小型船海運組合法
法令番号: 法律第百六十二号
公布年月日: 昭和32年6月1日
法令の形式: 法律
小型船海運組合法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年六月一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 石井光次郎
法律第百六十二号
小型船海運組合法
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
小型船海運組合
第一節
通則(第三条―第七条)
第二節
事業及び調整規程(第八条―第十八条)
第三節
組合員(第十九条―第二十五条)
第四節
設立(第二十六条―第三十条)
第五節
管理(第三十一条―第五十一条)
第六節
解散及び清算(第五十二条―第五十五条)
第三章
小型船海運組合連合会(第五十六条―第五十八条)
第四章
事業活動の規制に関する命令(第五十九条―第六十二条)
第五章
雑則(第六十三条―第六十九条)
第六章
罰則(第七十条―第七十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、小型船海運業を営む者が、その経済的地位の改善を図るため小型船海運組合を結成することができるようにし、もつて小型船海運業の安定を確保し、国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「小型船」とは、貨物の運送の用に供する船舶(はしけを含む。以下同じ。)であつて、次に掲げるもの以外のものをいう。
一 総トン数五トン未満の鋼製の船舶及び総トン数五百トン以上の鋼製の船舶
二 ろかいのみをもつて運転し、又は主としてろかいをもつて運転する舟
三 漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項の漁船
四 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第四項の旅客定期航路事業又は同法第二十一条の旅客不定期航路事業の用に供する船舶
五 もつぱら港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)第二条第一項の港湾運送の用に供する船舶
六 もつぱら港湾運送事業法第二条第三項の規定により指定する港湾以外の港湾において港湾運送事業法第三条各号に掲げる事業に相当する事業を営む事業の用に供する船舶
2 この法律において「小型船海運業」とは、次に掲げる事業をいう。
一 木船運送法(昭和二十七年法律第百五十一号)第二条第三項の木船運航業
二 木船運送法第二条第四項の木船回漕業
三 木船運送法第二条第五項の木船貸渡業
四 海上運送法第二条第二項の船舶運航事業(旅客定期航路事業及び旅客不定期航路事業を除く。)であつて、総トン数五トン以上五百トン未満の鋼製の船舶によるもの
五 海上運送法第二条第六項の船舶貸渡業であつて、総トン数五トン以上五百トン未満の鋼製の船舶を対象とするもの
六 木船運送法第二十七条の規定により同法が準用される木船運送の事業
七 海上運送法第四十四条の規定により同法が準用される船舶運航の事業(旅客定期航路事業及び旅客不定期航路事業に相当するものを除く。)
第二章 小型船海運組合
第一節 通則
(海運組合)
第三条 小型船海運業を営む者は、その共同の利益を増進するため、小型船海運組合(以下「海運組合」という。)を組織することができる。
(法人格及び住所)
第四条 海運組合は、法人とする。
2 海運組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(原則)
第五条 海運組合は、次の要件を備えなければならない。
一 営利を目的としないこと。
二 組合員が任意に加入し、又は脱退することができること。
三 組合員の議決権及び選挙権が平等であること。
(名称)
第六条 海運組合は、その名称中に海運組合という文字を用いなければならない。
2 海運組合でない者は、その名称中に海運組合という文字を用いてはならない。
(登記)
第七条 海運組合は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ第三者に対抗することができない。
第二節 事業及び調整規程
(事業)
第八条 海運組合は、次に掲げる事業を行うことができる。
一 小型船による貨物の運送に係る運賃若しくは回漕料又は小型船の貸渡に係る料金であつて組合員が受け取り、又は支払うものの調整
二 組合員の小型船海運業に係る運送条件であつて前号に規定するもの以外のものの調整
三 組合員が小型船により運送する貨物の引受数量又は引受方法の調整
四 組合員が配船する小型船の船腹の調整
五 組合員が保有する小型船の船腹の調整
六 組合員が小型船を運航するに必要な燃料等の物資の購入数量、購入方法又は購入価格の調整
七 組合員の小型船海運業に関する共同事業
八 組合員の小型船海運業の経営の合理化に関する指導及びあつせん
九 組合員に対する小型船海運業に係る事業資金のあつせん(あつせんに代えてする資金の借入及びその借り入れた資金の組合員に対する貸付を含む。)
十 組合員又は組合員が使用する従業員の福利厚生又は技能教育に関する事業
十一 組合員の委任を受けてする組合員と組合員が使用する従業員との間の労働関係に関する事項の処理
十二 組合員又は組合員が使用する従業員のためにする海難防止に関する事業
十三 前各号に掲げる事業を行うために必要な調査、研究その他の事業
2 海運組合は、組合員の利用に支障がない場合に限り、組合員以外の者にその事業を利用させることができる。ただし、一事業年度における組合員以外の者の事業の利用分量の総額は、その事業年度における組合員の利用分量の総額の百分の二十をこえてはならない。
(団体協約の交渉及び締結)
第九条 海運組合は、組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約を締結することができる。
