自治庁設置法
法令番号: 法律第261号
公布年月日: 昭和27年7月31日
法令の形式: 法律

審議経過

第13回国会

衆議院
(昭和27年5月9日)
参議院
(昭和27年5月12日)
衆議院
(昭和27年5月14日)
(昭和27年5月19日)
参議院
衆議院
(昭和27年5月20日)
(昭和27年5月23日)
(昭和27年5月24日)
(昭和27年5月28日)
(昭和27年5月29日)
(昭和27年5月29日)
参議院
(昭和27年6月19日)
(昭和27年7月14日)
(昭和27年7月22日)
(昭和27年7月23日)
衆議院
(昭和27年7月31日)
(昭和27年7月31日)
自治庁設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百六十一号
自治庁設置法
(この法律の目的)
第一條 この法律は、自治庁の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。
(設置)
第二條 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三條第二項の規定に基いて、総理府の外局として自治庁を設置する。
2 自治庁の長は、自治庁長官とし、国務大臣をもつて充てる。
(自治庁の任務)
第三條 自治庁は、民主政治の基盤をなす地方自治及び公職選挙等に関する各種の制度の企画及び立案並びにその運営の指導に当るとともに、国と地方公共団体との連絡及び地方公共団体相互間の連絡協調を図り、もつて、地方自治の本旨の実現と民主政治の確立に資することを任務とする。
(自治庁の権限)
第四條 自治庁は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律(これに基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。
一 予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。
二 収入金を徴収し、及び所掌事務の遂行に必要な支払をすること。
三 所掌事務の遂行に直接必要な事務所等の施設を設置し、及び管理すること。
四 所掌事務の遂行に直接必要な業務用資材、事務用品、研究用資材等を調達すること。
五 不用財産を処分すること。
六 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。
七 職員の厚生及び保健のために必要な施設をし、及び管理すること。
八 職員に貸与する宿舎を設置し、及び管理すること。
九 所掌事務に関する統計及び調査資料を収集し、頒布し、又は刊行すること。
十 自治庁の公印を制定すること。
十一 地方自治及び民主政治の普及徹底その他所掌事務の周知宣伝を行うこと。
十二 地方公共団体の財務に関係のある事務について報告を徴取し、調査し、及び助言すること。
十三 内閣が国会に対して行う地方財政の状況に関する報告の原案を作成すること。
十四 都道府県に関する直接請求の結果、都道府県の議会の会議の結果、都道府県の予算及び決算並びに條例の制定又は改廃に関する報告を受理すること。
十五 地方公共団体の人事行政が地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)によつて確立される地方公務員制度の原則に沿つて運営されるように協力し、及び技術的助言をすること。
十六 町村職員恩給組合の模範規約例を定め、町村職員恩給組合に示すこと。
十七 公職の候補者が選挙に関してする政見放送に関し、その回数、日時等放送に必要な事項を定める。
十八 選挙関係の訴訟の提起等について裁判所の長より通知を受け、及び判決が確定したとき判決書謄本の送付を受けること。
十九 政党、協会その他の団体がその代表者又は主幹者及び会計責任者を選出した場合において、その届出を受理すること。
二十 選挙、投票及び最高裁判所裁判官の国民審査の普及宣伝をすること。
二十一 地方公共団体の負担を伴う法令案及び経費の見積書について、内閣総理大臣を通じて関係各大臣に対して意見を申し出ること。
二十二 地方財政平衡交付金の総額を見積ること。
二十三 地方公共団体に交付すべき地方財政平衡交付金の配分額を決定し、及びこれを交付すること。
二十四 地方財政平衡交付金の額の算定の基礎についての地方公共団体の審査の請求を受理し、及びこれを審査すること。
二十五 内閣が国会に提出する地方公共団体の翌年度の歳入歳出総額の見込額の原案を作成すること。
二十六 地方債の発行を許可すること。
二十七 当せん金附証票を発売することができる市を指定し、及び地方公共団体の行う当せん金附証票の発売を許可すること。
二十八 地方競馬、自転車競技及びモーターボート競走を行うことのできる市町村を指定すること。
二十九 地方公共団体の課税権の帰属その他地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定の適用について関係地方公共団体の長が意見を異にする場合において、決定し、又は裁決すること。
