道路法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十六号
公布年月日: 昭和34年3月30日
法令の形式: 法律
道路法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十四年三月三十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第六十六号
道路法の一部を改正する法律
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四節 道路の保全(第四十二条―第四十八条)」を
第四節
道路の保全(第四十二条―第四十八条)
第五節
自動車専用道路(第四十八条の二―第四十八条の六)
に改める。
第二条に次の一項を加える。
3 この法律において「自動車」とは、道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車をいう。
第三十九条第二項本文中「指定区間内の一級国道に係るものにあつては政令で、その他の道路に係るものにあつては」を削り、「条例」の下に「(指定区間内の一級国道にあつては、政令)」を加える。
第三章第四節の次に次の一節を加える。
第五節 自動車専用道路
(自動車専用道路の指定)
第四十八条の二 道路管理者は、交通が著しくふくそうして道路における車両の能率的な運行に支障のある市街地及びその周辺の地域において、交通の円滑を図るために必要があると認めるときは、まだ供用の開始(他の道路と交差する部分について第十八条第二項ただし書の規定によりあつたものとみなされる供用の開始及び自動車のみの一般交通の用に供する供用の開始を除く。)がない道路(高速自動車国道及び一級国道を除く。)について、自動車のみの一般交通の用に供する道路を指定することができる。この場合において、当該道路に二以上の道路管理者(当該道路と交差する道路の道路管理者を除く。)があるときは、それらの道路管理者が共同して当該指定をするものとする。
2 道路管理者は、交通が著しくふくそうして車両の能率的な運行に支障のある道路(高速自動車国道及び前項の規定により指定された道路を除く。)の区間内において、交通の円滑を図るために必要があると認めるときは、区域を定めて、自動車のみの一般交通の用に供する部分を指定することができる。ただし、当該道路の区間に他の一般交通の用に供する部分があつて自動車以外の方法による通行に支障のない場合に限る。
3 道路管理者は、第一項又は前項の規定による指定をしようとする場合においては、一般自動車道(道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第八項に規定する一般自動車道をいう。以下次条中同じ。)との調整について特に考慮を払わなければならない。
4 道路管理者は、第一項又は第二項の規定による指定をしようとする場合においては、建設省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。その指定を解除しようとする場合においても、同様とする。
(道路等との交差の方式)
第四十八条の三 道路管理者は、前条第一項又は第二項の規定による指定をした、又はしようとする道路又は道路の部分を道路、軌道、一般自動車道又は交通の用に供する通路その他の施設(以下本条及び次条中「道路等」という。)と交差させようとする場合においては、当該交差の方式は、立体交差としなければならない。ただし、当該道路等の交通量が少ない場合、地形上やむを得ない場合その他政令で定める場合においては、この限りでない。
(道路等と自動車専用道路との連結又は交差)
第四十八条の四 道路等(軌道を除く。以下本項中同じ。)の管理者は、道路等を第四十八条の二第一項又は第二項の規定による指定を受けた道路又は道路の部分(以下「自動車専用道路」という。)と連結させようとする場合においては、当該管理者が道路管理者であるときは当該自動車専用道路の道路管理者と協議し、その他の者であるときは当該自動車専用道路の道路管理者の許可を受けなければならない。自動車専用道路以外の道路等を自動車専用道路と立体交差以外の方式で交差させようとする場合においても、同様とする。
2 自動車専用道路の道路管理者は、前項前段の場合にあつては当該連結が当該自動車専用道路の効用を妨げない場合に限り、同項後段の場合にあつては当該交差が前条ただし書に規定する場合に該当する場合に限り、前項の協議に応じ、又は同項の許可を与えることができる。
(出入の制限等)
第四十八条の五 何人もみだりに自動車専用道路に立ち入り、又は自動車専用道路を自動車による以外の方法により通行してはならない。