2 海運組合の代表者は、総会の承認を得てからでなければ、前項の団体協約の締結に関する交渉をする権限を有しない。
3 前条第一項第一号から第六号までに規定する事業に関し前項の交渉の申出を受けた者は、正当な理由がない限り、その交渉に応じなければならない。
4 第一項の団体協約は、あらかじめ総会の承認を得て、同項の団体協約であることを明記した書面をもつてしなければ、その効力を生じない。
5 第一項の団体協約は、直接に組合員に対してその効力を生ずる。
6 組合員の締結する契約であつて、その内容が第一項の団体協約に定める基準に違反するものについては、その基準に違反する契約の部分は、その基準によつて契約したものとみなす。
(団体協約の認可等)
第十条 第八条第一項第一号から第六号までに規定する事業に関する団体協約は、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。その変更についても、同様とする。
2 前項の団体協約については、第十二条第二項、第十四条及び第十五条の規定を準用する。
(勧告)
第十一条 運輸大臣は、前条第一項の団体協約の締結のための交渉に関し、当該海運組合の事業の円滑な実施及び当事者間の公正な取引秩序の確立のために特に必要があると認めるときは、当事者の双方又は一方に対し、必要な勧告をすることができる。
(調整規程の認可)
第十二条 海運組合は、第八条第一項第一号から第六号までに掲げる事業を行おうとするときは、その内容、実施の方法等を定めた規程(以下「調整規程」という。)を運輸大臣に提出して認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 運輸大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、当該調整規程の内容が次の各号の一に該当すると認めるときは、認可をしてはならない。
一 小型船海運業の安定を図るための必要かつ最少限度をこえること。
二 第二条第二項各号に掲げる業種の間又は同一業種の組合員の間に不当に差別的であること。
三 荷主又は関連事業者の利益を不当に害すること。
3 運輸大臣は、第一項の認可の申請があつた場合において、当該調整規程が他の海運組合の調整規程と同一の事項について異る定をしているときは、これらの調整規程を調整すべきことを命ずることができる。
(調整規程の実施の予告等)
第十三条 海運組合の組合員たる事業主は、調整規程の実施の期日の十五日前までに、その従業員に対し、当該調整規程の実施について予告をしなければならない。ただし、緊急やむを得ない場合は、この限りでない。
2 海運組合の組合員たる事業主は、調整規程の実施がその従業員の離職を招来した場合には、その後の従業員の採用については、当該離職者の希望によりその者を優先的に雇い入れるように努めなければならない。
(調整規程の変更命令及び認可の取消)
第十四条 運輸大臣は、調整規程の内客が第十二条第二項各号の一に該当するに至つたと認めるときは、当該海運組合に対し、期限を定めて、これを変更すべきことを命じ、又はその認可を取り消さなければならない。
2 運輸大臣は、第五十九条の命令をしようとするとき又はその命令をした後において特に必要があると認めるときは、当該命令に係る海運組合に対し、その調整規程を変更すべきことを命ずることができる。
(調整規程の廃止の届出)
第十五条 海運組合は、調整規程を廃止したときは、遅滞なく、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
(調整規程の設定等に関する決議)
第十六条 調整規程の設定、変更又は廃止は、総会又は創立総会の決議によらなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、総会は、その決議により、調整規程の変更を、範囲を限定して、理事会の決議に委任することができる。
3 前二項の総会の決議は、総組合員の半数以上が出席し、その三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
4 第二項の理事会の決議は、理事の三分の二以上の多数が出席し、その三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
(監査員)
第十七条 海運組合は、定款で定めるところにより、調整規程の実施に関する監査を行うため、監査員を置くことができる。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)
第十八条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、認可を受けた団体協約又は調整規程に係る海運組合又はその組合員の行為には、適用しない。ただし、次の各号に掲げる場合は、この限りでない。
一 不公正な取引方法を用いるとき又は組合員に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにするとき。
二 第六十五条第四項の規定による公示があつた後四十日を経過したとき(同条第三項の請求に応じ、運輸大臣が第十四条第一項(第十条第二項において準用する場合を含む。)の規定による処分をした場合を除く。)。
2 第六十五条第三項の規定による請求が団体協約又は調整規程の定の一部について行われたときは、前項第二号の規定にかかわらず、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、その団体協約又は調整規程の定のうちその請求に係る部分以外の部分に基いてする行為には、適用しない。
