海軍給与令
法令番号: 勅令第六號
公布年月日: 明治37年1月22日
法令の形式: 勅令
朕海軍給與令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十七年一月二十一日
海軍大臣 男爵 山本權兵衞
勅令第六號
海軍給與令
第一章 總則
第一條 海軍軍人軍屬ノ給與ハ別ニ規定アルモノヲ除クノ外本令ニ依ル軍人軍屬以外ノ者ニシテ本令中特ニ定メタル者ノ給與亦同シ
第二條 本令ニ於テ軍人ト稱スルハ現役軍人召集中ニ非サル歸休兵ヲ除ク、生徒、學生及召集中ノ豫備役後備役軍人ヲ謂フ
第三條 軍人軍屬戰地ニ臨ミ若ハ艦船沈沒其ノ他ノ場合ニ於テ所在不明ト爲リタルトキ又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ故ナク歸著ノ期ニ後レタルトキハ本令中特ニ定メタルモノヲ除クノ外其ノ間本令ニ依ル給與ヲ停止ス高等官官等俸給令、技術官俸給令及判任官俸給令ニ依ル給與亦同シ
第四條 本令ニ依ル給與ハ特ニ支給期ヲ定メタルモノヲ除クノ外年額ニ在リテハ十二分シテ每月、月額又ハ日額ニ在リテハ每月下旬之ヲ支給ス
第五條 本令ニ依ル給與ハ之ヲ支給スルニ當リ計算上錢位未滿ノ端數ヲ生スルトキハ之ヲ切捨ツ
但シ文官俸給ニ關シテハ別ニ定ムル所ニ依ル
第二章 俸給
第一節 軍人給俸
第六條 軍人ニハ第一表ニ依リ俸給ヲ給ス
第七條 准士官以上待命中ハ俸給十分ノ八、休職中ハ俸給十分ノ六、停職中ハ俸給十分ノ三ヲ給ス
第八條 下士卒ノ俸給ハ定員及練習生ニハ甲額、其ノ他ノ者ニハ乙額ヲ給ス但シ海兵團ニ於テ定員又ハ練習生ニ非スシテ特ニ執務ヲ命セラレタル者ニハ執務中甲額ヲ給スルコトヲ得
志願兵入團ノ際傷痍又ハ疾病ノ爲其ノ採用ヲ取消サレタルトキハ入團ノ日ヨリ退團ノ日迄軍人ニ準シ俸給ヲ給ス
第九條 俸給ハ之ヲ支給スヘキ事由ノ期間一箇月ニ滿タサルトキハ總テ日割計算ニ依ル
軍人死亡シタルトキハ前項ノ規定ニ拘ラス當月末日迄ノ俸給ヲ給ス左ノ各號ノ一ニ當ル場合ニ於テ退職恩給又ハ免除恩給ヲ受クヘキ資格ナキトキ亦同シ
一 准士官以上豫備役、後備役、退役又ハ廢官ト爲リタルトキ
二 候補生傷痍又ハ疾病ノ爲候補生ヲ免セラレタルトキ
三 下士卒豫備役、後備役、免官又ハ免役ト爲リタルトキ但シ徵兵ニシテ入團ノ際傷痍又ハ疾病ノ爲現役ヲ免セラレタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十條 准士官以上待命、休職、停職、豫備役、後備役、退役、免官若ハ廢官ト爲リ又ハ召集ヲ解カレ事務引繼殘務調理ニ從事スルトキハ其ノ事務ノ了リタル日迄仍在職又ハ召集中ノ例ニ依リ俸給ヲ給ス但シ海軍高等武官進級條例第二十條又ハ第二十一條ノ規定ニ依リ進級シタル者ニ在リテハ前官ノ俸給ヲ給ス
第十一條 准士官以上及候補生禁錮ノ刑ニ處セラレタルトキハ其ノ間俸給十分ノ五ヲ給ス但シ准士官以上停職中ナルトキハ第七條ノ規定ニ依ル
第十二條 下士卒公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ入院若ハ陸地療養ヲ爲ストキ又ハ陸上勤務外宿中公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ缺勤一週日ヲ超ユルトキハ其ノ間左ノ區別ニ從ヒ俸給ヲ給ス
一 故意ニ出ツルトキ 俸給十分ノ二
二 自己ノ不攝生ニ原因スルトキ 俸給十分ノ四
三 其ノ他ノ場合 俸給十分ノ八
外國及臺灣ニ於テハ前項第二號及第三號ノ規定ヲ適用セス
第十三條 下士卒留置、收禁、處刑、處罰中又ハ被吿事件ノ爲護送中ハ其ノ間俸給十分ノ二ヲ給ス但シ被吿事件不起訴、免訴若ハ無罪ニ歸シタルトキ、被吿事件繫屬中死亡シタルトキ又ハ戴罪服務中ハ此ノ限ニ在ラス
第十四條 所在不明ノ軍人所在判明シタルトキハ其ノ不明ト爲リタル原因正當ノ事由アル者ニ限リ停止中ノ俸給ヲ給ス
第十五條 准士官以上海軍部內ノ文官ニ任セラレタルトキハ其ノ俸給ハ多額ニ就キ之ヲ給ス
第十六條 軍人外國ニ派遣セラレタルトキ、交通不便ノ地方ニ勤務スルトキ又ハ艦船ニ乘組ミ航海ヲ爲ストキハ其ノ俸給ヲ家族ニ下渡スコトヲ得
第十七條 艦船乘組ノ軍人三箇月以上航海ヲ爲ストキハ出航ノ際其ノ翌月迄ノ俸給ヲ前金渡スルコトヲ得
第十八條 交通不便ノ地方ニ勤務スル軍人ノ俸給ハ六箇月分以內ニ於テ前金渡スルコトヲ得
第二節 文官俸給
第十九條 主理、敎授、編修、通譯官、監獄長、望樓長及望樓手ノ俸給竝判任官待遇者ノ俸給ハ第二表ニ依リ之ヲ給ス
主理試補軍法會議ノ構成員タルトキハ五百圓以內ノ年俸ヲ給スルコトヲ得
第二十條 文官待遇者ノ俸給支給ノ方法ニ關シテハ文官ノ例ニ依ル
第二十一條 第十四條及第十六條乃至第十八條ノ規定ハ海軍部內ノ文官及文官待遇者ノ俸給ニ之ヲ準用ス
第三章 加俸
第一節 在勤加俸
第二十二條 公使館附軍人及軍事視察又ハ學術硏究ノ爲外國ニ駐在スル軍人ニハ外國在勤中第三表ニ依リ加俸ヲ給ス
第二十三條 臺灣ニ在勤スル軍人及文官ニハ第四表ニ依リ加俸ヲ給ス
第二十四條 臺灣ニ在勤スル軍人及文官私事ヲ以テ臺灣ヲ離ルルトキ、公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ臺灣以外ニ於テ入院若ハ轉地療養ヲ爲ストキ又ハ留置、收禁、處刑、處罰中若ハ被吿事件ノ爲護送中ハ其ノ間前條ノ加俸ヲ停止ス但シ被吿事件不起訴、免訴若ハ無罪ニ歸シタルトキ、被吿事件繫屬中死亡シタルトキ又ハ准士官以上及候補生處罰中勤務ニ服スルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十五條 第二十二條ノ加俸ハ六箇月分以內ニ於テ前金渡スルコトヲ得
第二十六條 第十條ノ規定ハ本節ノ加俸ニ之ヲ準用ス
第二節 航海加俸
第二十七條 在役軍艦ノ乘員ニハ第五表又ハ第六表ニ依リ加俸ヲ給ス豫備軍艦ノ乘員ニハ定繫港外航海中亦同シ
在役驅逐艦及在役水雷艇ノ乘員ニハ定繫港碇泊中第六表ニ依リ加俸ヲ給ス
在役驅逐艦、在役水雷艇、豫備驅逐艦及豫備水雷艇ノ乘員ニハ定繫港外航海中第七表ニ依リ加俸ヲ給ス
學校、練習所及海兵團所屬練習艦艇ノ乘員ニハ定繫港碇泊中ハ臨時他ノ役務ニ服スル場合ヲ除クノ外加俸ヲ給セス
練習又ハ實地硏究ノ爲艦艇ニ乘組ヲ命セラレタル者ニハ加俸ヲ給セス但シ第一期練習ヲ了リタル候補生ハ此ノ限ニ在ラス
第二十八條 未成軍艦、未成驅逐艦、未成水雷艇又ハ官用船舶ノ運轉其ノ他ノ職務ニ服スル爲乘組ヲ命セラレタル軍人及文官ニハ前條第一項ニ準シ加俸ヲ給ス
第二十九條 演習ノ際特ニ艦艇乘組ヲ命セラレタル指揮官ノ加俸ハ第五表及第七表ノ範圍內ニ於テ海軍大臣之ヲ定ム
第三十條 士官以上他ノ職務ヲ兼ヌルトキハ其ノ加俸ハ多額ニ就キ之ヲ給ス
第三十一條 軍人及文官依願休暇及依願歸鄕中又ハ公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ入院又ハ陸地療養ヲ爲ストキハ其ノ間加俸ヲ停止ス
臺灣ニ於テ入院又ハ陸地療養ヲ爲ストキハ傷痍疾病ノ原因故意ニ出ツル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ヲ適用セス
第三十二條 軍人及文官留置、收禁、處刑、處罰中又ハ被吿事件ノ爲護送中ハ其ノ間加俸ヲ停止ス但シ被吿事件不起訴、免訴若ハ無罪ニ歸シタルトキ、被吿事件繫屬中死亡シタルトキ、准士官以上及候補生處罰中勤務ニ服スルトキ又ハ下士卒戴罪服務中ハ此ノ限ニ在ラス
第三十三條 第十條ノ規定ハ本節ノ加俸ニ之ヲ準用ス
第三節 下士卒特別加俸
第三十四條 左ノ各號ノ一ニ當ル下士卒ニハ各號ニ就キ一日六錢以內ノ加俸ヲ給ス但シ第三號及第四號ニ當ル者同技術ノ證書證狀ヲ併有スル場合ニ於テ加俸ノ額同シキトキハ證書、異ナルトキハ多額ニ就キ其ノ一ヲ給ス
一 善行章ヲ有スル者
二 敎員ノ職ヲ奉スル者
三 砲術敎員適任證書、水雷術敎員適任證書、軍樂敎員適任證書又ハ機關術敎員適任證書ヲ有スル者
四 掌砲證狀、掌水雷證狀、信號證狀、軍樂高等科卒業證書、機關工術專科證書、掌機證狀、水雷工證狀又ハ焚火選手證狀ヲ有スル者
軍艦、驅逐艦、水雷艇及水雷敷設隊ノ備砲射手ノ部署ニ在リテ射擊ノ成績良好ナル下士卒ニハ一日二十錢以內ノ加俸ヲ給スルコトヲ得
第三十五條 下士卒故意又ハ自己ノ不攝生ニ因リ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ入院若ハ陸地療養ヲ爲ストキ又ハ陸上勤務外宿中故意又ハ自己ノ不攝生ニ因リ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ缺勤一週日ヲ超ユルトキハ其ノ間加俸ヲ停止ス
外國及臺灣ニ於テハ傷痍疾病ノ原因故意ニ出ツル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ヲ適用セス
第三十六條 第十四條及第三十二條ノ規定ハ本節ノ加俸ニ之ヲ準用ス
第四章 手當
第一節 望樓手當
第三十七條 交通不便ノ地方ニ在ル望樓ニ勤務スル望樓長及望樓手ニハ一箇月六圓以內ノ手當ヲ給スルコトヲ得
