海軍下士卒手当金規則
法令番号: 勅令第二百四十五號
公布年月日: 明治30年7月26日
法令の形式: 勅令
朕海軍下士卒手當金規則ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年七月二十二日
海軍大臣 侯爵 西鄕從道
勅令第二百四十五號
海軍下士卒手當金規則
第一條 陸上勤務ノ下士卒ヲシテ外宿セシムルトキハ下士ニハ一日二十錢卒ニハ一日十八錢ノ手當金ヲ給ス
第二條 下士卒ニシテ左ニ揭クル事項ノ一ニ該當スルトキハ一日二十五錢以內ノ手當金ヲ給スルコトヲ得
一 水底ノ事業ニ從事セシムルトキ
二 艦底、汽罐內部、機關室底部若ハ水罐底部ノ掃除ニ從事セシムルトキ
三 難破船、漂流人ノ救助ニ從事セシムルトキ
四 艦船ニ於テ石炭積込ノ事業ニ從事セシムルトキ
五 前諸項ノ外之ニ準スヘキ非常ノ勞働ニ從事セシムルトキ
第三條 下士卒ニシテ熱帶地方其ノ他炎熱ノ場所ニ於テ左ニ揭クル事項ノ一ニ該當スルトキハ一日十二錢以內ノ手當金ヲ給スルコトヲ得
前項手當金ノ支給期間ハ熱帶地方ノ外ニ在テハ暑期百二十日以內トス
一 艦船ニ在テ釀汽中機關部ノ事業ニ從事セシメ又ハ廚房ノ事業ニ從事セシムルトキ但シ小蒸汽船ニ在テハ此ノ限ニアラス
二 北緯三十度以南ノ陸地ニ於テ釀汽中機關部ノ事業ニ從事セシムルトキ
第四條 徵兵ニシテ再服役ノ許可ヲ受ケ現役ニ就キタル者ニハ每期金十圓ノ手當金ヲ給ス
第五條 第一條ノ手當金ハ糧食若ハ旅費ヲ給スルトキ傷痍疾病治療ノ爲メ入院シタルトキ擅ニ職役ヲ離レタルトキ他方ニ赴キ歸著ノ期ニ後レタルトキ又ハ依願歸鄕、處刑、留置、收禁中若ハ被吿事件ノ爲メ護送中ハ其ノ間之ヲ給セス
第六條 第一條ノ手當金ハ每月下旬ニ於テ之ヲ給ス
第七條 此ノ規則施行ノ細則ハ海軍大臣之ヲ定ム
附 則
第八條 此ノ規則ハ明治三十年八月一日ヨリ施行ス
朕海軍下士卒手当金規則ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年七月二十二日
海軍大臣 侯爵 西郷従道
勅令第二百四十五号
海軍下士卒手当金規則
第一条 陸上勤務ノ下士卒ヲシテ外宿セシムルトキハ下士ニハ一日二十銭卒ニハ一日十八銭ノ手当金ヲ給ス
第二条 下士卒ニシテ左ニ掲クル事項ノ一ニ該当スルトキハ一日二十五銭以内ノ手当金ヲ給スルコトヲ得
一 水底ノ事業ニ従事セシムルトキ
二 艦底、汽缶内部、機関室底部若ハ水缶底部ノ掃除ニ従事セシムルトキ
三 難破船、漂流人ノ救助ニ従事セシムルトキ
四 艦船ニ於テ石炭積込ノ事業ニ従事セシムルトキ
五 前諸項ノ外之ニ準スヘキ非常ノ労働ニ従事セシムルトキ
第三条 下士卒ニシテ熱帯地方其ノ他炎熱ノ場所ニ於テ左ニ掲クル事項ノ一ニ該当スルトキハ一日十二銭以内ノ手当金ヲ給スルコトヲ得
前項手当金ノ支給期間ハ熱帯地方ノ外ニ在テハ暑期百二十日以内トス
一 艦船ニ在テ醸汽中機関部ノ事業ニ従事セシメ又ハ厨房ノ事業ニ従事セシムルトキ但シ小蒸汽船ニ在テハ此ノ限ニアラス
二 北緯三十度以南ノ陸地ニ於テ醸汽中機関部ノ事業ニ従事セシムルトキ
第四条 徴兵ニシテ再服役ノ許可ヲ受ケ現役ニ就キタル者ニハ毎期金十円ノ手当金ヲ給ス
第五条 第一条ノ手当金ハ糧食若ハ旅費ヲ給スルトキ傷痍疾病治療ノ為メ入院シタルトキ擅ニ職役ヲ離レタルトキ他方ニ赴キ帰著ノ期ニ後レタルトキ又ハ依願帰郷、処刑、留置、収禁中若ハ被告事件ノ為メ護送中ハ其ノ間之ヲ給セス
第六条 第一条ノ手当金ハ毎月下旬ニ於テ之ヲ給ス
第七条 此ノ規則施行ノ細則ハ海軍大臣之ヲ定ム
附 則
第八条 此ノ規則ハ明治三十年八月一日ヨリ施行ス