3 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、海運組合が第八条第一項第七号から第十三号まで(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に基いてする行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるとき、又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなるときは、この限りでない。
第三節 組合員
(組合員の資格の制限)
第十九条 海運組合は、組合員の資格について、地区、航路、貨物又は運輸省令で定める業種以外の制限をしてはならない。
(加入の自由)
第二十条 組合員たる資格を有する者が海運組合に加入しようとするときは、海運組合は、正当な理由がないのに、その加入を拒み、又はその加入につき現在の組合員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付してはならない。
(議決権及び選挙権)
第二十一条 組合員は、それぞれ一個の議決権及び選挙権を有する。
2 組合員は、定款で定めるところにより、第四十五条の規定によりあらかじめ通知のあつた事項につき、書面又は代理人をもつて、議決権又は選挙権を行うことができる。この場合には、その組合員の親族若しくは使用人又は他の組合員でなければ、代理人となることができない。
3 前項の規定により議決権又は選挙権を行う者は、出席者とみなす。
4 代理人は、十人以上の組合員を代理することができない。
5 代理人は、代理権を証する書面を海運組合に差し出さなければならない。
(経費の賦課)
第二十二条 海運組合は、定款で定めるところにより、組合員に経費を賦課することができる。
2 組合員は、前項の経費の支払について、相殺をもつて海運組合に対抗することができない。
3 組合員の責任は、第一項の規定による経費の負担に限る。
(使用料及び手数料)
第二十三条 海運組合は、定款で定めるところにより、使用料及び手数料を徴収することができる。
(過怠金)
第二十四条 海運組合は、定款で定めるところにより、組合員に対して過怠金を課することができる。
2 海運組合は、前項の規定により、調整規程に違反した組合員に対して過怠金を課そうとするときは、過怠金の額その他の事項を調整規程で定めなければならない。
(法定脱退)
第二十五条 組合員は、次の理由によつて脱退する。
一 組合員たる資格の喪失
二 死亡又は解散
三 除名
2 除名は、次の各号に掲げる組合員につき、総会の議決によつてすることができる。この場合には、海運組合は、その総会の会日の二十日前までに、当該組合員に対してその旨を通知し、かつ、総会において弁明する機会を与えなければならない。
一 海運組合の目的の遂行を妨げる行為をした組合員
二 その他定款で定める理由に該当する組合員
3 除名は、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもつてその組合員に対抗することができない。
第四節 設立
(発起人)
第二十六条 海運組合を設立するには、その組合員になろうとする十人以上の者が、発起人になることを要する。ただし、運輸大臣が特別の事情があると認めた場合は、この限りでない。
(創立総会)
第二十七条 発起人は、定款を作成し、これを会議の日時及び場所とともに公告して、創立総会を開かなければならない。
2 前項の公告は、会日の三週間前までにしなければならない。
3 発起人が作成した定款の承認その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。
4 創立総会においては、前項の定款を修正することができる。ただし、組合員たる資格に関する規定については、この限りでない。
5 創立総会の議事は、組合員たる資格を有する者でその会日までに発起人に対し設立の同意を申し出たものの半数以上が出席して、その議決権の三分の二以上で決する。
(設立の認可)
第二十八条 発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、定款その他運輸省令で定める書類を運輸大臣に提出して、設立の認可を受けなければならない。
2 運輸大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、設立しようとする海運組合が次の各号に適合していると認めるときは、認可をしなければならない。
一 第五条各号の要件を備えていること。
二 設立手続及び定款の内客が法令に違反しないこと。
三 構成がその事業を行うのに適正なものであること。
(成立の時期)
第二十九条 海運組合は、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
(商法等の準用)
第三十条 設立については、第二十一条、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項、第二百四十三条、第二百四十四条、第二百四十七条から第二百五十条まで、第二百五十二条、第二百五十三条及び第四百二十八条の規定を準用する。この場合には、商法第二百四十三条中「第二百三十二条ノ規定ヲ適用セズ」とあるのは「小型船海運組合法第二十七条第一項ノ規定ニ依ル公告ハ之ヲ為スコトヲ要セズ」と、同法第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「小型船海運組合法第二十七条第五項」と読み替えるものとする。
第五節 管理
(定款)
第三十一条 海運組合の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 事業
二 名称
三 事務所の所在地
四 組合員たる資格に関する規定
五 組合員の加入及び脱退に関する規定
六 組合員の権利義務に関する規定
七 事業の執行に関する規定
八 役員に関する規定
九 会議に関する規定
十 会計に関する規定
十一 公告の方法
2 海運組合の定款には、前項の事項のほか、海運組合の在立時期又は解散の理由を定めたときは、その時期又は理由を記載しなければならない。
