地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第101号
公布年月日: 昭和29年5月15日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

現行の地方財政平衡交付金制度は、地方財政の自主性を損ない、中央依存の傾向を生む等の問題があった。そこで政府は、地方制度調査会及び税制調査会の答申を踏まえ、地方財政平衡交付金を地方交付税に改め、その総額を所得税・法人税・酒税の一定割合とすることで地方独立財源としての性格を明確化し、地方財政の自律性と安定性を確保することとした。また、交付基準は現行制度を踏襲し、地方団体が必要な行政を遂行できるよう財源を補填し、地方行政の計画的運営を保障することを目的とする。

参照した発言:
第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第27号

審議経過

第19回国会

衆議院
(昭和29年3月10日)
参議院
(昭和29年3月17日)
(昭和29年3月18日)
(昭和29年3月22日)
(昭和29年3月27日)
(昭和29年3月30日)
衆議院
(昭和29年4月5日)
参議院
(昭和29年4月5日)
衆議院
(昭和29年4月6日)
(昭和29年4月9日)
(昭和29年4月12日)
(昭和29年4月13日)
参議院
(昭和29年4月16日)
(昭和29年4月24日)
(昭和29年5月4日)
(昭和29年5月8日)
(昭和29年5月10日)
衆議院
(昭和29年5月13日)
(昭和29年6月15日)
地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十九年五月十五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百一号
地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律
地方財政平衡交付金法(昭和二十五年法律第二百十一号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
地方交付税法
本則(第二条第一号及び第六号、第三条第三項、第六条、第十条第二項但書及び第十条第五項並びに第十七条を除く。)中「交付金」を「交付税」に、「普通交付金」を「普通交付税」に、「特別交付金」を「特別交付税」に改める。
第一条中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に、「資するために、地方団体に対し適当な財源を供与し、もつてその独立性」を「資するとともに、地方団体の独立性」に改める。
第二条中第一号を次のように改める。
一 地方交付税 第六条の規定により算定した所得税、法人税及び酒税のそれぞれの一定割合の額で地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように国が交付する税をいう。
第二条第六号中「普通交付金の総額を算定し、及び配分する」を「普通交付税を交付する」に改める。
第三条中第一項及び第二項を削り、第三項中「国の予算に計上された交付金の総額」を「地方交付税(以下「交付税」という。)の総額」に、「補てんすることができるように配分しなければならない。」を「補てんすることを目途として交付しなければならない。」に改め、同項を第一項とし、第四項を第二項とし、第五項を第三項とする。
第五条第五項中「配分」を「交付」に改める。
第六条を次のように改める。
(交付税の総額)
第六条 所得税、法人税及び酒税の収入額のそれぞれ百分の二十二をもつて交付税とする。
2 毎年度分として交付すべき交付税の総額は、当該年度における所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二十二に相当する額の合算額に当該年度の前年度以前の年度における交付税で、まだ交付していない額を加算し、又は当該前年度以前の年度において交付すべきであつた額をこえて交付した額を当該合算額から減額した額とする。
第六条の次に次の二条を加える。
(交付税の種類等)
第六条の二 交付税の種類は、普通交付税及び特別交付税とする。
2 毎年度分として交付すべき普通交付税の総額は、前条第二項の額の百分の九十二に相当する額とする。
3 毎年度分として交付すべき特別交付税の総額は、前条第二項の額の百分の八に相当する額とする。
(特別交付税の額の変更等)
