(道路の附属物の新設又は改築)
第八十五條 一級国道又は二級国道に附属する道路の附属物の新設又は改築は、建設大臣が自ら行う一級国道又は二級国道の新設又は改築に伴う場合を除き、当該一級国道又は二級国道の道路管理者が行う。
2 都道府県道又は市町村道に附属する道路の附属物の新設又は改築は、当該都道府県道又は市町村道の道路管理者が行う。
3 道路の附属物の新設又は改築に要する費用は、道路の附属物の新設又は改築が一級国道又は二級国道の新設又は改築に伴うものである場合においては、当該一級国道又は二級国道の新設又は改築に要する費用を負担する者がその負担の割合に応じて負担し、その他の場合においては、道路管理者(都道府県知事が道路管理者である場合においては、その統轄する都道府県)が負担する。
(国の行う事業等に対する負担金の徴収)
第八十六條 第三十五條に規定する事業に対する第五十八條から第六十一條まで及び第六十二條後段の規定による負担金並びに道路の占用に伴う道路に関する工事の費用の負担金の額の決定並びにその徴収方法については、これらの基準を政令で定めることができる。
2 道路管理者は、第三十五條に規定する事業について第五十八條の規定により負担金を徴収しようとする場合又は第六十一條第二項の規定による條例を制定し、若しくは改正しようとする場合においては、前項に規定する政令で定める基準の範囲内においてしなければならない。
(許可等の條件)
第八十七條 建設大臣及び道路管理者は、この法律の規定によつてする許可、認可又は承認には、第三十四條の規定による場合の外、道路の構造を保全し、交通の危険を防止し、その他円滑な交通を確保するために必要な條件を附することができる。
2 前項の規定による條件は、当該許可、認可又は承認を受けた者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
(道等の特例)
第八十八條 国は、道の区域内の道路については、政令で定めるところにより、道路に関する費用の全額を負担し、若しくはこの法律に規定する負担割合若しくは補助率以上の負担若しくは補助を行い、又はこの法律に規定する以外の補助を行うことができる。地勢、気象等の自然的條件がきわめて悪く、且つ、資源の開発が充分に行われていない地域内の道路で政令で指定するものについても、同様とする。
2 建設大臣は、前項の規定により国が道路に関する費用の全額を負担する場合において、国の利害に特に関係があるときは、政令で定めるところにより、道路管理者の権限を行うことができる。
(都の特例)
第八十九條 都の特別区の存する区域内においては、都知事は、第七條第一項各号に掲げる基準によらないで、議会の議決を経て、都道の路線を認定し、変更し、又は廃止することができる。この場合においては、第七十四條の規定による建設大臣の認可を受けることを要しない。
2 都知事は、前項の規定により都道の路線を認定し、変更し、又は廃止しようとする場合においては、あらかじめ当該路線の存する特別区の長の意見を聞かなければならない。
(道路の敷地等の帰属)
第九十條 一級国道又は二級国道の新設又は改築のために取得した道路を構成する敷地又は支壁その他の物件(以下これらを「敷地等」という。)は国に、都道府県道又は市町村道の新設又は改築のために取得した敷地等はそれぞれ当該新設又は改築をした都道府県又は市町村に帰属する。
2 普通財産である国有財産は、都道府県道又は市町村道の用に供する場合においては、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二十二條又は第二十八條の規定にかかわらず、当該道路の道路管理者である地方公共団体に無償で貸し付け、又は譲与することができる。
(道路予定地)
第九十一條 第十八條第一項の規定により道路の区域が決定された後道路の供用が開始されるまでの間は、何人も、道路管理者(建設大臣が自ら道路の新設又は改築を行う場合における建設大臣を含む。以下本條中同じ。)が当該区域内にある土地について権原を取得する前においても、道路管理者の許可を受けなければ、当該土地の形質を変更し、工作物を新築し、改築し、増築し、若しくは大修繕し、又は物件を附加増置してはならない。
2 道路の区域が決定された後道路の供用が開始されるまでの間においても、道路管理者が当該区域内にある土地について権原を取得した後においては、当該土地又は当該土地に設置された道路の附属物となるべきもの(以下「道路予定地」という。)については第三條、第三章第三節、第四十三條、第四十四條、第七十一條から第七十三條まで、第七十五條、第八十七條及び次條から第九十五條までの規定を準用する。
3 第一項の規定による制限に因り損失を受ける者がある場合においては、道路管理者は、その者に対して通常受けるべき損失を補償しなければならない。
