四条(取締役及び監査役の責任の解除)の規定を、理事については、民法第五十五条(代表権の委任)並びに商法第二百五十四条ノ二(取締役の義務)、第二百六十一条から第二百六十二条まで(会社代表)及び第二百七十二条(株主の差止請求権)の規定を、監事については、第四十条並びに商法第二百七十四条(報告を求め調査をなす権限)及び第二百七十八条(取締役と監査役との連帯責任)の規定を、理事会については、商法第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項(特別利害関係人の議決権)、第二百五十九条から第二百五十九条ノ三まで(取締役会の招集)及び第二百六十条ノ三(取締役会の議事録)の規定を準用する。この場合において、商法第二百八十四条中「前条第一項」とあるのは、「塩業組合法第四十二条第二項」と読み替えるものとする。
(顧問)
第四十六条 組合は、理事会の決議により、学識経験のある者を顧問とし、常時組合の重要事項に関し助言を求めることができる。但し、顧問は、組合を代表することができない。
(参事及び会計主任)
第四十七条 組合は、理事会の決議により、参事及び会計主任を選任し、その主たる事務所又は従たる事務所において、その業務を行わせることができる。
2 参事については、商法第三十八条第一項及び第三項、第三十九条、第四十一条並びに第四十二条(支配人)の規定を準用する。
第四十八条 組合員は、総組合員の十分の一以上の同意を得て、理事に対し、参事又は会計主任の解任を請求することができる。
2 前項の規定による請求は、解任の理由を記載した書面を理事に提出してしなければならない。
3 第一項の規定による請求があつたときは、理事会は、その参事又は会計主任の解任の可否を決しなければならない。
4 理事は、前項の可否の決定の日の七日前までに、その参事又は会計主任に対し、第二項の書面を送付し、且つ、弁明する機会を与えなければならない。
(総会の招集)
第四十九条 通常総会は、定款で定めるところにより、毎事業年度一回招集しなければならない。
第五十条 臨時総会は、必要があるときは、定款で定めるところにより、何時でも招集することができる。
2 組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得て、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を理事に提出して総会の招集を請求したときは、理事会は、その請求のあつた日から二十日以内に臨時総会を招集すべきことを決定しなければならない。
第五十一条 前条第二項の規定による請求をした組合員は、同項の請求をした日から十日以内に理事が総会招集の手続をしないときは、公社の許可を受けて総会を招集することができる。理事の職務を行う者がない場合において、組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得たときも、また同様とする。
(総会招集の手続)
第五十二条 総会を招集するには、会日の十日前までに、会議の目的たる事項を示し、定款で定めた方法に従つて各組合員に通知しなければならない。
(通知又は催告)
第五十三条 組合の組合員に対してする通知又は催告は、組合員名簿に記載したその者の住所(その者が別に通知又は催告を受ける場所を組合に通知したときは、その場所)にあてればよい。
2 前項の通知又は催告は、通常到達すべきであつた時に到達したものとみなす。
(総会の議決事項)
第五十四条 左の事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 規約の設定、変更又は廃止
三 毎事業年度の収支予算及び事業計画の設定又は変更
四 経費の賦課及び徴収
五 その他定款で定める事項
2 定款の変更は、公社の認証を受けなければ、その効力を生じない。
3 前項の認証については、第二十六条第二項の規定を準用する。
(総会の議事)
第五十五条 総会の議事は、この法律又は定款若しくは規約に特別の定がある場合を除いて、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 議長は、総会において選任する。
3 総会においては、第五十二条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ議決することができる。但し、定款で別段の定をしたときは、この限りでない。
(特別の議決)
第五十六条 左の事項は、総組合員の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
一 定款の変更
二 解散又は合併
三 組合員の除名
四 事業の全部の譲渡
(商法の準用)
第五十七条 総会については、商法第二百三十一条(総会の招集の決定)、第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項(特別利害関係人の議決権)、第二百四十三条(総会の延期又は続行の決議)、第二百四十四条(株主総会の議事録)、第二百四十七条から第二百五十条まで、第二百五十二条及び第二百五十三条(株主総会の決議の取消又は無効)の規定を準用する。この場合において、同法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは「塩業組合法第五十二条」と、同法第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「塩業組合法第五十六条」と読み替えるものとする。
(出資一口の金額の減少)
第五十八条 組合は、出資一口の金額の減少を議決したときは、その議決の日から二週間以内に、財産目録及び貸借対照表を作らなければならない。