第三十八條 第十八條ノ規定ハ本節ノ手當ニ之ヲ準用ス
第二節 宿舍手當
第三十九條 臺灣ニ在勤スル准士官以上及軍屬ニ宿舍ヲ貸與セサルトキハ第八表ニ依リ手當ヲ給ス
第四十條 第十條ノ規定ハ前條ノ手當ニ之ヲ準用ス
第四十一條 下士卒陸上勤務外宿中下士ニ在リテハ一日五錢、卒ニ在リテハ一日三錢ノ手當ヲ給ス
第四十二條 前條ノ手當ハ依願歸鄕、入院、留置、收禁、處刑中又ハ被吿事件ノ爲護送中ハ其ノ間之ヲ停止ス
第四十三條 監獄看守ニハ土地ノ狀況ニ依リ一箇月三圓以內ノ手當ヲ給スルコトヲ得
第三節 生徒及學生手當
第四十四條 將校生徒及機關生徒ニハ一日十八錢、學生軍醫學生、藥劑學生、主計學生、造船學生及造兵學生ヲ謂フ以下同シニハ一日五十錢、造兵生徒ニハ一日四十二錢ノ手當ヲ給ス
第四十五條 生徒及學生入院ヲ爲ストキハ其ノ間前條手當ノ三分ノ一ヲ給ス
第四十六條 生徒及學生留置、收禁、處刑中、被吿事件ノ爲護送中又ハ私事ニ因リ在校セサルトキハ其ノ間第四十四條ノ手當ヲ停止ス
第四十七條 將校生徒及機關生徒ニハ入校ノ際被服其ノ他日用品ノ初度手當トシテ七十五圓ヲ給ス
第四十八條 將校生徒及機關生徒天災其ノ他避クヘカラサル事故ニ因リ被服其ノ他日用品ヲ亡失シタルトキハ前條ノ金額以內ニ於テ手當ヲ給スルコトヲ得
第四十九條 品行不良又ハ怠惰ニ因リ學生又ハ造兵生徒ヲ免シタルトキハ旣ニ給シタル金額ヲ辨償セシム
第五十條 將校生徒及機關生徒ニハ入校ノ際六箇月分以內ノ手當ヲ前金渡スルコトヲ得
第四節 再服役手當
第五十一條 下士卒再服役ニ就キタルトキハ其ノ際第九表ニ依リ手當ヲ給ス但シ再服役ノ期間一箇年ニ滿タサルトキハ之ヲ給セス
第五節 勞働手當
第五十二條 下士卒濳水ノ事業ニ從事スルトキハ一日一圓以內ノ手當ヲ給スルコトヲ得
第五十三條 下士卒左ノ各號ノ一ニ當ルトキハ一日二十五錢以內ノ手當ヲ給スルコトヲ得
一 艦底、汽罐內部、機關室底部又ハ水罐底部ノ掃除ニ從事スルトキ
二 艦船ニ於テ石炭積込ノ際石炭庫內ノ事業ニ從事スルトキ
三 難破船又ハ漂流人ノ救助ニ從事スルトキ
四 前各號ニ準スヘキ非常ノ勞働ニ從事スルトキ
第五十四條 下士卒熱帶地方其ノ他炎熱ノ場所ニ於テ左ノ各號ノ一ニ當ルトキハ一日十二錢以內ノ手當ヲ給スルコトヲ得
一 艦船ニ在リテ釀汽中機關部ノ事業ニ從事シ又ハ廚房ノ事業ニ從事スルトキ但シ小蒸汽艇ニ在リテハ此ノ限ニ在ラス
二 北緯三十度以南ノ陸地ニ於テ釀汽中機關部ノ事業ニ從事スルトキ
前項ノ手當ヲ給スル期間ハ熱帶地方ノ外ニ在リテハ暑期百二十日以內トス
第六節 被服手當
第五十五條 新ニ准士官以上ニ任用シ又ハ候補生ニ採用シタルトキハ其ノ際第十表ニ依リ初任手當ヲ給ス但シ准士官ヨリ士官ニ任用シタルトキハ之ヲ給セス
兵曹長又ハ機關兵曹長ヨリ各其ノ上官ニ進級シタルトキハ第十表初任手當士官ノ額ヲ給ス
第五十六條 准士官以上及候補生艦船ノ破壞又ハ沈沒ニ因リ被服ヲ亡失シタルトキハ第十表ニ依リ臨時手當ヲ給スルコトヲ得
第五十七條 下士卒ニハ被服修補手當トシテ一箇月十錢ヲ給ス
第五十八條 前條ノ手當ハ支給定日ニ於テ入院、留置、收禁、處刑中又ハ被吿事件ノ爲護送中ノ者ニハ之ヲ停止ス
第五十九條 監獄看守又ハ警査ニ採用シタルトキハ其ノ際初度手當トシテ二十五圓ヲ給ス
第六十條 監獄看守及警査ニハ被服保續手當トシテ一箇年十圓ヲ給ス
第六十一條 前條ノ手當ハ每年九月及三月ノ二期ニ分チ之ヲ支給ス
第六十二條 監獄看守及警査職務上避クヘカラサル事故ニ因リ被服ヲ破損又ハ亡失シタルトキハ臨時手當トシテ二十圓以內ヲ給スルコトヲ得
第七節 支度手當
第六十三條 艦船四箇月以上ノ豫定ヲ以テ東經九十度、西經百四十度、南緯三十四度、北緯六十度ノ外ニ航海スルトキハ該艦船乘組准士官以上、候補生及文官ニハ出航ノ際第十一表ニ依リ手當ヲ給ス艦船出航後該艦船乘組ヲ命セラレ赴任スルトキ亦同シ
第一期練習中ノ候補生、前項經緯度內ニ在ル歸航中ノ艦船ニ乘組ヲ命セラレタル者又ハ外國旅費規則ニ依リ支度料ヲ受ケ出張中艦船乘組ヲ命セラレタル者ニハ前項ノ規定ヲ適用セス
第六十四條 前條經緯度外出航ノ命ヲ受ケタル艦船乘組ノ者ニシテ該艦船事故ニ依リ出航セサルトキ又ハ出航前官ノ都合ニ依リ乘組ヲ免セラレ若ハ死亡シタルトキハ手當ノ半額ヲ給ス但シ六箇月以內ニ於テ出航スルトキハ更ニ半額ヲ給ス
第八節 食卓手當
第六十五條 艦船乘組ノ准士官以上、候補生及文官ニハ第十二表ニ依リ手當ヲ給ス
第六十六條 前條ノ手當ハ公務旅行若ハ私事ニ因リ艦船ニ在ラサルトキ又ハ糧食ヲ給スルトキハ其ノ間之ヲ停止ス
第六十七條 第十條ノ規定ハ本節ノ手當ニ之ヲ準用ス
第六十八條 艦船航海ヲ爲ストキハ豫定日數以內、其ノ他ノ場合ニ於テハ一箇月分以內ノ手當ヲ前金渡スルコトヲ得
第五章 扶助金
第六十九條 志願兵ノ家族ニハ扶助金一箇月八十五錢ヲ給ス但シ召集中ノ下士卒ノ家族ニハ之ヲ給セス
第七十條 左ノ各號ノ一ニ當ルトキハ扶助金ヲ停止ス
一 志願兵歸休ヲ命セラレタルトキハ其ノ翌月ヨリ
二 志願兵所在不明ト爲リタル後又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ故ナク歸著ノ期ニ後レタル後二箇月ヲ過キタルトキハ其ノ翌月ヨリ所在判明又ハ復歸ノ前月迄
三 志願兵禁錮ノ刑ニ處セラレタルトキハ其ノ翌月ヨリ刑期滿限ノ前月迄
四 志願兵ノ家族所在不明ト爲リタルトキハ其ノ翌月ヨリ所在判明ノ前月迄
所在不明ノ志願兵所在判明シタルトキハ其ノ不明ト爲リタル原因正當ノ事由アル場合ニ限リ停止中ノ扶助金ヲ給ス
第七十一條 扶助金ハ每年九月及三月ノ二期ニ分チ之ヲ支給ス
第六章 被服
第七十二條 下士卒ニハ第十三表ニ依リ被服物品ヲ交付ス但シ召集中ノ下士卒ニ交付スヘキ定數ハ第十三表ノ範圍內ニ於テ海軍大臣之ヲ定ム
第七十三條 嚴寒ノ地方ニ在ル下士卒又ハ同地方ニ航海スル艦船乘組ノ下士卒ニハ防寒服ヲ交付スルコトヲ得
第七十四條 下士卒ニ交付スル被服物品ハ交換期限及交換定數ヲ定メテ之ヲ交換ス其ノ期限及定數ハ海軍大臣之ヲ定ム但シ夏服略帽、麻襟、襟紐、襟飾、帽覆、袴釣、靴、靴下、手袋、折メス紐、紺足袋、正服帽徽章、臂章、腹卷及防寒服ハ之ヲ還付セシメス
第七十五條 下士卒豫備役、後備役、免官若ハ免役ト爲リ又ハ歸休ヲ命セラレタルトキハ被服物品ヲ給ス其ノ定數ハ海軍大臣之ヲ定ム但シ徵兵ニシテ入團ノ際傷痍又ハ疾病ノ爲現役ヲ免セラレタルトキハ之ヲ給セス
第七十六條 下士卒召集ヲ解カレタルトキハ適宜被服物品ヲ給スルコトヲ得前條但書ノ場合ニ於テ必要アルトキ亦同シ
第七十七條 下士卒死亡シタルトキハ葬儀ニ必要ナル被服物品ヲ給ス其ノ定數ハ海軍大臣之ヲ定ム
第七十八條 記章佩用ノ資格ヲ有スル下士卒ニハ其ノ記章ヲ給ス
第七十九條 左ノ各號ノ一ニ當ル場合ニ於テ必要アルトキハ適宜被服物品ヲ給スルコトヲ得
一 難破船乘組ノ者又ハ漂流人ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
二 局外中立ノ際交戰國ノ軍務ニ從事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
三 外國ニ於ケル內亂又ハ事變ノ際避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
第七章 糧食
第八十條 左ノ各號ノ一ニ當ル者ニハ第十四表ノ量額ヲ最上限トシ糧食ヲ給ス
一 營舍、學校、練習所及病院ニ屯在又ハ宿直スル准士官以上及候補生
二 艦船乘組又ハ公務旅行ニ因ル艦船便乘ノ生徒、學生、下士卒及艦營傭人
三 營舍、學校、練習所及病院ニ屯在スル生徒、下士卒及艦營傭人
四 陸上勤務外宿中ノ下士卒
五 臺灣ニ在勤スル准士官以上、候補生及軍屬
六 公務ニ原因シ海軍病院入院中ノ准士官以上、候補生、軍屬及職工人夫
七 海軍病院入院中ノ生徒、學生、下士卒及艦營傭人
八 在監ノ囚人及刑事被吿人
九 海軍官衙及艦船ニ於ケル拘禁又ハ護送中ノ者
第八十一條 左ノ各號ノ一ニ當ルトキハ前條ニ準シ糧食ヲ給スルコトヲ得
一 第六十五條ニ依リ食卓手當ヲ給スヘキ者ニ糧食ヲ給スルノ必要アルトキ
二 海軍大臣ニ於テ演習ノ際職工人夫其ノ他ノ者ニ糧食ヲ給スルノ必要アリト認メタルトキ
三 難破船救助ノ場合ニ於テ旅費ノ給與ヲ受ケサル者ニ糧食ヲ給スルノ必要アルトキ
四 難破船乘組ノ者又ハ漂流人ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
五 局外中立ノ際交戰國ノ軍務ニ從事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
六 外國ニ於ケル內亂又ハ事變ノ際避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
七 海軍大臣ニ於テ海軍病院收療中ノ外國軍人ニ糧食ヲ給スルノ必要アリト認メタルトキ
八 下士卒海軍病院入院中豫備役、後備役、免官若ハ免役ト爲リ又ハ召集ヲ解カレ退院スルコト能ハサルトキ