三十 附加価値税の課税標準とすべき附加価値の分割に関する更正又は決定について、主たる事務所又は事業所所在地の都道府県知事に対して指示すること。
三十一 市町村が行う市町村民税の課税標準とすべき所得及び所得税額の変更について許可すること。
三十二 固定資産税の課税標準とすべき固定資産の評価について技術的援助及び助言を与えること。
三十三 地方公共団体の法定外普通税の新設又は変更を許可すること。
三十四 内閣総理大臣の権限に属する左に掲げる事項について内閣総理大臣を補佐すること。
イ 国家行政組織法第十六條第一項の規定による地方公共団体の長の申出を受理し、これに関する調査を行い、関係各大臣に対して必要な指示をし、その他適当な措置を講ずること。
ロ 地方公共団体の区域の変更に関する処分をし、又はこれに関する都道府県知事の処分の届出を受理すること。
ハ 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百四十六條の規定による手続を採ること。
ニ 地方自治法第二百四十七條の規定による手続を採ること。
ホ 一の地方公共団体のみに適用される特別法の一般投票の手続及び当該法律の公布の手続を採ること。
ヘ 都道府県及び特別市の加入する地方公共団体の組合の設立、加入団体の増減、共同処理事務の変更又は組合規約の変更を許可し、及びその解散の届出を受理すること。
ト 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四條の規定により法人の設立を許可すること。
チ イからトまでに掲げるものの外、法律(法律に基く命令を含む。)に基き、内閣総理大臣の権限に属する公職選挙並びに地方公共団体の行政及び財政に関する事項
三十五 前各号に掲げるものの外、法律(法律に基く命令を含む。)に基き、自治庁に属せしめられた権限
(内部部局)
第五條 自治庁に、長官官房及び左の四部を置く。
行政部
選挙部
財政部
税務部
(特別な職)
第六條 自治庁に、次長一人及び参与十人以内を置く。
(次長)
第七條 次長は、自治庁長官を助け、庁務を整理する。
(参与)
第八條 参与は、重要な庁務に関して、自治庁長官に対し意見を申し述べる。
2 参与は、地方公共団体の長及び議会の議長の全国的連合組織の代表者並びに学識経験者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
3 参与は、非常勤とする。
(長官官房の所掌事務)
第九條 長官官房においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 機密に関すること。
二 長官の官印及び庁印を管守すること。
三 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。
四 自治庁の機構、定員及び運営に関して調査し、企画し、及び立案すること。
五 所管行政の考査を行うこと。
六 所管行政の総合調整を行うこと。
七 法令案その他公文書類の審査を行うこと。
八 公文書類を接受し、発送し、編集し、及び保存すること。
九 国と地方公共団体との一般的連絡に関すること。
十 広報に関すること。
十一 経費及び収入の予算及び決算を作成し、会計事務を行い、並びに会計を監査すること。
十二 国有財産及び物品を管理すること。
十三 職員の衛生、医療その他の福利厚生に関すること。
十四 所管行政に関する調査、統計の作成及び資料の収集について部内の調整を図ること。
十五 地方公共団体の財務に関係のある事務について報告を徴取し、調査し、及び助言すること。
十六 地方公共団体の求めに応じて当該地方公共団体の行政及び財政に関する総合的な調査を行うこと。
十七 前各号に掲げるものの外、自治庁の所掌事務のうち他部の所掌に属しないものに関すること。
(行政部の所掌事務)
第十條 行政部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 国家行政組織法第十六條第一項の規定に基く内閣総理大臣の権限の行使について補佐すること。
二 地方自治に影響を及ぼす国の施策の企画、立案及び運営に関し、必要な意見を関係行政機関に申し出ること。
三 地方自治法に基く内閣総理大臣の権限の行使について補佐すること。
四 地方公共団体の組織及び運営に関する制度を企画し、及び立案すること。
五 行政書士法(昭和二十六年法律第四号)の施行に関すること。
六 地方公務員に関する制度を企画し、及び立案すること。
七 地方公共団体の人事行政に対して協力し、及び技術的助言を行うこと。
八 町村職員恩給組合及び町村職員恩給組合連合会に関する事務を処理すること。
九 地方職員共済組合に関する事務を処理すること。
十 前各号に掲げるものの外、地方自治法及びその他の法律に基く自治庁長官の地方行政に関する権限の行使に関すること。
(選挙部の所掌事務)
第十一條 選挙部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)及び同法の規定を準用する法律に基く選挙に関する調査を行い、資料を収集し、並びにこれらの制度を企画し、及び立案すること。