(役員)
第三十二条 海運組合に、役員として理事及び監事を置く。
2 理事の定数は、三人以上とし、監事の定数は、一人以上とする。
3 役員は、定款で定めるところにより、総会(設立当時の役員は、創立総会)において選挙又は選任する。
4 理事の定数の少くとも三分の二は、組合員又は組合員たる法人の役員でなければならない。
5 理事又は監事のうち、その定数の三分の一をこえるものが欠けたときは、三月以内に補充しなければならない。
(役員の任期)
第三十三条 役員の任期は、三年以内において定款で定める期間とする。
2 設立当時の役員の任期は、前項の規定にかかわらず、創立総会において定める期間とする。ただし、その期間は、一年をこえてはならない。
(理事会)
第三十四条 海運組合の業務の執行は、理事会が決する。
2 理事会の議事は、理事の過半数が出席し、その過半数で決する。
3 海運組合は、定款で定めるところにより、理事が書面により理事会の議決に加わることができるものとすることができる。
(理事の責任)
第三十五条 理事がその任務を怠つたときは、その理事は、海運組合に対して連帯して損害賠償の責に任ずる。
2 理事がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があつたときは、その理事は、第三者に対し連帯して損害賠償の責に任ずる。重要な事項につき第三十八条第一項に掲げる書類に虚偽の記載をし、又は虚偽の登記若しくは公告をしたときも、同様である。
3 前二項の理事の責任については、商法第二百六十六条第二項及び第三項の規定を、第一項の理事の責任については、同条第四項の規定を準用する。
(監事の兼職禁止等)
第三十六条 監事は、当該海運組合の理事又は職員を兼ねてはならない。
2 監事の責任については、前条の規定を準用する。
(定款その他の書類の備付及び閲覧等)
第三十七条 理事は、定款、調整規程並びに総会及び理事会の議事録を各事務所に、組合員名簿を主たる事務所に備えて置かなければならない。
2 組合員名簿は、第二条第二項各号に掲げる業種ごとに作成し、各組合員について次の事項を記載しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所
二 加入の年月日
3 組合員及び海運組合の債権者は、何時でも、理事に対し第一項の書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合には、理事は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
(決算関係書類の提出、備付及び閲覧等)
第三十八条 理事は、通常総会の会日の一週間前までに、事業報告書、財産目録、貸借対照表、収支決算書及び剰余金処分案又は損失処理案を監事に提出し、かつ、これらの書類を主たる事務所に備えておかなければならない。
2 理事は、監事の意見書を添えて前項の書類を通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。
3 組合員及び海運組合の債権者は、何時でも、理事に対し第一項の書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合には、理事は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
4 剰余金の配分は、定款で定めるところにより、組合員の事業の利用分量又は支払つた経費の額に応じてしなければならない。
(会計帳簿等の閲覧等)
第三十九条 組合員は、総組合員の十分の一以上の同意を得て、何時でも、理事に対し会計に関する帳簿及び書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合には、理事は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
(役員の改選)
第四十条 組合員は、総組合員の五分の一以上の連署をもつて、役員の改選を請求することができるものとし、その請求につき総会において出席者の過半数の同意があつたときは、その請求に係る役員は、その職を失う。
2 前項の規定による改選の請求は、理事の全員又は監事の全員について、同時にしなければならない。ただし、職務の遂行に関し不正の行為をし、又は法令若しくは定款に違反したことを理由として改選を請求するときは、この限りでない。
3 第一項の規定による改選の請求は、改選の理由を記載した書面を理事に提出してしなければならない。
4 第一項の規定による改選の請求があつたときは、理事は、その請求を総会の議に付し、かつ、総会の会日から一週間前までに、その請求に係る役員に前項の書面の写を送付し、かつ、総会において弁明する機会を与えなければならない。
5 前項の場合については、第四十三条第二項及び第四十四条の規定を準用する。
(商法等の準用)
第四十一条 理事及び監事については、商法第二百五十四条第三項、第二百五十八条第一項、第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで及び第二百八十四条の規定を、理事については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五十五条並びに商法第二百五十四条ノ二、第二百六十一条から第二百六十二条まで、第二百六十五条及び第二百七十二条の規定を、監事については、商法第二百七十四条及び第二百七十八条の規定を、理事会については、商法第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項、第二百五十九条から第二百五十九条ノ三まで及び第二百六十条ノ三の規定を準用する。この場合には、商法第二百六十一条第三項中「第二百五十八条」とあるのは「第二百五十八条第一項」と、同法第二百八十四条中「前条第一項」とあるのは「小型船海運組合法第三十八条第二項」と読み替えるものとする。