第八十二條 糧食ハ第十四表ニ揭クル品種又ハ量額ヲ給スルコト能ハサル場合ニ於テハ適宜品種又ハ量額ヲ定メテ之ヲ給スルコトヲ得
第八十三條 公務旅行又ハ私事ニ因リ艦船、營舍、學校、練習所又ハ病院ニ在ラサル者ニハ糧食ヲ給セス但シ生徒、下士卒及艦營傭人ニシテ夏季冬季ノ休暇及褒賞休暇ニ依ル上陸外出中ハ此ノ限ニ在ラス
第八十四條 陸上勤務外宿中ノ下士卒公務旅行又ハ依願歸鄕中ハ糧食ヲ給セス
第八十五條 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者ニハ其ノ症狀ニ應シ糧食ノ幾分ヲ滋養食品ニ換ヘ之ヲ給スルコトヲ得
第八十六條 糧食ヲ給スルニ當リ其ノ口數十人以上ナルトキハ供食總數ノ十分ノ一ニ相當スル量額ヲ減シ減量食數ニ應シ食料ヲ給シ適宜食品ヲ買辨セシムルコトヲ得
第八十七條 左ノ各號ノ一ニ當ルトキハ糧食ヲ食料ニ換ヘ食數ニ應シ之ヲ給スルコトヲ得
一 營舍又ハ練習所ニ屯在スル准士官以上及候補生各別ニ炊爨スルトキ
二 生徒、下士卒及艦營傭人ニ夏季冬季ノ休暇及褒賞休暇ヲ與フルトキ
三 現品ヲ以テ糧食ヲ給シ難キトキ
第八十八條 願ニ依リ艦船便乘又ハ入院治療ヲ許可シタル者、旅費ノ給與ヲ受ケ艦船ニ乘組ミタル者其ノ他自ラ食事ヲ調辨スルコト能ハサル爲特ニ糧食ヲ給スルノ必要アリト海軍大臣ニ於テ認メタル者ニハ糧食ヲ給スルコトヲ得
前項ニ依リ糧食ヲ給シタルトキハ其ノ食料ヲ辨償セシム
第八十九條 第八十六條乃至第八十八條ノ食料ハ前三年度間ノ糧食平均價格ニ依リ海軍大臣之ヲ定ム但シ第八十六條ニ依リ驅逐艦、水雷艇ニ於テ給スル食料及第八十七條第三號ニ依リ水雷艇ニ於テ給スル食料ハ平均價格ノ三割增以內ニ於テ別ニ之ヲ定ムルコトヲ得
第九十條 第六十八條ノ規定ハ本章ノ食料ニ之ヲ準用ス
第八章 治療
第九十一條 左ノ各號ノ一ニ當ルトキハ其ノ治療ニ要スル費用ヲ官費支辨トス
一 生徒、學生及下士卒竝公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル准士官以上、候補生、軍屬及職工人夫ヲ海軍病院ニ收療シ又ハ所在ノ病院若ハ醫師ニ依托シテ治療スルトキ
二 治療所ノ設備アル艦團其ノ他各部ニ於テ該艦團其ノ他各部ニ在ル軍人軍屬及拘禁中ノ常人竝公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル職工人夫ヲ收療スルトキ
三 外國又ハ臺灣ニ於テ艦船乘組ノ軍人軍屬ヲ所在ノ病院又ハ醫師ニ依托シテ治療スルトキ
四 護送中ノ囚人又ハ刑事被吿人ヲ所在ノ病院又ハ醫師ニ依托シテ治療スルトキ
第九十二條 左ノ各號ノ一ニ當ルトキハ其ノ治療ニ要スル費用ヲ官費支辨ト爲スコトヲ得
一 難破船乘組ノ者又ハ漂流人ヲ艦船ニ收療スルトキ
二 局外中立ノ際交戰國ノ軍務ニ從事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ收療スルトキ
三 外國ニ於ケル內亂又ハ事變ノ際避難者ヲ艦船ニ收療スルトキ
四 海軍大臣ニ於テ海軍病院ニ收療スル外國軍人ノ治療費ヲ官費支辨ト爲スノ必要アリト認メタルトキ
五 下士卒豫備役、後備役、免官若ハ免役ト爲リ又ハ召集ヲ解カレタル際傷痍又ハ疾病ノ爲歸鄕スルコト能ハサルトキ
六 傭入地外ニ於テ艦船乘組ノ艦營傭人ヲ海軍病院ニ收療シ又ハ所在ノ病院若ハ醫師ニ依托シテ治療スルトキ
第九十三條 海軍病院又ハ治療所ノ設備アル艦團其ノ他各部ニ於テ前二條ニ該當セサル者ヲ收療シタルトキハ其ノ費用ヲ辨償セシム其ノ定額ハ海軍大臣之ヲ定ム
第九章 埋葬
第九十四條 生徒、學生若ハ下士卒死亡シ又ハ艦船乘組ノ艦營傭人傭入地外ニ於テ死亡シタルトキハ生徒、學生及下士ニ在リテハ二十三圓、卒及艦營傭人ニ在リテハ十八圓ヲ最上限トシ官費ヲ以テ之ヲ埋葬ス但シ遺族又ハ故舊ニシテ死體ノ引渡ヲ請フ者アルトキハ本條ノ金額以內ヲ給ス
前項ノ死亡者ニシテ外國若ハ臺灣ニ於テ官費ヲ以テ其ノ死體ヲ埋葬スルトキ又ハ傳染病ニ罹リタルモノナルトキハ前項ノ制限ニ拘ラス特ニ實費支辨ト爲スコトヲ得
第九十五條 艦船乘組ノ准士官以上、候補生及文官外國又ハ臺灣航海中死亡シ其ノ地ニ於テ死體ヲ埋葬スルノ必要アルトキハ官ニ於テ之ヲ行ヒ其ノ費用ヲ實費支辨ト爲スコトヲ得
第九十六條 下士卒入院中豫備役、後備役、免官若ハ免役ト爲リ又ハ召集ヲ解カレ退院前死亡シ死體引取人ナキトキハ第九十四條ノ規定ヲ準用ス
附 則
第九十七條 本令ハ明治三十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第九十八條 監獄書記及監獄看守長ニシテ本令施行ノ際別ニ辭令書ヲ交付セサル者ハ現ニ受クル俸給額相當ノ等級俸ヲ受クルモノトス
第九十九條 本令施行ノ際一日二十錢ノ手當ヲ受クル生徒ニハ在校中仍同金額ヲ給ス
第百條 本令施行前徵募セシ志願兵ニ歸休ヲ命シタルトキハ其ノ現役滿期又ハ再服役ニ就キタル月迄扶助金ヲ給ス
本令施行ノ際現ニ一箇月一圓七十五錢ノ扶助金ヲ受クル志願兵ノ家族ニハ其ノ現役滿期又ハ再服役ニ就キタル月迄仍同金額ヲ給ス
第百一條 海軍軍人俸給令、外國駐在海軍武官手當金規則、臺灣島及澎湖島駐在海軍軍人軍屬給與規則、海軍生徒學生手當金規則、海軍下士卒手當金規則、海軍監獄看守海軍警査被服料給與令、海軍被服條例、海軍糧食條例、明治二十三年勅令第十五號、同勅令第百五十號、明治二十四年勅令第百三十二號、明治二十五年勅令第七十四號、明治二十六年勅令第二百七號、明治二十七年勅令第七十八號、明治二十八年勅令第五十一號、明治二十九年勅令第二十三號、明治三十年勅令第五十一號、同勅令第百三十號、同勅令第百三十一號、同勅令第三百六十八號、明治三十二年勅令第二號、同勅令第三百三十七號及明治三十六年勅令第六號ハ之ヲ廢止ス
第一表 軍人俸給表
大將
中將及相當官
少將及相當官
大佐及相當官
中佐及相當官
少佐及相當官
大尉及相當官
中尉及相當官
少尉及相當官
兵曹長及相當官
候補生
上等兵曹及相當官
年俸
六千圓
四千圓
三千三百圓
一級
二千四百九十六圓六十錢
一級
千八百九十八圓
一級
千二百七十七圓五十錢
一級
九百六十圓
一級
六百圓
四百四十四圓
一級
七百八十圓
三百圓
一級
六百圓
二級
五百四十圓
二級
八百六十四圓
二級
二千二百六十三圓
二級
千六百六圓
二級
千九十五圓
二級
五百四十圓
二級
七百二十圓
三級
四百八十圓
三級
七百八十圓
四級
四百二十圓
一等下士
二等下士
三等下士
一等卒
二等卒
三等卒
四等卒
五等卒
一級
二級
三級
四級
一級
二級
一級
二級
日給
甲額
八十四錢
七十錢
五十八錢
四十四錢
四十錢
三十七錢
三十二錢
三十錢
二十一錢
十八錢
十五錢
十二錢
七錢
乙額
五十八錢
四十九錢
四十一錢
三十一錢
二十八錢
二十六錢
二十三錢
二十二錢
十五錢
十三錢
十一錢
八錢
五錢
一、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ最下級俸十分ノ一ヲ增給ス
二、兵曹長及相當官ニシテ一級俸ヲ受ケ在職五箇年以上ニ至リ特ニ功勞アル者ニハ年俸八百六十四圓ヲ給スルコトヲ得
第二表 文官及判任官待遇者俸給表
勅任
奏任
判任
判任待遇
主理
主理
敎授
編修
通譯官
監獄長
望樓長
望樓手
監獄看守
警查
年俸
三千圓
月俸
一級
四十五圓
二十五圓
十五圓
一級
二千四百圓
二千五百圓
千八百圓
八百圓
二級
二千二百圓
千六百圓
七百圓
二級
四十圓
二十圓
十四圓
三級
二千圓
千四百圓
六百圓
四級
千八百圓
千二百圓
三級
三十五圓
十五圓
十三圓
五級
千六百圓
千圓
六級
千四百圓
九百圓
四級
三十圓
十二圓
十二圓
七級
千二百圓
八百圓
八級
千圓
七百圓
五級
二十五圓
十圓
十一圓
九級
九百圓
六百圓
十級
八百圓
五百圓
六級
十圓
十一級
七百圓
十二級
六百圓
七級
九圓
一、敎授ニシテ一級俸ヲ受ケ在職五箇年以上ニ至リ功勞アル者ニハ年俸三千圓迄增給スルコトヲ得
二、敎授ニハ本表定ムル所ノ最低額以下ヲ給スルコトヲ得
三、監獄長ニシテ一級俸ヲ受ケ在職三箇年以上ニ至リ功勞アル者ニハ年俸千二百圓迄增給スルコトヲ得
四、監獄看守及警查ニシテ一級俸ヲ受ケ在職三箇年以上ニ至リ事務ニ熟練ナル者ニハ月俸二十圓迄增給スルコトヲ得
第三表 外國在勤加俸表
年額
英 露 米 佛
獨 墺 伊
淸 韓
公使館附
上長官
六千四百圓
五千九百圓
二千七百圓
士官
五千五百圓
五千百圓
二千四百圓
駐在
上長官士官准士官
四千圓以內
三千五百圓以內
二千四百圓以內
一、淸國公使館附ノ軍人ニシテ特ニ天津勤務ヲ命セラレタル者ニハ年額千二十圓以內ヲ增給スルコトヲ得
二、前項ニ揭クル者ヲ除クノ外淸國及韓國ノ公使館附軍人ニハ年額六百圓以內ヲ增給スルコトヲ得
第四表 臺灣在勤加俸表
日額
中將
少將
大佐
中佐及相當官
少佐及相當官
大尉及相當官
中尉及相當官
少尉及相當官
兵曹長及相當官
二圓六十錢
二圓二十錢
一圓七十錢
一圓四十錢
一圓十錢
九十錢
七十錢
五十五錢
七十錢
候補生
准士官
一等下士
二等下士
三等下士
一等卒
二等卒
