労働福祉事業団法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年五月二十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百二十六号
労働福祉事業団法
目次
第一章
総則(第一条―第七条)
第二章
役員及び職員(第八条―第十八条)
第三章
業務(第十九条・第二十条)
第四章
財務及び会計(第二十一条―第三十一条)
第五章
監督(第三十二条・第三十三条)
第六章
雑則(第三十四条―第三十八条)
第七章
罰則(第三十九条・第四十条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 労働福祉事業団は、労働者災害補償保険の保険施設及び失業保険の福祉施設の設置及び運営を適切かつ能率的に行うことにより、労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(法人格)
第二条 労働福祉事業団(以下「事業団」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 事業団は、主たる事務所を東京都に置く。
2 事業団は、労働大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(資本金)
第四条 事業団の資本金は、附則第六条第一項の規定により政府が出資した額と、附則第十条第一項の規定により事業団の設立に際し地方公共団体が出資した額の合計額とする。
2 事業団は、必要があるときは、労働大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
3 政府は、前項の規定により事業団がその資本金を増加するときは、事業団に出資することができる。
4 政府は、前項の規定により事業団に出資するときは、土地、建物その他の土地の定着物又は物品(以下本条中「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。
5 前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6 前項に規定する評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(登記)
第五条 事業団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第六条 事業団でない者は、労働福祉事業団という名称又はこれに類似する名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、事業団について準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第八条 事業団に、役員として、理事長一人、理事四人以内及び監事二人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第九条 理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、事業団の業務を監査する。
(役員の任命)
第十条 理事長及び監事は、労働大臣が任命する。
2 理事は、理事長が労働大臣の認可を受けて任命する。
(役員の任期)
第十一条 役員の任期は、四年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十二条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 国務大臣、国会議員、政府職員(人事院が指定する非常勤の者を除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員
二 政党の役員
三 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて事業団と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第十三条 労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、労働大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十四条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
(代表権の制限)
第十五条 事業団と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が事業団を代表する。
(代理人の選任)
第十六条 理事長は、理事又は事業団の職員のうちから、事業団の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第十七条 事業団の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十八条 役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務
(業務の範囲)
第十九条 事業団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第二十三条第一項の保険施設のうち、療養施設、職業再教育施設その他政令で定める施設の設置及び運営を行うこと。
二 失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)第二十七条の二第一項の施設のうち、政令で定める職業訓練施設、宿泊施設その他の施設の設置及び運営を行うこと。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 事業団は、前項各号に掲げる業務の遂行に支障のない範囲内で、委託を受けて、同項第一号又は第二号に掲げる施設を利用して、労働者の福祉の増進を図るため必要な業務を行うことができる。
(業務方法書)
第二十条 事業団は、業務開始の際、労働大臣の指示する方針に従つて業務方法書を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、労働省令で定める。
第四章 財務及び会計
(事業年度)
第二十一条 事業団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
(予算等の認可)
第二十二条 事業団は、毎事業年度、労働大臣の指示する方針に従つて、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(決算)
第二十三条 事業団は、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結しなければならない。
(財務諸表)
第二十四条 事業団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下本条中「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 事業団は、前項の規定により財務諸表を労働大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3 事業団は、第一項の規定による労働大臣の承認を受けた財務諸表を各事務所に備えて置かなければならない。
(利益及び損失の処理)