二 最高裁判所裁判官の国民審査及び日本国憲法改正の国民の承認に関する投票に関する調査を行い、資料を収集し、並びにこれらの制度を企画し、及び立案すること。
三 地方公共団体の住民による各種の直接請求に基く投票に関する調査を行い、資料を収集し、並びにその制度を企画し、及び立案すること。
四 一の地方公共団体のみに適用される特別法の制定のための投票に関する調査を行い、資料を収集し、並びにその制度を企画し、及び立案すること。
五 前各号に掲げる選挙、投票及び最高裁判所裁判官の国民審査の施行準備に関すること。
六 第一号から第四号までに掲げる選挙、投票及び最高裁判所裁判官の国民審査の普及宣伝に関すること。
七 政党その他政治団体に関すること。
八 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律(昭和二十五年法律第百七十九号)の施行に関すること。
九 第五号に定めるものを除く外、中央選挙管理会に関する予算の要求及び配付に関すること。
十 前各号に掲げるものの外、公職選挙法及びその他の法律に基く自治庁長官の選挙等に関する権限の行使に関すること。
(財政部の所掌事務)
第十二條 財政部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 地方公共団体の財政に関する制度(地方税に関するものを除く。)を企画し、及び立案すること。
二 地方財政平衡交付金の総額の見積に関すること。
三 地方財政平衡交付金の配分に関すること。
四 地方財政平衡交付金の減額又は返還に関すること。
五 地方債の発行を許可すること。
六 地方公共団体の財政資金の調達に関してあつ旋すること。
七 当せん金附証票を発売することができる市の指定及び地方公共団体の行う当せん金附証票の発売の許可に関すること。
八 地方競馬、自転車競技及びモーターボート競走を行うことができる市町村の指定に関すること。
九 前各号に掲げるものの外、地方財政平衡交付金法、地方財政法及び地方自治法並びにその他の法律に基く自治庁長官の地方財政に関する権限の行使に関すること。
(税務部の所掌事務)
第十三條 税務部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 地方税に関する制度を企画し、及び立案すること。
二 地方公共団体の課税権の帰属その他地方税法の規定の適用について関係地方公共団体の長が意見を異にする場合において、決定し、又は裁決し、及び市町村民税のうち法人税割の分割に関して裁定し、又は裁決すること。
三 附加価値税の課税標準とすべき附加価値の分割に関する更正又は決定について、主たる事務所又は事業所所在地の都道府県知事に対して指示すること。
四 固定資産の評価について、技術的援助及び助言を与えること。
五 国又は都道府県知事が評価する固定資産の指定その他の事務に関すること。
六 法定外普通税の新設又は変更の許可に関すること。
七 前各号に掲げるものの外、地方税法及びその他の法律に基く自治庁長官の地方税に関する権限の行使に関すること。
(地方財政審議会)
第十四條 自治庁に、地方財政審議会を置く。
(地方財政審議会の組織)
第十五條 地方財政審議会は、委員五人をもつて組織する。
2 委員は、地方自治に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3 前項の委員のうちには、左に掲げる者を含まなければならない。
全国の都道府県知事及び都道府県議会の議長の各連合組織が共同推薦した者
一人
全国の市長及び市議会の議長の各連合組織が共同推薦した者
一人
全国の町村長及び町村議会の議長の各連合組織が共同推薦した者
一人
4 委員の任期は、三年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とすること。
5 委員は、再任されることができる。
6 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第二項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで委員を任命することができる。この場合においては、任命後最初に召集される国会において、両議院の同意を求めなければならない。
7 前項の場合において、両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第十六條の規定にかかわらず、その委員を罷免しなければならない。
8 委員の給与は、別に法律で定める。
(地方財政審議会の委員の罷免)
第十六條 委員は、左の各号の一に該当する場合を除いては、在任中その意に反して罷免されることがない。
一 心身の故障のため職務を遂行するに堪えないとき。
二 職務上の義務に違反し、その他委員たるに適しない非行があるとき。
2 委員が前項各号の一に該当すると認めるときは、内閣総理大臣は、当該委員を罷免することができる。但し、前條第三項の委員については、あらかじめ、それぞれ当該委員を推薦した地方公共団体の長及び議会の議長の各連合組織の意見を聞かなければならない。
(地方財政審議会の付議事項)