第六条の三 毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が第十条第二項本文の規定によつて各地方団体について算定した額の合算額と異なる場合において、当該合算額が普通交付税の総額に満たないときは、当該満たない額は、特別交付税の総額に加算するものとし、当該合算額が普通交付税の総額をこえるときは、当該こえる額は、特別交付税の総額から減額するものとする。但し、当該減額すべき額は、交付税の総額の百分の二に相当する額をこえてはならないものとする。
2 毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き第十条第二項本文の規定によつて各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなつた場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。
第七条第三号中「、基準財政収入額及び必要とする交付金の総額」を「及び基準財政収入額」に改める。
第十条第二項但書を次のように改める。
但し、各地方団体について算定した財源不足額の合算額が普通交付税の総額をこえるため、当該こえる額を特別交付税の総額から減額すべき場合において、その減額すべき額が交付税の総額の百分の二に相当する額をこえるときは、左の式により算定した額とする。
当該地方団体の財源不足額-当該地方団体の基準
財政需要額×
財源不足額の合算額-当該年度分として交付すべき交付税の総額×百分の九十四
基準財政需要額が基準財政収入額をこえる地方団体の基準財政需要額の合算額
第十条第五項を次のように改める。
5 当該年度分として交付すべき交付税の総額の百分の九十四に相当する額が第二項但書の規定により算定した各地方団体に対して交付すべき普通交付税の合算額に満たない場合においては、当該不足額は、当該年度の特別交付税の総額の一部をもつて充てるものとする。
第十二条第一項の表を次のように改める。
地方団体の種類
経費の種類
測定単位
単位費用
道府県
一 警察費
警察職員数
一人につき
三〇六、〇二〇
〇〇
二 土木費
 1 道路費
道路の面積
一平方メートルにつき
七二
 2 橋りよう費
橋りようの面積
一平方メートルにつき
一二二
四八
 3 河川費
河川の延長
一メートルにつき
一九
七一
 4 港湾費
港湾におけるけい船岸の延長
一メートルにつき
一、三〇〇
〇〇
港湾における防波堤の延長
一メートルにつき
二、二五〇
〇〇
 5 その他の土木費
人口
一人につき
一八
三三
面積
一平方キロメートルにつき
四六、六六一
〇〇
三 教育費
 1 小学校費
児童数
一人につき
一、七二二
〇〇
学級数
一学級につき
七七、四六八
〇〇
学校数
一校につき
一六六、七〇〇
〇〇
 2 中学校費
生徒数
一人につき
二、三一八
〇〇
学級数
一学級につき
一〇四、二九七
〇〇
学校数
一校につき
一七八、一九〇
〇〇
 3 高等学校費
生徒数
一人につき
九、五七二
〇〇
 4 その他の教育費
人口
一人につき
六二
五五
四 厚生労働費
 1 社会福祉費
人口
一人につき
一六九
八六
 2 衛生費
人口
一人につき
一一二
九五
 3 労働費
工場事業場労働者数
一人につき
一〇六
〇〇
失業者数
一人につき
三、五九七
〇〇
五 産業経済費
 1 農業行政費
耕地の面積
一町歩につき
七八六
〇〇
農業者(畜産業者を含む。)の数
一人につき
一、一三四
〇〇
 2 林野行政費
民有林野の面積
一町歩につき
六五四
〇〇
 3 水産行政費
水産業者数
一人につき
六、六一二
〇〇
 4 商工行政費
商工業の従業者数
一人につき
一、〇四八
三三
六 戦災復興費
戦争に因る被災地の面積
一坪につき
〇〇
七 その他の行政費
 1 徴税費
道府県税の税額
千円につき
六四
〇〇
 2 その他の諸費
人口
一人につき
一七八
〇〇
八 災害復旧費
災害復旧事業費の財源に充てた地方債の元利償還金
一円につき
九五
市町村
一 消防費
人口
一人につき
一六五
九七
二 土木費
 1 道路費
道路の面積
一平方メートルにつき
七一
 2 橋りよう費
橋りようの面積
一平方メートルにつき
六九
六〇
 3 港湾費
港湾におけるけい船岸の延長
一メートルにつき
一、三〇〇
〇〇
港湾における防波堤の延長
一メートルにつき
二、二五〇
〇〇
 4 都市計画費
都市計画区域における人口
一人につき
一八
一二
 5 その他の土木費
人口
一人につき
一〇
〇〇
面積
一平方キロメートルにつき
三一、四五二
〇〇
三 教育費
 1 小学校費
児童数
一人につき
七二五
〇〇
学級数
一学級につき
二四、一八一
〇〇
学校数
一校につき
九八、一〇〇
〇〇
 2 中学校費
生徒数
一人につき
九六二
〇〇
学級数
一学級につき
三二、〇五五
〇〇
学校数
一校につき