第二十五条 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(一時借入金)
第二十六条 事業団は、労働大臣の認可を受けて、一時借入金をすることができる。
2 前項の規定による一時借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。
(交付金)
第二十七条 政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、第十九条第一項第一号及び第二号に掲げる業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することができる。
(余裕金の運用)
第二十八条 事業団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債の取得
二 銀行その他労働大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
(財産の処分等の制限)
第二十九条 事業団は、労働省令で定める財産を貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、労働省令で定める場合を除き、労働大臣の認可を受けなければならない。
(規程)
第三十条 事業団は、業務開始の際、次の事項について規程を定め、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 会計に関する事項
二 役員及び職員の給与及び退職手当に関する事項
(労働省令への委任)
第三十一条 この法律に規定するもののほか、事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、労働省令で定める。
第五章 監督
(監督)
第三十二条 事業団は、労働大臣が監督する。
2 労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十三条 労働大臣は、必要があると認めるときは、事業団に対して業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に事業団の事務所若しくは事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第六章 雑則
(解散)
第三十四条 事業団の解散については、別に法律で定める。
(恩給)
第三十五条 恩給法(大正十二年法律第四十八号)第十九条に規定する公務員(以下本条中「公務員」という。)又は同条に規定する公務員とみなされる者(以下本条中「公務員とみなされる者」という。)が引き続いて事業団の役員又は職員となつたときは、恩給法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第七十七号。以下「法律第七十七号」という。)附則第十条の規定の適用については、同条第一項中「引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し」とあるのは、「引き続いて公務員若しくは公務員とみなされる者又は労働福祉事業団の役員若しくは職員として在職し」と読み替えるものとする。
2 他の法律の規定において法律第七十七号附則第十条の規定を準用するときは、前項の規定により読み替えられた同条第一項の規定を準用するものとする。
3 事業団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職する者が、引き続いて事業団の役員又は職員となり、更に引き続いて公務員又は公務員とみなされる者となつたとき(事業団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職する者が引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し、更に引き続いて事業団の役員又は職員となり、更に引き続いて公務員又は公務員とみなされる者となつたときを含む。)は、その公務員又は公務員とみなされる者に給すべき普通恩給については、当該事業団の役員又は職員としての在職年月数を公務員又は公務員とみなされる者としての在職年月数に通算する。
4 第一項(他の法律の規定において第一項の規定により読み替えられた法律第七十七号附則第十条第一項の規定を準用するときを含む。)及び前項の規定は、事業団の役員又は職員となるまでの公務員又は公務員とみなされる者としての在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達する者については、適用しないものとする。
5 第三項の規定の適用を受ける者についての恩給法第六十四条ノ二(再就職の場合の普通恩給)の規定の適用又は準用については、事業団の役員又は職員としての就職を再就職とみなす。
第三十六条 事業団は、前条第一項(他の法律の規定において同項の規定により読み替えられた法律第七十七号附則第十条第一項の規定を準用するときを含む。)及び第三項の規定の適用を受ける事業団の役員若しくは職員であつた者又はその遺族の恩給の支払に充てる金額を、政令で定めるところにより、国庫又は地方公共団体に納付するものとする。
(大蔵大臣との協議)
第三十七条 労働大臣は、次の場合には、大蔵大臣と協議しなければならない。
一 第四条第二項、第二十条第一項、第二十二条、第二十六条第一項、第二十九条又は第三十条の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十条第二項、第二十九条又は第三十一条の規定により労働省令を定めようとするとき。
三 第二十四条第一項の規定による承認をしようとするとき。
四 第二十八条第二号の規定による指定をしようとするとき。
(他の法令の準用)
第三十八条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、事業団を国とみなして、これらの法令を準用する。
第七章 罰則
第三十九条 次の各号の一に該当する場合においては、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律により労働大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第五条第一項の規定に違反して登記することを怠つたとき。
三 第十九条に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第二十八条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十二条第二項の規定による労働大臣の命令に違反したとき。
六 第三十三条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第四十条 第六条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(事業団の設立)
第二条 労働大臣は、第十条第一項の規定の例により、事業団の理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、事業団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