第十七條 自治庁長官は、自治庁の所掌事務のうち、左に掲げる事項については、地方財政審議会の議に付し、その意見を尊重しなければならない。
一 地方財政平衡交付金の配分に関する命令の立案に関すること。
二 各地方公共団体に交付すべき地方財政平衡交付金の配分額の決定又は変更に関すること。
三 地方財政平衡交付金の交付額の減額又は返還並びにこれに関する異議申立についての決定に関すること。
四 地方財政平衡交付金の額の算出の基礎についての地方公共団体の審査の請求の審査並びに交付金の額の減額等の聴聞に基く処分に関すること。
五 地方財政の状況報告案及び地方公共団体の翌年度の歳入歳出総額の見込額の原案の作成に関すること。
六 地方公共団体の課税権の帰属その他地方税法の規定の適用について関係地方公共団体の長が意見を異にする場合における決定又は裁決に関すること。
七 市町村民税のうち法人税割の分割に関する裁定又は裁決に関すること。
八 固定資産の評価基準並びに国が評価する固定資産の指定、評価及びその課税標準額の配分に関すること。
九 固定資産の価格の配分の調整又は固定資産の価格の決定若しくは配分に関する異議の申立の決定に関すること。
十 法定外普通税の新設又は変更の許可及び地方債の発行の許可に関すること。
十一 都道府県の行う事業について市町村が負担すべき金額の更正に関すること。
十二 地方公共団体の負担を伴う法令案及び経費の見積書のうち重要なものについての意見に関すること。
十三 当せん金附証票を発売することができる市の指定及び地方公共団体の行う当せん金附証票の発売の許可に関すること。
十四 地方競馬、自転車競技及びモーターボート競走を行うことのできる市町村を指定すること。
十五 前各号に掲げるものの外、自治庁長官が地方財政審議会の議に付することを適当と認めた事項
(勧告)
第十八條 地方財政審議会は、前條に掲げる事項に関し、自治庁長官に対し、必要な勧告をすることができる。
2 自治庁長官は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重して必要な措置をとらなければならない。
(意見の申出)
第十九條 地方財政審議会は、毎年度国の予算に計上される地方財政平衡交付金に関して、自治庁長官に意見を申し出ることができる。
2 地方財政審議会は、国、都道府県及び市町村相互の間における財政並びにこれに影響を及ぼす諸関係の調整について、自治庁長官及び関係機関に対して意見を申し出ることができる。
(公表)
第二十條 自治庁長官は、前二條の規定による地方財政審議会の勧告及び意見の内容を公表しなければならない。
(地方財政審議会の会長)
第二十一條 地方財政審議会に会長を置き、委員の互選により定める。
2 会長は、会務を掌理する。
3 地方財政審議会は、あらかじめ、委員のうちから、会長に事故がある場合に会長の職務を代行する者を定めておかなければならない。
(地方財政審議会の議事等)
第二十二條 地方財政審議会の議事は、委員三人以上の同意をもつて決する。
2 前項に定めるものの外、地方財政審議会の議事に関して必要な事項は、地方財政審議会が定める。
3 地方財政審議会の運営に関する事務は、自治庁長官の定めるところにより、自治庁の職員をして行わせることができる。
(中央選挙管理会)
第二十三條 自治庁に、中央選挙管理会を置く。
2 中央選挙管理会の権限、組織、委員の任命その他の事項については、公職選挙法第五條の二の定めるところによる。
(自治紛争調停委員)
第二十四條 自治庁に、自治紛争調停委員を置く。
2 自治紛争調停委員の権限、組織、任命その他の事項については、地方自治法第二百五十一條の定めるところによる。
(職員)
第二十五條 自治庁に置かれる職員の任免、昇給、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところによる。
(定員)
第二十六條 自治庁に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。但し、第二十四條の規定は、地方自治法の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第三百六号)施行の日から施行する。
2 左に掲げる法律は、廃止する。
全国選挙管理委員会法(昭和二十二年法律第百五十四号)
地方自治庁設置法(昭和二十四年法律第百三十一号)
地方財政委員会設置法(昭和二十五年法律第二百十号)
3 第十五條第二項の規定による地方財政審議会の委員の任命のために必要な行為は、第一項の規定にかかわらず、この法律施行前においても行うことができる。
4 この法律施行の際国会が閉会中である場合においては、内閣総理大臣は、第十五條の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで、地方財政審議会の最初の委員を任命することができる。
5 前項の場合においては、任命後最初に召集される国会において、その委員の任命について両議院の事後の同意を求めなければならない。両議院の事後の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第十六條の規定にかかわらず、その委員を罷免しなければならない。