4 第六十九條第二項及び第三項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。
(不用物件の管理又は交換)
第九十二條 道路の供用の廃止又は道路の区域の変更があつた場合においては、当該道路を構成していた不用となつた敷地、支壁その他の物件(以下「不用物件」という。)は、従前当該道路を管理していた者が一年をこえない範囲内において政令で定める期間、管理しなければならない。
2 第三條の規定は、前項の期間が満了するまでは、不用物件について準用する。
3 第一項の不用物件は、土地収用法第百六條の規定の適用については、同項に規定する期間内においては、不用物件とならないものとみなす。
4 道路管理者は、路線の変更又は区域の変更に因り、新たに道路を構成する敷地その他の物件を取得する必要がある場合において、これらの物件及び不用物件の所有者並びに当該物件について抵当権、賃借権、永小作権その他所有権以外の権利を有する者の同意があるときは、第一項の期間内においても、不用物件とこれらの物件とを交換することができる。
(不用物件の使用)
第九十三條 不用物件を他の道路の新設又は区域の変更のために使用する必要がある場合であつて、且つ、当該不用物件が当該道路の区域内にある場合において、当該道路の道路管理者がその旨を前條第一項の期間内に当該不用物件の管理者に申し出たときは、当該不用物件の管理者は、これを当該道路管理者に引き渡さなければならない。
(不用物件の返還又は譲与)
第九十四條 第九十二條第四項及び前條の規定に該当する場合を除き、不用物件がその管理者以外の者の所有に属する場合においては、当該不用物件の管理者は、第九十二條第一項の期間満了後、直ちにこれを所有者に返還しなければならない。
2 前項の場合において当該不用物件が国有財産であるときは、建設大臣は、当該国有財産の管理者である主務大臣と協議の上、国有財産として存置する必要があるものを除き、国有財産法第二十八條の規定にかかわらず、当該不用物件のあつた道路の管理の費用を負担した地方公共団体にこれを譲与することができる。
3 第一項の場合において、不用物件の管理者が過失がなくて当該不用物件の所有者を確知することができないときは、当該不用物件を供託することができる。
4 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百九十五條第二項並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第八十一條及び第八十二條の規定は、前項の規定による供託について準用する。
5 第二項の規定により、譲与を受けることができる地方公共団体が二以上ある場合においては、そのいずれかが都道府県であるときは建設大臣が、その他のときは都道府県知事が譲与の割合を決定するものとする。
6 第二項の場合において、土地収用法第百六條又は民法第五百七十九條の規定による買受又は買戻の相手方は、譲与を受けた地方公共団体とする。
(不用物件に関する費用等)
第九十五條 第九十二條第一項の期間内における不用物件の管理若しくは同條第四項の規定による不用物件の交換又は前條の規定による不用物件の返還に要する費用は不用物件の管理者の負担とし、不用物件の管理に伴う収益は不用物件の管理者の収入とする。
(異議の申立、訴願又は訴訟)
第九十六條 道路管理者がした左の各号の一に掲げる処分について不服のある者は、処分のあつた日から三十日以内に、当該処分をした道路管理者(都道府県道又は市町村道にあつては、道路管理者である地方公共団体の長をいう。以下第四項及び第五項において同じ。)に異議の申立をすることができる。
一 第二十一條第一項又は第二十二條第一項の規定による道路管理者の命令
二 第二十三條第一項又は第三十八條第一項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定により道路管理者が自ら工事を施行すること。
三 道路管理者が第二十四條本文の規定による承認を与えないこと。
四 道路管理者が第三十二條第一項若しくは第三項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定による許可を与えないこと又は許可の申請書を受理した日から三月を経過しても許可に関する処分をしないこと。
五 第三十九條第一項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定により道路管理者が徴収する占用料の額の決定
六 第四十條第二項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定に基き道路管理者のした指示
