地方道路譲与税法
法令番号: 法律第113号
公布年月日: 昭和30年8月1日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

道路整備費の財源等に関する臨時措置法により、揮発油税収入を道路整備の財源に充てることとなったが、地方の道路行政においては、国道・都道府県道の維持管理責任が都道府県及び五大市にあり、その費用負担も大きい。そこで恒久的制度として地方道路税を創設し、その収入総額を国道及び都道府県道の面積を基準として都道府県及び五大市に譲与することで、道路の維持・修繕等のための自主的財源を確保するとともに、国庫補助金制度の弊害を排除することを目的とする。

参照した発言:
第22回国会 衆議院 地方行政委員会 第7号

審議経過

第22回国会

衆議院
(昭和30年5月13日)
参議院
(昭和30年5月17日)
衆議院
(昭和30年6月4日)
(昭和30年6月8日)
(昭和30年7月8日)
(昭和30年7月9日)
(昭和30年7月25日)
(昭和30年7月25日)
参議院
(昭和30年7月30日)
(昭和30年7月30日)
(昭和30年7月30日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
地方道路譲与税法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年八月一日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百十三号
地方道路譲与税法
(地方道路譲与税)
第一条 地方道路譲与税は、地方道路税法(昭和三十年法律第百四号)の規定による地方道路税の収入額に相当する額とし、都道府県及び道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第七条第三項に規定する指定市(以下「指定市」という。)に対して譲与するものとする。
(譲与の基準)
第二条 地方道路譲与税は、都道府県及び指定市に対し、毎年四月一日現在における各都道府県及び指定市の区域(指定市を包括する都道府県にあつては、当該指定市の区域を除いた区域)内に存する一級国道及び二級国道並びに都道府県道(当該都道府県又は指定市がその管理について経費を負担しないものその他総理府令で定めるものを除く。)の面積にあん分して譲与するものとする。
2 前項の道路の面積は、総理府令で定めるところにより、それぞれ当該道路の幅員にその延長を乗じて算定するものとする。ただし、幅員による道路の種別、自動車一台当りの道路の延長その他の事情を参酌して、総理府令で定めるところにより、補正することができる。
(譲与時期及び譲与時期ごとの譲与額)
第三条 地方道路譲与税は、毎年度、次の表の上欄に掲げる時期に、それぞれ当該下欄に定める額を譲与する。
譲与時期
譲与時期ごとに譲与すべき額
八月
前年度三月における前月において収納すべき地方道路税の収入額の見込額と同月において収納した地方道路税の収入額との差額を四月から七月までの間の収納にかかる地方道路税の収入額に加算し、又はこれから減額した額に相当する額
十二月
八月から十一月までの間の収納にかかる地方道路税の収入額に相当する額
三月
十二月から二月までの間の収納にかかる地方道路税の収入額と三月において収納すべき地方道路税の収入額の見込額との合算額に相当する額
2 前項に規定する各譲与時期ごとに譲与することができなかつた金額があるとき、又は各譲与時期において譲与すべき金額をこえて譲与した金額があるときは、それぞれ当該金額を、次の譲与時期に譲与すべき額に加算し、又はこれから減額するものとする。
(譲与額の算定に用いる資料の提出義務)
第四条 都道府県知事及び指定市の長は、総理府令で定めるところにより、地方道路譲与税の額の算定に用いる資料を自治庁長官に提出しなければならない。
(譲与すべき額の算定に錯誤があつた場合の措置)
第五条 自治庁長官は、地方道路譲与税を都道府県及び指定市に譲与した後において、その譲与した額の算定に錯誤があつたため、譲与した額を増加し、又は減少する必要が生じたときは、総理府令で定めるところにより、当該増加し、又は減少すべき額を錯誤があつたことを発見した日以後に到来する譲与時期において譲与すべき額に加算し、又はこれから減額した額をもつて当該譲与時期において都道府県及び指定市に譲与すべき額とするものとする。
(地方道路譲与税の使途)
第六条 都道府県及び指定市は、譲与を受けた地方道路譲与税の総額を道路に関する費用に充てなければならない。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和三十年度分の地方道路譲与税から適用する。
2 昭和三十年度に限り、第三条第一頂の表中「前年度三月における同月において収納すべき地方道路税の収入額の見込額と同月において収納した地方道路税の収入額との差額を四月から七月までの間の収納にかかる地方道路税の収入額に加算し、又はこれから減額した額に相当する額」とあるのは、「四月から七月までの間において国税収納金整理資金に受け入れられた地方道路税の収入額に相当する額」と読み替えるものとする。
(揮発油譲与税の決定額に錯誤があつた場合の措置)
3 昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律(昭和二十九年法律第百九十号)の規定による揮発油譲与税の決定額について、その算定に錯誤があつたため、これを増加し、又は減少する必要が生じたときは、当該増加し、又は減少すべき額については、これを地方道路譲与税の増加し、又は減少すべき額とみなして、第五条の規定を適用するものとする。
(揮発油譲与税の追加譲与)
4 昭和二十九年度における揮発油税の収入額の三分の一に相当する額が揮発油譲与税の総額として昭和二十九年度の予算に定められた額をこえる場合においては、その超過額に相当する額(以下本項において「超過額」という。)は、昭和二十九年度における揮発油譲与税に関する法律第七条の規定にかかわらず、地方道路譲与税とみなし、昭和三十年度又は昭和三十一年度において当該超過額にかかる予算が成立した日以後最初に到来する第三条第一項に規定する譲与時期において譲与すべき地方道路譲与税の額に加算して譲与するものとする。
(自治庁設置法の一部改正)
5 自治庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。
第四条第三十三号の三の次に次の二号を加える。
三十三の四 地方道路譲与税の収入額を見積ること。
三十三の五 都道府県及び道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第七条第三項に規定する指定市(以下「指定市」という。)に譲与すべき地方道路譲与税の譲与税額を決定し、及びこれを譲与すること。
第十二条第一号中「及び入場譲与税」を「、入場譲与税及び地方道路譲与税」に改める。
第十三条第九号中「入場譲与税法」を「入場譲与税法(昭和二十九年法律第百二号)、地方道路譲与税法(昭和三十年法律第百十三号)」に、「及び入場譲与税」を「、入場譲与税及び地方道路譲与税」に改め、同号を同条第十一号とし、同条第八号の次に次の二号を加える。
九 地方道路譲与税の収入額の見積に関すること。
十 地方道路譲与税の譲与に関すること。
第十七条第四号の二の次に次の一号を加える。
四の三 都道府県及び指定市に譲与すべき地方道路譲与税の譲与額の決定に関すること。
内閣総理大臣 鳩山一郎
大蔵大臣 一万田尚登