(業務)
第十八条 公団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。
一 水資源開発基本計画に基づいて、次に掲げる施設(当該施設のうち発電に係る部分を除く。)の新築又は改築を行なうこと。
イ ダム、河口堰、湖沼水位調節施設、多目的用水路、専用水路その他の水資源の開発又は利用のための施設
二 前号の業務を行なうことにより生じた施設(以下「水資源開発施設」という。)の操作、維持、修繕その他の管理を行なうこと。
三 水資源開発施設についての災害復旧工事を行なうこと。
2 公団は、前項の業務の遂行に支障のない範囲内において、委託に基づき、次の業務を行なうことができる。ただし、第三号及び第四号の業務を行なうについては、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
一 水資源の開発又は利用に関する調査、測量、設計、試験及び研究を行なうこと。
二 前項第一号イの施設のうち発電に係る部分の新築、改築若しくは管理又はこれについての災害復旧工事を行なうこと。
三 水資源の開発若しくは利用のための施設に関する工事又はこれと密接な関連を有する工事を行なうこと。
四 水資源の開発又は利用のための施設の管理を行なうこと。
(事業実施方針)
第十九条 主務大臣は、政令で定めるところにより、前条第一項第一号の業務につき、水資源開発基本計画に基づいて事業実施方針を定め、内閣総理大臣を経てこれを公団に指示するとともに、その概要を公表しなければならない。これを変更するときも、同様とする。
2 主務大臣は、前項の事業実施方針を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。
(事業実施計画)
第二十条 公団は、第十八条第一項第一号の業務を行なおうとするときは、政令で定めるところにより、前条第一項の事業実施方針に基づいて事業実施計画を作成し、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 公団は、前項の規定により事業実施計画を作成し、又は変更しようとする場合において、当該事業実施計画に係る水資源開発施設を利用して流水を水道又は工業用水道の用に供しようとする者が特定しているときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、その者の意見をきくとともに、第二十九条の規定による当該水資源開発施設の新築又は改築に要する費用の負担についてその者の同意を得なければならない。当該事業実施計画に係る水資源開発施設を利用して流水をかんがいの用に供しようとする者の組織する土地改良区が特定しているときも、同様とする。
3 土地改良区は、前項の同意をするには、政令で定めるところにより、総会の議決を経、かつ、その組合員のうち同項の流水をかんがいの用に供しようとする者の三分の二以上の同意を得なければならない。
(施設管理方針)
第二十一条 主務大臣は、政令で定めるところにより、第十八条第一項第二号の業務につき、施設管理方針を定め、これを公団に指示することができる。この場合において、主務大臣は、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(施設管理規程)
第二十二条 公団は、第十八条第一項第二号の業務を行なおうとする場合においては、政令で定めるところにより、かつ、前条の施設管理方針が指示されているときはこれに基づいて、施設管理規程を作成し、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(河川法の特例)
第二十三条 公団は、第五十五条第二号に規定する施設(以下「特定施設」という。)の新築又は改築について、河川法(明治二十九年法律第七十一号)第七条(河川に関する工事等)(同法第五条(河川法の準用)の規定により準用される場合を含む。)の規定にかかわらず、同法にいう河川に関する工事を行なうことができる。
2 公団が特定施設の新築又は改築を完了したときは、河川法第四条第二項(河川の附属物)(同法第五条の規定により準用される場合を含む。)の規定にかかわらず、建設大臣が、これを河川の附属物として認定することができる。
3 建設大臣は、前項の規定による認定をしようとする場合において、当該特定施設の新築若しくは改築に要する費用について第二十条第二項の規定による同意をした者又は当該特定施設の一部の工事を公団に委託した者があるときは、あらかじめ、これらの者の同意を得なければならない。
4 第二項の規定により河川の附属物として認定された特定施設については、河川法第三条(私権の排除)の規定は、適用しない。
5 特定施設の新築及び改築並びに河川の附属物として認定された特定施設の管理に係る公団の監督については、河川法第四十九条(河川行政の監督)(同法第五条の規定により準用される場合を含む。)の規定は、適用しない。
6 公団が行なう特定施設の新築及び改築並びに第二項の規定により河川の附属物として認定された特定施設の管理に係る河川法の適用又は準用に関しては、この条に定めるもののほか、政令で定める。
7 公団は、その行なう特定施設の新築及び改築並びに第二項の規定により河川の附属物として認定された特定施設の管理に関しては、政令で定めるところにより、河川法に規定する地方行政庁の権限を行なうことができる。
8 公団が特定施設の新築又は改築の工事を開始しようとするとき、及び当該工事を完了したとき、並びに建設大臣が第二項の規定により特定施設を河川の附属物として認定したときは、公団又は建設大臣は、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
(特定施設の操作に関する建設大臣の指揮)
第二十四条 建設大臣は、洪水を防ぐため緊急の必要があると認めるときは、その必要の範囲内において、特定施設の操作に関し、政令で定めるところにより、公団を指揮することができる。
(危害防止のための通知等)
第二十五条 公団は、水資源開発施設を操作することによつて流水の状況に著しい変化を生ずると認める場合において、これによつて生ずる危害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、関係市町村長及び関係警察署長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。