三等卒
四等卒
三十錢
五十錢
十六錢
十錢
八錢
五錢
四錢五厘
四錢
三錢
判任文官一等
同二等
同三等
同四等
同五等
七十錢
五十五錢
四十五錢
三十五錢
二十五錢
一、高等文官ニハ本表ノ官等ニ相當スル額ヲ給ス但シ九等ハ少尉及相當官ノ額ニ依ル
二、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ額ヲ給ス
第五表 艦船航海加俸表
官別
職別
日額
本邦沿岸
淸、韓、亞細亞露領沿岸
東經九十度以東
西經百四十度以西
北緯六十度以南
南緯三十四度以北
東經九十度以西
東經三十度以東
西經百四十度以東
西經七十度以西
北緯六十度以北
南緯三十四度以南
東經三十度以西
西經七十度以東
北緯四十四度以南
北緯二十六度以北
北緯四十四度以北
北緯二十六度以南
大將
艦隊司令長官
二圓五十錢
三圓七十五錢
七圓五十錢
十圓
十二圓五十錢
中將
艦隊司令長官
二圓二十錢
三圓三十錢
六圓六十錢
八圓八十錢
十一圓
艦隊司令官
二圓
三圓
六圓
八圓
十圓
少將
艦隊司令官
艦隊參謀長
一圓八十錢
二圓七十錢
五圓四十錢
七圓二十錢
九圓
大佐及相當官
艦隊司令官
艦隊參謀長
一圓七十錢
二圓五十五錢
五圓十錢
六圓八十錢
八圓五十錢
艦長
一萬噸以上
七千噸以上
一圓五十錢
二圓二十五錢
四圓五十錢
六圓
七圓五十錢
七千噸未滿
一圓二十錢
一圓八十錢
三圓六十錢
四圓八十錢
六圓
艦隊機關長
機關長
一圓
一圓五十錢
三圓
四圓
五圓
中佐及相當官
艦長
副長
機關長
一萬噸以上
七千噸以上
八十五錢
一圓二十八錢
二圓五十五錢
三圓四十錢
四圓二十五錢
七千噸未滿
六十五錢
九十八錢
一圓九十五錢
二圓六十錢
三圓二十五錢
艦隊參謀
航海長
軍醫長
主計長
六十錢
九十錢
一圓八十錢
二圓四十錢
三圓
少佐及相當官
艦長
副長
艦隊參謀
艦隊副官
航海長
機關長
五十錢
七十五錢
一圓五十錢
二圓
二圓五十錢
砲術長
水雷長
分隊長
軍醫長
主計長
四十五錢
六十八錢
一圓三十五錢
一圓八十錢
二圓二十五錢
大尉及相當官
艦長
副長
艦隊參謀
航海長
機關長
砲術長
水雷長
分隊長
軍醫長
主計長
四十錢
六十錢
一圓二十錢
一圓六十錢
二圓
一、大西洋亞米利加洲沿岸ニ於テハ第五欄ノ額ヲ給ス
二、副長ヲ置カサル艦ニ於テ艦長ノ次席將校タル者少佐ナルトキハ副長タル少佐ニ等シキ額、大尉ナルトキハ副長タル大尉ニ等シキ額ヲ給ス但シ艦長大尉ナルトキハ此ノ限ニ在ラス
三、上官ノ職務心得ヲ命セラレタル者ニハ上官ノ額ヲ給ス
四、本表ノ各職ニシテ定員表中兩官等ニ跨ル場合ニ於テ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ額、上官ノ職務心得ノ者ヲ以テ補シタルトキハ下級者ノ額ヲ給ス
五、本表中ノ噸數ハ計畫噸數ヲ謂フ
第六表 艦船航海加俸表
官別
日額
本邦沿岸
淸、韓、亞細亞露領沿岸
東經九十度以東
西經百四十度以西
北緯六十度以南
南緯三十四度以北
東經九十度以西
東經三十度以東
西經百四十度以東
西經七十度以西
北緯六十度以北
南緯三十四度以南
東經三十度以西
西經七十度以東
北緯四十四度以南
北緯二十六度以北
北緯四十四度以北
北緯二十六度以南
大佐及相當官
七十錢
一圓五錢
二圓十錢
二圓八十錢
三圓五十錢
中佐及相當官
五十錢
七十五錢
一圓五十錢
二圓
二圓五十錢
少佐及相當官
四十錢
六十錢
一圓二十錢
一圓六十錢
二圓
大尉及相當官
三十五錢
五十三錢
一圓五錢
一圓四十錢
一圓七十五錢
中少尉及相當官
三十錢
四十五錢
九十錢
一圓二十錢
一圓五十錢
兵曹長及相當官
候補生及准士官
二十錢
三十錢
六十錢
八十錢
一圓
下士
四錢
六錢
十二錢
十六錢
二十錢
一等卒
二等卒
三錢
五錢
九錢
十二錢
十五錢
三等卒
四等卒
二錢
三錢
六錢
八錢
十錢
五等卒
一錢
二錢
三錢
四錢
五錢
一、大西洋亞米利加洲沿岸ニ於テハ第五欄ノ額ヲ給ス
二、驅逐隊司令タル大佐ニハ一圓二十錢、艇隊司令タル中佐ニハ一圓、少佐ニハ八十五錢、驅逐艦長及艇長タル少佐ニハ六十錢、大尉ニハ四十五錢ノ額ヲ給ス但シ馬公要港ニ於テハ驅逐隊司令タル大佐ニハ一圓八十錢、艇隊司令タル中佐ニハ一圓五十錢少佐ニハ一圓二十八錢、驅逐艦長及艇長タル少佐ニハ九十錢、大尉ニハ六十八錢ヲ給ス
三、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ額ヲ給ス
四、司令又ハ艦艇長ニシテ定員表中兩官等ニ跨ル場合ニ於テ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ額、上官ノ職務心得ノ者ヲ以テ補シタルトキハ下級者ノ額ヲ給ス
五、文官ニハ本表ノ官等ニ相當スル額ヲ給ス但シ高等官九等ハ中少尉及相當官、判任官ハ候補生及准士官ノ額ニ依ル
第七表 驅逐艦及水雷艇航海加俸表
官職別
日額
本邦沿岸
淸、韓、亞細亞露領沿岸
東經九十度以東
西經百四十度以西
北緯六十度以南
南緯三十四度以北
東經九十度以西
東經三十度以東
西經百四十度以東
西經七十度以西
北緯六十度以北
南緯三十四度以南
東經三十度以西
西經七十度以東
北緯四十四度以南
北緯二十六度以北
北緯四十四度以北
北緯二十六度以南
大佐司令
一圓五十錢
二圓二十五錢
四圓五十錢
六圓
七圓五十錢
中佐司令
一圓二十錢
一圓八十錢
三圓六十錢
四圓八十錢
六圓
少佐司令
一圓
一圓五十錢
三圓
四圓
五圓
中佐相當官
八十錢
一圓二十錢
二圓四十錢
三圓二十錢
四圓
少佐艦艇長
少佐相當官
七十錢
一圓五錢
二圓十錢
二圓八十錢
三圓五十錢
大尉艦艇長
大尉及相當官
五十錢
七十五錢
一圓五十錢
二圓
二圓五十錢
中少尉及相當官
四十錢
六十錢
一圓二十錢
一圓六十錢
二圓
兵曹長及相當官
候補生及准士官
三十錢
四十五錢
九十錢
一圓二十錢
一圓五十錢
下士
十錢
十五錢
三十錢
四十錢
五十錢
六錢
九錢
十八錢
二十四錢
三十錢
一、大西洋亞米利加洲沿岸ニ於テハ第五欄ノ額ヲ給ス
二、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ額ヲ給ス
三、司令又ハ艦艇長ニシテ定員表中兩官等ニ跨ル場合ニ於テ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ額、上官ノ職務心得ノ者ヲ以テ補シタルトキハ下級者ノ額ヲ給ス
第八表 宿舍手當表
中將
少將
大佐
中少佐及相當官
大尉及相當官
中少尉及相當官
兵曹長及相當官
准士官
判任文官
雇員
傭人
日額
一圓六十錢
一圓
八十三錢
七十錢
五十錢
四十五錢
四十錢
二十五錢
二十錢
一、上官ノ職務心得ヲ命セラレタル者ニハ上官ノ額ヲ給ス
二、高等文官ニハ本表ノ官等ニ相當スル額ヲ給ス但シ九等ハ中少尉及相當官ノ額ニ依ル
第九表 再服役手當表
徵兵
志願兵
志願兵籍編入ノトキ
第一期
第二期
第三期
十圓
十五圓
二十圓
二十五圓
再服役三期以上ノ者ハ每期第三期ノ額ニ依ル
第十表 武裝手當表
初任手當
臨時手當
將官及相當官
八十圓
二百四十圓以內
上長官
二百圓以內
士官
百六十圓以內
准士官
四十圓
八十圓以內
候補生
三十圓
六十圓以內
第十一表 支度手當表
將官及相當官
上長官
士官
兵曹長及相當官
候補生
准士官
二百五十圓
百圓
七十圓
三十圓
二十五圓
一、艦長タル上長官ニハ五十圓ヲ增給ス
二、高等文官二等以上ニハ將官及相當官、五等以上ニハ上長官、六等以下ニハ士官、判任文官ニハ候補生准士官ノ額ヲ給ス
第十二表 食卓手當表
日額
內國
外國
將官室
艦隊職員
六十錢
八十錢
艦長室
艦長
五十錢
七十錢
士官室
大中少佐大尉及相當官、高等文官三等乃至六等
四十錢
六十錢
士官次室
中少尉及相當官、候補生、高等文官七等以下
三十錢
五十錢
准士官室
兵曹長及相當官、准士官、判任文官
二十五錢
四十五錢
一、淸、韓、亞細亞露領沿岸ニ於テハ內國ノ額ヲ給ス
二、上官ノ職務心得ヲ命セラレタル者上官ノ室ニ在ルトキハ其ノ室相當ノ額ヲ給ス
三、演習ノ際特ニ乘組ヲ命セラレタル指揮官及幕僚ニハ指揮官將官ナルトキハ將官室、其ノ他ノ場合ニ在リテハ艦長室ノ額ヲ給ス
四、艦隊職員旗艦以外ノ艦船ニ在ルトキハ大佐及相當官ニハ艦長室其ノ他ニハ士官室ノ額ヲ給ス
五、將官室ノ設ケナキ軍艦旗艦タル間ハ艦長室ヲ將官室ト看做ス此ノ場合ニ於テ旗艦艦長ニハ將官室ノ額ヲ給ス
六、艦長室、士官次室ノ設ナキ艦船ニ在リテハ士官室ノ額ヲ給ス
七、官用船舶乘組ノ上長官、士官、候補生及高等文官ニハ士官室、兵曹長及相當官、准士官竝判任文官ニハ准士官室ノ額ヲ給ス
八、候補生第一期練習中ハ准士官室ノ額ヲ給ス
【表】
第十四表 糧食品種量額表
品種
一週日量額
麵包
一貫匁
鳥獸魚肉類
一貫匁
穀類
一貫四百匁
乾物野菜類
一貫二百匁
茶焙麥類
二十一匁
砂糖
百六十匁
醬油酢油類
五合
四十匁
凝脂
三十匁