2 組合は、前項の期間内に、債権者に対して、異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告し、且つ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
3 前項の一定の期間は、一箇月を下つてはならない。
第五十九条 債権者が前条第二項の一定の期間内に異議を述べなかつたときは、出資一口の金額の減少を承認したものとみなす。
2 債権者が異議を述べたときは、組合は、弁済し、若しくは相当の担保を供し、又は債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む銀行に相当の財産を信託しなければならない。
3 組合の出資一口の金額の減少については、商法第三百八十条(株式会社の資本減少の無効)の規定を準用する。
(準備金及び繰越金)
第六十条 組合は、定款で定める額に達するまでは、毎事業年度の剰余金の十分の一以上を準備金として積み立てなければならない。
2 前項の定款で定める準備金の額は、出資総額の二分の一を下つてはならない。
3 第一項の準備金は、損失のてん補に充てる場合を除いては、取りくずしてはならない。
4 第八条第一項第七号若しくは第八号又は第九条第一項第四号若しくは第五号の事業を行う場合は、その事業の費用に充てるため、毎事業年度の剰余金の二十分の一以上を翌事業年度に繰り越さなければならない。
(剰余金の配当)
第六十一条 組合は、損失をてん補し、前条第一項の準備金及び同条第四項の繰越金を控除した後でなければ、剰余金の配当をしてはならない。
2 剰余金の配当は、定款で定めるところにより、組合員の組合事業の利用分量又は払込済出資額に応じてしなければならない。
3 払込済出資額に応じてする剰余金の配当の率は、年一割をこえてはならない。
第六十二条 組合は、定款で定めるところにより、組合員が出資の払込を終るまでは、その組合員に配当する剰余金をその払込に充てることができる。
(組合の持分取得の禁止)
第六十三条 組合は、組合員の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
第六章 解散及び清算
(解散の事由)
第六十四条 組合は、左の事由によつて解散する。
一 総会の決議
二 合併
三 破産
四 定款で定める存立時期の満了又は解散事由の発生
五 事業の全部の譲渡
六 組合員が一人となつたこと
七 解散を命ずる裁判
2 組合は、前項の規定により解散したときは、遅滞なく、その旨を公社に届け出なければならない。
(合併等の手続)
第六十五条 組合が合併し、又はその事業の全部を譲渡するには、総会の議決を経なければならない。
2 組合の合併又は事業の全部の譲渡については、第五十八条並びに第五十九条第一項及び第二項の規定を準用する。
第六十六条 合併によつて組合を設立するには、各組合がそれぞれ総会において組合員のうちから選任した設立委員が共同して定款を作成し、役員を選任し、その他設立に必要な行為をしなければならない。
2 前項の役員の任期は、最初の通常総会の日までとする。
3 第一項の規定による設立委員の選任については、第五十六条の規定を準用する。
4 第一項の役員については、第三十四条第四項本文の規定を準用する。
(合併の時期及び効果)
第六十七条 組合の合併は、合併後存続する組合又は合併によつて成立する組合が、その主たる事務所の所在地において、政令で定めるところにより登記をすることによつて、その効力を生ずる。
2 合併後存続する組合又は合併によつて成立した組合は、合併によつて消滅した組合の権利義務(その組合がその行う事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基いて有する権利義務を含む。)を承継する。
(商法等の準用)
第六十八条 組合の合併については、商法第百四条から第百六条まで及び第百八条から第百十一条まで(合名会社の合併の無効)並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十五条ノ八(債務の負担部分の決定)の規定を準用する。
(清算人)
第六十九条 組合が解散したときは、合併及び破産による解散の場合を除いては、理事が、その清算人となる。但し、総会において他人を選任したときは、この限りでない。
(商法等の準用)
第七十条 組合の解散及び清算については、商法第百十六条、第百二十二条、第百二十四条、第百二十五条、第百二十九条第二項及び第三項、第百三十一条、第四百十七条第二項、第四百十八条から第四百二十四条まで、第四百二十六条並びに第四百二十七条(合名会社及び株式会社の清算)並びに非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条並びに第百三十七条から第百三十八条まで(法人の清算の監督)の規定を、組合の清算人については、第三十六条から第四十三条まで及び第四十九条から第五十一条まで並びに商法第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項(特別利害関係人の議決権)、第二百五十四条第三項(取締役と会社との関係)、第二百五十四条ノ二(取締役の義務)、第二百五十九条から第二百五十九条ノ三まで(取締役会の招集)、第二百六十条ノ三から第二百六十一条ノ二まで(取締役会の議事録及び会社代表)、第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役に対する訴)、第二百七十二条(株主の差止請求権)、第二百七十四条第一項(報告を求める権限)及び第二百八十四条(取締役及び監査役の責任の解除)の規定を準用する。この場合において、商法第百二十二条中「第九十四条第四号又ハ第六号」とあるのは「塩業組合法第六十四条第一項第六号又ハ第七号」と、同法第二百八十四条中「前条第一項」とあるのは「塩業組合法第七十条ニ於テ準用スル同法第四十二条第二項」と、同法第四百十七条第二項中「前項」とあるのは「塩業組合法第六十九条」と、同法第四百二十六条第二項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「総組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得タル組合員」と読み替えるものとする。