第三条 労働大臣は、設立委員を命じて、事業団の設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、事業団の設立の準備を完了したときは、その旨を労働大臣に届け出るとともに、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第二項の事務の引継を受けたときは、その引継を受けた日において、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
2 事業団は、設立の登記をすることによつて成立する。
(事務の引継)
第五条 政府は、事業団の設立に際し、労働者災害補償保険法第二十三条第一項の保険施設及び失業保険法第二十七条の二第一項の施設であつて、事業団がその成立の日において第十九条第一項第一号及び第二号の規定により行うこととされている業務に相当するものに関する事務を事業団に引き継ぐものとする。
(設立に際しての出資)
第六条 政府は、事業団の設立に際し、その際現に有する前条に規定する保険施設及び施設の用に供する不動産及びこれに附属する物品その他事業団がその業務を行うに必要と認められる財産を目的として、これらの財産の価額の合計額に相当する額を事業団に出資するものとする。
2 第四条第五項及び第六項の規定は、前項の規定による政府の出資について準用する。
(最初の事業年度の特例)
第七条 事業団の最初の事業年度は、第二十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十三年三月三十一日に終るものとする。
第八条 事業団の最初の事業年度の業務については、第十九条第一項中「施設の設置及び運営」とあるのは、「施設の運営」と読み替えるものとする。
第九条 事業団の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第二十二条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「事業団の成立後遅滞なく」と読み替えるものとする。
(地方公共団体の出資)
第十条 地方公共団体は、当分の間、自治庁長官の承認を受けて、事業団に出資することができる。
2 第四条第四項から第六項までの規定は、前項の規定による地方公共団体の出資について準用する。
(労働者災害補償保険法の改正)
第十一条 労働者災害補償保険法の一部を次のように改正する。
第二十三条に次の一項を加える。
政府は、前項の保険施設のうち、労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)第十九条第一項第一号に掲げるものを労働福祉事業団に行わせるものとする。
(失業保険法の改正)
第十二条 失業保険法の一部を次のように改正する。
第二十七条の二に次の一項を加える。
政府は、第一項の施設のうち、労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)第十九条第一項第二号に掲げるものを労働福祉事業団に行わせるものとする。
(労働者災害補償保険特別会計法の改正)
第十三条 労働者災害補償保険特別会計法(昭和二十二年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。
第三条中「保険施設費」の下に「、労働福祉事業団への出資金及び交付金」を加える。
(失業保険特別会計法の改正)
第十四条 失業保険特別会計法(昭和二十二年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第三条中「保険施設費」の下に「、労働福祉事業団への出資金及び交付金」を加える。
(登録税法の改正)
第十五条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「石炭鉱業整備事業団」の下に「、労働福祉事業団」を、「石炭鉱業合理化臨時措置法」の下に「、労働福祉事業団法」を加え、同条第十八号中「日本開発銀行」の下に「、労働福祉事業団」を加え、同条に次の一号を加える。
二十七 労働福祉事業団ガ労働福祉事業団法第十九条ノ業務ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記
(印紙税法の改正)
第十六条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ十一の次に次の一号を加える。
六ノ十一ノ二 労働福祉事業団ノ発スル証書、帳簿
(所得税法の改正)
第十七条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第四号の七の次に次の一号を加える。
四の八 労働福祉事業団
(法人税法の改正)
第十八条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第二号中「森林開発公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
(地方税法の改正)
第十九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第二号中「森林開発公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
第七十三条の四第一項に次の一号を加える。
十 労働福祉事業団が労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)第十九条第一項第一号及び第二号に規定する業務の用に供する不動産で政令で定めるもの
第三百四十八条第二項に次の一号を加える。
十七 労働福祉事業団が労働福祉事業団法第十九条第一項第一号及び第二号に規定する業務の用に供する固定資産で政令で定めるもの
(行政管理庁設置法の改正)
第二十条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第十二号中「及び森林開発公団」を「、森林開発公団及び労働福祉事業団」に改める。
(建設省設置法の改正)
第二十一条 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十六号の二中「日本道路公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
(労働省設置法の改正)
第二十二条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
第四条第十三号の次に次の一号を加える。
十三の二 労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)に基いて、労働福祉事業団に対し、認可、承認その他監督を行うこと。
第五条の二に次の二項を加える。
3 大臣官房に労働福祉事業団監理官一人を置く。
4 労働福祉事業団監理官は、命を受けて、次条第一項第十一号の三に規定する事務を行う。
第六条第一項第十一号の二の次に次の一号を加える。
十一の三 労働福祉事業団の業務の監督その他労働福祉事業団法の施行に関すること。
(北海道開発法の改正)
第二十三条 北海道開発法(昭和二十五年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第十二条第一項第二号中「日本住宅公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
法務大臣 中村梅吉
大蔵大臣 池田勇人
労働大臣 松浦周太郎
建設大臣 南條徳男