一三七、七〇〇
〇〇
 3 高等学校費
生徒数
一人につき
九、五七二
〇〇
 4 その他の教育費
人口
一人につき
八三
四三
四 厚生労働費
 1 社会福祉費
人口
一人につき
一三〇
五四
 2 衛生費
人口
一人につき
一一二
六二
 3 労働費
失業者数
一人につき
三、七四四
〇〇
五 産業経済費
人口
一人につき
一三五
一七
六 戦災復興費
戦争に因る被災地の面積
一坪につき
〇〇
七 その他の行政費
 1 徴税費
市町村税の税額
千円につき
九五
〇〇
 2 戸籍住民登録費
本籍人口
一人につき
一四
二二
世帯数
一世帯につき
五九
七一
 3 その他の諸費
人口
一人につき
四〇九
八二
八 災害復旧費
災害復旧事業費の財源に充てた地方債の元利償還金
一円につき
九五
第十二条第二項を次のように改める。
2 前項の測定単位の数値は、左の表の上欄に掲げる測定単位につき、それぞれ中欄に定める算定の基礎により、下欄に掲げる表示単位に基いて、総理府令の定めるところにより算定する。
測定単位の種類
測定単位の数値の算定の基礎
表示単位
一 警察職員数
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条に規定する政令で定める基準により算定した当該道府県の警察職員数
二 人口
官報で公示された最近の国勢調査の結果による当該地方団体の人口
三 道路の面積
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二十八条に規定する道路台帳(以下「道路台帳」という。)に記載されている道路で当該地方団体又は当該地方団体の長が管理するものの面積
平方メートル
四 橋りようの面積
道路台帳に記載されている橋りようで当該地方団体又は当該地方団体の長が管理するものの面積
平方メートル
五 河川の延長
河川法(明治二十九年法律第七十一号)第十四条に規定する河川台帳に記載されている河川で当該地方団体がその経費を負担するものの河岸のうち、当該地方団体の区域内に所在するものの延長
メートル
六 港湾におけるけい船岸の延長
最近の港湾に係る統計法(昭和二十二年法律第十八号)第三条に規定する指定統計調査(以下単に「指定統計調査」といい、この指定統計調査を以下「港湾調査」という。)の結果による当該地方団体が経費を負担する港湾におけるけい船岸の延長
メートル
七 港湾における防波堤の延長
最近の港湾調査の結果による当該地方団体が経費を負担する港湾における防波堤の延長
メートル
八 都市計画区域における人口
官報に公示された最近の国勢調査の結果による当該地方団体の人口で都市計画法(大正八年法律第三十六号)第二条の規定による都市計画区域に係るもの
九 面積
建設省地理調査所において公表した最近の当該地方団体の面積
平方キロメートル
十 小学校の児童数
道府県にあつては最近の学校に係る指定統計調査(以下「学校基本調査」という。)の結果による当該道府県の区域内の市町村立の小学校に、市町村にあつては最近の学校基本調査の結果による当該市町村立の小学校に在学する学齢児童の数
十一 小学校の学級数
道府県にあつては最近の学校基本調査の結果による当該道府県の区域内の市町村立の小学校の、市町村にあつては最近の学校基本調査の結果による当該市町村立の小学校の学級数
学級
十二 小学校の学校数
道府県にあつては最近の学校基本調査の結果による当該道府県の区域内の市町村立の小学校の、市町村にあつては最近の学校基本調査の結果による当該市町村立の小学校の数
十三 中学校の生徒数
道府県にあつては最近の学校基本調査の結果による当該道府県の区域内の市町村立の中学校に、市町村にあつては最近の学校基本調査の結果による当該市町村立の中学校に在学する学齢生徒の数
十四 中学校の学級数
道府県にあつては最近の学校基本調査の結果による当該道府県の区域内の市町村立の中学校の、市町村にあつては最近の学校基本調査の結果による当該市町村立の中学校の学級数
学級
十五 中学校の学校数
道府県にあつては最近の学校基本調査の結果による当該道府県の区域内の市町村立の中学校の、市町村にあつては最近の学校基本調査の結果による当該市町村立の中学校の数
十六 高等学校の生徒数
道府県にあつては最近の学校基本調査の結果による当該道府県立の高等学校(定時制の課程の市町村立の高等学校を含む。)に、市町村にあつては最近の学校基本調査の結果による当該市町村立の高等学校に在学する生徒の数
十七 工場事業場労働者数
最近の事業所に係る指定統計調査(以下「事業所統計調査」という。)の結果による当該道府県に所在する事業所の従業者数
十八 失業者数
労働大臣が調査した最近の当該道府県又は当該市町村の区域内に住所を有する失業者の数
十九 耕地の面積