一、非常ノ勞働ニ從事セシメタルトキ其ノ他衞生上必要アルトキハ一日火酒六勺以內ヲ給スルコトヲ得
朕海軍給与令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十七年一月二十一日
海軍大臣 男爵 山本権兵衛
勅令第六号
海軍給与令
第一章 総則
第一条 海軍軍人軍属ノ給与ハ別ニ規定アルモノヲ除クノ外本令ニ依ル軍人軍属以外ノ者ニシテ本令中特ニ定メタル者ノ給与亦同シ
第二条 本令ニ於テ軍人ト称スルハ現役軍人召集中ニ非サル帰休兵ヲ除ク、生徒、学生及召集中ノ予備役後備役軍人ヲ謂フ
第三条 軍人軍属戦地ニ臨ミ若ハ艦船沈没其ノ他ノ場合ニ於テ所在不明ト為リタルトキ又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ故ナク帰著ノ期ニ後レタルトキハ本令中特ニ定メタルモノヲ除クノ外其ノ間本令ニ依ル給与ヲ停止ス高等官官等俸給令、技術官俸給令及判任官俸給令ニ依ル給与亦同シ
第四条 本令ニ依ル給与ハ特ニ支給期ヲ定メタルモノヲ除クノ外年額ニ在リテハ十二分シテ毎月、月額又ハ日額ニ在リテハ毎月下旬之ヲ支給ス
第五条 本令ニ依ル給与ハ之ヲ支給スルニ当リ計算上銭位未満ノ端数ヲ生スルトキハ之ヲ切捨ツ
但シ文官俸給ニ関シテハ別ニ定ムル所ニ依ル
第二章 俸給
第一節 軍人給俸
第六条 軍人ニハ第一表ニ依リ俸給ヲ給ス
第七条 准士官以上待命中ハ俸給十分ノ八、休職中ハ俸給十分ノ六、停職中ハ俸給十分ノ三ヲ給ス
第八条 下士卒ノ俸給ハ定員及練習生ニハ甲額、其ノ他ノ者ニハ乙額ヲ給ス但シ海兵団ニ於テ定員又ハ練習生ニ非スシテ特ニ執務ヲ命セラレタル者ニハ執務中甲額ヲ給スルコトヲ得
志願兵入団ノ際傷痍又ハ疾病ノ為其ノ採用ヲ取消サレタルトキハ入団ノ日ヨリ退団ノ日迄軍人ニ準シ俸給ヲ給ス
第九条 俸給ハ之ヲ支給スヘキ事由ノ期間一箇月ニ満タサルトキハ総テ日割計算ニ依ル
軍人死亡シタルトキハ前項ノ規定ニ拘ラス当月末日迄ノ俸給ヲ給ス左ノ各号ノ一ニ当ル場合ニ於テ退職恩給又ハ免除恩給ヲ受クヘキ資格ナキトキ亦同シ
一 准士官以上予備役、後備役、退役又ハ廃官ト為リタルトキ
二 候補生傷痍又ハ疾病ノ為候補生ヲ免セラレタルトキ
三 下士卒予備役、後備役、免官又ハ免役ト為リタルトキ但シ徴兵ニシテ入団ノ際傷痍又ハ疾病ノ為現役ヲ免セラレタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十条 准士官以上待命、休職、停職、予備役、後備役、退役、免官若ハ廃官ト為リ又ハ召集ヲ解カレ事務引継残務調理ニ従事スルトキハ其ノ事務ノ了リタル日迄仍在職又ハ召集中ノ例ニ依リ俸給ヲ給ス但シ海軍高等武官進級条例第二十条又ハ第二十一条ノ規定ニ依リ進級シタル者ニ在リテハ前官ノ俸給ヲ給ス
第十一条 准士官以上及候補生禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ間俸給十分ノ五ヲ給ス但シ准士官以上停職中ナルトキハ第七条ノ規定ニ依ル
第十二条 下士卒公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ入院若ハ陸地療養ヲ為ストキ又ハ陸上勤務外宿中公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ欠勤一週日ヲ超ユルトキハ其ノ間左ノ区別ニ従ヒ俸給ヲ給ス
一 故意ニ出ツルトキ 俸給十分ノ二
二 自己ノ不摂生ニ原因スルトキ 俸給十分ノ四
三 其ノ他ノ場合 俸給十分ノ八
外国及台湾ニ於テハ前項第二号及第三号ノ規定ヲ適用セス
第十三条 下士卒留置、収禁、処刑、処罰中又ハ被告事件ノ為護送中ハ其ノ間俸給十分ノ二ヲ給ス但シ被告事件不起訴、免訴若ハ無罪ニ帰シタルトキ、被告事件繋属中死亡シタルトキ又ハ戴罪服務中ハ此ノ限ニ在ラス
第十四条 所在不明ノ軍人所在判明シタルトキハ其ノ不明ト為リタル原因正当ノ事由アル者ニ限リ停止中ノ俸給ヲ給ス
第十五条 准士官以上海軍部内ノ文官ニ任セラレタルトキハ其ノ俸給ハ多額ニ就キ之ヲ給ス
第十六条 軍人外国ニ派遣セラレタルトキ、交通不便ノ地方ニ勤務スルトキ又ハ艦船ニ乗組ミ航海ヲ為ストキハ其ノ俸給ヲ家族ニ下渡スコトヲ得
第十七条 艦船乗組ノ軍人三箇月以上航海ヲ為ストキハ出航ノ際其ノ翌月迄ノ俸給ヲ前金渡スルコトヲ得
第十八条 交通不便ノ地方ニ勤務スル軍人ノ俸給ハ六箇月分以内ニ於テ前金渡スルコトヲ得
第二節 文官俸給
第十九条 主理、教授、編修、通訳官、監獄長、望楼長及望楼手ノ俸給並判任官待遇者ノ俸給ハ第二表ニ依リ之ヲ給ス
主理試補軍法会議ノ構成員タルトキハ五百円以内ノ年俸ヲ給スルコトヲ得
第二十条 文官待遇者ノ俸給支給ノ方法ニ関シテハ文官ノ例ニ依ル
第二十一条 第十四条及第十六条乃至第十八条ノ規定ハ海軍部内ノ文官及文官待遇者ノ俸給ニ之ヲ準用ス
第三章 加俸
第一節 在勤加俸
第二十二条 公使館附軍人及軍事視察又ハ学術研究ノ為外国ニ駐在スル軍人ニハ外国在勤中第三表ニ依リ加俸ヲ給ス
第二十三条 台湾ニ在勤スル軍人及文官ニハ第四表ニ依リ加俸ヲ給ス
第二十四条 台湾ニ在勤スル軍人及文官私事ヲ以テ台湾ヲ離ルルトキ、公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ台湾以外ニ於テ入院若ハ転地療養ヲ為ストキ又ハ留置、収禁、処刑、処罰中若ハ被告事件ノ為護送中ハ其ノ間前条ノ加俸ヲ停止ス但シ被告事件不起訴、免訴若ハ無罪ニ帰シタルトキ、被告事件繋属中死亡シタルトキ又ハ准士官以上及候補生処罰中勤務ニ服スルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十五条 第二十二条ノ加俸ハ六箇月分以内ニ於テ前金渡スルコトヲ得
第二十六条 第十条ノ規定ハ本節ノ加俸ニ之ヲ準用ス
第二節 航海加俸
第二十七条 在役軍艦ノ乗員ニハ第五表又ハ第六表ニ依リ加俸ヲ給ス予備軍艦ノ乗員ニハ定繋港外航海中亦同シ
在役駆逐艦及在役水雷艇ノ乗員ニハ定繋港碇泊中第六表ニ依リ加俸ヲ給ス
在役駆逐艦、在役水雷艇、予備駆逐艦及予備水雷艇ノ乗員ニハ定繋港外航海中第七表ニ依リ加俸ヲ給ス
学校、練習所及海兵団所属練習艦艇ノ乗員ニハ定繋港碇泊中ハ臨時他ノ役務ニ服スル場合ヲ除クノ外加俸ヲ給セス
練習又ハ実地研究ノ為艦艇ニ乗組ヲ命セラレタル者ニハ加俸ヲ給セス但シ第一期練習ヲ了リタル候補生ハ此ノ限ニ在ラス
第二十八条 未成軍艦、未成駆逐艦、未成水雷艇又ハ官用船舶ノ運転其ノ他ノ職務ニ服スル為乗組ヲ命セラレタル軍人及文官ニハ前条第一項ニ準シ加俸ヲ給ス
第二十九条 演習ノ際特ニ艦艇乗組ヲ命セラレタル指揮官ノ加俸ハ第五表及第七表ノ範囲内ニ於テ海軍大臣之ヲ定ム
第三十条 士官以上他ノ職務ヲ兼ヌルトキハ其ノ加俸ハ多額ニ就キ之ヲ給ス
第三十一条 軍人及文官依願休暇及依願帰郷中又ハ公務ニ原因スルニ非スシテ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ入院又ハ陸地療養ヲ為ストキハ其ノ間加俸ヲ停止ス
台湾ニ於テ入院又ハ陸地療養ヲ為ストキハ傷痍疾病ノ原因故意ニ出ツル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ヲ適用セス
第三十二条 軍人及文官留置、収禁、処刑、処罰中又ハ被告事件ノ為護送中ハ其ノ間加俸ヲ停止ス但シ被告事件不起訴、免訴若ハ無罪ニ帰シタルトキ、被告事件繋属中死亡シタルトキ、准士官以上及候補生処罰中勤務ニ服スルトキ又ハ下士卒戴罪服務中ハ此ノ限ニ在ラス
第三十三条 第十条ノ規定ハ本節ノ加俸ニ之ヲ準用ス
第三節 下士卒特別加俸
第三十四条 左ノ各号ノ一ニ当ル下士卒ニハ各号ニ就キ一日六銭以内ノ加俸ヲ給ス但シ第三号及第四号ニ当ル者同技術ノ証書証状ヲ併有スル場合ニ於テ加俸ノ額同シキトキハ証書、異ナルトキハ多額ニ就キ其ノ一ヲ給ス
一 善行章ヲ有スル者
二 教員ノ職ヲ奉スル者
三 砲術教員適任証書、水雷術教員適任証書、軍楽教員適任証書又ハ機関術教員適任証書ヲ有スル者
四 掌砲証状、掌水雷証状、信号証状、軍楽高等科卒業証書、機関工術専科証書、掌機証状、水雷工証状又ハ焚火選手証状ヲ有スル者
軍艦、駆逐艦、水雷艇及水雷敷設隊ノ備砲射手ノ部署ニ在リテ射撃ノ成績良好ナル下士卒ニハ一日二十銭以内ノ加俸ヲ給スルコトヲ得
第三十五条 下士卒故意又ハ自己ノ不摂生ニ因リ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ入院若ハ陸地療養ヲ為ストキ又ハ陸上勤務外宿中故意又ハ自己ノ不摂生ニ因リ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ欠勤一週日ヲ超ユルトキハ其ノ間加俸ヲ停止ス
外国及台湾ニ於テハ傷痍疾病ノ原因故意ニ出ツル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ヲ適用セス
第三十六条 第十四条及第三十二条ノ規定ハ本節ノ加俸ニ之ヲ準用ス
第四章 手当
第一節 望楼手当