労働福祉事業団法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年五月二十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百二十六号
労働福祉事業団法
目次
第一章
総則(第一条―第七条)
第二章
役員及び職員(第八条―第十八条)
第三章
業務(第十九条・第二十条)
第四章
財務及び会計(第二十一条―第三十一条)
第五章
監督(第三十二条・第三十三条)
第六章
雑則(第三十四条―第三十八条)
第七章
罰則(第三十九条・第四十条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 労働福祉事業団は、労働者災害補償保険の保険施設及び失業保険の福祉施設の設置及び運営を適切かつ能率的に行うことにより、労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(法人格)
第二条 労働福祉事業団(以下「事業団」という。)は、法人とする。
(事務所)
第三条 事業団は、主たる事務所を東京都に置く。
2 事業団は、労働大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(資本金)
第四条 事業団の資本金は、附則第六条第一項の規定により政府が出資した額と、附則第十条第一項の規定により事業団の設立に際し地方公共団体が出資した額の合計額とする。
2 事業団は、必要があるときは、労働大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
3 政府は、前項の規定により事業団がその資本金を増加するときは、事業団に出資することができる。
4 政府は、前項の規定により事業団に出資するときは、土地、建物その他の土地の定着物又は物品(以下本条中「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。
5 前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6 前項に規定する評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(登記)
第五条 事業団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第六条 事業団でない者は、労働福祉事業団という名称又はこれに類似する名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、事業団について準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第八条 事業団に、役員として、理事長一人、理事四人以内及び監事二人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第九条 理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、事業団の業務を監査する。
(役員の任命)
第十条 理事長及び監事は、労働大臣が任命する。
2 理事は、理事長が労働大臣の認可を受けて任命する。
(役員の任期)
第十一条 役員の任期は、四年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十二条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 国務大臣、国会議員、政府職員(人事院が指定する非常勤の者を除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員
二 政党の役員
三 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて事業団と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第十三条 労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、労働大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十四条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
(代表権の制限)
第十五条 事業団と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が事業団を代表する。
(代理人の選任)
第十六条 理事長は、理事又は事業団の職員のうちから、事業団の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第十七条 事業団の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十八条 役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務
(業務の範囲)
第十九条 事業団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第二十三条第一項の保険施設のうち、療養施設、職業再教育施設その他政令で定める施設の設置及び運営を行うこと。
二 失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)第二十七条の二第一項の施設のうち、政令で定める職業訓練施設、宿泊施設その他の施設の設置及び運営を行うこと。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 事業団は、前項各号に掲げる業務の遂行に支障のない範囲内で、委託を受けて、同項第一号又は第二号に掲げる施設を利用して、労働者の福祉の増進を図るため必要な業務を行うことができる。
(業務方法書)
第二十条 事業団は、業務開始の際、労働大臣の指示する方針に従つて業務方法書を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、労働省令で定める。
第四章 財務及び会計
(事業年度)
第二十一条 事業団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
(予算等の認可)
第二十二条 事業団は、毎事業年度、労働大臣の指示する方針に従つて、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(決算)
第二十三条 事業団は、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結しなければならない。
(財務諸表)
第二十四条 事業団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下本条中「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 事業団は、前項の規定により財務諸表を労働大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3 事業団は、第一項の規定による労働大臣の承認を受けた財務諸表を各事務所に備えて置かなければならない。
(利益及び損失の処理)