(通常総会の招集)
第四十二条 理事は、定款で定めるところにより、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。
(臨時総会の招集)
第四十三条 理事は、定款で定めるところにより、必要に応じ何時でも、臨時総会を招集することができる。
2 組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得て、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を理事会に提出して総会の招集を請求したときは、理事会は、臨時総会をその請求のあつた日から三十日以内に招集すべきことを決しなければならない。
(組合員による総会招集)
第四十四条 前条第二項の規定による請求をした組合員は、同項の請求をした日から十日以内に理事が総会招集の手続をしないときは、運輸大臣の承認を得て総会を招集することができる。理事の職務を行う者がない場合において、組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得たときも、同様である。
(総会招集の手続)
第四十五条 総会の招集は、会日の二十日前までに、会議の目的たる事項を示し、定款で定める方法に従つて通知しなければならない。
(通知又は催告)
第四十六条 海運組合が組合員に対してする通知又は催告は、組合員名簿に記載したその者の住所(その者が別に通知又は催告を受ける場所を海運組合に通知したときは、その場所)にあてればよい。
2 前項の通知又は催告は、通常到達すべきであつた時に到達したものとみなす。
(総会の議決事項)
第四十七条 この法律で別に定めるもののほか、次の事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 毎事業年度の収支予算及び事業計画の設定又は変更
三 経費の賦課及び徴収の方法
四 その他定款で定める事項
2 定款の変更は、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 第二十八条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
(総会の議事)
第四十八条 総会の議事は、この法律又は定款に特別の定のある場合を除いて、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 議長は、総会において選任する。
3 議長は、総会の議決に加わる権利を有しない。
4 総会においては、第四十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ議決することができる。ただし、定款で別段の定をしたときは、この限りでない。
(特別の決議)
第四十九条 この法律で別に定めるもののほか、次の事項を決議するには、総組合員の半数以上が出席し、その三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
一 定款の変更
二 海運組合の解散又は合併
三 組合員の除名
(商法の準用)
第五十条 総会については、商法第二百三十一条、第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項、第二百四十三条、第二百四十四条、第二百四十七条から第二百五十条まで、第二百五十二条及び第二百五十三条の規定を準用する。この場合には、商法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは「小型船海運組合法第四十五条」と、同法第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「小型船海運組合法第四十九条」と読み替えるものとする。
(総代会)
第五十一条 組合員の総数が二百人をこえる海運組合は、定款で定めるところにより、総会に代るべき総代会を設けることができる。
2 総代は、組合員のうちから、地域、事業の種類等に応じて公平に選挙されなければならない。
3 総代の定数は、その選挙の時における組合員の総数の十分の一を下つてはならない。ただし、組合員の総数が千人をこえる海運組合にあつては、百人をもつて足りる。
4 総代の選挙については、第三十二条第三項及び第五項の規定を準用する。
5 総代の任期は、三年以内において定款で定める期間とする。
6 総代会については、総会に関する規定を準用する。この場合には、第二十一条第二項後段中、「その組合員の親族若しくは使用人又は他の組合員」とあるのは「他の組合員」と、同条第四項中「十人」とあるのは「四人」と読み替えるものとする。
7 総代会においては、前項の規定にかかわらず、総代の選挙(補欠の総代の選挙を除く。)をし、又は海運組合の解散若しくは合併の決議をすることができない。
第六節 解散及び清算
(解散の理由)
第五十二条 海運組合は、次の理由によつて解散する。
一 総会の決議
二 海運組合の合併
三 海運組合の破産
四 定款で定める存立時期の満了又は解散理由の発生
五 第六十四条第一項の規定による解散命令
2 海運組合は、前項第一号又は第四号の規定により解散したときは、解散の日から二週間以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
(合併の手続)
第五十三条 海運組合が合併するには、総会の議決を経なければならない。
2 合併は、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 前項の認可については、第二十八条第二項の規定を準用する。
第五十四条 合併によつて海運組合を設立するには、各海運組合がそれぞれ総会において組合員のうちから選任した設立委員が共同して定款を作成し、役員を選任し、その他設立に必要な行為をしなければならない。