第三十七条 交通不便ノ地方ニ在ル望楼ニ勤務スル望楼長及望楼手ニハ一箇月六円以内ノ手当ヲ給スルコトヲ得
第三十八条 第十八条ノ規定ハ本節ノ手当ニ之ヲ準用ス
第二節 宿舎手当
第三十九条 台湾ニ在勤スル准士官以上及軍属ニ宿舎ヲ貸与セサルトキハ第八表ニ依リ手当ヲ給ス
第四十条 第十条ノ規定ハ前条ノ手当ニ之ヲ準用ス
第四十一条 下士卒陸上勤務外宿中下士ニ在リテハ一日五銭、卒ニ在リテハ一日三銭ノ手当ヲ給ス
第四十二条 前条ノ手当ハ依願帰郷、入院、留置、収禁、処刑中又ハ被告事件ノ為護送中ハ其ノ間之ヲ停止ス
第四十三条 監獄看守ニハ土地ノ状況ニ依リ一箇月三円以内ノ手当ヲ給スルコトヲ得
第三節 生徒及学生手当
第四十四条 将校生徒及機関生徒ニハ一日十八銭、学生軍医学生、薬剤学生、主計学生、造船学生及造兵学生ヲ謂フ以下同シニハ一日五十銭、造兵生徒ニハ一日四十二銭ノ手当ヲ給ス
第四十五条 生徒及学生入院ヲ為ストキハ其ノ間前条手当ノ三分ノ一ヲ給ス
第四十六条 生徒及学生留置、収禁、処刑中、被告事件ノ為護送中又ハ私事ニ因リ在校セサルトキハ其ノ間第四十四条ノ手当ヲ停止ス
第四十七条 将校生徒及機関生徒ニハ入校ノ際被服其ノ他日用品ノ初度手当トシテ七十五円ヲ給ス
第四十八条 将校生徒及機関生徒天災其ノ他避クヘカラサル事故ニ因リ被服其ノ他日用品ヲ亡失シタルトキハ前条ノ金額以内ニ於テ手当ヲ給スルコトヲ得
第四十九条 品行不良又ハ怠惰ニ因リ学生又ハ造兵生徒ヲ免シタルトキハ既ニ給シタル金額ヲ弁償セシム
第五十条 将校生徒及機関生徒ニハ入校ノ際六箇月分以内ノ手当ヲ前金渡スルコトヲ得
第四節 再服役手当
第五十一条 下士卒再服役ニ就キタルトキハ其ノ際第九表ニ依リ手当ヲ給ス但シ再服役ノ期間一箇年ニ満タサルトキハ之ヲ給セス
第五節 労働手当
第五十二条 下士卒濳水ノ事業ニ従事スルトキハ一日一円以内ノ手当ヲ給スルコトヲ得
第五十三条 下士卒左ノ各号ノ一ニ当ルトキハ一日二十五銭以内ノ手当ヲ給スルコトヲ得
一 艦底、汽缶内部、機関室底部又ハ水缶底部ノ掃除ニ従事スルトキ
二 艦船ニ於テ石炭積込ノ際石炭庫内ノ事業ニ従事スルトキ
三 難破船又ハ漂流人ノ救助ニ従事スルトキ
四 前各号ニ準スヘキ非常ノ労働ニ従事スルトキ
第五十四条 下士卒熱帯地方其ノ他炎熱ノ場所ニ於テ左ノ各号ノ一ニ当ルトキハ一日十二銭以内ノ手当ヲ給スルコトヲ得
一 艦船ニ在リテ醸汽中機関部ノ事業ニ従事シ又ハ厨房ノ事業ニ従事スルトキ但シ小蒸汽艇ニ在リテハ此ノ限ニ在ラス
二 北緯三十度以南ノ陸地ニ於テ醸汽中機関部ノ事業ニ従事スルトキ
前項ノ手当ヲ給スル期間ハ熱帯地方ノ外ニ在リテハ暑期百二十日以内トス
第六節 被服手当
第五十五条 新ニ准士官以上ニ任用シ又ハ候補生ニ採用シタルトキハ其ノ際第十表ニ依リ初任手当ヲ給ス但シ准士官ヨリ士官ニ任用シタルトキハ之ヲ給セス
兵曹長又ハ機関兵曹長ヨリ各其ノ上官ニ進級シタルトキハ第十表初任手当士官ノ額ヲ給ス
第五十六条 准士官以上及候補生艦船ノ破壊又ハ沈没ニ因リ被服ヲ亡失シタルトキハ第十表ニ依リ臨時手当ヲ給スルコトヲ得
第五十七条 下士卒ニハ被服修補手当トシテ一箇月十銭ヲ給ス
第五十八条 前条ノ手当ハ支給定日ニ於テ入院、留置、収禁、処刑中又ハ被告事件ノ為護送中ノ者ニハ之ヲ停止ス
第五十九条 監獄看守又ハ警査ニ採用シタルトキハ其ノ際初度手当トシテ二十五円ヲ給ス
第六十条 監獄看守及警査ニハ被服保続手当トシテ一箇年十円ヲ給ス
第六十一条 前条ノ手当ハ毎年九月及三月ノ二期ニ分チ之ヲ支給ス
第六十二条 監獄看守及警査職務上避クヘカラサル事故ニ因リ被服ヲ破損又ハ亡失シタルトキハ臨時手当トシテ二十円以内ヲ給スルコトヲ得
第七節 支度手当
第六十三条 艦船四箇月以上ノ予定ヲ以テ東経九十度、西経百四十度、南緯三十四度、北緯六十度ノ外ニ航海スルトキハ該艦船乗組准士官以上、候補生及文官ニハ出航ノ際第十一表ニ依リ手当ヲ給ス艦船出航後該艦船乗組ヲ命セラレ赴任スルトキ亦同シ
第一期練習中ノ候補生、前項経緯度内ニ在ル帰航中ノ艦船ニ乗組ヲ命セラレタル者又ハ外国旅費規則ニ依リ支度料ヲ受ケ出張中艦船乗組ヲ命セラレタル者ニハ前項ノ規定ヲ適用セス
第六十四条 前条経緯度外出航ノ命ヲ受ケタル艦船乗組ノ者ニシテ該艦船事故ニ依リ出航セサルトキ又ハ出航前官ノ都合ニ依リ乗組ヲ免セラレ若ハ死亡シタルトキハ手当ノ半額ヲ給ス但シ六箇月以内ニ於テ出航スルトキハ更ニ半額ヲ給ス
第八節 食卓手当
第六十五条 艦船乗組ノ准士官以上、候補生及文官ニハ第十二表ニ依リ手当ヲ給ス
第六十六条 前条ノ手当ハ公務旅行若ハ私事ニ因リ艦船ニ在ラサルトキ又ハ糧食ヲ給スルトキハ其ノ間之ヲ停止ス
第六十七条 第十条ノ規定ハ本節ノ手当ニ之ヲ準用ス
第六十八条 艦船航海ヲ為ストキハ予定日数以内、其ノ他ノ場合ニ於テハ一箇月分以内ノ手当ヲ前金渡スルコトヲ得
第五章 扶助金
第六十九条 志願兵ノ家族ニハ扶助金一箇月八十五銭ヲ給ス但シ召集中ノ下士卒ノ家族ニハ之ヲ給セス
第七十条 左ノ各号ノ一ニ当ルトキハ扶助金ヲ停止ス
一 志願兵帰休ヲ命セラレタルトキハ其ノ翌月ヨリ
二 志願兵所在不明ト為リタル後又ハ擅ニ職役ヲ離レ若ハ他方ニ赴キ故ナク帰著ノ期ニ後レタル後二箇月ヲ過キタルトキハ其ノ翌月ヨリ所在判明又ハ復帰ノ前月迄
三 志願兵禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ翌月ヨリ刑期満限ノ前月迄
四 志願兵ノ家族所在不明ト為リタルトキハ其ノ翌月ヨリ所在判明ノ前月迄
所在不明ノ志願兵所在判明シタルトキハ其ノ不明ト為リタル原因正当ノ事由アル場合ニ限リ停止中ノ扶助金ヲ給ス
第七十一条 扶助金ハ毎年九月及三月ノ二期ニ分チ之ヲ支給ス
第六章 被服
第七十二条 下士卒ニハ第十三表ニ依リ被服物品ヲ交付ス但シ召集中ノ下士卒ニ交付スヘキ定数ハ第十三表ノ範囲内ニ於テ海軍大臣之ヲ定ム
第七十三条 厳寒ノ地方ニ在ル下士卒又ハ同地方ニ航海スル艦船乗組ノ下士卒ニハ防寒服ヲ交付スルコトヲ得
第七十四条 下士卒ニ交付スル被服物品ハ交換期限及交換定数ヲ定メテ之ヲ交換ス其ノ期限及定数ハ海軍大臣之ヲ定ム但シ夏服略帽、麻襟、襟紐、襟飾、帽覆、袴釣、靴、靴下、手袋、折メス紐、紺足袋、正服帽徽章、臂章、腹巻及防寒服ハ之ヲ還付セシメス
第七十五条 下士卒予備役、後備役、免官若ハ免役ト為リ又ハ帰休ヲ命セラレタルトキハ被服物品ヲ給ス其ノ定数ハ海軍大臣之ヲ定ム但シ徴兵ニシテ入団ノ際傷痍又ハ疾病ノ為現役ヲ免セラレタルトキハ之ヲ給セス
第七十六条 下士卒召集ヲ解カレタルトキハ適宜被服物品ヲ給スルコトヲ得前条但書ノ場合ニ於テ必要アルトキ亦同シ
第七十七条 下士卒死亡シタルトキハ葬儀ニ必要ナル被服物品ヲ給ス其ノ定数ハ海軍大臣之ヲ定ム
第七十八条 記章佩用ノ資格ヲ有スル下士卒ニハ其ノ記章ヲ給ス
第七十九条 左ノ各号ノ一ニ当ル場合ニ於テ必要アルトキハ適宜被服物品ヲ給スルコトヲ得
一 難破船乗組ノ者又ハ漂流人ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
二 局外中立ノ際交戦国ノ軍務ニ従事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
三 外国ニ於ケル内乱又ハ事変ノ際避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
第七章 糧食
第八十条 左ノ各号ノ一ニ当ル者ニハ第十四表ノ量額ヲ最上限トシ糧食ヲ給ス
一 営舎、学校、練習所及病院ニ屯在又ハ宿直スル准士官以上及候補生
二 艦船乗組又ハ公務旅行ニ因ル艦船便乗ノ生徒、学生、下士卒及艦営傭人
三 営舎、学校、練習所及病院ニ屯在スル生徒、下士卒及艦営傭人
四 陸上勤務外宿中ノ下士卒
五 台湾ニ在勤スル准士官以上、候補生及軍属
六 公務ニ原因シ海軍病院入院中ノ准士官以上、候補生、軍属及職工人夫
七 海軍病院入院中ノ生徒、学生、下士卒及艦営傭人
八 在監ノ囚人及刑事被告人
九 海軍官衙及艦船ニ於ケル拘禁又ハ護送中ノ者
第八十一条 左ノ各号ノ一ニ当ルトキハ前条ニ準シ糧食ヲ給スルコトヲ得
一 第六十五条ニ依リ食卓手当ヲ給スヘキ者ニ糧食ヲ給スルノ必要アルトキ
二 海軍大臣ニ於テ演習ノ際職工人夫其ノ他ノ者ニ糧食ヲ給スルノ必要アリト認メタルトキ
三 難破船救助ノ場合ニ於テ旅費ノ給与ヲ受ケサル者ニ糧食ヲ給スルノ必要アルトキ
四 難破船乗組ノ者又ハ漂流人ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
五 局外中立ノ際交戦国ノ軍務ニ従事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
六 外国ニ於ケル内乱又ハ事変ノ際避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
七 海軍大臣ニ於テ海軍病院収療中ノ外国軍人ニ糧食ヲ給スルノ必要アリト認メタルトキ
八 下士卒海軍病院入院中予備役、後備役、免官若ハ免役ト為リ又ハ召集ヲ解カレ退院スルコト能ハサルトキ
