航空機燃料譲与税法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十七年四月一日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第十三号
航空機燃料譲与税法
(航空機燃料譲与税)
第一条 航空機燃料譲与税は、航空機燃料税法(昭和四十七年法律第七号)の規定による航空機燃料税の収入額の十三分の二に相当する額とし、空港関係市町村に対して譲与するものとする。
2 空港関係市町村とは、空港(空港整備法(昭和三十一年法律第八十号)第二条第一項に規定する空港又は国内航空に従事する航空機が使用する公共の飛行場として政令で定める飛行場をいう。以下同じ。)の所在する市町村(その区域外に空港を設置している市町村を含む。次条第一項第一号において同じ。)及びこれに隣接する市町村で、自治大臣が指定するものをいう。
(譲与の基準)
第二条 航空機燃料譲与税は、空港関係市町村に対し、次の各号に掲げる市町村の区分に応じ、当該各号に掲げる基準によりあん分して譲与するものとする。
一 空港の所在する市町村 当該空港において収納されるべき国内航空に従事する航空機に係る着陸料の収入額(一の空港につき当該市町村の数が二以上である場合にあつては、当該収入額を、空港の面積、空港に係る施設の所在の状況その他の事情を参酌して、自治省令で定めるところによりあん分した額)
二 航空機の騒音が特に著しいと認められる空港で政令で定めるものに係る市町村 当該空港に係る航空機の騒音が特に著しい地区として自治省令で定める地区内の世帯数
2 前項の場合においては、航空機燃料譲与税の三分の一の額を同項第一号の着陸料の収入額で、他の三分の二の額を同項第二号の世帯数であん分するものとする。
3 第一項第一号の着陸料の収入額及び同項第二号の世帯数は、自治省令で定めるところにより算定するものとする。ただし、空港の管理の態容、航空機の騒音により生ずる障害の程度その他の事情を参酌して、自治省令で定めるところにより補正することができる。
(譲与時期及び譲与時期ごとの譲与額)
第三条 航空機燃料譲与税は、毎年度、次の表の上欄に掲げる時期に、それぞれ当該下欄に定める額を譲与する。
譲与時期
譲与時期ごとに譲与すべき額
九月
前年度三月における同月において収納すべき航空機燃料税の収入額の見込額と同月において収納した航空機燃料税の収入額との差額を四月から八月までの間の収納に係る航空機燃料税の収入額に加算し、又はこれから減額した額の十三分の二に相当する額
三月
九月から二月までの間の収納に係る航空機燃料税の収入額と三月において収納すべき航空機燃料税の収入額の見込額との合算額の十三分の二に相当する額
2 前項に規定する各譲与時期ごとに譲与することができなかつた金額があるとき、又は各譲与時期において譲与すべき金額をこえて譲与した金額があるときは、それぞれ当該金額を、次の譲与期間に譲与すべき額に加算し、又はこれから減額するものとする。
(譲与時期ごとの譲与額の計算)
第四条 各空港関係市町村に対する前条第一項に規定する各譲与時期ごとに譲与すべき航空機燃料譲与税の額として前二条の規定を適用して計算した金額に千円未満の端数金額があるときは、その端数金額を控除した金額をもつて、当該各譲与時期ごとに譲与すべき航空機燃料譲与税の額とする。
(譲与額の算定に用いる資料の提出義務)
第五条 空港関係市町村の長は、自治省令で定めるところにより、航空機燃料譲与税の額の算定に用いる資料を、都道府県知事を経由して、自治大臣に提出しなければならない。
(譲与すべき額の算定に錯誤があつた場合の措置)
第六条 自治大臣は、航空機燃料譲与税を空港関係市町村に譲与した後において、その譲与した額の算定に錯誤があつたため、譲与した額を増加し、又は減少する必要が生じたときは、自治省令で定めるところにより、当該増加し、又は減少すべき額を、錯誤があつたことを発見した日以後に到来する譲与時期において譲与すべき額に加算し、又はこれから減額した額をもつて当該譲与時期において空港関係市町村に譲与すべき額とするものとする。
(航空機燃料譲与税の使途)
第七条 空港関係市町村は、譲与を受けた航空機燃料譲与税の総額を航空機の騒音により生ずる障害の防止、空港及びその周辺の整備その他の政令で定める空港対策に関する費用に充てなければならない。
(都の特例)
第八条 航空機燃料譲与税は、空港が都の特別区の存する区域に所在している場合においては、都に対して譲与する。この場合においては、都を市とみなして、この法律の規定を適用する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和四十七年度分の航空機燃料譲与税から適用する。
(昭和四十七年度の特例)
2 昭和四十七年度に限り、第三条第一項の表中「前年度三月における同月において収納すべき航空機燃料税の収入額の見込額と同月において収納した航空機燃料税の収入額との差額を四月から八月までの間の収納に係る航空機燃料税の収入額に加算し、又はこれから減額した額」とあるのは、「四月から八月までの間の収納に係る航空機燃料税の収入額」とする。
(地方交付税法の一部改正)
3 地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の一部を次のように改正する。
第十四条第一項中「及び自動車重量譲与税」を「、自動車重量譲与税及び航空機燃料譲与税」に改め、同条第三項の表市町村の項中第十五号を第十六号とし、第十四号の次に次のように加える。
十五 航空機燃料譲与税
着陸料の収入額及び世帯数
4 前項の規定による改正後の地方交付税法第十四条の規定は、昭和四十七年度分の地方交付税から適用する。
(自治省設置法の一部改正)
5 自治省設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第三十三号の四及び第三十三号の五中「特別とん譲与税」の下に「及び航空機燃料譲与税」を加える。
第十三条第一号中「特別とん譲与税」の下に「、航空機燃料譲与税」を加え、同条第八号及び第九号中「特別とん譲与税」の下に「及び航空機燃料譲与税」を加え、同条第十号中「特別とん譲与税法」の下に「(昭和三十二年法律第七十七号)」を、「をいう。)」の下に「及び航空機燃料譲与税を譲与すべき空港関係市町村(航空機燃料譲与税法(昭和四十七年法律第十三号)第一条第一項に規定する空港関係市町村をいう。)」を加え、同条第十二号中「(昭和三十二年法律第七十七号)」を「、航空機燃料譲与税法」に、「特別とん譲与税並びに」を「特別とん譲与税、航空機燃料譲与税並びに」に改める。
第十七条第四号の三中「特別とん譲与税」の下に「及び航空機燃料譲与税」を加える。
(首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律等の一部改正)
6 首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十一年法律第百十四号)、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十年法律第七十三号)及び産炭地域振興臨時措置法(昭和三十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
次に掲げる規定中「算定した特別とん譲与税」の下に「、自動車重量譲与税及び航空機燃料譲与税」を、「、特別とん譲与税」の下に「、自動車重量譲与税、航空機燃料譲与税」を加え、「及び当該特別とん譲与税」を「並びに当該特別とん譲与税、自動車重量譲与税及び航空機燃料譲与税」に改める。
一 首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律第五条第二項第一号
二 新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律第四条第二項
三 産炭地域振興臨時措置法第十一条第三項
大蔵大臣 水田三喜男
自治大臣 渡海元三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作