(奄美群島復興信用保証協会の設置)
第十条の二 第二条第一項に掲げる事業に伴い必要な金融の円滑化を図るため、奄美群島復興信用保証協会(以下「協会」という。)を設立する。
4 協会は、内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
5 協会の資本金は、次条第一項の規定により国から出資された債権の額に相当する額とする。
6 協会は、必要があるときは、内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けて、その資本金を増加し、又は減少することができる。
7 協会は、次条第三項の規定により債務の全部又は一部を免除したことによる損失が第十条の四第四項の規定による積立金を取りくずしてもなお補てんできないときは、前項の規定にかかわらず、その補てんできなかつた損失に相当する金額の資本金を減少するものとする。
8 協会でない者は、奄美群島復興信用保証協会という名称を用いてはならない。
9 信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号)第三条第二項の規定は、協会には適用しない。
10 協会は、左に掲げる業務及びこれに附随する業務を行う。
一 奄美群島において第二条第一項に掲げる事業を行う中小規模の事業者その他の者又は奄美群島に住所又若しくは居所を有する者(以下「事業者等」という。)が、銀行その他の金融機関から資金の貸付、手形の割引又は給付を受けること等により金融機関に対して負担する債務の保証
二 事業者等の債務を銀行その他の金融機関が保証する場合における当該保証債務の保証
三 銀行その他の金融機関が農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫若しくは日本開発銀行の委託を受け、又は国民金融公庫を代理して事業者等に対する貸付を行つた場合、当該金融機関が事業者等の当該借入による債務を保証することとなる場合におけるその保証をしたこととなる債務の保証
11 協会に、役員として理事長、理事二人以内及び監事一人を置き、内閣総理大臣及び大蔵大臣が任命する。
12 理事長は、協会を代表し、その業務を総理する。
13 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して協会の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
15 役員の任期は、三年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
17 内閣総理大臣及び大蔵大臣は、協会の役員が左の各号の一に該当するに至つたときは、解任することができる。
一 この法律、この法律に基く命令又はこれらの法令に基いてする内閣総理大臣若しくは大蔵大臣の命令に違反したときその他職務上の義務に違反したとき。
四 心身の故障により職務をとることができないとき。
(協会への出資等)
第十条の三 奄美群島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定第三条6の規定に基き、アメリカ合衆国政府から移転を受けた債権で協会成立の際現に存するものは、協会成立の日において、国から協会が承継するものとし、その債権の額に相当する額は、国から協会に対して出資されたものとする。
2 協会は、前項の規定により承継した債権につき、その償還期限、利率その他の条件が定まつていないものがあるときは、すみやかに内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けて、これを定めなければならない。
3 協会は、第一項の規定により承継した債権に係る債務者の債務の履行が著しく困難となつた場合において、当該債権の貸付条件の変更若しくは延滞元利金の支払方法の変更をしようとするとき、又は当該債権に係る債務者がその債務の全部若しくは一部を履行することができなくなつた場合において、当該債務の全部若しくは一部を免除しようとするときは、内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けなければならない。
4 協会は、政令の定めるところにより、第一項の規定により承継した債権の回収に関する事務を鹿児島県知事又は政令で定める金融機関に委託することができる。
5 内閣総理大臣又は大蔵大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定による受託者に対し、当該委託を受けた事務に関し、報告をさせ、又はその職員をして受託者の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
6 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、関係人にこれを呈示しなければならない。
7 第五項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(協会の監督等)
第十条の四 協会は、政令の定めるところにより、業務の開始の際、業務方法書を定め、内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、また同様とする。
2 協会は、政令の定めるところにより、毎事業年度の事業計画を作成し、内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、また同様とする。
3 内閣総理大臣又は大蔵大臣は、協会を監督し、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対して業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
4 協会は、政令の定めるところにより、毎事業年度の損益計算上利益金を生じたときは、積立金として積み立てるものとし、なお残余のある場合においては、これを翌事業年度の五月三十一日までに国庫に納付しなければならない。
5 協会は、借入金をしようとする場合には、政令で定める場合を除く外、内閣総理大臣及び大蔵大臣の認可を受けなければならない。
(準用規定)
第十条の五 信用保証協会法第四条、第五条、第十三条、第十四条、第十六条から第十八条まで、第二十一条、第二十二条、第三十四条第一項、第三十五条、第四十条第一項、第四十一条第一号、第二号及び第四号から第六号まで及び第四十二条並びに民法(明治二十九年法律第八十九号)第五十四条の規定は、協会について準用する。この場合において、信用保証協会法第二十二条及び第三十四条第一項中「主務大臣」とあるのは「内閣総理大臣及び大蔵大臣」と、同法第三十五条中「主務大臣」とあるのは「内閣総理大臣又は大蔵大臣」と、同法第四十条第一項第一号中「第三十四条」とあるのは「奄美群島復興特別措置法第十条の五において準用する第三十四条第一項」と、同法第四十条第一項第二号中「第三十五条第一項」とあるのは「奄美群島復興特別措置法第十条の五において準用する第三十五条第一項」と、同法第四十一条第一号中「この法律の規定により主務大臣」とあるのは「奄美群島復興特別措置法第十条の二第四項及び第六項、第十条の三第二項及び第三項並びに第十条の四第一項、第二項及び第五項の規定による内閣総理大臣及び大蔵大臣」と、同法第四十一条第五号中「第二十条第一項」とあるのは「奄美群島復興特別措置法第十条の二第十項」と、同法第四十二条中「第三条第二項」とあるのは「奄美群島復興特別措置法第十条の二第八項」と、それぞれ読み替えるものとする。
(権限の委任)
第十条の六 前四条の規定に基く内閣総理大臣又は大蔵大臣の権限の一部は、政令の定めるところにより、鹿児島県知事に委任することができる。