2 道路管理者は、自動車専用道路の入口その他必要な場所に通行の禁止又は制限の対象を明らかにした道路標識を設けなければならない。
(違反行為に対する措置)
第四十八条の六 道路管理者は、前条第一項の規定に違反している者に対し、行為の中止その他交通の危険防止のための必要な措置をすることを命ずることができる。
第七十一条第四項中「道路管理者は」を「道路管理者(第九十七条の二の規定により権限の委任を受けた北海道開発局長を含む。以下本項及び次項中同じ。)は」に改め、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
5 自動車専用道路の道路管理者は、前項の規定により命じた道路監理員に第四十八条の六の規定による権限を行わせることができる。
第七十六条第五号中「(昭和二十六年法律第百八十三号)」を削る。
第九十六条第一項各号列記以外の部分中「道路管理者が」を「道路管理者(第九十七条の二の規定により権限の委任を受けた地方建設局長及び北海道開発局長を含む。以下本項から第四項まで中同じ。)が」に改め、同項第八号の次に次の一号を加える。
八の二 道路管理者が第四十八条の四第一項の規定による許可を与えないこと又は許可の申請書を受理した日から三月を経過しても許可に関する処分をしないこと。
第九十六条第二項中「建設大臣若しくは一の」を「建設大臣(第九十七条の二の規定により権限の委任を受けた地方建設局長及び北海道開発局長を含む。以下本項から第四項まで中同じ。)、一の」に改め、同条第五項中「又は建設大臣」の下に「(第九十七条の二の規定により権限の委任を受けた地方建設局長及び北海道開発局長を含む。)」を加える。
第九十七条中「第四十八条」の下に「、第四十八条の二、第四十八条の四、第四十八条の五第二項、第四十八条の六」を加え、「第四項まで」を「第五項まで」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(権限の委任)
第九十七条の二 この法律に規定する道路管理者である建設大臣の権限(第二十七条の規定により建設大臣が道路管理者に代つて行う権限を含む。)は、政令で定めるところにより、その一部を地方建設局長又は北海道開発局長に委任することができる。
第百三条第一項中「第四十七条第二項」の下に「又は第四十八条の六」を加え、同項に後段として次のように加える。
第七十一条第五項の規定による道路監理員の命令に違反した者についても、同様とする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(道路運送法の一部改正)
2 道路運送法の一部を次のように改正する。
第二条第八項中「(高速自動車国道を除く。)」を「で道路法による道路以外のもの」に改める。
第四十九条第一項中第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 当該一般自動車道の路線の選定が道路法による道路で自動車のみの一般交通の用に供するものとの調整について特に考慮してなされているものであること。
(道路整備特別措置法の一部改正)
3 道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項第十号中「並びに第四十八条第一項及び第二項」を「、第四十八条第一項及び第二項並びに第四十八条の五第二項」に改め、同項第十二号中「第四十七条第二項」の下に「又は第四十八条の六」を加え、同項第十三号中「並びに第四十七条第三項」を「、第四十七条第三項並びに第四十八条の四第一項」に改める。
第十三条の見出し中「運輸大臣」の下に「との協議及び運輸大臣」を加え、同条第一項中「あらかじめ、」の下に「道路法第四十八条の二第一項の規定による指定を受けた道路にあつては運輸大臣と協議し、その他の道路にあつては」を加える。
第十七条第一項第八号中「又は第四十七条第三項」を「、第四十七条第三項又は第四 十八条の四第一項」に改め、同号を同項第十号とし、同項第七号の次に次の二号を加える。
八 道路法第四十八条の二第一項又は第二項の規定による指定をすること。
九 道路法第四十八条の四第一項の規定により許可をすること。
第十八条の二中「指定区間内の一級国道に係るものにあつては政令で、その他の道路に係るものにあっては」を削り、「条例」の下に「(指定区間内の一級国道にあつては、政令)」を加える。
第三十条第一項中「第七十一条第四項、」を「第七十一条第四項若しくは第五項、」に改める。
(高速自動車国道法の一部改正)
4 高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。
第十九条第二項中「第五項及び第六項」を「第六項及び第七項」に改める。
内閣総理大臣 岸信介
運輸大臣 永野護
建設大臣 遠藤三郎