第二十一条の二 消防の用に供する機械器具若しくは設備、消火薬剤又は防火塗料、防火液その他の防火薬品(以下「消防の用に供する機械器具等」という。)で政令で定めるもの(以下「消防用機械器具等」という。)については、この節に定めるところにより検定をするものとする。
この節において「型式承認」とは、消防用機械器具等の型式に係る形状、構造、材質、成分及び性能(以下「形状等」という。)が自治省令で定める消防用機械器具等に係る技術上の規格(以下「技術上の規格」という。)に適合している旨の承認をいう。
この節において「個別検定」とは、個々の消防用機械器具等の形状等が型式承認を受けた消防用機械器具等の型式に係る形状等と同一であるかどうかについて行なう検定をいう。
消防用機械器具等は、第二十一条の九第一項(第二十一条の十一第三項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による表示が附されているものでなければ、販売し、又は販売の目的で陳列してはならず、また、消防用機械器具等のうち消防の用に供する機械器具又は設備は、第二十一条の九第一項の規定による表示が附されているものでなければ、その設置、変更又は修理の請負に係る工事に使用してはならない。
第二十一条の三 型式承認を受けようとする者は、あらかじめ、日本消防検定協会(以下この節において「協会」という。)の行なう消防用機械器具等についての試験を受けなければならない。
前項の試験を受けようとする者は、自治省令で定めるところにより、申請書に自治省令で定める消防用機械器具等の見本及び書類を添えて、協会に申請しなければならない。
協会は、前項の申請があつたときは、自治省令で定めるところにより、技術上の規格に基づき、当該申請に係る消防用機械器具等についての試験を行ない、その試験結果に意見をつけてこれを同項の申請をした者に通知しなければならない。
前項の試験の実施業務に従事する協会の職員は、政令で定める資格を有する者でなければならない。
第二十一条の四 前条第三項(第二十一条の十一第三項において準用する場合を含む。)の試験結果の通知を受けた者が型式承認を受けようとするときは、自治省令で定めるところにより、申請書に当該試験結果及び意見を記載した書面を添えて、自治大臣に申請しなければならない。
自治大臣は、前項の申請があつたときは、同項の試験結果及び意見を記載した書面により、当該申請に係る消防用機械器具等の型式に係る形状等が技術上の規格に適合しているかどうかを審査し、当該形状等が技術上の規格に適合しているときは、当該型式について型式承認をしなければならない。
自治大臣は、前項の規定により型式承認をしたときは、その旨を第一項の申請をした者に通知するとともに、公示しなければならない。
第二十一条の五 自治大臣は、技術上の規格が変更され、すでに型式承認を受けた消防用機械器具等の型式に係る形状等が当該変更後の技術上の規格に適合しないと認めるときは、当該型式承認の効力を失わせるものとする。ただし、自治大臣は、期間を限つて、当該型式承認の効力が引き続き有るものとすることができる。
自治大臣は、前項本文の規定により型式承認の効力を失わせたとき、又は同項ただし書の規定により型式承認の効力が引き続き有るものとしたときは、その旨を公示するとともに、当該型式承認を受けた者に通知しなければならない。
第一項の規定による処分は、前項の規定による公示によりその効力を生ずる。
第二十一条の六 自治大臣は、型式承認を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該型式承認の効力を失わせることができる。
二 正当な理由がなく、当該型式承認を受けた消防用機械器具等に係る個別検定の申請を、当該型式承認をした旨の通知を受けた日から二年以内にしないとき、又は引き続き二年以上しないとき。
前条第二項の規定は前項の規定により型式承認の効力を失わせたときについて、同条第三項の規定は前項の規定による処分の効力の発生について準用する。
第二十一条の七 第二十一条の四第二項の規定により型式承認を受けた者が当該型式承認に係る消防用機械器具等に係る個別検定を受けようとするときは、自治省令で定めるところにより、協会に申請しなければならない。
第二十一条の八 協会は、前条の申請があつたときは、当該申請に係る消防用機械器具等について個別検定を行ない、当該申請に係る消防用機械器具等の形状等が第二十一条の四第二項の規定により型式承認を受けた消防用機械器具等の型式に係る形状等と同一であるときは、当該申請に係る消防用機械器具等を、個別検定に合格したものとしなければならない。