七 第四十四條第四項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定に基き道路管理者のした命令
八 第四十六條又は第四十七條の規定に基き道路管理者のした通行の禁止又は制限その他の処分
九 第五十八條から第六十一條まで及び第六十二條後段の規定により道路管理者が課した負担金の額の決定
十 第七十一條第一項又は第二項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定に基き道路管理者のした処分
十一 第七十二條第三項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定により道路管理者が補償金の負担を命じたこと又はその負担額の決定
十二 第七十三條(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定に基き道路管理者がした処分
十三 第八十七條第一項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定により許可又は承認に條件を附したこと。
十四 第九十一條第一項の規定による許可を与えないこと又は許可の申請書を受理した日から三十日を経過しても許可に関する処分をしないこと。
2 第二十七條の規定により建設大臣又は一の地方公共団体の区域をこえて道路を管理する道路管理者若しくは道路と相互に効用を兼ねる他の工作物の管理者が道路管理者に代つて道路管理者の権限を行う場合においてした前項各号に掲げる処分に対して不服のある者は、処分のあつた日から三十日以内に、それぞれ当該処分をした建設大臣又は道路管理者に代つて権限を行う当該道路管理者(都道府県道又は市町村道にあつては、道路管理者である地方公共団体の長をいう。)若しくは他の工作物の管理者に異議の申立をすることができる。
3 第七十一條第四項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)の規定に基き道路監理員がした処分に対して不服のある者は、処分のあつた日から三十日以内に、当該道路監理員を命じた道路管理者である地方公共団体の長に異議の申立をすることができる。
4 前三項の規定による異議の申立があつた場合においては、建設大臣又は道路管理者若しくは他の工作物の管理者は、申立を受理した日から三十日以内に文書をもつて決定しなければならない。
5 前項の規定による決定に不服のある者は、決定の通知を受けた日から十日以内に、建設大臣又は都道府県知事若しくは都道府県である道路管理者のした決定に対しては建設大臣に、他の工作物の管理者である主務大臣又は地方支分部局の長のした決定に対しては建設大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣に、その他の道路管理者又は他の工作物の管理者のした決定に対しては都道府県知事に訴願することができる。
6 前項の規定による訴願の裁決に不服がある者は、行政事件訴訟特例法(昭和二十三年法律第八十一号)第五條第一項の規定にかかわらず、裁決のあつた日から三月以内に限り、訴を提起することができる。
7 訴願法(明治二十三年法律第百五号)第十二條の規定は、第一項の規定による異議の申立について準用する。
(道路管理者の権限の行使)
第九十七條 第十八條、第二十一條第一項、第二十二條第一項、第二十三條第一項、第二十四條、第二十六條第三項、第二十八條、第三十二條から第三十八條まで(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)、第四十條第二項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)、第四十四條第一項、第二項及び第四項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)、第四十五條第一項、第四十六條、第四十七條第二項及び第三項、第四十八條、第六十六條第一項、第六十八條、第七十條第一項後段、第七十一條第一項から第四項まで(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)、第八十七條第一項(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)、第九十一條第一項並びに第九十三條(第九十一條第二項において準用する場合を含む。)に規定する道路管理者(道路管理者が都道府県知事である場合を除く。)の権限は、道路管理者である地方公共団体の長が行う。
(不適用規定)
第九十八條 第三條の規定は、他の工作物について道路の路線が指定され、又は認定された場合においては、当該他の工作物については、適用しない。