最近の農業に係る指定統計調査(以下「世界農業センサス」という。)の結果による当該道府県の耕地の面積
町歩
二十 農業者(畜産業者を含む。)の数
最近の世界農業センサスの結果による当該道府県の農業者(畜産業者を含む。)の数
二十一 民有林野の面積
農林大臣が調査した最近の当該道府県の民有林野の面積
町歩
二十二 水産業者数
最近の漁業に係る指定統計調査の結果による当該道府県の水産業者数
二十三 商工業の従業者数
最近の事業所統計調査の結果による当該道府県の商工業の従業者数
二十四 戦争に因る被災地の面積
当該地方団体の面積のうち特別都市計画法(昭和二十一年法律第十九号)の規定に基く特別都市計画事業を施行する区域の面積
二十五 税額
当該年度における当該地方団体の基準財政収入額
二十六 本籍人口
当該市町村の戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第七条の規定による戸籍簿に記載された者の数
二十七 世帯数
官報に公示された最近の国勢調査の結果による当該市町村の世帯数
世帯
二十八 災害復旧事業費の財源に充てた地方債の元利償還金
国庫負担金を受けて施行した災害復旧事業費に充てるために借り入れた地方債の当該年度における元利償還金
第十三条第一項中「この法律で定める方法により、」を削り、同条第二項中「前項」を「前二項」に「この法律で定める方法により」を「第四項に定める方法により」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の測定単位の数値の補正は、当該測定単位の種別ごとの数値に、その単位当りの費用の割合を基礎として総理府令で定める率を乗じて行うものとする。
第十三条に次の五項を加える。
4 前項の測定単位の数値に係る補正係数は、経費の種類ごとに、且つ、測定単位ごとにそれぞれ左の各号に定める方法を基礎として、総理府令で定めるところによつて算定した率とする。但し、前項第一号から第四号までの補正の二以上をあわせて行う場合においては、二以上の事由を通じて一の率を定め、又は各事由ごとに算定した率(二以上の事由を通じて定めた率を用いて算定した率を含む。)を連乗して得た率によるものとする。
一 前項第一号の補正は、当該行政に要する経費の額が測定単位の数値の増減に応じて逓減又は逓増するものについて行うものとし、当該補正に係る係数は、超過累退又は超過累進の方法によつて総理府令で定める率を用いて算定した数値を当該率を用いないで算定した数値で除して算定する。
二 前項第二号の補正は、当該行政に要する経費の額が人口密度、自動車一台当りの道路の延長、工場事業場一所当りの工場事業場労働者数及び納税義務者又は特別徴収義務者一人当りの税額その他これらに類するもの(以下本号において「人口密度等」という。)の増減に応じて逓減又は逓増するものについて行うものとし、当該補正に係る係数は、超過累退又は超過累進の方法によつて、総理府令で定める率を用して算定した人口密度等を当該率を用いないで算定した人口密度等で除して算定する。
三 前項第三号の補正は、当該行政に要する経費の測定単位当りの額が市町村の態容に応じて割高となり又は割安となるものについて行うものとし、当該補正に係る係数は、その割高となり又は割安となる行政の質の差又は行政権能等の差の事由ごとに市町村の種類に応じ、その割高となり又は割安となる度合を基礎として総理府令で定める率を用いて算定した数値を当該率を用いないで算定した数値で除して算定する。
四 前項第四号の補正は、当該行政に要する経費の測定単位当りの額が寒冷又は積雪の度合によつて割高となるものについて行うものとし、当該補正に係る係数は、その割高となる給与の差、寒冷の差又は積雪の差の事由ごとに、地域の区分に応じそれぞれその割高となる度合を基礎として総理府令で定める率を当該地域における測定単位の数値に乗じて得た数を当該率を用いないで算定した数値で除して得た数値の合計数に一を加えて算定する。
5 前項第三号の場合にあつては、同号の市町村は、総理府令で定めるところによつて人口、経済構造、宅地平均価格指数その他行政の質の差を表現する指標ごとに算定した点数の合計点数に基き、一種地から十種地までに区分し、又はその有する行政権能等の差によつて区分するものとする。
6 第四項第四号の場合にあつては、同号の地域は、総理府令で定めるところによつて、給与の差、寒冷の差及び積雪の差ごとに、市町村の区域によつて区分するものとする。
7 人口が急増した地方団体及び組合(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第一項の一部事務組合又は同法同条第三項の役場事務組合をいう。)を組織している地方団体に係る補正係数の算定方法及び測定単位の数値の補正後の数値の算定方法については、総理府令で前六項の規定の特例を設けることができる。
