(業務の範囲)
第二十五条 事業団は、第七条の目的を達成するため、次の業務を行う。
三 採掘権又は鉱業施設の買収に伴い解雇された鉱山労働者に対する金銭の支払
七 前各号に掲げるもののほか、第七条の目的を達成するため必要な業務
2 事業団は、前項第七号に掲げる業務を行おうとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(業務の方法)
第二十六条 事業団は、業務開始の際、業務の方法を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務の方法には、次の事項を定めておかなければならない。
三 採掘権又は鉱業施設の買収に伴い解雇された鉱山労働者に対する金銭の支払の時期及び方法
3 通商産業大臣は、第一項の認可をしようとするときは、石炭鉱業審議会の意見をきかなければならない。
4 通商産業大臣は、第一項の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を告示しなければならない。
(事業計画)
第二十七条 事業団は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(収支予算)
第二十八条 事業団は、毎事業年度開始前に、その事業年度の収支予算を作成し、通商産業大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財産目録等)
第二十九条 事業団は、毎事業年度経過後三月以内に、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、通商産業大臣の承認を受けなければならない。
(事業報告書)
第三十条 事業団は、毎事業年度経過後三月以内に、事業報告書を作成し、通商産業大臣に提出しなければならない。
(買収の対象)
第三十一条 事業団が買収することができる採掘権は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 その採掘権の上に租鉱権が設定されていないこと。
二 その売渡の申込の日前六月以内にその採掘権の鉱区において事業が休止されたことがないこと。
三 その採掘権の鉱区における石炭の品位及び生産能率が石炭鉱業合理化基本計画に定める事業団が買収する採掘権の基準に適合すること。
第三十二条 事業団が買収することができる採掘権者の鉱業施設は、事業団が買収する採掘権に係るものでなければならない。
2 事業団が買収することができる租鉱権者の鉱業施設は、事業団が買収する採掘権の上に設定されていた租鉱権に係るものでなければならない。
(鉱山労働者に対する金銭の支払)
第三十三条 事業団は、その買収した採掘権の鉱区又はその買収した鉱業施設に係る租鉱権の租鉱区における石炭の採掘及びこれに附属する選炭その他の業務にその買収の日前三月以上引き続き従事していた鉱山労働者であつて、その買収の日後二月以内に解雇されたものに対し、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十二条の平均賃金の三十日分に相当する金額を支払わなければならない。
2 前項の規定による支払の義務は、二年を経過したときは、時効により消滅する。
(賃金債務の代位弁済)
第三十四条 事業団は、民法第四百七十四条第一項ただし書及び第二項の規定にかかわらず、その買収した採掘権の鉱区又はその買収した鉱業施設の租鉱区における石炭の掘採及びこれに附属する選炭その他の業務に従事していた鉱山労働者に対しその採掘権者又は租鉱権者が負担する賃金(退職金を除く。)の支払の債務であつて、その買収の日までに弁済期の到来しているものを、その採掘権者又は租鉱権者に代つて弁済することができる。
(鉱害賠償のための積立金)
第三十五条 事業団は、その買収した採掘権の鉱区に関する鉱害の賠償に要する費用にあてるため、通商産業大臣の認可を受けた方法に従い、積立をしなければならない。
(納付金)
第三十六条 採掘権者又は租鉱権者は、事業団の業務に必要な費用にあてるため、毎年事業団に納付金を納付しなければならない。
2 前項の納付金の額は、石炭の数量一トンにつき二十円以内において通商産業大臣が定める金額にその採掘権者又は租鉱権者が前年中に掘採した石炭の数量を乗じて得た額とする。
3 政令で定める金融機関に対し借入金の債務を有している採掘権者又は租鉱権者についての納付金の額は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による額に、その借入金の額に千分の三十五以内において政令で定める割合を乗じて得た額を加えた額とする。
4 前項に規定するもののほか、同項に規定する者についての納付金の額の算定に関し必要な事項は、政令で定める。
5 通商産業大臣は、第二項の金額を定めようとするときは、石炭鉱業審議会の意見をきかなければならない。
6 通商産業大臣は、第二項の金額を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
(資金の借入)
第三十七条 事業団は、資金の借入をしようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(強制徴収)
第三十八条 事業団は、第三十六条第一項に規定する納付義務者が納期限までに同項の納付金を納付しないときは、期限を指定して、これを督促しなければならない。
2 事業団は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
第三十九条 前条第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに納付金及び次条の延滞金を納付しないときは、市町村(特別区のある地においては、特別区。以下同じ。)は、事業団の請求により、地方税の滞納処分の例により、これを処分する。この場合は、事業団は、その徴収金額の百分の四を市町村に交付しなければならない。
2 市町村が前項の請求を受けた日から一月以内にその処分に着手せず、又は三月以内にこれを終了しないときは、事業団は、地方税の滞納処分の例により、通商産業大臣の認可を受けて、その処分をすることができる。
3 前二項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぎ、他の公課に先だつものとし、その時効については、地方税の例による。
第四十条 事業団は、第三十八条第一項の規定により督促をしたときは、納付金の額百円につき一日六銭の割合で、納期限の翌日からその完納又は財産差押の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、通商産業省令で定める場合は、この限りでない。
(資料の提出の請求)
第四十一条 事業団は、第二十五条第一項第五号に掲げる業務を行うため必要があるときは、鉱業権者又は租鉱権者に対し、資料の提出を求めることができる。
2 前項の規定により資料の提出を求められた者は、遅滞なく、これを提出しなければならない。
(鉱業法の適用除外)
第四十二条 鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第六十二条(事業着手の義務)の規定は、事業団については、適用しない。