6 この法律施行の際、現に地方自治庁、地方財政委員会事務局及び全国選挙管理委員会事務局の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務條件をもつて自治庁の職員となるものとする。
内閣総理大臣 吉田茂
自治庁設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百六十一号
自治庁設置法
(この法律の目的)
第一条 この法律は、自治庁の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。
(設置)
第二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基いて、総理府の外局として自治庁を設置する。
2 自治庁の長は、自治庁長官とし、国務大臣をもつて充てる。
(自治庁の任務)
第三条 自治庁は、民主政治の基盤をなす地方自治及び公職選挙等に関する各種の制度の企画及び立案並びにその運営の指導に当るとともに、国と地方公共団体との連絡及び地方公共団体相互間の連絡協調を図り、もつて、地方自治の本旨の実現と民主政治の確立に資することを任務とする。
(自治庁の権限)
第四条 自治庁は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律(これに基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。
一 予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。
二 収入金を徴収し、及び所掌事務の遂行に必要な支払をすること。
三 所掌事務の遂行に直接必要な事務所等の施設を設置し、及び管理すること。
四 所掌事務の遂行に直接必要な業務用資材、事務用品、研究用資材等を調達すること。
五 不用財産を処分すること。
六 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。
七 職員の厚生及び保健のために必要な施設をし、及び管理すること。
八 職員に貸与する宿舎を設置し、及び管理すること。
九 所掌事務に関する統計及び調査資料を収集し、頒布し、又は刊行すること。
十 自治庁の公印を制定すること。
十一 地方自治及び民主政治の普及徹底その他所掌事務の周知宣伝を行うこと。
十二 地方公共団体の財務に関係のある事務について報告を徴取し、調査し、及び助言すること。
十三 内閣が国会に対して行う地方財政の状況に関する報告の原案を作成すること。
十四 都道府県に関する直接請求の結果、都道府県の議会の会議の結果、都道府県の予算及び決算並びに条例の制定又は改廃に関する報告を受理すること。
十五 地方公共団体の人事行政が地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)によつて確立される地方公務員制度の原則に沿つて運営されるように協力し、及び技術的助言をすること。
十六 町村職員恩給組合の模範規約例を定め、町村職員恩給組合に示すこと。
十七 公職の候補者が選挙に関してする政見放送に関し、その回数、日時等放送に必要な事項を定める。
十八 選挙関係の訴訟の提起等について裁判所の長より通知を受け、及び判決が確定したとき判決書謄本の送付を受けること。
十九 政党、協会その他の団体がその代表者又は主幹者及び会計責任者を選出した場合において、その届出を受理すること。
二十 選挙、投票及び最高裁判所裁判官の国民審査の普及宣伝をすること。
二十一 地方公共団体の負担を伴う法令案及び経費の見積書について、内閣総理大臣を通じて関係各大臣に対して意見を申し出ること。
二十二 地方財政平衡交付金の総額を見積ること。
二十三 地方公共団体に交付すべき地方財政平衡交付金の配分額を決定し、及びこれを交付すること。
二十四 地方財政平衡交付金の額の算定の基礎についての地方公共団体の審査の請求を受理し、及びこれを審査すること。
二十五 内閣が国会に提出する地方公共団体の翌年度の歳入歳出総額の見込額の原案を作成すること。
二十六 地方債の発行を許可すること。
二十七 当せん金附証票を発売することができる市を指定し、及び地方公共団体の行う当せん金附証票の発売を許可すること。
二十八 地方競馬、自転車競技及びモーターボート競走を行うことのできる市町村を指定すること。
二十九 地方公共団体の課税権の帰属その他地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定の適用について関係地方公共団体の長が意見を異にする場合において、決定し、又は裁決すること。
三十 附加価値税の課税標準とすべき附加価値の分割に関する更正又は決定について、主たる事務所又は事業所所在地の都道府県知事に対して指示すること。
三十一 市町村が行う市町村民税の課税標準とすべき所得及び所得税額の変更について許可すること。
三十二 固定資産税の課税標準とすべき固定資産の評価について技術的援助及び助言を与えること。