2 前項の規定による役員の任期は、最初の通常総会の日までとする。
3 第一項の規定による設立委員の選任の決議は、総組合員の半数以上が出席し、その三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
(商法等の準用)
第五十五条 合併については、商法第百二条から第百六条まで及び第百八条から第百十一条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十五条ノ八の規定を、解散及び清算については、商法第百十六条、第百二十四条、第百二十五条、第百二十九条第二項及び第三項、第百三十一条、第四百十七条から第四百二十四条まで、第四百二十六条及び第四百二十七条並びに非訟事件手続法第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条から第百三十八条まで及び第百三十八条ノ三の規定を、清算人については第三十四条から第三十九条まで、第四十三条第二項及び第四十四条並びに商法第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項、第二百五十四条第三項、第二百五十四条ノ二、第二百五十八条第一項、第二百五十九条から第二百五十九条ノ三まで、第二百六十条ノ三から第二百六十一条ノ二まで、第二百六十五条、第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで、第二百七十二条及び第二百八十四条の規定を準用する。この場合には、商法第二百六十一条第三項中「第二百五十八条」とあるのは「第二百五十八条第一項」と、同法第二百八十四条中「前条第一項」とあるのは「小型船海運組合法第五十五条ニ於テ準用スル同法第三十八条第二項」と、商法第四百二十六条第二項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「総組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得タル組合員」と読み替えるものとする。
第三章 小型船海運組合連合会
(小型船海運組合連合会)
第五十六条 海運組合は、小型船海運組合連合会を組織することができる。
2 小型船海運組合連合会は、他の小型船海運組合連合会又は海運組合と更に小型船海運組合連合会を組織することができる。
(調整規程の総合調整等)
第五十七条 小型船海運組合連合会(以下「連合会」という。)は、会員の調整規程を総合調整し、並びに当該連合会を直接又は間接に構成する海運組合の組合員のための調整規程を設定し、及び実施するものとする。
(準用)
第五十八条 連合会については、第四条、第五条(第三号を除く。)、第六条から第二十条まで、第二十一条第二項から第五項まで、第二十二条から第五十条まで及び第五十二条から第五十五条までの規定を準用する。この場合には、第六条中「海運組合」とあるのは「海運組合連合会」と、第九条中「組合員」とあるのは「連合会を直接又は間接に構成する海運組合の組合員」と、第十六条第三項及び第四十九条中「総組合員の半数以上」とあるのは「議決権の総数の半数以上に相当する議決権を有する会員」と、第二十一条第四項及び第二十六条中「十人」とあるのは「二」と、第二十八条第二項第一号中「第五条各号」とあるのは「第五条第一号及び第二号」と読み替えるものとする。
第四章 事業活動の規制に関する命令
(事業活動の規制に関する命令)
第五十九条 第八条第一項第一号から第四号までの事業に係る調整規程に係る小型船海運業を営む者の大部分が同一内容の調整規程の適用を受けることとなつた場合において、当該の海運組合又は連合会の申出があつたときは、運輸大臣は、当該調整規程の内容を参酌して、運輸省令をもつて、小型船海運業を営む者のすべてに対し、その事業活動に関する制限を定め、これに従うべきことを命ずることができる。
2 第八条第一項第五号の事業に係る調整規程が実施されている場合において、当該海運組合の組合員(当該連合会を直接又は間接に構成する海運組合の組合員を含む。以下本項中同じ。)たる資格を有する者の大部分が同一内容の調整規程の適用を受けることとなり、かつ、当該の海運組合又は連合会の申出があつたときは、運輸大臣は、当該調整規程の内容を参酌して、運輸省令をもつて、当該海運組合の組合員たる資格を有する者のすべてに対し、その保有する小型船の船腹に関する制限を定め、これに従うべきことを命ずることができる。
第六十条 運輸大臣は、小型船海運業を営む者であつて当該調整規程の適用を受けないものの事業活動が、当該調整規程が目的としている小型船海運業の安定を阻害しており、かつ、当該の海運組合又は連合会の自主的活動をもつてしてはこれを除去できない場合において、これを放置しては、国民経済の発展に著しい支障があると認めるときでなければ、前条の命令をしてはならない。
(命令実施の補助等)
第六十一条 運輸大臣は、第五十九条の命令をした場合において、当該命令の実施につき、運輸省令で定めるところにより、当該命令に係る海運組合又は連合会若しくはその連合会を直接若しくは間接に構成する海運組合をして必要な補助をさせることができる。
2 前項の業務を行う海運組合又は連合会の役員又は職員であつて当該業務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(役員又は職員の解任)
第六十二条 運輸大臣は、前条第一項の業務を行う海運組合又は連合会の役員又は職員であつて当該業務に従事する者がその業務を不当に処理し、又は役員若しくは職員たるに適しない非行をしたと認めるときは、これを解任することができる。
第五章 雑則
(不服の申出等)
第六十三条 海運組合又は連合会の業務の執行が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当であると認める者は、その理由を記載した文書により、その旨を運輸大臣に申し出ることができる。