第七章 雑則
(検査の請求)
第七十一条 組合員は、総組合員の十分の一以上の同意を得て、組合の業務又は会計が法令又は定款若しくは規約に違反する疑があることを理由として、公社にその検査を請求することができる。
2 前項の請求があつたときは、公社は、組合の業務又は会計の状況を検査しなければならない。
(報告の徴収及び検査)
第七十二条 公社は、組合の業務若しくは会計が法令若しくは定款に違反し、又は組合の運営が著しく不当であると認めるときは、この法律の目的を達成するために必要な限度において、組合に対して、その業務又は会計に関し必要な報告書の提出を命じ、その事実について調査することができる。
2 公社は、前項の報告書が提出されず、又はその報告書が虚偽であると認めるときは、この法律の目的を達成するために必要な限度において、組合の業務又は会計の状況を検査することができる。
3 公社は、第八条第一項第三号の事業を行う組合の業務又は会計の状況につき、毎年一回を常例として検査をしなければならない。
第七十三条 公社は、毎年一回を限り、組合から、その組合員、役員、使用人、事業の分量その他組合の一般的状況に関する報告であつて、組合に関する行政を適正に処理するために特に必要なものを徴することができる。
(公社の命令)
第七十四条 公社は、第七十二条第一項の規定による調査又は第七十一条第二項、第七十二条第二項若しくは第三項の規定による検査を行つた場合において、組合の業務若しくは会計が法令、定款若しくは規約に違反し、又は組合の運営が著しく不当であると認めるときは、この法律の目的を達成するために必要な限度において、組合に対し、期限を定めて必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
(商法等の準用)
第七十五条 組合については、商法第五十八条第一項第一号及び第三号並びに第二項並びに第五十九条(裁判による会社の解散)並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項、第百三十四条から第百三十四条ノ四まで及び第百三十五条ノ二から第百三十五条ノ五まで(裁判による会社の解散)の規定を準用する。
第八章 罰則
第七十六条 組合の役員がいかなる名義をもつてするを問わず、組合の事業の範囲外において、貸付をし、若しくは手形の割引をし、又は投機取引のため組合の財産を処分したときは、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者には、情状により懲役及び罰金を併科することができる。
3 第一項の規定は、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条がある場合には適用しない。
第七十七条 第七十一条第二項又は第七十二条第二項若しくは第三項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
第七十八条 第七十四条の規定による命令に違反した者は、一万円以下の罰金に処する。
第七十九条 組合の代業者又は代理人、使用人その他の従業者がその組合の業務に関して第七十七条又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰する外、その組合に対して各本条の刑を科する。
第八十条 左の場合には、組合の発起人、理事若しくは監事又は清算人は、一万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定に基いて組合が行うことができる事業以外の事業を営んだとき。
二 この法律に基く政令の規定による登記を怠つたとき。
三 第八条第二項(第九条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
四 第十四条の規定に違反したとき。
五 第十九条第二項、第四十四条第四項又は第四十八条第四項の規定に達反したとき。
六 第二十五条第七項若しくは第五十七条において準用する商法第二百四十四条、第四十五条若しくは第七十条において準用する商法第二百六十条ノ三又は第七十条において準用する商法第四百十九条の規定に違反して議事録若しくは財産目録若しくは貸借対照表を作成せず、又はこれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。
七 第三十条又は第六十四条第二項の規定に違反したとき。
八 第三十四条第五項の規定に違反したとき。
九 第三十八条の規定に違反したとき。
十 第四十一条又は第四十二条(これらの規定を第七十条において準用する場合を含む。)の規定に違反して書類を備えて置かず、その書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をし、又は正当な理由がないのにその書類の閲覧若しくは謄写を拒んだとき。
十一 第四十三条(第七十条において準用する場合を含む。)又は第四十五条において準用する商法第二百七十四条第一項の規定に違反して正当な理由がないのに帳簿及び書類の閲覧又は謄写を拒んだとき。
十二 第四十五条において準用する商法第二百七十四条第二項又は第七十条において準用する商法第四百十九条第一項の規定による調査を妨げたとき。
十三 第四十九条の規定に違反したとき。
十四 第五十八条第二項(第六十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第七十条において準用する商法第四百二十一条第一項に規定する公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。