8 前七項に定めるものの外、補正係数の算定方法につき必要な事項は、総理府令で定める。
第十四条第一項を次のように改める。
基準財政収入額は、道府県にあつては基準税率をもつて算定した当該道府県の普通税(法定外普通税を除く。)の収入見込額及び当該道府県の入場譲与税の収入見込額の合算額、市町村にあつては基準税率をもつて算定した当該市町村の普通税(法定外普通税を除く。)の収入見込額とする。
第十四条第二項中「但し、」の下に「個人に対する道府県民税の所得割については、所得割の課税総額の算定に用いる標準率とし、」を加え、「百分の十八」を「百分の十三」に改め、同条に次の一項を加える。
3 第一項の基準財政収入額は、左の表の上欄に掲げる地方団体につき、それぞれ同表の中欄に掲げる税目ごとに、当該下欄に掲げる算定の基礎によつて、総理府令で定める方法により、算定するものとする。
地方団体の種類
税目
基準税額の算定の基礎
道府県
一 道府県民税
 1 均等割
個人に係るものにあつては人口、法人及び法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定のあるものに係るものにあつては納税義務者数
 2 所得割
当該道府県の区域内に住所又は居所を有する者に係る前年度分の所得税額
 3 法人税割
二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人(以下「道府県分割法人」という。)に係るものにあつては、当該法人に係る最近の事業年度に係る法人税割の課税標準、その他の法人に係るものにあつては、当該道府県の区域内における前年度分の法人税額から道府県分割法人に係る法人税額を控除した額
二 事業税
1 個人の行う事業に対する事業税
(1) 地方税法第七十二条第四項の第一種事業に対するもの
 最近の事業所統計調査の結果による第一種事業に相当する事業に係る個人業主の数並びに前年度分の所得税の課税の基礎となつた第一種事業に相当する事業に係る個人業主の数及び所得額
(2) 地方税法第七十二条第五項の第二種事業に対するもの
 第二種事業に相当する事業に係る前年度分の所得税の課税の基礎となつた個人業主の数及び所得額
(3) 地方税法第七十二条第六項の第三種事業に対するもの
 第三種事業に相当する事業に係る前年度分の所得税の課税の基礎となつた個人業主の数及び所得額
 2 法人の行う事業に対する事業税
道府県分割法人に係るものにあつては、当該法人に係る最近の事業年度に係る事業税の課税標準、その他の法人に係るものにあつては、当該道府県の区域内における前年度分の法人税の課税の基礎となつた所得額から道府県分割法人に係る所得額を控除した額
三 不動産所得税
土地及び家屋に係る前年度中における登録税額並びに前年度中における家屋の建築坪数
四 道府県たばこ消費税
当該道府県の区域内における前年度中のたばこの小売売上額
五 娯楽施設利用税
前年度中において、当該道府県に所在する地方税法第七十五条第一項の施設を利用した者の数又は当該施設における利用物件数
六 遊興飲食税
個人に係るものにあつては、飲食店、旅館及び貸席の別にそれぞれ前年度分の所得税の課税の基礎となつた当該事業に係る所得額、法人に係るものにあつては、飲食店については前年度分の法人税の課税の基礎となつた所得額、旅館及び貸席については最近の事業所統計調査の結果によるそれぞれの事業法のうち法人に係るものの従業者数
七 自動車税
当該道府県の区域内に定置場を有する自動車の種類別の台数
八 鉱区税
鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第五十九条に規定する鉱業原簿に登録されている鉱区の面積(河床に存する砂鉱を目的とする鉱業権の鉱区にあつては、その河床の延長)
九 狩猟者税
前年度中において狩猟法(大正七年法律第三十二号)の規定によつて当該道府県知事が狩猟免状を下付した者の数
十 固定資産税
当該道府県の区域内における地方税法第三百四十九条の三に規定する大規模の償却資産で同法第七百四十条の規定により当該道府県が固定資産税を課することができるものに係る当該年度の価額の合計額から同法第三百四十九条の三の規定により市町村が課することができる固定資産税の課税標準額を控除した額
十一 入場譲与税
官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による当該道府県の人口
市町村
一 市町村民税
 1 均等割
個人に係るものにあつては人口、法人及び法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定のあるものに係るものにあつては納税義務者数