第二十五条 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
(一時借入金)
第二十六条 事業団は、労働大臣の認可を受けて、一時借入金をすることができる。
2 前項の規定による一時借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。
(交付金)
第二十七条 政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、第十九条第一項第一号及び第二号に掲げる業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することができる。
(余裕金の運用)
第二十八条 事業団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債の取得
二 銀行その他労働大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
(財産の処分等の制限)
第二十九条 事業団は、労働省令で定める財産を貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、労働省令で定める場合を除き、労働大臣の認可を受けなければならない。
(規程)
第三十条 事業団は、業務開始の際、次の事項について規程を定め、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 会計に関する事項
二 役員及び職員の給与及び退職手当に関する事項
(労働省令への委任)
第三十一条 この法律に規定するもののほか、事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、労働省令で定める。
第五章 監督
(監督)
第三十二条 事業団は、労働大臣が監督する。
2 労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十三条 労働大臣は、必要があると認めるときは、事業団に対して業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に事業団の事務所若しくは事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第六章 雑則
(解散)
第三十四条 事業団の解散については、別に法律で定める。
(恩給)
第三十五条 恩給法(大正十二年法律第四十八号)第十九条に規定する公務員(以下本条中「公務員」という。)又は同条に規定する公務員とみなされる者(以下本条中「公務員とみなされる者」という。)が引き続いて事業団の役員又は職員となつたときは、恩給法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第七十七号。以下「法律第七十七号」という。)附則第十条の規定の適用については、同条第一項中「引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し」とあるのは、「引き続いて公務員若しくは公務員とみなされる者又は労働福祉事業団の役員若しくは職員として在職し」と読み替えるものとする。
2 他の法律の規定において法律第七十七号附則第十条の規定を準用するときは、前項の規定により読み替えられた同条第一項の規定を準用するものとする。
3 事業団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職する者が、引き続いて事業団の役員又は職員となり、更に引き続いて公務員又は公務員とみなされる者となつたとき(事業団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職する者が引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し、更に引き続いて事業団の役員又は職員となり、更に引き続いて公務員又は公務員とみなされる者となつたときを含む。)は、その公務員又は公務員とみなされる者に給すべき普通恩給については、当該事業団の役員又は職員としての在職年月数を公務員又は公務員とみなされる者としての在職年月数に通算する。
4 第一項(他の法律の規定において第一項の規定により読み替えられた法律第七十七号附則第十条第一項の規定を準用するときを含む。)及び前項の規定は、事業団の役員又は職員となるまでの公務員又は公務員とみなされる者としての在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達する者については、適用しないものとする。
5 第三項の規定の適用を受ける者についての恩給法第六十四条ノ二(再就職の場合の普通恩給)の規定の適用又は準用については、事業団の役員又は職員としての就職を再就職とみなす。
第三十六条 事業団は、前条第一項(他の法律の規定において同項の規定により読み替えられた法律第七十七号附則第十条第一項の規定を準用するときを含む。)及び第三項の規定の適用を受ける事業団の役員若しくは職員であつた者又はその遺族の恩給の支払に充てる金額を、政令で定めるところにより、国庫又は地方公共団体に納付するものとする。
(大蔵大臣との協議)
第三十七条 労働大臣は、次の場合には、大蔵大臣と協議しなければならない。
一 第四条第二項、第二十条第一項、第二十二条、第二十六条第一項、第二十九条又は第三十条の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十条第二項、第二十九条又は第三十一条の規定により労働省令を定めようとするとき。
三 第二十四条第一項の規定による承認をしようとするとき。
四 第二十八条第二号の規定による指定をしようとするとき。
(他の法令の準用)
第三十八条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、事業団を国とみなして、これらの法令を準用する。
第七章 罰則
第三十九条 次の各号の一に該当する場合においては、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。
一 この法律により労働大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
二 第五条第一項の規定に違反して登記することを怠つたとき。
三 第十九条に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第二十八条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十二条第二項の規定による労働大臣の命令に違反したとき。
六 第三十三条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第四十条 第六条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(事業団の設立)
第二条 労働大臣は、第十条第一項の規定の例により、事業団の理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、事業団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