三十三 地方公共団体の法定外普通税の新設又は変更を許可すること。
三十四 内閣総理大臣の権限に属する左に掲げる事項について内閣総理大臣を補佐すること。
イ 国家行政組織法第十六条第一項の規定による地方公共団体の長の申出を受理し、これに関する調査を行い、関係各大臣に対して必要な指示をし、その他適当な措置を講ずること。
ロ 地方公共団体の区域の変更に関する処分をし、又はこれに関する都道府県知事の処分の届出を受理すること。
ハ 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百四十六条の規定による手続を採ること。
ニ 地方自治法第二百四十七条の規定による手続を採ること。
ホ 一の地方公共団体のみに適用される特別法の一般投票の手続及び当該法律の公布の手続を採ること。
ヘ 都道府県及び特別市の加入する地方公共団体の組合の設立、加入団体の増減、共同処理事務の変更又は組合規約の変更を許可し、及びその解散の届出を受理すること。
ト 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により法人の設立を許可すること。
チ イからトまでに掲げるものの外、法律(法律に基く命令を含む。)に基き、内閣総理大臣の権限に属する公職選挙並びに地方公共団体の行政及び財政に関する事項
三十五 前各号に掲げるものの外、法律(法律に基く命令を含む。)に基き、自治庁に属せしめられた権限
(内部部局)
第五条 自治庁に、長官官房及び左の四部を置く。
行政部
選挙部
財政部
税務部
(特別な職)
第六条 自治庁に、次長一人及び参与十人以内を置く。
(次長)
第七条 次長は、自治庁長官を助け、庁務を整理する。
(参与)
第八条 参与は、重要な庁務に関して、自治庁長官に対し意見を申し述べる。
2 参与は、地方公共団体の長及び議会の議長の全国的連合組織の代表者並びに学識経験者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
3 参与は、非常勤とする。
(長官官房の所掌事務)
第九条 長官官房においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 機密に関すること。
二 長官の官印及び庁印を管守すること。
三 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。
四 自治庁の機構、定員及び運営に関して調査し、企画し、及び立案すること。
五 所管行政の考査を行うこと。
六 所管行政の総合調整を行うこと。
七 法令案その他公文書類の審査を行うこと。
八 公文書類を接受し、発送し、編集し、及び保存すること。
九 国と地方公共団体との一般的連絡に関すること。
十 広報に関すること。
十一 経費及び収入の予算及び決算を作成し、会計事務を行い、並びに会計を監査すること。
十二 国有財産及び物品を管理すること。
十三 職員の衛生、医療その他の福利厚生に関すること。
十四 所管行政に関する調査、統計の作成及び資料の収集について部内の調整を図ること。
十五 地方公共団体の財務に関係のある事務について報告を徴取し、調査し、及び助言すること。
十六 地方公共団体の求めに応じて当該地方公共団体の行政及び財政に関する総合的な調査を行うこと。
十七 前各号に掲げるものの外、自治庁の所掌事務のうち他部の所掌に属しないものに関すること。
(行政部の所掌事務)
第十条 行政部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 国家行政組織法第十六条第一項の規定に基く内閣総理大臣の権限の行使について補佐すること。
二 地方自治に影響を及ぼす国の施策の企画、立案及び運営に関し、必要な意見を関係行政機関に申し出ること。
三 地方自治法に基く内閣総理大臣の権限の行使について補佐すること。
四 地方公共団体の組織及び運営に関する制度を企画し、及び立案すること。
五 行政書士法(昭和二十六年法律第四号)の施行に関すること。
六 地方公務員に関する制度を企画し、及び立案すること。
七 地方公共団体の人事行政に対して協力し、及び技術的助言を行うこと。
八 町村職員恩給組合及び町村職員恩給組合連合会に関する事務を処理すること。
九 地方職員共済組合に関する事務を処理すること。
十 前各号に掲げるものの外、地方自治法及びその他の法律に基く自治庁長官の地方行政に関する権限の行使に関すること。
(選挙部の所掌事務)
第十一条 選挙部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)及び同法の規定を準用する法律に基く選挙に関する調査を行い、資料を収集し、並びにこれらの制度を企画し、及び立案すること。
二 最高裁判所裁判官の国民審査及び日本国憲法改正の国民の承認に関する投票に関する調査を行い、資料を収集し、並びにこれらの制度を企画し、及び立案すること。
三 地方公共団体の住民による各種の直接請求に基く投票に関する調査を行い、資料を収集し、並びにその制度を企画し、及び立案すること。