2 運輸大臣は、前項の申出があつたときは、必要な措置をとらなければならない。
(解散命令等)
第六十四条 運輸大臣は、海運組合又は連合会が次の各号の一に該当すると認めるときは、その海運組合又は連合会の解散を命ずることができる。
一 第五条各号又は第二十八条第二項第三号(これらの規定を第五十八条において準用する場合を含む。)に適合するものでなくなつたとき。
二 定款で定める事業以外の事業を行つたとき。
三 その他この法律又はこれに基く処分に違反したとき。
2 運輸大臣は、二以上の海運組合又は連合会の調整規程を実施するために必要があると認めるときは、当該の海運組合又は連合会に対し、新たに連合会を組織し、又は合併すべきことを命ずることができる。
(公正取引委員会との関係)
第六十五条 運輸大臣は、第十条第一項若しくは第十二条第一項(これらの規定を第五十八条において準用する場合を含む。)又は第十四条(第十条第二項及び第五十八条において準用する場合を含む。)の処分(認可しない旨の処分を除く。)をしたとき、又は第十五条(第十条第二項及び第五十八条において準用する場合を含む。)の届出があつたときは、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。
2 運輸大臣は、第五十九条の命令をしようとするときは、あらかじめ、公正取引委員会の同意を得なければならない。
3 公正取引委員会は、第十条第一項又は第十二条第一項(これらの規定を第五十八条において準用する場合を含む。)の認可を受けた団体協約又は調整規程の内容が第十二条第二項各号の一に該当するに至つたと認めるときは、運輸大臣に対し、第十四条第一項(第十条第二項及び第五十八条において準用する場合を含む。)の処分をすべき旨を請求することができる。
4 公正取引委員会は、前項の規定による請求をしたときは、遅滞なく、その旨を官報に公示しなければならない。
(運輸審議会への諮問)
第六十六条 運輸大臣は、第五十九条の命令をしようとするときは、運輸審議会にはからなければならない。
(報告及び検査)
第六十七条 運輸大臣は、この法律の目的を達成するために必要な限度において、小型船海運業を営む者に対し、必要な報告をさせ、又はその職員をしてその事業所若しくは事務所に立ち入り、業務の状況、帳簿書類若しくは設備に関し検査をさせ、若しくは質問をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(職権の委任)
第六十八条 運輸大臣は、政令で定めるところにより、この法律に規定する職権の一部を海運局長に委任することができる。
(海上運送法の適用除外)
第六十九条 海上運送法第二十九条の規定は、この法律に基いて行う共同行為については、適用しない。
第六章 罰則
第七十条 第五十九条の命令に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。
第七十一条 第十二条第一項(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反して認可を受けないで調整規程を実施した者は、十万円以下の罰金に処する。
第七十二条 第六十七条第一項の規定による報告をせず、虚偽の報告をし、立入を拒み、若しくは検査を妨げ、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者は、三万円以下の罰金に処する。
第七十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の刑を科する。ただし、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため、当該業務に対し相当の注意及び監督が尽されたことの証明があつたときは、その法人又は人については、この限りでない。
第七十四条 次の各号の場合には、海運組合又は連合会の発起人、理事若しくは監事又は清算人は、一万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定に基いて海運組合又は連合会が行うことができる事業以外の事業を当該の海運組合又は連合会の事業として行つたとき。
二 第七条第一項(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に基く政令による登記を怠つたとき。
三 第八条第二項(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
四 第十五条(第十条第二項及び第五十八条において準用する場合を含む。)又は第五十二条第二項(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定による届出を怠つたとき。
五 第二十条(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
六 第二十五条第二項後段又は第四十条第四項(これらの規定を第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
七 第三十条若しくは第五十条(これらの規定を第五十八条において準用する場合を含む。)において準用する商法第二百四十四条又は第四十一条若しくは第五十五条(これらの規定を第五十八条において準用する場合を含む。)において準用する同法第二百六十条ノ三若しくは同法第四百十九条の規定に違反して議事録、財産目録若しくは貸借対照表を作成せず、又はこれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしたとき。
八 第三十二条第五項(第五十一条第四項及び第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
九 第三十六条第一項(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反して理事又は職員を兼ねたとき。