第八十二条 糧食ハ第十四表ニ掲クル品種又ハ量額ヲ給スルコト能ハサル場合ニ於テハ適宜品種又ハ量額ヲ定メテ之ヲ給スルコトヲ得
第八十三条 公務旅行又ハ私事ニ因リ艦船、営舎、学校、練習所又ハ病院ニ在ラサル者ニハ糧食ヲ給セス但シ生徒、下士卒及艦営傭人ニシテ夏季冬季ノ休暇及褒賞休暇ニ依ル上陸外出中ハ此ノ限ニ在ラス
第八十四条 陸上勤務外宿中ノ下士卒公務旅行又ハ依願帰郷中ハ糧食ヲ給セス
第八十五条 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者ニハ其ノ症状ニ応シ糧食ノ幾分ヲ滋養食品ニ換ヘ之ヲ給スルコトヲ得
第八十六条 糧食ヲ給スルニ当リ其ノ口数十人以上ナルトキハ供食総数ノ十分ノ一ニ相当スル量額ヲ減シ減量食数ニ応シ食料ヲ給シ適宜食品ヲ買弁セシムルコトヲ得
第八十七条 左ノ各号ノ一ニ当ルトキハ糧食ヲ食料ニ換ヘ食数ニ応シ之ヲ給スルコトヲ得
一 営舎又ハ練習所ニ屯在スル准士官以上及候補生各別ニ炊爨スルトキ
二 生徒、下士卒及艦営傭人ニ夏季冬季ノ休暇及褒賞休暇ヲ与フルトキ
三 現品ヲ以テ糧食ヲ給シ難キトキ
第八十八条 願ニ依リ艦船便乗又ハ入院治療ヲ許可シタル者、旅費ノ給与ヲ受ケ艦船ニ乗組ミタル者其ノ他自ラ食事ヲ調弁スルコト能ハサル為特ニ糧食ヲ給スルノ必要アリト海軍大臣ニ於テ認メタル者ニハ糧食ヲ給スルコトヲ得
前項ニ依リ糧食ヲ給シタルトキハ其ノ食料ヲ弁償セシム
第八十九条 第八十六条乃至第八十八条ノ食料ハ前三年度間ノ糧食平均価格ニ依リ海軍大臣之ヲ定ム但シ第八十六条ニ依リ駆逐艦、水雷艇ニ於テ給スル食料及第八十七条第三号ニ依リ水雷艇ニ於テ給スル食料ハ平均価格ノ三割増以内ニ於テ別ニ之ヲ定ムルコトヲ得
第九十条 第六十八条ノ規定ハ本章ノ食料ニ之ヲ準用ス
第八章 治療
第九十一条 左ノ各号ノ一ニ当ルトキハ其ノ治療ニ要スル費用ヲ官費支弁トス
一 生徒、学生及下士卒並公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル准士官以上、候補生、軍属及職工人夫ヲ海軍病院ニ収療シ又ハ所在ノ病院若ハ医師ニ依托シテ治療スルトキ
二 治療所ノ設備アル艦団其ノ他各部ニ於テ該艦団其ノ他各部ニ在ル軍人軍属及拘禁中ノ常人並公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル職工人夫ヲ収療スルトキ
三 外国又ハ台湾ニ於テ艦船乗組ノ軍人軍属ヲ所在ノ病院又ハ医師ニ依托シテ治療スルトキ
四 護送中ノ囚人又ハ刑事被告人ヲ所在ノ病院又ハ医師ニ依托シテ治療スルトキ
第九十二条 左ノ各号ノ一ニ当ルトキハ其ノ治療ニ要スル費用ヲ官費支弁ト為スコトヲ得
一 難破船乗組ノ者又ハ漂流人ヲ艦船ニ収療スルトキ
二 局外中立ノ際交戦国ノ軍務ニ従事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ収療スルトキ
三 外国ニ於ケル内乱又ハ事変ノ際避難者ヲ艦船ニ収療スルトキ
四 海軍大臣ニ於テ海軍病院ニ収療スル外国軍人ノ治療費ヲ官費支弁ト為スノ必要アリト認メタルトキ
五 下士卒予備役、後備役、免官若ハ免役ト為リ又ハ召集ヲ解カレタル際傷痍又ハ疾病ノ為帰郷スルコト能ハサルトキ
六 傭入地外ニ於テ艦船乗組ノ艦営傭人ヲ海軍病院ニ収療シ又ハ所在ノ病院若ハ医師ニ依托シテ治療スルトキ
第九十三条 海軍病院又ハ治療所ノ設備アル艦団其ノ他各部ニ於テ前二条ニ該当セサル者ヲ収療シタルトキハ其ノ費用ヲ弁償セシム其ノ定額ハ海軍大臣之ヲ定ム
第九章 埋葬
第九十四条 生徒、学生若ハ下士卒死亡シ又ハ艦船乗組ノ艦営傭人傭入地外ニ於テ死亡シタルトキハ生徒、学生及下士ニ在リテハ二十三円、卒及艦営傭人ニ在リテハ十八円ヲ最上限トシ官費ヲ以テ之ヲ埋葬ス但シ遺族又ハ故旧ニシテ死体ノ引渡ヲ請フ者アルトキハ本条ノ金額以内ヲ給ス
前項ノ死亡者ニシテ外国若ハ台湾ニ於テ官費ヲ以テ其ノ死体ヲ埋葬スルトキ又ハ伝染病ニ罹リタルモノナルトキハ前項ノ制限ニ拘ラス特ニ実費支弁ト為スコトヲ得
第九十五条 艦船乗組ノ准士官以上、候補生及文官外国又ハ台湾航海中死亡シ其ノ地ニ於テ死体ヲ埋葬スルノ必要アルトキハ官ニ於テ之ヲ行ヒ其ノ費用ヲ実費支弁ト為スコトヲ得
第九十六条 下士卒入院中予備役、後備役、免官若ハ免役ト為リ又ハ召集ヲ解カレ退院前死亡シ死体引取人ナキトキハ第九十四条ノ規定ヲ準用ス
附 則
第九十七条 本令ハ明治三十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第九十八条 監獄書記及監獄看守長ニシテ本令施行ノ際別ニ辞令書ヲ交付セサル者ハ現ニ受クル俸給額相当ノ等級俸ヲ受クルモノトス
第九十九条 本令施行ノ際一日二十銭ノ手当ヲ受クル生徒ニハ在校中仍同金額ヲ給ス
第百条 本令施行前徴募セシ志願兵ニ帰休ヲ命シタルトキハ其ノ現役満期又ハ再服役ニ就キタル月迄扶助金ヲ給ス
本令施行ノ際現ニ一箇月一円七十五銭ノ扶助金ヲ受クル志願兵ノ家族ニハ其ノ現役満期又ハ再服役ニ就キタル月迄仍同金額ヲ給ス
第百一条 海軍軍人俸給令、外国駐在海軍武官手当金規則、台湾島及澎湖島駐在海軍軍人軍属給与規則、海軍生徒学生手当金規則、海軍下士卒手当金規則、海軍監獄看守海軍警査被服料給与令、海軍被服条例、海軍糧食条例、明治二十三年勅令第十五号、同勅令第百五十号、明治二十四年勅令第百三十二号、明治二十五年勅令第七十四号、明治二十六年勅令第二百七号、明治二十七年勅令第七十八号、明治二十八年勅令第五十一号、明治二十九年勅令第二十三号、明治三十年勅令第五十一号、同勅令第百三十号、同勅令第百三十一号、同勅令第三百六十八号、明治三十二年勅令第二号、同勅令第三百三十七号及明治三十六年勅令第六号ハ之ヲ廃止ス
第一表 軍人俸給表
大将
中将及相当官
少将及相当官
大佐及相当官
中佐及相当官
少佐及相当官
大尉及相当官
中尉及相当官
少尉及相当官
兵曹長及相当官
候補生
上等兵曹及相当官
年俸
六千円
四千円
三千三百円
一級
二千四百九十六円六十銭
一級
千八百九十八円
一級
千二百七十七円五十銭
一級
九百六十円
一級
六百円
四百四十四円
一級
七百八十円
三百円
一級
六百円
二級
五百四十円
二級
八百六十四円
二級
二千二百六十三円
二級
千六百六円
二級
千九十五円
二級
五百四十円
二級
七百二十円
三級
四百八十円
三級
七百八十円
四級
四百二十円
一等下士
二等下士
三等下士
一等卒
二等卒
三等卒
四等卒
五等卒
一級
二級
三級
四級
一級
二級
一級
二級
日給
甲額
八十四銭
七十銭
五十八銭
四十四銭
四十銭
三十七銭
三十二銭
三十銭
二十一銭
十八銭
十五銭
十二銭
七銭
乙額
五十八銭
四十九銭
四十一銭
三十一銭
二十八銭
二十六銭
二十三銭
二十二銭
十五銭
十三銭
十一銭
八銭
五銭
一、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ最下級俸十分ノ一ヲ増給ス
二、兵曹長及相当官ニシテ一級俸ヲ受ケ在職五箇年以上ニ至リ特ニ功労アル者ニハ年俸八百六十四円ヲ給スルコトヲ得
第二表 文官及判任官待遇者俸給表
勅任
奏任
判任
判任待遇
主理
主理
教授
編修
通訳官
監獄長
望楼長
望楼手
監獄看守
警査
年俸
三千円
月俸
一級
四十五円
二十五円
十五円
一級
二千四百円
二千五百円
千八百円
八百円
二級
二千二百円
千六百円
七百円
二級
四十円
二十円
十四円
三級
二千円
千四百円
六百円
四級
千八百円
千二百円
三級
三十五円
十五円
十三円
五級
千六百円
千円
六級
千四百円
九百円
四級
三十円
十二円
十二円
七級
千二百円
八百円
八級
千円
七百円
五級
二十五円
十円
十一円
九級
九百円
六百円
十級
八百円
五百円
六級
十円
十一級
七百円
十二級
六百円
七級
九円
一、教授ニシテ一級俸ヲ受ケ在職五箇年以上ニ至リ功労アル者ニハ年俸三千円迄増給スルコトヲ得
二、教授ニハ本表定ムル所ノ最低額以下ヲ給スルコトヲ得
三、監獄長ニシテ一級俸ヲ受ケ在職三箇年以上ニ至リ功労アル者ニハ年俸千二百円迄増給スルコトヲ得
四、監獄看守及警査ニシテ一級俸ヲ受ケ在職三箇年以上ニ至リ事務ニ熟練ナル者ニハ月俸二十円迄増給スルコトヲ得
第三表 外国在勤加俸表
年額
英 露 米 仏
独 墺 伊
清 韓
公使館附
上長官
六千四百円
五千九百円
二千七百円
士官
五千五百円
五千百円
二千四百円
駐在
上長官士官准士官
四千円以内
三千五百円以内
二千四百円以内
一、清国公使館附ノ軍人ニシテ特ニ天津勤務ヲ命セラレタル者ニハ年額千二十円以内ヲ増給スルコトヲ得
二、前項ニ掲クル者ヲ除クノ外清国及韓国ノ公使館附軍人ニハ年額六百円以内ヲ増給スルコトヲ得
第四表 台湾在勤加俸表
日額
中将
少将
大佐
中佐及相当官
少佐及相当官
大尉及相当官
中尉及相当官
少尉及相当官
兵曹長及相当官
二円六十銭
二円二十銭
一円七十銭
一円四十銭
一円十銭
九十銭
七十銭
五十五銭