十五 第五十八条若しくは第五十九条第二項の規定に違反して出資一口の金額を減少し、又は第六十五条第二項において準用する第五十八条若しくは第五十九条第二項の規定に違反して組合の合併若しくは事業の全部の譲渡をしたとき。
十六 第六十条又は第六十一条の規定に違反したとき。
十七 第六十三条の規定に違反して組合員の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けたとき。
十八 第七十条において準用する商法第百三十一条の規定に違反して組合の財産を分配したとき。
十九 第七十条において準用する商法第四百二十一条第一項の期間を不当に定めたとき。
二十 第七十条において準用する商法第四百二十三条の規定に違反して債務の弁済をしたとき。
二十一 第七十三条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第八十一条 不正の競争の目的で、登記された組合の名称と同一又は類似の名称を使用した者は、一万円以下の過料に処する。第四条第三項において準用する商法第二十一条第一項の規定に違反した者も、また同様とする。
附 則
1 この法律の施行期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない期間内において、政令で定める。
2 この法律施行の際現に存する塩業に関する専業協同組合又は協同組合連合会は、この法律施行の日から起算して二年以内に総会の議決を経て定款その他につき必要な変更を行つた上で、それぞれ、地区塩業組合又は塩業組合連合会となることができる。
3 前項の規定による定款の変更の認証については、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第五十一条第三項の規定にかかわらず、第二十六条第二項の規定を準用する。
4 第二項の場合において、塩業に関する事業協同組合又は協同組合連合会の役員は、その任期が終了するまでは、それぞれ、地区塩業組合又は塩業組合連合会の役員として引き続きその職にあるものとする。
5 第二項の規定による地区塩業組合又は塩業組合連合会への組織変更は、主たる事務所の所在地において、政令で定めるところにより登記をすることによつて、その効力を生ずる。
6 第二項の規定により不動産又は船舶に関する権利を承継する場合において、その取得につき登記を受けるときは、その登録税の額は、不動産又は船舶の価額の千分の四とする。但し、登録税法(明治二十九年法律第二十七号)により算出した登録税の額が本文の規定により算出した税額より少いときは、その額による。
7 登録税法の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「、塩業組合、塩業組合連合会、塩業組合中央会」及び「、塩専売法」を削り、「中小企業等協同組合、」の下に「塩業組合、」を「中小企業等協同組合法、」の下に「塩業組合法、」を加える。
8 塩専売法(昭和二十四年法律第百十二号)による改正前の塩専売法(明治三十八年法律第十一号)の規定に基き設立された塩業組合、塩業組合連合会又は塩業組合中央会が同法に基いてした登記に関する登録税については、なお従前の例による。
9 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号中「若ハ森林組合」を「、森林組合、塩業組合」に改める。
10 農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項中「日本馬事会」の下に「、塩業組合」を加える。
11 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「中小企業等協同組合」の下に「(塩業組合ヲ含ム)」を加える。
第七条第一項中「中小企業等協同組合」の下に「(塩業組合ニシテソノ直接又ハ間接ノ構成員タル事業者ノ常時使用スル従業員ノ数ガ三百人ヲ超エザルモノヲ含ム以下同ジ)」を加える。
12 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第九条第六項中「中小企業等協同組合(企業組合を除く。)、」の下に「塩業組合、」を加える。
13 日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)の一部を次のように改正する。
第一条中「及び製塩施設法(昭和二十七年法律第二百二十八号)」を「、製塩施設法(昭和二十七年法律第二百二十八号)及び塩業組合法(昭和二十八年法律第百七号)」に改める。
第二十七条第七号中「及び製塩施設法」を「、製塩施設法及び塩業組合法」に改める。
14 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二百九十六条中「及び信用金庫若しくは信用金庫連合会」を「、信用金庫若しくは信用金庫連合会及び塩業組合」に改める。
第三百四十八条第五項中「及び連合会」の下に「並びに塩業組合」を加える。
第七百四十三条第六号中「並びに信用金庫及び信用金庫連合会」を「、信用金庫及び信用金庫連合会並びに塩業組合」に改める。
第七百四十六条第二項第五号中「中小企業等協同組合(企業組合を除く。)」の下に「及び塩業組合」を加える。
15 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項第二号中「中小企業等協同組合」の下に「(塩業組合であつて、その直接又は間接の構成員たる事業者の常時使用する従業員の数が三百人をこえないものを含む。以下同じ。)」を加える。
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 小笠原三九郎
農林大臣 保利茂
通商産業大臣 岡野清豪