十 第三十七条又は第三十八条(これらの規定を第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反して書類を備えて置かず、その書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのにその書類の閲覧若しくは謄写を拒んだとき。
十一 正当な理由がないのに第三十九条(第五十八条において準用する場合を含む。)又は第四十一条(第五十八条において準用する場合を含む。)において準用する商法第二百七十四条第一項の規定による帳簿又は書類の閲覧又は謄写を拒んだとき。
十二 第四十一条(第五十八条において準用する場合を含む。)において準用する商法第二百七十四条第一項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたとき。
十三 第四十一条(第五十八条において準用する場合を含む。)において準用する商法第二百七十四条第二項の規定による調査を妨げたとき。
十四 第四十二条(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反して通常総会の招集を怠つたとき。
十五 第五十五条において準用する商法第百三十一条の規定に違反して海運組合又は連合会の財産を処分したとき。
十六 第五十五条において準用する商法第四百二十一条に規定する公告を怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
十七 清算の結了を遅延させることを目的として第五十五条において準用する商法第四百二十一条第一項の期間を不当に定めたとき。
十八 第五十五条において準用する商法第四百二十三条の規定に違反して債務の弁済をしたとき。
第七十五条 第六条第二項(第五十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
1 この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める。
2 この法律の施行の際現に海運組合という文字又は海運組合連合会という文字を用いている者は、この法律の施行の日から二月間は、第六条第二項の規定にかかわらず、これを用いることができる。
3 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十五号の五の次に次の二号を加える。
十五の六 小型船海運組合及び小型船海運組合連合会の設立の認可等必要な処分をすること。
十五の七 小型船海運業を営む者の運賃等を調整し、及び小型船の船腹の増加を制限すること。
第六条第一項第四号の二の次に次の一号を加える。
四の三 小型船海運組合法(昭和三十二年法律第百六十二号)の規定により運輸審議会にはかることを要する事項
第二十三条第一項第四号の次に次の一号を加える。
四の二 小型船海運業の安定に関すること。
第四十条第一項第二号の二の次に次の一号を加える。
二の三 小型船海運業の安定に関すること。
4 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第三項中「商工組合連合会」の下に「、小型船海運組合、小型船海運組合連合会」を、「事業協同小組合、商工組合」の下に「、小型船海運組合」を加え、同条第四項中「商工組合連合会」の下に「、小型船海運組合、小型船海運組合連合会」を加える。
第七条第一項第五号の次に次の一号を加える。
六 小型船海運組合又ハ小型船海運組合連合会(直接又ハ間接ノ構成員タル事業者ノ三分ノ二以上ガ常時三百人以下ノ従業員ヲ使用スル者ナルモノニ限ル以下同ジ)
第二十七条第一項、第二十八条第一項第六号、第二十九条第一項第三号及び同条同項第四号中「酒販組合中央会」の下に「、小型船海運組合、小型船海運組合連合会」を加える。
5 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項第五号の次に次の一号を加える。
六 小型船海運組合及び小型船海運組合連合会であつて、その直接又は間接の構成員たる小型船海運業を営む者の三分の二以上が常時三百人以下の従業員を使用する者であるもの
6 中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。
第二条第五号の次に次の一号を加える。
六 小型船海運組合及び小型船海運組合連合会であつて、その直接又は間接の構成員たる小型船海運業を営む者の三分の二以上が常時三百人以下の従業員を使用する者であるもの
7 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十九条第七号中「酒販組合中央会」の下に「、小型船海運組合、小型船海運組合連合会」を、「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」の下に「、小型船海運組合法」を加える。
8 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第九条第六項中「塩業組合、」の下に「小型船海運組合、小型船海運組合連合会、」を加える。
9 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の二十二第四項第五号中「商工組合連合会」の下に「、小型船海運組合、小型船海運組合連合会」を加える。
10 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第四十五条第一項中「商工組合連合会」の下に「、小型船海運組合、小型船海運組合連合会」を加える。
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 石井光次郎
法務大臣 中村梅吉
大蔵大臣 池田勇人
通商産業大臣 水田三喜男
運輸大臣 宮沢胤勇