四 一の地方公共団体のみに適用される特別法の制定のための投票に関する調査を行い、資料を収集し、並びにその制度を企画し、及び立案すること。
五 前各号に掲げる選挙、投票及び最高裁判所裁判官の国民審査の施行準備に関すること。
六 第一号から第四号までに掲げる選挙、投票及び最高裁判所裁判官の国民審査の普及宣伝に関すること。
七 政党その他政治団体に関すること。
八 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律(昭和二十五年法律第百七十九号)の施行に関すること。
九 第五号に定めるものを除く外、中央選挙管理会に関する予算の要求及び配付に関すること。
十 前各号に掲げるものの外、公職選挙法及びその他の法律に基く自治庁長官の選挙等に関する権限の行使に関すること。
(財政部の所掌事務)
第十二条 財政部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 地方公共団体の財政に関する制度(地方税に関するものを除く。)を企画し、及び立案すること。
二 地方財政平衡交付金の総額の見積に関すること。
三 地方財政平衡交付金の配分に関すること。
四 地方財政平衡交付金の減額又は返還に関すること。
五 地方債の発行を許可すること。
六 地方公共団体の財政資金の調達に関してあつ旋すること。
七 当せん金附証票を発売することができる市の指定及び地方公共団体の行う当せん金附証票の発売の許可に関すること。
八 地方競馬、自転車競技及びモーターボート競走を行うことができる市町村の指定に関すること。
九 前各号に掲げるものの外、地方財政平衡交付金法、地方財政法及び地方自治法並びにその他の法律に基く自治庁長官の地方財政に関する権限の行使に関すること。
(税務部の所掌事務)
第十三条 税務部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 地方税に関する制度を企画し、及び立案すること。
二 地方公共団体の課税権の帰属その他地方税法の規定の適用について関係地方公共団体の長が意見を異にする場合において、決定し、又は裁決し、及び市町村民税のうち法人税割の分割に関して裁定し、又は裁決すること。
三 附加価値税の課税標準とすべき附加価値の分割に関する更正又は決定について、主たる事務所又は事業所所在地の都道府県知事に対して指示すること。
四 固定資産の評価について、技術的援助及び助言を与えること。
五 国又は都道府県知事が評価する固定資産の指定その他の事務に関すること。
六 法定外普通税の新設又は変更の許可に関すること。
七 前各号に掲げるものの外、地方税法及びその他の法律に基く自治庁長官の地方税に関する権限の行使に関すること。
(地方財政審議会)
第十四条 自治庁に、地方財政審議会を置く。
(地方財政審議会の組織)
第十五条 地方財政審議会は、委員五人をもつて組織する。
2 委員は、地方自治に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3 前項の委員のうちには、左に掲げる者を含まなければならない。
全国の都道府県知事及び都道府県議会の議長の各連合組織が共同推薦した者
一人
全国の市長及び市議会の議長の各連合組織が共同推薦した者
一人
全国の町村長及び町村議会の議長の各連合組織が共同推薦した者
一人
4 委員の任期は、三年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とすること。
5 委員は、再任されることができる。
6 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第二項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで委員を任命することができる。この場合においては、任命後最初に召集される国会において、両議院の同意を求めなければならない。
7 前項の場合において、両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第十六条の規定にかかわらず、その委員を罷免しなければならない。
8 委員の給与は、別に法律で定める。
(地方財政審議会の委員の罷免)
第十六条 委員は、左の各号の一に該当する場合を除いては、在任中その意に反して罷免されることがない。
一 心身の故障のため職務を遂行するに堪えないとき。
二 職務上の義務に違反し、その他委員たるに適しない非行があるとき。
2 委員が前項各号の一に該当すると認めるときは、内閣総理大臣は、当該委員を罷免することができる。但し、前条第三項の委員については、あらかじめ、それぞれ当該委員を推薦した地方公共団体の長及び議会の議長の各連合組織の意見を聞かなければならない。
(地方財政審議会の付議事項)
第十七条 自治庁長官は、自治庁の所掌事務のうち、左に掲げる事項については、地方財政審議会の議に付し、その意見を尊重しなければならない。
一 地方財政平衡交付金の配分に関する命令の立案に関すること。
二 各地方公共団体に交付すべき地方財政平衡交付金の配分額の決定又は変更に関すること。
三 地方財政平衡交付金の交付額の減額又は返還並びにこれに関する異議申立についての決定に関すること。