 2 所得割
当該市町村の区域内に住所又は居所を有する者に係る前年度分の所得税額
 3 法人税割
二以上の市町村に事務所又は事業所を有する法人(以下「市町村分割法人」という。)に係るものにあつては当該法人に係る最近の事業年度に係る法人税割の課税標準、その他の法人に係るものにあつては当該市町村の区域内における前年度の法人税額から市町村分割法人に係る法人税額を控除した額
二 固定資産税
 1 土地
(1) 宅地、田、畑、山林、原野及び塩田に係るもの
 当該市町村における土地の種類ごとの一坪当りの平均価格及びその地積
(2) その他の土地
 土地台帳法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第二百二十七号)による改正前の土地台帳法(昭和二十二年法律第三十号)の規定による土地台帳に登録されていた当該市町村における土地の種類ごとの賃貸価格
 2 家屋
当該市町村における家屋の一坪当りの平均価格及び床面積
 3 償却資産
(1) 地方税法第三百八十九条の規定により自治庁長官又は都道府県知事が価格を決定し、決定した価格を配分するもの
  当該配分額
(2) 船舶(地方税法第三百八十九条の規定により自治庁長官又は都道府県知事が価格を決定し、決定した価格を配分するものを除く。)
当該市町村の区域内に定けい港を有する船舶のとん数
(3) その他の償却資産
最近の事業所統計調査の結果による従業者数
三 自転車荷車税
当該市町村の区域内に定置所を有する自転車及び荷車の種類別の台数
四 市町村たばこ消費税
当該市町村の区域内における前年度中のたばこの小売売上額
五 電気ガス税
前年度中において納入され、又は納付された電気ガス税額
六 鉱産税
最近の鉱物に係る指定統計調査の結果による鉱物ごとの生産量及び山元価格
七 木材引取税
樹種別の木材の生産石数及び価格
八 入湯税
旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第二項のホテル及び同法同条第三項の旅館で鉱泉浴場を持つもの又は鉱泉浴場を利用するものの客室の畳数
第十七条の見出し中「市町村交付金」を「市町村交付税」に改め、同条第一項中「交付金」を「交付税」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和二十九年度分の地方交付税から適用する。
2 改正後の地方交付税法(以下「新法」という。)第十四条第三項の表道府県の項中十 固定資産税に係る部分は、昭和三十年度分の地方交付税から適用する。
3 昭和二十九年度に限り、新法第六条第一項中「所得税、法人税及び酒税の収入額のそれぞれ百分の二十二」とあるのは「所得税及び法人税の収入額のそれぞれ百分の一九・六六並びに酒税の収入額の百分の二十」と、同法同条第二項中「所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二十二」とあるのは「所得税及び法人税の収入見込額のそれぞれ百分の一九・六六並びに酒税の収入見込額の百分の二十」と読み替えるものとする。
4 昭和二十九年度に限り、新法第十二条第一項の表道府県の項中
一 警察費
警察職員数
一人につき 三〇六、〇二〇
〇〇
とあるものは
一 警察費
警察職員数
一人につき 二二四、〇五〇
〇〇
と、同表市町村の項中
一 消防費
人口
一人につき 一六五
九七
とあるのは
一 警察消防費
 1 警察費
人口
一人につき  九〇
五七
 2 消防費
人口
一人につき 一六五
九七
と読み替えるものとする。
5 昭和二十九年度に限り、新法第十四条第三項の表道府県の項中
3 法人税割
二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人(以下「道府県分割法人」という。)に係るものにあつては、当該法人に係る最近の事業年度に係る法人税割の課税標準、
とあるのは
3 法人税割
二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人(以下「道府県分割法人」という。)に係るものにあつては、当該法人に係る最近の事業年度に係る市町村民税のうち法人税割の課税標準、
と、
十一 入場譲与税
官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による当該道府県の人口
とあるのは
十一 入場譲与税
官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による当該道府県の人口
十二 入場税