前項の個別検定の実施業務に従事する協会の職員は、政令で定める資格を有する者でなければならない。
第二十一条の九 協会は、前条第一項の規定により個別検定に合格した消防用機械器具等に、自治省令で定めるところにより、当該消防用機械器具等の型式は第二十一条の四第二項の規定により型式承認を受けたものであり、かつ、当該消防用機械器具等は前条第一項の規定により個別検定に合格したものである旨の表示を附さなければならない。
何人も、消防の用に供する機械器具等に、前項に規定する場合を除くほか同項の表示を附してはならず、又は同項の表示と紛らわしい表示を附してはならない。
第二十一条の十 型式承認の効力が第二十一条の五第一項本文若しくは第二十一条の六第一項の規定による処分又は第二十一条の五第一項ただし書に規定する期間の経過により失われたときは、当該型式承認に係る消防用機械器具等に係る協会のすでに行なつた個別検定の合格の効力は、失われるものとする。
第二十一条の十一 自治大臣は、協会が、消防用機械器具等についての試験又は個別検定を行なう機能の全部又は一部を喪失したことにより、当該試験又は個別検定に関する業務を行なうことが困難となつた場合において、特別の必要があると認めるときは、型式承認を受けようとする者の申請に基づき消防用機械器具等についての試験を行ない、又は型式承認を受けた者で個別検定を受けようとするものの申請に基づき消防用機械器具等の個別検定を行なうことができる。
自治大臣は、前項の規定により試験を行ない、又は個別検定を行なう場合は、あらかじめ、当該試験又は個別検定を行なう消防用機械器具等の種類及び当該試験又は個別検定を行なう期間を公示しなければならない。
第二十一条の三第二項及び第三項の規定は第一項の規定により自治大臣が試験を行なう場合に、第二十一条の七、第二十一条の八第一項及び第二十一条の九の規定は第一項の規定により自治大臣が消防用機械器具等の個別検定を行なう場合に、前条の規定は第一項の規定により自治大臣が行なつた個別検定の合格の効力について準用する。
協会は、第二項の規定により公示された期間中は、同項の規定により公示された種類の消防用機械器具等については、試験を行ない、又は個別検定をすることができない。
第二十一条の十二 自治大臣は、第二十一条の九第一項(前条第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による表示が附されている消防用機械器具等で第二十一条の十(前条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりその個別検定の合格の効力が失われたもの又は消防の用に供する機械器具等で第二十一条の九第一項の規定によらないで同項の表示が附されているもの若しくは同項の表示と紛らわしい表示が附されているもののうち、消防の用に供する機械器具等の販売を業とする者又は消防の用に供する機械器具若しくは設備の設置、変更若しくは修理の請負に係る工事を業とする者(以下「販売業者等」という。)の事務所、事業所又は倉庫にあるものについて、その職員に当該表示を除去させ、又はこれに消印を附させることができる。
第二十一条の十三 自治大臣は、前条に規定する権限を行使するために必要な限度において、販売業者等に対してその業務に関し報告をさせ、又はその職員に販売業者等の事務所、事業所若しくは倉庫に立ち入り、消防の用に供する機械器具等、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係のある者に質問させることができる。
前項の職員は、同項の規定により立ち入る場合においては、その身分を示す証明書を関係のある者に提示しなければならない。
第二十一条の十四 自治大臣は、政令で定めるところにより、前二条に規定する権限の一部を都道府県知事に委任することができる。
第二十一条の十五 第二十一条の三第三項若しくは第二十一条の八第一項の規定により協会の行なう試験若しくは個別検定又は第二十一条の十一第一項の規定により自治大臣の行なう試験若しくは個別検定を受けようとする者は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。
前項の手数料は、協会の行なう試験又は個別検定に係るものについては協会の、自治大臣の行なう試験又は個別検定に係るものについては国庫の収入とする。
第二十一条の十六 協会の行なう個別検定に関する処分に不服がある者は、自治大臣に対して行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。