四 地方財政平衡交付金の額の算出の基礎についての地方公共団体の審査の請求の審査並びに交付金の額の減額等の聴聞に基く処分に関すること。
五 地方財政の状況報告案及び地方公共団体の翌年度の歳入歳出総額の見込額の原案の作成に関すること。
六 地方公共団体の課税権の帰属その他地方税法の規定の適用について関係地方公共団体の長が意見を異にする場合における決定又は裁決に関すること。
七 市町村民税のうち法人税割の分割に関する裁定又は裁決に関すること。
八 固定資産の評価基準並びに国が評価する固定資産の指定、評価及びその課税標準額の配分に関すること。
九 固定資産の価格の配分の調整又は固定資産の価格の決定若しくは配分に関する異議の申立の決定に関すること。
十 法定外普通税の新設又は変更の許可及び地方債の発行の許可に関すること。
十一 都道府県の行う事業について市町村が負担すべき金額の更正に関すること。
十二 地方公共団体の負担を伴う法令案及び経費の見積書のうち重要なものについての意見に関すること。
十三 当せん金附証票を発売することができる市の指定及び地方公共団体の行う当せん金附証票の発売の許可に関すること。
十四 地方競馬、自転車競技及びモーターボート競走を行うことのできる市町村を指定すること。
十五 前各号に掲げるものの外、自治庁長官が地方財政審議会の議に付することを適当と認めた事項
(勧告)
第十八条 地方財政審議会は、前条に掲げる事項に関し、自治庁長官に対し、必要な勧告をすることができる。
2 自治庁長官は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重して必要な措置をとらなければならない。
(意見の申出)
第十九条 地方財政審議会は、毎年度国の予算に計上される地方財政平衡交付金に関して、自治庁長官に意見を申し出ることができる。
2 地方財政審議会は、国、都道府県及び市町村相互の間における財政並びにこれに影響を及ぼす諸関係の調整について、自治庁長官及び関係機関に対して意見を申し出ることができる。
(公表)
第二十条 自治庁長官は、前二条の規定による地方財政審議会の勧告及び意見の内容を公表しなければならない。
(地方財政審議会の会長)
第二十一条 地方財政審議会に会長を置き、委員の互選により定める。
2 会長は、会務を掌理する。
3 地方財政審議会は、あらかじめ、委員のうちから、会長に事故がある場合に会長の職務を代行する者を定めておかなければならない。
(地方財政審議会の議事等)
第二十二条 地方財政審議会の議事は、委員三人以上の同意をもつて決する。
2 前項に定めるものの外、地方財政審議会の議事に関して必要な事項は、地方財政審議会が定める。
3 地方財政審議会の運営に関する事務は、自治庁長官の定めるところにより、自治庁の職員をして行わせることができる。
(中央選挙管理会)
第二十三条 自治庁に、中央選挙管理会を置く。
2 中央選挙管理会の権限、組織、委員の任命その他の事項については、公職選挙法第五条の二の定めるところによる。
(自治紛争調停委員)
第二十四条 自治庁に、自治紛争調停委員を置く。
2 自治紛争調停委員の権限、組織、任命その他の事項については、地方自治法第二百五十一条の定めるところによる。
(職員)
第二十五条 自治庁に置かれる職員の任免、昇給、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところによる。
(定員)
第二十六条 自治庁に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。但し、第二十四条の規定は、地方自治法の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第三百六号)施行の日から施行する。
2 左に掲げる法律は、廃止する。
全国選挙管理委員会法(昭和二十二年法律第百五十四号)
地方自治庁設置法(昭和二十四年法律第百三十一号)
地方財政委員会設置法(昭和二十五年法律第二百十号)
3 第十五条第二項の規定による地方財政審議会の委員の任命のために必要な行為は、第一項の規定にかかわらず、この法律施行前においても行うことができる。
4 この法律施行の際国会が閉会中である場合においては、内閣総理大臣は、第十五条の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで、地方財政審議会の最初の委員を任命することができる。
5 前項の場合においては、任命後最初に召集される国会において、その委員の任命について両議院の事後の同意を求めなければならない。両議院の事後の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、第十六条の規定にかかわらず、その委員を罷免しなければならない。
6 この法律施行の際、現に地方自治庁、地方財政委員会事務局及び全国選挙管理委員会事務局の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもつて自治庁の職員となるものとする。
内閣総理大臣 吉田茂