当該道府県の区域内に所在する映画館及び演劇館の定員、昭和二十八年度中において当該道府県の区域内に所在する競馬場及び競輪場に入場した者の数並びに当該道府県の区域内に所在する舞踏場、まあじやん場、たまつき場、ゴルフ場、スケート場、つりぼり、貸船場及びこれらの施設に類する施設の数
と、同表市町村の項中
3 償却資産
(1) 地方税法第三百八十九条の規定により自治庁長官又は都道府県知事が価格を決定し、決定した価格を配分するもの
とあるのは
3 償却資産
(1) 地方税法第三百八十九条又は第三百九十一条の規定により自治庁長官又は都道府県知事が価格を決定し、決定した価格を配分するもの
と読み替えるものとする。
6 昭和二十九年度に限り、新法第十六条第一項の表中「前年度の当該地方団体に対する普通交付税の額」とあるのは「昭和二十八年度の当該地方団体に対する地方財政平衡交付金のうち普通交付金の額」と、「前年度の交付税の総額」とあるのは「昭和二十八年度の地方財政平衡交付金の総額」と読み替えるものとする。
7 新法第十九条の規定は、昭和二十八年度分以前の地方財政平衡交付金についても、適用があるものとする。この場合においては、同条第一項中「普通交付税の額を通知」とあるのは「普通交付金の額を通知」と、「普通交付税の額の算定の基礎」とあるのは「普通交付金の額の算定の基礎」と、同条第二項中「普通交付税の算定」とあるのは「普通交付金の算定」と、「交付を受けた普通交付税」とあるのは「交付を受けた普通交付金」と、「交付を受けるべきであつた普通交付税」とあるのは「交付を受けるべきであつた普通交付金」と、同条第三項中「交付税の算定」とあるのは「交付金の算定」と、「交付税の交付」とあるのは「交付金の交付」と読み替えるものとする。
8 昭和二十九年度に限り、奄美群島に係る地方交付税法の適用については、政令で特例を設けることができる。
9 自治庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十二号から第二十四号まで中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に改める。
第十二条第二号中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に改め、同条第三号中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に、「配分」を「交付」に改め、同条第四号中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に改め、同条第九号中「地方財政平衡交付金法」を「地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)」に改め、「地方財政法」の下に「(昭和二十三年法律第百九号)」を加える。
第十七条第一号及び第二号中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に、「配分」を「交付」に改め、同条第三号及び第四号中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に改める。
第十九条第一項中「毎年度国の予算に計上される地方財政平衡交付金に関して、」を「地方交付税法第六条の三第二項の規定の適用に関して、」に改める。
10 地方税法の一部を次のように改正する。
第一条第一項第五号中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に改める。
第三百四十九条の三第二項中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に、「地方財政平衡交付金法」を「地方交付税法」に改め、同条第三項及び第四項中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に改める。
11 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第四項中「地方財政平衡交付金法」を「地方交付税法」に改める。
12 町村合併促進法(昭和二十八年法律第二百五十八号)の一部を次のように改正する。
第十五条中「地方財政平衡交付金法」を「地方交付税法」に改め、同条及び第三十五条中「地方財政平衡交付金」を「地方交付税」に改める。
13 災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。
第三十六条中「地方財政平衡交付金法」を「地方交付税法」に改める。
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 小笠原三九郎