七十銭
候補生
准士官
一等下士
二等下士
三等下士
一等卒
二等卒
三等卒
四等卒
三十銭
五十銭
十六銭
十銭
八銭
五銭
四銭五厘
四銭
三銭
判任文官一等
同二等
同三等
同四等
同五等
七十銭
五十五銭
四十五銭
三十五銭
二十五銭
一、高等文官ニハ本表ノ官等ニ相当スル額ヲ給ス但シ九等ハ少尉及相当官ノ額ニ依ル
二、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ額ヲ給ス
第五表 艦船航海加俸表
官別
職別
日額
本邦沿岸
清、韓、亜細亜露領沿岸
東経九十度以東
西経百四十度以西
北緯六十度以南
南緯三十四度以北
東経九十度以西
東経三十度以東
西経百四十度以東
西経七十度以西
北緯六十度以北
南緯三十四度以南
東経三十度以西
西経七十度以東
北緯四十四度以南
北緯二十六度以北
北緯四十四度以北
北緯二十六度以南
大将
艦隊司令長官
二円五十銭
三円七十五銭
七円五十銭
十円
十二円五十銭
中将
艦隊司令長官
二円二十銭
三円三十銭
六円六十銭
八円八十銭
十一円
艦隊司令官
二円
三円
六円
八円
十円
少将
艦隊司令官
艦隊参謀長
一円八十銭
二円七十銭
五円四十銭
七円二十銭
九円
大佐及相当官
艦隊司令官
艦隊参謀長
一円七十銭
二円五十五銭
五円十銭
六円八十銭
八円五十銭
艦長
一万噸以上
七千噸以上
一円五十銭
二円二十五銭
四円五十銭
六円
七円五十銭
七千噸未満
一円二十銭
一円八十銭
三円六十銭
四円八十銭
六円
艦隊機関長
機関長
一円
一円五十銭
三円
四円
五円
中佐及相当官
艦長
副長
機関長
一万噸以上
七千噸以上
八十五銭
一円二十八銭
二円五十五銭
三円四十銭
四円二十五銭
七千噸未満
六十五銭
九十八銭
一円九十五銭
二円六十銭
三円二十五銭
艦隊参謀
航海長
軍医長
主計長
六十銭
九十銭
一円八十銭
二円四十銭
三円
少佐及相当官
艦長
副長
艦隊参謀
艦隊副官
航海長
機関長
五十銭
七十五銭
一円五十銭
二円
二円五十銭
砲術長
水雷長
分隊長
軍医長
主計長
四十五銭
六十八銭
一円三十五銭
一円八十銭
二円二十五銭
大尉及相当官
艦長
副長
艦隊参謀
航海長
機関長
砲術長
水雷長
分隊長
軍医長
主計長
四十銭
六十銭
一円二十銭
一円六十銭
二円
一、大西洋亜米利加洲沿岸ニ於テハ第五欄ノ額ヲ給ス
二、副長ヲ置カサル艦ニ於テ艦長ノ次席将校タル者少佐ナルトキハ副長タル少佐ニ等シキ額、大尉ナルトキハ副長タル大尉ニ等シキ額ヲ給ス但シ艦長大尉ナルトキハ此ノ限ニ在ラス
三、上官ノ職務心得ヲ命セラレタル者ニハ上官ノ額ヲ給ス
四、本表ノ各職ニシテ定員表中両官等ニ跨ル場合ニ於テ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ額、上官ノ職務心得ノ者ヲ以テ補シタルトキハ下級者ノ額ヲ給ス
五、本表中ノ噸数ハ計画噸数ヲ謂フ
第六表 艦船航海加俸表
官別
日額
本邦沿岸
清、韓、亜細亜露領沿岸
東経九十度以東
西経百四十度以西
北緯六十度以南
南緯三十四度以北
東経九十度以西
東経三十度以東
西経百四十度以東
西経七十度以西
北緯六十度以北
南緯三十四度以南
東経三十度以西
西経七十度以東
北緯四十四度以南
北緯二十六度以北
北緯四十四度以北
北緯二十六度以南
大佐及相当官
七十銭
一円五銭
二円十銭
二円八十銭
三円五十銭
中佐及相当官
五十銭
七十五銭
一円五十銭
二円
二円五十銭
少佐及相当官
四十銭
六十銭
一円二十銭
一円六十銭
二円
大尉及相当官
三十五銭
五十三銭
一円五銭
一円四十銭
一円七十五銭
中少尉及相当官
三十銭
四十五銭
九十銭
一円二十銭
一円五十銭
兵曹長及相当官
候補生及准士官
二十銭
三十銭
六十銭
八十銭
一円
下士
四銭
六銭
十二銭
十六銭
二十銭
一等卒
二等卒
三銭
五銭
九銭
十二銭
十五銭
三等卒
四等卒
二銭
三銭
六銭
八銭
十銭
五等卒
一銭
二銭
三銭
四銭
五銭
一、大西洋亜米利加洲沿岸ニ於テハ第五欄ノ額ヲ給ス
二、駆逐隊司令タル大佐ニハ一円二十銭、艇隊司令タル中佐ニハ一円、少佐ニハ八十五銭、駆逐艦長及艇長タル少佐ニハ六十銭、大尉ニハ四十五銭ノ額ヲ給ス但シ馬公要港ニ於テハ駆逐隊司令タル大佐ニハ一円八十銭、艇隊司令タル中佐ニハ一円五十銭少佐ニハ一円二十八銭、駆逐艦長及艇長タル少佐ニハ九十銭、大尉ニハ六十八銭ヲ給ス
三、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ額ヲ給ス
四、司令又ハ艦艇長ニシテ定員表中両官等ニ跨ル場合ニ於テ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ額、上官ノ職務心得ノ者ヲ以テ補シタルトキハ下級者ノ額ヲ給ス
五、文官ニハ本表ノ官等ニ相当スル額ヲ給ス但シ高等官九等ハ中少尉及相当官、判任官ハ候補生及准士官ノ額ニ依ル
第七表 駆逐艦及水雷艇航海加俸表
官職別
日額
本邦沿岸
清、韓、亜細亜露領沿岸
東経九十度以東
西経百四十度以西
北緯六十度以南
南緯三十四度以北
東経九十度以西
東経三十度以東
西経百四十度以東
西経七十度以西
北緯六十度以北
南緯三十四度以南
東経三十度以西
西経七十度以東
北緯四十四度以南
北緯二十六度以北
北緯四十四度以北
北緯二十六度以南
大佐司令
一円五十銭
二円二十五銭
四円五十銭
六円
七円五十銭
中佐司令
一円二十銭
一円八十銭
三円六十銭
四円八十銭
六円
少佐司令
一円
一円五十銭
三円
四円
五円
中佐相当官
八十銭
一円二十銭
二円四十銭
三円二十銭
四円
少佐艦艇長
少佐相当官
七十銭
一円五銭
二円十銭
二円八十銭
三円五十銭
大尉艦艇長
大尉及相当官
五十銭
七十五銭
一円五十銭
二円
二円五十銭
中少尉及相当官
四十銭
六十銭
一円二十銭
一円六十銭
二円
兵曹長及相当官
候補生及准士官
三十銭
四十五銭
九十銭
一円二十銭
一円五十銭
下士
十銭
十五銭
三十銭
四十銭
五十銭
六銭
九銭
十八銭
二十四銭
三十銭
一、大西洋亜米利加洲沿岸ニ於テハ第五欄ノ額ヲ給ス
二、准士官以上及一等下士ニ上官ノ職務心得ヲ命シタルトキハ上官ノ額ヲ給ス
三、司令又ハ艦艇長ニシテ定員表中両官等ニ跨ル場合ニ於テ下級者ヲ以テ補シタルトキハ上級者ノ額、上官ノ職務心得ノ者ヲ以テ補シタルトキハ下級者ノ額ヲ給ス
第八表 宿舎手当表
中将
少将
大佐
中少佐及相当官
大尉及相当官
中少尉及相当官
兵曹長及相当官
准士官
判任文官
雇員
傭人
日額
一円六十銭
一円
八十三銭
七十銭
五十銭
四十五銭
四十銭
二十五銭
二十銭
一、上官ノ職務心得ヲ命セラレタル者ニハ上官ノ額ヲ給ス
二、高等文官ニハ本表ノ官等ニ相当スル額ヲ給ス但シ九等ハ中少尉及相当官ノ額ニ依ル
第九表 再服役手当表
徴兵
志願兵
志願兵籍編入ノトキ
第一期
第二期
第三期
十円
十五円
二十円
二十五円
再服役三期以上ノ者ハ毎期第三期ノ額ニ依ル
第十表 武装手当表
初任手当
臨時手当
将官及相当官
八十円
二百四十円以内
上長官
二百円以内
士官
百六十円以内
准士官
四十円
八十円以内
候補生
三十円
六十円以内
第十一表 支度手当表
将官及相当官
上長官
士官
兵曹長及相当官
候補生
准士官
二百五十円
百円
七十円
三十円
二十五円
一、艦長タル上長官ニハ五十円ヲ増給ス
二、高等文官二等以上ニハ将官及相当官、五等以上ニハ上長官、六等以下ニハ士官、判任文官ニハ候補生准士官ノ額ヲ給ス
第十二表 食卓手当表
日額
内国
外国
将官室
艦隊職員
六十銭
八十銭
艦長室
艦長
五十銭
七十銭
士官室
大中少佐大尉及相当官、高等文官三等乃至六等
四十銭
六十銭
士官次室
中少尉及相当官、候補生、高等文官七等以下
三十銭
五十銭
准士官室
兵曹長及相当官、准士官、判任文官
二十五銭
四十五銭
一、清、韓、亜細亜露領沿岸ニ於テハ内国ノ額ヲ給ス
二、上官ノ職務心得ヲ命セラレタル者上官ノ室ニ在ルトキハ其ノ室相当ノ額ヲ給ス
三、演習ノ際特ニ乗組ヲ命セラレタル指揮官及幕僚ニハ指揮官将官ナルトキハ将官室、其ノ他ノ場合ニ在リテハ艦長室ノ額ヲ給ス
四、艦隊職員旗艦以外ノ艦船ニ在ルトキハ大佐及相当官ニハ艦長室其ノ他ニハ士官室ノ額ヲ給ス
五、将官室ノ設ケナキ軍艦旗艦タル間ハ艦長室ヲ将官室ト看做ス此ノ場合ニ於テ旗艦艦長ニハ将官室ノ額ヲ給ス
六、艦長室、士官次室ノ設ナキ艦船ニ在リテハ士官室ノ額ヲ給ス
七、官用船舶乗組ノ上長官、士官、候補生及高等文官ニハ士官室、兵曹長及相当官、准士官並判任文官ニハ准士官室ノ額ヲ給ス
八、候補生第一期練習中ハ准士官室ノ額ヲ給ス
【表】
第十四表 糧食品種量額表
品種
一週日量額
麺包
一貫匁
鳥獣魚肉類
一貫匁
穀類
一貫四百匁
乾物野菜類
一貫二百匁
茶焙麦類
二十一匁
砂糖
百六十匁
醬油酢油類
五合
四十匁
凝脂
三十匁
一、非常ノ労働ニ従事セシメタルトキ其ノ他衛生上必要アルトキハ一日火酒六勺以内ヲ給スルコトヲ得