第三条 労働大臣は、設立委員を命じて、事業団の設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、事業団の設立の準備を完了したときは、その旨を労働大臣に届け出るとともに、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第二項の事務の引継を受けたときは、その引継を受けた日において、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
2 事業団は、設立の登記をすることによつて成立する。
(事務の引継)
第五条 政府は、事業団の設立に際し、労働者災害補償保険法第二十三条第一項の保険施設及び失業保険法第二十七条の二第一項の施設であつて、事業団がその成立の日において第十九条第一項第一号及び第二号の規定により行うこととされている業務に相当するものに関する事務を事業団に引き継ぐものとする。
(設立に際しての出資)
第六条 政府は、事業団の設立に際し、その際現に有する前条に規定する保険施設及び施設の用に供する不動産及びこれに附属する物品その他事業団がその業務を行うに必要と認められる財産を目的として、これらの財産の価額の合計額に相当する額を事業団に出資するものとする。
2 第四条第五項及び第六項の規定は、前項の規定による政府の出資について準用する。
(最初の事業年度の特例)
第七条 事業団の最初の事業年度は、第二十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十三年三月三十一日に終るものとする。
第八条 事業団の最初の事業年度の業務については、第十九条第一項中「施設の設置及び運営」とあるのは、「施設の運営」と読み替えるものとする。
第九条 事業団の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第二十二条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「事業団の成立後遅滞なく」と読み替えるものとする。
(地方公共団体の出資)
第十条 地方公共団体は、当分の間、自治庁長官の承認を受けて、事業団に出資することができる。
2 第四条第四項から第六項までの規定は、前項の規定による地方公共団体の出資について準用する。
(労働者災害補償保険法の改正)
第十一条 労働者災害補償保険法の一部を次のように改正する。
第二十三条に次の一項を加える。
政府は、前項の保険施設のうち、労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)第十九条第一項第一号に掲げるものを労働福祉事業団に行わせるものとする。
(失業保険法の改正)
第十二条 失業保険法の一部を次のように改正する。
第二十七条の二に次の一項を加える。
政府は、第一項の施設のうち、労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)第十九条第一項第二号に掲げるものを労働福祉事業団に行わせるものとする。
(労働者災害補償保険特別会計法の改正)
第十三条 労働者災害補償保険特別会計法(昭和二十二年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。
第三条中「保険施設費」の下に「、労働福祉事業団への出資金及び交付金」を加える。
(失業保険特別会計法の改正)
第十四条 失業保険特別会計法(昭和二十二年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第三条中「保険施設費」の下に「、労働福祉事業団への出資金及び交付金」を加える。
(登録税法の改正)
第十五条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「石炭鉱業整備事業団」の下に「、労働福祉事業団」を、「石炭鉱業合理化臨時措置法」の下に「、労働福祉事業団法」を加え、同条第十八号中「日本開発銀行」の下に「、労働福祉事業団」を加え、同条に次の一号を加える。
二十七 労働福祉事業団ガ労働福祉事業団法第十九条ノ業務ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記
(印紙税法の改正)
第十六条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ十一の次に次の一号を加える。
六ノ十一ノ二 労働福祉事業団ノ発スル証書、帳簿
(所得税法の改正)
第十七条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第四号の七の次に次の一号を加える。
四の八 労働福祉事業団
(法人税法の改正)
第十八条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第二号中「森林開発公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
(地方税法の改正)
第十九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第二号中「森林開発公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
第七十三条の四第一項に次の一号を加える。
十 労働福祉事業団が労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)第十九条第一項第一号及び第二号に規定する業務の用に供する不動産で政令で定めるもの
第三百四十八条第二項に次の一号を加える。
十七 労働福祉事業団が労働福祉事業団法第十九条第一項第一号及び第二号に規定する業務の用に供する固定資産で政令で定めるもの
(行政管理庁設置法の改正)
第二十条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第十二号中「及び森林開発公団」を「、森林開発公団及び労働福祉事業団」に改める。
(建設省設置法の改正)
第二十一条 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十六号の二中「日本道路公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
(労働省設置法の改正)
第二十二条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
第四条第十三号の次に次の一号を加える。
十三の二 労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)に基いて、労働福祉事業団に対し、認可、承認その他監督を行うこと。
第五条の二に次の二項を加える。
3 大臣官房に労働福祉事業団監理官一人を置く。
4 労働福祉事業団監理官は、命を受けて、次条第一項第十一号の三に規定する事務を行う。
第六条第一項第十一号の二の次に次の一号を加える。
十一の三 労働福祉事業団の業務の監督その他労働福祉事業団法の施行に関すること。
(北海道開発法の改正)
第二十三条 北海道開発法(昭和二十五年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第十二条第一項第二号中「日本住宅公団」の下に「、労働福祉事業団」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
法務大臣 中村梅吉
大蔵大臣 池田勇人
労働大臣 松浦周太郎
建設大臣 南条徳男